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また陛下も大胆な
陛下の輝きの前では 誰もが色を失う
あの女がこんなところに
今日のお気に入りは誰かな
いかがです枢機卿
宮廷で見ない顔ね
まったく何をするやら
どうせ田舎者よ
実に斬新なヴィーナス誕生でした
新しいフランスの誕生には 私も御力添えします
教会と国家が 一体となるように
アーメン
国から新教徒が駆除されますように
歩け 新教徒ども
立ち止まるな
しっかり運べ
引っ張れ
もたもたするな
何度も言わせるな
引け 新教徒の豚
宗教戦争は―
終わった
旧教はもはや新教と 争わない
我々は生き延びた
生きていられるのは―
ひとえに―
一人の男の 得と知恵のおかげだ
ジョージ・ト・サマール
ルーダンの知事
彼は双方の信者を説得し―
ルーダンの街を崩壊から守り 平和をもたらした
我らは幸福である
だがその彼もペストに倒れた
ルーダンの人々よ
町の白壁を見るたび思い出せ
誇らしくそびえる壁を見て―
教派にかかわらず―
心から感謝しなければならぬ
各々の胸に金字塔を建て
城壁を守った彼を 永遠に記憶するのだ
父と子と聖霊の 御名において
アーメン
私の番よ
まだ見てないわ
早く代わってよ
行列が見えたわ
でも彼の姿はまだ
見えた 彼よ
世界一の美男子だわ
シスターアグネス!
何をしているの
グランディエ神父の姿を
葬列が見たかったんです 院長様
悪魔は世俗の喜びで 私たちを誘惑します
葬列を見ない方が 熱心に祈れるでしょう
そのための禁域ですよ
ミサの参列は神聖な行為です
枢機卿に頼めば 私たちも
彼があなたの叔父様だからですか
この黙想生活が 不満ならば
聖クララ会に移っては?
疫病患者を助けたり あばら家を清めたり
ここが好きです
ならばせめて この修道院中を掃除しなさい
跪いて 死者に祈りながらね
あの男が懺悔を聞くのは 当の寝た相手だ
偽善者さ
あいつこそ懺悔すべきだよ
連中は聖具室の 聖体の前でやってんのさ
相手がグランディエなら 祭壇でもいいけど
冒涜よ
彼よ
地獄に落ちてもいいと 思わせる男だよ
私を見ないで
私は綺麗よ 美しいのよ
この背中のこぶを取り去って
どうかこのこぶを
イエス様 その腕に至る道を お示しください
一体となり血が通うよう
グランディエ・・・ブランディエ!
1行ずつ訳してごらん
"肉の喜びは―"
"みだらで短く 病のごときもの"
"倦怠は・・・"
"倦怠は 情欲の後をついてくる"
続けて
ラテン語なんて嫌い
そのために来てるんだ
君のお父さんに 頼まれてな
だがこうしていると
時を忘れる
倦怠も恥もない
むしろ喜びは増す
終わりではなく
永遠の始まりがある
なぜ泣く
妊娠したの
残念だ
その重荷に 耐えねばならない
怖いわ
当然だ
だが認知はできない
すごく怖いのよ
覚悟してたんじゃないのか
夏の間中恐れもなく 抱き合ってきたのに
笑い声と共に 呼び覚ました獣性が―
今2 人に牙をむく
助けて
気をつけてたはずだ
なのになぜ?
愛してる
いや ありうる
お前がいつになく 巧みだったあの日
妙な予感に満たされたまま 完璧な交わりを終えた
その時私は
肉体は本来の目的を 超え得ると思った
肉の喜びもまた崇高であり
純粋なものとなり得ると
全て許され 全て正しく
その喜びこそが人間存在の 謎を解き明かすと
だが結局
これだ
もたらされたのは 病のごとく倦怠と孤独
愛はないの?
あるとも
父親に全て打ち明けて
婿を探せ
優しい男
助けて
何ができる?
手を
冷たいだろう
さらば
急げよ
しっかり支えろ
汚れた死体が来たぞ
神父様来てください
医者が母にひどいことを
香のいいユーカリの花粉に スズメバチも大喜び
ユーカリはギリシャ語だ
こいつが効くんだ
自然治癒だぞ
毒をもって毒を制す
治癒か死か
ヤドリギの粉だの 黒桜水だの
認められた治療法だ
ヒルや干からびた蛇
サルサ汁にケシ 今度はハチか
これは何だ ワニか
効くんだって
血行が良くなる
主のもとに行くのだ
喜ばしいことだ
永遠の命を得るあなたが 羨ましい
祈りなさい
主よ あなたの下僕たる
ドゥブルー
ドゥブルーです
下僕ドゥブルーに 永遠の命を与えたまえ
彼女が心の弱さゆえに
犯した罪を
主よ
その広き心で
許したまえ
どこにいる 死体の中に隠れおったか
出てこい臆病者 隠れても無駄だ
どこだ
冒涜者グランディエは?
町中の女がやつの餌食になる
娘も母も
すべて
死者さえも
けだものだ
女も喜んで尻を振る
娘を侮辱するな
奴は中にいる
この上に
出てきた
よくも娘を 善良な子羊を
汚れなき子羊は 好色な雄羊のためにあるのだ
娘は清純な白ゆりだ
天国に咲くもの以外は
どんなユリでもいずれ朽ち果てる
そら
地獄へ落ちろ
地獄へ至る道は 私生児の山だ
不潔で堕落した獣め
教皇に訴えてやる
告訴すべきですよ
いとこが怒っていた
なぜ堅気の娘に手を出す
道だ
なんの
この世の全てが 一つの目的のためにある
権力 政治 富 女
誇り 野心
その中で私は 女を武器として選んだ
敵にではなく
自分に向けるための武器として
その目的とは
神と結ばれ 一体となりたい
冒涜でしかないぞ
主を愛し毎日ミサにも出ています
今や両親もなく自由の身です
是非 修道の生活に
絵本に出てくる 少女の殉教者そっくりね
信仰深いこと
喪服に身を包んで 素敵なロザリオね
これは?
作り物のキリスト様か
純銀ね
その伏せた目の奥に
何を隠してるの 美徳? 情欲?
少なくとも"高慢"の罪はありそうね
修道の動機をご存知?
キリストを愛し 身を捧げたいと思って
ここで修道生活する 尼僧の多くは
嫁に行く持参金がなかったのよ
醜い女や 家庭に問題がある者もね
ここは魂を焼く 炉のような世界
全てを灰に帰す
この本を
創始者メリチの本よ 読んだらおいで
質問するわ
感謝します
神の祝福あれ
メリチの教えに戸惑うのも 無理もない
主よ主よと叫んでいれば 天国へ入れるなどと
オウムのごとき合唱で 何が得られよう
俗世のほうが善を行える
修道院では 君の真価が無意味になる
君がいるべきはルーダンの町だ
君の使命は
虚飾に満ちた愚か者たちに 知恵を授けてやることだ
では聴罪があるので
感謝します
私は罪を犯しました
どうかお許しを
この前はいつ告白を?
知ってるくせに
ここは教会だ 市場ではない
慎みを
私を愛したくせに お互いの腕の中で
やめろ
二度と快楽に溺れるな
あなたの罪はどうなのよ
告白とは 他人を責めることではないぞ
静かに!
ではどうしろと
屈辱などではない
主がお前の苦しみをお望みならば
喜んで苦しめ
行け
罪は犯すな
今日1日 主の、御前にひざまずき
許しを請え
汝を許す
父と子と聖霊の 御名において
アーメン
罪をお許しください
最後の告白は?
一週間前に
話しなさい
"高漫"の罪です
気をつけねば
一晩中 病人を看病して 自己満足に浸りました
労働の喜びは許される
"憤怒"の罪も
どんな?
修道院長に怒りをおばえました
汝を許す
他には?
早く!
汚れた考えを
どんな?
男のことを
彼の名は?
朝蒸し暑い部屋で 彼のことを考えます
罪深い想像が頭に広がって
私の体に触れてほしいと
その思いを消すように努めたか
祈りました
そこから逃れようと?
いいえ
私は彼が欲しいのです
あなた・・・いえ、彼が
愛しています
だから修道院に
愛しています
私の家で
待っていなさい
罪をお許しください
昨日も来た
あれからまた罪を犯しました
今度は・・・
何がいいかしら?
忘れたなら
神もお忘れになっている
マリアよ 我のために祈りたまえ
主は御身とともにいませり
女として祝福され
御子イエスも祝福されたもう
御母聖マリアよ
罪深き我のため
話がある
男女の交わりは?
はい
聞きなさい マドレーヌ
床に散らばる衣服
絡み合う腕と 流れる汗
汚れたシーツ
そうした中に
あるのは
人間の愛
そう思うか
はい
私の愛は?
信じます
無理な話だ
私は単純で 罪深い人間ですが
主はお見捨てになりません
あなたとならば 罪をも恐れません
バカなことを
行け
失礼なことを言いました
お許しください
行け
この女を
愛してしまった
道をお示しください
第5の悲しき秘儀は キリストのはりつけ
キリストの苦しみを 祈りと共に思わん
釘付けにされ 十字架にて息絶えた
美しきその体は
釘にて裂かれ
血の流れしその手は
ひと打ちごとに動けり
まことにその苦しみは
愛ゆえなり
結婚?
結婚は自然の法であり すなわち神の法だ
それは分かってるけど 神父の結婚はどうなの?
新約聖書に 結婚を禁じた言葉はない
むしろ称賛され 秘跡のひとつでもある
でも純潔も高徳だわ
パウロは独身の方が 最善をなせたと言っているし
最善は人に任せるよ 私は善で満足だ
十二使徒のほとんどは 妻帯者だ
でも家族を捨てたわ
でもそれは仕方なくだ
紅葉を巡る過酷な旅に 女子供は耐えられまい
だから置いていったんだ
あなたも独身でいる義務はないのね
私はー
創造主の言葉を信じてる
"男一人は善からず"
これで安心したわ
誰の指示だ
責任者は誰だ
誰がこんなことをやらせてる
答えろ 何者だ
ランバードモン男爵 控訴院議長であり―
国策審議会委員
国王の命により ルーダンの要寒を壊しに来た
なんだね?神父
なぜ国王は取り壊しを?
神父たるものいち早く 察しがつこう
ルーダンは 新教ユグノー派の温床だ
旧教徒の2倍いる
新教徒でも 国王への忠誠は変わらぬ
今日の忠誠も 明日の保証はない
国王の発布書を見せろ
神父が政治に口を出すな 聴罪に行け
もう一度訊く
国王の発布書はどこだ
知事にでもなったつもりか お前に権限はない
あるとも
前知事サマールからの信任状だ
選挙で新しい知事が 決まるまでは
私が執政官だ
発布書は遅れてるだけだ 数日後に届く
城壁の石を あとひとつでも落としてみろ
その馬上で死体になってもらう
やめろ!
発布書が届くまでの間 作業は中止する
お見事
さすがは神父様
ご恩は忘れません
当然のことです
小都市の自治は 廃止すべきです
まずは城壁の取り壊しを
どうなるんだ?
町も壊されるのか?
それが彼らの狙いだ 罠なのだ
国家主義が叫ばれる時 その裏にあるのはひとつ
誰かが国の主導権を 握ろうとしているのだ
この城壁は 我々の自治を意味する
その誰かに 国王は騙されているのだ
国家の統制こそ フランスのためなのです
無知にして狡猾な 我々地方人に―
壁の向こうは見えん
だが壊したからと言って
視野が開けるか
彼らの視野は狭く国ではなく 町に忠誠を誓っています
リシュリューのごとき 権力欲の塊は
恐るべき不条理で 自己を正当化する
城壁は新教徒の蜂起に 利用されるだけです
城壁が消えれば 我々はあまりにも無防備だ
敵のなすがままだ
小さな村のように 無力になってしまう
我々が自治権を失えば
自由も失うことになる
国王に忠誠の証として 手紙を出そう
陛下の英知と公正を 信じていますと
いや 他の町はよいが―
ルーダンについては許さん
余は前知事に約束したのだ
あの町の 石ころひとつにも手を触れぬと
余を嘘つきにはさせぬな
もちろんです
まぁ かわいい 飛んでおゆき
新教徒を一羽 仕留めたぞ
お見事です、陛下
さらばじゃ 黒い鳥
亡くなられたムサルト神父は 良い方だった
でも問題が一つ
新しい神父を迎えねば
お会いしたことはないけれど
私の心には いつもあなたが…
この清めし指輪を 祝福したまえ
この女が 貞淑な妻となり
主の御心にかないますように
愛し愛されますように
命続く限り
グランディエ神父 我らの導き手となってください
あなたが必要なのです
主の御名において
さぁ この指輪を
これが証となる
私の体はお前のもの
私の言葉に偽りはない
父と
子と
聖霊の御名において
アーメン
グランディエ
グランディエ!!
光の中に出でよ
鐘を鳴らし知らしめよ
夜の静寂は終わる
そしてこれと同じくらい静か
我が夫よ
口づけを
サンテの グランディエ伯爵の甥
10年間ボルドーの イエズス会で神学を学ぶ
1615年イエズス会修練士に 叙階された後
2年間上級神学と哲学を学び ルーダンの聖ペテロに配属
司祭として
イエズス会ならではの 大胆さと強情ぶり
知事になれば 新教徒もかばう気だ
あの地方で最も強固な 要寒となります
ルーダンある限り 南西部は支配できん
あの城壁を崩さねば
全て準備は整っています
しかし神父は強硬だし 国王はダメだとおっしゃる
気まぐれだ
時が満ちれば 国王も神の意志がわかる
しかしグランディエは 気まぐれとは程遠い男
神父ひとりならいくらでも手はあるが
イエズス会が黙ってはいまい
べニスの商人なみの 屁理屈でくる
困った連中です
肉はやるが 血は出すなとか
私も結婚したい
お静かに
マドレーヌよ
汝は私グランディエを 非合法の夫とするか
しますとも神父様
我々が夫婦であることを 宣言する
夫婦は一体となれ
シスターアグネス 馬鹿な遊びはおやめ
真実です
肉屋に聞きました
先週だそうよ
別の使命に気付きました
ある人が俗世て働けと 助言してくれたのです
愚かな偽善者め
別の使命だって? そうだろうとも
この恥知らずが
汚らわしい
聖職者を誘惑したろ
お前など売春宿が お似合いだ
さっさと行くがいい
先に出会っていれば
震えおののくこの顔を
天使のような この顔を彼が見たら
失礼します
新しくお世話になる 神父様が聖堂に
グランディエ!
まだ手遅れではないはず
グランディエ神父は?
私はミニョンだ
手紙はグランディエに
彼も要請に応えられず 残念がっていた
私が代任だ
急を要する町の仕事で 彼は今忙しい
急を要するね
神に直訴しなければ あれは悪魔に違いありません
淫らな言葉で愛を囁き
情欲に満ちた愛撫で 私を攻め立てる
ベットに忍び込み
神に捧げたこの身を 辱めたのです
どんな姿をしていた?
コック!
なんだと?
グランティエ
事の重大さを 分かっているのかね
ええ お救いください
証拠はありません ただのヒステリーかもしれない
そう!ただの憶測だ
だが娘の妊娠は 確かな証拠だ
密通の証拠にはなる
確かに姦淫の証拠
しかし 相手を割り出すのは 容易ではない
お分かりのはずだ 判事殿
一理ある ごもっともな話
私を疑う気?
彼女を連れ出せ!
我々の証拠は確かですよ
冒涜的な婚礼
教会の裏から 覗いたそうだな
鍵穴から密通の声も
記録しました 昨日は10時と4時と8時半
愛国心は認めるが まだ不十分だ
ミニョン神父は信じたい
だが立証が必要だ
もし本当に 悪魔の仕業であり
グランディエが関係しているなら
とにかく調査せねばなるまい
医者として 協力させてください
私も科学と 生物学の見地から
でも私も立会人として
神父は?
もちろんです もし悪魔の仕業なら
彼女も 腹が膨らんできている
面白い
想像妊娠だろう 珍しくはない
悪魔は無関係
ガスだ
憶測はもうよい まずは悪魔祓いだ
バレー神父を呼ぼう
おはよう 私はバレーだ
元気かね
おかげさまで
結構
ここか
いるのだろう
出てきて名を名乗れ
正直に答えるのだ
ひざまずいて
最初の誘惑を覚えてるか
はい
幻を見ました 男性が水上を歩いてくる
彼の足を髪で拭きました
いくら祈っても 愛は消えません
何日もその人のことばかり
それは誰だ?
霧で見えませんでした
やめろ
公開の悪魔祓いなど 町の笑い者になるだけだ
心を入れ替えるのだ
このままでは どうなるか知っていよう
永罰が下る
院長様に何をする気かしら
話せ
夜 彼が来ました
誰だ
暗かったので
1人か?
6人を従えて
それから
彼は私を抱き上げ 礼拝堂に運びました
6人は他のシスターを
近くへ
なんと?
彼らは―
シスターたちを 祭壇のように積み上げ
拝んだそうだ
その後で私たちを抱いたの
彼と私は 裸で抱き合ったまま
天へ昇って行き 星の海に浮かんだのよ
なんという幸福
気が変なんだ
どこへ?
そこらだ
冷たいのに
平気ですよ
あれは彼女自身の声だ ただの欲求不満だろう
もういい
騙されてはだめだ
悪魔は神妙なふりをして 我々を欺く
やつは必ず 女の秘部に隠れている
まず出て来させねば 戦えない
らちが明かん
グランディエの留守に 家を調べろ
娘にも証言してもらう
承知しました
医者としては―
彼が所見を
いやな仕事で
結論は!
つまり やったということで
はっきり密通と言え
そうだな?
さようで
ご苦労 では悪魔祓いだ
シスター
かなり苦痛を伴うぞ
悪魔を追い出すのだ
湯を清めてくれ
主よ お力を与えたまえ
悪魔よ聞こえるか
どうかお慈悲を
手を離せ へぼ神父
やはりいたな 反キリストの言動だ
違います お許しください
主を汚したものが 慈悲を請うのか
バレー神父 私です シスタージャンヌです
声色を使っても無駄だ
牙を剥いたな 悪魔め
準備は?
ばっちり
悪魔を追い出せ
悪魔よ 立ち去れ
神父こそ 邪悪だ
冒涜する気か
彼女は無実だ
暴れるのは無理もない
神父たちは教会を汚してる
無知な連中め
これは聖霊に対する侮辱だ
冒涜だ
あの二人は?
小さいのがパン屋
大きいのは宿屋の主人
この件を盾に 商売を乗っ取ってやるか
そりゃいい 儲かりそうだ
今年は旅行シーズンの 到来が早いぞ
院長から悪魔が去ったようだ 正式時刻 10時45分
お前に悪魔が憑いたのは 誰のせいだね
神父?どこの?
聖ペテロ
名前は?
グランディエだ
行かないで
そうはいかん
町を守るため行かねば
中傷を打ち砕いてからにして
尼僧一人のために 王への謁見を延ばせと?
留守の間に噂は消えるさ もうお休み
彼女に何かしたの?
会ったこともない
じゃあなぜあなたを?
わからん
主に全身全霊を 捧げたはずの女でも
生身の部分は残っている
たとえば夢を見たとしよう
子供のころの夢
恋人の夢や
贅沢な食事の夢
それは罪だ
だからムチを取り 自分を打つ
戒律なのだ
だが苦痛は
官能だ
激しい痛みは 旋律と情欲を生む
そんな中で彼女の心が 私の方へ向いたのだ
噂とか小さなきっかけで
わびしさの中に希望が宿る
希望は愛に変わり
愛は憎悪となる
それでだ
主よ 彼女を救いたまえ
そして妻を
守りたまえ
留守の間
お前たちは悪魔と結託し
バレー神父の 悪魔祓いを妨害した
お前たちは教会に背き
キリストとその代弁者たる リシュリュー卿に背いた
さらに国王の代理人の 任務遂行にも反抗した
これは反逆罪である
頑固な異端ども
免罪の余地はない
お前たちは反逆者だ
直ぐに処刑する
やめろ
主は告げられた
彼女らはシスタージャンヌの 病に巻き込まれたのだ
悪霊はたやすく 罪のない女性を襲う
疫病と同じだ
バレー神父の言葉が本当なら
助かる余地はあるかもしれん
しばらく様子を見てやろう
お前達の肉体は 悪に染まっている
その元凶はグランディエだ
抵抗しても また元に戻るだろう
また叫ぶか
冒涜は?
行動を律することもできまい
悪魔グランディエを 非難せよ
さすれば救ってやろう
帰途に就く前に一筆 王は好意的だった
そしてすぐに中止命令を 出すように指示された
簡単に行き過ぎて 驚いている
思うに
何か不思議な力が王の心を 動かしたに違いない
このまま何もかも うまくいくような気さえする
王を操っているのは リシュリューだ
だから王の好意が 長く続くとは限らない
勇気が必要となろう
そして気づいた
私はずっと 迷える羊だったが
やっと何かが見えてきた
自分は大いなる神の世界の 小さな一部なのだ
だからこそ神に仕え
ルーダンの人々のために働きたい
私のために祈ってくれ
何が出た
左心室だ
子供の心臓
いけにえだな
ミサのパンも
濃い男の血だ
ドロドロのは精液だ
それは?
にんじん
道を開けよ コンテ公の御成りだ
祈祷の邪魔をしてすまんな
たとえ国王に近しい 王族の人間であろうとも
神の前で優遇は望めまい
愛して
何なりと
この女たちは 悪魔に憑かれたのか?
ある神父のせいで
なるほど
構わず続けてくれ
これはすごい お前も吐いてみるか?
触っちゃいかん 気をつけろ
女体は不浄の温床だ
そこで卵がかえる
妙な顔をするな 香りでもかげ
気がしれんよ 一体女のどこがいいんだか
失礼して続きを
やりたまえ
まず宣言をします
この中に聖体があります
天にまします我らが父よ 我らを見守りたまえ
我が過ちを犯しし時には
呪いにて罰したまえ
なかなか堂に入ってる
魔獣リヴァイアサンよ
主の御名において目覚めよ
悪霊にはラテン語でないと 通じないのではないか
言葉の問題ではありません
必ず成功させますのでお待ちください
頑張りたまえ
この名に覚えがあろう グランディエ!
神父! これを試さんか?
なんです!?
主の礼拝堂にある聖体だ
キリストの血が入っている
どうだろう
これを近づけたら 悪魔はどうなる?
退散します
離しても効果が続くかは わかりませんが
まあよい 試してみよ
主の御名において
邪悪なるものに命じる
聖体に恐れて女から立ち去れ
解放されました・・・
自由です
それはよかった
どうだね神父
なぜこのような
そう怒るな
お前も何か 手品をやって見せろ
楽しめ
さらばだ 感謝するぞ
仲間に入れてくれて
私は弱く哀れな男だ
だが変われそうな気がする
強くなりルーダンの人々を 団結へと導こう
王に報いるためにも
人々が愛するこの町を 守らなければならない
私利私欲や 争いごとをなくし
主とともに
あの城壁を 星色のテラスに変えよう
女よ 自らを救い 我らも救え
情欲の悪魔から逃れ 罪を世界に知らしめよ
我らに平安をもたらせ
主キリストに従うのだ
十字架のもとにふれ伏し その御力を讃えよ
お前らは 主の家を曲芸場にし
しもべを道化にした
人々を誘惑し 破滅に導こうとしている
罪なき者を
お前こそ冒涜的婚礼で マドレーヌを堕落させた
違います
私たちは主の許しを得て 結婚しました
私は身を売りました
本当です 自らこの身を汚しました
魔界の女王にしてやると 言われ
魔女の宴会で 彼に体を奪われました
彼の体には 5つの刻印があります
第1は肩 第2は舌 第3は尻
第4と5は左右の睾丸に
それらの部分を 傷つけた時に
血が流れてなければ
悪魔である証拠です
確かに私は 高慢かもしれぬ
大罪人と呼ばれてもいい
だが悪魔の手下ではない
高慢さゆえに
自分で蒔いた種は 自分で刈り取ろう
だがお前が 嘘を続ければどうなるか
よく聞け
魂は永遠に罰せられよう
慈悲を祈れ
捕らえろ
何の罪だ
異端だ
ーグランディエ神父は無実だ
ー彼を陥れるための罠だ
逮捕しろ
そいつも仲間よ 女たちを辱めたわ
嘘だ
やめさせろ
これは陰謀だ
彼を消して 町の自由を奪う気だ
目を覚ませ 騙されるな
彼を救え!!
あの女を赦したまえ
彼女は利用されたのだ
舌を刺しても血が出ない 悪魔の印だ
"グランディエによって 私は6度犯されました"
"1634年5月13日の 深夜から明け方にかけてです"
忘れるな
この宣誓を少しでも撤回したら お前の命はなくなる
この世でもあの世でも 貫き通せ
早く下へ!
彼女はまだ呼吸しているわ
グランディエの仕業だ
早く裁いてしまわねば
主よ
主キリストよ
やっと主に
近づけたのに
見捨てられるのか
もう一度 告白をしたいそうだね
はい 謝罪したいのです
グランディエを
罪なき人を陥れました
まだ惑わされてる
グランディエを守るため 悪魔が言わせたのだ
悪魔払いは失敗だ
別の手段をとろう
眠れたか
この騒音で?
ルーダン中の 人間が集まっている
興奮してな
何にだ?
お前の処刑さ
裁判はまだだ
お望みならば裁いてやろう
苦しいぞ
マドレーヌは?
もうじき 罪を告白し終えるそうだ
それを私が 追認するわけか
苦痛について考えたか?
苦痛は皆同じだ
他人の苦しむ様を 見ただけだろ
だが今度はお前に降りかかる
怖いさ
まあ裁判の結果次第だがね
ずいぶんと快楽を 味わってきたようだから
そのぶん 苦痛も受けるべきだ
叫び声一つ上げずにな
叫んですべてを認めるだろう
馬鹿を言え お前ほどの男が
なおさらだ
苦痛を神に感謝しろ
お前なら正気のまま死ねる
努力しよう
祈っててくれ
祈るとも
もちろん
お互いに
1つ慰めがある
地獄の苦痛に驚かずに済む
主の御加護を
家を捜索した結果 動かしがたい証拠が出た
様々な文書が発見された
その中にはリシュリュー卿を 非難する宣伝文があった
お前は人々の前で公然と リシュリュー卿を非難してもいる
メモや手紙も 多数見つかった
非常に個人的なものだが
独身生活を論じたものもある
執筆中 恋をしていたようだ
妻の告白文もある
妻に何をした
罪の深さに苦しみながら 何もかも告白してる
ペテロ教会で被告と 努力のない婚礼を行ったと
心のこもった 神聖な儀式だった
心から愛し
心から祈った
結婚しなかった女からも 多数の手紙が来ている
その中の一通には
被告の教会で 交わったと書いてある
いい加減にしろ
殺したいなら殺せ
政治的扇動で告発するなら 喜んで罪を認めてやる
だが昔のプライベートを 言い募るな
昔の恋文をしまいこんで なんの罪になる?
時には思い出したいものだ
愛されたことを
引き続き証拠を挙げよう
善良な市民の証言によると
彼らは被告にそそのかされて 黒ミサに出た
我々も尼僧の口から 悪魔の言葉を聞いた
皆、被告は魔法使いだと 口をそろえている
悪魔祓いによって 苦しめられたため
悪魔は真実を 白状しているのだ
嘘だ
邪論に過ぎない
悪魔は偽りを言うからこそ 悪魔なのだ
悪魔の証言を採用すれば 善人に未来はない
善人こそが 悪魔の標的になるからだ
シスタージャンヌには 会ったこともなかった
なのに悪魔の言葉を疑うのが 冒涜だという
逆だろう
あなたがたは主の教えを曲げ 新たな教義を作り上げた
レバーディノの教義 バレーの教義
私を陥れるため でっち上げられた屁理屈だ
そこには法はない 神学もない
あるのはたった一人の男の 政治的野望
滅びるのは私だけではない
町も国も 彼の犠牲となろう
政治裁判ではない 被告は下がれ
法定は審理に入る
外科医どの
おはよう
お揃いだな それは何だ
カミソリ
必要か
法廷の命令だ
今まで床屋をやるために 腕を磨いてきたのか
余計な口を利くな
はじめてくれ 判決はもうすぐだ
待て
鏡は?
あるもんか
待て
これで
善人たち 耳を貸せ
三匹の悪魔の話をしよう
1匹は神父の魂の中
獣の印があったから
2匹目は尼僧の心の中
生まれながらの運命だった
3匹目はどことは言わぬが
若く美しい娘の中に
静粛に
グランディエ お前は 悪魔と関係を持ち
邪悪な力によって ウルスラ会の尼僧たちを
誘惑し 汚し 堕落させた
そして猥褻と 冒涜の罪を犯した
よって被告は 修道院の前にひざまずき
首に縄をかけ 手にろうそくを持って
神と国王と法廷に対し 許しを請うこと
その後 広場の柱につなぎ 火あぶりの刑に処す
その灰は撒き散らされる
ウルスラ会の礼拝堂には 記念の銘板が作られる
そのための費用は
被告の財産で賄われる
最後に
この判決後も 被告は尋問を受ける
それには特別尋問も含まれる
判決及び刑の執行 1634年8月18日
何か言うことは?
私はて無実だ
そして恐ろしい
だが心の平安は訪れるはずだ
全能たる主が
目を留めて
その苦痛故にお赦しくださる
すべてを
素直に罪を認め 共犯者の名前を言え
減刑もありえるぞ
共犯などいない
この罪は私の罪ではない
何のための有罪判決か あなたはよくご存知だ
悪魔!魔女!異端者!
見せかけの威厳に 騙されるな
ただの虚栄だ
悔い改めることを 知らない男だ
静粛に!
お前は全能の神によって 告発されているのだ
その魂は地獄の炎で 永遠に焼かれよう
神聖な目的で作られた この器具を
祝福を持って清めたまえ
木にも悪魔が宿るのか
追い払っておかないと
拷問の効果が 薄められかねない
それではお前も悔い改めまい
告白するか?
私は男で
女たちを愛した
権力を喜んだ
そうではない
お前は魔法使いで 悪魔と関係した
穢れた霊よ 出て行け
主の御名を恐れ
この者から離れよ
認めろ 告白するんだ
信じているのか
苦痛を与えることで 人に無実の罪を
認めさせられると
異端者
告白しろ
告白することなど何もない
どうだ
悪魔が手を貸してる
だから苦痛を十分感じないんだ
涙に気を留めるな
悪魔の涙だ
告白しろ
6000人の信者が 広場で待っている
教会を愛しているか
今は違う
教会が発展を遂げ
全人類を救う様子を見たいか
広場で悔い改めれば 教会に貢献できるぞ
再び教会の腕の中に 帰還したと宣言するのだ
このまま火刑になるのは 主への裏切りだ
異端どもに教会のもろさを 見せることになるからだ
お前はもう偉くなどない
まだ偉いと思っているのか
偉かったことなど一度もない
ならば立派に振舞って 信仰を示せ
立ち去れ男爵 くどいぞ
王は中止命令を撤回された
城壁は取り壊される 我々の勝ちだ
負けだ
署名しろ
するんだ
おきろ
ここは?
お前が汚した修道院の前だ
はじめろ
シスター達に謝罪するのだ
何もしていない
主が彼女らを
赦しますように
美しいと聞いたけど
今この目でそれを確かめた
よく見ておけ
そして真の愛を学べ
悪魔め
悪魔だ!
悪魔!
悪魔!
我らの務めをお許しください
話すのは自由ですし 点火直後に首を絞めます
長く苦しませないように 約束します
告白し許しを請え
町を守れないことを お許しください
告白しろ
見たか 十字架から顔を背けたぞ
告白しろ
告白はもう済んだ
最後の口づけを
悪魔に口づけだと
悪霊を移す気だな そんなことはさせん
異端は永遠の業火に焼かれよう
主に背いたからである
口づけだ
主を冒涜し悪事を重ね 異端を導き
数々の情欲に溺れたものは 滅ぼされなければならない
お前は悪魔の手先だ
認めろ
もうすぐ主に会えるのだ
真実しか言わん
生きていられるのは もうわずかだぞ
わずかか…
主の前に出れば 公正な裁きが受けられる
君もだ
永遠の業火に焼き尽きろ
どいてください 絞め殺すと約束したんだ
これが約束か
ナワはどこだ
よこせ
この火じゃもう無理だ…
すいません お許しください
燃えろ!燃えろ!
見ろ お前の母の恨みが晴れたぞ
幸運な子だ
父親の火刑など 滅多に見られん
私を見るな
町を見ろ
今に町は滅ぼされ
みんな破滅する
悪魔め まだしゃべっている
告白しろ 悔い改めろ
自由人の誇りが
あるなら
戦え
でなければ やつらの奴隷だ
悪魔を祓っています
どんな?
イザカラムとベーラムという
彼らもこんな女の体は 懲り懲りだとか
気のせいさ
バレー神父はどちらに
出発した
三本足の犬の姿の イザカラムを祓いにね
では明日の悪魔祓いは どなたが?
ミニョン神父?
彼は気が変になってね
無実の男を殺したと言ってる
署名のない告白文が その証拠だとか
かわいそうに
とにかくお前はもう正常だ
どうしろと
救いを祈り 悔い改め 静かに過ごすのだ
時には旅人でにぎわうが 一時のことだ
じきに町は死に絶え 平安と忘却が訪れる
ああ、これか
記念だ
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