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♪♪~
≪♪♪~『ジングルベル』
(警察官)はあ…?
♪♪~『ジングルベル』
(銃声) うわっ!
♪♪~『ジングルベル』
♪♪~
(神戸 尊)なんで 僕たちが→
警視庁中の正月飾りを やらなきゃいけないんですかね。
いきなり 呼び出されたと思ったら…。
(内村完爾)この重要な仕事を→
特別に お前たち 特命係に任せてやろう。
(中園照生)ありがたく 仰せつかれ。
捜査一課も組対五課も→
クリスマスの警察官射殺事件を 追ってるんですよ。
角田課長の話だと 殺された警察官は→
一発で脳幹を撃ち抜かれていて→
犯人は銃の扱いに 相当慣れてるみたいですよ。
(杉下右京)干し柿。
犯人は一体 どんな人物なんですかね。
君 口よりも手を動かしては いかがでしょうねぇ。
あ 御幣が少し ずれてますね。
じゃ こっちも 下げときましょう。
あっ。 あ…。
君… 黙って見ててください。
今年に限って なんでこんなに 正月飾りが豪華なんだか。
神戸くん。 はい?
あ…。 フフフ…。
おや?
「今日中に この証拠品を 持ち主に返しに行き→
防犯相談に乗るように」 との事です。
続々ときますね 雑用が。 もはや清々しい。
2011年は 君の愚痴を聞きながら 終わっていくのでしょうかねぇ。
すいませんね 愚痴が多くて。
道々 愚痴を聞かさないように 先に行ってますね。
僕も のちほど伺いますね。 防犯相談がありますから。
♪♪~
では。 では。
(アナウンス) 「本日はオペラハウスに→
ご来場頂きまして 誠にありがとうございます」
「オペラ『道化師』の開演は 18時からとなっております」
「開演10分前には お座席のほうに…」
先生! 今日 どこ行くの?
(高野恭子)今日はね アイスショーを見に行くの。
(子供たちの歓声)
♪♪~
(速水智也)スタンバイ完了。
(吉田 猛)了解。
リーダー。 ピエロ スタンバイ完了です。
♪♪~
(加奈の母)待ち合わせ どこだろうね?
あっ いたいた!
2時間 お利口にしてるのよ。 (島村加奈)うん。
こんばんは。 今日も よろしくお願いします。
(恭子)はい。 加奈ちゃんは キッズクラブが→
責任を持って お預かりします。
どうぞ ごゆっくり オペラをご堪能ください。
加奈ちゃん。 今日はね アイスショーに行くのよ。
(加奈の父)じゃ いい子にしてるんだよ。
お願いします。 じゃあね 加奈。
アイスショーだよ。 楽しみねー!
(男の子)あっ ピエロだ!
(子供たち)わー! ピエロ!!
(子供たちの歓声)
(加奈)先生。 あのピエロさん キッズクラブの人ですか?
いいえ。 今夜は 『道化師』っていうオペラだから→
このオペラハウスの人が 呼んだんでしょう。
ふ~ん…。
(山辺辰夫)それじゃ いってきます。
(保育士たち)はーい。 いってらっしゃい。
(清水由紀)山辺さん。 帽子帽子。
おっとっと。 はいはい ありがとう。
いってらっしゃい。 気をつけてね。 (山辺)はい 行ってくるよー。
は?
うっ! うっ! ああ…。
(平野秋穂)ありがとう。
(平野亮太)大丈夫? 苦しくない?
全然 平気。 それより 亮ちゃん。
今夜は夜間清掃の バイトが入ってるんでしょ?
まだ行かなくていいの?
うーん…。 予定日 明日だし 休もうかなって思って。
何 言ってるの。
一度やりますって 引き受けたんだから→
ちゃんと行かなきゃ。 そうだけど…。
俺 いたほうがよくない?
私なら大丈夫。
ほら。 今日はどこの清掃?
うん…。 いろいろ回るんだと思う。 オペラハウスの前に→
マイクロバスが 迎えに来てくれる事になってる。
そう。 じゃあ 気をつけてね。
うん。 それじゃあ 明日の朝 また来るから。
このバスか。
おはようございまーす。
(メールの着信音)
あ バスが来た。 行こっか。
さあ みんな 行きましょう!
(子供たち)えー! まだ もうちょっと見たい!
えー アイスショーも おもしろいよー。
やだ もうちょっと見たい!
もうちょっと見たい? でもね バス来ちゃったよ。
♪♪~
(恭子)さあ みんな ピエロさんについてって。
(子供たち)わー! ピエロさん待って!
(橋本孝雄)あの…。 その風呂敷包み→
うちから盗まれたものでは ありませんか?
(恭子)さあ みんな乗ろう。
(恭子)はーい ゆっくりね。 ゆっくり。 気をつけて。
(恭子)はい ちゃんと乗ってねー。
はい みんな座ってー。
先生…。
どなたですか!?
(恭子)山辺さん? (速水)静かに。
(速水)座っててください。
失礼。
おっと! 何 持ってんのかな?
(平野)助けて! (吉田)動くな!
♪♪~
(草壁彰浩)おい 出せ。 (速水)はい。
出せ! (山辺)は… はい…。
♪♪~
悪いが 一緒に来てもらいましょう。
(草壁)名前は?
神戸尊です…。
(草壁)失礼。
(吉田)おい お前ら 今から携帯出せ。
(吉田)携帯を 袋の中に入れろ。
…神戸さんは なぜ このバスに?
ロビーのソファのところに このコサージュが落ちていたので→
子供たちが 誰か 落としたんじゃないかって。
…うちの受付で 預かっておけばよかったですね。
劇場の方ですか。
…はい。
仕事熱心が 裏目に出ましたね。
誰か コサージュを 落とした人はいますか?
…はい。
…ありがとう。
…うん。
お前らも携帯出せ。
入れろ。
♪♪~
ウサギは次で スタンバってます。
余計な事を言うな!
…すみません。
♪♪~
♪♪~
神戸くんが戻ってこない? ええ。
私に この盗難品の受領書を渡して サインするように言ったあと→
ちょっと失礼と言って どこかへ行ったきり→
戻ってこないんですよ。
ちょっと失礼。
(電話の呼び出し音)
(アナウンス)「留守番電話サービスに 接続します」
「合図の音がしましたら 伝言をどうぞ」
すみませんが 警備室はどちらでしょう?
どうぞ。
♪♪~
少し前に映っていたピエロは→
こちらの オペラハウスの方ですか?
いや… あれは キッズクラブのほうで→
頼んだんでしょう。 クリスマスの時も→
サンタクロースを 連れてきてましたから。
キッズクラブというのは?
うちの劇場と契約している チャイルドケアセンターです。
親御さんが オペラを楽しんでいる間→
お子さんを 預かってくれるんです。
…そういえば この刑事さんにも→
あのピエロの事を 聞かれましたね。
♪♪~
♪♪~
♪♪~
ねえ 内ポケットの ペンを取ってくれるかな?
何するの?
なんとかして この状況を 外に知らせないとね。
♪♪~
サンキュー。
《人質 子供7名 女性教師 若い男 神戸》
《銃は3丁。 犯人グループは3人。 いや…》
ウサギは次で スタンバってます。
《もう一人いる。 犯人グループは 少なくとも4人》
《そのうち一人は 左利きの男》
(パトカーのサイレン)
(子供たちの悲鳴)
(警察官)「前の青いマイクロバス 左に寄せて止まりなさい」
ハザードランプか…。
(吉田)おい! こいつ ふざけやがって!
よせ。 後ろを頼む。 (速水)はい。
室内灯を消してください。 (吉田)消せよ!
(パトカーのサイレン)
♪♪~
ご苦労さまです。 何か?
ハザードランプが つきっぱなしですよ。
(草壁)すいません。 気がつきませんでした。
気をつけてくださいね。 どうも。
(警察官)ちょっといいですか?
どうして カーテン 閉めきってるんです?
今日は 一日遊園地で みんな 疲れて眠いと言うので。
そうですか。 それじゃ。
♪♪~
(由紀)そうですか どうも…。
やはり アイスショーのほうへは…。
ええ。 着いてないそうです。 一体 どうしたんでしょう?
高野所長の携帯も→
運転手の山辺さんの携帯も 繋がらないし→
子供たちの携帯にも 繋がらないんです!
♪♪~
♪♪~
(ボタンを押す音)
(伊丹憲一)なんですって…?
じゃあ そのピエロを含む何者かが 送迎バスを奪って→
子供たちを 誘拐したって事ですか!?
ええ。 その可能性が 極めて高いかと。
降りろ。
(夏目陽一) おら こっちのバス乗れ!
ほら 急げ!
(夏目)とっとと座れよ!
(吉田)早くしろ!
ドライバーの始末は 山田が。
た… 助けてくれ! 助けてくれ!
なんでも言う事 聞きますから…!
おら 行くんだよ!
(中園)連れ去られた子供は7名。
引率の高野恭子さんも 一緒と思われる。
キッズクラブの駐車場には 運転手の山辺辰夫さんの血痕と→
犯人のものとおぼしき 複数のゲソ痕が残されており→
また 当該のマイクロバスは 目黒三丁目付近で→
交通指導のため 一度 パトカーに止められてる。
その際 対応に出たのは 黒っぽい上下を着た→
40代 短髪の男。
誘拐された7名の 子供たちの家庭は→
いずれも かなりの資産家であり→
身代金目的の 略取誘拐の可能性も考えられる。
(中園)それから これはまだ 確認は取れていないが→
当該のマイクロバスに→
特命係の神戸尊が 乗っている可能性がある。
(捜査員たちのざわめき)
犯罪が阻止出来なかったとなれば 警察の恥さらしだ!
絶対に口外するな!
一刻も早く 人質を無事救出しろ。 以上。
(一同)はい!
(芹沢慶二)ピエロは楽屋口からも 搬入口からも→
侵入した可能性ないですね。
警備員が出入りしてる人間の IDを全部確認してます。
じゃあ ピエロは 一体 どこから現れたんだ?
(三浦信輔)あ…!
警部殿 何やってるんですか?
裏から入っていないのであれば→
ピエロは観客として チケットを使って入った。
そう考えるのが自然です。 だとすれば半券に→
指紋が残っているかも しれませんからねぇ。
なるほど! (伊丹)支配人 今夜の観客数は?
はい。 今夜は1214席 全てのチケットが完売でした。
うち空席… つまり 何らかの都合で→
お客様が来られなかった席が 14席でした。
って事は 1200枚の半券の指紋を 採取するわけですか!?
これは えらい時間かかるぞ。
どなたか 空席だった座席の番号を→
覚えてる方 いらっしゃいませんか?
それでしたら 私ども案内係は 全員 記憶しております。
遅れていらしたお客様を→
迅速に ご案内しなければ なりませんから。
それが 何か 役に立つんですか?
恐らくピエロはチケットを使って 劇場に入りました。
しかし オペラは見ていない。
つまり 空席だった14の 座席の中に1枚だけ→
半券が残っているものが あるはずです。
それが ピエロが使った半券とみて 間違いないでしょう。
さすが! その1枚見つけ出して そいつの指紋取りゃいいんだ。
警部殿。 もう ここは 結構ですから。
あとは我々がやります。
そうですか? では あとはお任せして→
僕は 次へ行きます。 (芹沢)ちょっ えっ 次?
(米沢 守)この辺にマイクロバスが 止まるとなるとですね…。
あそこに 防犯カメラがありますね。
ああ あの防犯カメラに→
マイクロバスは 映ってませんでした。
ええ。 つまり 防犯カメラの死角は→
こちら側になりますね。
♪♪~
米沢さん。 (米沢)はい。
これは なんでしょう? ボタンですね…。
ボタンですね。
(速水)みんな 降りろ。
(夏目)おい 並べ! おら。
(速水)入れ。
早くしろ!
おい!
♪♪~
彼らに食事を。
あっ! …どうも。
あいて…!
あの… 俺 多分 間違えて→
連れてこられちゃったと 思うんですけど→
帰っちゃダメですかね?
いや… 子供生まれるんです! 予定日 明日なんですよ!
それは おめでたいが あいにく 帰すわけにはいかない。
今夜は おとなしく ここで休んでください。
何もしなければ 危害は加えません。
(扉の閉まる音)
(女の子)先生~! (恭子)大丈夫だから。 ね?
(女の子)先生 怖いよ! (恭子)大丈夫 大丈夫。
(子供たちの泣き声)
さっきは ありがとうね。
これ コサージュじゃなくて お正月飾りですよね?
バレたらどうなるか ドキドキしました。
名前 教えてくれる?
島村加奈です。
加奈ちゃん。 加奈ちゃんが勇敢で助かったよ。
大丈夫。
よし みんな 大丈夫だからね。
♪♪~
まあ 予想はしてたから。
♪♪~
(電源を入れる音)
よし ついた。
さあ こっち 暖かいからね 入ろうか。
(恭子)中 入ろうね じゃあ。
そうだ…。
神戸さんって 刑事さんなんですよね?
刑事さん?
しーっ! あそこ 監視カメラ。
大丈夫。 あの手のカメラはね 音声入らないんだ。
そうですか。
ところで 君は?
俺 平野亮太。
亮太くんは なんでまた あのバスに?
俺 深夜清掃のバイトで→
青いマイクロバス 探してたんですよ。 そしたら…。
おはようございます。 おはようございます。
あれ このバス…。
すいません。
つまり 自分でバスを間違えて 拉致されたってわけだ。
あいつら 一体 何考えてんだよ!
っていうか ここ どこなんですかね?
山の中って事は確かだけど→
蒲田のガレージで乗り換えてから 随分 走ったからね。
え… なんで 蒲田で 乗り換えたってわかるんですか?
まあ あのガレージでね…。
あの手の新聞の折込チラシは→
その店の周辺にしか 配られないから。
すげえ… さすが刑事さん。
いやいや…。
とにかく 状況が見えるまで 彼らに逆らわないほうがいい。
子供たちを危険にさらす事に なりかねないからね。
♪♪~
(芹沢)あった…。 ありました!
何番ですか?
2階席 4列 3番!
♪♪~
(米沢)ヒットしました。
(伊丹)こいつ…。
草壁彰浩…。
(銃声) うわっ!
ああっ!
神戸くんが戻ってこない? (橋本)ええ。
なんですって…? そのピエロを含む何者かが→
送迎バスを奪って 子供たちを 誘拐したって事ですか!?
ええ。 その可能性が 極めて高いかと。
(原子嘉和)この年の瀬に→
警察庁から わざわざお出まし頂かなくとも→
本事案は 我々だけで十分に 対処出来ると思いますがね。
ここはひとつ お引き取りになって→
そば打ちの準備でもされては いかがですか?
(三奈瀬恭介) これは単なる誘拐ではなく→
れっきとしたテロ事件です。
(大友重雄)草壁彰浩は→
テロを企てかねない 思想の持ち主として→
我々 警察庁警備局が 一貫してマークしてきた人物です。
草壁は 防大出のエリートで→
将来は 自衛隊の幹部候補と 目されていました。
だが 軍のあり方をめぐって 上官と衝突して除隊。
単独で渡航して フランスの外人部隊に所属。
その後 義勇軍の兵士として 各地を転戦しました。
(三奈瀬)5年前に帰国。
期間工の職を転々としたのち→
半年前に行方をくらましています。
いや しかし おかしいですな。
今の話のとおりなら 帰国後 草壁は孤立している。
そもそも 事を起こすための仲間など→
いないはずですがね…。 今の日本には→
草壁の手足となる人間は いくらもいます。
自らが社会から 不当な扱いを受けていると→
思い込んでいる人間。
孤立し 社会に 憎悪を抱いている人間がね。
(三奈瀬)今や 米国でも テロリストの4割は自国民。
彼らの一部は アクティブシューターと呼ばれ→
世間を騒がせるだけ騒がせて 自爆する。
自爆!?
まあ そういうわけですから この件は 今後 テロ事件として→
我々 警察庁警備局が→
警視庁の捜査を監督指導する という事になります。
草壁のような男が 主犯となると→
神戸くんが警察官だと知れたら 間違いなく命はないでしょうね。
警部 先ほどのボタンから→
犯歴のある指紋が 出たんですけども…。
こちらです。
「速水智也 27歳」
「左利き」
「酔っ払いと喧嘩になり 傷害の容疑で逮捕」
「起訴猶予処分」
3年前ですね。
この男 今回のテロ事件に 関係あるんですかね?
どんな小さな手がかりでも 徹底的に追いますよ。
(斉藤ミツ)どうぞ こちらですよ。
夜分にお手数かけて すみませんね。
いいえ。 おいの智也の部屋に→
帰りの夜行列車の切符を 置き忘れてしまいまして。
智也は 朝まで ライブとかいうのに出かけて→
携帯にかけても 繋がりませんし→
大晦日の朝までには どうしても故郷に戻りませんと→
餅をつかねば ならないものですからねぇ。
そう。 餅つきは 一年の節目ですものね。
そういう事ですね。 はい どうぞ 鍵。
どうも。 のちほど お返しにあがりますので。
どうぞ ごゆっくり。
♪♪~
♪♪~
「ニセモノの青空と白い雲」…。
青空も雲もありませんねぇ。
♪♪~
♪♪~
(カメラのシャッター音)
あとお願いね。 はい。
はぁ… はぁ…。
どうしました?
ちょっと心臓が…。
先生 大丈夫?
はぁ… はぁ… はぁ…。
お水 もらってきます。 ああ… お願いします。
(ノック)
失礼します。
あの… お水を頂きたいと 思いまして。
あ… 高野先生が 心臓に持病があって→
薬を飲みたいという事なので…。
クーラーからペットボトルを。
ああ どうも。
神戸さん。 はい。
あなたは拳銃を怖がらなかった。
何 持ってるのかな?
普通の人間には…。
なかなか出来る事じゃない。
あ…。
あの… オペラハウスのほうから→
テロ対策セミナーに 行かされた事がありまして…。
神戸さん あなたは この国を どう思いますか?
え…?
この国は 一度も責任を取った事がない。
戦前 戦中 戦後 現在に至るまで→
この国は一度も国民を 真剣に守ろうとした事がない。
事が起きてから出ないと 何ひとつ考えない。
神戸さん 我々は→
この国の未来を守ろうと 考えているんです。
大変ですね。
ありがとうございました。
ああっ!
すいません。 どうも…。
あ… 子供たちは 寝ているので→
明かりを消しても よろしいでしょうか?
いいでしょう。
早く行けよ!
はい。 ありがとうございます。
これで 少し休めば 楽になると思います。
消さないで!
どうしたの?
なんでも…。
加奈ちゃん?
私 暗闇が怖いの。 怖くてダメなんです。
何かあったんだね?
3年生の時…→
学校に迷い込んだ子猫を 男の子たちがいじめてて…。
それで?
そしたら 放課後 男の子たちが呼びに来て…。
さっきの子猫が 体育館に迷い込んで→
用具のすき間に挟まって 出られないみたいって…。
私 助けてあげなきゃって 思って…。
体育館に行ったんだ?
うん。
でも 子猫はいなくて…→
私 閉じ込められたの。
(加奈の母)早く! 早く開けてください!
加奈が! 加奈がいるはずなんです!
早く開けてください!
(加奈の母)加奈! (加奈の父)加奈!
あれから ずっと暗闇が怖くて…。
今も 明かりを消して眠れない。
私 本当は弱虫なの。
そうじゃない。
加奈ちゃんは勇敢だよ。
たった一人で 子猫を守ろうとしたんだから。
ほら。 これ 見て。
これはね チェスの駒で ルークっていうんだ。
ルーク? うん。
このルークは 君と同じで勇敢で→
一人でキングを やっつける事も出来る。
しかも このルークはね→
暗くなると光るんだよ。
はい。
明かりを消しても→
ルークと僕が 君が眠るまで見てるから。 ねえ。
(大河内春樹)これが 草壁彰浩の調査資料です。
ありがとうございます。 早速 拝見します。
(角田六郎)いやぁ… さすがに→
天下の警察庁が調べただけあって すごい量だね。
その速水という男と 草壁の接点が→
見つかればよいのですが。 では…。
では…。
あの… お手伝いしても よろしいでしょうか?
ああ…。 ぜひ 手が多いと はかどります。
そうですよね。 さあ 角田課長も どうぞ ご一緒に。
あ? 俺も!? すみませんねぇ。
草壁さん その銃→
最近 使ったんじゃ ありませんか?
どうして そう思う?
クリスマスの警察官射殺事件…。
(銃声) うわっ!
そうだ。
私がやった。
怖くなったか?
いいえ。
全ては この国の未来のためです。
この国の国民は 火を放たれた家の中で→
何も知らずに眠っている 子供のようなものだ。
手遅れになる前に この子供を揺り起こし→
自らが いかに無防備で 危険な状態にあるかを→
知らせなければならない。
そのために 我々は 明日 声明を発表するんだ。
ええ。
それが我々の使命ですから。
そして…→
使命を果たしたのちは…→
潔く自決する。
全ては→
明日だ。
ん…。
神戸さん! 監視カメラに映っちゃうよ!
大丈夫。
そんなヘマしないよ。
(平野)なるほど…。
♪♪~
何やってんすか?
(平野)おっ!
風だ。
よし。
そっと そっと。
よっ…!
よし。 (平野)はい。
♪♪~
気をつけて。 はい。
どこかに通風孔があるはずだよ。
風 あっちから来てるみたい。
♪♪~
おっ…。
こっちだ。 はい。
♪♪~
鉄格子か…。
うっ! くっ! うっ! ダメだ 全然動かない。
ここは 建物の裏手らしいな。
神戸さん ここ 見て。
腐食が進んでる。
なんか これを外せる道具があれば…。
ほら 神戸さんも探して。
なんだか いきなりポジティブだね。
加奈ちゃんって言ったっけ。
あんな小さい女の子が 頑張ってるんだって思ったら→
俺なんか 倍は頑張んなきゃって思って…。
年だけ 考えてもね。
亮太くんは いくつになるんだ?
この10月で二十歳になった。
二十歳の父親か。
なんか まだ 実感わかないんだけどさ→
ちゃんとした家族っていうの? 俺 初めてだし。
えっ 両親は?
俺が生まれて すぐ飛行機事故で死んだ。
だから 俺 じいちゃんに 育てられたんだ。
昭和一桁で すごい頑固でね。
彼女が妊娠したって話した時も→
学生の分際で何事か! って怒り狂って…。
親になる人間を 援助するいわれはない! って。
つまり ひと言で言うと 勘当されたんだな。
まあ そうとも言う。
♪♪~
やぁ…。
ごめん ごめん ごめん ごめん ごめん。
本当にごめん!
いや ちょっとさ 仕事で 行けそうもないんだよね うん。
いや 来年はね 来年は 必ず一緒に…。
もしもし?
うぅ…。 おい。 朝から 何へこんでんだよ?
ああ あはっ…。
彼女と約束してたんですよ。
大晦日は 必ず一緒に カウントダウンしようって。
そうか そりゃついてなかったな お前。
まあ 仕方ないっすね。
とにかく今は 一秒でも早く→
子供たちをテログループの手から 取り戻す事を考えないと…。
きっと すげえ怖い思い してるんでしょうからね。
おい。 腹に入れとけ。 長い一日になるぜ。
ああ すいません。 おお サンキュー。
(小松真琴)課長! 課長!
こんなところで 寝てたんっすか?
あれ? 俺… なんでここにいるんだ?
(大木長十郎)いや… 俺らに聞かれても…。
角田課長は 草壁の資料を調べるのを→
手伝うはずだったんです。
あっ 今の遠回しな嫌味で 全て思い出した。
俺だってね コーヒーが なくなるまではやってたんだよ。
で 例の速水って男と草壁の なんか接点出た?
草壁は 今年3月から4月にかけて→
建設工事現場で働いていました。
その場所がここ。
一方 速水は 屋台のコーヒー店に 勤めていたのですが→
その場所が ここ。
歩いて2~3分って とこですね。
工事をしていた 1か月の間に→
草壁と速水が顔見知りになった 可能性も考えられますね。
ああ そりゃ ありうるね。
もう一つ。
速水智也には 気になる事があります。
何よ? 彼の部屋に行った時→
手帳を見たのですが…。 勝手に上がり込んで→
手帳まで見たんですか!? 処分はのちほど承ります。
まあまあ…。 それで?
彼の手帳の後ろのメモ欄に…。
…と 書かれていました。
んー… このNCとか メガDっつうのは→
なんだか よくわかんないけどさ。
とりあえず 自分の予定なんじゃないの?
自分の予定ならば 通常 日付のあるスケジュール欄に→
書き込むんじゃありませんかねぇ。 確かにそうですね。
恐らく 速水は 誰かの行動を 調べていたのではないでしょうか。
誰かって誰よ?
ええ…。
誰でしょうねぇ…。
♪♪~
あ… おはようございます。
♪♪~
異常ありません。
そうか。
いよいよだな。
声明文を流せ。
了解。
えっ!? 回してください!
犯人からだぞ!
(捜査員たちのどよめき)
(継ぎ接ぎの音声)「我々が 7人の 子供たちを 預かった」
「子供たちの 命と 引き換えに→
我々は 日本政府に 5名の 政治犯の 釈放と→
20億の金を 要求する」
「本日 22時 までに 東京シティヘリポートに→
ヘリコプターを 準備し→
5名と 20億と パイロットを乗せて 待て」
「5名は 大野博人 鳥飼明…」
どういう事だ!?
20億の金とか… ヘリポートとか!
一体 なんの話 あっ…!
うっ…!
ううっ…!
♪♪~
(吉田)警察は もうあんたの身元を 割り出してる。
うぅ…。
チケットの半券に 指紋を残しといたんだね。
残念ながら あんたの目的と 俺たちの目的は→
ちょっとばかし違ったんだ。
それで あんたの計画を 変更させてもらった。
あなたの声明文は ここにあります。
(草壁の声)今 この国は 新たな脅威に囲まれ→
かつてない危機を迎えている。
台頭著しい 東亜の大国の軍備拡張は→
周辺諸国の軍備増強を誘発し→
いまや アジアには無数の火種が 偏在している。
このような緊張の高まる中→
我が国は 長期的な防衛戦略を保持せず→
次期主力戦闘機の機種選定すら 先行き不透明である。
今 我々の手には→
7人の子供の命がある。
彼らの命を案じる人々よ。
どうか等しく 彼らの未来を案じてほしい。
この緑と水の美しい国土に 生まれた子供たちの未来が→
穏やかで健やかであるように。
この声明文を 全国民に向けて発表せよ。
それが確認されたのち 人質は 解放する。
草壁さん こんな声明文 発表しても→
なんにも変わりませんよ。
ちょっとの間 にぎわって→
すぐに元に戻るだけです。
俺たちが何をしたって この世界は変わらないんですよ。
あなただって 本当はわかってたでしょう?
そうかもな…。
お前の…→
望みは な…。
あんた…→
生まれてくるのが遅かったよ。
草壁さん…。
おっ!?
(リポーター)「2012年になりますね」 (女性)「すごくいい天気です」
下がれ! おらっ! 下がれよ。
(速水)テレビを見るな。 テレビに背中向けて並べ。
さっさと動け!
(子供たちの泣き声)
おら 並ばせろよ! おらっ! ちょっと待ってよ。
なんのために そんな事…。
ちょうどよかった。
(速水)あんたにはあっちの部屋で 新しいルールを覚えてもらう。
ちょっと…。 いいから 来いよ!
乱暴はよしましょうよ。 あっ!
さっさと テレビの前に並ぶんだよ!
(吉田)おらっ! 並べ! (恭子)いつもみたいに並んで。
(子供たちの泣き声)
(吉田)おらっ!
あ… いてぇ…。
(速水)神戸さん。 はい。
パンを食べるように 子供たちに言ってもらえるかな。
はい…。
ほら みんな 朝は一日の始まりだから→
しっかり食べて 元気出そう。 ねえ。
お願いします。 すいません はい。
はい みんな 食べようね。 ほら。
(恭子)はい 美味しそうだよ。 カレーパン。
いただきます。 ほら 加奈ちゃんも座って。
ねえ 食べようね。
いただきます。 (恭子)いただきます。
(大友) どうなってるんだ!? これは。
(捜査員)動画は ネットカフェから アップされています。
失礼。 ちょっと失礼。
子供たちの後ろの テレビ画面を見てください。
犯人は 生番組を選んでいます。
つまり これは 人質が→
今日の朝まで 生きている事の証明です。
(伊丹)クソッ ふざけやがって…。
(捜査員)動画のアクセス数 2万件を超えました。
動画のコピーも広がっています。
(アナウンサー)「現在 犯人グループの リーダーと見られているのは→
草壁彰浩容疑者 42歳です」
「草壁容疑者は 防衛大学校を卒業後…」
(朝比奈源一郎) うむ。 正月三が日の警備は→
これでいいだろう。
(電話)
朝比奈だ。 (女性)「会長 警備局の→
三奈瀬公安課長補佐から お電話です」
繋いでくれ。
「三奈瀬です。 朝比奈会長 早速ですが→
ニュースは ご覧になりましたか?」
(アナウンサー)「動画の内容によると 身代金として→
20億円の現金 指定する受刑者5名の釈放→
および ヘリコプターを 今日午後10時までに→
江東区の東京シティヘリポートに 用意するよう→
警察に要求しています」
テロリストグループが 指定してきた→
東京シティヘリポートは そちらの朝比奈警備保障が→
警備を請け負ってますね?
「今後 我々の捜査に 全面的に協力願いたい」
承知しました。 では。
(馬場宗助)よりによって うちが 警備しているヘリポートとは…。
会議室に 緊急対策本部を設置してくれ。
はい。
(アナウンサー)「子供たちが 連れ去られたとみられる→
オペラハウスは 犯行時 およそ1000人の人々が→
オペラの公演に 訪れておりましたが→
犯行の有力な目撃情報は…」
オペラハウスの前に マイクロバスが→
迎えに来てくれる事になってる。
(アナウンサー) 「乗っとられたマイクロバスは…」
検温の時間です。
はい。 平熱ね。
あっ そういえば 今日は 旦那様 まだ来てないのね?
(看護師) 毎朝来るのに 珍しいわね。
わかりました。 では…。
(三奈瀬)官邸からですか?
20億は準備するとの事だ。 要求を拒否した場合→
この手のテログループは 間違いなく人質を殺す。
しかし 奴らは ヘリで 一体どこへ 向かうつもりなんでしょう?
神戸くんが 何かをしゃべっていますねぇ。
(米沢)ええ…。
米沢さん 巻き戻してもらえますか?
わかりました。 神戸くんの口元を→
拡大してください。 はい。
最初は…→
「よく聞いて」ですね。
そのあと 同じフレーズを 繰り返しているようですね。
えっと…。
(米沢)あまた…。
たばた…。 いや… もう1回戻します。
(米沢)かまた…。 蒲田!
マイクロバスが パトーカーに 止められた場所のすぐ先が→
蒲田です。
(米沢)蒲田の…。
ガレージで…。
(大河内)乗り換えた。
もう1回戻します。
(3人)蒲田の ガレージで→
乗り換えた。
いいえ 蒲田に人員を裂く余裕は ありません。
東京シティヘリポートで テログループを一網打尽!
しかし 危険を承知で→
乗り換え場所を 知らせてくるからには→
彼は 必ず 何か手がかりを 残しているはずです。
事は一刻を争います。
人員を回して頂きたい!
では 2時間で 切り上げてください。
部長。
蒲田一帯のガレージを 徹底的に当たれ!
(一同)はい!
神戸さん あんた なんかしゃべってんね?
え… なんの事でしょう?
(扉の閉まる音)
手錠 はめろ。
お前 何を企んでるんだ?
いや… ご… 誤解です。 僕は何も…。
(吉田)「俺んち蒲田だけど いきなりオマワリが来て→
ガレージ見せてくれって。 なんか事件か?」
(夏目)「蒲田で事件発生? 面パトみたいなのが停まってる」
って なんでバス乗り換えた場所 バレてんの?
多分 バスに なんか情報残したんだろう。
おい。
余計な事してくれるよな。
おまわりさん。
最近は 赤の他人が色んな事 教えてくれるんだよ。
これ 読んで。 書き込み。
読んで。
「人質と一緒に映ってたの→
警視庁の刑事さんだ」
怖いよね。
善意って。
犯人 見るかもしれないのに。
バレたなら仕方ないね。
君たちの狙いは20億。 政治犯の解放要求は→
テロリストと 見せかけるためのブラフ だよね?
この計画は君が立てた。 さしずめ 君が10億。
そして 残りを あの2人で 5億ずつ ってとこかな?
勘がいいね。
よかったらさ 10億なんて法外な金→
何に使うのか 教えてもらえる?
買い物。 買い物?
もう一つ 教えてやるよ。
ママね 迎えに来て…。
≫(銃声) (子供たちの泣き声)
(銃声)
犯罪者は 何をするかわからない。
♪♪~
♪♪~
♪♪~
廃工場のようですね。
(3人)あっ!
(三浦)あったぞ これだ!
三浦さん。 はい。
警部殿!
伊丹です。 ガレージ前に不審な男。
職質を許可してください。
職質は 許可出来ません。 なんでです?
完黙されれば終わりです。 この手のテログループは→
一網打尽にするというのが 我々の方針です。
しかしですね…。
(芹沢)おい!
(芹沢)おい! (銃声)
三浦さん! 警部殿!
(吉田)急げ! (伊丹)芹沢! しっかりしろ!
クソーッ!
芹沢が撃たれた! 犯人は車で逃走!
白いセダン 大田区役所方面!
芹沢ー! 芹沢ー!!
(三浦)どうした!?
芹沢が撃たれた! えっ!?
芹沢! おい 大丈夫!? どうしたんだよ!?
どうしたんだよ!? おい! 犯人は車で逃走!
救急車! 救急車 お願いします!
おい 芹沢! 芹沢!
(伊丹)しっかりしろ! 大丈夫か?
おい しっかりしろ 大丈夫 大丈夫。
頑張れよ!
伊丹巡査部長→
君には この捜査から 外れてもらいます。
待ってください。
不審人物を発見したら 尾行するのは当然です。
あの時点では 相手が銃を持ってるとは→
誰もわからなかったんです…。 発砲した犯人には逃げられ→
乗り捨てられた車だけが 見つかった。
これは 君たち捜査員全体の→
士気の低さが招いた結果とも 言えますね。
我々の捜査方針に 従わないからだ!
いや しかし…。
あんたまで このヤマ外されたら→
誰が芹沢撃った奴を 捕まえるんだ!
だけど お前…。 いいから!
まさか ここで除夜の鐘を 聞くつもりじゃありませんよね?
では 杉下警部は その速水智也という男が→
テログループの一人だって 言うんですか?
少なくとも 神戸くんのメモの→
左利きの20代の男という条件には 一致します。
速水の前科者データに 左利きとありました。
僕は 思うのですが そもそも この事件→
本当に主犯は 草壁彰浩なのでしょうか?
どういう事です?
テレビの音声を継ぎ接ぎにした メッセージを使ったり→
人質の動画を ネットにアップしたり…。
テロリストというよりは→
むしろ愉快犯のような 手法だとは思いませんか?
おどけて人を笑わせ その実→
悪意を秘めた暗い内面を 抱え込んでいる。
そう ちょうど… 道化師のような。
もしかして 警部は この事件→
テロに見せかけた犯罪だと?
仮にそうだとしたら 犯人グループの狙いは…。
20億の金…!
ええ 20億の金。
確か 速水は誰かの行動を 調べていたんですよね?
彼の残したメモから察するに…。
ひょっとして速水は→
草壁を調べていたんじゃ ないでしょうか?
奴を利用して 金を手に入れるために!
僕も そう思います。
伊丹さん 速水智也という人物の過去を→
ちょっと 調べてみてもらえませんか?
僕は彼の勤めていた 屋台のコーヒー店を→
当たってみます。 わかりました。
あ… 送りますか? いや 結構。
僕には 神戸くんの車がありますから。
(小川 洋) 速水さんが辞めたのは→
ひと月くらい前ですね。
引き継ぎの時に ちょっとお話しただけなんで→
人柄とかは わかんないっすね。
その 速水さんですが→
どれぐらいの間 この店に いらっしゃったのでしょう?
あー… 確か 7年って 言ってたと思います。
7年もですか…。 ああ そうですか。
♪♪~
(携帯電話の振動音)
杉下です。
米沢です。 芹沢さんのオペが 終わったそうです。
銃弾は 腹部を貫通していたそうですが→
急所を外しており 命には別条がないとの事でした。
そうですか。 それはよかった。
ところで 芹沢さんを撃った 銃の口径ですが…。
40口径でした。
クリスマスの警察官射殺事件に 使われた銃も40口径でしたね。
(銃声) うわっ!
ああ そういえば…。
お手数ですが 二つの弾丸の線条痕を→
照合して頂けますか?
了解しました。 どうも ありがとう。
いただきます。 ああ どうも。
すみません。 はい。
このメガDというのは?
ああ 前からの うちのお得意さんですよ。
あの… メガネディスカウント っていうメガネのチェーン店。
店閉めて 帰る時に 時々コーヒー デリバリーしてるんですよ。
ありがとうございます。
杉下警部。
今 所轄の生活安全課に 聞き込んだんですが→
速水の父親は ホームレスだったようです。
ホームレス… ですか?
速水の父親は 速水が小学校に上がる前に→
借金苦で失踪してまして→
行方知れずのまま ホームレスになったらしく→
6年前に 公園で病死してます。
身元の確認は?
父親は 自分が死んだら 知らせてほしいと→
家族の住所を書いた紙切れを 身につけていたそうです。
そうですか…。
(伊丹)しかし 母親は すでに 再婚して新しい家族があり→
結局 速水が一人で 遺体の確認をしたそうです。
(広田)お父さんですか?
多分 そうだと思います。
(速水)なんか 親父がいた実感ないんで→
死んで実感もなくて…。
(伊丹)担当の刑事の話では→
速水は その時初めて→
自分が働いていた屋台から ほど近い公園に→
たまたま父親がいた事を 知ったようです。
♪♪~
速水の部屋にあった 写真の公園は ここですね。
(佐伯陽子)すいません。 使用許可書ですよね?
いいえ 我々は見回りに 来たわけではありませんから。
どうして 我々が警察だと?
大晦日に背広着て しかも 怖い顔して公園に来るのは→
刑事さんぐらいです。
怖い顔…。
あっ 僕ですか。
ちなみに こちらでの炊き出しは いつ頃からでしょう?
2年くらい前からです。
でも 区の市街地再開発とかで→
この公園も もうすぐ なくなるみたいで…。
ホームレスの方の居場所は どんどんなくなる一方です。
そうですか。 ご苦労さま。
はい。
♪♪~
(ため息)
ここと向こうじゃ→
同じ人間の暮らしとは 思えねえな…。
速水が働いていた屋台は 言ってみれば→
ここと向こうの ちょうど中間 みたいなもんですよね。
こんなのを見てるうちに→
コツコツ働くのが バカバカしくなって→
一獲千金 向こう側に行ってみたい→
っていう気持ちに なったんじゃないんですかね…。
ところで 伊丹さん。
速水が調べていたのは→
どうやら 草壁ではなかったようです。
え? 先ほど 聞いたのですが→
速水のメモにあった メガDというのは→
メガネディスカウントの事 だそうです。
草壁は 射撃スキルの高い軍人です。
視力は両目とも1.5。
メガネを作る必要があるとは 到底思えません。
じゃあ 速水が調べていた 人物っていうのは 一体…。
では…。
課長…。
テログループに対する 射殺許可が出た。
♪♪~
(吉岡琢磨)よし みんな 聞け!
テログループは銃を持っている。
狙撃に失敗すれば 人質の子供が 撃たれる可能性がある。
いいか 頭を狙って 一発で仕留めろ。
何があっても ヘリに乗る前に制圧するんだ!
(狙撃手たち)はい!
♪♪~
(吉岡)犯人が入ってくる 車のルートは そこしかないな。
高倉班 準備完了です。
「警察は 犯人グループが どこに潜伏しているか→
まだ有力な情報を 得られていません」
君は 金を手に入れる事は 出来ない。
どこまでも懲りない人だね。
事実を言ったまでだよ。
君の仲間が警察官を撃った事で→
犯人グループが 拳銃を所持していて→
しかも容易に発砲する事が 世間に知れた。
人質は 7人の無辜の子供たちだ。
警察に犯人を射殺する口実を 与えたようなもの…。
そう言いたいんだろう? それがわかっているなら…。
何人 生き残るかな?
7人の子供。
俺の頭を撃ち抜いた弾は→
そのまま子供の薄っぺらい胸も 撃ち抜くかもな。
そろそろ 杉下右京に連絡したくなった?
なんで…?
あんたのスマートフォンに→
1個だけあった 電話のショートカットキーが→
杉下右京。
この人 誰?
上司。
出来る人?
まあ… 天才。 窓際だけどね。
(速水)どんな人?
一度事件に首を突っ込んだら最後 必ず 真実を暴き出す。
容赦ないくらいにね。
君が警戒すべきは スナイパーじゃなく→
杉下右京かもしれない。
窓際の天才にも わかんない事あるんじゃないかな。
(扉を開ける音)
悪い 遅くなった。 神戸さん→
残念だけど お喋りは おしまいだ。
急がねえと A467が出ちまうぞ。
こいつらを向こうに。 (吉田)おい 立てよ。 立つんだよ!
♪♪~
人質を連れてかないのか?
人質なんていなくても 20億は手に入るんだよ。
(吉田)こいつの計画は 完璧なんだよ。
出かける前に これ仕掛けてこうよ。
草壁さんが 万一 ここが包囲された時にって→
用意してたやつ。
一度 仕掛けたら 外からも 中からも 開ければドカン!
(夏目)草壁さんらしいよね。
顔を見られちゃったんだから 人質は始末してかないと。
ちょっと待てよ! ヘリだろうが 金だろうが好きにしろよ!
でも この子たちには なんの罪もねえだろ!
(夏目)なあ いいだろ?
仕掛けろ。
(平野)おい! おい!
♪♪~
あんたには 一本 電話をかけてもらう。
こいつの頭 吹っ飛ばされたくなかったら→
俺の言うとおりに話せ。
おもしれえ…。
(カメラの起動音)
かけろ。
特命係 神戸です。
神戸警部補から連絡です!
何!?
流せ。 はい。
もしもし?
「犯人グループは 子供たちを連れて→
ヘリポートに向かいました」
僕と高野さんは アジトに残ってます。
僕と高野さんは アジトに残っています。
高野さんは心臓の具合が悪く…。
高野さんは心臓の具合が悪く…。
至急 救助を…。 至急 救助をお願いします。
アジトの場所は?
(平野)殺さないで。 俺 子供が…。
場所はどこなんだ!
ア… アジトの場所は…。
町田方面の山中 廃屋。
町田方面の山中の廃屋です。
至急 捜索に向かえ! (一同)はい!
アジトは 神奈川県との県境付近です。
神奈川県警にも 応援を要請してください。
はい。
なるほどね。
警察が扉を開けたら ドカン! ってわけだ。
行こう。 20億が待ってる。
多分 あれ 外れないと思うよ。
俺は 神様がいないほうに賭けるけど。
♪♪~
好きだったよ あんたの事。
♪♪~
♪♪~
(山田)ったくよ なんの情報もよこさないで→
アジトの捜索だけを 手伝えなんてさ→
神奈川県警を なんだと思ってんだよ!
(鈴木)まあまあまあ そんなぼやくなって。
おい それより この無線 これ切っとけよ。
え? 万が一 アジトに→
見張りが残ってた場合 いきなり こいつが→
ガーガー喋り出したら まずいだろ。
ああ そうだな。
住所を教えて頂けますか?
ありがとうございました。
11月4日19時→
メガネディスカウントに 来店したのは2人。
一人は 老眼鏡を購入した 玉井栄さんという72歳のご婦人。
もう一人は コンタクトレンズを購入した→
平野亮太さんという二十歳の男性。
二十歳の男性?
平野さんの家 行ってみましょう。
♪♪~
そうですか。 アパートの大家さんから ここを。
夜分 このような時に すみませんね。
ご主人の亮太さんは?
電話は ずっと繋がらないし メールも返事がなくて…。
夜間清掃を請け負ってる会社に 問い合わせてみました。
そしたら 昨晩は 亮ちゃんに 仕事を頼んでないって。
頼んでない? 亮ちゃんは休もうとしたんです。
なのに 私が無理に行かせたから。
大丈夫ですよ。 ご主人は 僕たちが見つけます。
あなたは まず おなかの赤ちゃんの事を。
ありがとうございます。
仕掛けられた爆弾には→
この建物を吹き飛ばすだけの 威力はあるはずです。
万が一の場合を考えて この下に隠れていましょう。
神戸さん あの柵からなら 大人は出られないけど→
子供なら出られます。 そこから逃がしたら?
いいえ 外は氷点下よ。 じっとしていたら→
小さい子供たちは すぐに体温を失ってしまうわ。
それに 暗い山の中に 迷い込みでもしたら→
それこそ どうしようも…。
いずれにせよ ここにいるよりも 助かる可能性が高い。
急ぎましょう。 (恭子)みんな 大丈夫だからね。
ついてって。 気をつけて 行くよ。
いいよ 1回 座っちゃって。 そうそう。
はい。 よっ!
そっちのほうへ行ってて。 頭 気をつけて。
いいよ 座って。 1回 座っていいよ。
さあ おいで。 よし!
よし みんな こっちだ。 気をつけてね。
頭 ぶつけんなよ。
(古田幸雄)そう言われましてもね→
昨晩は夜間清掃の仕事は やってないんですよ。
ほら 何も書いてないでしょ。
警部 速水のメモにあった 「NC」って…。
ええ ナイトクリーニング。 夜間清掃の事ですね。
確かに 12月30日にはありませんね。
平野君には 時々 夜間清掃の ヘルプを頼んでましてね。
彼が初めて来たのは 19でね。
保護者欄に 保護者の名前を→
書いてもらわなければ ならなかったんですがね…。
ああ これだ。
おじいさん 金持ちでね→
そんなに働かなくても よさそうなもんだけどね。
おじいさんですか? ええ。
母方の祖父らしいんですがね。 ちょっと失礼。
ああ どうぞ。
(伊丹)朝比奈源一郎って あの朝比奈警備保障の会長!?
伊丹さん…。
速水智也! この男は?
こいつは 面接に来ただけで あとは来ないですよ。
♪♪~
♪♪~
(恭子)みんな 気をつけて。 段差に気をつけてね。
(平野)気をつけてね。
(恭子)はあ 寒い…。
(恭子)みんな 寒いからね… みんな抱き合って近づいて。
よし 亮太。 (平野)はい。
伊丹さん これは あくまで 僕の推測ですが→
もしかすると 今回の犯罪のターゲットは→
全く別のところに あるのではないでしょうか?
どういう事です?
ネットにアップされた 人質動画に映っていたのは→
7人の子供と高野先生。 そして 神戸くんだけです。
しかし 神戸くんが バスに残したメモには→
人質は 関係者以外 もう一人 若い男とありました。
その若い男が 恐らく 平野亮太くんです。
しかも 犯人たちは わざと 亮太くんを→
人質動画に映さなかった。
わざと映さなかったって 一体 なんのためにです?
速水たちが狙っていたのは→
最初から 平野亮太くん 一人だけ だったのではないでしょうか。
彼らは 亮太くんを誘拐し 人質にするために→
清掃会社のアルバイトを装い 亮太くんをおびき寄せた。
しかし 犯人たちの目的は 20億の金のはずです。
子供たちの身代金の20億は→
現に ヘリポートのヘリに 積み込んでいる。
確かに。 しかし その20億が→
おとりの20億だとしたら どうでしょう?
おとりの20億!?
ええ。 今 捜査員のほぼ全てが→
テログループを一網打尽にすべく ヘリポート周辺に集中しています。
その隙をついて 彼らは いわば 別の20億を→
狙うつもりなのでは ないでしょうか?
ハハ… 別の20億って この年末の大晦日に→
どこに そんな大金があるんですか?
銀行は もうとっくに閉まってるし 造幣局だってやってませんよ~。
ええ。 ですが 警備会社なら持っています。
警備会社の重要な仕事の一つに→
百貨店の売り上げ回収があります。
都心の大手デパートの売り上げは→
1日 約3億円から6億円 と聞きます。
明日は元日で 全店休業ですから どのデパートも→
今日は売上金を 残さず回収させるでしょう。
つまり 警備会社が たった今→
都内の大手デパートを回って 回収している現金の総額は→
20億を下らない。
犯人の狙いは 平野亮太くんの祖父 朝比奈源一郎氏が会長を務める→
朝比奈警備保障の 現金回収車ではないでしょうか。
しかし 警備会社は警備のプロですよ。
脅迫されても おいそれとは応じないでしょう。
通常なら そうかもしれません。
しかし 相手が銃を備えた テロリストグループ。
しかも リーダーが 外人部隊の経験者となれば→
そうはいきません。
犯人たちが 動画をネットにアップしたのは→
単に 世間を騒がせるためではなく→
ある特定の人物 すなわち 朝比奈会長に→
動画を見せるためだったのでは ないでしょうか?
ネットにアップすれば→
ヘリポートの警備を 自社で 請け負っている朝比奈会長は→
必ず人質動画を見ます。
そして その動画と同じ部屋に 孫の亮太くんが→
拉致監禁されている姿の写った 写真が→
例えば 朝比奈会長に 送られてきたとしたら。
そう これまでの事は全て→
現金回収車の大金を 一瞬にして手に入れるための→
犯人側の デモンストレーションだった。
杉下警部…。
ですが これは 今のところ→
あくまでも 僕の推測に過ぎませんがね。
ああ…。
(平野)こんな事してたら じいちゃんの会社だったら→
3分で来るな。 へえ…。
じいちゃんって何やってるの? 朝比奈警備保障の会長。
警備保障? うん。
亮太 確か 夜間清掃の迎えのバス 間違えたって言ってたよね?
うん。 清掃会社から ヘルプに 入ってくれって連絡があって。
その電話は いつもの人からだった?
いや いつもは社長からなんだけど 今回は 若い男の人からだった。
青いマイクロバスで 迎えに行くから→
必ず遅れずに来てくれって。
おい 最初から 狙いは お前だったんじゃ…。
急がねえと A467が出ちまうぞ。
やべえ 早く知らせないと。 うん。
おっ…。
あっ! (平野)あっ 取れた! よっしゃ!
んんーっ!
♪♪~
私が行きます。 加奈ちゃん!
大人は通れないし 小さい子には無理です。
ここで じっと待っていても→
警察の人が来て ドアを開ければ おしまいです。
誰かが行かなきゃ。
いいかい? 加奈ちゃん 外は真っ暗なんだよ。
真っ暗の中を 一人きりで 行かなくちゃならないんだよ。
神戸さん 言いましたよね?
私はルークと同じぐらい 勇敢だって。
ねえ 誰か メモ帳かノートを 持ってないかな?
持ってます。
ありがとう。 ちょっと照らして。 (平野)はい。
♪♪~
よし。
このメモの内容を警視庁特命係の 杉下右京さんに伝えて。
110番に電話すれば→
警視庁に繋いで 呼んでもらえるから。
杉下右京さん ですね? うん。
絶対に無理しちゃダメだよ。
もしダメだと思ったら 引き返す事。 いいね?
はい。
気をつけて。
♪♪~
♪♪~
♪♪~
(メールの着信音)
この忙しい時に。
♪♪~
同じ部屋だ…。
会長 どうかなさいましたか?
いや…。 しばらく ここを頼む。
(携帯電話)
亮太か? 無事なのか?
(継ぎ接ぎの音声) 「我々は テロ グループ である」
「これは 脅し では ない」
「3分 以内に 全 現金 回収車を 停車し→
GPS 車両運行 管理システムを 切断 して→
車から 離れろ」
「我々の 指示に 従わなければ 引き金を 引く」
「我々は 必ず 実行 する」
「カウント スタート 1 2…」
朝比奈だ! 今すぐ直通無線で 全回収車を呼び出せ!
(監理員)「は?」 いいから 今すぐやるんだ!
「中央管理室より 全現金回収車に告ぐ」
「ただちに停車し→
GPS車両運行管理システムを 切断した上 車を離れろ」
「全現金回収車に告ぐ。 ただちに停車し→
GPS車両運行管理システムを 切断した上 車を離れろ」
♪♪~
しかし 現金回収車とはね…。 無論 確証はありません。
ですが そう考えれば 全てのつじつまが合います。
杉下さん 悪いが あなたの空想に 付き合っている時間はありません。
しばらく前 神戸警部補から 電話があったんです。
テログループは子供たちを連れて ヘリポートに向かったとね。
それは 本当ですか? ええ。
♪♪~
その電話 神戸くんが自らの意思で かけてきたのでしょうか?
君は 一体 何が言いたいのです?
もし 神戸くんは その電話を→
犯人に強要されて かけてきたのだとしたら…。
仮に あなたの言うとおりだとして テログループが→
そんな電話をかけさせた目的は なんです?
目的の一つは まもなく彼らが 子供たちと一緒に→
ヘリポートに到着すると 警察に思わせる事。
おい 君! それから もう一つ。
一部の警察官を アジトにおびき寄せる事。
アジトには なんらかの罠が 仕掛けられている可能性を→
考えるべきです。
捜索に向かっている全捜査員に→
たとえ アジトを発見したとしても→
安全が確認出来るまで 踏み込まないよう→
至急 指示を出してください。
その必要はありません。
君の意見は 我々の捜査方針に反する。
捜査方針の問題ではありません! 人の命の問題です。
再考を願いたい。
(捜査員)島村加奈ちゃんという 少女から電話です。
杉下右京さんを呼んでほしいと 言っています。
島村加奈ちゃんといえば さらわれた子供の一人だぞ。
(内村) どこから かけてきてるんだ?
(捜査員)公衆電話からです。 (大友)公衆電話!?
お電話かわりました 杉下右京です。
杉下さんに 神戸さんから伝言があります。
子供たちは アジトに閉じ込められてます。
アジトの扉には 開けたらドカン! の→
爆弾が仕掛けられてます。
爆発物処理班を。 爆発物処理班だ!
加奈ちゃん 今 みんなが どこにいるか→
場所は わかりますか?
ここから少し山を登った道沿いに 大きな門があります。
その門のずっと奥にある建物です。
よくわかりました。 それから 今→
加奈ちゃんが かけている 公衆電話の奥の壁を見てください。
はい。
そこに 公衆整理番号というのが 書かれていませんか?
ありました。 「読んでくれますか?」
えっと 相模原のウの312号です。
「それから 人質の若い男の人は 平野亮太くんです」
そうですか。
犯人たちが狙っているのは 現金回収車ですね?
そうです。
加奈ちゃんは どの車か わかりますか?
Aの467現金回収車です。
どうもありがとう。
今 警察の人が そちらに迎えに行きますからね。
はい。
(三奈瀬)神奈川県警を呼び出せ! (一同)はい!
(無線)「こちら対策本部」
「人質のいるアジトに 爆弾が仕掛けられている」
「処理班が到着するまで 扉を開けるな」
「以上」
あ~ 寒いな。 この辺 意外に廃屋多いんだよな。
結構 怖いよな 夜の廃屋って。 ああ。
♪♪~
「こちらJA21 A467を発見」
「江東区から千葉方面に向けて 逃走中」
よしっ!
(パトカーのサイレン) (三浦)来た 来た 来た 来た…!
よーし よし よし… 止めろ。 慎重につけよ。
おー よしよし よしよし。 よーし!
(三浦)気をつけろ。
おい ドア 開けろ! 開けろ ドア! 早くしろ!
(山辺)違いますよ! 開けろ!
私は 何も…。 (三浦)確保!
開けるぞ!
ない!
(2人の笑い声)
やべえ!
どうするよ? マジで成功しちまった。
でもさ おとりの運転手 使ったのは 大正解だったよな。
(吉田)速水 お前 やっぱ すげえな!
山辺さんは 暴行を受けて意識を失い→
気がついたら ワゴン車の荷台に 押し込められていたという事で。
先ほど いきなり 引きずり出され 犯人に→
現金回収車を運転して 千葉方面へ向かわなければ→
子供たちが死ぬ事になると 脅されたそうです。
山辺さんは 犯人の車を見ていませんか?
それが 現金回収車に乗せられるまで→
目隠しをされていて 何も見ていないそうです。
課長。 んっ?
ああ わかった。
(携帯電話の振動音)
杉下です。 米沢です。
その写真 引き伸ばしておいてください。
どうもありがとう。
芹沢さんを撃った弾丸と→
クリスマスの警察官射殺事件の 弾丸の線条痕が一致しました。
じゃ 警察官射殺事件も奴らが?
ええ 行きましょう。 どこへ?
クリスマスに射殺された警察官の 所持品を探してください。
えっ? そんなもの 一体 どうするんです?
ああ もう…!
伊丹さん ありました。
もう一つ それ。 これ?
あの事件で警察官は…。
(銃声) うわっ!
脳幹を 一発で打ち抜かれていました。
犯人グループで それほどの腕を持っているのは→
草壁だけでしょう。
もし その草壁が 警察官を射殺したのだとすれば→
何か必ず目的があったはずです。
これです。
犯人グループは 現金を→
別の車両に積み替えて 逃走しているはずだ。
ただちに検問を。
ヘリポートの要員を 全て回してください。
ああ…。
(携帯電話の振動音)
杉下です。 「米沢です」
「例の写真 引き伸ばし出来ました」 どうもありがとう。
伊丹さん お願いします。 わかりました。
(携帯電話)
杉下からです。
もしもし? 犯人は警察の無線を聞いています。
なんだと?
亡くなった警察官の 無線機の基盤が→
抜き取られていました。
恐らく 草壁は 警察の無線機を手に入れるために→
警察官を射殺したのでしょう。
なるほど。 その無線を使って→
犯人たちを 罠に掛けられるかもしれません。
どうやって? 芹沢さんを撃った犯人が→
乗り捨てた白いセダンの中に→
漁船を写した写真が 残っていました。
左手奥に ベイブリッジが写っています。
恐らく 川崎周辺のどこかでしょう。
あれだけの大金を 持って逃げるのですから→
犯人たちは 恐らく 目立たないように→
船を使うつもりなのかも しれません。
一か八か 川崎周辺に抜ける道に絞って→
無線でわざと 穴のある検問情報を流しましょう。
なるほど。 いや しかし…。
やってみる価値は あると思いますよ。
いいだろう。 失敗したら 俺は知らなかった事にしとけ。
えっ?
了解した。
(無線)「宮本町 検問設置完了」 了解しました!
宮本町 検問設置完了しました!
(無線) 「塩浜 検問設置完了しました!」
了解しました! 塩浜も設置完了しました!
♪♪~
この奥に 確か廃屋があったよな。
1軒1軒 きちんと潰しておかないとな。
(無線)「こちら本部。 神奈川27番 応答してください!」
なんか変だな。 ああ…。
(中園) 「爆弾の事を知らない警察官が→
アジトを見つけた可能性がある」
「車両は 相模原市緑区 城山6の2の3に停車中!」
(2人)えっ?
おい すぐ近くだ。 そこ! そこ 右曲がれ 右!
(無線)「警視庁対策本部より 川崎検問各所 現状を報告せよ」
(無線)「藤崎一丁目交差点 検問設置完了」
(無線)「こちら 川崎会館前 検問設置完了しました」
ハハハ…! 遅えよ!
でもさ 草壁さんが 警察無線機 手に入れててくれて→
助かったよね。 ああ。
こんなに早く 現金回収車が バレると思わなかったもんな。
おい 検問やってないの この道でいいんだよな?
そう。 それにしても ぬるい検問だよね。
この抜け道 思いっきり見落としてるよ。
引き返せ。 はっ?
いいから引き返せ! なんだよ 急に。 危ねえな!
あっ! おい…。
どうなってんだよ! やべえ…。
(夏目)なんだよ? (吉田)止まっちまった。
(パトカーのサイレン)
よし! こっちは押さえた! 反対も押さえろ!
見事に罠に はまってくれたな。
どうするんだよ? ねえ これ どうするの?
わかんねえよ!
「武器を捨てて 投降しろ!」
話違うじゃん! 絶対 捕まんないって言うから→
協力したのに!
あいつら 篭城する気かな?
俺 絶対やだからね!
せっかく 金 手に入れたところで 捕まるとか 絶対やだからね!
うるせえんだよ!
♪♪~
≫(パトカーのサイレン)
他の連中も来たみたいだな。
(恭子)パトカーのサイレン!
やった! もうすぐ警察が来るんだ!
なんか不気味だな。
♪♪~
≫(加奈)開けちゃダメ!
(2人)えーっ!?
開けたら爆弾が爆発する!
爆弾!?
(2人)うわー!
「諦めて投降しろ!」
主犯は速水だよね? (吉田)ああ そうだな。
現金回収車を襲おうと考えたのも 速水だし→
草壁さんを殺すって決めたのも 速水だよね。
(吉田)ああ。 アジトの爆弾だって→
結局 速水が 仕掛けろって 言ったんだったよね?
(吉田)ああ。 決めたのは全部 速水だ。
だから 速水が主犯で 俺たちは共犯だよな?
違うとは言わせねえからな。
言うつもりもない。 俺が主犯だ。
行け。 投降したいんだろ?
いいのかよ? ああ。
ほら 行けよ。
♪♪~
♪♪~
おい 油断するな。 まだ 車の中に一人いるからな。
銃を持ってるぞ! (一同)はい!
気をつけろ。 いけー! かかれ!
確保! 確保!
♪♪~
確保! 確保!
火花が飛びます。 下がってください!
(パトカーのサイレン)
あっ ちょっとごめんなさい。 杉下さん。
神戸くん 大丈夫ですか? なんとか。
そりゃ よかった。 あっ…。
神戸くん 話はあとです。 主犯は 彼ですね?
はい。 草壁は 犯人グループに殺されました。
で 今 彼は?
奪った金と銃を持って→
一人で車に 立てこもっているそうです。
ああ ちょっと失礼。 爆弾は?
あの爆弾は爆発しません。 信管が抜かれていました。
えっ!? どうもありがとう。
やられた。 どうやら 我々は→
まんまと だまされていたようですね。
神戸くん 一つだけ 確認しておきたい事があります。
奪った金について 彼は 何か話していませんでしたか?
自分の分け前は10億。 ただ 買い物をするだけと。
やはり そうでしたか。 行きましょう。
あっ 大木さん 小松さん お願いがあります。
我々に お二人の無線を 貸して頂けませんか?
(2人)はい。 申し訳ない。 急ぎましょう。
はい。 どうも。
♪♪~
♪♪~
「よせ 速水!」
「早まるな! 銃を置け!」
もしもし? 聞こえる? 神戸です。
「その銃の弾は 俺が抜いといたよ」
フフッ なんて 言いたいところだけど→
あいにく マジシャンじゃないんでね。
手錠をかけられたままでは そんな芸当 出来ませんでした。
神戸さん 元気そうじゃない。
あの爆弾の信管 抜いておいたの…。
「君だろ?」
つまり 君は→
初めから 人質を殺すつもりなんて なかったわけだ。
速水智也さん。
杉下右京といいます。
ああ 窓際の天才。
僕は あなたが 写真の裏に残した言葉の意味を→
ずっと考えていました。
「ニセモノの青空と白い雲」…。
それは あの朝比奈警備保障の ビルに映っていた→
空ではありませんか?
あなたは 7年もの間 あの屋台から→
ビルに映った ニセモノの青空と白い雲を…。
「ずっと眺めていました」
「そして あのビルは→
ホームレスの集まる あの公園からも見えました」
そう あなたのお父さんが 亡くなった あの公園です。
富める者は より豊かに→
貧しい者は より貧しく…。
そんなふうに歪んだ不平等な街。
そこに生きる自分たちの はるか頭上→
雲の上を流れる大金を あのビルが守っている…。
あなたは そんなふうに 見ていたのではありませんか?
恐らく 偶然だったのでしょう。
「あなたが 草壁彰浩という人物と 出会ったのは」
(草壁)ブレンド1つ。 かしこまりました。
ハハッ 作り物か。
来週には本物が咲きますよ。
ああ。
日本じゃ 桜の季節になると 山が桜色になるって説明しても→
外人部隊の連中は 誰も信じなくてな。
桜の花びらは これくらいだって言うと→
そんなちっちゃな花びらで 山の色が変わるはずがないって。
パッと咲いて パッと散る。 大和魂だ。
そして やはり 偶然→
古田清掃で 平野亮太くんの境遇を知った。
♪♪~
(女性)速水様ですか? はい。
お願いします。 (古田)拝借します。
ああ 26歳…。
ああ コーヒーショップで 働いてるんですね 現在。
♪♪~
この2つの偶然が重なった時→
あなたは 一つの計画を思いついた。
ニセモノの青空と白い雲の映る あのビルから→
10億の金を奪い取り→
その金で あるものを買う…。
今日 公園で 炊き出しをしていた人から→
あの公園が 区の市街地再開発で もうすぐなくなると聞きました。
公園は…。
「区から民間に払い下げられ 競売にかけられる」
僕は あなたの部屋で→
古い区民広報を見た事を 思い出しました。
4か月も前の 8月の区民広報でした。
バックナンバーを調べてみると その号には→
あの公園の競売の入札の締切日が 掲載されていました。
業者の話では あの規模の公園ならば→
10億あれば まず落札出来るそうですよ。
「あなたは 奪った10億の金で あの公園を買い取り→
残すつもりだったのでは ありませんか?」
「ニセモノの青空と白い雲を 見上げながら…」
生きる人間にも→
それぐらいの息をつく場所が あったっていいじゃないか…。
あなたは そう考えたのではありませんか?
「それが あなたが この非道な犯罪に走った→
動機だったのではないか…。 僕は そう思っています」
♪♪~
速水智也さん 何か おっしゃりたい事はありますか?
いいですか?
あなたの目的が たとえ どんなに 立派なものであったとしても→
人一人の命を奪い→
子供たちの心に 深い傷を残した事は→
決して許されるものでは ありませんよ。
目的のためには 手段を選ばない…。
あなたのやった事は→
まるで テロリストと 同じじゃありませんか。
あの公園で亡くなった あなたのお父さんは→
そんな事 望んでいたでしょうか?
♪♪~
あなたは 長い時間をかけて 償わなければなりません。
長い時間をかけて。
♪♪~
♪♪~
速水智也を確保しました!
(歓声)
いやぁ あなた方の捜査方針を そっちのけで→
事件を解決してしまって 恐縮の極みです。
警視庁の刑事は優秀ですな。
(拍手)
(携帯電話の振動音)
杉下です。
おお お疲れ。
先ほどは お手数をおかけしました。
ほんとだよ! いきなり→
北大井公園は いくらで落札出来るか→
調べてもらえませんか? だもんな。
大変だったんだよ。
大晦日に 競売に詳しい不動産屋 見つけるの。
おかげで助かりました。
今度 うまいコーヒー豆でも 買っといてよ。
神戸。 ああ…。
ちょっと神戸にかわってくれる?
神戸くん。 はい。
あっ。
もしもし? かわりました 神戸です。
(大河内)「俺だ」
3日には 道場で初稽古だからな。
それまで ゆっくり 体を休めておけよ。
久しぶりの手合わせ 楽しみにしていますよ。
まあ 僕が また勝っちゃうと思いますけど。
まあ 油断してろ。 じゃあな。
はい。
おい お前 あの公園を 買うつもりだったのか?
そんなわけないじゃないですか。
それじゃ まるで道化でしょ。 おい コラ!
俺は 10億とって 遊びたかっただけです。
亮ちゃん!
秋穂…。
よかった。 心配した…。
ごめん。
♪♪~
(赤ん坊の笑い声)
♪♪~
じいちゃん…。 おじいさん?
お前が生まれた時も こんなふうだったんだぞ。
♪♪~
よかったですね。
よかったですね。
(大木)おいくつかな? (女の子)8歳です!
念のために病院で検査しましたが 全員 異常ないという事でした。
よかった。 そうですか。
ああ これ ありがとうございました。
お役に立ったみたいで。 大変助かりました。
あっ。
ありがとうございました。 どうもありがとうございました。
君が 加奈ちゃんですね?
はい。 杉下さんですね?
はい。 君が 電話をかけてくれなければ→
みんなを助ける事は 出来ませんでした。
本当にありがとう。
あっ 神戸さん。 ん?
これ ありがとうございました。
それは 君が持ってて。 友情の印に。
それじゃ 私からは これ! 友情の印に。
ハハハ…。
♪♪~
何だ これ。
フッ バカ丸出し。
♪♪~
あっ 忘れていました。 はい?
これ 代わりに 預かっておきました。
ああ オペラハウスの 証拠品返却の受領書。
しかし 長いお使いになりましたねぇ。
しかし これで やっと 今年の仕事納めですね。
いいえ もう去年ですよ。 フッ…。
今年は 一体 どんな年になるのやら…。
いい年になるといいですねぇ。
神戸くん。 はい?
今年もよろしく。
こちらこそ よろしくお願いします。
♪♪~
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