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(相葉) 何かね 包み込んで聞いてくれるから➡
ちょっと話すだけで 楽になるっていうか。
(相葉) そう お父さんみたいな。
<でも 相葉君に出会う前…>
<コントの神様 志村けんさんには➡
かたくなな ポリシーがありました>
<「テレビでは 自分の素の姿を 見せたくない」>
<ところが 今から17年前➡
志村さんは そのポリシーを破ってまで➡
自分のプライベートな姿を…>
(志村) そうです 私が変な園長です。
<『 志村どうぶつ園』 スタートから➡
16年を共にした 番組スタッフが…>
<そして…>
(肥後) …し始めたんですよ。
<長年 共演して来た方々が 語る…>
<そこには 志村さんが…>
(リポーター) 状況を教えていただけますか?
<ドキュメントとドラマ➡
そして 志村さんが愛した音楽を 通してお伝えします>
(カーステレオ)♪~ 『Let it be』
(カーステレオ)♪~ 『Let it be』 (保科) 好きなんですね この曲。
(風鈴の音)
<小さい頃 夢中になって 見ていたテレビの中に➡
いつも その人の姿はあった>
(いかりや) 8時だョ! (TV) (観客) 全員集合!
フフフ…。
<自分も友達も>
<父さんや母さんも>
<どんな人だって その人が現れることを➡
毎晩のように楽しみにしていた>
<その人の名前は➡
志村けん>
<誰もが知る コントの神様だ>
アハハハ…!
<突如現れた お茶の間の スーパースターは➡
いつも僕らを 楽しく 笑わせ続けてくれた>
<僕は… 僕たちは➡
そんな志村けんという人が➡
心の底から大好きだった>
アハハハ…!
<そして 大人になった僕は➡
毎日 かぶり付くように見ていた テレビの中に➡
制作者の一人として 入ることとなっていた>
(君下) 保科さん 企画書 10部で足ります?
うん 十分 ありがとね。
何だよ?
念を込めてるんです 絶対 この企画 通るようにって。
大丈夫だよ 何度か上と話してるから。
いや そういって ダメになった企画➡
星の数ほど 一緒に経験して来ましたから。
でも 今回は特に 絶対に。 分かってっから。
これ 俺の目標。
その気持ちは誰よりも持ってます。
何? 何?
(笹木) 今日こそ 絶対に決めて来てください!
(國枝) もう 夜中に ねじりパンを食べながら➡
打ち合わせする日々から 解放してください!
分かった 分かった! 分かったから! 離せ!
決めて来るから。
で 俺たち発の番組 立ち上げるんだろ?
任しとけ。
はい はい。
いってきます。 (國枝:君下) いってらっしゃい。
ハァ…。
何とぞ… 何とぞ…。
<その時 書かれた 実際の企画書です>
<志村けんさんをMCに迎えての 動物番組>
<毎週毎週の レギュラーではなく➡
一度だけのスペシャル企画>
<それでも その人選には 疑問の声が上がりました>
(種田) やっぱりさ これ 難しいと思うわ。
えっ あの…。
前に話した時は 面白いと言って…。
(木坂) まぁ 企画自体に問題はない。
だけど 番組のMCを➡
志村さんにお願いするのはどうか という意見が出てね。
(若名) まぁ 志村さんが この手の番組のMCやってるの➡
見たことないしね。 (種田) ですよね。
<新しい番組をつくる時➡
テレビ局が まず最初に苦労するのがMC➡
つまり 司会者の出演交渉>
<この頃の志村さんの テレビ出演は➡
自分のコント番組が中心>
<トークもある バラエティー番組への出演は➡
ほとんどありませんでした>
<それは この時すでに 出版されていた➡
本の中にも…>
<志村けんは…>
<それは 当時の テレビ制作者たちの間では➡
有名な話でした>
つまり お前も知ってる通り 志村さんは これまで➡
計算して積み上げた笑いに 誇りを持って来られた方だ。
だからさ 動物という計算外の 存在を扱う番組を➡
お願いするのは 失礼に当たるんじゃないかなと➡
みんな 危惧してるわけだ。
それ… 諦めたほうがいい ということですか?
お前 どう思う?
皆さんが ご心配されていること➡
よく分かります。
ですが それを分かった上で➡
どうしても志村さんに お願いしたいんです。
どうして?
この企画は 志村さんと一緒に やりたいと思って➡
考えて来た番組です。
お願いもせずに 諦めるなんてできません。
それに…。
志村さんとの仕事は 僕の幼い頃からの目標でした。
だから…。
お願いします。
保科君 でもね…。
分かった。
まぁ 現場の人間が そこまで言うんだったら➡
止める必要はない。
まぁ ダメもとだけど➡
気持ちを伝えてみるんだな。
はい。 (種田) 木坂さん 大丈夫ですか?
まぁ 何かマズいことでもあったら 俺も一緒に頭を下げに行くから。
ハハハ…。
うん。
あっ 木坂さん。 え?
あの… ありがとうございました。
ああ 構わないよ。
いや むしろ あんな後ろ向きな 会議になって申し訳なかったね。
おかげで諦めずに済みました。
まぁ みんな お前の気持ちは 分かってんだよ。
だけど いろんなことを 心配してんだ 気にすんな。
はい あの… それは分かってるんですけど。
あとはダメもと 頼んだよ。
はい! ありがとうございました! はい。
<そして 僕は いよいよ…>
<大好きな あの人と初めて➡
顔を合わせることとなった>
<しかも…>
<その人と共に スペシャル番組を つくるという話をするために>
よっしゃ…。
♬~
失礼します 日本テレビの保科と申します。
(志村) ≪どうぞ≫ はい。
失礼します。
(志村) どうぞ。
はい 失礼します。
改めまして こちらの企画ですが…。
志村さんが 今までやって 来られなかった番組である➡
…ということは承知しております。
ですが 僕は今回あえて➡
志村さんが今まで 見せて来られなかった姿を➡
撮りたいと思っています。
なので 動物をテーマにした番組で➡
志村さんをMCに迎えたいと 思っています。
視聴者の皆さんと志村さんが➡
一緒になって 明るく笑える番組を➡
つくりたいと思っています。
ですので よろしければ ぜひ ご一緒させてください。
お願いします。
(志村) ふぅ…。
(志村) これは…。
面白くないよね。
<そんな 全く明るくも 笑えもしない返答から➡
志村さんとの出会いは始まった>
<そして これが➡
志村さんが ぽつりとつぶやく その言葉に振り回される➡
16年と5か月の始まりだった>
♬~
保科さん 昔 志村さんに何かしたんですか?
何も… お会いしたの初めてだし。
じゃあ どういうことですか? 会話時間 4分半って。
あの志村けんですよ? コントの神様ですよ?
そんな盛り上がんないこと あります?
やめてくれよ 俺が一番ショック受けてんだから。
(笹木) それより この企画 どうするんですか?
MCを違う人がやるなら 根本から考え方 変わりますよね?
まぁ それはそうなんだけど でもね…。
あっ 見事に撃沈 保科君。
木坂さん ホントにすいませんでした。
いや だから ダメもとって言ったじゃない。
別に慰めに来たわけじゃないよ。
で 話は どうなったの?
話というより ずっと ぽつりぽつりと➡
言葉を紡いでもらうのが やっとでした。
4分半で空気に押し負け 保科さんが退席したそうです。
あ~ なるほどね。
肝心の企画なんですけど➡
「面白くない」と すばり言われてしまいました。
う~ん…。
いや ちょっと それはおかしいな。 はい?
おかしいって どういうことですか?
いや 志村さんは 元々 楽屋で喋るタイプじゃ ない。
だから 話をする時の雰囲気は 俺も知っている。
そうなんですね。
あの志村さんが➡
作り手が必死になって 作って来たものに対して➡
面白くないってのは イメージにないな。
なぁ 保科。 はい。
もしかしたら 何か これは 別の意味があるんじゃないかい?
ちょっと思い付いたことが あるんですけど。
♬~
(肥後) いやいや…。
あ~ 師匠 すいません すいませんでした。
いやいや…。
あっ そういえば 師匠 聞きましたよ。
動物バラエティーの話 来たんですって?
しかも MC?
クフフ おかしなことを考える スタッフいますねぇ。
師匠も もう54歳。
積み上げて来たものは 計算され尽くした笑い。
テレビでは 素は見せないっちゅうの。
ホントに まだ分かってない スタッフが多いんすよ。
ダメだね。
それに…。
素の志村けんなんてね ヘヘヘ…。
(志村) うるさいよ。 あっ 痛てて…。
冗談っすよ ト~ンってね。
いや~ やっぱりコントですよ 師匠 今日も良かったですよ。
ああいうコントを やることによって➡
いろいろ 計算されてるじゃないですか。
(志村) あぁ…。
♬~
♬~ ハァ…。
♬~
(志村) お前が 一番知ってるよな。
面白くなんか ないって。
<志村さんが 企画を断ったのには➡
何か別の意味が あるかもしれない>
<そんな木坂さんの言葉に 背中を押され➡
僕は 志村さんのマネジャーに 連絡を入れて➡
ある提案をしてみた> (ベル)
はい。
えっ?
分かった。
ちょっと考えさせて。
♬~
保科はいるか? 保科。
保科さんは まだ来ていませんが。
あいつ こんな時に昼出社か チッ。
どうした? そんな慌てて。
木坂さん 聞いてないんですか? え?
保科のヤツ 完全に断られたのに➡
志村さんサイドに 追っ掛けの連絡したんですよ!
我々が丁寧に これからの段取りをしてたのに。
いや その件は 俺 受けたよ。 (若名) え?
ちょ… なぜ許したんですか? そんな失礼な話!
いや その前に あいつは どんな話を先方にしたんですか?
いや まぁ…。
おはようございます。 おい 保科!
普通に入って来るな お前! どうした? え? お前 どうした?
逆に どうしたんですか?
「どうした」は こっちのセリフなんだよ。
聞いたぞ お前 志村さんに 失礼な連絡したんだってな?
あ… 失礼かは分かりませんが 連絡はしました。
(若名) いやね 保科君➡
もう あれは完全に お断りいただいた話なんだから➡
今後の関係のためにも まずは我々から先方にさ…。
その件については 俺が許可したんだから➡
保科を責めないでやってくれよ。
どうなるの? これ…。 いや…。
いや もう誰が どうとか この際いいとして➡
で 君は先方に どんな話 したんだい?
そうだぞ お前 え?
志村さんにハッキリ 面白くないって言われて➡
どのツラ下げて 連絡したんだよ!
志村さんがおっしゃった 面白くないというのは➡
企画のことではなくて➡
ご自身のことを言われたと 思うんですよ。
(2人) はぁ?
要するに 自身の素の姿が➡
面白くないと思われた ということです。
いや… お前 頭 沸騰したのか?
お前 どんなポジティブな解釈したら そうなるんだよ!
すごく不安なんだけどさ➡
その解釈の上で 何て連絡を?
志村さんの素の姿が➡
面白くないわけ ないじゃないですか。
で 今まで 見たことないなと思ったので➡
志村さんの ご自宅の姿を 撮影してほしいとお願いしました。
(2人) はぁ~?
(種田) いや お前 もう 言葉も出ないんだけどさ➡
志村さんが テレビで素を 見せたがらない人だってのは➡
ご存じ?
だから最初の会議で 我々は懸念したよね?
(種田) なのにお前は 失礼の上塗りを!
いや 保科の解釈は➡
あながち間違ってないんじゃ ないかなと思うなぁ。
だって 志村さんって人は➡
平気で企画を 否定するような人じゃ ない。
なら 保科のやってることに 俺は納得するけどなぁ。
それに…。
私たちも 憧れの人と仕事するのを 諦めたくなくて。
なので… 保科さんの案に 乗っかりました。
(國枝) その気持ちは 保科さんが 一番あると思いますが…。
僕のやりたいことは 変わってません!
やっぱり 志村さんと仕事がしたいし➡
もっと知りたいんです。
ずっと笑わせてもらって来た人の 自然に笑ってる顔が見たいです。
なので その映像が欲しいと伝えました。
(種田) いや そんな美談みたいに言ったって➡
失礼には違いないんだからさ。 (振動音)
(振動音)
あ~ 志村さんの マネジャーさんからだ。
(振動音)
絶対 お怒りの電話だよ。
こういう時は どんな手土産 持ってったらいいんだろうな…。
あ~ もしもし 木坂です。
はい はい そうです。
ええ 企画の件で…。
はい。
あ~ 分かりました はい。
では 失礼いたします。
何とおっしゃってました?
「一度だけやってみる」 だそうだ。
(2人) えっ?
よっしゃ~!
<そして僕らは➡
ついに あの志村けんと一緒に…>
はい 了解です。
<スペシャル番組を つくり上げることとなった>
志村さん 入ります!
<一度きりの特番とはいえ➡
この日を迎えられたことが 心からうれしかった>
<けど 正直 僕は➡
不思議な気持ちで いっぱいだった>
<コント番組では 台本を何度も読み➡
何日もかけて直す志村さんが➡
僕たちの作った台本には 何も言って来なかったからだ>
直前に こんなこと言うのも 何ですけど➡
台本 このままで大丈夫ですか?
(志村) ん?
まぁ やってみましょう。
はい。
お願いします! ≪お願いします!≫
<こちらが 実際に放送された番組です>
(山瀬) いや~ すごい動物番組が 始まりましたね 志村園長。
そうです 私が変な園長です。
(笑いと拍手)
<そして 後にも先にも➡
この時しか撮影されなかった 志村さんの自宅映像>
<志村さん自撮りの自宅映像>
(ナレーション) というわけで 志村さん家の 犬たちが こちらです。
(志村) ジョン君です 10歳です おじいちゃんです。
はい ジョン君。
これが 大輔君です。
2番目 ジョンの子供です。
これが次男ですね イチロー君です。
これがハッチ君。
シーズーとポメラニアンと コーギーのクオーターですね。
鈴。
これが鈴君です。
まだ1歳になってません。
これが全員ですね。
(ナレーション) それでは早速 お宅を拝見!
(志村) かじんじゃないよ。
イチロー君 かじんじゃないの。
こんな… 木を全部 削ってしまいました。
(ナレーション) あっちゃっちゃ… みんな やりたい放題ですね。
(ナレーション) どこもかしこも ボロボロです。
(ナレーション)これ 志村さんのしつけに 問題があるんじゃないでしょうか。
(志村) イチロー君 かじんじゃないの それ イチロー君。
(ナレーション) さぁ ここで 志村さんがお出掛け。
(ナレーション) 犬たちがお留守番です 帰って来るのは いつのことやら。
(志村) ただいま。
はい ただ今 帰りました。
366 00:28:29,
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