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(目覚まし時計のアラーム)
(りお)ハァ…
(奈緒(なお)) あっ りお もう 大丈夫?
うん もう 余裕 余裕
-(奈緒)本当? -(りお)うん
(奈緒)ああー 朝ご飯どうする? 作ろうか?
ああー… うん ありがとう
よしよし
ねえ やっぱり あんま 顔色 よくないんじゃない?
いや もう ホント大丈夫 過保護やめて
過保護とかじゃないじゃん
過保護だよ
世界共通で 子どもは宝物なんだから
あっ 部活は? 休めるの? 休めるんでしょ?
(りお) うん これから行ってくる
えっ… ウソでしょ 何? こんなとき 休みなさいって
練習試合なんだから無理だよ
ねえ どうにかなんない? さすがに こんなときぐらいはさ
(ため息)
(一同)よろしくお願いします
-(部員)星陽(せいよう) いくぞー! -(一同)おおー!
(りお)切り替えていこー! ナイス ナイス! ナイスー!
-(快斗(かいと))りお先生 お疲れさまです -(りお)あっ お疲れ
-(快斗)どうでした? 練習試合 -(りお)いやー 惨敗だったね
強かったわ うん
さすが 去年のベスト8って感じで
どうですか? 今日って このあと 久々に
ん? あっ ああー…
いや 行きたいって 言いたいとこなんだけど
今日 あの… うち 帰ってさ あの テスト作んなきゃいけなくて
あのー 期末テスト
-(快斗)あっ そうなんすね -(りお)うん
あっ もう そんな準備しないと いけない感じなんすね
-(りお)そうだね -(快斗)そうなんだ
ごめんね じゃあ お先に
-(快斗)あっ お疲れさまです -(りお)お疲れ
(りお)行きたい! 行ってストレス解消したい!
生理が来なかったのも
ストレスのせいだと 思ってたんです
(携帯電話の振動音)
-(せり)お待たせ! -(りお)おおー
-(せり)あれ? 飲んでないの? -(りお)うん
-(せり)あたしゃ飲むぜー! -(りお)どうぞ どうぞ どうぞ
(せり)あっ すいません 生 お願いしまーす!
(店員)はーい
(せり)ってかさ
そんな大したことなかったって ママが言ってたけど
まだ 具合 本調子じゃない感じ?
ううん 体調は まあまあ…
(せり)ふーん
でも あの… そういうことじゃなくてさ
何? どうしたの?
もしかして 聖也(せいや)君?
あれ? 的中?
ああ… 聖也とは 昨日 きちんと別れてさ
あっ そう
えっ? てか そうか そうなるよな 普通はな
えっ つうかさ むしろ やっとだね
(りお)うん…
で 別れたんだけど…
けど 何?
赤ちゃん できてた
えっ えっ… ええー? えっ えっ…
えっ ウソ えっ? マジで?
-(店員)お待たせしました -(りお)マジで
(店員)ごゆっくり どうぞ
えっ 乾杯… だよね?
♪~
~♪
(りお)じゃあ 今日は えっと 前回 まとめた内容を基に
本文 深掘りしていこうと思います
(林檎(りんご))先生
今日って 漢字のテストの日じゃ なかったでしたっけ
(悠馬(ゆうま))おい お前 それ言うな
そうだったっけ? あっ ごめん 忘れてた
あっ ちょっと あの… 職員室に資料 取ってくるので
ちょっと待っててください ごめんね
(木元(きもと))ナイスショット!
(快斗)みんな 解けましたか?
よし じゃあ 答え合わせをします
丸1の答えを 川上(かわかみ)君 お願いします
(智之(ともゆき))はい えーと
“ホテルに着いたら すぐに電話をください”です
(快斗)はい 正解でーす もう少し自然に訳すなら
“ホテルに着いたら 折り返しください”になります
-(りお)どうした? -(豪(ごう))そうあるべきじゃないです
なんか 夏休みのことで ちょっと…
ああー 夏休み… 教師にとって地獄の期間だからね
それ みんな言いますけど 夏休みって そんな地獄なんすか?
(豪)地獄であるべきじゃない
自分は自分の権利を 行使しますんで
休むのか? これだけ話ししても
-(豪)休みます -(木元)どのぐらい?
休めるなら休めるだけ きちんと
はあ? だから どのぐらい?
3週間くらいですかね
(りお) それは さすがに…
分掌(ぶんしょう)は?
学校としては やらなきゃいけないこと
山ほどあったりするけど それは どう考えてる?
どうしても 僕がやらなきゃ いけないことではないので
でも 誰かが やらなきゃいけないだろ
-(木元)回らないだろ -(豪)だから…
そういう無理を押しつける流れを 変えないから
教師のなり手が いなくなるんじゃないですか
理想論 語るのは 大事かもしれないけど
実際にやらなきゃいけないことが 目の前にあって
協力せずに無視してたら 誰かが また
過労に苦しむことに なるんじゃないかな
だから 先生方 皆さんが
我々それぞれが 声を上げればいいんですよ
いいですか? 無理して引き受けることないですよ
いや だから うちらが やることやらなければ
結局は 生徒たちが
不都合な憂き目に 遭ったりするんじゃないか
じゃあ 教師は不都合な憂き目に 遭ってしかるべきですか?
理不尽な目に遭っても しょうがないですか?
(木元) そんなこと言ってないんだよ
じゃあ どういうこと言ってるんですか?
じゃあ どういうこと言ってるんですか?
(中路(なかみち))やめましょう ねっ ねっ
やめましょう いったん落ち着こう 落ち着こうよ
-(豪)落ち着いてます -(中路)いや 落ち着いてない
-(豪)落ち着いてますよ -(木元)結局… いいか?
結局 誰かの尻拭いは
管理職の教頭先生が 全部やることになるんだよ
…って 分かってんのかよ?
…と 僕は思う
そうですよね
私が やりますよ ねえ ハハッ
やります ここは 私がやりますよ ハハハハッ
(りお)G先生の 強引さが羨ましい
(蒼空(そら)) 休み明けの文化祭で
えー この3年C組が 何をやるかなんですけど
今の時点で なんか これ やりたいよ みたいな
ある人 います?
(快斗)ちょっと みんなさ せっかくだからさ
こうなんか クラスで1つになって ガーンといけるもの やろうぜ!
(光源(こうげん))熱い キモい ウザ!
おい 光源 お前 先生に向かって ウザいとか言うなって
(蒼空)ウザい 確かにウザいけどね
(快斗)ちょいちょい ちょい… みんな なんか考えてよ
なんかない?
-(女子生徒)ないです -(悠馬)なんもない
西脇(にしわき) なんかある?
(咲希(さき))別にないかな どうでもいいです
おい “どうでもいい”が 一番困るんだよ もう
ちょっと 本気で考えて こんだけ人数いるんだから
グループ間で できるような
みんなで こう 思い出 作れるような…
-(男子生徒)ないよ -(快斗)川上は?
どうでもいいっていうか… なんでもいい
“なんでもいい”って もう お前…
“なんでもいい”って もう お前…
(男子生徒) どうでもいいんだよ
-(男子生徒)なんでもいいよ -(快斗)真中(まなか)は?
(翔平(しょうへい))特には…
いや “特には…”って もう “特には”じゃなくても なんか
例えば こういうのやりたいとかある?
(翔平)じゃあ 演劇とか?
(快斗)演劇?
おっ いいじゃん いいじゃん!
(男子生徒)それは… それは マジできついです
ちょ… マジで みんな 俺が高校のとき
めちゃくちゃ盛り上がったのね 演劇
やろうよ やろうよ みんな やろうよ
(諒)いやいや それ 快斗先生が やりたいだけでしょ
演劇とかダセえし めんどくせえ!
(諒)マジでダサいから ホントに
翔平 お前 とんでもねえ爆弾 ぶち込んでくんなよ
ウゼえっつうんだよ なあ?
(萌子(もえこ))小村(こむら) お前 うっさい
(悠馬)はあ?
(萌子)なんだよ お前ら
つうか マジ ウザいの ガチ小村だから
いやいや… どこに… 何キレてんの?
(萌子)キレるだろ こんなん
-(蓮(れん))なんで? 意味分かんねえ -(萌子)グチグチ言いやがって
お前ら なんでもいいんじゃねえのかよ
だったら 文句 言うなって 意見 出したやつに
(大輝(だいき))萌子さんの意見が 正しいと思います
-(大輝)なぜなら 僕の… -(萌子)杉山(すぎやま)も ちょっと シッ
(林檎)でもさ でもさ いいじゃんね 演劇 ねえ
私も ちょっと いいなって思ったけど
(光源)じゃあ 言いだしっぺとしての翔平と萌子
てめえらが責任者として 演劇やれよ
光源 てめえ この野郎
ああ? 嫌なのかよ?
やってやるよ
頑張ろうな 翔平
でも マジで うちらのやることに 文句言うなよ お前ら
(蒼空)はいはいはい…
じゃあ 先生 演劇ってことでいいっすよね?
-(蒼空)りお先生? -(りお)ん? どうした?
(蒼空)聞いてない?
(萌子) りおちゃん 話 聞いてた?
(りお)ああー ごめん ごめん ちょっと 考えごとしてて…
(日和(ひより))りおちゃん 文化祭に興味ないじゃん ねえ
ああー 違うの 違うの そうじゃなくて…
ああー えっと…
(蒼空)はい じゃあ演劇で決定
-(女子生徒)やだー! -(りお)ああー 演劇
(りお)お疲れさまです
(りお)こんな時 皆さんどうしてますか
(快斗)りお先生 お先に失礼します
(りお)あっ…
あれ? 豪先生 まだ帰ってないですね
(りお)ん? 珍しいね
-(快斗)つうか 知ってます? -(りお)ん?
豪先生 生徒と恋愛してるっていう うわさあんの
(りお)えっ えっ…
あくまで うわさっすけどね
でも なんか 豪先生なら ちょっと ありえそうっすよね
-(りお)そ… そうだね -(快斗)えっ?
りお先生 どうしたんですか?
なんか ちょっと 元気なくないっすか?
ん? そう? ああー そんなことない
-(快斗)そうっすか? -(りお)うん
分かりました じゃあ お疲れさまでした
お疲れ
(快斗) お疲れさまでした
お先に失礼します
(りお)ヤバい 何をしてても上(うわ)の空だ
(ため息)
(りお)ただいま
(秀樹(ひでき))おかえり
(りお)ん? パパ 今日 早いじゃん
(秀樹)うん りおも毎日 大変そうだな
(りお)まあまあ まあまあ
-(秀樹)あのさ… -(りお)あのさ…
-(秀樹)ああ… ハッ -(りお)あっ 何?
-(秀樹)りおは? -(りお)ううん パパから
ああ…
いや 大した話じゃないんだけどさ
(りお)うん 何?
市川(いちかわ)にあるナツコっていう スナック 行ったことある?
えっ? あるけど
お前の名刺が置いてあって びっくりしてさ
えっ あの うちのクラスの子のお母さんが
そこのスナックのママで
-(秀樹)えっ? -(りお)で あの 面談で1回…
えっ? 何 パパ よく行くの?
ああ いや 2~3回だな
ええー えっ すごい 偶然だね
-(秀樹)なあ ハハッ -(りお)うん
(りお)ん? えっ? どうした?
ん? なんかあった?
えっ 何 何 何? 何? パパ
-(秀樹)いやいや… -(りお)うん
もしかして その生徒って… 玲奈(れな)ちゃん?
えっ? なんで知ってんの?
(夏子(なつこ))はい
(秀樹)ていうか お店で働いてるかも 普通に
(秀樹)ていうか お店で働いてるかも 普通に
(秀樹)ていうか お店で働いてるかも 普通に
(玲奈) 今日もビールですか?
(玲奈) 今日もビールですか?
なんか 告げ口してるみたいで なんなんだけどさ…
いやいや… ねえ ちゃんと教えて あの…
普通に お酒とか飲んでる感じ?
ちゃんと確認してないから 分かんないけど まあ 多分…
ていうか 確か
うわ… うわ すっかり忘れてたけど…
銀座(ぎんざ)で見かけた あれ…
えっ? パパはさ なんで… なんで知ったの? そのお店
パパの会社の顧問やってくれてる 吉沢(よしざわ)さんっていう方がな
銀座のクラブで 玲奈ちゃんと知り合って
で アフターで 彼女の実家のスナックに行って
気に入ったらしくてさ
(りお)うわ 銀座で働いてたか…
(秀樹)ハァ… あっ もう 辞めたみたい
-(りお)えっ つうかさ… -(秀樹)もう今 行ってないって
つうか その あの 顧問の吉沢さんって…
-(秀樹)国会議員の -(りお)だよね
えっ 何? 高校生に入れ込んでんの?
いやー キモすぎだろ
やっばいね
-(秀樹)なあ… -(りお)マジか
-(秀樹)なあ りお -(りお)ん?
これさ パパの この情報で 彼女 退学になったりする?
そうだね
学校にバレたら そうなるだろうね
そうか…
-(秀樹)あっ なあ -(りお)ん?
で りおの話って?
ああ… ううん 大したことない
-(秀樹)いや 言えよ -(りお)ううん 全然 全然
-(秀樹)大丈夫だよ 何? -(りお)全然全然 なんでもない
-(秀樹)うん -(りお)うん
(チャイム)
(チャイム)
(りお)沢井谷(さわいや)さん
(チャイム)
(チャイム)
ちょっと 話 できないかな?
(玲奈)進路のことですか?
(りお) あっ いや それもあるけど…
別に話すことないって
なんかあったら相談に乗るからさ ホントに…
だから 遠慮しないで
-(心美(ここみ))先生 バイバーイ -(りお)またね また あした
抱えきれねえだろって
(萌子)ねえ もう 今さ 私 ガチで脱毛したいんだけど
調べたら 50万かかるんだって
(結愛(ゆあ))ああー 医療はね
するよね
でさ 親に相談したら
“てめえ うちの財政状況 把握してから来いや”とか
ママに キレて言われて
(心美)ママ 超ヤンキーじゃん
いや そうなんだよ いや てめえの遺伝子のせいで
こっちは 無法地帯になってる って話なのにさ もう
ちょっ 翔平 いるなら言えよ
(心美)聞いてた? 聞いてた?
待って はずい はずい はずい
-(萌子)どうした? -(翔平)あの…
この前は… えっと サンキュー
(萌子)いいんだよ いいんだよ まあ なんか うちら あの…
演劇部長みたいに させちゃったけどな
-(翔平)ごめん -(萌子)だから いいんだって
なんか 来週までにさ いろいろ
決めなきゃいけない みたいなんだけど
今度 学校 終わったあと テラモで打ち合わせとかする?
-(翔平)ああー うん そうだね -(萌子)オーケー
あっ 翔平って受験組だっけ?
いや 迷ってる
-(萌子)えっ まだ? -(翔平)うん
-(萌子)まだ決めてないの? -(翔平)萌子ちゃんは?
(萌子)ええー うちはね なんか 動物の専門学校…
(仁成(ひとなり)) でもさ 演劇やるくらいなら
バンドで出たいよね 文化祭
-(和磨(かずま))でしょ? -(仁成)そう思う
メンバーを早く集めないとなあ
ねっ
(芽衣(めい))あっ 私 ベース チャレンジしてみることにした
マジで? ホホッ
一歩前進かな
-(流星)よう -(和磨・芽衣)こんにちは
どう? ロック人生は 順調?
私がベースやることになりました
知ってる?
バンドのよしあしに リズム隊って ことわざあるの
知ってる?
あっ えっと… 知らないです
ことわざっていうか 格言ってことですかね?
そうとも言うね
マジでバンドにおいては リズム隊
つまり ドラムとベースが肝だから
マジ ドラムとベース ナメてたら死ぬよ
それなくして ロックも語れないから
ロック ナメんなよ
じゃあ 俺 バイト行ってくる
-(和磨)おおー -(芽衣)身が引き締まるわ
-(和磨)ドラマー 探さないとね -(芽衣)ねっ
誰か いいやつ いねえかな
(太鼓の音)
えっ?
(和磨)西脇さん
(咲希)あっ 宮坂(みやさか)君 偶然じゃん
-(和磨)あのさ… -(咲希)うん
-(和磨)西脇… 西脇さんさ -(咲希)何?
-(和磨)あのー えっと… -(咲希)何 何 何 何?
バ… バンドやらない?
バンド?
-(客)おいしかった ごちそうさま -(夏子)またね
やだ 笹岡(ささおか)先生 飲みにいらしたの?
どうしたの? 笹岡先生
来るなら来るって 言ってくださいよ
ケンちゃん またね! はーい
(りお)玲奈さんって もしかして いたりするかなって
いるわけないじゃない 高校生よ
ああ… ですよね
今日ね めちゃくちゃ忙しいの ごめんね
-(夏子)またいらして 失礼します -(りお)あ… いや あの… あ…
(ため息)
(りお)他人(ひと)の事 気にしてる場合か!
いや 生徒を 気にしてこそ教師
って教師失格だけど
(ため息)
(玲奈)ただいま
(友(ゆう))おかえり
(玲奈のため息)
はっ
どうした? 疲れてんじゃん
(玲奈)疲れてるよ あのクソばばあのせいで
姉ちゃん 俺さ マジで働くからね 中学 出て
いやいや マジで 高校 行こうぜ
高校 行ったって 姉ちゃんみたいな生活だったら
意味ないじゃん
ろくに勉強しないで 水商売とかして
勉強はしてるから
でも 卒業したら 結局 水商売とかするんでしょ?
だったら 高校 行く意味なくね?
(玲奈)うるせえ 意味あるから
まともに働かないのに 行く意味あるかな?
おやすみ
(ドアが閉まる音)
(携帯電話の通知音)
(チャイム)
-(りお)お邪魔します -(聖也)座って
-(りお)ごめんね 休みの日に -(聖也)ううん
-(聖也)うちでよかった? -(りお)うん
赤ワイン 用意しといたけど
あっ 大丈夫 水とかで
どうしたの?
1杯くらい いいじゃん 久々だしさ
-(りお)いや ホントに -(聖也)えっ?
酔わせて どうとか 思ってるわけじゃないしさ
ていうか 飲めないんだよね
(聖也)えっ どうしたの? どういう意味?
じゃあ 俺は飲むけどいい?
あっ もちろん
じゃあ 乾杯くらいさ
乾杯 久しぶり
妊娠しちゃったの
えっ?
赤ちゃんいるの おなかに
マジで?
マジで
(聖也)えっと…
こないだ 聖也と別れ話した すぐあとに判明して
で なかなか言いだせなくて
きちんと会って話したかったし
もう 13週目だって
それって
間違いなく俺の子ども… なんだよね?
そうだね
このタイミングでって感じだよね
もしかして
もう すでに あの彼女と うまくやってたりする?
いやいや…
-(りお)そっか -(聖也)いや…
ごめん ごめん そうだよね
なんで 私 ここに来ちゃったんだろう
りおさ…
きちんと 聖也には 迷惑かけないようにするから
迷惑って…
ごめんね こんな話 いきなりして
じゃあ
(翔平)あの これ 気になったお芝居のチラシ
(萌子)ちょっ 待って めっちゃ集めてんじゃん
やばすぎる 大変だったでしょ?
-(翔平)いや 全然 -(萌子)ホントに?
ええー 何? 翔平ってさ こういう演劇って詳しいの?
ああー 小さいころに
親にミュージカルとか 連れてってもらったことある
へえー うちとかさ もう 離婚してるし
もう 全く そういうのないから めっちゃ羨ましいわ
あっ でも うちは今 お母さんもお父さんも浮気してる
えっ マジで? えっ めっちゃヘビーじゃん
いや 別に もう慣れた
そっか
こんな話 してる場合じゃねえな
だね
いろいろ決めないとね
(佐知)ちょっと どういうこと?
あんたの会社の人がさ
あんたのこと なんて言ってるか知ってる?
-(友雄)知らねえ そんなこと -(佐知)最低だって言ってるよ
(友雄)コソコソ浮気してたやつに 言われたくねえって
(佐知) だから それは謝ったでしょ
(友雄)だったら なんで おんなじようなこと繰り返すんだよ
(佐知)それ言うなら 自分だって きちんと お金 入れてよ
ホント その時点でダメだわ
お前な 決まったお金 何倍 使ってると思ってんだよ 毎月
(佐知)決まったお金って何? いくら?
いつ言った? そんなこと 言われたことないけど 別に
(友雄)お前 ずーっと前から…
(萌子)ねえ もう 私さ 今 ガチで脱毛したいんだけどさ
調べたら 50万かかるんだって
(携帯電話の通知音)
-(快斗)りお先生? -(りお)ん?
どうしたんすか?
いや ちょっと考えごと… ねっ
(中路)お待たせしました さあ 行きましょう
(快斗・りお)はい
今年から 担任やらせていただいてます⸺
笹岡と申します
副担任の山添(やまぞえ)と申します
(男性) どうも ありがとうございます
どうも すいません お忙しい中…
よろしくお願いいたします
-(中路)お久しぶりで -(男性)どうも
あの… 今年もですね 指定校求人の枠を
引き続き よろしくお願いします
ちょうだいいたします 笹岡と申します
(りお・快斗) よろしくお願いいたします
(男性)ホントに御校の生徒は 非常に優秀でですね
非常に助かっております
ああー ありがとうございます
-(中路)どうもお疲れさまでした -(快斗・りお)お疲れさまでした
いや でも めっちゃ回りましたね
いやー 疲れた
でも人手不足で 売り手市場なのに ここまで回るんすね
(中路)ああ
まあ 困ってた時代からの 知り合いですからね
(りお)うーん
よりいい会社と いい関係 続けていかなきゃですもんね
それが学校の強みにもなるし
(中路)そうそう
まあ 少子化の時代ですもんね
大変だな これからの学校は
あっ ねえ どうでしょう?
せっかくなんで ごちそうしますよ 頑張ってくれたご褒美に
(快斗・りお)えっ?
あっ いえいえ… すいません いいんです いいんです
い… 今どき あの 食事誘うのNGですね
-(りお)あっ -(快斗)いやいや いやいや
-(快斗)行きたいです -(りお)ぜひ
-(中路)いや いいです いいです -(快斗)いや… えっ?
いや 無理しなくていいんです
-(りお)いや 無理してないです -(快斗)全然 無理してないですよ
こういう時代だから大丈夫です
-(快斗)行きましょうよ -(りお)行きたいんです
(中路)どうも お久しぶり
-(店員)こちらに どうぞ -(中路)あっ すいません
(りお)ありがとうございます
(快斗)めちゃめちゃ いい感じのお店っすね
(中路)いつものお店じゃなくて よかったですか?
あそこは どっちかと言うと 豪先生の指定なんで
-(りお)はい -(中路)そうですよね
大隈(おおくま)先生は あの店ですもんね
(りお)えっ?
(店員)お先に お飲み物 お伺いしましょうか?
何 飲まれますか? ビールでいいですか?
-(快斗)はい -(りお)あっ 私 ジャスミン茶で
-(店員)ジャスミン茶で? -(中路)あれ?
笹岡先生 飲まない感じですか?
あっ 最近 ちょっと控えてまして
(中路)あっ そうですか ビールでいいよね?
-(快斗)はい -(中路)ビール2つに…
-(りお)すいません -(中路)その なんでしたっけ?
-(りお)ジャスミン茶 -(中路)それ1つ お願いします
かしこまりました
(中路)計3つで ハハハハッ
私だってね いざっていうときは こういう店 使うんですよ
-(快斗)うーん -(りお)かっこいい
でも 本当に教頭先生 いつも すごいっすよね
(中路)えっ?
ペコペコ 人に… 頭 下げてですか?
(快斗・りお) いやいや いやいや…
もうね プライドもなくて ヘエコラ頭 下げて
ホント情けないですよ ハハッ
しがない中間管理職の 象徴みたいなもんですね
-(りお)いや そんな そんな… -(中路)ハハッ いいんですよ
いいの みんなが そう言ってんの 分かってますから
-(りお)えっ いや… -(快斗)あっ あの…
それは マジで すいませんでした
-(中路)あっ… -(りお)いや…
“マジで すいません”って お前 ホントに言ってんの?
-(快斗)あっ… いやいや -(りお)違うんです 違うんです
-(りお)いや いや すいません -(快斗)あの… すいません
(中路)いやいや 冗談 冗談ですよ 頭 上げて
(中路)いやいや 冗談 冗談ですよ 頭 上げて
(りお) 違います 違うんです
(店員)お待たせしました こちらアンティパストでございます
(中路)来た来た来た ああー ありがとう
-(中路)おいしそうだ -(快斗)すいません
(中路)さあ 食べて 食べて 気にしない 気にしない
食べて 食べて 今日は 食べて飲んで 盛り上がっちゃおう
-(りお)はい -(中路)ハハハッ
(中路)まあ でも 頭 下げて うまくいくならね
それで いいんじゃないかって 思ってるんですよ
うん ほら 学校は…
我々の仕事の主役は あくまでも子どもたちですから
(快斗) おおー 主役は 生徒たちか…
(中路)お二人とも 重々 承知なんでしょうけど
まあ 豪先生は 自分が主役っすけどね
まあ まあまあ ハハッ
夏休みもガッツリ取るって 全く譲りませんね
(りお)そうだね
あっ 自分 豪先生が抜けて 教頭先生が えらいことなってたら
もう なんでもフォローしますから 言ってくださいね
(快斗)えっ どうしました?
ヘッ
1年目でね 私のフォローが できると思ってるって
いやー 地獄の夏休みを 甘く見てやがりますね
えっ? そんな大変なんですか?
まあ ガッツリ 休み取りたくなるのも
分かるっていうか…
(中路)でも まあ 大隈先生が ああやって権利を主張するのは
それなりに ちゃんとした理由があるんですよ
理由って…
その3人で よく行く 大隈先生ご指定のお店って?
(りお)ああー 浦安(うらやす)のアリゲーターってお店です
(中路)そこのお店って
お母さんと お嬢さんの親子で やってるんですよ
(りお)あっ ハルさんって あのお店のお嬢さんだったんだ
(中路) お二人は 大隈先生の恩師の
鰐淵(わにぶち)先生って方の奥さまと お嬢さんなんですけど
(快斗)あっ 鰐淵先生だから 店名がアリゲーターか
(りお)それで 若干 遠くても あのお店にしてたんだ
(快斗) 学校から遠いほうが なんか
みんなに会わなくて済むからかな とか思ってました
(中路) いや その店に通ってんのは
それだけが 理由じゃないっていうか…
-(快斗)えっ? -(りお)ん?
鰐淵先生という人は 大隈先生が うちに来る前の学校で
1年目の初任時から 面倒を よく見てくれた⸺
ホントにお世話になった 先生だったらしいんだけど
数年後に過労死されて
えっ? 過労?
(中路)だから ああやってね あの店に通ってんですよ
大隈先生って ああ見えて 結構 情に厚い人なんですよ
いや 全然 知らなかったです
(快斗)うん
(中路)我が校でも 豊島(とよしま)先生が 体 壊されて
メンタルもやられてしまって
それで 笹岡先生に急きょ 担任をやってもらいましたけど
はい
(中路)だから 大隈先生が ここに来て
ここまで働き方にこだわるのは もう二度と
鰐淵先生や豊島先生のような方を 出さないための
彼なりの働き方改革への考えや 意思表示でもあるんです
当時 鰐淵先生が亡くなられて
生徒たちは ホントにショックを受けて
授業も ままならなくなったり 不登校の子どもたちも出てきたり
それは もう 大変だったそうです
3Cの子どもたちも 豊島先生のことで
多少なりとも責任を感じたり
ショックを受けたりしてる 子どもたちもいると思うんですよ
大隈先生は 大隈先生なりに
生徒たちに対する責任と
精いっぱい 向き合っているんだと思います
(りお) 教師は尊敬されるべき人でないと
少なくとも そう務めないと
(せり)ん?
生徒たちに対する責任と 精いっぱい向き合わないと
(せり)なんの話?
(りお)せり
(せり)うん
-(りお)私さ… -(せり)うん
赤ちゃん 諦める
えっ?
いやいやいや マジで言ってる?
マジで言ってる
未婚で妊娠するケースって やっぱり あるみたいだけど
えっ 何 それ 教師の話?
そう でも大概おろすんだって
ネットで調べたんだけど
ほぼ みんな こっそり おろすって
いや そんなさ…
教師って そういう生き物なんだよ
このまま夏休みに入るし
きっと 誰にも 気づかれないだろうから
それでいいんだよ
(医師)順調ですよ
はい どうぞ
(りお)はい…
(医師)何かありましたか?
(りお)あの… 実は あの
中絶を考えてまして
こちらでは 可能ですよね?
(医師)可能ですけど
うーん… でも ここまでくると 日帰りじゃ無理ですし
体への負担を考えて ホントに中絶するのであれば
すぐにでも 日程 決めないと
本当にいいの?
(りお)はい
(奈緒)ん? どうした? こんな時間に
今日も部活?
ううん 今日はね ちょっとね 久々に会ってくる
誰 誰 誰に?
ん? 人生で一番尊敬する人
(奈緒)もしかして 大森(おおもり)先生?
(大森)おーい!
あっ 先生
(奈緒)大森先生って 今は 何やってらっしゃるの?
(りお) 学校に行けなくなっちゃった⸺
子どもたちのための 学びの場を作っててさ
NPO法人でね
(奈緒)先生は 定年になっても 先生やってんだ
(大森)ちょっと待ってね… えー
(りお)好きなんだよ やっぱり 教えるのが
それと 子どもたちが
“ドゥー ユー?”で 聞かれてるから
“イエス アイ ドゥー”
そうそう そうそう…
りお 悪いな 休みの日にな
ううん 私も教えるの 好きだし 楽しいし
大丈夫そう?
(男の子)10番の述語が 分からないです
おお… これ じゃあ まず 主語 どれだ?
(大森)今日は ホント ありがとな
(りお)ああー いえいえ…
えー でも なんか こういうオシャレなとこで
先生と お茶すんの なんか 変な気分
-(大森)そうか? -(りお)うん
いや 俺だって こういうとこ たまには来ることあんだぞ?
フフッ 先生だって人間だもんね
そうそう
教師だって人間なんだよ ヘヘッ
まあ 先生は立派だったしなあ
立派? いやいや…
いや もう 今は時効だからさ あれだけど
お前たちに黙って 言わなかったことって
実は いっぱいあってな
-(りお)えっ ウソ? -(大森)ホントだよ
えっ 何? 何があったの? うん
まあ そうだな…
あっ 同僚の先生でさ 仲 悪いのがいてさ
えっ うちらのとき?
いやいや りおたちのときより もっと前だ
(りお)ふーん
-(大森)完全に合わない先生でな -(りお)えっ?
酒 飲んでるときにな 殴り合いになってさ
えっ ケンカとかしてたの? 先生
-(大森)ああー そうそう -(りお)へえー
生徒たちにはさ
“ケンカすんな!”なんて 言いながらな
もう 先生どうし バッチバチでな
まあ 先生どうしって難しいもんね
そう
やってみると分かるだろ?
(りお)うん
-(大森)あっ そうだ -(りお)ん?
教頭先生と 大ゲンカになったことがあったよ
-(りお)ええー? -(大森)うん
てか まあ ケンカは しょっちゅうだよ
殴り合いも 昔は
まあ 先生は 熱い男だったもんね
ハハッ
それだけじゃないんだよ
先生な… うん これは やばいっていうのは…
-(大森)ホントしゃべんなよ -(りお)何 何 何?
-(大森)業者にな 教材の仕入れの -(りお)うん うん
接待されてさ
えっ? 先生 行ったの?
いやいや… いたんだよ 飲んでたら 同じ店に
-(りお)ええー? -(大森)うん まあ…
あとで考えたらだな
多分 つけてきてたんだと 思うんだよ うん
で わーって 合流しましょうってことになって
-(大森)で 飲んじゃって -(りお)ええー
いやー ストレスたまってたんだな
で まず そこの支払いしてもらって
(りお)えっ?
まず それでアウトだろ?
-(りお)うん -(大森)で それから…
そのあと 風俗 連れてかれて
えっ? 行ったの? 先生
行ったの
-(りお)最低 -(大森)最低だろ?
-(大森)ほんで… -(りお)えっ?
風俗のお金も 払ってもらっちゃった
ウソでしょ?
いや 本当 本当 いやいや…
あのな いつの間にかなんだよ もう 酔っ払ってっから
-(りお)うん -(大森)分かんない間にな
(りお)ええー?
えっ ちょっと… ちょっと待って えっ そのときさ 先生ってさ
結婚して…
-(大森)“た” -(りお)うわー
もう一瞬で恩師のイメージ 変わっちゃっただろ?
うん… えっ 待って 待って 待って えっ?
そのさ まさか その教材さ…
納入した?
したの
-(りお)マジで? -(大森)ハハハハッ
うわー
おい これ ここだけの秘密にしろよ なっ
俺 人生で生まれて初めて お前に しゃべってんだからな
最低な先生で ごめんな
(りお)ううん うん
でもな その程度で済まない事件 っていうのもあるんだよ
これ ホントにやばいやつだ
もう教師として あるまじきってやつだよ
-(大森)もう言っちゃうか -(りお)ん?
(大森)あいつらに 絶対 言うなよ なっ
-(りお)うん -(大森)うん
(大森)俺への恩師への見方 変わっちゃうかもしれないからな
てか もう 変わってるか
-(大森)先生な… -(りお)うん
-(大森)若いころな… -(りお)もういい
-(大森)ん? -(りお)もういいよ 先生
もう 大丈夫 ありがとう
やっぱ 先生 すごいね
ありがとう
全部 お見通しなんだね
いいんだぞ 完璧じゃなくて
失敗したっていいんだよ
ダメダメでいいんだよ
一生懸命やってれば
生徒のことを ちゃんと思ってさえいれば…
間違いがあってもいい
♪~
♪~
教師だって人間なんだよ
(すすり泣き)
うん
ありがとう 先生
-(りお)ハハハハッ -(大森)ハハハッ
何? その顔
(大森)どうだ? 少しは楽になったか?
(りお)うん そうだね
-(りお)でもさ… -(大森)ん?
先生 何も聞かないよね
言いたくなったら言うだろ りおは
(りお)やっぱり 分かった? 私が悩んでるって
当たり前だろ
お前の担任で 部活顧問やってたんだぞ
-(りお)ねえ 先生 -(大森)おう
また 会いに来てもいい?
いつでも来なさい
教師にとって一番の喜びは
卒業生が 訪ねてくることなんだから
(りお)うん
-(りお)じゃあね 先生 -(大森)おう
-(りお)ねえ 先生 -(大森)おう
さっきの ホントは 全部 作り話でしょ?
私を励まそうと思ってさ
(颯太(そうた))一緒だよね
(大翔(ひろと))えっ? おいおいおい 健吾(けんご)
(健吾)ん?
(颯太)すっげえな ここまで来ちゃうって
(茉麻(まあさ))先輩
お疲れさまです
(健吾)うん えっ… どうしたの?
応援ですよ
はい これ 蜂蜜レモン 持ってきた
ああー ありがとう
(茉麻)うん
(大翔)ありがとう おいしかったよ
-(颯太)ごちそうさま -(茉麻)よかった
-(大翔)じゃあね -(健吾)じゃあね
(颯太)お疲れ
あれ? 家 こっちなんだ?
そうですよ 話したじゃないですか
あっ そっか そうだったね
(茉麻)行きましょう
先輩 蜂蜜レモン おいしかったですか?
ああ… うん みんなも言ってた
ええー うれしいなあ
多分うまくできたと 思うんだけど…
(ドアが開く音)
先輩 ちょっと…
沢井谷
えっ?
~♪
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