All language subtitles for 1양주당

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Original subtitles

(竹本)中内さん 辞めるって本当ですか?➡

せっかく スーシェフまでなったのに…。

(中内智)やる。 もらえないですよ。 これ➡

ずっと 大事にしてたやつ…。 もう…➡

料理は やめる。

(竹本)もらえないです。➡

すみません すみません…。

(心の声)≪この世界は 厳しくて➡

自分より不幸な人は たくさんいる≫

≪そんなことは分かってる≫

≪それでも 自分を➡

不幸だと思ってしまう夜はある≫

ゴロゴロゴロ…(雷鳴) ポツポツ…(雨音)

≪自分を不幸だと 思ってしまう夜はある≫

♬~

(客)悪いね 傘 借りちゃって。 (客)次 来るときは持ってくるから。

(雨宮涼一朗)お待ちしております。

♬~

雨宮?

あっ…。

♬~

♬~

♬~

♬~

10年… いや それ以上ぶりか。

高校以来だから… そうだね。

つっても 大した感慨もないか。

別に 仲よかったわけでもないし。 そうかな。

僕は 中内君のこと よ~く覚えてますよ。

変わってないな…。

(回想) ⦅中内君 熱は もう大丈夫?⦆

⦅ああ⦆ ⦅これ 休んでた期間のプリントと➡

よかったら 僕のノートも貸しとくよ⦆

⦅さすがに ノートは悪ぃだろ⦆ ⦅いいから いいから はい⦆

♬~

⦅全部 自分で作ってるんだって?⦆

⦅まあ 親も忙しいし⦆

⦅だし巻き卵に きんぴらごぼう⦆

⦅この照り焼きもいいな~⦆

⦅いや やらねぇよ⦆

優等生の学級委員長で 誰にでも分け隔てなくて。

そんなこと…。 中内君こそ➡

シェフになったって聞きましたよ。

料理 得意でしたもんね。 えっ?

一流レストランで 随分 活躍してると 風の噂で。

まあな…。 カクテルの味は どうですか?

よかったら アドバイス頂けたら。

ああ~…。 いや 甘くて おいしいよ。

そっか よかった。

店の雰囲気も なかなか 気が利いてる。

照明 一つとっても ゆっくり話せるようにも➡

読書できるようにも出来てて。

♬~

まあ 落ち着く店だと思うよ。

雨宮が バーテンダーになってたとは 意外だったけど。

あははっ。 自分でも 想像してなかったよ。

この仕事 長いの? いや 始めて まだ1か月だね。

えっ 1か月?

この店も 自分の店 っていうわけでもないんだ。

マスターだった方が 亡くなってしまって➡

今は 僕が。

いや でも なんで またお前が?

ガチャ(ドアの音)

(恵)あの… いいですか?

いらっしゃいませ。

(恵)すみません 雨宿りみたいになっちゃって。

いえ 大変でしたね。

(恵)ふふっ…。

(恵)下ろしたての靴だったのに…。

何か お飲みになられますか?

あっ はい。➡

あの… 私 あんまり バーって 慣れてなくて。➡

あの… 飲みやすいのを…。

いや 強いのを お願いします。

大丈夫ですか? (恵)はい。➡

うんと強いやつを お任せで。

かしこまりました。

♬~

♬~

お待たせいたしました。

こちら コスモポリタンマティーニでございます。

いただきます。

♬~

あっ おいしい。

強いので お気をつけて飲んでくださいね。

(小林直樹)おい 腹減った。

では… ドライカレーにしましょっか。

缶詰…。 はい。

当店の料理は すべて 缶詰を使っております。

へえ~ 珍しいですね。

客に 缶詰って…。

なんか ご不満か?

えっ いや 別に。

うちのレストランじゃ 考えられませんってか?

はあ? なんで あんたに そんなこと…。

はいはい ストップ。 絡み酒になってるよ 小林君。

えっ 小林?

やっぱり お前 小林だよな!

あっ すみません。 この三人 高校の同級生なんです。

あっ… えっ そうなんですか。

いや でも 小林 お前 随分 雰囲気 変わったな。

そうかな? いや 変わっただろ。 だって…。

⦅ねえ 小林君 私の作ったサンドイッチ どう?➡

おいしい?⦆ ⦅うん! うまいんじゃねぇの⦆

⦅おお~ やった!⦆ (女子生徒)⦅小林君➡

私のおにぎりは?⦆ ⦅ああ~ うまいんじゃねぇの⦆

(女子生徒)⦅やった~!⦆ ⦅つぅか お前らさ➡

おにぎりと サンドイッチ 別々に作ってくんじゃねぇよ⦆

(女子生徒たち)⦅えっ?⦆ ⦅もっと コンセンサスを取れよ⦆

⦅コンセンサスを⦆

なんていうか その…。 言いたいことあるなら➡

はっきり言え。

あんなに イケイケだったのに 随分 キャラ変っていうか…➡

落ちぶれた…。 ああっ?

いや お前が はっきり言えって言うから。

もっと早く 教えてくれりゃあよかったのに。

ふふふっ。 (恵)えっ 小林さん…。➡

もしかして 小林直樹さんですか?

(恵)あっ ち… 違いました。

合ってますよ。 彼が 作家の小林直樹です。

作家? (恵)すごい! あの… 私 ファンです。

すみません。

♬~

小林は そんなに有名なんですか?

ご存じないんですか? デビュー作の「時の栞」が➡

大ヒットして あんなに話題になったのに…。

やめろ! 10年も前の話だ。

そんな…。 何年たっても あの作品は 色あせないですよ。

で それ以降は? えっ?

いや デビュー作の話ばっかりだから。

あっ… いや…。

まあ…。 一発屋か。

だから 俺をにらむなよ。

で… でも ほんとに すばらしかったです 「時の栞」。

あの装丁が すごくきれいで…。

中身じゃないのか。 ああ~ いや あの…➡

そうじゃなくて…。 気を遣わせんなよ。

ふふふっ。 (恵)でも…➡

でも 作品は もちろんですけど➡

その繊細な世界観を よく表現された装丁で➡

すごくすてきだなって…。

私も こういうお仕事ができたらな って思ったんです。

何か そういった関係のお仕事を?

あっ ええ あの~ 広告の…。

(メッセージ受信音)

あっ…。

♬~

えっ…。

(恵)こほっ… んっ…。➡

あの~ お会計 お願いします。

すみません 騒がしくしてしまって。

(恵)あっ いえ 違います。 あの~ ちょっと仕事が…。

かしこまりました。

ピッピッ ピッ…(レジスターの操作音)

いや…。➡

やっぱり もう一杯 飲もっかな…。

雨が上がるまで ごゆっくりしていきませんか?

♬~

こちら マンハッタンでございます。

♬~

(恵)私 広告のデザイナーなんですけど➡

今回 初めて クリエイティブディレクターとして➡

プロジェクトを任されて。

それは おめでとうございます。

最初は うれしかったんですけど。

なかなか うまくいかないですね。

(クライアント)⦅オレンジ色は どう?⦆ (恵)⦅はい?⦆

(クライアント)⦅いや 前から気になってたんだけどさ➡

地味じゃない? 今の色合い⦆

(クライアント)⦅ええ 地味ですね⦆

⦅あっ… いえ その…➡

御社のロゴカラーをベースにして 落ち着いた雰囲気を➡

という ご希望だったので⦆ (クライアント)⦅梶野さん➡

言われたことやるだけが 仕事じゃないよ。➡

客が 真に望むことを提案してこそ プロなんじゃないの?⦆

⦅あっ… あの~ ベースの色に オレンジを加えるとなると…⦆

(クライアント)⦅オレンジ色 いいですね⦆ (クライアント)⦅いや~➡

ひとひねりしたよ。 足りないものは オレンジだって⦆

(クライアント) ⦅さすが部長 センスがいい。➡

私も 何か足りないとは…⦆ (恵)≪ラフ57案➡

追加修正20回 伝達ミスによるサイズ変更2回➡

カンプを持っての入稿前 今日が 最終確認…➡

のはずだったのに…≫

(恵)やっと 打ち合わせが終わって 電車に乗ったら➡

そこでは みんな スマホ持って 下見てて➡

誰も 広告なんて見てなくて。

こんなに苦労して作ってるのに 誰も…。

ふふっ…。 そ… それでも➡

私が 責任 持って やるしかないんです。

分かります。

俺は分かんねぇな。

(恵)えっ? おい 小林。

クライアントが オレンジだっつってんなら オレンジなんだろうよ。

(恵)そ… それは…。 そんなことは➡

百も承知のうえでの話だろ。

横からの適当な意見が 1つ入れば➡

それだけで 自分の仕事じゃなくなる。

プロとして譲れない線 っていうのがあんだよ。

こだわりを押し通すのが プロの仕事か?

お前に 一体 何が分かる? どうして お前が➡

そんな ムキになる。 小林君。

言い過ぎです。

お詫びに 何か召し上がりませんか?

「as you like」…。

「お気に召すまま」。

できるかぎり ご要望に お応えします。

♬~

缶詰は 小さな鍋なんです。

素材を入れて 蓋をして 丸ごと加熱をして。

缶の中で煮込まれた食材は➡

開かれるまで 時を待ちます。

何年も 何年も。

多種多様に 取りそろえておりますので➡

お好きなものを おっしゃってください。

じゃあ…➡

おいしいお肉を 少しだけ。

かしこまりました。

♬~

中内君 ちょっといいかな。

すごい量だな。

前のマスターが残したもので…。

っと… これかな。

なんで 俺に これを? それと もう一つ。

この缶詰を使いたいなと 思っててね。

これは…。 中内君 よろしくお願いします。

はあ? いや なんで 俺が…。

せっかく こうして 一流のシェフが来てくれたので。

ふふっ。

♬~

お待たせいたしました。

これは…。 温めた和牛ローストの缶詰に➡

マンゴーのソースを掛けました。

マンゴー? はい。

果実と お肉の相性って とってもいいんですよ。

へえ~…。

缶詰は 料理でもあり➡

丁寧に仕込まれた 食材でもあります。

ですから 異なる味を加えることで➡

そこから また 新しい味に変化するんです。

異なる味…。

このお肉の思わぬ一面を 引き出すソースを➡

彼が作ってくれました。

(恵)いただきます。

すごくおいしい。

(恵)マンゴーの甘みで 脂っぽさが消えて。

♬~

こちらは カリモーチョ。

ワインを コーラで割った スペインで➡

よく飲まれているカクテルです。

♬~

赤ワインより飲みやすい。➡

これも 異なる味… ですか?

ですね。

(恵・雨宮)あははっ。

(恵)違うものが混ざり合うことで 新しいものに…。

オレンジ色も 悪くないかもしれません。

♬~

雨 上がってる。

♬~

同じやつ。 かしこまりました。

やっぱりいいな。 お客さんの笑顔は。

中内君も 今日は お客様ですよ。

レモン? 疲れてるときはね➡

レモンの酸味が よ~く効きますから。

⦅カクテルの味は どうですか?⦆

⦅いや 甘くて おいしいよ⦆

気付いてたのか?

しばらく前から なんの味も分からなくなってな。

店も 今日 辞めてきた。

病院には? 行ったよ。

ただ… 心の問題らしくて。

治るかは分からんのだと。

心の問題?

キャリアを積んで 部下もできて…。

自分なりに プレッシャー 感じてたんだろうな。

寝る間も惜しんで 家に帰らないことも➡

しょっちゅうだった。

そしたら ある日 ほんとに突然…。

(竹本) ⦅ソースの味見 お願いします⦆

⦅おう⦆

♬~

(竹本) ⦅中内さん どうかしましたか?⦆

⦅いや… なんでもない⦆

そのこと 店の人には?

部下の1人には バレたけど それだけ。

相談したところで どうなるもんでもないしな。

相変わらず 頑固なやつだな。

はあ? 昔から そういう➡

一人で生きてます みたいな顔してたよな。

また お前は…。

いや こうなっちゃ 何も言い返せねぇな。

中内君は これから どうするの?

どうだろうな…。

正直 今は 何も考えてない。

だったら ここで 一緒に働きましょうか。

はあ? 中内君が一緒なら 僕は嬉しいな。

えっ それは 料理を作れってことか?

ふふふっ。 もちろん。

缶詰料理も アレンジしたいなと思っててね。

だから 俺は もう 料理は…。 缶詰だったら➡

元の味は保証されてる。

いいじゃないですか その力を頼ってみても。

でも…。

バン!(瓶を置く音) 判断が遅い。 どうせ お前も➡

その気になってんだろ。 いや なって…。

チャンスが いつまでも 同じ場所にあると思うな。

いや お前は さっきから 何様なんだよ。

オーナー様だ。

はあ? ああ~ そう。

小林君が この店のオーナーです。 ええっ!?

もともと ここは 小林君の おじいさんのお店だったんだよ。

小林のおじいさんの…。

オーナー いいですよね?

中内君に ここで働いてもらって。

好きにしろ。 ふふっ… 中内君。

あんまり 難しく考えないでください。

どちらにせよ ここは ずっと先まである店じゃないから。

どういうことだ?

♬~

僕と小林君で 決めてるんです。

小林君のおじいさんが 残してくれた➡

この缶詰が なくなるまで 店を続けて➡

そこで終わりにしようって。

僕たちも 中内君とおんなじで 先のことは分からないんです。

今は なんというか…➡

人生を ひと休みしてるようなもので。

だから 中内君も 一緒に ここで 休んでいきましょう。

♬~

きっと 必要なんだよ そういう時間も。

お前って…➡

昔から そういう 強引なとこあるよな。

ふふふっ。

♬~

♬~

♬~

お二人に提案があります。

誰が来てもいい店だよ。 今すぐに決めなくても➡

いいんじゃないですか。 何もかも犠牲になんかしたくない。

子ども? ああっ おお~!

みんなに愛される店になるよう 頑張っていきましょう。

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