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Original subtitles

♪~

(初音)〔彰ちゃん!〕

(三島)〔初音 優勝おめでとう〕 (初音)〔彰ちゃん すごかったね!〕

〔彰ちゃんの音 すっごくキレイだった〕

〔パ~って お花が咲いたみたいで〕

〔お花?〕

(初音)〔彰ちゃん 宇宙で一番カッコよかった!〕

(祥子)〔はい 写真撮るよ〕

〔はい チーズ!〕

〔カメラのシャッター音〕

(小野田) テレビの件は 谷岡さんのお気持ち優先でと→

朝陽さんも言ってたので。 (初音) はい。

(常葉)\うちのコンマスはね 天才ヴァイオリン少女だったんだよ/

今度のテレビ出演で も~っと有名になっちゃうな!

(本宮) ほ~う それは楽しみですねぇ!

(常葉) ハハハ…。 (本宮) ハハハ…。

ハハハ…。

お~! うわさをすれば 救世主のお出ましだ。

(常葉) 谷岡さん 今回はありがとね!

(初音) へっ? いえ あの…。 (本宮) 大変ですね→

市の職員なのに あちこち引っ張り回されて。

体よく利用されないように 気を付けてくださいね。

では。

(常葉) あんなの気にしなくていいから。

いや~ しかし 全国ネットのテレビだなんて→

最高だね! >> あの 市長 まだ それは…。

(常葉) え~? 出るでしょ? 全国ネットだよ?

出るよね?

(初音) はあ…。

>> ホントにいいんですか? (初音) 広く玉響を知ってもらうのは→

広報の役目でもありますから 頑張ります!

谷岡さん これを機に 一つ ご相談があるんですが。

(初音) はい。

正式に 玉響の団員になりませんか?

(初音) えっ? (小野田) 4月のコンペに勝って→

存続が決まればの話ですが。

その時点で また ゆっくり考えていただければ。

(初音) はい。

♪~

(蒼) じゃあ 15小節目から やってみよう。

📱(生徒) はい。

📱♪~

(初音)〔うわっ!〕

〔初音さんが好きです〕

(初音)〔へっ?〕

📱(生徒) 先生?

あっ ごめん えっと…→

じゃあ 15小節目から もう一度 やってみよう。

(奏奈) えっ! それって→

岩田ちゃんとモリスケさんが 出てるやつでしょ?

(初音) うん 何か そういうことになっちゃって。

え~! すごい すごい!

いや~ バレンタイン・ガラも 好評だったし→

いい流れ 来てるよね~。

(湯が沸く音)

(火を止める音)

📱(三島)〔谷岡初音さんです〕

📱〔彼女は100年に1人の 天才なんです〕

♪~

(奏奈) あっ お姉ちゃん。

餃子包むの手伝って。

(初音) うん 手 洗ってくる。 (奏奈) うん。

♪~

(ドアが開く音) (奏奈) あっ お疲れ~!

あっ そうだ 蒼君。 >> ん?

蒼君も餃子 一緒に作ろう! ほい!

(蒼) 俺 餃子包むの初めてかも。 (奏奈) えっ マジか。

(チャイム) あっ ごめん 蒼君 出て?

おう。

えっ?

(2人) ジャ~ン!

(祥子) えっ…。

(丈雄) えっ 君は誰? あっ いや あの…。

(初音) え~!? お父さん お母さん! >> 何で!

(祥子) 何か不便なことない? うち 古いから。

いえ 全然 ホントに感謝してます。

聞いてないよ? 女の子2人の家に下宿ってさぁ。

えっ それって 蒼君に出ていけって話?

そうは言ってないけど…。 >> すいません。

謝ることないから。 >> 困っている人がいたら助ける。

いいことじゃない ねぇ。 (奏奈) うん。

さぁ 食べて食べて お父さんの餃子→

おいしいでしょう? はい うまいっす!

(初音) それより 何で突然来たの?

野菜 持ってきたかったし 2人の顔も見たかったし。

(丈雄) 3人いるとは 思わなかったけどね。

役所の仕事とオケと 両立するの大変じゃないのか?

(初音) 実は 市役所 辞めて→

正式な団員にならないかって 誘われた。

>> マジっすか? (祥子) えっ どうするの?

(初音) まぁ 今すぐって話じゃないし ゆっくり考えていいって。

お姉ちゃん ゆっくり考えること いっぱいあって大変だね~。

(せき込み) ん! そうそうそう→

お姉ちゃん 今度 テレビ出るんだよ。

“マッシュ”って朝の番組。 (祥子) えっ “マッシュ”?

(奏奈) うん メインのゲストは 彰ちゃんで→

お姉ちゃんは幼なじみってことで 特別出演するんだって。

初音 岩田ちゃんに会えるのか! >> え~ すごいじゃない!

ご近所に知らせなきゃ。 (初音) そんな大げさにしないでよ~。

でも 何で三島さんは 初音さんに声かけたんですかね?

(奏奈) そりゃ お姉ちゃんの復帰を→

応援してくれてるからでしょ。 >> あぁ…。

(初音) ごちそうさまでした。 (祥子) えっ もういいの?

(初音) うん お腹いっぱい おいしかった。

じゃあ 練習いってくるね~。

(丈雄) この時間から また練習か。

“チャイコン” うまく弾けなくて 苦戦してるんだよね。

えっ あんなに得意だったのに?

やっぱり あの時のこと 引きずってるのかな…。

いろいろネットで 言われてたみたいだけど→

あれ 大丈夫なのか?

もしかして それで心配して来たの?

まぁね。

まだ乗り越えなきゃいけないこと 残ってたか…。

♪~

〔ざわめき〕

♪~

〔何しに戻ってきたの?〕

(初音)〔彰ちゃん…〕 >> 〔まさか→

ヴァイオリン 取りにきたとか?〕

〔もう必要ないだろ〕

〔初音は今日 全部 台無しにしたんだよ〕

〔大事にしてきた ヴァイオリンも→

俺の父親が指揮する 日本一のオケも→

2000人の聴衆も全部!〕

〔どれだけ無責任なことやったか 分かってる?〕

〔お前に ステージに立つ資格はない〕

〔もう二度と→

プロを名乗るな〕

♪~

📱(振動音)

(朝陽) はい。

分かりました 聞いてみます。

(本宮) 谷岡初音→

ここのとこ 随分 話題になってます。

(高階) そう。 (本宮) 三島彰一郎は→

何で彼女を テレビに誘ったんでしょう?

玉響の宣伝などされたら こっちが不利になるのに。

(高階) そんな お人よしでは ないでしょう。

(カメラのシャッター音)

\OKです/ \お疲れさまでした!/

\ありがとうございました!/ (大塚) お疲れさまです。

(大塚) 谷岡初音 出るってよ。

そう…。

📱(振動音)

父さん どうしたの?

(初音)\お父さん 料理の腕 上がったよね/

今はね スクランブルエッグに 凝ってんの。

これね 簡単そうに見えて 奥 深いんだよ。

蒼君 付いてる ここ。 >> どこ?

あぁ… いい… ちょっと待って 待って…。

フッ… ハハっ。

(初音) あっ! もう こんな時間! 行かなきゃ! >> あっ ホントだ!

(祥子) あっ いいよ 大丈夫 大丈夫 そのままで。

(初音:蒼) いってきます! (奏奈:祥子) いってらっしゃい!

あの~ 奏奈 あれ? あの~…→

蒼君とは そういう あの…。

はぁ? んなわけないじゃん!

あぁ…。

そうなら よかったんだけどね~。

(玲緒) ねぇ ねぇ ゆみっち ちょっと来て。

(玲緒) これ 見て。

ネットのうわさって たち悪いな。 (弓香) ホントだ。

(みどり) 初音ちゃん これ 見ちゃったかな?

(蒼) おはようございま~す。 (初音) おはようございま~す。

(3人) おはよう。

(ヨーゼフ) ねぇねぇ 初音とは どうなったの?

今は そういうモードじゃないんで。

えっ! ぼんやりしてたら 誰かに持っていかれちゃうよ。

(玲緒) えっ テレビ 決めたの?

(初音) はい。 (みどり) 大丈夫?

(初音) えっ 何でですか?

初音ちゃん 目立つの苦手かなって…。

(初音) 広報ですから。

(玲緒) う~ん…。

(チューニングの音)

(朝陽) おはようございます。 (団員たち) おはようございます。

(朝陽) 定期演奏会でやる 交響曲を決めました。

小野田。 >> はい。

(朝陽) ベートーヴェンの“運命” 皆さん やり慣れてますよね?

(土井:小声で) “チャイコン”と“運命”。

なかなかハードな 組み合わせですね。

ハッ!

すごい…。

(朝陽) オーボエ首席 もっと伸びやかな音で。

1人で もう一度。

♪~

(穂刈) すいません さらっておきます。

(朝陽) お願いします。

\“チャイコン”は いつ合わせられそうですか?/

(初音) 今週中には。

(朝陽) 分かりました。

ところで 今夜は空いてますか?

(初音) えっ? 空いてますけど…。

(朝陽) 食事に行きませんか? (初音) えっ…。

(朝陽) 高階組の会長からのお誘いです。

(初音) えっ!? (朝陽) 高階会長と→

高階フィルで 指揮をすることになった→

三島光太郎氏と 僕と→

3人で会食する予定でしたが→

会長があなたと 三島彰一郎にも ぜひ来てほしいと。

(初音) はぁ…。

(朝陽) 谷岡さんにとっては後ろめたい メンバーでしょうから→

断っても構いませんが。

(初音) いえ 行きます。

♪~

(初音) あの~ この車は…。

(朝陽) 小野田が親父につかまって→

今夜は 公用車が出せないそうです。

嫌なら降りていただいても。 (初音) いえ そんなことは。

ってか 常葉さんって→

お付き合いの食事会とか 行くんですね。

(朝陽) 普通に行きますよ ドイツにいた頃も→

よく行っていました。 (初音) へぇ~ 意外。

(朝陽) 日本人指揮者が海外でチャンスを つかむためには顔を売るしかない。

プロなら当然のことです。

何もしないでも 欧米で通用する日本人は→

三島光太郎ぐらいです。

(初音) でも 常葉さん 高階のことは…。

(朝陽) 今日は その三島光太郎が来ますから。

(店員) いらっしゃいませ。

えっ? (初音) あっ…。

彰ちゃん。

えっ 何で…。

(光太郎) \おぉ! もう来てたのか/

(三島) 父さん… えっ 2人じゃないの?

(光太郎) いや みんなで 食事会って言ったろう。

聞いてないよ。 (光太郎) 常葉君 谷岡さん→

お会いしたかった。 (朝陽) こんばんは。

皆さん おそろいですね じゃ まいりましょう。

(光太郎) 行くぞ。

今夜は日本のクラシック界を けん引する皆さまと→

ご一緒できて光栄です 楽しい時間にしましょう。

乾杯。 (一同) 乾杯。

(初音) あの…。

改めて お詫びをさせてください。

10年前 ステージを投げ出して→

大変 ご迷惑おかけいたしました。

あのステージに どれだけの人が 力を注いでいたのか→

今なら理解できます。

ホントに とんでもないことを してしまって→

申し訳ありませんでした。

頭を上げて。

仕方ないわ まだ お若かったんだもの。

(光太郎) そうそう こっちは 何とも思ってないんだから。

さぁ 座って 座って。

(初音) はい。 (高階) 三島さん。

何とも思ってないなら→

なぜ ずっと うちのオファーを 受けてくださらなかったの?

(光太郎) それはね 高階さんが あまりにも恐縮するから。

僕はね 貸しをつくったとか 借りができたとか→

そういうので こう動くのは 苦手なんですよ。

ホントに自由な方。

(光太郎) あっ 常葉君。

去年のゲヴァントハウスの公演 聴かせてもらったよ。

(朝陽) ありがとうございます。

いや~ 実に洗練された いい演奏だったね~。

いや 指揮者にとって 一番 必要なのはね→

オケから いかに いい音を 引き出すかってことなんだ。

そのスキルが 君は ずばぬけてる。

(朝陽) 恐縮です。 (光太郎) いや~ しかし→

ストラヴィンスキーは 掘れば掘るほど→

興味深いよな。 (朝陽) おっしゃる通りです。

指揮者としての彼は 実にドライですよね。

「音楽は…」。

(光太郎:朝陽) 「音楽以外の何も表現しない」。

お~ 分かってるね。 (朝陽) はい。

(光太郎) あっ すいません。

いやね 常葉君は→

これからの音楽界を担う 希望の星だ。

あのバルディを うならせたそうじゃないか。

うちも負けてられないわね。

(光太郎) 谷岡さんの手腕も 大したもんだ。

どうですか? 初めてのコンマスは。

(初音) 難しいです でも オケの皆さんに 助けてもらいながら→

楽しくやってます。

楽しく…。

僕も コンマスは初めてだから→

初音から いろいろと教えてもらわなきゃ。

(朝陽) 彼女は まだまだですよ。

コンマスなのに 団員に助けてもらっている→

…なんて言っているうちは 半人前です。

(高階) 谷岡さんは 市の職員なのよね?

出向が解けたら また お役所に戻られるの?

(初音) 今後のことは まだ ちょっと どうなるか…。

腰掛けでやってるってこと?

(ノック) (店員) お待たせしました。

(光太郎) お~! 来た 来た!

ここのコンソメは 絶品なんですよ。

パリの本店のレシピを 忠実に再現してる。

♪~

(初音) ハァ~…。

全然 食べた気がしない。

(初音) あっ…。 >> フフっ。

そんなに緊張しないでよ。

テレビの件 ありがとう。

(初音) ううん。

オケ 楽しくやってるみたいだね。

(初音) うん 何とか 頑張ってる。

「頑張ってる」?

何も考えずに 楽しく弾いてるだけで→

何度でもステージを 準備してもらえる身分で?

俺は この10年…。

いや ヴァイオリンを 始めた頃から ずっと→

ステージに立つために 必死だったよ。

けど そっちは 周りに甘やかされて→

逃げ出したと思ったら いつの間にか戻ってきて→

今度は田舎のぬるいオケで チヤホヤされてる。

そんな初音が 「頑張ってる」?

冗談だろ。

初音と親父は よく似てる。

無意識に人をいらつかせる 天才だよ。

覚悟がないなら→

こっち 入ってこないでくれないか。

やっぱり→

ステージに立つ資格ないよ お前には。

♪~

(光太郎) いや~ いい夜だったな~。

谷岡さんに また会えてよかった。

簡単に許すんだね。 >> えっ?

いや…。

今夜はマーラーでも聴きながら 眠るか~。

(初音) ありがとうございました。

(朝陽)“チャイコン” よろしくお願いします。

♪~

(祥子) あっ… おかえり。

食事会 どうだった?

彰ちゃん 元気だった?

(初音) うん…。

練習するね。

♪~

♪~

(物音)

(みどり) 今日は一日 “運命”かぁ…。

(初音) すいません なかなか “チャイコン” 合わせられなくて。

そういう意味じゃないよ 焦らなくていいからね。

うん 大丈夫 大丈夫!

(リードを吹く音)

(朝陽) おはようございます。 (団員たち) おはようございます。

(朝陽) 始めます。

♪~

(朝陽) オーボエ首席。

はい。

(朝陽) 次回から 第2奏者と交代してください。

♪~

分かりました。

(朝陽) 新しい首席は 大至急 ソロを仕上げるように。

(河野) はい。

(初音) お疲れさまです。 >> お疲れさまです。

気を使わなくても大丈夫ですよ。

世代交代は当然のことです。

音楽の世界もシビアですからね。

その時々の宿命を 受け入れていかないと。

プロを志した時から その覚悟はできてます。

(初音) 穂刈さんは すごいです。

すいません。

何か 自分が 情けなくなっちゃって。

あまり抱え込まずに みんなを頼ってくださいね。

(初音) これ以上 甘えるわけには…。

♪~

(三島)〔やっぱり→

ステージに立つ資格ないよ お前には〕

♪~

(三島)〔覚悟がないなら→

こっち 入ってこないでくれないか〕

♪~

(蒼) おはようございます! (丈雄) あっ おはよう。

今日はフレンチトーストだよ。

(初音) ごめん 朝ごはん いいや いってきます。

>> じゃあ 僕も。 >> いいよ 大丈夫よ。

(蒼) すいません ごちそうさまでした。

いってきます! (祥子:丈雄) いってらっしゃい。

大丈夫かな?

(チューニングの音)

(朝陽) おはようございます。 (団員たち) おはようございます。

(朝陽) 谷岡さん “チャイコン” 合わせられますね?

(初音) はい。

(朝陽) では 始めます。

♪~

(朝陽) まるで断末魔の叫びですね。

ソリストがそれでは オケも死ぬ。

今日は終わりにしましょう。

(ヨーゼフ) 初音 元気出して 絶対 弾けるから!

誰だって 調子出ない時あるからね。

そうそう 肩の力 抜いていこう きっと大丈夫。

(初音) 大丈夫じゃないです。

全然 大丈夫じゃ ない だって→

1回も弾けてないんです 家でも ここでも 1回も!

皆さん いつも 「大丈夫 大丈夫 できる できる」って→

何を根拠に言ってるんですか?

私が弾けなかったら 皆さんだって困るでしょう。

なのに 何で いつも いつも 私のこと甘やかすんですか?

だから 「田舎のぬるいオケ」とか 言われちゃうんですよ。

>> は? >> ぬるいって?

また随分と辛辣ですね。

(みどり) 初音ちゃん そんなふうに思ってたの?

初音さん 思うように弾けなくて いら立つのは分かるけど…。

(初音) 分かる? 蒼君に何が分かるの?

簡単に言わないで。

天才さまのお気持ちは 私らには分かんないわ。

いや そういう言い方は…。 >> あのさ はつねっち。

自分一人が大変だなんて 思わないでよ。

みんな しんどい思いしてんだよ。

人と比べて落ち込んだり 自分の限界 思い知らされたり→

それでも必死に しがみついてんの!

はつねっちは どうなの?

ホントに これしかないって思いで このオケにいる?

心のどっかで 嫌になったら→

市役所に戻ればいいって 思ってない?

(藤谷) まぁ いったん 頭 冷やした方がいいんじゃね?

(初音) 帰ります。

♪~

(蒼) 玲緒さんが あんな言い方するから…。

(玲緒) けど ケンカ売ってきたのは はつねっちの方だよ?

(藤谷) 言葉が いちいち きついんだよ。

あんたに言われたくないし。

佐々木さんの言うことも 一理あると思いましたけどね。

確かに ちょっと悔しかった。

昔なら 何とも 思わなかったんだろうけど。

このままじゃ ヤダよ。

(弓香) どうすんの?

♪~

ほっといて いいんですか?

朝陽さん!

(ノック)

あっ あの…。

協力していただきたいことが あるんですが…。

えっ! えっ… どうしたんですか?

何なんですか? ついてこないでくださいよ。

(朝陽) 行き先が たまたま同じなだけです。

行き先って…。

(チャイム) (祥子)\は~い/

(朝陽) あっ はじめまして 常葉朝陽と申します。

児玉交響楽団で 指揮者をしております。

あぁ!

いつも お世話になってます。 (朝陽) 失礼します。

(祥子) いや あの…。 (蒼) ちょちょちょ… 常葉さん!

(朝陽) 何で いない。

初音さんは?

今 2階の部屋に すぐ呼んで… ちょっと…。

(蒼) 常葉さん! >> あっ マエストロの方…。

(朝陽) 常葉と申します はじめまして 初音さんの部屋は?

えっと あっ こっちなんですけれども。

(朝陽) 失礼します。 (丈雄) いや…。

(初音) うわっ! な… 何ですか?

(ドアをたたく音) 何してるんですか!

俺なんて もう15年も 入れてもらえてないのに…。

えっ…。

(朝陽) なぜ 練習しないんです?

ふさぎ込んでる暇など ないはずです。

(初音) 帰ってもらえますか。

📱(呼び出し音)

(朝陽) あぁ 小野田 谷岡さんの テレビ出演はキャンセルで。

こんな人に 玉響を名乗られるのは迷惑です。

(初音) 何で勝手に!

(朝陽) そんな状態で出られるんですか?

三島彰一郎と会えますか?

テレビに出れば→

きっと また あらぬ臆測や 中傷にさらされます。

誰に何を言われようが 音楽と生きていく→

…という 覚悟のない人間に務まりますか?

(蒼:丈雄) おぉ…!

(祥子) 2人とも ちょっと手伝って。

(丈雄) えっ いや…。

(初音) どうせ 私は ダメな人間です。

すぐにへこむし 覚悟もない。

プロになる資格なんてないんです。

(朝陽) 今 君は自分が どれだけ失礼なことを言ったか→

自覚してますか?

(初音) 失礼?

(朝陽) 君が自分をおとしめるのは→

君と 君の音楽を信頼する→

全ての人をも おとしめる行為です。

君は3人の団員を この世界に連れ戻した。

僕だって そうだ。

あの時 君の演奏を聴いていなかったら→

今 僕は ここにはいない。

なぜ 自分も 仲間も→

信じようとしないんですか!

資格があるかどうかを決めるのは 君じゃ ない。

ましてや三島彰一郎でもない!

君の音楽に触れた聴衆だけです。

くだらないことに とらわれて→

いつまでも 立ち止まってるぐらいなら→

オケも音楽も 今すぐ やめたらいい。

(ドアが閉まる音)

(朝陽) ハァ ハァ ハァ…。

(朝陽) ハァ…。

(初音) ちょっと待って!

(初音) ハァ ハァ…。

小野田さん さっきの話 なしで。

テレビ 出ます!

(初音) オケもヴァイオリンもやめません。

絶対 やめませんから!

♪~

世話の焼ける人たちだね~。

ねぇ。

♪~

(奏奈)\ただいま~/

(一同) おかえり。

(初音) ごちそうさまでした 練習 いってきます!

(蒼:祥子) いってらっしゃい。

あっ! ミートボール!

「頑張れごはん」だ~! >> 「頑張れごはん」?

うん 運動会とかコンクールとか→

あしたは頑張るぞ~って時に 作ってもらってたの。

谷岡家のスペシャルメニュー。

お母さんが さっき 突然 作ろう!って言いだして。

そろそろ 食べたい頃かな~ と思って。

大丈夫ですか? 緊張してます?

(初音) ちょっとだけ でも大丈夫です。

おはよう。

今日は よろしく。

(初音) よろしくお願いします。

(小野田) 谷岡さん。

ヘヘっ… これ 見てください。

(小野田) 穂刈さんの提案で 昨日 撮ったんです。

ホントは ゆうべ 谷岡さんの お手元に届く予定だったんですが。

(小野田) ご自宅でソロの練習をする際に→

使ってほしいそうです。

📱(朝陽) チャイコフスキー “ヴァイオリンコンチェルト”→

頭から。

📱♪~

📱♪~

📱♪~

📱(みどり) 初音ちゃん どうよ? 全然 ぬるくなかったでしょ?

📱(土井) ぶっちゃけ 過去いちだと思います。

📱(藤谷) こっから もっと 腕磨いて 待ってっから。

📱(団員たち) ハハハ…!

📱(玲緒) そっちも早いとこ ソロ仕上げてよ!

📱(蒼) ほら また そういう言い方。

📱(玲緒) だ… だって 甘やかすなって言うから。

📱(蒼) この際 もう みんなで 甘やかし合いましょうよ。

📱(玲緒) あんた 甘やかしたら また遅刻すんでしょ!

(蒼) いつの話 してんすか! 📱 (団員たち) ハハハ…!

(蒼) 頑張りましょう! 📱 (穂刈) 頑張りましょう!

(みどり) 初音! 📱 (団員たち) 初音!

📱(団員たち) 初音 初音 初音…!

📱(拍手)

📱(小野田) 朝陽さんも 何か ひと言。

📱(小野田) あ~。

(小野田:初音) ハハハ…。

いいオケですよ ホントに。

(初音) あの時も 小野田さん 言ってましたもんね。

〔僕は あのオケが大好きなんです〕

〔谷岡さんも きっと 好きになると思いますよ〕

どうですか? 好きになりました?

(初音) とっくに大好きです!

(モニタ)(岩田) 本日のゲストは 世界で活躍する→

ヴァイオリニストの 三島彰一郎さんです。

(モニタ)(拍手)

(玲緒) カッコいいね~。 (モニタ) おはようございます。

恐らくトークと演奏で15分→

谷岡さんはラスト5分で 登場すると思われます。

じゃあ こちらで お待ちください。 (初音) はい。

(スタッフ) CM明け 5秒前 4・3。

(岩田) それでは三島さんの演奏で >> “チャルダッシュ”。

♪~

♪~

(拍手)

(森) ありがとうございました! (拍手)

(森) これが世界レベルの 音楽なんですね!

いえ… ありがとうございます。

それでは ここで スペシャルゲストの登場です。

三島さんの幼なじみで ヴァイオリニストの谷岡初音さんです。

(拍手) (モニタ) (初音) よろしくお願いします。

お姉ちゃん きた。 📱(操作音)

(モニタ)(森) 谷岡さんは10年ぶりに 復帰されたそうですが→

何か きっかけがあったんですか?

(初音) あっ はい えっと…→

今 在籍しているオケで 初めて演奏した時に→

ここにしかない音楽を感じたので。

(モニタ)(岩田) 小さい頃の三島さんは どんな方でしたか?

(初音) 優しくて尊敬できる 憧れの人でした。

私を音楽の世界へ 連れてきてくれた恩人です。

まぁ あっという間に 追い抜かれちゃいましたけどね。

(初音) そんなこと…。 >> 彼女は 僕なんかとは→

比べものにならないぐらいの 天才なんです。

(森) 三島さんが そこまでおっしゃるなんて→

すごいんですね。 (三島) ええ。

あっ そうだ ちょっと弾いてみてよ。

(初音) えっ? >> チャイコフスキー。

得意だったでしょ? さわりだけ。

(初音) えっ いや 私は…。

♪~

(森) 谷岡さん お願いできますか?

♪~

📱(団員たち) 〔初音 初音 初音…!〕

(朝陽)〔なぜ 自分も 仲間も→

信じようとしないんですか!〕

(初音) はい。

♪~

♪~

(モニタ)♪~

♪~

(モニタ)♪~

♪~

(拍手)

(玲緒) わ~! すご~い! (拍手)

(拍手)

(モニタ)(拍手)

(拍手)

♪~

急にふって 悪かった。

(初音) ううん 緊張したけど 楽しく弾けたから。

そんなことより 彰ちゃんの演奏 すっごくステキだった!

宇宙いち カッコよかった!

やっぱり いいなぁ 彰ちゃんのヴァイオリン。

ごめん…。

(三島) ずっと夢だったジュリアード→

入学した途端に 世界の壁に ぶち当たってさ。

自信なくしてた頃に 休暇で日本に戻ったら→

初音が親父と共演する って聞いてさ。

(三島の声) 悔しかったし 焦った。

♪~

〔ざわめき〕

(三島の声) だから 余計に あの場から逃げた初音が→

許せなかった。

復帰したって聞いて→

また半端なこと するんじゃないかって。

初音が どこまで本気なのか→

試したくて あおるようなことしてきた。

ごめん。

(初音) 彰ちゃんが怒るのも無理ない。

私 ずっと逃げてたから。

でも→

今は強くなりたい。

自分のためにも→

みんなのためにも。

さっきの演奏聴いて→

何か 素直にうれしかった。

自分でも初めて気が付いたんだ。

俺 本当は→

ずっと 初音に 戻ってきてほしかったんだって。

復帰 おめでとう。

(初音) ありがとう 彰ちゃん。

(穂刈)\お疲れさまです/

あっ それ…。

〔拍手〕

(小野田) 〔朝陽さんも 何か ひと言〕

〔あ~〕

〔今 撮った動画です〕

〔谷岡さんに届けてください〕

(朝陽)〔どうして 僕が?〕

〔心配されてる お気持ちは→

直接 お話しした方が 伝わるかもしれません〕

(朝陽)〔オケも音楽も 今すぐ やめたらいい〕

〔ドアが閉まる音〕

♪~

(朝陽)〔ハァ…〕

伝えるって 難しいですね。

案外 伝わってるんじゃ ないでしょうか。

では。 (初音が走る音)

(初音が走る音)

(初音) ハァ ハァ…。

動画 見ました。

(朝陽) えっ?

(初音) ありがとうございました。

テレビ 見ていただけましたか?

(朝陽) はい。

音の張り具合も 旋律の歌い方も滑らかでした。

その調子で お願いします。

(初音) はい。

(朝陽) あしたも10時から練習です よろしくお願いします。

(初音) あの…。

(初音) 決めました。

団員になるお話 お受けしようと思います。

よろしくお願いします。

♪~

(初音) お父さん お母さん ありがとうね。

ミートボール 食べたくなったら いつでも呼んで。

(初音) うん!

頑張り過ぎずに頑張れよ。

(初音) はい。

>> 奏奈もな。 >> えっ 私?

お姉ちゃんの心配だけじゃなくて 自分のことも大事にしろよ。

うん ありがと。

蒼君 2人のこと よろしくね。

はい。 >> いや 別に彼は ただの下宿人…。

よろしくね。 (蒼) はい。

(奏奈) だってよ~。

(常葉) さすがにテレビの反響ってのは すごいね!

玉響 最高だ! なっ!

どうした? その どんよりフェースは。

あっ 4月からの予算案 玉響への補助金について→

本宮市議から クレームが入っているようです。

(常葉) 何だ? いくらか削れってか?

いえ… なくせと。

(常葉) なくせか… 「なくせ」!?

(本宮)\玉響は 4月のコンペで負ければ解散/

つまり 来年度の補助金は 必要ないという判断です。

(常葉) まだ負けると 決まったわけじゃないでしょう。

高階フィルを相手に 勝てると お思いですか?

(常葉) 今の玉響の実力を ナメてもらっちゃ困る。

何しろ今や 話題のオケですから。

肝心なのは 金を出して 見にくる客がいるかどうかです。

(常葉) いるでしょう。 >> どうでしょう?

(常葉) いるよ!

(初音) この間は ひどいこと言って ホントにごめんなさい。

(玲緒) ううん こっちこそ ごめん。

(初音) あと “チャイコン”の動画 ありがとうございました。

すっごく 力 もらいました。

お役に立てたなら よかったです。

聞いたよ 正式な団員になるって。

(初音) はい! 市役所に さっき退職願 出してきました。

(玲緒) コンペに負けたら解散だよ? そしたら無職になるんだよ?

(初音) それは皆さんだって 同じじゃないですか。

(みどり) うん そうだけど…。

(初音) 大丈夫です。

解散なんてさせませんから。

(初音) ヘヘヘ… ちょっと 大きく出過ぎましたかね。

>> いいと思います! (藤谷) 頼もしいな~!

よし 頑張ろう~!

(足踏みの音)

(朝陽) おはようございます。 (団員たち) おはようございます。

(弓香) 出たよ どんよりフェース。

悪い知らせがあるようですね。

(朝陽) 市の予算審議会で→

玉響への補助金カットが 検討されてます。

もし カットされれば 玉響は4月のコンペを待たずに→

解散となります。 \えっ?/

(朝陽) ただし 回避する方法が 一つだけあります。

今度の定期演奏会を 満席にすること。

それが市から出された条件です。

無理でしょ~ 満席なんて。

いつも 4割埋まれば いい方ですよね。

(土井) 最後に満席になったのは 15年前ですね。

(本宮)\そうですか/

オケの皆さん 動揺してましたか。

高階が 負けるはずもないんですが→

まぁ 念のためです。

♪~

(ノック)

これ 夜食のスープ。 (初音) あっ!

>> 奏奈ちゃんが持っていけって。 (初音) ありがとう。

>> ここ 置いときます。 (初音) うん。

📱(振動音)

(初音) あれ? 常葉さん。 📱(振動音)

こんな時間に? 📱(振動音)

(初音) はい どうしました?

(救急車のサイレン)

📱(朝陽) 穂刈さんが→

事故に遭いました。

(初音) えっ…。

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