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《(マチカ)先生…》
《(せき込む)》
<炎は全てを焼き尽くす>
<炎は全てを焼き尽くす>
<幸せを>
<ウソも>
<(マチカ・サワコ)思いも全て>
<そして>
<私は生まれた>
《(口々に)マチカ》
(ノック)
(健介)姉ちゃん 起きれそう?
うん
(健介)なら そろそろ
え~ それでは皆さん 控室の方にお戻りください
(由香里) ホントに死んじゃったんだね
(翠)うん 突然すぎるよ 何か 実感湧かない
仕方ないよ 顔も見せてくれないんじゃ
(由香里)事故って聞いたけど 本当かどうか
(明乃)マチカ 大丈夫かな…
(翠) 大丈夫じゃないでしょ こんなの
でもさ
結婚する前でよかったのかも
もし 籍入れてたら 20代で未亡人だよ
確かに それは悲劇だわ (明乃)やめてよ
今 そんな話
マチカが かわいそうすぎるよ
マチカが かわいそうすぎるよ
(音川)会社で雪斗君は 非常に優秀な社員でした
あと 娘のことも…
(雪斗の母)ごめんなさい
初めての挨拶が こんなことになるなんて
ごめん… ごめんなさい
(木元)八田さん (雪斗の母)ごめんなさい
<将来を約束した恋人の死>
《(雪斗)指輪?》 《うん 見てるだけ》
《かわいいね》 《うん》
《こういうの好きなんだ》
《見てるだけだって ホントに》 《えっ?》
《へえ》
《(雪斗がシャワーを浴びている)》
《(雪斗)あ~→》
《お先》 《うん》
《マチカも入れば?》
《マチカも入れば?》
《うん》
《お~ 何だよ 急に》
《何でもないよ~》 《えっ?》
《何でもない》
<大好きだった 雪斗>
<でも どうしてだろう>
<涙が出ない>
(サワコ)マチカ
サワコ?
この度は
ご愁傷さまです
えっ あれ…
えっ あれ…
サワコ
ありがとう 来てくれて
って 変だね 私がこんなこと言うの
ねっ
いいよ
じゃあ 私 ここで
マチカ
その悲しみを
私にも分けて
<深井サワコ>
<私 二度と あなたに会いたくなかった>
マチカは
眠れてる?
あんまり
仕方ないよ
ホント
突然すぎて
何で…
<深井サワコは 元同僚>
《ねえ サワコさん》 《はい》
《ここにさ イラスト お願いできない?》
《お願い 今日中にできないと納期が》
<よく言えば控えめ>
<はっきり言えば 地味な女だと思っていた>
<はっきり言えば 地味な女だと思っていた>
ごめんね
何が?
今 一番悲しいのは
マチカなのに
いや…
いや…
私 何か泣けなくて
自分でも何でだろうって
頭が追いついてなくて
ごめん 変なこと言った
忘れて
本当に悲しいとき
人は泣けないの
マチカは優しいから
話せてよかった
話せてよかった
<私が優しい?>
<優しくなんかない>
<私が 優しいなんて…>
おかえり
どうだった?
お葬式だったよ
お葬式だったよ
ん…
昆布? 疲れたときは
酸っぱいのいいってよ
<恋人が死んでも 前に進まなきゃいけない>
<私は 生きてるんだから>
<色んなことに 目をつむってでも>
来ると思ってなかった
あ… いつまでも休んでられないよ みんなに迷惑かけて
あ… いつまでも休んでられないよ みんなに迷惑かけて
マチカじゃないよ 深井サワコ
何で?
だって ねえ
マチカ 大丈夫だった? えっ?
だって サワコさ
雪斗さんのこと…
ずっと つけ回してたっていうか
《やっぱ合ってるわ イースト》
《あっちですか?》 《うん》
《13階》
《よしっ》
《はあ…》
《緊張します》 《えっ?》
《いや 私 取引先と こんなホテルで会食するのって初めてで》
《大丈夫だよ 俺がついてるし》
《はい》
《はい》
《それに 音川さんの能天気さが すごい奇跡を巻き起こすと思うんだよね》
《えっ 何ですか? それ》 《褒めてるよ》
《俺 結構 それに救われてるし》
《マジっすかー》
《マジです》
《どうした?》 《あ…》
《いや 多分 気のせい》
《(エレベーターの到着音)》
《じゃあ 行こう》 《はい》
ストーカーが どのツラ下げて来てんだか
やめよう
さすがに 雪斗も そこまで言うのかなって
さすがに 雪斗も そこまで言うのかなって
いい人すぎるよ マチカ
そうかな?
(槇原)いきなり すいません
あの 私 こういう者です
何のご用ですか?
八田雪斗さんの件で お話を伺いたくて
この度は ご愁傷さまです
帰ってください
あなた 雪斗の告別式にも来てましたよね
えっ?
迷惑です これ以上つきまとうようなら 警察に連絡します
迷惑です これ以上つきまとうようなら 警察に連絡します
待ってください ちょっと!
イタッ…
大丈夫ですか?
(大津)おい
何やってんだよ いや…→
何か思い出しましたら ご連絡ください
大丈夫ですか? あっ はい ありがとうございます
イッタ… ホントに大丈夫ですか?
ってか 音川だよな? 音川マチカ
はい そうですけど
俺 大津 大津慎司
えっ? 大津君?
(五十嵐)姉ちゃん 大丈夫?
うん 今日から会社に行った
(五十嵐)でも 心配だよな 家族は大事だし
大丈夫 うちの家族 結束固いし
大丈夫 うちの家族 結束固いし
俺 今年は勝負だし
健介 うん?
ご飯行く?
誘惑やめてー
行こうよ え~
(講師)おはようございます おはようございます
おはようございます
(講師) はい おはようございます
(一同)おはようございます
よろしくお願いします (一同)よろしくお願いします
よいしょ
よしっ ありがとう
こんな偶然 あるんだね
ホントだな
ごめんね 私 高校のときのこと あんまり覚えてなくて
大変だったもんな
大変だったもんな
俺は よく覚えてるんだけど うん?
音川のこと
何で?
恋人がね
事故で死んだの
先月 私の誕生日に
何かもう いっぱいいっぱい
じゃあ今日は 座りポーズだから
頭の先から下まで ちゃんと描くようにね
頭の先から下まで ちゃんと描くようにね
(一同)はい
(講師)では お願いします
(講師)はい じゃあ よーいスタート
(五十嵐)おい
ああ
じゃあ 私 そろそろ行くね
あっ これ ありがとう
あっ ちょっとだけいい? うん
手 いい? 手?
よしっ→
いつでも かけてくれて構わないから うん
いつでも かけてくれて構わないから うん
じゃあ 俺も行かなきゃ あっ うん
これ よかったら あっ ありがとう
じゃあね うん
巻き直さなきゃダメじゃん
(講師)うん いいじゃん
結構 手も入ってきてるし 描き出しも いつもよりいいんじゃないかな
結構 手も入ってきてるし 描き出しも いつもよりいいんじゃないかな
うん 随分と 形も取れるようになってきたし
手足も よく描けてるよ
ああ でも まだちょっと 角度が変わると
難しいよね
それは… よく見る
うん そうだ よく見ろ
しっかり見て 自分のものにすることが大切なの
しっかり見て 自分のものにすることが大切なの
え…
あっ はい
いた
いた
隣のクラス
ウソじゃなかった
<あまりに強いストレスがかかると>
<人は その出来事を 忘れてしまうことがあるらしい>
びっくりした
私も
私も
会社 お休み?
あ… 有休
気分転換に 買い物したいって思ったんだけど
何か 何が欲しいのか 分からなくなっちゃって
意外
えっ?
マチカって そういうの はっきりしてる人だと思ってたから
欲しいものには正直な人
なのかなって
<何で?>
<私の方が ずっと ずっと…>
《お前のせいだよ》
(明乃)ただ 話してただけかもよ
(由香里) いやいや 手つないでんじゃん
雪斗さん そういうので病んじゃったんじゃないの?
えっ? マチカと付き合いだしてからでしょ
会社 来なくなったの
会社 来なくなったの
深井サワコのこと ストーカーとか言って 追い出してたけど
意外と マチカの方が疫病神?
(翠)いただきまーす いただきます
あっ ねえ 卵ちょうだいよ えっ いいよ じゃあ そっちと交換ね
ごめん サワコ
何? 急に
何? 急に
どうして
私なんかに
私…
マチカのこと 好きだもん
それに 寂しいのかな
それに 寂しいのかな
さすがに お葬式で話すのはと思って 黙ってたんだけど
アパートが 火事になっちゃって
えっ?
全焼
笑っちゃうよね
大丈夫なの? 仕事は?
今は 美術のモデルや
派遣の仕事をして 何とか
家借りたいけど まずは 仕事道具 買い直さないと
結局 何もできないかなって
私 親いないから
保証人とかも大変で
あ… やっぱり暗い話になっちゃった
マチカの気分転換と思って 誘ったのに
ごめん
うち 部屋空いてるよ
おばあちゃんが使ってた部屋なんだけど
そこでよかったら
しばらく お金貯まるまでとか
うちに 来たら?
マチカ…
<数日後 サワコが家にやって来た>
お母さん お父さん (須美)はーい
どうぞ
(須美) ああ こんにちは おかえり
<父も母も 驚くほどあっさりと 私の提案を受け入れてくれた>
お久しぶりです 久しぶりだね
自分のうちだと思って くつろいで
お世話になります
年取るとさ 和菓子だよね 何 言ってんの?
やっぱ 和菓子がいいんだよ よかった
(健介)何なんだよ 姉ちゃんの友達って
(健介)何なんだよ 姉ちゃんの友達って
えっ…
(音川) ああ 深井サワコさんだ
健介君
はい
よろしくね
(須美)健ちゃん 手洗って 荷物置いておいで ああ うん
(須美)お茶入れるから すぐ下りてきて (健介)うん 分かった
(音川)うまいわ これ うん おいしいよ
(音川)うまいわ これ うん おいしいよ
ありがとう はい
サワコさん 話しやすくて いい人ね
それに 嬉しい 何が?
それに 嬉しい 何が?
マチカが優しい子で
お友達がいると 色々 話せるだろうしね
うん
<ごめん お母さん>
<サワコは友達じゃないよ>
<サワコは友達じゃないよ>
<私は ただ>
<自分を許せなくて>
<だから サワコを…>
ごめん ちょっといい? うん
(明乃) 噂になっちゃってからじゃ遅いし
私 マチカが心配で
あっ お疲れさまです
これ 大津君だよ えっ?
覚えてない? 高校のとき 隣のクラスだった大津慎司
覚えてない? 高校のとき 隣のクラスだった大津慎司
えっ サッカー部の? うん
この間 助けてもらったんだ
そっか 大津君ならよかった
うん? だって あの人…
ごめん 待った?
えっ?
えっ?
警察の人だったんだ
黙ってて 悪かった
雪斗のことでしょ?
私 やっぱり疑われてるんだね
それは… 警察に何度も話 聞かれたから
事故で片づけるには 不審な点が多い
《男性 31歳 八田雪斗さん 心肺停止の状態…》
《男性 31歳 八田雪斗さん 心肺停止の状態…》
《雪斗…》
《行きましょうか》 《はい》
《(心電図モニターのアラーム音)》
音川を疑ってるわけじゃない
アリバイもあるし
それに…
俺は音川が そんなことできるヤツじゃないって思ってる
やめてよ
私のせいなの
私のせいなの
私が…
《えっ すごっ!》
《でも 俺 こんな顔して笑うかな》
《私には こう見えるんですけど》
<太陽みたいな雪斗>
《大丈夫?》 《ごめん》
《飲みすぎ》
《あっ! 気をつけて 気をつけて》 《ああっ 深井さん》
《ありがとう 俺 同じ方向だから》 《あ…》
《大丈夫? 大丈夫?》
《大丈夫? 大丈夫?》
《雪斗…》
《どうした どうした 水飲む? いいの?》
《(雪斗)ちょっ ちょっ 音川さん 見てるから》
《俺達 付き合ってんだ》 《へえ~》
《サワコ はい》
《はい 帰ろ なっ》 《うん》
《はい 帰ろ なっ》 《うん》
《ねえ バッグは?》
《あっ バッグ ありがとう じゃあね》
《(雪斗)ちょっと待ってください》 《はい》
《(雪斗)えっと とりあえず出してください》 《はい かしこまりました》
《<何で こんな地味な女が?>》
《桃でいいですよね?》 《うわっ 桃だ!》
《うん ってか 桃がいい ありがとう》 《よかった》
《すごい わあ おいしそう!》 《どうぞ》
《すごい わあ おいしそう!》 《どうぞ》
《ありがとうございます》 《いいねえ どれからいこっかな~》
《<不釣り合いすぎる>》
《よ~し》
《これで一安心だ》
《いや よかったと思うよ 先方さんも喜んでたと…》
《どうした?》
《ちょちょ ちょちょ…》
《<絶対 あんな女と雪斗じゃ…>》
《<絶対 あんな女と雪斗じゃ…>》
《好きです》
《えっ?》
《好きになっちゃいました》
《えっ いや…》
《<ごめんね サワコ>》
私が…
私が…
雪斗を 取ったから
だから サワコも 雪斗も苦しんで
そのせいで こんなことに 音川
私 全然優しくなんてないの
ただ 苦しくて
そこから逃げたくて
<サワコに優しくしてるのは>
<罪悪感から逃げるため>
<罪悪感から逃げるため>
<ただ それだけ>
あ…
ごめんね 勉強の邪魔しちゃった?
いや 大丈夫っす
ここ 使います?
その絵
私 最低なんだよ
クズだよ
高校のときさ
一人 うちのクラスで いじめみたいになってる女子がいて
みんな どう接していいか分かんなくて
みんな どう接していいか分かんなくて
俺もそうで
でもさ 音川は全然普通に おはようって言ってて
挨拶はするでしょ いやいや
その当たり前 結構 難しいんだよ
そんな音川だから
俺は覚えていたんだと思う
王女メディア
権力と財産に引かれたイアソンは
妻・メディアと子供達を捨て
他の女性と縁組をする
捨てられたメディアが 復讐する話ですよね?
そう
傷ついた心を癒やすために
かわいそう
そうかなあ
えっ?
かわいそうなのかなあ
メディアは
(ノック) はい
マチカ
お父さんにもらっちゃった
(家族の楽しそうな声)
ありがとね
家族って こんな感じなんだね
私 こんなの経験ないから
すごく幸せ
マチカのおかげ
マチカのおかげ
サワコ うん?
ごめん
雪斗のこと
本当に
本当に
確かに
あのときは傷ついたよ
でも 恋愛って そういうものでしょ?
雪斗は マチカを選んだ
それで おしまい
それに
私…
マチカのこと 好きだもん
いつも 声かけてくれて
助けてくれて
いっぱい マチカに救われたよ
(マチカがすすり泣く)
泣かないで
救われてるのは
私の方だよ
マチカ…
<本当は この人の前だけでは泣いちゃいけない>
ごめん
<でも…>
泣かないで
<サワコが優しいから>
(トイレの流水音)
(すすり泣くような声)
(サワコの荒い息づかい)
(サワコの荒い息づかい)
(荒い息づかい)
(サワコと須美の笑い声)
(サワコと須美の笑い声)
おはよう おはよう
おはよう おはよう
おはよう
<いつもと何も変わらない 朝の日常>
<だけど…>
はい ああ すいません
見てたでしょ
あ~ おいしそう
冷めないうちに食べて うん
(音川)食べよう 食べよう (須美)もったいない 食べるの
(音川)すごいよね じゃあ
いただきます いただきます
<私達が気づかないうちに>
<サワコの毒は 家族に広がり始めていた>
うん おいしい
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