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♬~(清水萌子美)「フンフーン」
♬~
どう? トミー。
(大山菜々)あれ? ジェルがない!
(小島里香)ちゃんと持ってきた? (菜々)うん。
(女の子)ちゃんと捜した? (菜々)うん。
(女の子)何色? (菜々)ピンク色。
(女の子)一緒に捜してあげる! (菜々)ありがとう。
それ 菜々ちゃんの。 (菜々)えっ?
違うよ! なんで そんな事 言うの!?
(小島涼子)何? どうしたの?
萌子美ちゃんが 私のジェルなのに 菜々ちゃんのだって言った!
(清水千華子)えっ? どういう事?
菜々ちゃんのだって 言ってるから…。
誰が言ったの?
そのジェル。 (母親)ジェル?
(里香)私が取ったみたいじゃん。
ごめんなさいね…!
萌子美! なんで また嘘つくの? 謝りなさい。
嘘じゃない。 (千華子)萌子美!
(男の子)また 萌子美が 変な事 言ったって。
(男の子) モノがしゃべるってやつ?
(男の子)変な妹。 (千華子)すいません 本当に…。
♬~
(中井哲也)おお 早いね。
その子 怪我して…!
(下村純子)ちょっと見せて。
(純子)あっ ここに傷ある。 ほら。
この角のとこ。 ほら。 (上田美穂)あっ 本当だ。
これは 普通 気づけないでしょ! なんで わかるんだろう?
(純子)さあ やりましょう。 ねっ。 はい 不良品。
どうしたの?
あの窓 掃除したほうが…。
(中井)業者さんが 次 来た時に やってもらうよ。
いつですか? 来月… いや 再来月かな。
いただきます。
あっ!
(衝撃音)
ちょっと…! 清水さん! (美穂)清水さん!?
(純子)清水さん 何してるの!? (美穂)清水さん 大丈夫?
(桜井真由) ありがとうございました!
(清水俊祐)奥様のお誕生日ですね。 いつもの感じで…。
ちょうど 今日 奥様にぴったりのお花があって…。
(携帯電話の振動音)
仕入れたんですけど…。
(携帯電話の振動音) はい! はい!
じゃあ 明日のお届けで。
萌子美が 病院に運ばれたの!
俊祐 車 出してくれる?
うん うん。 お願い。
窓の掃除って→
なんで そんな余計な事したの? ごめん。
別に悪い事したわけじゃ ないんだから…。
とにかく 工場に 迷惑かけるような事しないでよ。
うん…。
萌子美 今日 お花あるけど…。
お客さんに出せなくなったお花。 持ってく?
うん 持ってく。 うん。
(涼音)大丈夫でしたか? うん。
こんにちは~! (涼音)こんにちは!
(千華子)まあ かわいい!
(涼音) 今日 入ったばかりなんですよ。
(千華子) シクラメンもかわいいけど→
これにしようかな。
♬~
(ドアの開く音)
はい。 ありがとう。
♬~
(千華子) 脚立から落ちたって聞いて→
本当 びっくりしたんだから!
なんともなくて よかったよ。 (千華子)仕事始めて2年よ。
せっかく こんなに続いたのに→
クビになって また引きこもったら どうしようって…。
いや それぐらいで クビにならないだろ。
あっ! ご飯食べるんだっけ?
うん。 なんも食ってない。 (千華子)ああ…。
あのさ…。
そうそう。 あさって わかってる?
(伸寛)えっ? ああ… 萌子美の誕生日。
ほら 最近 ずっと遅いじゃない。
新しいお客さん また増えたって事?
あっ それは…。
それって 絶対 独立開業に最適な日を→
あの占い師に 見てもらったからだと思わない?
事務所は ずっと順調だし 定年もないし→
税理士として 80までは働ける。
あのさ…!
(千華子)あさっては 絶対 早く帰ってきて。
それと 予約したケーキ 取ってきてくれる?
店 7時までだから 絶対遅れないで。
これ… 引換券。
うん わかった。
でさ…。 ちょっと!
すぐにお財布に入れないと 忘れるでしょ? すぐ入れて。
ああ…。
すぐ出してね。 (伸寛)えっ? あっ… えっ?
お弁当箱。
あっ…。
♬~
窓の掃除って なんで そんな余計な事したの?
工場に迷惑かけるような事 しないでよ。
ねえ トミー。
余計な事だって…。
迷惑かけるような事だって…。
♬~
おやすみ。
♬~
(真由)ごめんなさい! 下の子がぐずっちゃって…。
大丈夫ですよ! (真由)本当 嫌になっちゃう…!
おはようございます。 (涼音)おはよう!
おはようございます。 (真由)おはよう~!
お兄ちゃん お弁当。 ありがとう。 いってらっしゃい。
いってらっしゃい! いってきます。
(真由)もう 本当にごめんなさい!
♬~
ここが気持ちいいよね。
(モノの声) どういたしまして。
(モノの声)
♬~
(モノの声)
♬~
(モノの声)
(千華子の声)窓の掃除って なんで そんな余計な事したの?
とにかく 工場に 迷惑かけるような事しないでよ。
♬~
どうしたの?
いえ… なんでもないです。
お疲れさん。 お疲れさまでした。
(モノの声)
♬~
(伸寛)おはよう。 (千華子)おはよう!
あのさ…。 (千華子)今日 わかってるよね?
絶対 早く帰ってきてね。 ケーキ 7時までだから。
あっ! ちょっと こんな時間じゃない!
萌子美! 萌子美 起きてる?
(ノック) (千華子)ちょっと 萌子美 入るよ。
どうしたの? 具合悪いの?
そういうわけじゃ…。
だったら もう起きないと遅刻するよ。
休む。 えっ?
バイト休む。
工場で何かあった?
ううん。 じゃあ どうして?
聞いてるでしょ。 理由がないなら ちゃんと…。
あっ… わかった。 まあ そういう時もあるよね。
今日 お誕生日だね。 おめでとう 萌子美。
(ドアの閉まる音)
(千華子)どうしよう… また引きこもったら…。
1日くらい休んだって…。
その1日から始まったのよ! 5年生の2学期。
まさか そのまま不登校になるなんて→
思わなかったでしょ?
今は ちゃんと バイトしてるんだし…。
(千華子)でも 理由が特にないのに 休むって言ってるの。
あの時は 無理に行かせようとしたのが→
良くなかったっていう 後悔があるから→
今は グッとこらえたけど…。
とにかく 今夜の誕生会→
バイトの事には触れないで 楽しく過ごしましょう。
ああ…。
(伊藤春子)もし入院になったら 俊祐くん お花 届けてくれる?
病院の許可が取れれば もちろん!
店長 朝から つかまっちゃって…。 (涼音)人がいいですよね。
(春子)もし 俊祐くんが来てくれたらね→
私 すぐ元気になっちゃう!
春子さん 行きましょう。
(春子)いってきます! いってらっしゃい!
うわあ! ああ~!
ああ 俊祐! はい。
えっ? あ… ありがとう。 どうしたの?
萌子美 バイト休むって。
なんで? わかんない。
それで 萌子美の前で 絶対にバイトの事に触れるなって。
…母さんね。
はあ… バイト休んじゃった。
体が動かなかった。
(モノの声) えっ?
あっ ごめん ごめん! 窓 開けてなかったね。
(風の音) (モノの声)
ああ… 冷たっ。
(息を吸う音)
はあ…。
♬~
ただいま。 (ドアの閉まる音)
おかえり~!
はい。 ああ かわいい!
萌子美は? ずっと部屋。
そっか…。
わかってるよね? バイトの話は絶対しないって。
うん。 (伸寛)ただいま。
おかえり。 (千華子)おかえり!
はい。 ありがとう。
萌子美は? (千華子)ずっと部屋。
ああ そっか…。
わかってるよね? えっ?
萌子美がバイト休んだ事には 触れないって言ったでしょ!?
わかってる わかってる。
本当に? 忘れてたんじゃないの? (伸寛)忘れてないって。
母さん 鍋 大丈夫?
(千華子)ああっ! なんで もっと早く言ってくれないの!?
うわっ! うわっ!
忘れてない…。 わかってる…。
(伸寛・俊祐)ハハハハ…。 (千華子)何?
ううん。 いやいや…。
(ノック)
≪萌子美 開けるよ。
萌子美 もうすぐ ご飯できるけど 下りてこられる?
うん。 おなかすいてきた。
そっか。 お父さんも もう帰ってきてる。
うん。 うん。
萌子美 お誕生日おめでとう~! (伸寛・俊祐)おめでとう!
ありがとう! フフッ…! (俊祐・千華子・伸寛)おめでとう!
(伸寛)じゃあ 俺 ここ入るね。 あっ わかった。
いくよ! いくよ! オーケー オーケー…。
これ入ってる? 全部入ってる? (伸寛)入ってるよ。
はい 10 9…。
私 大丈夫? 大丈夫 大丈夫。
くるよ くるよ! (千華子)笑顔。
(チャイム) (伸寛)ん?
(カメラのシャッター音) あっ あっ…。
誰? もう こんな時間に…。
(伸寛)お義父さん!?
(千華子)はっ? えっ?
おじいちゃん? (伸寛)そうだよな?
(チャイム)
なんで出るの? (伸寛)いや だって…。
出なくていい。
でも… なあ? うん。
私とこの人 縁を切ったんだから。 俊祐だって→
もう この人の顔なんて 覚えてないでしょ。
(チャイム) いや 見ればわかるけど…。
なんで? なんでって…。
最後に会ったの おばあちゃんの葬式だっていう→
記憶だってあるし。
もう何年になるっけ? (千華子)15年。
とにかく… 出る必要ないから。
(チャイム)
おっ 萌子美か?
うん。
俺 誰だか わかる?
おじいちゃん。
ああ! おじいちゃんだ。
どうぞ。 ああ ありがとう。
ちょっと 何やってるのよ?
よっ。 (千華子)はあ?
お義父さん どうも ご無沙汰しております。
伸寛くん! 変わらないね。
ちょっと 苦労が顔に出ているけども。
あっ いやあ…。
俊祐 男前になっちゃって。
何しに来たか知らないけど 帰って。
入って おじいちゃん。 あっ ありがとう。
えっ なんで? えっ? ちょっと!
まあまあ まあまあまあ…。
(千華子)さっさと 用件をお話しください。
用件? ああ うん…。
俺 ここに住む。
ハハハハハ…! お帰りください。
えっ?
どうぞ。 あっ ありがとう。
ああ… うまい!
(千華子) 飲んだら 即お帰りください。
駄目? ふざけんな!
「住まわせてください」なら まだしも ここに住む?
ここに住まわせてください。
ふざけんな! …って 無理だから。
今 住んでるとこで ちょっと ボヤ出しちゃってさ。
ボヤ? えっ…? 火の消し忘れって事?
物忘れが激しいとか 他にもあるの?
そういうの ちゃんと病院で調べた?
ああ なんともない。 ボヤも大丈夫だった。
たまたまボヤで済んだけど→
大ごとになってたかも しれないわけでしょ。
それは まあ ラッキーだったね。 部屋を追い出されたって事だよね。
それはアンラッキーだったな。
ハハハハハッ…!
(千華子)だからって うちに来る その神経がわからない。
ボヤを起こしたらショックだし 気落ちしてるんじゃ…。
(千華子)どっちの味方なの!?
とにかく ここに住むなんて 都合のいい事 言わないで。
私は嫌だし みんなだって 気ぃ使って嫌だろうし→
萌子美は特に→
知らない人と暮らすのは ストレスだから。
大丈夫だよ。 ほら見ろ。
(千華子)大丈夫なわけないでしょ。 大丈夫。 おじいちゃんだもん。
あのね この人の事 何も知らないでしょ。
どれだけひどい人か わかってないでしょ。
お母さんだって…。 えっ 何?
萌子美?
お母さんだって わかってない 私の事…。
えっ? わかってないって なんの事?
もしかして バイト休んだ事? 母さん その話…!
休んだ理由 ちゃんと言ってくれないと→
わかるもんも わからないでしょ!
嫌な事があったら ちゃんと言って。
本当は 工場で 何か嫌な事が あったんじゃないの?
そうじゃないから…。 だったら なんなの?
5年生から学校行かなくなって ずっと何もしてなくて…。
でも お母さん 萌子美が学校行ってなくても→
人とのコミュニケーションが 苦手でも→
何かできる事があると思って→
工場 探して バイトをお願いしたんだよ。
この2年間 頑張って続けてきたじゃない!
しっかりできたじゃない!
なのに 理由もなく休むって どういう事?
母さん!
また引きこもるつもり? ねえ 萌子美!
嘘つきじゃない!
私は… 嘘つきじゃない。
♬~
なんの話? 今 そんな話 してないでしょ。
おじいちゃんだけは…→
私を嘘つきって言わなかった。
(千華子)だから なんの話…?
どういう事!?
もしかして 萌子美と会ってたの?
いや。 15年ぶりの再会だよ。
♬~
今日は ずっと雨だな。
どうして 雨は降るの?
ん? 簡単に言うと→
空気中の水蒸気が雲になって→
雲の中の水滴が 重力で 落下してくるって事なんだよ。
全然 簡単じゃねえな。
つまりな 人の涙も いつか 雨になって降ってくる。
涙が雨になるの? ああ。
何十年も前の人の 悲しい涙 嬉しい涙 いろんな涙が→
雨になって こう 降ってくるんだよ。
そうだね。 いろんな気持ちがある。
わかるのか?
うん わかる。
(須田の声)何十年も前の人の 悲しい涙 嬉しい涙 いろんな涙が→
雨になって こう 降ってくるんだよ。
そうか。 すごいぞ 萌子美!
うん! ハハハハ…。
お母さんの涙も いつか 雨になるね。
ああ。
死んだら どうなるの?
うーん… 生まれ変わるかな。
どうやって?
生まれ変わるのは… 死ななくてもできる。
生きてても 生まれ変われるよ。
♬~
生まれ変われる…。
萌子美… 来ないね。
おなかすいてるだろうし 持ってく?
あの人のせいで 萌子美の誕生日が台無し。
どうして いつも 私を苦しめるの?
萌子美!
脚立の事だけど…。 (千華子)えっ?
工場で脚立から落ちたのは…→
窓が泣いてたから。
(千華子)えっ?
泣いてたから きれいにしたくて 窓を拭こうとした。
萌子美 まだ そんな事 言ってるの?
嘘じゃない!
窓が泣いてた。
♬~
ずっと泣いてた。
おじいちゃんも お祝いしてね。 うん?
今日は 私の誕生日だから…。
喜んで。
よし! じゃあ 食べよっか!
(伸寛)あっ 写真 撮ろう。 撮ろう 撮ろう 撮ろう 撮ろう…。
写真? (千華子)ちょっと… 写る気!?
おじいちゃん こっち。 おお ありがとう。
母さん 花! 花 花!
はいはい いくよ いくよ いくよ! (千華子)萌子美は ここ座って。
いくよ! はい いいよ!
全部入ってる? 全部。 うん 入ってるよ。
はい いきます。 ピッ!
(千華子)やだ やだ! もう…!
(伸寛)くるよ くるよ!
(カメラのシャッター音)
(伸寛)萌子美には そう見えたり 感じたりしてるって事だろ?
(千華子) そんな事 本当にあると思う?
人と接するのが苦手な事 忘れないで。
決めたよ。
萌子美? よかったな 萌子美。
生まれてこないほうが よかったのかなって思ってた。
(秦野ゆかり)口述筆記? (吉丸奈美)うん。
圭ちゃんがしゃべって 私が打ってるの。
(吉丸圭佑)意外と 仕事がはかどるんだよ。
(ゆかり)ご自分の仕事は? 先生。 締め切り 月曜日ですよ。
夜 書くから大丈夫。
大丈夫じゃないでしょ!
一人で書けないんですか? いや 一人で書いたら→
ツルツルの男が出てくるんだよ。 ツルツル?
(男)ハーッハッハッハッハ…!
プレッシャーで 妄想を見ちゃうのよ。
そんな脚本家いる? 僕だって→
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