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夜が漆黒の闇に覆われし太古の昔
世界は魔物によって支配されていた
吸血鬼 オオカミ人間邪悪な妖精––
魔女 トロールそして無数の魔物が
恐怖と不安で人類を脅かしていた
時は流れ 時代と共に魔物たちも変化した
かつて人間を震え上がらせた凶暴な魔物は
今や平和を愛する善良な生き物
中には人間界に溶けこみ
人として暮らす者もいる
他の魔物たちは世界各地に散り
人知れぬ魔法の森の奥へと姿を消した
これは 人間界から魔法の町––
クライルスフェルデンへ父と移り住んだ––
吸血鬼ブラッドの物語である
市長 直々の推薦を受け
ブラッドはこれより名門の魔法学園に入学する
だが2人は知る由もない
これが世界を再び闇に葬ろうとする––
邪悪な企みのワナであることを…
ずっと森だよ町なんて どこにあるの?
この世の最果てさ
目的地は“この世の最果て”です
人目につかないよう隠されているのさ
町が見つかりません
創立700年を誇る世界の名門––
リフラフ魔法学園がある町だぞ
落ちこぼれナビめ!
地図上に道がありません
Uターンしてください
元の道へ戻ってください
どうして止まるの?
まず登録だ
ここで?
誰もいな…
誰だ
バーナバス・テペッシュと息子のブラッドです
書類を出せ
そうでした
お前は もしや…
間違いない
“時間が逆行し天高く災い迫るとき”
“その者は現れ三位一体となる”
“愚者は影の英雄となり”
“クライルスフェルデンを魔の手から救う”
ありました
クライルスフェルデンへようこそ
どうも
ありがとう
あんなチビだとはな
何者?
さあな
千年も独りで橋の番をすれば少しは変になる
口の臭いもな
“この世の最果て”に到着しました
〝クライルスフェルデン 人口 3687人〟
〝クライルスフェルデン 人口 3689人〟
どうだ
すごいや 何だか…
まるで別の時代みたいだな
あれが市庁舎だ 立派だろ?
地元の詩人ゲッツの有名な歌がある
“市庁舎の鐘13度鳴りてこの世の終わりを告げん”
あれ?
危ない!
大変だ
おケガは?
何事だ
分かりません急に昔の自転車が…
いったい何だ
楽しいか?
僕じゃないよ
越して来て早々魔法遊びとはな
学園も まだだろ
お言葉ですが 急に飛び出してきたんです
だって急に自転車がこんなことに…
今すぐこのガラクタをどけろ
お前は もう行け
はい 巡査
顔は覚えたぞ
乗りなさい
さあ 見せ物は終わりだ
あの家だ
上に住んで1階は骨董こっとうの店にしよう
父さん
今にも崩れそうだよ
何を言ってる
ペンキを塗れば新築も同然だ
駐車スペースもある
狭すぎて入らないよ
“吸血鬼センサー”があるから大丈夫さ
喉のどが渇いて勘が狂った
荷物を降ろそう
気に入った
いい店ができるぞ
アガメムノン王の剣を置くのにぴったりだ
テホットの望遠鏡はあそこがいい
ここには金の羊毛を置こう
どうした?
新しい学園で恥をかいて笑い者になるかも
お前は見込まれたから入学するんだ
気の合う友達もすぐに見つかるさ
すべては…
うまくいく
だといいけど
おいで
もう放して
ダメだ
苦しいよ
いよいよ明日だよ ジュリア
君がいたらな
税務署から来たリューベツァールだ
登録手数料に収得税財産税に所得税
開業もまだです
消費税に学費ゴミ処理費に児童手当
手当はもらう側だ
うちはやらん
7日以内に払わねば
財産を差し押さえ町から追放する
そんな
不服申し立ては市庁舎にて午前8時から13分間
勘弁してくださいこんな高額は払え…
父さん
徹夜したの?
ちょっと税金のことでな
いよいよだな 準備は?
万端だよ
じゃあ出発“血は熱いうちに吸え”だ
着いたぞ
少し市庁舎に用があるんだ
式は?
式までには戻るさ
必ず戻るから先に行きなさい
返してったら!
やめて ひどいよ
来いよ
いい加減にしろ
返してよ
ほら 取れよ
“ピッグ・パック”のお三方今日は3対2?
さすがね 勇敢だわ
行こうぜ そろそろ見せ物が始まる
またな 赤毛野郎
ありがとう
778個目の親切よ
フェアリー・パワー!
誰?
ニキビ面づらとアホ面とブタ面
あれが?
なんだ フェイたちのことか
フェイ?
F・A・Y・Eでフェイ
僕はウォルフ
ブラッドだ
よろしく
自分でも倒せたけどさ
ケガさせるとマズいからね
だよね
君も新7年生?
超楽しみだよね
よだれが出てるよ
ああ ほんとだ
ごめん つい興奮して
緊張してる?
うん まあ…
僕の隣に座っていいよ
強い僕が面倒を見てやるから
ウォルちゃん
いつまでも赤ん坊みたいに呼ぶな
もう一人前の男だもんな
友達のブラッドだよ
始まる 急いで
魔法オMahoo!ークション落札できたかしら
何?
何のご用?
失礼しますテペッシュと申します
税金の不服申し立てです
これなんですが
すぐには払えません
分割ならなんとか…
テペッシュさん
クライルスフェルデン市民なら
納税するのは当然の義務です
もちろん他の町に移っていただいても結構よ
イエティポリスとか
ムマニアとかね
ただしリフラフ魔法学園は
世界に1つしか ありません
出ていけと?
まさか
何かを売るという方法もありますわ
珍しいアクセサリーをお持ちだそうね
小さくて
赤くて
尖った…
首に掛けられる あれよ
血の結晶を?
どこだよ 父さん
必ず来るさ
始業式に遅れるよテペッシュくん
なぜ僕の名を?
はじめまして ハンナペルだ
さあ 行きなさい
大切な式だ
お前はダメだぞ
戻るんだ
保護者の皆様
生徒諸君
“7”は神秘の数と言われています
錬金術師の時代から“7”は
“新しい始まり”
“移り変わり”
“変化”を意味します
7日ごとに週が変わるのも必然です
世界には七・不思議
我が校には––
新7・年生です
“7・人のこびと”だろ
7年生への進級は各自にとって特別な…
特別な旅の始まりです
席を取っておいたよ
7年生は…
初日から遅刻かよ
先祖伝来の能力を受け継ぐ年です
血の結晶は先祖代々受け継いだもので…
ごきげんよう
何か問題かなサースマイヤーくん
これは 市長
大したことは何も
テペッシュさんに町に残る方法を
ご説明していましたの
税金滞納者です
なるほど
クライルスフェルデンへようこそ
光栄です
転入費に資産取得料歓迎費も未納だな
歓迎費?
払わなきゃ
何事にも金がかかる
血の結晶を売るなら十分な金を出してやるぞ
呼ばれた新7年生から壇上へ上がってください
ダニエル・フソー
ジュリア・アストラ
バーンド・アルコバ
ジーベル・ザーラ
マリー・ウルトロ
ウォルフ・ヴェルマン
フェイ・ルマーニュ
ウンディーネ・ヴル
ブラッド・テペッシュ
カリン・ラスタース
たとえ売りたくてもあれは息子の物です
本当かしら
亡き妻の形見で息子にとっては宝です
泣けちゃう
町にお招きいただき感謝しています
確かに税金より大切なこともある
解決策を探そう
ありがとうございます
待ちたまえ
明後日 市庁舎の広場で
日食の観賞会を行う
必ず出席を
もちろんです では
“わが魔法で命を吹き込もう”
“隠れた力よ 目覚めたまえ”
“久しく闇に眠りし力”
“今こそ目覚めのとき”
“光を信じよ”
遅れました!
“サラマンドラ”
すごい
いいぞ
ついにやったわ
ステキよ
見ろよ
その調子だ
ウォルちゃん
せがれです
でかした
助けて 高すぎる
おもしれえ
誰か 下ろして
フェイ 集中して
フェイ
ブラッド
ブラッド
ケガはないか?
無事でよかった
大丈夫か どうした?
口が切れたのか
少し落ち着いたか
ついてる
血を見て吐くなんてドラキュラも背を向ける
心臓に杭を打たれてるから動けな…
父さんのウソつき
立派な吸血鬼どころかみんなの笑い者だ
来なきゃよかった
確かに思いどおりにはいかなかった
でも すぐに忘れるさ
“血がダメな吸血鬼”なんて忘れる?
まだお前の体は成長途中だ自然に治るよ
少しずつ慣らそう
ブラッドオレンジとかレアステーキとか
時には血のソーセージブラック·プディングとか
毛皮アレルギー?
何も心配はありません
心配ないだと?
わしはオオカミ人間のリーダーだぞ
仲間たちが聞いたら腹の毛・をよじって笑う
では お大事に
お気をつけて
あなた
悩む気持ちは よく分かる
だけど心配するなお前は絶対に大丈夫だ
片付けるよ
アロマ療法はどうかしら
ハーマンの息子は7年生で獲物を八つ裂きにした
うちは毛皮アレルギーだ
あなた
ホメオパシーもあるわ
オメオパシーもレメディーもクソくらえだ!
ブラッドか?
じゃあね
結晶を見せろ
ご親切に
結晶だ
ついに
やられた
いったい何が?
“召還の魔法”だ
何?
血の結晶は魔法で守られているのだ
持ち主が望まぬかぎり人の手に渡ることはない
まるで呪いだわ
墜落飛行士よ
すごい出血だ 誰か!
こんなに血が… 誰か助けて!
何事だ?
大成功だぜ
大丈夫か?
恥を知れ
お前らの能力にはもっとマシな使い道があるはずだ
汚れてるぜ
掃除を頼む
“トロール橋”
ここで何を?
町を出るんだ 君も?
まさか 遠足の日を間違えただけ
そうかい
ごめん 本当はちがうの
恥ずかしくてもう表を歩けない
何してるの?
もうやだ
大丈夫?
君も逃げるの?
冒険に出るのさ
真のオオカミ男だとパパに認めてもらう
そのリュックで?
文句ある?
まあいい 森を出よう
虎のリュックだぞ
僕と一緒に来れば何も怖くないよ
どこへ行く
お願い 通して
ダメだ
魔法書に記されたことを成し遂げるまではな
何?
“時間が逆行し”
“天高く災い迫るとき”
“その者は現れ三位一体となる”
“愚者は影の英雄となり”
“クライルスフェルデンを魔の手から救う”
関係ない 僕は行くよ
わしを怒らせるな
嫌われたくないのでな
もう嫌いだ
カジモドさん
私たちを通しなさいでないと…
分かった
怒らせてごめんなさい
お前らは
この町に
残るのだ!
その子たちに手を出すな
こっちへ
怒りを取り去ってやる
怒り去りて笑み来たる“サラマンドラ”
間違えた 落ち着いてくれ
別の呪文だ ちょっと待て
悪魔には塩だ
逃げろ!
ひどすぎる
悪気はなかったのに
魔法が使えるんですね
学園では使用を禁止されているんだ
死人は出していないよ
生クリームは?
ください
“サラマンドラ”
どうして町を出ようと?
血嫌いの吸血鬼も高所恐怖症の妖精も
毛皮アレルギーのオオカミ男も珍しい
だが逃げても解決できないぞ
でも町には残れない
どこか他に出口は?
橋以外には ない
町は魔法の森に囲まれている
何日歩こうが出発点に戻される
でも変だな
町から出るのは自由なはずだ
じゃあ なぜ?
分からない
「クライルスフェルデンの 奇怪な慣習」を見てみよう
確か13巻の777ページだ
“サラマンドラ”
どれどれ ええと…
あった
いや 何も書いてない
もっとココア飲む?
ええ いただきます
“リベル オムニスキエンティア”
“禁断の図書館”
“底知れぬ無知の彼方かなた”
リベル何?
ラテン語よ
「全知の書」っていう意味
生クリームは?
のせてください
すぐできるよ
“サラマンドラ”
ケチャップでもいい?
乳糖はアレルギーなので抜きで
シナモンを少し
分かった 任せて
トロールが言ってたのはこれだよ
成功すれば…
町の英雄になってパパに認めてもらえる
町を出れる
もうできるよ
“サラマンドラ”
うわ クモだ
クモはダメなんだ
本はどこに?
“禁断の図書館”よ
よし ココアができたよ
場所分かるよ
みんな 今日はもう遅い
帰ったほうがいい
台所の火を消さなきゃ
はい そうします
元気が出ました
そうかい? よかった
うれしいよ
ウォルフ どうしたの?
こんなに木があるとさ
何というか… したくなるんだ
冗談だろ?
もちろん冗談さ
待って
今の何?
妖精の粉よ 治癒力があるの
助けられるんだ
妖精だもの
経験ない?
会ったことない
人間界にいたんだ
4歳まで人間だと思ってた
お母さんは?
事故で死んだ
あまり覚えていない
形見はこれだけ
魔法の結晶ね
“召還の魔法”が?
知ってるの?
少しだけね
いつか学ぼうと思って…
今よ
あそこだ
地図がある
今が ここ
〝館内 案内図〟
どこに行けばいいんだ
あったわ
“「全知の書」棚番号313”
ここを通って…
ねえ
ちょっといい?
意外と簡単に…
入れるわけないよね
僕が気を引く
本を探すだけさ
おいしいよ
用意がいいな
僕のお昼ごはん
まずは挨拶かな
危ない!
“底知れぬ無知の彼方”
どうする?
飛ぶ?
死んでも やだ
図書館は向こう側
きっとナゾかけだわ
これは目の錯覚よ
見てて
見事な錯覚だ
お友達?
友達か…
吸血鬼センサーだ
どういうこと?
コウモリは超音波が使える
だから何?
僕もできるかも
でも笑うなよ
見えた?
透明の柱がある
でも飛び移らなきゃダメだ
行こう
できるさ
目を閉じて僕につかまって
柱の場所を覚えてる?
もちろん
だいたいはね
信じて 3つ数える
いち にの…
さん!
よし次だ
次の柱は…
そこかな
右かな
大丈夫?
大丈夫 思い出した
それ!
ありがと
妖精だもの
いち にの…
さん!
やったぜ!
はい 校長先生
言い聞かせます
こんなことは初めて…
では失礼します
サースマイヤーさん
親愛なるバーナバス・テペッシュ様
あなた方親子が町を出ることになったら残念だわ
まったくです
血の結晶を売るように––
息子を説得できたら
クライルスフェルデンにずっと住めるわよ
私とね
すぐに説得します
見つかったら…
何て?
学園を抜け出したらしく捜しに行くところです
その前に これを見てください
赤髭王バルバロッサのひげ切り鋏はさみです
世界に1つだけ女性のヘアカットにも…
サースマイヤーさん?
すごい
やっぱりね
そんなに高くない
指示するから目を閉じて飛ぶ?
私はラジコン?
僕もいい?
おいしい
ごめん 全部あげるから
もっと左
もう少し上へ
これ以上?
できればね
まだ?
もうなくなるよ
もう少しだよ
手を伸ばしてみて
もう少し上
それだ!
取った?
顔面キャッチだ
満腹だろ?
もうないんだ
着いた?
目を開けていい?
いいよ
頑張ったね
悪いんだけど…
急いで!
落ち着こう 気を楽に
いい子だね
遅いよ
いいから逃げて!
大丈夫か?
くしゃみ 出なかったね
ほんとだ
家に いないだと?
捜せ!
結晶を手に入れろ
お待ちを
ここ 魔・波が悪いのかしら
いたわ
鼻タレ2人もいる
何か持っていますね
「全知の書」ではないか
なぜアイツらが!
最新モデルだったのに
すごい 閲覧ソフト内蔵?
読者諸君に告ぐ
善良な魔物たちの姿に––
業を煮やす者がいる
彼の名は魔王ルシファー
ワン!… じゃなくてワオ
魔王の野望は ただ1つ
吸血鬼やオオカミ人間その他すべての魔物が
かつての残忍さを取り戻すべく時間をさかのぼること
すべては闇の勢力を築き人間界を再び支配するため
恐れおののくがよい
午・前・13時…
続きは?
誰かが破ってる
何世紀も昔に手は打った
あの本が多くを語ることはない
では安心
安心なものか!
ガキどもが町じゅうに触れ回る
ご心配なく
つまり
午前13時に
ルシファーが何か…
みんなが邪悪になるようなことをする
でも何を?
まず“午・前・13時”なんてない
きっとあるのよ
そして市民全員邪悪な魔物に変えられて––
奴隷にされる
“魔女軟膏なんこう”に“空飛ぶ薬”“小さくなる粉”
あったわ
“あまのじゃくの呪い”
さあ 楽しんでおいで
あの子たちの言葉をすべて裏返しておやり
親に知らせなきゃ
そのあと電話だ
決まり
父さん
いないの?
ブラッド 何かあったのか?
何もないよ
心配したぞ
悪いことなんて起こるわけないさ
そうだよな
実は…
市長補佐のサースマイヤーさんが来たんだ
お前の血の結晶を高く買い取りたいらしい
喜んで売るよ
母さんの形見だから大切なのは分かるが…
今“売る”と?
喜んで
分かってくれるのか
結晶を売れば学園にも行けるし…
ブラッド
入るぞ
もちろん どうぞ
どうした? 何でも話してくれ
分かってる 話してるよ
サースマイヤーさんはステキな女性だ
鼻がキュートだろ?
お前も会ってくれ
超ひまだし いつでも会うよ
そうか あしたの朝はどうだ?
一緒に市庁舎へ行こう
結晶を預かるよ磨いてラッピングしたい
分かった
思春期を思い出すよ
もう300年前か
すごく変なんだ
こうでしょ
親に話そうとすると真逆の言葉が出る
僕もママに逆を言った
“医者を呼んで”って
パパが殴るから来ないけど
“あまのじゃくの呪い”よ
違法の黒魔術だわ
話したい事と逆の言葉が出るの
今は普通だよ
3人とも逆どうしだもの
自分たちでナゾを解くしかない
本を読み直してみるよ
じゃあ僕は“午前13時”について調べる
私は邪悪にする魔法を
明日の朝8時に噴水で集合だ
了解 また明日
“世継ぎに恵まれず––”
“クライルスベルト3世が後継者となる”
“1312年に…”
“1455年3月17日11時37分詩人ゲッツは––”
“クライルスフェルデンの有名な賛歌を執筆”
“1845年5月23日のクライルスフェルデンは”
“史上最も平穏な一日”
“午後4時 霧雨”
“ドワーフの鍛冶場に石炭が…”
“市庁舎の鐘13度鳴りて”
“この世の終わりを告げん”
“時間が逆行し…”
楽しいか?
“天高く災い迫るとき…”
だって急に自転車がこんなことに…
時間か…
“午前13時”が何か分かったよ市庁舎の詩だ
詩人ゲッツが
1455年3月17日に書いた賛歌だろ?
何でも聞いて
市民を邪悪な魔物に変える方法は1つ
結晶の魔法で…
時間を逆行させる
町に来た日 結晶が光ったんだ
市庁舎の前だった
同時に周りの物が昔の物に
市庁舎で?
“市庁舎の鐘13度鳴りて”
“世界は終わる”
とにかく
僕の結晶と何か関係がある
言っちゃ悪いけど
小さな結晶にそこまでの魔力はない
あるとすれば…
何かと合体だ!
あの子の投稿写真ヤバくない?
新品のスマホが こんな旧型に
やだ キモい
“時間の魔法”
間違いないわ
行くぞ
待って
私たち学園をサボってるのよ
巡査が何て言う?
巡査のこと忘れてた
ブラッドは巡査を
その間に僕が窓から…
待った
もっといい考えがある
吸血鬼はカメラに映らないだろ?
君らが気を引いて…
何の用だ
こんにちは 学園から社会見学で来ました
聞いとらんぞ
先生が来るまで外で待ってろ
モニターって全部逆に映るんですか?
何だと?
右手を振ると左手が動いてる
当たり前だ
君から見る左は私から見る右で––
モニターでは…
どうでもいい
出て行け
頭良すぎ
さよなら
ウォルフか
こちらウォルフ 異常は?
ゾンビがいる
何かで読んだ
市が人件費削減でゾンビを雇ったの
タダ同然で職員と大差ないからって
大丈夫 彼らは無害よ
結晶が激しく暴れてる
気をつけて
たぶん塔の方向に引き寄せられてる
今どこ?
塔の上だよ
何が見える?
巨大な結晶だ
また苦情ね
痛い! 何?
“時間の魔法”だわ
ボス!
やめろ
どうしたの?
怪しすぎる 戻るよ
お前 ここで何を?
社会見学です はぐれちゃって
それで?
巨大な結晶があった僕のは一部だ
その結晶は?
母さんが先祖から受け継いだらしい
結晶を委ねられたなんてすごいわ
立派な魔女だったのね
どういうこと?
結晶の守護は一世代にひとりの特別な役目よ
父さんはひと言も…
君のリュック
昔のかばんになってる
ってことは…
本も
子どもの匂いですわ
吸血鬼のガキだ
結晶も一緒だった
まだ力を感じる
もう少しで完全な姿に
千年かけて世界中を捜し回り
多くの偉大な魔法使いを殺しかけらを集めてきた
残るは最後のひとつ
それをあんなクソガキが…
捜し出せ
はい 今すぐ
スクリーンがちょっと壊れてますが
きれいだ
ページも破られていない
刷りたてみたいだ
インクじゃない
これは… 赤いインクだよ
“恐れおののくがよい”
午前13時 マニの馬車は姉ソルに追いつき––
ソルを炎の王座から降ろす
血色の光のもと––
ルシファーは闇の勢力を築き世界を征服する
意味不明だ
マニって誰?
馬車って?
マ・ジ・ペディアに載ってる
月の馬車で空を渡る北欧神話の神らしい
太陽だよ
“マニがソルを炎の王座から降ろす”
きっと日食のことね
今日がその日だ
“日食観賞会”
見て
〝ルイス・ジファ︱〟
ありえるわ
ジファー市長がルシファーなのよ
結晶は市庁舎にある
日食観賞会だと言って塔の下に全市民を集める
結晶の光で一網打尽にするつもりだ
止めなきゃ
どうやって?
1つだけ方法がある
遅いぞ
小僧はどこだ?
トロール橋におるではないか
時間がない ガキどもはわしが片付ける
吸血鬼オヤジを何とかしろ
かしこまり
飛・ん・で・行くわよ!
ホウキを忘れちゃった
別の方法はないの?
フェイ
残念だけどないわ
結晶を町から隔離しなきゃ
結晶は僕から離れない
僕が永遠に出て行くしかないんだ
私たちも一緒に
君たちは町を頼むよ
みんなを助けなきゃ
またお前か?
出られんと言ったはずだ
“時間が逆行し天高く災い迫るとき…”
変だな お前はもう町を出てもいいようだ
“そして町は救われる”韻もクソもない
町を救えるね
言っておく
ひとたび橋を渡れば二度と戻っては来れんぞ
だから出るんだ
そうか
では…
達者で
フェイ
結晶は俺様がもらう
1時間で市庁舎へ持って来ねば
こいつの命はない
来ちゃダメ
最後の手段だ
バーニー
これはどうも
ようこそ
息子が心配です
一緒に捜して…
息子のことは忘れて
代わりに100年の恋を教えてあげるわ
いいでしょ 悪い子バッド·マンちゃん
もちろんです
やっぱり親に言わない?
時間がない
行くぞ
“すぐ戻ります”
鼻がかわいいって言われるでしょ?
そうかしら
そばかすは満月に飛ぶコウモリのようだ
あら そう
市庁舎の塔で何が?
まるで黒魔術だ
まさか
そんなことないわ
何してるの?
なぜ来たの? 渡しちゃダメよ
渡してもらおう
むしろ感謝しろ
絶大な魔力を持つ結晶が完全復活し––
お前たちは本来の姿を取り戻すのだ
私の支配下でな
血の結晶をよこせブラッド・テペッシュ
ついに手に入れたぞ
何を捜しているの?
悪事を見通す“テホットの望遠鏡”です
ブラッド?
ジファー市長に角つのが!
ジファーと組んで私を魔法で操ったな
魔女ですもの
困らせてあげる
邪魔はさせない
息子を助けに行く
クライルスフェルデン市民は集まったようだ
早く
いよいよだ
闇の勢力結成のときが来た
1…
なぜこんなことを?
3
分かるものか
教えてよ
世界は…
4
闇から生まれ––
闇に返る
6
そういうものだ
魔物たちが生み出されたのは
世界を支配するため
8
頂点に立つのはこの俺様
なぜなら俺様は ルシファー
闇の帝王だ
なぜだ!
ウソだ ありえない
どうなっている?
やっと来た
ハンナペルさんにあげてきたんだ
千年の計画が水の泡だ
逃げる作戦もあるよね?
よくもクソガキの分際で邪魔しおったな
ブラッド
ウォルフ
今こそ勇敢なオオカミ男の出番よ
あなたなら できる
妖精よ 飛ぶがいい
フェイ 危ない
それしきか
何てことをしたんだ
お前の怖さなど––
ホットドッグ並み…
何になりたい?
ブタ?
カエル?
それともホライモリ?
息子を助ける
どいてもらおう
いいか よく聞け
お前のような奴を使ってやってもいいんだ
毛皮の絨毯じゅうたんとしてな
フェイ
血が出てる
お守りよ
死ね ワン公め
絶対に逃がさん
彼らに手を出すな
ブラッド 結晶よ
お前はもう終わりだ
〝人口 3689人〟
〝人口 3688人〟
あれで終わり?
くだらねえ
すごかったな
大丈夫?
うん
どうなったの?
ショートしたのよ
結晶の魔法クリスタル·マジックね
父さんが来たぞ
そうだね
心配したぞ 何があったんだ?
僕がオオカミ男でフェイが飛んで––
ブラッドは吸血鬼になったんだ
血を飲んだんだよ
すべてを語る必要はないかもね
こうして ブラッドフェイ ウォルフという––
極めて意外な英雄たちの力で悪魔は滅亡した
3人のおかげで全人類および魔物たちは
ルシファーによる永遠の支配を免れた
町を救ったのに誰も気づいていない
いいじゃないか
野蛮な時代に戻りたい者たちもいるかも
“寝た犬・を起こすな”だよ
がっつかないで
うまいのが悪い
そうだ これは君のだ
返すよ
ありがとう
父さんと母さんの自慢の息子だ
そうだ あのキスは
単なる作戦だからね
キス?
父さん
構わないよ ただどこに…
またあとでね
単なる作戦か
作戦だ
作戦は重要です
何より重要さ作戦がなきゃ人生は不・作・だ
3人のグループ名を作ろうよ
例えば…
“ピッグ・パック”
ちがうよ もっとカッコいい…
これはこれは
負け犬たちがえらくご機嫌だな
赤毛は俺の子分だろ顔に書いてる
“ニキビ面の物”って?
アホ面さ ニキビ面はこいつ
アホ面だと?
この女だよ
ニキビ面だ
ニキビ面はこいつ
黙れブタ面
もういいかな
アホ面たちの話を…
何だと?
黙れよ
お前が黙れ
やめろよ
グループ名だけどさこれはどう?
ここは いい町だよ
ブラッド
母さん
危険が迫っているわ
危険って?
ナイトハンターよ
ジファー様 ご安心を
強力接着剤でくっつけてさしあげますわ
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