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(五郎(ごろう))次は八丁堀(はっちょうぼり)
ここからだと そう遠くないはず
時間もあるし歩いていくか
銀座(ぎんざ) 八重洲(やえす)に来ても 八丁堀までは来ないよな
へえ
一本 入っただけで こんなに下町っぽい感じなんだ
ちょっと楽しい
ここだ
この地下に…
ああ これだ
五十嵐(いがらし)さん 相変わらずなんだろうな
♪(演奏)
(五郎) あれ? 五十嵐さん いないな
ここのはずなんだけど
あっ ♪(演奏)
何か始まっちゃった
とりあえず 1回出るか
(ナレーション) 時間や社会にとらわれず
幸福に空腹を満たす時—
つかの間 彼は自分勝手になり
〝自由〞になる
誰にも邪魔されず
気を使わず ものを 食べるという孤高の行為
この行為こそが現代人に 平等に与えられた—
最高の〝癒し〞と いえるのである
(五十嵐)いつ以来だっけ?
(五郎) 4年前のクリスマス以来ですよ
よく覚えてんな
(五郎)そりゃ覚えてますよ
パーティーやるから 1時間以内に
グラッパグラスをあるだけ 持ってこいなんて無茶ブリは
そうそうありませんから
(五十嵐)ハハ そりゃあひどいな
何 他人事みたいに 言ってんですか
しかたないだろ 酔っ払ってて覚えてないんだから
(久住(くすみ)) あ ちょっと 飯 食いに行ってきます
(五十嵐) いってらっしゃい ああ 今夜のライブ 頼みますよ
(五郎)あれ? あの人…
ま いっか
ここはいつからですか?
5月から
どうしてもやってくれって 頼まれてな
吉祥寺(きちじょうじ)の店はどうしてるんです?
ヒロシに任せてる
(五郎)ああ ヒロシくんに
で 今日は どんな無茶ブリなんですか?
言うねえ
(五郎)まだ根に持ってますから (五十嵐)フッ
今日はシラフだから安心しろよ
ここのグラスなんだけどさ 結構 使い込んでるから
この際 全部 新しくしようと思ってんだよ
(五郎)ああ
あ 今から言うからメモ取れよ
(五郎)はい
(五十嵐)いいか (五郎)お願いします
(五十嵐) えー コリンズとタンブラーが30ずつ
ショットが20
うーん カクテルグラスも20だな
20でいいんですか?
分かったよ カクテルグラス 30
30
それからシェリーとゴブレット 20
30?
お前 調子に乗っちゃってる?
(五郎)そんなわけないでしょう (五十嵐)お前なあ
シェリーとゴブレットは20
(五郎)はい
(五十嵐) リキュールグラスも20かな
(五郎) 20… あ 結構いっちゃいますよ
(五十嵐)結構いっちゃうか
(五郎) いっちゃいますけど まあ大丈夫でしょう
ええ いっちゃいましょう
(五郎) 五十嵐さん やっぱり全然変わってなかったな
さてと
(男性) 出前 お願いしたいんですけど
ザルそばと
(男性)天ぷらそば (五郎)天ぷら!
(男性)あとカツ丼2つ
(男性)お願いします (五郎)カツ丼
(男性)あ はい (五郎)おお〜
いかん 何だか俺も腹が
減ってきた
よし 店を探そう
さて 何を食う?
この辺で働いてる人たちが 行く食堂は
どの辺なんだろう
ん? あれは何の店だろう
あんこう屋さん
うーん
クエ ふぐ… ん?
この辺 高級料理地帯なのかな
もっと庶民なメシ屋はないのかなあ
あっ
やった! 中華
よしよしよし
ここだ! 中華シブヤ
タイトルからして いい
こういう店だよ 俺が求めていたのは
庶民メシにありつけそうだ
よーし
(大将)はい いらっしゃい (女将)いらっしゃいませ
(大将)そちらの席 どうぞ
はい お水です
(五郎) この赤地に白で手書き文字の
オーソドックスなメニュー
これは信頼できそうだ
鷄バンバンにチンジャオ
ホイコーローに ニラ玉
で チャーハンがあって
おお 麺類も充実してる
教科書どおりの町の中華屋だ
で
こっちは点心につまみ系のおかずか
ん?
エビトースト
ちょっと気になるじゃないか
キノコ炒めってのも引っかかるが
今日はニラ玉か…
いや エビチリが
俺を呼んでいるような 気もする
それをチャーハンではなく
白飯で迎え撃ちたい気分だ
さて ニラ玉かエビチリか
うーん
気絶するほど悩ましいな
すいません
お決まりですか
えっと ニラ玉とエビチリとライス
あとエビトーストください
ニラ玉とエビチリとライス
それからエビトーストですね
(五郎)はい (大将)はいよ
ニラ玉とエビチリとライス それとエビトーストね
(女将)はいはい
(五郎) お母さんが厨房で お父さんがフロア担当なんだ
(男性)ごちそうさまでした
チンジャオライス 800円ね
(男性)はい じゃあ1000円から (大将)はいはい
はい それじゃあ200円おつり
(男性) はい どうも ごちそうさまでした
ありがとうございました
はい まずエビトーストです
味ついてますからね そのまま食べてください
はい
(五郎)へえ 想像してたのと違う
ピンチョスというか
おつまみ的というか
ま とりあえず
いただきます
(五郎)アツアツ
ああ… エビのすり身を揚げてるのか へえ
うん
うまい イケる
中華屋さんのエビトー
これは今日の収穫だ
エビ味が すごくいい具合 フッ
なんだか楽しくなる一品だ
(大将)はい いらっしゃい (男性)どうも
(大将)はい こちらにどうぞ
(男性)どうも (大将)いらっしゃい
えっと こっちいきましょうか はい
(女将)いらっしゃいませ
(大将)ご注文は?
(男性)ニラ玉とライス
(男性)同じで (大将)はい
(男性) すいません ニラ玉とライス 3つで
(大将)はい
ニラ玉ライス 2つと3つね
(女将)はい
(五郎)12時だからか
まるで八丁堀サラリーマンの 社員食堂だな
それにしてもニラ玉 大人気
よしよし
はい お水です
(男性)どうも (大将)はい いらっしゃい
(大将)ああ どうも (男性)いつもので
ニラ玉丼ね
(男性)2つ (大将)はい
奥へどうぞ
(大将)ニラ玉丼 2つね (女将)はい
(五郎)何!? みんな ニラ玉?
だってニラ玉だよ
一体 何? この店
(女将)はい ニラ玉 (大将)はいよ
お待たせしました ニラ玉です
(五郎)来た
何だ何だ このニラ玉
こんなの見たことない
よし まずは こいつと
1対1のぶつかり稽古だ
どれどれ
おお このニラの量!
で どんなもんだ?
おお〜 なんじゃこりゃ!
(五郎)うん
(五郎)ニラ 味が濃い 強い
そして太い
うーん ワイルド
野性の 裸のニラのうまみだ
タレ抜群
この深緑色
これはうまい 注文が殺到するわけだ
うーん
こんなにもニラの味が ダイレクトに飛び込んでくるとは
豚肉もここでは
ニラのサポートに 徹してる感じだ
卵を一緒に炒めないのは このためか
(五郎)うーん
(五郎)くう〜
メシに合いまくり
うまさに目がくらむ
これは…
ニラ玉の余韻だけで ご飯がぐいぐい進む
やっぱり俺は
骨の髄から 白いご飯 至上主義者なんだな
この卵もヤバい
半熟加減が絶妙 とろりんちょ
これは完璧な火加減
鍋使いのなせる業だ
(大将) お待たせしました エビチリです
(五郎) 来た来た この香り
たまらん
(五郎)うん
(五郎) これは いいエビチリだ しょうがが効いてる
これは… こうでしょう
うんうん
これまたメシに合うこと 合うこと
中華料理といいながら
これはもう日本に帰化している味だ
ああ 割り箸が止まらない
エビチリからのエビトー
この辺で味をプラスしてみるか
よし
食べるラー油 トッピングだ
チリとトーストで エビがダブってしまったが
このダブリは むしろ贅沢だ
ほーら いいじゃないの
食べラーの刺激
チリソーとは別方向からの
うまみパンチが飛んできた
(大将) はい ニラ玉 お待ちどおさま
(女将)はい お待たせしました
(大将) ニラ玉です 1つ ちょっと待ってね はい
はいはい
はーい
ライスはちょっと待ってくださいね
(田中(たなか))こんにちは (大将)はい いらっしゃい
おお 田中ちゃん
あら どうしたの 今日は? 美女2人も連れちゃって
(田中) ハハハハ うらやましいでしょう
(大将たちの笑い声)
はいはい
(五郎) 町中華といえば このスープだ
ああ
(五郎) これは中華料理屋 信用の味だ
あ〜 うまい
本当にうますぎる
庶民メシのつもりが とんでもないのに出くわしちまった
(女性) 本当にニラ玉ばっかりなんですね
(田中) ここのを知ったら 他の店では食えなくなるから
(女性)へえ〜 楽しみです
(五郎) さながら ニラ玉専門店のようだ フッ
(田中)すいません
(大将)はいはい ご注文は?
うんとね ニラ玉ライス2つと 僕はニラ玉ラーメン
(五郎)何?
(大将) ラーメンの上にのっけたら 味がボヤけるって言ってんのに
しょうがない奴だな
(女性) メニューには 載ってないですよね
裏メニューってやつですか?
(大将) 常連だけだよ そんな変な注文すんの
ニラ玉もラーメンも どっちも食いたいんだもん
(女性たちの笑い声)
(五郎)その気持ち 分かります
俺とて ニラ玉 エビチリ どっちも食いたい
しょうがない奴です フッ
よし こうしちゃえ
エビのチリソースを発明した人
本当に天才だと思う
おお
ありがとうございます
俺は今 あなたの才能の 恩恵を受けています
そして…
小さな名作 エビトースト
こいつでつないで
よし いくぞ
ニラ玉のせ おかずかけご飯のリレーだ
いいじゃないか
うーん
すばらしい
うう〜ん
ノーヒントで店の目玉メニューを 引き当てた自分を褒めてやりたい
これを食べずして ニラ玉を語るべからず
ニラ玉に対する認識が ひっくり返った
こういう庶民味 超好き
(五郎)うん
(五郎)今日 この店にして大正解
ハァ〜 うまかった
おっと
パセリは大胆にほおばるのが 大人だ
かんでいると 苦みの向こうに さまざまな味が浮かび上がってくる
子供はそこまで我慢できない
(大将) はい お待たせしました ニラ玉ラーメン
(田中)ありがとうございます
(女性)おいしそう (田中)いただきます
(笑い声)
(五郎)あれがニラ玉ラーメン
やっぱり卵のっかりタイプなんだ
(田中)うんまい
(五郎)へえ
ふーん
(大将) どうも ありがとうございました
はいはい 800円ですね
お待ちください はい じゃあおつり
ありがとうございました どうも ありがとうございました
(五郎)すいません
(大将)あ お会計ですか
えっと えー エビチリとニラ玉と それから…
(五郎) 追加でチャーシューメンください
(大将)チャーシューメン? (五郎)それから…
え?
お水のおかわりも
ああ お水ね お水 はい
4番さん チャーシューメン追加
(女将)あ はい
(田中)ごちそうさまでした (大将)ありがとうございました
(大将)2400円ね (田中)はい 3000円から
(女性1)ごちそうさまでした (女性2)おいしかったです
(大将) おいしかった? うれしいなあ はい どうも
ママの料理は最高でしょう?
(女性)はい ウフフフ
ホントはね 俺のほうが腕いいんだよ
ママは俺のこと 師匠って呼んでたもん
(女性たち)へえ〜
(女将) はいはい 早く運んでください
(田中たちの笑い声) (大将)はいはい はいはい
(大将)ありがとうございました (田中)ごちそうさまでした
チャーシューメン お待ちどおさま
(五郎) おお〜 肉食欲を刺激する見た目
チャーシューメンは こうでなくっちゃ
コショウはと
よし
ああ これこれ 庶民中華のラーメンだ
これはいい
ラーメンは 音を立てて すすってこそ うまい
麺とスープが 歌い踊り
口の中に うまさをはじけさせる
ああ この味
このおいしさの ふるさとは 俺の中にあるような気さえする
おお〜
うん
こういうチャーシュー 最近 食べてなかったなあ
チャーシューも ど真ん中のうまさだ
ニラ玉とエビチリを平らげた後でも すいすい食えちまう
こういう普通のラーメンが いいんだよ
どうだどうだという 押しつけがましさが みじんもない
町の定番
でも こんなラーメンを 食べられる店が
都会では どんどん減っている
チャーシュー しっかり味がしみてる
この店の誠実さが しみこんでいる
追っかけ麺して大正解
ああ〜 最高
毎日 八丁堀界隈で 働く人々に
普通のおいしさを 淡々と提供し続ける
時代にこびず 背伸びもせず
地道な味の工夫で 客の心を がっちりつかんでいる
こういう店こそが
本当の名店だと思う
ハァ 大満足
最後はチャーシュー 1枚締め
よーお
ああ…
いい昼飯だった
ごちそうさまでした
(大将)ありがとうございました
気持ちいい食べっぷりですね
見てる私まで お腹いっぱいになっちゃいましたよ
おいしかったです お会計お願いします
(大将)はいよ
(大将・女将) ありがとうございました
(五郎) ああ さすがに腹いっぱいだ
あ〜
(五郎) しかし あのニラ玉には驚いた
まだまだ すごい店があるもんだ
さて 明日は浅草(あさくさ)か
何を食おうかな
♪〜
〜♪
(ナレーター) 原作者 久住昌之(まさゆき)が
実際にお店訪問
ふらっとQUSUMI
今回は八丁堀の オフィス街にたたずむお店
中華シブヤ
もちろん最終回も こちらは欠かせません
(久住)何だろうね これは
独特の…
いやあ
今回も
おいしい思いをさせてもらって ありがとうございます
いい音がしてるね ハハハ
(ナレーター) まずは お父さんおすすめの裏メニュー
(久住) 初めて! トマトのキムチですか
(久住) これ 頼まれちゃっても 大丈夫ですか?
(吉章さん)いつでも大丈夫ですよ
(久住) キムチだ 確かにキムチだ
これいいな
(ナレーター) 続いて登場したのは キノコ炒め
(久住)これ おいしい
これ ご飯のおかずになりますね
(ナレーター) そして今シーズンの締めを飾るのは
こちらの モヤシラーメン
この 細麺の ちぢれ麺の っていうやつね
(ナレーター) そのお味は いかがでしょうか?
(久住)うまい
そうなんだ
お客さんが食べてるところに こうやって座るのが大好き
ハハハハハ
はい そういうわけで シーズン7も最終回
最後までおいしくいただきました
えー また何か機会があったら お会いしましょう
どうもありがとうございました
(ナレーター) 八丁堀の中華シブヤ
お越しの際は
番組ホームページを チェックしてください
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