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<彼の名は 橋田一。 新聞社のシステム部で働く傍ら➡
ギャグ漫画を描いている 兼業漫画家。
必死に自分の生き方を 見つけようと奮闘した結果➡
進むべき道が なんとなく 見えてきたみたいだよ。
ってなわけで最終回も 最後まで見てね>
どういうことですか?
だから 今回は 見送ることになったんだよ。
大沼議員の違法献金疑惑ですよ?
局長と協議して そういう判断にいたったんだ。
納得できません。
今 出すネタではないってことだよ。
そんなこと言ってたら他紙に…。
悪いな 会議がある。
ハァ…。
そういえば 聞いた? 新しくできる未来キャリア部の話。
なにそれ? それが どうやら…。
なんだかんだ みんな 選挙で忙しかったから➡
久しぶりだなぁ。 あぁ そうだね。
フッ…。
ん? どうしたの? 新田くん。
あぁ いや…。
あのとき 橋田くんに言われたこと 思い出してね。
⦅今更 こんな斜陽産業のために➡
馬車馬のようになって 働く意味なんかあるのかな?
バカらしいと思わない?⦆
そのとおりだったよ。
こんな会社に 未来なんかないのかも。
えっ?
それ 本当かよ?
真実を世に伝えることが➡
記者としての使命だって 信じていたのに。
それを否定されたら…。
でもさ それは もしかしたら➡
新田くんへの 試練かもしれないよね。
もっと大きなスクープを取ってこい みたいなさ。
ジャーナリズムの神様が…。
橋田くんに 僕の何がわかるの?
仕事に対する思いも 向き合い方も違うのに。
ごめん…。
あっ そういえばさ うちに新しく➡
未来キャリア部ってのが できるらしいぞ。
えっ? それがどうやら➡
働いてない人らの追い出し部屋 なんじゃないかって➡
うわさなんだよ。 それ ホント?
だってあの コストカッター多野さんが 指揮執ってるって話だからな。
えぇ そんなこと 今どき 許されるのかな?
いいことなんじゃない?
働かないアリたちが 一か所に集められて➡
駆除されるわけでしょ?
何も悪いことないよ。
いや 新田くん そんな言い方しなくても…。
じゃあ 橋田くんは 働かない人たちがのさばってる➡
今の会社のほうが いいと思ってんの?
いや あの そういうこと 言ってるんじゃなくてさ…。
人にはそれぞれ いろんな事情が あると思うんだよ。
ここ数か月 僕は それを 目の当たりにしてきてさ…。
会社が 人の生き方とか働き方を➡
ひと括りにして否定するのは おかしいと思う。
そんなのはさ 個の論理だよ。
会社という組織において どんな理由があっても➡
生産性のない人間を 置く意味はない。
いや 働かざる者にも意味はある。
どんな意味? う~ん それは…。
まぁ かくいう僕自身 この会社にとっては➡
意味のない人間なのかも しれないけどね。
ごちそうさま。
(戸の開閉音)
今日ハ 頼ミスラ シナカッタナ。
えっ?
ツクネ!
なるほどな。 そりゃ新田も 腑に落ちないわな。
はい。 何か気の利いたことを➡
言ってあげれればと 思ったんですけど。
なんか 逆に彼を怒らせちゃって…。
そりゃそうだよ お前 落ち込んでるときに➡
部外者から取ってつけたように 励まされるのが➡
一番むかつくんだよ。 そういうときは あれだよ お前。
適当に頷いて すぐ話題変えんだよ すぐ。
八木沼さんに相談した 僕が バカでしたよ。
ハハハッ…。
そういや あれだな。
最近 河田の野郎が 大沼議員と しょっちゅう➡
高級クラブに行ってるっちゅう うわさは聞いたことあんな。
ったく あの野郎 俺が誘っても来ねえくせに➡
政治家先生に誘われたら行くのな。
げんきんな野郎だったよ 昔っから。
(呼び出し音)
(川江)はい? あっ 橋田です。
知ってるよ。 そっか。
あの なんか こないだは ごめんね。
べつに アンタが謝ることじゃないでしょ。
まぁ そうなのかもしれないけど…。
そのために連絡してきたの?
いや あの…。
実はちょっと 頼みたいことがあってさ。
ここ最近の 河田政治部長の領収書の中に➡
なんか…。
高級クラブのやつみたいなのが 混ざってないか➡
調べてもらうことは できないかなって…。
はぁ? えっ 私が人事部って 知ってるよね?
うん もちろん もちろん。
だけどさ…。
俺が こういうこと相談できるの➡
川江さんしか いなくて…。
なんで そんなことすんの?
なんでなんだろう…。
俺にもわかんない。
何それ。
何かせずにはいられない っていうか…。
友達だから…。
あぁ ちょっと もう あの 何言ってるかわかんないね。
ごめんね あの 難しそうだったら諦めるから。
フウ まぁ 経理に同期いるから 聞いてみるよ。
ホント? そのかわり➡
今度 おいしいごはん おごること。
あぁ。 (電話の切れる音)
あぁ 橋田くん いたいたいた…。
あっ ウィキさん。
はい。
えっ?
えっ なんで これを?
ウィキプディア見てたら 見つけちゃって じゃあ。
あっ 堀さん お疲れさまです 橋田です。
おぉ 橋田くん どうした?
あの ちょっと お聞きしたいことがありまして。
堀さん 大沼議員について 何か情報持ってたりしませんか?
大沼さん?
あの…。
同期の記者が 大沼議員の 違法献金疑惑について➡
スクープをつかんだんです。
でも それがなぜか お蔵入りになって…。
何か 彼のために 力になりたいんです。
彼は これからも 世の中の人のために➡
記事を書き続けなきゃいけない もう 優秀な記者で…。
ハハハハハハ いいなぁ。
えっ?
俺にもさ 君みたいな同期がいたらなぁ。
よしわかった また電話する。
♬~
やっぱ ここか。
あっ 川江さん。
はい 河田部長のここ3か月の精算書。
はやっ!
私の社内高卒ネットワークを なめないで。
はい。 ありがとう。
でも やっぱりなかったよ 高級クラブの領収書なんて。
えっ? 一応 お店全部調べたからさ。
そこまで やってくれたんだ。
ひまだっただけ。
そっか…。
てことは クラブなんかには 行ってなかったってことなのかな。
う~ん そんなこともないんじゃない?
相手が払ってるかも しれないし。
えっ…。
河田部長のほうが 接待を受けてた?
どうしたんですか?
これ見てみろよ。
えっ?
未来キャリア部とは よくいったもんだ。
中身は 未来のない社員たちの はきだめだっつうのに…。
これって 本人たちに 知らされてるんですか?
だろうな…。
八木沼さん。
おぉ 橋田。 どうしたの? お前。
あの…。 えっ 何?
ハア 橋田➡
お前 俺のことはいいから 同期の心配してやれよ。
で どうなってんだよ? その後。
あの 河田部長が 大沼議員に➡
接待を受けてるかもしれない ってところまでは➡
わかったんですけど それ以上は…。
そっか…。 でも なんかバカみたいですよね。
えっ? しょせん システム屋の俺なんかに➡
何かできるわけないのに…。
バーカ。
お前 そこまでわかってんだったら➡
あとは システム屋の腕の見せどころだろ。
システム屋の。
♬~
《本当にいいのか?
システム屋の俺がこんなことして…。
でも…》
⦅真実を世に伝えることが 記者としての使命だって➡
信じていたのに…⦆
《そうだ コンプラと正義なら 俺は正義を選ぶ》
なので違ってたら ごめんなさい 河田さん。
はじめまして ユイです。
いいですか? はい。
失礼します。
♬~
うん?
6月に おでん? お土産のこんにゃく?
(電話の発信音)
もしもし?
あっ もしもし 新田くん ごめんね こんな時間に。
どうしたの?
今 河田部長のメールを 掘り返してたんだけど➡
大沼議員との 変な やり取りを見つけてさ。
えっ?
新田くんなら 意味がわかるかもって。
確かに この前の日の6月17日に➡
大沼議員は 神楽坂の料亭で➡
誰かと密会した っていう情報がある。
おでんは女性。 こんにゃくは100万の隠語だ。
はぁ なるほど。
しかも これ CCで 編集局長にも送られてる。
つまり 上層部も含めて➡
組織的に大沼議員と 癒着してるってことだ。
えっ!?
僕が にらんでた線とも一致する。
⦅そうですか。 では 17時半ですね。
承知しました。 楽しみにしています。
(新田)ここによく 河田っていう新聞記者が➡
来ると思うんですけど。 あぁ 河田さん?
はい あの 誰と来てたか 覚えてますか?
あぁ あの政治家のオオ… ヤマ?
大沼! 大沼!⦆
えっ すでに その線で 調べてたの? すごいね。
いや このメールを見つけ出した 橋田くんのほうが すごいよ。
いや…。
ありがとう。 これで僕がつかんだ情報が➡
間違ってなかったって 証明できる。
でも そんなことしたら➡
新田くんの立場が 怪しくなっちゃうんじゃ…。
記者になったときから➡
毎日 クビになる覚悟で 働いてきたから。
ただ 自分の正義や信念を 貫くだけじゃ➡
伝えられないこともあるんだ。
働くって 何なんだろうね。
何なんだ? 忙しいから早くしてくれ。
やっぱり部長や局長は➡
大沼議員と つながってたんですね。
それで僕のネタを 意図的に握りつぶしたんですね。
フッ…。
だから? それが どうした?
それも ジャーナリズムだろ?
有力議員に取り入って➡
政局の情報を いち早く手に入れる。
そのためには持ちつ持たれつ。
それが 俺たち記者と 政治家の関係だ。
そんなの単なる癒着です。
僕は それを ジャーナリズムとは認めません!
だったら どうする?
この会話と そのネタを持って 週刊誌にでも売るか?
お前もプロだったら ボイスレコーダーくらい回してんだろ?
ただ それをやったら お前は 新聞記者ではなくなるけどな。
(八木沼)ハハハハハ。
おいおい 河田 お前 そんな だせぇヤツだったっけ?
いやぁ 違うね。 河ちゃんは 俺ら94年組のスターだった。
お前ら なんで ここに…。
(バイブ音)
堀さんだ。 もしもし?
(堀)あっ 橋田くん? 例の大沼議員の件だけど。
はい。
違法献金どころじゃ ないっぽいね あの人。
どうやら若村さんは そのへんのネタ➡
たくさん隠し持ってるみたい。
同期のよしみで 今までは黙ってたけど➡
もう政党も違うし いつ漏れても おかしくないかもね。
大沼っていうか 泥沼議員だよ あの人。
アハハハハ… じゃあね。
だそうです。
ったく 何なんだよ お前ら。
河田さん 僕に記者としての➡
信念を教えてくれたのは あなたです。
はぁ…。
あぁ もう!
新田。 一面 差し替えるぞ。
はい! あっ でも 局長は どう突破するんです?
ああ もしもし 多野さん? 朝から すみません。
あなた まだ編集局長のポスト 諦めてませんよね?
でしたら ちょっと 動いてほしいんですが。
《そこから何が どうなったのかは 僕には よくわからないが➡
翌日の毎産新聞の一面は➡
新田くんのスクープに 差し替えられていた》
すごい…。
泥沼 大沼が トレンドワードランキング1位になってる。
《その後 河田部長と➡
編集局長が異動を命じられ…》
いや~ 今後はね 新たな読者層を獲得するために➡
デジタルメディアに載ることを 前提とした…。
《新たに多野さんが 編集局長に就任》
若手の育成と経験豊富なベテランの 化学反応が不可欠。
(八木沼)多野の野郎が 偉そうなこと言ってんな これ。
ですね~。
だいたい コイツだけが 漁夫の利 得てんじゃねえかよ。
ったく まあ… これも 沈みゆく泥舟の現実ってやつかね。
沈むかどうかは これからの自分たちしだいですよ。
何? 何? 言うように なったじゃねえかよ 橋田。
じゃあ あれだな。
多野の野郎を 見返してやってくれよ 頑張って。
お前らがな。
フフッ。
あれ? 髪 切った?
いやいや いやいや 切ったでしょ?
あっ この…。
もう いいかげん 働け。
《そんなこんなで➡
例の追い出し部屋の話も うやむやに。
たくさんの働かざる者たちを 見てきて 思った。
働き方を考えることは➡
生き方を考えることだ。
きっと そこに正解はない。
ただ幸せになろうとする 努力があるだけ。
だからこそ俺は 働かざるおじさんたちを➡
放っておけなかったんだ。
でも 働き方を 選択できない企業や社会に➡
いったい なんの魅力が あるんだろうか?
で 結局 俺はというと…》
デジタルメディア事業部?
うん。 なんか若い購読者を➡
獲得するための 部署らしいんだけど。
ふ~ん。 来月から そこに異動するんだ。
ちゃんと働くんだ。
つまんない。
いや 俺も ここ数か月で ちょっとは成長したんだよ。
ま つまり アンタは 働くことを選んだってことね。
いや。 ん?
何も選ばないことを選んだんだよ。
それ 何も 変わってないってことじゃん。
変わったんだよ!
あっ 定時だ。
ごはん おごるって約束 忘れないでね。
うん もちろん!
あれ?
そういえば 結局 漫画は どうすんの?
それは…。
何? ニヤニヤして。
これ おもしろいんだよ。
『ケツ太郎』?
オマタセデース。 ツクネデース。
ハハハハ…。
オマエ! ヤット ツクネ食ッタナ。
ナ? ウマイダロ? あ… はい。
(リン)ウマイナ~。 もう一本いるか?
はい。 店長! ツクネ モウ2本 追加!
いや 多いよ。
(バイブ音)
はい もしもし お疲れさまです。
はい。 ええ ああ… はい。
はい わかりました。 すぐに行きます。
はい 失礼します。
♬~
くだらね~。
お願いします。
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