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(高階) どうぞ よろしく。
(朝陽) よろしくお願いします。
♪~
♪~
(キーボードを打つ音) (奏奈) ハァ~!
(蒼) いつも ありがとうね 奏奈ちゃん 就活だってあるのに。
(初音) ホントなら バイト代 出さなきゃだよね。
(奏奈) ううん いつも小野田さんに→
お弁当とかジュースとか おごってもらってるし。
それに こういうのって 社会に出た時 役に立つでしょ?
も~う メリットしかないよ。 (初音) ありがとね。
いや~ 朝陽君に感謝だね。
お姉ちゃんを玉響に 引っ張り込んでくれたおかげで→
私も いい経験 いっぱいさせてもらってる。
(初音) うん そうだね。 (蒼) おっ!
もう 「いいね」ついてる。 >> えっ? ホントだ!
朝陽君の人気 すごいな~。 (蒼) うん。
♪~
(朝陽) 9小節 しっかり pに落として。
もう一度。
♪~
(朝陽) ただ音量を落とすだけでは ダメです。
もっと繊細に ロマンチックに。
♪~
(朝陽) 弦楽器 Aのピッツィカートを もっと合わせて。
もう一度。
(弓香)\疲れた…/
(玲緒) でもさ どんどん 良くなってる気がしない?
(みどり) 何か 高階に 勝てる気がしてきちゃう。
いけますかね? (ヨーゼフ) いけちゃうでしょ~!
\ハハハハ!/ (みどり:玲緒) いける!
(朝陽) さっきの9小節からの部分 もっとリードして→
音楽のうねりをつくってください まだまだ良くなるはずです。
(初音) 分かりました! (朝陽) よろしくお願いします。
何ですか? (初音) あっ 他にも何かあれば。
(朝陽) 今日のところは大丈夫です。 (初音) 時間たっぷりありますし→
遠慮しなくていい…。 (朝陽) お疲れさまでした。
初音さん ガッツあんな~。
(土井)\あの… 谷岡さん/
(土井) お話ししたいことが…。
実は ずっと気になっていることが ありまして…。
本宮議員が…。
(本宮)〔常葉マエストロも 近々 高階フィルに来ますから〕
(初音) 高階って… そんなわけないじゃないですか!
僕も そう思ってました 向こうが一方的に→
マエストロ殿を 欲しがっているだけだと。
ですが この前…。
(土井の声) 本宮議員と一緒にいるところを 見てしまったんです。
迎えに来ていたのは 高階会長の秘書です。
(初音) こけら落としの打ち合わせとか?
小野田さん抜きで 敵陣まで出向いて→
何を打ち合わせるんです。
マエストロ殿 僕たちを置いて→
高階に行ってしまうなんてこと ないですよね?
(初音) あり得ないですよ。
高階には いい印象ないみたいだし。
今 常葉さんの頭の中は→
玉響をレベルアップさせることで いっぱいだし。
そうですよね。
僕の考え過ぎですね。
すみません。 (初音) いえ 何かあったら いつでも。
(土井) はい。
♪~
“チャイ5”って いいっすよね。
いろんなパートが順番に メロディー 担当するじゃないっすか。
(初音) うん 常葉さんも言ってたよね。
みんなが主役になる曲だから うちのオケにぴったりだって。
うん。
いつも俺たちに必要な曲 選んでくれてんすよね。
何か 言い方きつくて ムカつく時もあるけど→
やっぱ あの人 マジすごいっす。
(初音) ハハハ… うん。
(朝陽) 4楽章の出だしは→
この交響曲全体が 凝縮されてるんです。
循環する主題が 16小節で表現されてる。
(初音) だから うねりが大切なんですね。 (朝陽) ええ。
あと プレストからは テンポに ほだされがちなので→
低音楽器をよく聴いて リズムを正確に。
ファゴット トロンボーン チェロ バス。
近いな。 (初音) 気のせいでは。
(朝陽) いや 近いだろ。 (初音) あっ ソファが小っちゃいんだ。
(朝陽) 空いてます。 (ノック)
(小野田) 朝陽さん ちょっといいですか?
(朝陽) ああ。
(初音) チェっ。
📱(振動音)
📱(振動音)
(初音) えっ…。 📱(振動音)
(朝陽) どうしました? (初音) あっ いえ…。
(朝陽) では 先ほどの注意点 よろしくお願いします。
(初音) はい。
♪~
(朝陽)〔僕は 君が思っているような 人間じゃ ない〕
📱(振動音)
♪~
(初音) 彰ちゃん もう こっち来てたんだね。
(三島) 前日ゲネもあるし 早めにと思ってさ。
(三島) オケのみんなにも せっかちだってツッコまれたよ。
(初音) ハハハ…。
高階の人たちと仲良くなったんだ。
うん 初音のおかげ。
(初音) ヘヘっ。
(初音) ねぇ 彰ちゃん。
常葉さんが高階行くってうわさ 聞いたことある?
えっ?
それはないでしょ。
だって 常葉さんって→
こけら落としが終わったら ドイツに帰るんじゃないの?
(初音) だよね。 (三島) うん。
いや あの人 すごいよな。
父さんが若手の指揮者 褒めることなんてめったにないし。
(初音) お父さんとの共演は どんな感じ?
うん…。
別格過ぎて 失望されないか冷や冷やする。
(初音) 彰ちゃんでも そんな心配するんだ…。
俺のヴァイオリンって→
どんなふうに 聞こえてるんだろうって…。
父さんには 人の意見なんか 気にするなって言われたけど→
俺 小さい頃から人の評価ばっかり 気にしてきたからさ。
やっぱり それってダメなのかな。
(初音) 全然ダメじゃないと思う。
彰ちゃんぐらい テクニックがある人なら→
「どうだ 俺 すごいだろ!」って なっても おかしくないのに→
彰ちゃんは まず→
聴く人が どう受け止めるかを考える。
それって 優しいってことだよ。
優しくてカッコいい。
彰ちゃんの持ち味なんだと思う。
持ち味か…。
自分には そんなものないと思ってた。
(初音) あるから みんなに愛されてるんじゃない?
ありがとう。
(常葉) お前… 本気なのか!?
(朝陽) ああ。 (常葉) 何で そんな勝手なこと!
(朝陽) 散々 勝手なことしてきたの どっちだよ!
(常葉) ダメだ…。
絶対にダメだ! 後悔するぞ!
(朝陽) これは僕の問題だ。
♪~
(朝陽) いいと思います。
先ほどの前日ゲネも いい仕上がりでした。
あしたの本番も この調子で お願いします。
(小声で) 練習で笑ったこと あったっけ?
(小声で) ない 初めて。
(朝陽)“チャイ5”は運命と闘い→
輝かしい勝利を手にするまでを 描いたシンフォニーです。
あしたは 堂々と→
誇りを持って→
玉響の音楽を聴衆に届けましょう。
(足踏みの音) (拍手)
(朝陽) 9小節からは…。 (初音) うねりを大切に。
(朝陽) 4楽章のプレスト以降…。 (初音) リズムを正確に。
低音楽器の音をよく聴くこと。
(朝陽) プレストからモルトメノモッソへ 変わるところは すごく重要です。
ここで確実にテンポをつかめば→
最高のフィナーレを 完成させることができる。
彼らが経験したことのない高みへ 連れていけるはずです。
(初音) 分かりました。
あ~ 楽しみだな~!
(朝陽) あした よろしくお願いします コンマス。
(初音) はい。
♪~
(チャイム) (初音) はい。
え~! お父さん お母さん!
(丈雄) おはよう! (祥子) 来ちゃった。
(蒼) あっ どうも。 (奏奈) え~ ちょっと早くない?
目 覚めちゃったから 始発で来た。 (奏奈) え~!
お父さん 張り切っちゃって。
もう ごはん食べた? (初音) ううん まだ。
ミートボールサンド 作ってきたよ。
(初音) やった~! 「頑張れごはん」だ~! >> ありがとうございます。
(初音) ありがとう!
(小野田) おはようございます。 (常葉) おはよう。
えっ? あれ? 朝陽さんは…。
(常葉) 小野田 すまない。
♪~
(本宮) 会長 おはようございます。
(高階) 今日は よろしくお願いします。
実行委員長さん。 >> はい。
2023年4月8日 西さいたまシンフォニーホール→
オープニングセレモニー→
テープカットです。
それでは どうぞ!
(スピーカー)♪~ (拍手)
(かおり) あの辺が高階のお客さんだね。
(かおり) で あっちが 三島彰一郎のファン。
(カメラマン) やっぱ人気あるな。 (女の子) お母さ~ん!
へぇ~。
(高階) 三島君のファン たくさん来てるわね。
地元の方も多そうでしたよ 玉響は西さいたまで→
地道にファンを 増やしてきたみたいですから。
ふ~ん。
会長は 玉響の演奏は 聴いたことありますか?
ないわ。
聴いたら 好きになるかもしれませんよ。
♪~
(常葉) あぁ… どうも。
(高階) 改めまして 本日は おめでとうございます。
(常葉) このたびは こんな立派なホールを 建てていただいて→
ありがとうございます。
今 三島君から玉響の話を 聞いてきたところです。
良いオケに育てられたようで 優秀なご子息ですね。
(常葉) とんでもありません。
困ったヤツです。
玉響への愛が深くて。
では。
(祥子) 玉響が先に演奏するのね。 (丈雄) うん。
確かに実力差で考えたら 後攻は不利だからなぁ。
\審査員席は こちらです/
(祥子) あっ…。
有名人いる。 (丈雄) ん?
(祥子) ほら あの人 ヴァイオリンの。
ホントだ すごいな!
ただ今 本番直前の楽屋に 潜入中で~す!
穂刈さん みどりさん いかがですか? 今のお気持ちは。
えっと ワクワクしてます!
(穂刈) いつも通りに 楽しみたいと思います。
あっ あっ…! 奏奈ちゃん ねぇねぇねぇ…!
今日 寝坊した人で~す!
(藤谷) 余計なこと言うなっつうの。 >> 全然起きないの ホント。
(初音) あ~~ 緊張してきた~。
>> 初音さん 「トイトイトイ」ですよ。 (弓香) 何それ?
(土井) ドイツに伝わる おまじないの言葉です。
「きっとうまくいく」 といった意味があり→
舞台に出る前に よく使われます。
魔よけの言葉という意味では 日本でいうところの「くわばら…」。
(ヨーゼフ) じゃあ みんなでやろうよ >> 「トイトイトイ」!
(土井) まだ説明が終わっていませんが。
(蒼) やります? みんなで「トイトイトイ」。
本番が楽しみですね~! 間もなく開演です!
(ノック)
朝陽。
ねぇ 朝陽は?
(初音) 指揮者の控室に。 >> いないの 来た形跡もない。
(初音) えっ!
📱(音声ガイダンス) ただ今 電話に出ることができません。
(初音) ダメだ 全然つながらない。
ロビーの方も見てきたけど どこにもいません。
ハァ…。
(常葉) 皆さん→
今日 朝陽は来ません。
(初音) えっ…。
(高階) 結局 あなたのもくろみ通りに なったわね。
(本宮)〔定期演奏会 残念でした〕
〔ついに玉響も解散ですか〕
〔どうぞ〕
♪~
(朝陽)〔高階フィルの 常任指揮者のお話→
お受けします〕
〔本当に?〕
〔きっと あなたは そう言って くださると思ってましたよ〕
(朝陽)〔その代わり お願いがあります〕
〔何?〕
(朝陽)〔こけら落とし公演に 玉響を 出演させていただけませんか?〕
〔予定通り 対決して→
フェアな審査を してほしいんです〕
〔そう簡単に決定を覆すのは…〕
(朝陽)〔僕は指揮台には立ちません それでいかがでしょう〕
〔対決はするけど あなたは振らない…〕
〔どういうこと?〕
(朝陽)〔最後の1曲は僕が仕上げて→
谷岡初音が振ります〕
(常葉) バカな息子で 本当に申し訳ありません!
(初音) それで あんなに…。
♪~
マエストロは今 どちらに?
(常葉) 自宅で 玉響の勝利を祈ってます。
どうして そんな…。
(常葉) あいつは 皆さんに このオケで 玉響で→
音楽を続けてほしかったんだと 思います。
でも 常葉さんがいないのに 演奏なんて…。
コンマスがいれば できねえわけじゃねぇけど…。
確かに指揮者のいないオケも 存在します ですが…。
(玲緒) 常葉さんだって 振りたかったに決まってる。
(弓香) でも 私たちのために→
犠牲になってくれた ってことだよね。
その気持ち 無駄にしちゃいけないのかも。
でも…。 >> もう時間がないよ!
(かおり) あと20分。
どうされますか?
我々はコンマスの判断に従います。
(蒼) 初音さん!
(ノック)
(光太郎) はい。
(初音) 突然 すいません!
どうしたの?
(初音) ハァ ハァ…。
高階のマエストロが 演奏順の変更を許してくれました。
常葉さんを迎えにいってきます!
(一同) えっ…。
(初音) 確かに私は 曲の解釈も表現も たたき込まれました。
常葉さん抜きでも→
昨日と同じ演奏する 自信はあります。
でも 今日は昨日と同じじゃ ダメなんです。
何が何でも 常葉さんに振ってもらいます。
(小野田) 待ってください。
今 コンマスまで 不在になるのは…。
じゃあ 僕が行きます。 (初音) 大丈夫 私が行く。
高階の演奏が終わるまでに 必ず連れてくるから。
でも…。
朝陽を説得できるのは 谷岡さんだけだと思う。
(玲緒) はつねっち お願い。
後は こっちでやるから。
(初音) はい!
♪~
演奏順の変更?
はい 高階フィルさんには 了承頂いてます。
(本宮) 何でまた?
あぁ~…。
何か またトラブルですか。
ほとんどのトラブルは あなたの仕業ですけどね。
許可できませんねぇ。
演奏はプログラムの時間通りに 行います。
玉響は1時 高階フィルは2時。
定刻に開始できなければ→
玉響は棄権ということで。
でも コンペは今回の目玉ですよね 片方だけしか出ないというのは。
勝敗は最初から 決まりきってるでしょう。
負けるとこ さらさずに済んで よかったんじゃないですか?
(藤谷) あぁ!?
(三島) じゃあ 2時までの1時間は→
ただお客さまをお待たせする ってことですか?
それは公演として どうなんですかね?
対決を見にきたお客さまは がっかりするだろうし→
こけら落としは失敗だった ってことになれば→
実行委員長の本宮さんは→
責任を問われるんじゃ ないですか?
それは…。
市民からの信頼も 失ってしまうかもしれませんね。
(光太郎) おっ! ここにいたか。
順番が変わったんだってな 行くぞ。
(小野田) このたびは無理を言って 申し訳ございません。
お気になさらずに。
玉響さんの演奏 楽しみにしてますよ。
行くぞ。
カッケェ…。
必ず2時に スタンバイしてください。
1分でも遅れたら 棄権と見なします!
初音ちゃん 頼んだよ~!
(康子) 何かあったの?
(チューニングの音)
(ざわめき)
何で高階が先になったんだ?
(拍手)
(戸を開ける音) (初音) 玉響の谷岡と申します!
ハァ…。
お邪魔いたします!
失礼します。
失礼します。
♪~
(初音) ハァ ハァ ハァ…。
ハァ…。
(初音) 常葉朝陽 確保!
遅刻するマエストロなんて 聞いたことないですよ。
(朝陽) 何してるんですか! もう開演の時間ですよね!?
(初音) はい その通りです ですから お迎えにまいりました。
(朝陽) 早く戻れ!
何のために ここまでやってきたと 思ってるんだ!
(初音) それは こっちのセリフです! (朝陽) 戻れ!
(初音) 常葉さんと一緒じゃなくちゃ 戻りません!
(朝陽) 谷岡さん!
(初音) 演奏順は変更しました 2時までに戻れば間に合います!
(秒を刻む音)
(朝陽) ハァ…。
ハァ ハァ…。
分かってください 僕は振れない。
(初音) 何でですか! (朝陽) 玉響を守るためです。
僕のミッションは 4か月で玉響を→
あのホールにふさわしいオケに することでした。
三流以下のポンコツだった彼らは 見違えるほどに成長しました。
あとは君さえいれば大丈夫 そう判断しました。
(初音) 勝手なこと言わないでください!
(朝陽) じゃあ 君は 玉響がなくなっても いいんですか?
(初音) 嫌です そんなの! (朝陽) 僕だって同じです!
彼らには ずっと この場所で 音楽を続けてほしい!
今 僕が舞台に行けば せっかく ここまできた→
彼らの未来を 奪うことになるんです!
(初音) でも…。
(朝陽) 谷岡さん。
君が振ってください。
(朝陽) 玉響のためです。
お願いします。
(初音) 一つだけ条件があります。
(初音) せめて近くで 見守ってくれませんか。
玉響の晴れ舞台 見届けてください。
あなたには その責任があると思います。
(秒を刻む音)
(初音) 常葉さん!
(秒を刻む音)
♪~
(拍手)
(初音) あぁ! ハァ ハァ…。
(朝陽) ハァ…。 (初音) ハァ…。
控室は4階の一番奥です!
(2人) えっ?
(朝陽) えっ?
📱(初音) すいません 間違えました! 2階の奥です!
(朝陽) おい…。
(初音) 常葉さん! こっちです!
(朝陽) ハァ… ったく!
♪~
(鍵を掛ける音)
(朝陽) おい! 何してんだ! (ドアをたたく音)
(初音) やっぱり無理です! (朝陽) はぁ?
(初音) みんなも常葉さんが振らないなら 出ないって言ってます。
(朝陽) ふざけんな! (係員) あの…。
(係員) 玉響さん そろそろスタンバイを…。
(朝陽) はい。
(ドアをたたく音) (朝陽) 出てこい 早く!
(初音) じゃあ 一緒に演奏してください! (朝陽) とにかく開けろ!
(初音) 出るって言ってくれるまで 開けません!
(朝陽) いいかげんにしろ! 舞台に穴開けるつもりか!
(初音)\だったら一緒に 出ればいいじゃないですか!/
(朝陽) さっきの話 聞いてなかったのかよ!
(初音) 聞いてましたよ! でも 1ミリも納得してません!
(朝陽) はぁ? (初音)\常葉さん 言いましたよね/
「政治なんかに振り回されるな→
ただ音楽と向き合うことだけを 考えろ」って。
\私たちに あんな説教しといて 自分は何なんですか/
振り回されてるのは 常葉さんの方じゃないですか!
(初音)\分かってます 私たちのために してくれたことだって/
でも…→
今夜 死ぬかもしれない→
これが人生最後のステージ かもしれない。
だったら 今日 この舞台は→
あなたに振ってもらわないと 困るんです!
(鍵が開く音)
♪~
お待ちしていました マエストロ。
♪~
(初音) もう 一人で抱えないでください。
私たちは→
オーケストラです。
♪~
(初音) 最初は みんな言ってました。
うちの指揮者は偉そうで→
不機嫌で怒ってばっかりで 練習来ると胃が痛くなるって。
それでも みんな あなたについてきたんです。
悪魔みたいな毒舌でも→
冷血漢でも 鉄仮面でも。
誰よりも大きな愛で→
私たちを ここまで連れてきてくれた→
常葉朝陽がいいんです。
あなたじゃなくちゃ ダメなんです!
朝陽さん。
(朝陽) フゥ…。
(高階) 常葉さん どうして?
(朝陽) 僕に振らせてください。
>> はぁ? (朝陽) ルール違反なのは分かってます。
でも 最後に この舞台だけは やらせてください。
お願いします。
(一同) お願いします!
まるで私が悪者みたい。
あなた方 もういいかげんにしてください!
いいわ。
聴かせてもらいましょう。
常葉朝陽率いる児玉交響楽団が→
どんな音楽を奏でるのか→
興味が湧いてきました。
(朝陽) ありがとうございます!
早く準備を。
(康子) 間に合った!
えんび服 持ってきたわよ!
♪~
(初音) 急ぎましょう。
(ざわめき)
(小野田) じゃ 皆さん お願いしま~す!
(小野田:小声で) 頑張って!
(初音) 逃げないでくださいよ。
大丈夫です 見張ってますから。
(初音) ヘヘヘ…。 (小野田) ヘヘっ…。
♪~
(拍手)
(チューニングの音)
(拍手)
すごい…。
♪~
♪~
(拍手)
(常葉) ブラボー! (拍手)
(拍手)
\フゥ~!/ (拍手)
\ブラボー!/ (拍手)
(拍手)
(光太郎) 玉響さん すごかったな~!
いや~ 大したもんだ。
審査結果 聞いていかないの? >> えっ?
フライトに間に合わないんでな。
父さん。 (光太郎) ん?
俺 ちょっと分かった気がする。
まずは 自分で自分を 褒めてやろうって思う。
それだ。
大事なのは お前さんが→
自分自身の音に 納得してるかどうかだ。
うん。
人は勝手に いろんなことを言う。
時には ひどくけなされたりな。
父さんでも?
ああ しょっちゅうだよ ボロクソだよ!
そっか…。
だけどな→
お前さんを 求めてくれる人たちがいる。
お前さんに拍手を送ってくれる オーディエンスがいる。
それが全てだ。
うん。
一緒にできて楽しかった。
またな。
お疲れさん。
大変お待たせいたしました。
たった今 審査の結果が届きました。
私も中身は知らされておりません。
審査員票を4票 観客投票を1票として→
計5票の多数決で 勝敗が決まります。
それでは 集計の結果を発表いたします。
まずは審査員票です。
高階フィル 2票。
(ざわめき)
(本宮) 児玉交響楽団 2票。
続いて 観客投票の得票数です。
こちらの結果で勝敗が決まります。
高階フィル 1002票。
\お~/
(本宮) 児玉交響楽団…。
1007票。
勝者は…→
児玉交響楽団です。
(拍手と歓声)
(初音) やった! (拍手)
あっ!? あ~! (拍手)
(拍手)
お… おめでとうございます。 (拍手)
(常葉) 玉響 存続だ! やった~! (拍手)
(常葉) やった~! (拍手)
(拍手)
(初音) やったよ~! (拍手)
(拍手)
よかった ホントによかった!
舞台の上にいる初音見たら 何かさ もう…。
(初音) アハハ…。
長いこと心配かけてごめんね もう大丈夫。
初音 ヴァイオリン 好き?
(初音) うん 大好き。
ハハハ…。
おっ ありがとう オーケストラ どうだった?
楽しかった! >> ハハハ… そっか。
(亜美) ほら お父さん。
(浩一) はい。
なかなか よかった。
ありがとう。
(玲緒) もう1枚。 (藤谷) もういいんじゃねえ?
笑って はい! 分かったよ。
お~ 撮りましょうか? >> あっ ホント?
あれ? 自分も入るんだ。 >> ねぇ 何で 何で?
(ヨーゼフ) レイちゃんね 今度は→
穂刈さんのミュージックビデオ 作りたいんだって!
えっ… 僕の? (礼) はい ぜひ お願いします!
うわ~! 夢のコラボ 胸熱です!
(恵子) 息子が 大変お世話になっております。
いえいえ 蒼君のフルート とってもステキでした。
お父さんは? >> あっ 帰った 仕事あるって。
元気になってよかったね。
話はできた? >> うん。
「次は いつやんのか また教えろ」って。
それ めっちゃ うれしいやつじゃん!
よかったね! (丈雄) そこ そこ→
付き合うなら ちゃんと報告するように。
(恵子) えっ! そうなの?
いや そんなんじゃないから。 >> ホントに?
うん そんなんじゃないよ 今のところは。
(初音) えっ 今のところ? えっ!?
>> えっ? (丈雄) え~!?
いや 君…。 (初音) ハハハ…!
ホントに もう…→
最後まで ハラハラさせるんだから~。
(朝陽) ごめん。
おめでとう。
あなたは私たちの…。
この町の誇りよ。
玉響の皆さん 集まってもらっていいですか?
♪~
心に響く演奏でした さすがですね。
(常葉) 息子が振るのを許していただいて ありがとうございました。
ご本人が言いだして ご本人が撤回した。
それだけのことです。
(常葉) ところで 息子が高階フィルに行く って話なんですけど→
まぁ 約束しちゃったわけですから→
行かないとダメなんですよね?
ええ そうですね。
(常葉) ハァ…。
彼が 振りたいと思う オケになれた時に→
ぜひ来ていただきたいと 思っています。
いつになるかは分かりませんけど。
(常葉) えっ それって…。
♪~
(黒木) どうするんです? >> 帰って次の手を考えます。
そうだ! 市長は女性関係とか どうなってるんですかね?
(白井) 奥さまとラブラブと 聞いてますが…。
調べてください! どっかでボロが出るはずだぞ~!
さっきの曲…→
チャイコフスキーの何番 って言ってましたっけ?
あぁ… 5番だったかと。
そうですか…。
行きましょう。
笑顔 お願いしま~す! (一同) イェ~イ!
(カメラのシャッター音) (かおり) 笑顔でお願いしま~す!
\フゥ~!/ (カメラのシャッター音)
(かおり) OKです! ありがとうございました!
(拍手)
(ヨーゼフ) おっ マエストロ! ツーショット撮ろうよ!
朝陽 ホントに変わった。
📱(カメラのシャッター音)
谷岡さんのおかげかな。 (初音) えっ?
♪~
(初音) 私 人生で 今日が一番幸せな日です。
(朝陽) 一つ いいですか?
(初音) はい 何でしょう?
(朝陽) 僕は冷血漢でも 鉄仮面でもありません。
(初音) うわっ まだ根に持ってる。
(朝陽) 事実に反することを 訂正しているまでです。
(朝陽) もう一つ 訂正が。 (初音) まだあるんですか?
(朝陽) 玉響をここまで 連れてきてくれたのは→
谷岡さんです。
僕一人では成し得なかった。
ありがとう。
(初音) 私も→
音楽の世界に連れ戻してくれて ありがとうございました。
せっかくだし もっと先までいってみます?
(朝陽) えっ? (初音) 市長から聞きました。
高階行きは なくなったって。
(朝陽) あぁ…。
(初音) 常葉さん 高階行くつもりで→
ドイツでのお仕事 断ってたんですよね?
ってことは しばらくは玉響に いてくれるってことですよね?
いつまで? いつまで一緒にいれるんですか?
あっ! (朝陽) あぁ!
ハァ…。
帰りましょう。
(初音) はい。
あっ! もしかして ずっと一緒とかですか?
(朝陽) はい?
(初音) 一緒なら絶対楽しいですよ!
今より もっと楽しくなると思うなぁ!
どうですか? (朝陽) ハァ…。
考えておきます。 (初音) やった~!
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