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やっと こぎ着けた開店であった。
果たして 売れるのか売れないのか おしんには 予想もつかなかった。
…が 竜三と2人で 開店の客を迎えられる事が➡
おしんには うれしかった。 それだけで 幸せであった。
(亜矢美)あ~ もう見てらんない もう…。 あ~!
昭和38年12月➡
なつたちの作ったテレビ漫画が 日曜日の夕方に始まりました。
(テレビ)♬「あいつは怪力」
(歓声)
(笑い声)
なつたちの この苦難と冒険は➡
やがて 未来の ジャパニーズアニメーションの担い手たちへと➡
つながってゆくのです。
(テレビ)♬「あらしのサム ハレルヤサム」
(テレビ)♬「いつか王者だサム」
♬~
♬「重い扉を押し開けたら 暗い道が続いてて」
♬「めげずに歩いたその先に 知らなかった世界」
♬「氷を散らす風すら 味方にもできるんだなあ」
♬「切り取られることのない 丸い大空の色を」
♬「優しいあの子にも教えたい」
♬「ルルル…」
(富士子)なつ 見たさ。 面白かったわ。
(なつ)本当に? 本当さ。
ちー君も好きになったみたいで➡
じ~っと見てたわ。
☎それは よかった。
ちー君に会いたいな。
なつの名前も ちゃんと出てたね。
じいちゃん 思わず 「おっ!」て声出してたわ ハハ…。
ハハハハ… そっか。 じいちゃんは?
☎(富士子)なつのテレビ見終わって すぐ牛舎戻った。
(泰樹)テレビぐらい買え!
お前ら 遅れてるもな。
(菊介)おやじ。 (悠吉)うん? 労働組合作って➡
賃金上げさせるべ。
それより わしは もう引退したいわ。
近頃 腰が こわあて…。 それは困る。
ハハハハハハハ…。
時間出来たら すぐ帰ってきなさいね。
(剛男)どれ 代わるかい。 したらね。
あっ… なして!
電話代もったいないべさ。 別に用事ないしょ。
声を聞くのが用事だべさ!
なあ。 うん?
どうだった?
(桃代)思ってたより 絵は動いてたんじゃない?
お待たせしました。 サンドイッチと チキンライスでございます。
そう?
私なんか テレビ見てたら やっぱり動きが ぎこちないなって。
あっ… そんな中でも➡
なっちゃんらしいなって思うところも たくさんあったよ。
モノクロじゃなければ 私が 色を塗りたいくらいだけど。
私より 猿渡さんって人がすごいの。 もう パパッと描いちゃう。
それじゃ 順調なんだ?
それが そうでもないんだよ…。
問題は やっぱり あの人よ。
(荒井)あんた ええ加減にせえや! あんたの要求 聞いとったら➡
みんな 4, 000枚ぐらい 描かなあかんことになるやないか!
あの「鉄腕アトム」見てみいな➡
あれ 1, 000枚前後で 出来てるっちゅう話やぞ。
(坂場)「鉄腕アトム」という 作品の魅力があっての話です。
うちは うちらしい個性を出さなければ 太刀打ちできないでしょう。
(荒井)放送でけへんかったら 意味ないやろ!➡
このままやったら ひとつきで 放送でけへんようになるぞ!
荒井さん! 大丈夫です。 私が なんとかしますから。
なんとかするって お前 そんな簡単なこと… どないすんの?
これから描く予定の原画を見直します。
例えば ここの➡
トラ同士が仲間割れをして➡
喧嘩をするシーン ですけど…。
こういう乱闘シーンは手間がかかるので➡
こんなふうに 土煙で覆ってしまうんですよ。
この煙だけを モコモコと動かして➡
煙の中から 面白いポーズや表情をした トラの止め絵が飛び出してくるんです。
(茜)ああ… それで 喧嘩を表現しちゃうんだ?
これは…。 (猿渡)それは いいアイデアだよ なっちゃん!
猿渡さんのやり方を見ていて 思いついたんです。
あっ それから サムが トラをやっつけるシーンですが➡
やっつけるサムの画に 画面いっぱいに 星だけ出しちゃうんですよ。
その次の瞬間に 伸びてるトラを見せれば➡
サムの強さも表現できます。
(一同)あ~…。
まあ テレビは 小さな子どもも見てますから➡
これは 手を抜くというよりも➡
暴力を振るう場面を なるべく見せたくないんです。
そうよね。 それで枚数も少なくできれば 一石二鳥ね。
(猿渡)すごいよ なっちゃん!
でも そのかわり ちゃんと丁寧に見せたいところには➡
枚数をかけられるようにしたいんです。
イッキュウさん 思い切って こういうことを やってはいけませんか?
それを決めるのは あなたです。
私は それを 最大限 生かせるように 話の内容を考えてゆきます。
はい!
それじゃ 皆さん よろしくお願いします!
(一同)はい! よっしゃ ほな それでいこう!
よっしゃ!
♬~
≪(妙子)ありがとうございました。
そして そのころ 北国では。
(妙子)いらっしゃい…。
(雪次郎)ただいま。 雪次郎…!
何さ あんた 帰るなら帰るって 知らせてくれたらいいしょや。 うん…。
父さんと ばあちゃんに知らせてくる。
(蘭子)あの人の分も生きて 演じてほしいのよ。
頑張ってほしいの これからも。
(とよ)アッハハハハ…。 ハハハ…。
雪次郎! あんた 帰ってこれたんか! ただいま ばあちゃん。
あっ 父さん ただいま。
(雪之助)正月帰るんだら ちょっと早いんでねえか おい。 あんた。
クリスマスに 間に合うようにと思ってな。
父さん クリスマスケーキ作るべ!
ん? うん?
何だ? お前。 どしたの?
うん…。
(妙子)雪次郎…!
父さん 言ったべや。
諦める時は 潔く諦めれって。
諦めたのか?
そ… その芝居で失敗したのか? セリフ忘れたのかい?
そんなことで…。 そったらことでねえ!
もう 悔いはねえんだ。
だから決めたのさ。
俺は 菓子屋に戻る。
バカでねえか!
そったら中途半端なことで 菓子屋になれっか!
だったら 父さん… 俺を鍛えてくれ!
中途半端な菓子屋として 人間として 俺を鍛え直してくれ。
頼む…。
父さんのもとで もう一度やってみたくなったんだわ…。
本気か?
本気だ。
逃げてきたわけでねえんだな?
逃げてねえ…。
捨ててきた。
(妙子)雪次郎…。
♬~
(戸の開閉音)
(天陽)うん どうした? もう搾乳の時間か?
相変わらず やってんな。 雪次郎!
久しぶりだな 天陽。 帰ってきたんかい。
おう… もう ずっとな。 ずっと?
おう。 これからは ずっと こっちさ。 喜べ。
別に うれしかねえわ。
相変わらず冷めてんな。
あっ しばれたべ? 何か 持ってくっか…。
あ いい…。 後で お前の嫁さんに挨拶するべ。
おう。 そうしてくれ。
倉田先生にも 挨拶に行かねばな…。
ああ そりゃ喜ぶべな。
あ… よっちゃんや番長も呼んで 一緒に酒飲むべ。
うん。
みんな お前に会いたがってるぞ。
あっ お前 なっちゃんのテレビ見たか?
ああ 兄貴から聞いたけど テレビなんて買えんからな。
欲しくもないんだべさ。
あ… 俺も テレビに出てたんだ。
ああ 声だけな。 それは知ってんのかい。
なっちゃんも相変わらずやってんだな。
うん。 なっちゃんは相変わらずだ。
どんどん 先行くぞ。
脇目も振らずって感じだな。
俺は 結局 なっちゃんには追いつけもせんかった。
競争じゃないべ 生きるのは。
そだな…。
お帰り 雪次郎。
ただいま 天陽。
何だ お前。
(蘭子)そう…。➡
北海道に帰ったのね…。
別に 心から辞めろって 言ったわけじゃないのに…。
彼は それも分かってましたよ。
分かったから 辞められたんだと思います。
雪次郎君 あれから じっくり考えて 気付いたそうです。
自分は 開拓者になるなら 演劇じゃなくて菓子屋だって。
(咲太郎)俺は 少し残念ですけどね。
♬~
だったら もう あれも剥がしたら?
うちは 思い出を捨てない店ですから。
あれは残しておきましょう。
(亜矢美)メリークリスマス。
メリークリスマス。
ああ なつよ… 降り積もる雪が やがては解けるように➡
時間は過ぎてゆくだろう。
そこに残るのは 思い出か 愛か…。
来週に続けよ。
(蘭子 咲太郎)お~! ハハハ…。
空気もいいし 見晴らしもいいし。
旅人は ユージさん。
夏のごちそうがあると聞き 秋田県の三種町という町へ。
お~ すごい すごい すごい。
舟に乗って 収穫するようです。
なんでも国内のシェアは9割! 日本一を誇りますが➡
何をとっているか 分かります?
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