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(政治評論家) とにかく 支持率が高いですから。
(MC)無投票で 溝口総理が党首に再選 ということですか。
(政治評論家) この状況 あえて立つ対抗馬は いませんよ。
(カメラのシャッター音) (記者たち)総理! 総理!
♬〜
(仲井戸秀敬) 大使のお話 なんだったんですか?
(仲井戸)いや 2人きり 通訳もなしで→
新任大使のリクエストに応じた 密談でしたからね。
正直 気になってます。
私だけじゃなく みんな。
♬〜
(溝口飛駒)いい機会だから おまえの耳には入れておく。
…が 他言無用だぞ。
♬〜
♬〜
ᗒ(光屋大二郎)ミンちゃん! ミンちゃん!
早いね。
(ラ・ミン・タンダー)おはようございます。 (光屋)おはよう。
あっ… あのさ 前から聞こうと思ってたんだけどさ→
ミンちゃんって どうして そんなに日本語 上手なの?
どこかで習ったの?
(ミン)子供の頃 学校で…。
(光屋)えっ サルウィンの学校って 日本語 教えるの?
(ミン)いえ そうじゃなくて 日本から…。
(光屋)へえ〜!
(ミン)はい そのとおりです。
だから 会いたい。
(光屋)あっ 捜してるって その人のことか。
なるほどね! ああ… そうか そうか。
(杉下右京)なるほど。 留学で来日…。
(亀山 薫)はい。 9月から 新東京大学の大学院に通ってるみたいです。
その子が わざわざ 私立探偵を使って 連絡をよこしたわけですね。
はい。 いきなりで 面食らいましたよ。
お手紙をお預かりしてます。 て… 手紙?
あなたは? 探偵をやっている者です。
名前は どう発音するんですか?
ラ・ミン・タンダーです。
(仲井戸)決心してもらえましたか?
考えてる。
(仲井戸)再来月の党首選が 絶好の機会と思うんですよ。
一時的に大嵐になると思います。
けど 大丈夫。 総理なら そんな嵐 吹き飛ばせます。
それより おまえ たばこ いつまで吸い続ける気だ?
やめたいんですけどねえ。
おまえが すっぱり やめるなら 俺も覚悟を決めて 総裁選に臨むよ。
真面目に考えてください!
真面目だよ。 大真面目だ。
♬〜
夜更かしは いけませんねえ 先生。
明日も授業でしょ?
ご安心を。 私 今日は もう仕事終えてます。
たまたま ここに立ち寄ったら 先生 見かけたもんで。
嘘つけ。
勝てるといいですねえ。
そしたら お互い 万々歳だ。
(光屋)死ね。
はあ…。
(キーボードを打つ音)
♬〜
ただし 最初に強調しておきます。
この講義における「解読」とは→
他人の通信を不正に盗み見るための技術を 学ぶことではありません。
例えば 歴史資料の復元 古文書や戦時記録の解析→
通信障害時のデータの復旧→
あるいは まあ 暗号方式の安全性評価。
そうした 正当な目的のために 情報の構造を読み取る技術を学ぶのが→
この講義…。
(キーを打つ音)
(亀山美和子)8年ぶり! 見違えちゃったよね。
なあ。 ハハハ…!
学校へは お兄さんと一緒に通っていたそうですね。
そうです。
最初 お兄さん 15歳 私 6歳でした。
うちの1期生です。 ミンは 15まで通ってきてて。
優秀なので サルウィンの高校に特待生で入学して→
成績優秀で サルウィン大学に進んだんだろ?
当時 トゥーラから聞いたよ。
あっ トゥーラ 元気なの?
はい 元気です。
トゥーラっていうのは 兄貴です。 ええ。
いやあ もう ずっと気がかりだったからさ 元気なら安心したよ。
ああ… ミンのさ 連絡先 教えてよ。 そうだ そうだ。
わざわざ 探偵を使って 私たちを捜してくれたんでしょ?
感謝だよ。 あっ できたら→
ミンの そのスマホで トゥーラに電話して 代わってくれない?
トゥーラの連絡先は知ってるんだけど→
何しろ 俺たち ほら サルウィン 追い出された身だからさ。
そう。 ペルソナ・ノン・グラータの私たちが連絡して→
万が一 迷惑がかかっちゃいけないと思って 控えてたの。
でも ミンのスマホからなら。
できれば 顔 見たいけど 声だけでもな。 うん うん。
多分 駄目です。
サルウィンは 日本みたいな 自由な国じゃないから…。
ごめんなさい。
日本語 聞くの平気ですけど しゃべるの うまくない。
うん うん うん。
政権を打倒して いったんは民主化に成功した サルウィンですが→
巻き返しに遭って 元の木阿弥。
すっかり 昔のままの軍事政権に 戻ってしまっていますからねぇ。
ミンさんの言うとおり→
外国に出ている国民に対して 留学生といえども→
当局の目が光っていることは 間違いないでしょうね。
(美和子)尾行がついたりして 四六時中 監視されてるわけじゃないだろうけど→
確かに 電話は安全じゃないかもですね。
トゥーラは 民主化運動のリーダー格だったんです。
だから 安否が気になってたんですけど…。
まあ 元気だって分かっただけでも 良しとするか。 なっ。
(ミン)元気ですけど 今は…。
House arrest.
なんて言いますか? えっ?
「軟禁」。 そうですか。 今 お兄さまは軟禁状態ですか。
(光屋)ああっ ミンちゃん! (ミン)あっ 先生!
(光屋)ああ そう! 良かったじゃない!
あっ 光屋と申します。 ミンちゃんの先生だったって聞きました。
あっ いえ それは僕ではなく こちらの2人。
(光屋)あっ 失礼しました。 いやいや いやいや…。
この「なり」ね 先生っぽくないですもんね。
あっ まあ それは お互いさまか。 ハハハ…!
僕は 正確には まだ助手の分際です。 あっ…。
優秀すぎる助手だから 教授の代わりに講義します。
へえ〜! たまにですよ。
いやあ ミンちゃんが 人 捜してるっていうから→
探偵でも頼んだら? って 勧めたんですよ。
とにかく 無事に再会できて良かったです。 ねっ。
それじゃあ ごゆっくり。 ああ どうも。
優秀すぎる助手ですか…。
あっ トゥーラに電話できなくて ごめんなさい。
ああ いいよ。 事情が事情だし。
軟禁されてるっていうのは びっくりしたけど…。
元気なら… ねっ。 うん。
でも 私の連絡先 教えます。
おお…。
これ 俺の連絡先。 登録しておいて。
(美和子)こちらからは かけたりしないけど→
なんか 手に負えないような 困ったことが起きたら→
遠慮なく電話してきて。
何を置いても 駆け付けるから。
右京さんもですよ。
…はい?
♬〜
ありがとう。
♬〜
失礼だけど この店の客でもないのに こんなとこ入ってきちゃ駄目だよ。
♬〜
おい。
♬〜
失礼いたします!
おっ 女将!
仲井戸さまが…! えっ?
仲井戸…。 そういや 仲井戸さん 来てないね。
なんか連絡あった?
いえ それが…!
えっ どうしたの?
(パトカーのサイレン)
(益子桑栄)よし 始めるか。
(鑑識員たち)はい。
♬〜
(記者)ああ。 大至急 社会部記者 よこして。
(記者)そうです そうです。 総理補佐官の仲井戸秀敬。
(菱河征吾)総理!
今現在 分かっていることを全部聞かせてくれ。 (菱河)はい。
ハハハ…! そうなんですよ。
ミンはね ちっちゃい時から トゥーラの後を ちょこちょこ ちょこちょこ ついてね…。
ん? ん? 何?
ちょっと… ちょっと…。 何? 何?
この投稿 見て。 これ これ これ これ これ… これ。
えー… 赤坂の高級料亭で大事件。
赤坂森羅?
(小出茉梨)ああ…。 ここ 会員制の高級料亭ですね。
へえ〜! 何かあったんですかね?
(美和子)いや そうじゃなくて これ これ これ これ。 ほら。
うわっ! こういうの撮る奴いるんだよな。
これは 間違いなく伊丹さんたちですねぇ。
(益子)凶器は出刃だ。
胸から腹にかけて 都合7カ所 刺してる。
(出雲麗音)恨みによる犯行でしょうか。
(芹沢慶二)出刃包丁なんて 普通 持ち歩かないからなあ。
計画的犯行が疑われますね。
(伊丹憲一)確かに 普通は持ち歩かねえけど→
ここは 厨房 行きゃあ 出刃なんか いくらでもあるからな。
衝動的犯行かもな。 (芹沢)店の者の犯行…。
見つけたのは 7時ちょうどでした。
♬〜
ちょうど?
6時 7時 8時と 1時間ごとに 灰皿の清掃に入る決まりなもんで…。
なるほど。 7時の清掃時に発見したわけですね。
喫煙所に入る前と出てきた時 周りに怪しい人物 いませんでしたかね?
さあ…。 どなたも。
♬〜
(伊丹)ん? (キーを打つ音)
(芹沢)ホームレス?
あっ…! ああっ…!
伊丹さん…。
(芹沢)あっ いた いた! もう ちょっと…!
おお 来たか。
凶器が出刃包丁だって聞いたんで 今 板長さんから 話 聞いてたとこだ。
ご確認いただきましたが→
包丁の数が足りないというようなことは ないそうです。
つまり 犯人は どこか よその場所で調達した出刃包丁を→
凶器に使用した可能性が濃厚ということで…。
計画的犯行と思って 間違いねえんじゃねえかな。
(伊丹)もしもし。 はいはい。
(伊丹)さらっと捜査に参加して→
聞いてもないこと ぺらぺら しゃべりやがって!
ああ…! 礼は要らないよ。
乗りかかった船。 われわれも全力を尽くします。
お忙しいところ どうも。
(芹沢)ちょっと ちょっと ちょっと… もう!
(伊丹)ちょっと! われわれは 断固 乗船拒否します!
2人とも速やかに下りなさい!
(芹沢)ちょっと ちょっと ちょっと ちょっと ちょっと ちょっと…!
おめでとうございます。 何が?
とうとう 伊丹先輩 さじ投げましたよ。 ああ?
長年 聞く耳 一切持たず→
ああ言えば こう言うで 批判を残らず かわし→
たとえ 懲戒があろうと 全くめげずに今日を迎えた→
お二人の ど根性の勝利だと思います。
(拍手)
どうせ調べるんでしょうから 先回りして お伝えしておくと→
今 ホームレスが 重要参考人として浮上しています。
ホームレスが? ええ。
気になるなら 防犯カメラの録画映像をご確認ください。
では。
ちょっと ちょっと…! そうそう そうそう…。 何?
(芹沢)凶器が出刃包丁だっていうのは 益子さんから?
(杉下の声) 快く いろいろ教えてくださいました。
遺体の搬出にも間に合って この目で確認できましたし。
親切に こいつもくれた。
(芹沢)ああ…。
抵抗は無駄だと みんなを諦めの境地に追いやった→
お二人の粘り腰の勝利ですね。
俺ら 褒められてます?
ほめ殺しでしょうかね。
もう マスコミ各社に 事件発生は知れ渡ってるわけだよね。
事件発生が 定例の政策懇談会の最中で→
メンバーに 報道関係者がいたようですから。
ᗕ(ヘリコプターの飛行音)
こうしてる間にも 速報 流れるかな。 今は簡単だから。
(菱河)取りあえず 警察関係には→
捜査情報をマスコミに漏らすなと くぎを刺していますが…。
明朝 警察に会見してもらおう。
臆測で的外れなニュースを流されるより ずっとマシだろ。
(菱河)総理のご意向 警察に伝えます。 マスコミ各社にも。
(携帯電話の振動音)
(菱河)すいません。 (操作音)
(菱河)もしもし。 ああ 俺だ。
何?
分かった。 ご苦労さん。
(菱河)重要参考人が 浮上したようなんですが…。
18時47分に入ってますねぇ。
すみません→
ホームレスらしき人物が出てくるところまで 早送りを。
はい。
おっ… 18時54分。
滞在時間 わずか7分間。
ですけど 犯行には十分な時間ですよね。
(中園照生)凶器の出刃包丁の出どころと→
重要参考人として浮上している人物の行方を→
手分けして 早急に調べ上げろ! (一同)はい!
(ドアの開く音)
♬〜
(内村完爾)早くも重要参考人が浮上した。
(内村)喜ばしい限りだ。
このスピード感で 事件の早期解決に向け まい進しろ。
(一同)はい!
くどいようだが ガイシャは 総理と非常に近しい人物だ。
盟友であることは 広く知られている。
(内村)最重要案件だと心得ろ。
分かったな? (一同)はい!
いやあ 思いがけないお出ましに いささか驚きましたが→
こうして この事件の捜査に臨むための 大切な心構えを再確認させていただき→
身の引き締まる思いです!
忙しい中 大変申し訳ない。
解剖に回される前の仲井戸が 一時的に ここに収容されていると聞いて→
矢も盾もたまらなくなってしまって…。
(中園)では こちらへ。
♬〜
(仲井戸璃子) 部屋の捜索は済んだって聞いてたけど。
見落としがないか 念のために…。 お邪魔します。
お嬢さんが来ていらっしゃるとは 思いませんでした。
あっ… このたびは さぞかし驚かれたことと…。
心中お察しします。
ああ… 仲井戸補佐官は 単身 ここにお住まいで→
奥さまは お国元だそうですね。
(璃子)父と母は 典型的な地方選出の議員夫婦。 ええ。
夫婦関係 とっくに破綻してたから こういう形が とっても都合いいみたい。
ああ…。 あなたは 東京に?
(璃子)大学で こっち来てて。 あっ なるほど…。
(璃子)あっ 見落としないか調べるんでしょ?
どうぞ。 あっ そうでした。
パパ死んじゃって これから 誰が溝口総理の背中 押してあげるんだろ…。
はい?
溝口総理って ああ見えて 石橋をたたいて渡る 慎重な人なんだって。
ここぞという時に背中を押すのが 俺の役目だって パパ言ってた。
なるほど。 背中を押すのが役目… ですか。
相当なヘビースモーカーだったみたいですね。 灰皿が すごい状態。
溝口総理の言うとおり禁煙してたら→
喫煙所で殺されるなんて目に 遭わずに済んだかもしれないのに…。
お父さまは 溝口総理に禁煙を勧められていた ということですか?
そう言ってた。
なんか 交換条件だったみたいだけど。 ん? 交換条件?
気になって問いただしたけど 本人 酔ってたし 詳しくは聞けなかった。
🖥️(アナウンサー)日本の準同盟国の中でも 最も長く密接な関係にある→
ハドリア連邦の ロバート・ラングリー駐日大使が→
持病の悪化のため 急きょ 帰国したことが分かりました。
🖥️ロバート大使は このまま 大使の職を辞するとみられ→
後任については 現在 調整中です。
🖥️次のニュースです。 ᗕ(水が流れる音)
🖥️昨日 午後11時頃 名古屋市の繁華街で→
道に穴が開いていると 通行人から110番通報がありました。
えっ…?
(角田六郎)確か 前は国交大臣だろ。 ええ。
今は 総理補佐官。
(角田)溝口飛駒が総理になった時 内閣には入らず→
補佐官として 溝口総理を支えてきたんだよな。
まあ しかし 早々 重要参考人も浮かんでるから→
早期解決が望めそうだな。 ああ…。
早期解決のためにも 総理からも お話を聞きたいですねぇ。
事情聴取したいってことか? 盟友ということですから→
何か手掛かりになるようなお話が 聞けるのではありませんかね。
そりゃ まあ そのとおりだが… おまえさん方は お呼びじゃないだろう。
ってか→
お呼びじゃなくとも 果敢に突撃するのが おまえさん方の真骨頂だけどな。
ほめ殺し? ですね。
♬〜
(編集長)じゃあ 写真 これでいいから キャプション 考えよう。
これ ちょっと 良くない。 うん。
編集長 日本国民びっくり仰天ネタがあるって 外線です。
名前 名乗りません。 番号も非通知。
7番です。 (編集長)はい。
はい もしもし お電話代わりました。
(麗音)緊張しますね。
(菱河)お待たせしました。
えーっと 代表が伊丹刑事…。
あっ 私…。
捜査一課の伊丹です。
(菱河)他2名 都合3名との面会申請を受けていますが…。
よろしくお願いします。 お願いします。
(菱河)5名 いらっしゃいますよね?
えっ?
(伊丹)かっ…! (麗音)はっ…!
3名で申請されてますので 3名分しか…。
3名に絞っていただけますか?
承知しました。
こう見えて 僕は警部です。 この中で階級が一番上。
ここは 僕が決めても?
(麗音)えっ? (菱河)お任せします。
総理は お忙しいですから 速やかに。
うん…。 (拍手)
(光屋)どう? 分かった?
う〜ん… 探してますけど 分かりません。
(光屋)う〜ん… もうちょっと よく探してごらん。
まだ分かんない?
う〜ん…。
あれ? ごめん。 僕の勘違いだった。
このコードで完璧。 申し訳ない。
あっ はあ…。
Even Homer sometimes nods.
「猿も木から落ちる」だ。 面目次第もない。
さてさて こちらは どうですか?
出雲を外すのは 昨今 コンプライアンス的に問題がある… か。
なるほど。 感心してる場合かよ。
まあ 麗音ちゃん選んだのは良しとしても あと一人が なんで芹沢なんだよ。
フッ…。 若手に貴重な経験の機会を与えるのも→
階級組織における上位者の務めだって 言ってたじゃねえかよ。
芹沢って若手か?
んなもん どうだっていいんだよ!
おまえより役に立つから 選ばれたんだろうがよ!
ん!? この… 皆まで言わすな 鈍亀!
なんだと? この野郎! (携帯電話の振動音)
ああ… この野郎…。
この野郎…。 もしもし?
大学の弁論部の後輩なんです。 付き合いは相当長い。
当時から気は合いましたけど→
私は官僚から 仲井戸は党人として 出自は違いますが→
お互い政治家になってから 関係が密になりました。
思想 信条も合えば 馬も合うってことで…。
かけがえのない存在だったことは 間違いありませんよ。
実は 今 捜査線上に ホームレスがあがっているんですが→
何か思い当たるようなことはありませんか?
聞きました。
ホームレスで思い当たることといえば 一つ…。
仲井戸が国土交通大臣時代→
国交省主導で 竜宮緑地公園の再開発を行ったんですよ。
覚えてます。
近代的で美しく 機能的な公園に 生まれ変わりましたよね。
再開発は うまくいったと思いますが 途中 もめ事も起こりました。
それも覚えてますか? はい もちろんです。
公園をねぐらにしていたホームレスたちが 工事を阻止するために座り込んだ。
再開発にかこつけて われわれを排除するのは許せないと。
その時のホームレスが犯行に及んだと おっしゃるんですか?
そこまでは…。
ホームレスで 仲井戸に関連する出来事を思い出したから→
お話ししたまでです。
確かに ホームレスの恨みが→
当時の国土交通大臣だった 仲井戸補佐官に向いたとしても→
決して おかしくはありません。
しかし なぜ 今になって…。
おっしゃるとおり もう4年も前の話ですから。
何かの事情で今になったってことも…。
それは否定しませんよ。
そろそろ 時間です。
(溝口)ごめんなさいね 慌ただしくて。
とんでもない。 ありがとうございました。
どうもすいません 本当 お忙しいところ…。 頑張ってください。
あっ…。 (麗音)ああっ…!
もう一つだけ…。
仲井戸補佐官のたばこは やはり 迷惑でしたか。
禁煙を勧めていらっしゃったとか。
どこで そんな情報…。
たばこは吸わないに越したことないでしょう。 思いません?
で 禁煙に成功した暁には 仲井戸補佐官には 何か見返りが?
はっ?
俗に言う 交換条件のようなものは?
何をおっしゃってるのか よく意味が…。
そうですか。 失礼しました。
はい…。 すいません。
♬〜
で 待ちぼうけか。 はい。
約束の時間を大幅に過ぎても 結局 現れませんでした。
結局 いたずらだったってことか? フフフ…。
編集長 よくあることだって 笑って強がってたけどね。
まあ 日本国民びっくり仰天ネタなんて いかにも ふざけた売り込みだもんな。
だよな。
っていうか なんで おまえ いるんだよ。 天下の往来だよ ここは!
いやあ 確かに ふざけた売り込みだったと思うけど→
総理の秘密って言われちゃうと→
万に一つの特ダネに賭けてみたくなるのが スキャンダル誌の編集者ってもんだからねえ。
総理の秘密… ですか。
ええ。 日本国民びっくり仰天ネタっていうのは→
総理の秘密だって 売り込みだったらしいんですよ。
売値は2000万 びた一文 負からないって超強気で。
気になりません? ええ とても。 このタイミングですからねぇ。
ああ… 右京さん 総理ご本人に お会いになったばかりですもんねえ。
君を選ばなかったことに ご立腹なのは分かりますが…。
別に。 怒ってなんかいませんよ。
考えてみてください。 押しかけた われわれが→
正規の面会者たる3人のうち 2人を排除してしまうのは→
あまりにずうずうしい所業だと 思いませんか?
何を今更。 ずうずうしさは大して変わりゃしませんよ。
いえ バランスを欠く。
あの場合 君ではなく 芹沢くんを選んで正解でした。
シッ…!
(芹沢)思わせぶりに総理の秘密なんて 眉唾もんですよ。
(伊丹)フッ… まあな。
(麗音)当然 ネガティブな情報ですよね? (芹沢)そりゃそうだよ。
『フォトス』に売り込むぐらいだもん スキャンダルに決まってるよ。
(麗音)なんか やだなあ 溝口総理にスキャンダルなんて。
そういうのとは無縁な気がする。 会ってみて実感した。
(伊丹)なんだかんだ イケオジだからな。
(麗音)はあ? ねえ そういうことじゃありませんよ。
なんか こう しっかり芯が通ってるっていうか…。
まあ 実際会ってみて 支持率高いのも だてじゃないなって思いました。
(芹沢)激しく同意。 (麗音)ねっ。
(伊丹)どういうわけか→
俺は会いそびれたもんで さっぱり分かんねえ。 ちくしょう。
(スポックさん)小鼓さんじゃないか。 なあ? (ななしのごんべ)おう… 小鼓さんだ。
そうだな。
これ 小鼓さんだよ。 着てるの そうだもん。
帽子も→
下に着てる この 派手な ちりめんの半じゅばん…→
小鼓さん。
(芹沢)小鼓さん…。
その小鼓さんとやらは この長屋の どちらにお住まいですかね?
そこの橋桁の裏に住んでるけど…。 今 いないよ。
急に いなくなった。
(芹沢)急にって いつ?
(スポックさん)おとといから…。
(麗音)おとといっていうのは… 20日?
(編集長)諦めつかないんだよね。 編集者の勘ってえの?
いたずらと思えないのよ。
だから 相談乗ってもらいたくて。
いや 総理の秘密ってだけじゃ 漠然としすぎててね…。
(編集長)いや ちょっと… 生き馬の目を抜くどころか→
死んだ馬の玉だって抜いちゃう 天下の亀山美和子が 何 言っちゃってんのよ。
ねえねえ 旦那使って うまく切り込めないかな?
いやいや いやいや… あの…→
警察なんて 政府の手先みたいなもんですよ。
それが 政府のトップ 総理大臣の隠し事を暴くなんて→
できるわけないじゃないです…。 いや でも ほら 旦那って→
杉下右京と二人して 警視庁のはぐれ者なんでしょ?
はみだし者か?
いや まあ ほら とにかく あぶなっかしい刑事でしょうが。
トラックなくても ボーダレスしちゃってんだから→
できるってば。 ねっ?
お願い。 このとおり!
うっ! いや…。
光屋先生さ 午後の講義 無断で休んだらしいよ。
えっ? 無断だったんだ。
(学生)珍しくない? (学生)珍しいな。
知らなかったわ。 (学生)知らなかった?
(学生)今 聞いたから。 (学生)マジで?
(伊丹)ホームレス仲間からは 「小鼓さん」と呼ばれてますが→
目下のところ 本名などは不明です。
小鼓というのは あだ名か?
若い頃 歌舞伎の長唄囃子連中として→
小鼓を担当していたことを 自慢していたらしく→
そう呼ばれるようになったそうですが まだ確認は取れてません。
事件の前日から姿を消したのが 気になるな…。
手掛かりは?
(伊丹の声)留守宅を訪問しましたが 特に何も…。
(ノック)
♬〜
現状 いろいろと不明点だらけなんで 引き続き 捜査を進めます。
(中園)よし。 では 次。
(捜査員)はい。
凶器の出刃包丁の入手先が判明しました。 (一同のどよめき)
(捜査員)現場の赤坂森羅からは 車で10分 徒歩であれば40分ほどの→
神王町 ホームセンター 獅子王の店員から→
写真の この人物に確かに売った という証言を得て→
店の販売記録なども確認しましたが→
間違いなく 凶器の出刃包丁であると思われます。
購入は 犯行当日 21日の午後1時12分でした。
購入はキャッシュか? はい。
キャッシュレス決済でもしていてくれれば 手掛かりになったんですが…。
ホームレスに そこまで望むのは 虫がいいか…。
♬〜
(携帯電話の振動音)
♬〜
(社 美彌子)本日は→
特に 警視庁から衣笠副総監にご足労いただき→
都内の大学や研究機関で→
外国人研究者への 不審な接触が続いている件→
とりわけ 量子暗号や衛星通信 次世代電池といった→
いずれも 安全保障上 利用価値の高い分野の 研究者への接触が顕著になっている件を→
ご報告いただきました。
(衣笠藤治)警視庁としては 大学や研究機関に 注意喚起を促すことはできます。
…が それが過度になると→
研究交流そのものを萎縮させてしまうという 副作用が。
(美彌子)そこが悩みどころですね。
警察が前面に出れば 研究者は構える。
かといって 放置すれば 相手は自由に動く。
(衣笠)デリケートな状況にありますから→
ぜひ 各省庁で持ってる情報を こちら国家情報局で統合していただきたい。
(衣笠)見違えたよ。
内閣情報調査室から国家情報局へ 組織が発展的成長を遂げた分→
君も発展的成長を遂げたってことだ。
(美和子)あっ すいません。 お待たせしました。
ああ ご苦労。 われわれも今しがた着いたばかりです。
(ミン)すみません 皆さん 忙しいのに。 いやいや いやいや…。
で 何? 優秀すぎる助手が いなくなっちゃったんだって?
(ミン)はい。 とても心配です。
昨日の午後から無断で休んでるらしい。
この数日 光屋先生に 何か変わったことはありませんでしたか?
Even Homer sometimes nods.
「猿も木から落ちる」 あるいは 「カッパの川流れ」。
おっ…。
先生 木から落ちました。
(光屋)まだ分かんない?
う〜ん?
あれ? ごめん。 僕の勘違いだった。
このコードで完璧だ。 申し訳ない。
あっ はあ…。
Even Homer sometimes nods.
「猿も木から落ちる」だ。 面目次第もない。
(美和子の声)なるほどね。
優秀な助手らしからぬ勘違いだったわけだ。
(ミン)変わったこと… それぐらいしか思いつきません。
確認します。
光屋先生は あなたが作成中だった ソースコードに致命的ミスがあると指摘して→
いったん 席を外した。
(光屋)戻ってくるまでに もう少し探してごらん。
(杉下の声)30分ほど?
はい 多分。
どこへ行ったのでしょうね?
分からない。 気にしてる余裕なかった。
余裕がありませんでしたか…。
もう一つ 確認させてください。
その時 あなたは その手提げをどこに置いていましたか?
いつも こんなふうに横の椅子に置きます。
なるほど。
恐らく 光屋先生は あなたを パソコン画面に集中させたかったのですよ。
脇目を振る余裕などないように。
うん…? どういうことですか?
スマホを拝借するためです。
うん!?
ミスを指摘した時 こんな体勢だったのではありませんか?
はい そうでした。
光屋先生は あなたの意識を パソコン画面に向けさせた隙に→
手提げから こっそりスマホをかすめ取ったのです。
ここで初めてお目にかかった時→
あなたが この手提げから 素早くスマホを抜き取ったのが→
印象に残っていました。
見てのとおり バスケットのように 型崩れなく立つ 口の開いた手提げですが→
割と高さはあるのに→
あなたは 手を深く突っ込むことなく→
スマホを取り出しました。
もちろん 内ポケットが付いていることは すぐに思い当たりましたが→
事ほど左様に手に入れるのがいとも簡単な 手提げ。
首尾良くスマホを手に入れた光屋先生は→
「戻ってくるまでに しっかり探してごらん」 そう言い残して部屋を出ていったのです。
(美和子)電話をするため…。
30分の外出は どこかに電話をしていたのでしょうねぇ。
そして 戻った光屋先生は 「まだ分かりませんか?」と言いつつ→
誤解であったことをわびながら こっそり 拝借したスマホを戻した。
よく探してごらん。
…ということでしょうねぇ。 うわあ…!
あっ 発信履歴はある? 見て 見て。
ないです。
当然のごとく消去したか→
それとも そもそも 右京さんの推理が的を外したか…。
ええ。 どちらにせよ 確認してみる価値はあると思いませんか?
もし ミンさんのスマホを盗んで 電話をしていたとしたら→
行方不明解明の 大きな手掛かりになるでしょうし→
万一 的外れな推理だった場合は 「猿も木から落ちる」で済む話ですから。 ええ。
フフフフ…。 ああ…。
(ドアの開く音)
えーっと ああ… あっ 一番奥ですね。
あっ ここですね。
えっ な… 何?
堅気には見えないと思ってたけど やっぱりな。
やはり ご同業でしたか。
どこ行っちまったんだろうな 光屋…。 おお。
われわれも困ってましてね。
(チャイム)
コラコラ コラコラ コラコラ! 光屋〜!
ああ…。 立派な大学 勤めてんだろ?
棒に振って飛んじまうってことは ないと思うんだがなあ。
こっちだって ルール守って 優しい取り立て 心がけてるんだしさあ。
ハハハハハハ…! ハハッ ハハッ ハハハハ…。
ᗒ(殴る音) ᗒ(男)クソッ!
♬〜
はあ…。 優秀すぎる助手 借金 抱えてたんですね。
思わぬ足止めを食いましたが ここでこうしていても始まりません。
開けてもらうしかありませんね。 管理人さんに…。
(解錠音) どうも。
(管理人) はい。 お帰りになる時 戻してください。
分かりました。 ありがとうございました。
あっ…! うわっ!
♬〜
はっ… なんだ? こりゃ。 はあ〜。
くう〜…。 どうやら 溝口総理の支持者みたいですね。
かもしれませんねぇ。
少なくとも 政権と関わりを持っていたことは 間違いないですね。
見てください。 はい。
光屋先生は 公園再開発に関する有識者会議の メンバーだったようです。
ああ〜。 あっ これ。
あっ! この人…。 ええ。 仲井戸補佐官ですねぇ。
前政権時代ですから この時は 国土交通大臣でしたが…。
なるほど。 2人には面識があった ということになりますねぇ。
うん…。 おや?
温かい。 うん?
あっ 本当だ。 えっ これって…。
ええ。 少し前まで起動されていた ということですねぇ。
誰か この部屋にいたってことですか?
(パソコンの着信音)
(キーを打つ音)
♬〜
妙ですねぇ。 このパソコン→
昨日の昼過ぎにシャットダウンされて以降 起動されていません。
いや だったら なんで熱が? うん…。
考えられるのは このパソコンのOSを起動したのではなく→
USBメモリーを使って別のOSを起動した ということですねぇ。
ああ…。
その目的は分かりませんが→
われわれより前に侵入者がいたことは 間違いないでしょう。
うん。
さてと… この部屋 調べるのは こいつで なんとかなりましたけども→
ミンのスマホの通話記録 調べるのは そうはいかないですよ。
ええ。 最低でも令状が必要ですねぇ。
う〜ん…。 はあ…。
(2人)ボス!
(中園)仲井戸補佐官殺害に関係があると おっしゃる?
(甲斐峯秋)それは調べてみないと分からない。
とにかく 仲井戸補佐官と面識があったことは 間違いない。
それが このタイミングで行方をくらましている。
気にならない?
あっ… なります!
その行方をくらました大学の助手というのが わざわざ学生のスマホを使って→
どこかに電話した可能性がある ということですね。
何やら怪しくない?
調べずにいられる?
(深町亜夏葉)局長!
♬〜
杉下右京と亀山薫が現れた?
(亜夏葉)能崎嘉志智が→
新東京大学情報理工学系研究科の 恩田研究室で助手を務める→
光屋大二郎の部屋へ侵入している最中です。
♬〜
光屋大二郎の部屋を訪ねました。
♬〜
(美彌子)一緒にいる この男は何者?
(亜夏葉)借金取りです。
たまたま光屋の部屋を訪ねてきて→
特命係の2人とかち合っただけで 一足先に帰りました。
邪魔な人物が去ったところで→
もしも 杉下右京が能崎嘉志智のように ピッキングという荒技で部屋に入っていたら→
両者鉢合わせという事態でしたが→
おとなしく管理人を呼んだようなので ニアミスでした。
ハドリア大使館の能崎嘉志智ばかりか 特命係まで…。
その光屋大二郎という助手 キーパーソンかも。
どうやら 行方をくらましているようで 気になり→
全員 引き揚げた後 われわれも部屋を調べたところ…。
(亜夏葉の声)溝口総理との接点が…。
かなり濃くありそうでした。
(編集長)どうぞ。
(編集長)あっ お座りください。 (捜査員)ありがとうございます。
(亀山の声)『フォトス』に? (甲斐の声)うん。
かけたことが 通話履歴によって判明したようだ。
ええ ええ。 かかってきたけど間違い電話でした。
(捜査員)はあ? 間違い電話で30分近く話さないでしょう。
ああ 生意気な奴だったもんで 説教してやったんですよ。
優秀すぎる助手 借金取りに追われてたし 高額で売ろうとしてたのも うなずける。
(土師 太)これはお珍しい。 こんな むさ苦しい所へ。
(甲斐)いやあ いつも2人が世話になってるようだね。
私からも礼を言うよ。
あっ… まあまあ お楽に。 ハハハ…。
光屋大二郎なる人物が出国した形跡は ありません。
つまり 飛んじゃったりはしてない ってことですね。 国内にいます。
生きてるか死んでるかは知りませんが。 なるほど。
(土師)では どこにいるかですが 一つ 手掛かりが…。
彼のスマホは 22日の午後2時13分→
ここの基地局に接続した その6分後→
電波が途絶えています。
電源オフになったんでしょう。
どうやら… 居場所が分かりました。
…というわけで その光屋大二郎の通話を→
サルウィン当局が聞いていた可能性が 高いわけですよ。
光屋大二郎は 総理の秘密を『フォトス』に売り込んだと?
秘密の内容までは不明ですが そういうことです。
とにかく 光屋は 約束すっぽかして 行方不明なんですよ 今現在。
サルウィン大使館に 拘束されているんじゃないかっていうのが→
あなたの見立てなのね。
日本の最高権力者である 内閣総理大臣の秘密ともなれば→
サルウィン当局も 大いに興味があるでしょう。
疑う理由は もう一つ。
光屋大二郎のスマホの電波が→
22日の午後に サルウィン大使館の近所で 死んだままなんです。
22日ってのが 光屋大二郎が 約束すっぽかして姿をくらました日。
電波は この基地局を最後に途絶え…→
サルウィン大使館がここ。
つまり 光屋大二郎は→
『フォトス』との約束場所に向かう途中→
サルウィン大使館にインターセプトされた。
♬〜
で 私に折り入って頼み事とは?
蛇の道は蛇。
サルウィン大使館を探っていただけないかと。
大使館は不可侵。
木っ端警察官には 手も足も出ない。
そうね。
でも タダで私を動かせると思う?
♬〜
♬〜
♬〜
(能崎嘉志智の舌打ち)
(刺す音) (仲井戸)うっ うっ…。
♬〜
♬〜
(刺す音) (仲井戸)ううっ… うっ…。
♬〜
♬〜
♬〜
(刺す音) (仲井戸)あっ…! うっ…。
♬〜
引き換えに何をご所望でしょう?
杉下さん あなたを。
はい?
♬〜
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