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Original subtitles

おはようございます。

(角田六郎)おい 暇か?

客か? …おう。

(神戸 尊)おはようございます。 おい 客だよ。

えっ? それも若い女だ。

…俺?

誰です? 知るかよ。

っていうか なんでいるんだ?

(杉下右京)おはようございます。 (角田)ああ…!

何か?

(守村やよい) 杉下さん お久しぶりです。

お元気でしたか? はい。

そうだったんですか。 亀山さん サルウィンに…。

ええ 彼が その後任の神戸君です。

よろしく。

守村やよいさんって あの… 東京ビッグシティマラソン事件の…。

あ…。

(やよいの声)あの時は 杉下さんと亀山さんには→

大変お世話になりました。

どうぞ。 ありがとうございます。

エルドビアは いかがでしたか?

向こうでは ずっと NPOの活動に参加してて→

日本には 先月 帰ってきたばかりなんです。

そうでしたか。 あの 1ついいですか?

どうやって ここに入ってこれたのかな?

ああ… 実は今 私 東都通信社で アシスタントをしてるんです。

だから 記者クラブで ゲストパスをもらって。

なるほど ジャーナリストの卵 というわけですか。

はい。

実を言うと 今日お伺いしたのは→

杉下さんに 聞いてもらいたいお話があって。

おや 何でしょう? なんていうか→

すごく奇妙な出来事を 体験したんです。

奇妙な出来事? はい。

先週の金曜日の夜の事でした。

(やよいの声)通信社の仕事で→

レンブラントホテルのラウンジで 人を待っていたら…。

(やよい)あっ…!

(山原京子)あら 大丈夫?

はい。 あの 平気です。 ごめんなさい。

(京子)そう。

あっ やだ…。

いらっしゃいませ。

その後 2時間ほどで 用事も済んで→

帰ろうと思った時の事でした。

本日は どうもありがとうございました。

それでは失礼します。 はい 失礼します。

ねぇ さっきは ごめんなさい。 失礼な話よね。

私のほうから ぶつかったのに…。 服とか平気だった?

いえ 全然 大丈夫です。 はい。 本当にごめんなさいね。

おわびに何かごちそうさせて。 食事とか まだでしょ?

えっ いや もう 私 帰るところですから。

だったら 車で送ってあげる。 いいでしょ? お願い。

でも 本当に 大丈夫です。

さあ 早く乗って。

それは 正確には 何時頃の事でしょう?

たぶん 9時を5分ほど 回った頃だったと思います。

(京子)今度 改めて おわびがしたいから→

携帯の番号 教えてもらえる?

そんな おわびだなんて 全然…。 私の気が済まないの。

あなたの番号と メールアドレスもお願い。

えっ…。

(やよいの声) 悪い人には見えなかったので→

言われるままに…。

はい 打てました。 ありがとう。

空メール送るわね。

どう?

(携帯電話の振動音) あっ…。

はい 来てます。

そこ 右に曲がった先で 1人降ります。

あとは これで払って。 足りるでしょ。

いや… いえ 結構です。 いいから とっといて。

あっ…。

お願いします。

(運転手) はい ありがとうございます。

どこが奇妙なのかな? マイペースで おせっかいな女に→

振り回されただけに 聞こえるんだけど。

いえ 奇妙なのは そのあとの事なんです。

当然 この山原京子という女性に 連絡したんですね?

はい。

何度か携帯にかけたんですけど いつも留守電で…。

社員証は私が持ってるから いつでも連絡くださいって→

メッセージを残しました。

まだ手元にあるって事は 連絡はないんだ?

はい。 月曜になっても全然。

タクシーのお釣りも 返さなきゃって思ってたから→

仕事の途中 この会社まで 行ってみたんです。

ところが…。

いない? (岸内雅臣)ええ。

山原京子という名前の社員は うちには…。

でも 現に こうして社員証が…。

ひょっとしたら 誰かが 偽造したのかもしれませんね。

以前にも この手のいたずらが ありましたから。

(やよい)そうなんですか…。 すみません。 失礼します。

(アナウンス) 「おかけになった電話番号は→

現在使われておりません」

なるほど。 間違いなく奇妙な体験でしたね。

杉下さんなら 私が会った女の人が 何者だったのかを→

調べる事ができるんじゃないかと 思って来たんです。

そうはいっても 特命係は私立探偵じゃ…。

わかりました。 うん そう言うと思った。

もし この社員証が 偽造されたものだとしたら→

それは 神戸君…。 はい 立派な犯罪です。

すぐに調べてみましょう。

ここです。

このマンションです。 行ってみましょう。

恐れ入ります。

警視庁の者ですが→

こちらにお住まいの 山原京子さんについて→

お伺いしたいのですが。

(益田)山原京子さんですか? 少々お待ちください。

いや そんな人はいませんけど。

えっ?

彼女 本当に ここに住んでるって?

はい。 確か…。

素敵なマンションですね。 うん 2階の角部屋。

朝日がまぶしくて。

2階の角部屋で 東向きに窓があるのは→

この部屋だけです。

(チャイム)

(女性)「はい」

(益田)管理人です。 ちょっと よろしいでしょうか。

(中根有里子)なんでしょう?

警視庁の杉下と申します。 お尋ねします。

この女性を ご存じではありませんか?

いや 見た事ないと 思いますけど。

じゃあ 山原京子という名前に 聞き覚えは?

いいえ。 誰ですか? それ。

失礼ですが こちらには いつからお住まいですか?

2年くらい前からですけど。

勤め先も嘘。

住んでるはずのマンションも 別人の部屋。

携帯まで通話不能。

山原京子さんって 一体 何者なんでしょう?

案外 それも偽名だったりして。 だとしたら これ以上→

調べようがないかもしれないね。 そんな…。

やよいさん。 僕たちは これから仕事があります。

今日のところは ひとまず 引き上げさせてもらえませんか。

そうですか。 だったら 私も社に戻ります。

では ここで。 行きましょう。 はい。

あれ? 仕事なんて ありましたっけ…?

(米沢 守)お尋ねの事件は こちらですね。

拝見します。 どうぞ。

殺人事件ですか…。

先週末に発生した シティホテルのリネン室で→

男性の他殺死体が 見つかった事件です。

新聞には 名前は出ていませんでしたが→

ニュースの映像には 見覚えがありました。

神戸君。 はい。

レンブラントホテル… あっ!? ええ。

死体が発見されたのは 土曜日の早朝でした。

(芹沢慶二)うわっ…。 (三浦信輔)ひでぇな。

何回殴ったんだよ。 (米沢)20回近くでしょうか。

死亡したあとも殴り続けたようで 正直 ここまでひどいと→

致命傷の判別が できないほどです。

(芹沢)という事は 強い怨恨っすかね?

それから もう1つ。 犯人は あらかじめ→

ここにあったシーツを使って 返り血を防いだようです。

(伊丹憲一) だったら 計画的って事か?

なのに どうして 凶器がアイロンなんだ…?

身元は? あっ ちょっと これ。

所持品の中に 免許証がありました。

(三浦)天谷楠雄 41歳。 現金やカードは手つかずか…。

ホテルのスタッフの話では 宿泊客ではないそうです。

被害者以外の指紋とか そういうの出てないですか?

残念ながら シーツは 使用済みを 回収してあったもので→

指紋から犯人を特定するのは 難しいかと。

死亡推定時刻は?

昨日 つまり金曜日の 午後7時から11時の間です。

山原京子という女性が やよいさんとともに→

ホテルをあとにしたのが 21時5分過ぎでしたねぇ。

まさか その女が…?

捜査一課は どう見ているのでしょう?

それが 被害者は 東国物産という→

小さな商事会社勤務 だったんですが→

渡航記録を調べたところ かなりの頻度で→

国外を回っている事が 確認されています。

商事会社なら 海外出張は 当然なんじゃないですか?

問題は その渡航先です。 中東や南米→

政情不安な国や紛争地域にも 足しげく渡航していたようで…。

ああ ただの商社マンじゃなかった 可能性もあると。

ええ。 一課は そちらの線も 視野に入れて 捜査中です。

金曜日の宿泊者名簿は 当然 押収されていますよね?

もちろん。 あっ… 写しでよければ どうぞ。

お持ちしますから。

こちらです。 どうぞ。 どうもありがとう。

山原京子という名前の客は いませんよね。

やよいさんの話では チェックインしたのが→

19時頃でしたねぇ。

その時刻の女性客は… あっ 1人だけですね。

山野陽子…。

部屋番号は 1302号室…。

あっ! 死体が見つかったのと 同じフロアです これ。

(フロント)いらっしゃいませ。

警視庁の杉下と申します。 先週の金曜日の午後→

勤務していた方は いらっしゃいますか?

(石井)はい 私ですが…。

あの… こちらの女性に 見覚えはないですか?

さあ… 金曜日は かなり 混み合っておりましたもので。

1302号室を 拝見できますでしょうか。

1302号室ですか? はい。

あっ これは確か ドイツの…?

え… ええ。 ドイツの現代彫刻です。

あっ 知ってるんだ…。 オーナーの趣味で→

客室ごとに違うものを 飾らせていただいております。

う~ん…。

こちらが 犯行現場のリネン室ですね?

ええ…。 すぐ目の前なんですね。

ちょっと失礼。

あっ…。

廊下に防犯カメラはないんですね。

ええ。 フロント周りとロビーには 設置してございますが。

お忙しいところ ありがとうございました。

では 我々は ここで。 行きましょう。

はい。

米沢さんの話では ロビーの防犯カメラには→

被害者は 映っていなかったそうです。

だったら どこから来たんでしょう?

神戸君。 はい?

あっ なるほど。

ああ これなら フロントを通らずに→

客室に直行できますね。 このクラスのホテルにしては→

少々 セキュリティーが 甘いようですね。

人目を避けたい人間にとっては 都合のいいルートってわけか。

(芹沢)事件の日 物音を聞いた っていうのは 何時頃です?

(久永智一)確か 8時半過ぎだったと思います。

どんな物音だったか 詳しく聞かせてもらえませんか。

バタバタと足音が続いて 「待て」とか叫ぶ声も…。

それも 1人じゃなく 大勢いたような気が…。

複数犯って事ですかね…?

(伊丹)ちなみに 久永さんは 何時から この部屋に?

8時から10時ぐらいまでだったと 思います。

ああ 秘書の酒田君に 聞いていただければ。

ずっと一緒にいましたから。

(三浦)あの久永って社長→

あの部屋 年間契約で 借りてるんだってさ。

セカンドハウスだってよ。

さすがIT企業の社長ともなると 違いますねぇ。

あっ!

皆さんも こちらで聞き込みと伺い お待ちしておりました。

はい。 犯行のあった金曜日→

山野陽子という名前で 13階に 部屋を取っていた女性です。

あっ! 犯行現場の 目の前の部屋の客ですよね。

ああ! 名前も住所も デタラメだった女だ。

なんだって こんなものを? たまたま 僕の知り合いが→

その時刻にロビーにいて→

この女性と タクシーに同乗する事になり→

社員証を 車内に忘れていったそうです。

ちなみに これが その会社。 ところが その社員証は偽物で→

タクシーを降りた マンションの部屋も→

別人が住んでいました。

正体不明の消えた女 ってわけですか…?

におうな。 被害者の妙な海外渡航歴といい→

人目を避けるのに もってこいのホテルといい…。

確かに キナ臭い要素が そろってやがる。

犯人が複数犯なら 何かの集団か 組織が絡んでるとか。

おい…。

(伊丹)ここから先は捜査機密です。 (三浦)それじゃ。

ああ それから もう1つ。 (伊丹)はい。

先ほど 不審な車を見かけました。

車両番号は 「品川300 へ 7216」。

300 72…。 72…?

7216…。

まあ 役に立つかどうかは わかりませんが→

捜査の参考にさせていただきます。 では。

では。 どうも。

さてと 僕たちは どう動きましょう?

あいにくですが 僕は これから ちょっと調べたい事があります。

その間 君に やってほしい事が1つ。

はい なんでしょう? やよいさんの携帯電話に→

何度か かけてみたのですが まったく出る気配がありません。

通信社にも かけたのですが→

今日は 一日 自主取材で 戻らないとか。

自主取材って まさか…?

ええ 彼女は 一見 おとなしそうに見えますが→

時として 思わぬ行動を取る事があります。

…ん?

そうですか。 ありがとうございました。

あっ…。

すいません! あの すいません。

この人 この辺りで 見た事ありませんか?

さあ… 見た事ないわね。

ありがとうございました。

あっ 神戸さん。

あそこに彼女が住んでいない事は→

一緒に確かめたはずじゃ なかったっけ?

神戸さん やっぱり あの部屋は→

山原京子さんの 部屋だったんです。

えっ? おっ おい…。 ちょっと… ちょっと。

あそこが 201号室。

金曜日の夜に ここまで タクシーで来た時には→

きれいに咲いてたので よく覚えていました。

あれだけ きれいに咲かせるには ちゃんとお世話しないと。

なのに 今は 水もやらずに しおれてるなんて おかしいです。

まさか 住んでる人間が 入れ替わったとでも?

だとしたら 山原京子さんが→

何かの事件に巻き込まれてる事に なりませんか?

ちょっと 管理人さん! (益田)はい。

うちの水漏れの修理 まだ?

(益田)すいません。 聞いてなかったもので。

まったく…。 お願いしますよ。

はい。

こんにちは。 ああ どうも…。

どうも。 管理人さん いつから こちらのマンションに?

今週からです。

急に入ってくれって 会社から言われて。

ちなみに どちらの会社ですか? 登録している人材派遣会社です。

ブレイブスタッフってところで…。

営業部 販売促進課…。

ありませんね。

販売促進課…。

(呼び出し音)

(女性社員)「はい ブレイブスタッフ 販売促進課です」

警視庁特命係の杉下と申します。 ただ今 受付にいるのですが→

責任者の方 いらっしゃいますでしょうか?

「少々お待ちください。 ただ今 お伺いいたします」

初めまして。 営業部長の岸内と申します。

お忙しいところ…。

こちらが 常務の橋場です。

(橋場冴美)橋場と申します。 恐縮です。

警察の方が 一体 どのようなご用件でしょうか?

昨日 若い女性が→

山原京子さんという こちらの社員の方を→

訪ねてみえましたよね?

ああ そういえば そんな事もありましたか。

ところが そのような社員は存在せず→

社員証も偽造された疑いがあった。 にもかかわらず→

警察に届けを出されていない。 なぜでしょう?

それは ただのいたずらだと 思ったからですよ。

実害がなかった以上 事を荒立てるべきではないと→

私どもで判断いたしました。 何か問題でも?

いえいえ 念のために 確認に伺っただけです。

ところで 販売促進課というのは どちらでしょう?

申し訳ございません。

販促課は 経営戦略上の 機密保持のため→

社外の方は入れない決まりに なっております。

なるほど なるほど。 そうでしたか。

お忙しいところ 失礼いたしました。

それだけですか?

それだけですよ。

ちょっと失礼。

誰でしょう?

(呼び出し音) もしもし?

もしもし 杉下ですが。 (電話)

はい ブレイブスタッフ 販売促進課です。

もしもし?

間違い電話だったようです。 では ここで。 失礼。

どうでした? うん…。

駅前の不動産屋が知ってた。 あのマンション 5部屋を→

ブレイブスタッフが社宅として 借り上げてるって。

201号室も その1つだってさ。

私のほうも レンタルビデオ屋の店員さんが→

山原京子さんの事を覚えてました。 よく来ていたそうです。

ブレイブスタッフなら→

管理人を代えて 別の人間を住まわせて→

山原京子が あの部屋に住んでいた事を→

なかった事にするのも 可能だろうね。

(店員)いらっしゃいませ。 コーヒー。

かしこまりました。

それって あのホテルでの殺人事件と→

関係があるんでしょうか?

君は これ以上 もう深入りしないほうがいいよ。

えっ?

この事件の背景には→

何か大きな機密や組織が 関わってる可能性もある。

もう 素人の君の手に負えるような レベルじゃない。

隠された真実があるなら→

私は それを 明らかにしたいんです。

兄が… 海の向こうで 事件に巻き込まれて→

父が あんな恐ろしい事件を 起こしてしまった時→

私は 何もかも なくしてしまいました。

でも ただ1つ わかった事があるんです。

この世界には→

自分たちに不都合な真実を 握りつぶすために→

平気で手を汚す人たちが いるんだって。

それでも 諦めずに立ち向かえば たとえ消えかけた真実でも→

絶対に明らかにする事が できるんだって。

私は それを…→

杉下さんと亀山さんから 教わったんです。

それで ジャーナリストを 志したんだ…。

だけど 警察官でもない君を→

もうこれ以上 捜査に 巻き込むわけにはいかない。

そんな…。 そのかわり 約束するよ。

山原京子の身に何が起きたのか 必ず突き止める。

真実がわかったら 君に伝えるよ。

(携帯電話の振動音)

はい 神戸です。

…えっ?

(中園照生)先ほど ブレイブスタッフという会社から→

抗議の電話があった。 事件も何も起きていないのに→

こそこそ嗅ぎ回るような真似を したそうだな?

お言葉ですが 事件が起きていないかどうかは→

調べてみないと わからないのではないでしょうか。

口答えをするな! 抗議が来た以上→

今後 ブレイブスタッフには 一切 近づくな。

抗議といっても 一民間企業からの クレームですよね?

わざわざ 刑事部長から 直々にお叱りを受けるほどの→

問題とは思えませんし 正直 理解できません。

(内村完爾) 誰が理解しろと言った。

これは 部長命令だ。 従うんだ。

従うんだ!

ひょっとして あなた方も ブレイブスタッフを?

こちら いきなり乗り込むような 大胆な真似はできません。

手順を踏んで 外堀から コツコツと。

それでも 止められちゃいましたけど。

ただの民間企業にしては ガードが固すぎませんか?

ブレイブスタッフは 人材派遣会社としては 中堅どころで→

それほど目立った実績も ないかわりに→

過去にトラブルを起こしたという 記録も 一切ありません。

優良企業って事か…。

なんたって ここ数年 警視庁OBを 毎年 何人も→

顧問として 受け入れてるんですから。

なるほど かつての上司や 先輩からの抗議となれば→

刑事部長や参事官が 唯々諾々と 従うしかなかったのも→

納得がいきますねぇ。

捜査に圧力をかけてきたって事は→

当然 探られたくない腹がある って事ですよね?

殺された天谷氏と ブレイブスタッフのつながりは?

それも 今のところ 全然。

ただ あの車両番号は 外務省の車でした。

えっ… 外事絡みって事? (咳払い)

そういうわけで→

捜査本部としては ブレイブスタッフとか→

山原京子なんて女の事は すっかり忘れて→

地取りや被害者周辺の聞き込みに 専念する事になりました。

いやぁ お二人のように 怖いもの知らずで→

正義感が強い方々なら→

捜査を続ける事が できるんでしょうけど… ね。

ね?

いいんすか? やけに たっぷり情報教えちゃって。

あんだけ教えてやれば 当然 動かざるをえねえだろ。

やばい捜査は 特命任せかよ。 黒いなぁ。

立ってるものは 特命でも使えだ。

(やよい)あっ すいません。

(やよい)前のタクシーを 追ってもらっていいですか。

お… お釣りいらないです。

えっ…?

(呼び出し音)

杉下さんですか?

今 レンブラントホテルの ロビーにいるんですけど。

おや どうしてまた そこに?

山原京子さんの部屋にいた 女の人を尾行してきたら→

たった今 チェックインして…。

そうでしたか。 僕たちも すぐそこに向かいます。

それまで いいですか 絶対に そこを動かないように。

はい わかりました。

山原京子という名前の社員は うちには…。

(やよい)きゃあ…!

あっ…!

彼女 やっぱり 罠に はめられたんでしょうか?

マンションを張り込んでいた やよいさんの事を→

201号室の女性が 岸内部長に伝えたのでしょうね。

そして ホテルまで誘い出し 岸内が自分を尾行させて→

別の人間に彼女を襲わせた。

しかし どうして 彼女をそこまで…。

大丈夫? はい。

はい。 あっ ありがとうございました。

お大事に。

すいません。 ご心配おかけして。

動かないようにって言ったのに 動いたんですね?

動きました。 すいません。

何があったのでしょう? 話していただけますか。

杉下さんの電話のあと→

ブレイブスタッフの岸内って人を ロビーで見かけて→

外に出て行こうとしたから 思わず…。

尾行しちゃったんだ?

歩道橋で 急に早足になって→

追いかけたら いきなり誰かが背中を…。

バッグを引っ張られて とっさにベルトを強く握ったら→

犯人の手が 私を突き飛ばす形になって…。

つまり 突き落とす事が 目的ではなかった。

座りましょう。

きっと… これを奪おうとしたんです。

えっ 携帯電話を?

山原京子さんが私に送ったメール もう一度 見てみたら→

ただの空メールじゃなくって…。

山原京子さんからのメールに→

この映像が 添付されていたんですね?

はい。

つながりましたね。 つながりました。

やよいさん 1つ お願いがあります。

(電話)

はい 岸内ですが。

(やよい)「先日 山原京子さんの件でお伺いした→

守村と申します」 何か?

(やよい)「山原京子さんと ようやく連絡が取れました」

「ご心配おかけした みたいでしたから→

一応 ご報告をと思いまして」

山原京子さんは こちらでしたか。

なんの事でしょうか?

山原さんから連絡があったと 聞けば→

当然 彼女のところへ 確認しに行くと思いましてね。

つけさせていただきました。

もう すべて わかっています。 これ以上 続けて→

彼女の身に もしもの事があれば 罪がさらに重くなりますよ。

岸内! …もういいわ。

神戸君。 はい。

な… なんです? 警察。

山原京子さんですね?

大丈夫…。 ケガはしてないみたいです。

さて どういう事か ご説明願えますか? 杉下警部殿。

どうぞ。

こちらの女性が→

レンブラントホテルでの 殺人事件の目撃者です。

えっ 目撃者?

何をご覧になったのか 話していただけますか?

あの日の夜 部屋の外の廊下から→

妙な物音が聞こえてきたんです。

やはり この映像を撮影したのは あなたですね?

おい こりゃ…。

(伊丹)この部屋が犯行現場ねぇ。

ええ。 天谷さんの死体が→

リネン室で あのような状態で 発見されたため→

誰もが 最初から あの場所が犯行現場だと→

思い込んでしまっていた ようです。

そういう事で よろしいですか?

一体 なんの事だか 私には…。

要するに 死体をリネン室まで運んで→

ごまかそうとしたって事ですか。 いや 正確に言えば→

被害者を殺した証拠を 消すためには→

リネン室に運ぶしかなかった って事ですよ。

証拠を消す? (米沢)出ました。

間違いありません。 血液です。

おそらく これが 本当の凶器だったのでしょうね。

(久永)ふざけるな! そんな真似させてたまるか!

(天谷楠雄)調子に乗んなよ! お前はな…!

(久永)離せ!

(頭を打つ音) あっ…!

(久永)おい! しっかりしろ… おい!

被害者の頭部には 彫像の形が→

くっきりと 残ってしまっていたのでしょう。

自分の部屋で死んだ事を なんとしても隠したいあなたは→

リネン室のアイロンを使い→

傷の形状が わからなくなるようにして→

その場に放置した。

1302号室から 撮られているとも知らずに…。

秘書の供述も取れました。

アリバイを偽証するように 言われたそうです。

足音や叫び声を聞いたってのも 嘘だったって事か。

だとして 動機はなんだ? (米沢)失礼します。

ベッドの脇の灰皿から 微量ながら→

コカインの成分が検出されました。 コカイン?

殺された天谷楠雄は 頻繁に 海外に出張してましたよね。

おそらく 自ら 治安の悪い地域に出向き→

麻薬を買い込み 国内に 持ち込んでいたのでしょう。

まさか 密輸の黒幕か? 久永 お前か!

違う! 私は ただの客だ!

なのに 天谷の奴 私の事をマスコミにバラすって→

金を要求してきて… だから…!

動機は 麻薬売買のトラブルかよ!

スパイも外務省も 全然関係なかったんだ。

詳しい話は 警視庁で聞かせてもらおうか。

行くぞ!

(やよい)でも どうして→

そのあと 京子さんが監禁されたり まるで存在しなかったように→

偽装されなきゃ いけなかったんですか?

ありがとうございます。 それは→

彼女が あの日 一緒にいた 相手のせいなんだ。

野党の有力議員?

かなりの大物です。 名前は勘弁してください。

つまり あなたが殺人事件を目撃した時→

その方も 同じ部屋に いらしたわけですね?

(荘司隆昭)なにやってるんだ?

大変です!

血だらけのシーツを引きずってて 男の人が…! 警察に電話…。

(荘司)おい… やめるんだ! そんな事をしたら→

私がここにいる事が バレてしまうだろ! 会期中だぞ。

だって 殺人だったら 警察呼ばないと!

ふざけるな!

自分の置かれた立場を わかっているのか!

いいか! お前1人を消すぐらい 簡単なんだ!

だけど… だけど 殺人なんですよ!

(荘司)うるさい!

(荘司)おい トラブルだ。 急いで迎えをよこせ。

それから ブレイブスタッフにも 連絡入れて→

女を黙らせるように伝えるんだ。

(京子の声)犯人がリネン室から 自分の部屋に戻るのを待って→

急いで あの部屋を出ようとしたら…。

5分後に 普段どおり チェックアウトをお願いします。

そのあと 私をどうする…。

そちらの会社の方に引き渡し→

対応を協議する事になるかと 思われます。

ねぇ さっきは ごめんなさい。 失礼な話よね。

私のほうから ぶつかったのに…。

つまり あなたは その場から逃げ出すために→

守村やよいさんを 利用したわけですね?

そう。 誰でも よかったんだけど…。

たまたま ラウンジで ぶつかってたし→

人のよさそうな顔してたから。

もっとも マンションに帰ったら→

会社の連中に 先回りされてたんだから→

結局 意味なかったけど。

(やよい)つまり 山原京子さんは あの夜 あのホテルで→

売春していたんですか…?

正確には ブレイブスタッフの 橋場常務と岸内部長が→

首謀者だったようです。

要するに 何か? 通常の派遣業務の裏で→

娼婦の派遣まで 行ってたわけか。

ただの娼婦じゃありません。

高級娼婦です。 秘密保持は完璧でしたし→

ゲストも 政治家や霞が関の官僚 有名企業の役員といった→

VIPに限定していました。

わざわざ 販売促進課なんて 架空の部署でっちあげて→

社員証まで作ってたのは なんでだ?

うちの売りは 知性と品のある ごく普通のレディーたちなんです。

そういう子をそろえるためには→

表向き 社員というアリバイが 当然必要でしたから。

(電話)

(社員)はい ブレイブスタッフ 販売促進課です。

実家の家族や友人から 急な連絡が来た時のために→

電話対応する社員も ちゃんと用意していました。

高級だろうがなんだろうが お前 売春は売春だよ!

罪は重いよ。

やよいさん。

あなたを歩道橋で襲ったのも やはり 岸内部長の部下でした。

山原京子から奪った携帯を 調べてるうちに→

君宛てのメールに添付された 動画を見つけて→

それを君から奪おうとした。

彼女にも危害を加えるつもりは なかったようです。

彼らが最も恐れていたのは 彼女が事件の目撃者として→

警察から 事情を 聞かれる事だったのですから。

逆に言えば 事件が解決してしまえば→

彼女の目撃証言も必要なくなる。

だから 事件が解決するまで 彼女を監禁しておけばいい…。

そういう腹積もりだった みたいだよ。

山原京子さんは 罪に問われるんでしょうか?

まあ 無罪放免 ってわけにいかないよね。

私は 真実が 知りたかっただけなんです。

でも そのせいで→

彼女がしていた事が 明らかになってしまったんです。

売春は まごうかたなき犯罪です。

決して隠しておくべきものでは ありません。

それに 君は ただ利用されたんだ。

そのせいで 危ない目にも遭った。

だから 君が気に病む事はないよ。

それどころか 僕たちは お礼を言わなければなりません。

やよいさん あなたがいなければ→

事件は 解決できなかったのですから。

あの… 山原京子さんに…→

お会いする事はできませんか?

(ノック)

なんか用?

助かって 本当によかったです。

怖かったよね…。

ごめんね。

もう ここで大丈夫です。

そうですか? また何かあったら→

顔を見せに来てくださいね。

今回みたいな事は ないに越した事はないけどね。

はい。 ありがとうございました。

じゃあ。 では。

隠された真実があるのなら それを明らかにしたい…。

彼女は 君に そう言ったそうですね。

ええ。 おかげで いろいろ 無茶してくれましたけど。

ですが 彼女を突き動かしたのは それだけではなかったように→

僕には思えてなりません。 ん… というと?

彼女には 聞こえていたのでしょう。

山原京子という1人の女性が→

心の底から 助けを求めていた声が。

だから 自分の危険も顧みず 彼女を見つけようとした。

ええ。

彼女は いいジャーナリストに なると思いますよ。

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