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〈ついに 音楽評論家の通彦と 一線を越えてしまった麻也子〉
(竹田久美)気持ちは 理性じゃコントロール出来ない。
(工藤通彦)離したくない。
〈一方 夫 航一の 麻也子に対する→
束縛と監視は エスカレートするばかり〉
(水越航一)身体検査しようか。
〈麻也子に知られないよう 不倫関係を続けてきた→
親友の久美と航一だったが…〉
(久美)麻也子の事 愛してないの? 愛してるよ。
もう終わりにしよう。
〈ついに航一は 別れを切り出した〉
ゲームオーバーだよ。
〈自由奔放に 男遊びを続けてきた玲子は→
ある日 突然 予想もしなかった形で→
夫から離婚届を突きつけられた〉
(留守番電話のアナウンス) 「ただ今 電話に出る事が…」
秋から ボローニャに 留学しようと思ってるんだ。
(水越麻也子) もう会えなくなるって事?
一緒に行けばいい。 えっ…?
〈それぞれの運命が 今…〉
ああっ!
〈大きく動き出す〉
麻也子。
僕とイタリアで暮らさない?
なんか 夢みたい。
楽しそうだな…。
だけど 無理よ。 一緒にイタリアに行くなんて。
どうして無理なの?
どうしてって…。
ご主人と離婚してほしい。
最低の事を言ってるのは わかってる。
だけど…→
僕は 誰を傷つけても 麻也子と生きていきたいんだ。
通彦さん…。
僕から ご主人に話したっていい。
土下座でも なんでもして 殴られたって構わない。
そんな事させられない。 僕は全然平気だよ。
そうじゃないの。
これは夫婦の問題だから。
ちゃんと 夫と向き合って 話さないといけないから。
わかった。
♬~
何かあったら いつでも連絡して。
すぐ行くから。
〈これまで 何度もよぎった 「離婚」の二文字〉
〈だけど 離婚に踏み出す 勇気はなかった〉
〈でも 今は違う〉
〈通彦の存在が→
私を大きく変えようとしていた〉
(解錠音)
ただいま。
何? これ…。
♬~
航ちゃん?
♬~
≪(ハサミで切る音) えっ…!?
何してるの? ちょっと…。
やめて!
ひどい…。 なんで こんな事…!
麻也子は もう 外には出さないから。
だから もう 必要ないよね?
靴も服も。
どうかしてるよ 航ちゃん…。
これは罰だよ。
罰?
僕が 何回電話しても 電話に出ないから。
麻也子がいけないんだよ?
(服を破る音)
もう 無理…!
何が?
離婚してください。
何言ってるの?
確かに 私は 航ちゃんを裏切って傷つけたし→
本当に 申し訳ない事をしたと思ってる。
ごめんなさい!
ちゃんとわかってるんだね。 自分が悪いって事。
だけど…→
監視したり こんな事までする 航ちゃんとは もう無理!
こんな事までさせたのは 麻也子なんだよ?
私に関心ないくせに…。
私の事なんか 愛してないくせに!
愛してるよ。
こんな時間に どこに行くの?
もう 航ちゃんとは 一緒にいられない! 離して!
野村さんのとこ? そんなわけないでしょ。
じゃあ 工藤さんだ。 違うから!
麻也子は嘘をつくのが下手だね。
離して!
こんな事 僕は絶対に認めないからね。
離してよ!
航ちゃん?
航ちゃん!? 航ちゃん!
航ちゃん!
♬~
(水越綾子)航くん…。
(綾子)航くん! お義母様。
(綾子)頭を打ったって どういう事?
どういう状況なの? 先生 なんておっしゃってるの?
一応 CTを撮って頂いたんですが→
出血や骨折の心配はないそうです。
(綾子)じゃあ 大丈夫なのね?
航ちゃん? 航くん?
ここは… どこ?
あなたは… 誰?
えっ? 何言ってるの? 航ちゃん。
航ちゃん?
(綾子)ちょっと やだ 航くん… ねえ どうしちゃったの?
あなたは…?
お母さんよ。 わからないの?
うっ…! ちょっと 航くん 大丈夫?
先生 すぐ呼んできます。
航くん 航くん…!
(呼び出し音)
(携帯電話の着信音)
もう終わりにしよう。
君はルールを破ってばかりだ。
ゲームオーバーだよ。
♬~
(医師)生年月日はわかりますか?
すいません… 覚えていないんです。
お仕事は何をされてますか?
わかりません。
ゆうべの食事 覚えてますか?
いや…。 思い出せないんです。
(医師)わかりました。 もういいですよ。
レントゲンやCT検査では 異常が見当たりませんので→
記憶喪失は 恐らく 一時的なものだと思います。
頭部打撲の場合 たまにあるんですよ。
そうなんですか…。
とはいえ しばらく入院して頂いて→
もう少し詳しい検査をしたほうが いいかもしれませんね。
よろしくお願いします。
(看護師)失礼します。
航くん 大丈夫よ。 お母さんがついてるからね。
ありがとうございます。
やめてよ そんな言い方。 親子なのよ。
≫(田中早苗) 山口? 山口 どこなの?
あっ ここか…。
(早苗)あっ まあ…。 すみません 失礼します。
山口! あなた 一体 何してるの!
(山口)駅の階段から 転げ落ちちゃったんすよ。
全治1カ月っすよ!
どうせ かわいい女の子でも見つけて→
見とれてたんじゃないの? (山口)さすが社長→
よくわかってる! 何 のんきな事 言ってるのよ。
ほら とりあえず 入院に必要なもの持ってきたから。
あざっす! 給料から引いとくからね。
マジっすか? マジっすよ。
あっ… すみません お騒がせして。
いえ…。 わたくし→
ブライダルサロン マリーゼを 経営しております→
田中早苗と申します。
うちの社員の山口が→
ご迷惑を おかけするかもしれませんが…。
外科のベッドが いっぱいらしいんで。
よろしくお願い致します。
こちらこそ。 よろしくお願いしますね。
この人ったら いい歳して独身なんですよ。
そもそも ブライダルサロンの 社員が独身だなんて→
おかしいですよね。 さあ どうなんでしょう…。
お嬢様 結婚なさる時は どうぞ うちで…。
あっ いや… 私 結婚してるんで。
えっ?
主人です。
この子の母でございます。
あら まあ… それは失礼致しました。
♬~
♬~
(チャイム)
♬~
どうしたの?
(遠山玲子)久美…。
家財道具はもちろん→
私の下着すら 一枚も残ってなかったのよ。
あったのは これだけ。
(久美)自業自得でしょ。
こんな時に それ 超きついんだけど…。
ごめん。
何? 久美なら もっと怒ると思ってたけど。
私も 人に偉そうな事 言える 人間じゃないから。
やだ… どうしたのよ?
ご主人が行きそうな場所 心当たりないの?
実家には行ってないみたい。
旦那の親戚とか知らないし 友達も知らないから。
本当に ご主人の事 なんにも知らないのね。
だって 旦那になんか興味ないもん。
向こうも そんな事 百も承知のはずだよ。
でも ご主人は 玲子の事を 全力で愛してたと思うよ。
だって 言ってたもん。
(遠山 茂)愛してます。 殺したいほど。
殺したい…?
うらやましいけどな そこまで愛されるって。
じゃあ 私 もう戻るけど 明日 また来るわね。 はい。
(綾子)ほら 航くん これ 入園式の時の写真。
思い出せない?
…ごめんなさい。
じゃあ… あっ。 じゃあ これは?
いや… 覚えてないです。 もうちょっと よく見て。
思い出してよ ねえ 航くん。
いやいやいや… さすがに これは覚えてないでしょう。
赤ちゃんですもの。
ああ… どうしたらいいんでしょう?
どうしたら 記憶が戻るのかしらねえ?
もしかしたら 記憶喪失って→
原因は 頭を打った事じゃないかも しれませんよ。
えっ?
なんか 心に強いショックを受けたとか。
(麻也子の声)離婚してください。
何言ってるの? 私の事なんか 愛してないくせに!
私の知り合いの方でもね いらしたんですよ。
お子さんを亡くしたショックで 記憶喪失になってしまった方。
そうなんですか? ええ。
その方 記憶戻ったんですか? 時間かかったんですか?
麻也子さん 何か心当たりないの?
航くん 何がショックだったの?
(早苗)ああ… ねえ お母様 少し落ち着いて。
その事で あんまり 息子さん追及なさっても→
おつらいだけですわ。
ここは じっくり焦らずに 見守ってあげて。
そうですね。 そうなんですか…。
社長こそ 余計な事 言いすぎっすよ。
あっ…。 ごめんなさい。
麻也子さん お願いね。
私と一緒に 航くんの事 支えてね。
時間かかるかもしれないけど 私と一緒に頑張ってね。
はい…。 ねえ 航くん。
♬~
(着信音)
もしもし 麻也子?
連絡がないから心配してたんだ。
「もしもし…? どうしたの?」
「なんで黙ってるの?」
夫が入院したの。
えっ?
やっぱり無理なんだよ。
離婚して 通彦さんと一緒になるなんて…。
「そんなの無理なんだよ」
「きっと バチが当たったんだ…」
私は このまま一生 我慢して生きていくしかないのよ。
「すぐ行くから。 どこの病院なの?」
♬~
記憶喪失…?
私の事も お義母様の事も わからなくなってるの。
私のせいだ…。
私が離婚したいなんて 言ったから…。
全部 私が悪いのよ。
離婚だって出来ないし→
通彦さんと一緒に イタリアに行くなんて→
やっぱり無理なんだよ! 無理じゃないよ。
無理だよ! 待つから。
ご主人の記憶が戻るのを。
♬~
いつまでだって待つから…。
だから 今は何も考えず ご主人の看病に専念して。
でも 嬉しかったな…。
あんなふうに 感情をぶつけてくれて。
通彦さん…。
〈こんなにも素直になれて→
こんなにも安心出来るなんて…〉
麻也子さん。
あ… あの…。
こんなところにいたんだ。 寒いんじゃないかなと思って。
ありがとう。
お体の調子はいかがですか?
こちらは? あっ… 工藤さん。
津久井先生… 会社の上司の知り合いで→
いろいろ お世話になったっていうか…。
そうなんだ。 いつもお世話になってるみたいで→
ありがとうございます。 あっ いえ。
ご主人とも 以前 麻也子さんのお友達のお店で→
お会いしてるんですよ。
あっ… そうでしたか。
すいません 今 記憶がちょっと…。
あっ…。 航ちゃん 頭痛いの?
ああ… 大丈夫。
工藤さん 申し訳ありませんが ここで失礼します。
お大事になさってください。 ありがとうございます。
あっ…! 航ちゃん!
♬~
大丈夫? ああ… 大丈夫。
♬~
(携帯電話の着信音)
もしもし?
実はね 玲子のご主人が→
遙斗くんを連れて 家を出たらしいの。
えっ!? 「玲子が昨日 帰ったら…」
家は もぬけの殻だったらしくて…。
どういう事?
ご主人 黙って 引っ越しちゃったって事?
そうみたいね…。
ちょっと貸して。
もしもし 麻也子 法律事務所で働いてたよね?
弁護士の先生 紹介してくれないかな?
「離婚問題に強いって 言ってたよね?」
それは…。
(津久井哲也) 離婚を望んでらっしゃる?
はい。 一人息子の親権も 絶対に取りたいんです。
(津久井)不倫の証拠 何か持ってますか?
わかりました。 集めます。
ごめん… 私 仕事休んでるの。
(玲子)「体調悪いの?」
私じゃなくて 旦那が…。
旦那さん どうかしたの?
記憶喪失で入院してるの…。
(玲子)記憶喪失で入院!?
♬~
(ため息)
(チャイム)
久美… 玲子…。
ご主人 大丈夫?
何か手伝える事があれば と思って。
ありがとう。 今のところは大丈夫。
どうしたの? これ…。
うん。 ちょっと…。
まるで 泥棒でも入ったみたいじゃん。
夫婦ゲンカでもした?
まあ…。
記憶がなくなってるって 聞いたけど…。
うん…。
なんにも覚えてないの?
そうなの。
私の事も 自分の名前も…。
(携帯電話の着信音)
もしもし?
(綾子)「麻也子さん? あの… 着替え お願いね」
それから航くんのスマホも 持ってきてくれない?
何か記憶が戻る手掛かりに なるかもしれないし。
わかりました。 もうすぐ戻りますので→
他に何か必要なものがあれば ご連絡ください。
うん よろしくね。
(ため息)
航ちゃんのスマホ…。
スマホ…。
私も捜すよ。 ごめん。 助かる。
ねえ 電話かけてみたら いいんじゃない?
あっ… そっか。
ねえ 麻也子。
もしかして 旦那さんの鞄とか→
スーツのポケットとかじゃ ないかな?
ああ… そうかも。
♬~
(玲子)ないよね?
(ドアの開く音)
ごめんね 遅くなっちゃって。
ううん。 僕のほうこそ 迷惑かけて ごめんね。
疲れたでしょ。 少し休んだら?
大丈夫。
航ちゃんのスマホ 見つからなかったの。
帰ったら また捜すね。 ありがとう。
あっ… お義母様は?
売店に行ってる。
(久美)失礼します。
私の親友の久美。
はじめまして。
何回も会った事あるんだよ。 そうなの?
あっ… ごめんなさい。
僕 今 記憶がなくて…。
いえ…。
久美はね ワインバーをやってるの。
航ちゃんも行った事あるんだよ。 へえ~ そうなんだ。
じゃあ 退院したら 一緒に行こうよ。
うん。
楽しみが増えたな。
♬~
こんばんは。
いらっしゃいませ。
知ってますか? 麻也子のご主人が入院した事。
ええ… 記憶喪失だそうですね。
そう…。 何もかも忘れたみたいなの。
(久美の声)何もかも…。
麻也子と冷え切ってた事も。
今は 仲よさそうな夫婦にしか 見えなくて…。
(久美)平気なの? えっ…?
元鞘かもしれないわよ。 平気なの?
平気じゃないなら→
奪いなさいよ 麻也子の事。
♬~
ごちそうさまでした。
あら 全部食べられたのね。
よかったわ 食欲出てきて。
お母さんの味 思い出してくれたかしら?
〈もし このまま 記憶が戻らなければ→
私は 夫と一緒にいるしか ないのだろうか…〉
はい。 ありがとう。
♬~
おいしい?
航ちゃん 気分はどう?
今はいいよ。 そっか。
昨日の夜 ちょっと頭痛かったんだけど…。
まだ痛いんだ…。 うん。
涼しいね。 寒い?
ありがとう。
大丈夫?
ごめんね。 ちょっと無理しちゃったね。
僕のほうこそ 心配かけてばかりで ごめん。
足元 気を付けて。 うん。
よかった。 えっ?
君が僕の奥さんで よかった。
僕は本当に幸せ者だよ。
(早苗)本当に いいご夫婦だわ~。
あっ… いえ そんな…。
こんな事になって 本当に申し訳ないと思っている。
素晴らしいわ!
お互いを気遣って 思いやりを持って接するってね→
当たり前のようだけど なかなか出来る事じゃないのよ。
私 長い事 ウェディングプランナー→
やってきましたでしょう?
たくさんのカップルを 見てきたから 大体わかるの。
うまくいくか いかないか。
ほら 世の中 最近 不倫とか多いでしょう?
ああいうのは駄目。 絶対駄目よ。
でも あなたたちは大丈夫。 完璧!
ご主人様 こんないい奥様が 支えてくださるんですから→
ここは安心して 焦らず じっくりね。
はい。
あっ 航ちゃん リンゴでも食べる?
ああ… うん。
私のせいだ…。
私が離婚したいなんて 言ったから…。
(久美の声) 何もかも忘れたみたいなの。
今は 仲よさそうな夫婦にしか 見えなくて…。
♬~
(玲子)失礼します。 (関口真希)はい。
津久井先生 いらっしゃいますか?
(真希)申し訳ありませんが お約束がないと ちょっと…。
(古川 徹)あっ!
(真希)何?
津久井先生! ん?
♬~
あっ! はっ?
失礼します。
ああ… どうも。
あっ えーと…。 工藤です。
そうだ。 工藤さん。
すいません 彼女 すぐ戻ってくると思うので。
いえ 仕事で近くまで来たので お見舞いにと思って。
わざわざ申し訳ありません。 ありがとうございます。
あっ もしよかったら どうぞ。
フフ… ちょっと不格好ですが。
彼女 こういうの 得意じゃないみたいで。
でも ご主人のために…。
はい。 本当に一生懸命 やってくれてるんです。
いい奥様ですね。
はい。
僕には もったいない人です。
いや とても…→
本当に とても… よくお似合いの いいご夫婦ですよ。
ありがとうございます。
奥様のためにも 早く元気になってくださいね。
はい。
それじゃあ 僕は これで。 お大事に。
♬~
ご主人… お大事に。
♬~
待って 通彦さん!
待って!
ねえ… どういう意味?
なんで あんな事を言ったの?
もう会っちゃいけないんだ。
やっぱり 許されないんだよ…。
許されないなんて…→
そんなの 最初から わかってた事じゃない。
待つって言ってくれたじゃない! だから 私…。
麻也子と一緒にいる時のご主人 幸せそうだった…。
僕には あの笑顔を壊せないよ…。
♬~
(洗濯機の作動音)
(チャイム)
全部 知ってたんじゃん! いきなり どうしたの?
うちの旦那 津久井先生に 相談してたんだってね。
今日 先生のとこに相談に行ったら 断られたのよ。
うん…。 旦那から依頼を受けてるから→
駄目だって。 うん。
麻也子 知ってたんでしょう!? なんで 教えてくれなかったのよ。
ごめん… 私たちには 守秘義務があるから。
私の事より 守秘義務のほうが大事ってわけ?
だから 私 言ったじゃない!
男遊びは 今すぐ やめて。
はあ!? どうしたの?
とにかく 今すぐ やめて。 玲子のためなの。
そんなの 言い訳だよ!
ちゃんと話してくれてたら 私だって うまくやれたのに。
うまくって…。
玲子 全然 わかってないよ。 そういう事じゃないでしょう。
偉そうな事 言わないでよ!
野村さんと不倫して→
今度は 別の男に乗り換えた 麻也子が→
私に どんな説教出来るっていうの?
説教するつもりなんかない。 私は 玲子のためを思って 言って…。
ごめん… つい…。
ううん…。
私さ…→
会いたくてしょうがないんだ。
えっ?
遙斗に…→
遙斗に会いたい!
今さら 子供は かわいいとか言ったって→
虫が良すぎるのは わかってる…。 わかってるけど…→
遙斗に…→
会いたくて…。
(玲子の泣き声)
玲子…。
(玲子の泣き声)
そうよ。 しっかり 処理してちょうだい。 お願いね。
あら…。 あら まあ お母様。
今日も お見舞いですの? ええ。
退屈して 本が読みたいなんて 言うもんですから→
買ってきたんですのよ。
山口さん さっき 検査に行かれましたよ。
あら やだ。 もう せっかく持ってきたのに…。
とっとと 置いて 帰れって事ですかね。
社長さんも大変ですわね。
ええ 本当 独り者の社員なんて迷惑。
その点 お宅の息子さん→
まあ 優しいお嫁さんがいて 本当に安心ですわねえ。
でも いくつになっても 息子の事は心配でね。
わかります。 うちも息子いるんですけどね…。
まあ 男の子って いくつになっても→
頼りなく見えません? 見えます 見えます。
だから ついつい 手を貸しちゃうんですよね。
ああ わかります! それ すごくわかりますわ。
だけど 口だけは達者でね。 行動がね…。
本当 そうなんですよねえ。
でも また そこが かわいいんですけどね。
(2人の笑い声)
うちの息子 まだ独り身で フラフラしてるんです。
あらっ いいじゃないですか。
どうすれば お宅の麻也子さんみたいな→
いいお嫁さんが 見つかるのかしら?
(綾子)そんな いい嫁でもないんですけど…。
(ドアの開く音)
♬~
♬~
ああ… どうも。
思い出して!
はい…。 僕も 一日も早く→
記憶を取り戻したいとは 思ってるんですが…。
私の事!
ん… 久美さんでしたよね?
私と航一さんは 愛し合ってたの。
見て!
(久美)航一さんが 私のベッドで 寝てる時に撮ったの。
嘘じゃないでしょう?
麻也子と航一さんは 形だけの夫婦なの。
愛し合ってたのは 私と航一さんなの!
嘘だ…。 えっ? そんなの 絶対 嘘だ。
ねえ 思い出して!
お願いだから もう一度 抱きしめて!
どうして? どうして そんな目で見るの?
いや だって…。
♬~
お願いだから 思い出して。
私とあなたは こうして 何度も何度も愛し合ったの。
航一さん… 私に 別れようって言ったけど→
私 嫌だから。 私 絶対 別れないから!
やめろよ!
出て行ってくれないか。
(拭く音)
航一さん もしかして…→
記憶 戻ってるんじゃないの?
♬~
まさか… 記憶喪失も嘘?
何 言ってるんだ…。
だって… だって 航一さん いつも そうしてた。
耳たぶ噛まれるのが嫌いで 私が ふざけて噛んだら→
いつも やめろよ! って突き飛ばして。
何回も 何回も ティッシュで耳たぶを拭くの。
何 言ってるの? 久美ちゃん。 いや 僕は 本当に記憶が…。
今…→
今 「久美ちゃん」って言ったよね?
航一さんは 2人でいる時は→
私の事 久美ちゃんって 呼んでくれてたの。
やっぱり 記憶喪失なんて 嘘なんでしょう?
麻也子の気を 引くためなんでしょう?
記憶喪失じゃなかったの?
いや… 違うんだ… いや これは誤解だよ!
久美?
信じられない…。
あんなに 不倫の事を否定してた久美が→
まさか 航ちゃんと…。
いやいや 違うんだ。 この人 嘘言ってる。
とぼけないで! もう1年になるの… 私たち。
なんで そんな嘘つくんだよ!?
ごめん…。
麻也子…→
ごめんなさい。
謝らないで。
これで 楽になれる…。
航ちゃんを裏切った事 申し訳ないと思ってたけど…→
もう 苦しまなくていいんだから。
ま… 麻也子…。
さよなら。
お幸せに。
あいつのとこに行くのか!?
愛してるのに…。
こんなにも… こんなにも愛してるのに…。
(嗚咽)
ああー…!
お願いだから もう 麻也子の事 忘れて。
(泣き声)
♬~
もう離れない。 ずっと… ずっと一緒にいる。
麻也子…。 家にも帰らない。
だから…。
もう… 私を離さないで。
♬~
離さないよ 絶対に。
約束ね。
♬~
約束だ。
一緒に行こう イタリア。
うん。
♬~
♬~
失礼します。
ゲッ! また 来た…。
申し訳ありませんが 先日も お話ししたとおり…。
お願いします! どうしても 息子に会いたいんです。
(舌打ち) (玲子)教えてください!
夫が どこにいるのか。 (津久井)あのねえ…。
えっ? ちょっと…。
(玲子)私 誰も頼れる人が いないんです 津久井先生しか。
お願いします。 いや ちょっと ちょっと…。
お願い! あっ ちょっと…。
♬~
♬~(ピアノ演奏曲)
♬~
僕の実家の両親に 会ってもらえないかな?
麻也子と結婚して→
一緒に イタリアに行く事を 報告したいんだ。
でも… 私 まだ 離婚してないし。
駄目かな?
駄目じゃないけど…。
じゃあ 決まり。
きっと 僕の両親は 麻也子の事を 大歓迎してくれると思うよ。
〈通彦と一緒になれるのは 嬉しいけれど→
その反面 実家への誘いや→
この 通彦のスピード感に 不安がないわけではなかった〉
(時計の秒針音)
♬~
♬~
(しゃっくり)
ハハッ… 緊張してるんだ。
そりゃそうだよ…。 いい両親だから。
(しゃっくり) フフッ…。
♬~
(しゃっくり)
(工藤雅之)ついに お前が結婚か。
しかも こんなきれいな女性と。 ハハハッ…。
(しゃっくり)
大丈夫?
ごめんなさい… 大丈夫です。
ちょっと 緊張して。
麻也子さん こんな頼りない男ですが→
どうか 通彦を よろしくお願い致します。
いえ そんな… こちらこそ。
母さん 喜ぶぞ。 この間も 急に 電話かかってきて→
早く いい人見つけろって 言ってたからね。
そうか そうか。
それにしても お母さん 遅いな。 何やってんだろう?
麻也子さん もうしばらく お待ちください。
さあ どうぞ どうぞ。 いえ 大丈夫です。
母は 仕事大好き人間でさ。
≪ただいま! おおっ 帰ってきた 帰ってきた。
(雅之)おかえり。
≪ごめんなさい。 仕事で ちょっと トラブルがあって。
おかえり。
あなたたちは大丈夫。 完璧!
世の中 最近 不倫とか多いでしょう?
(早苗の声)あれは駄目! 絶対駄目。
(しゃっくり)
紹介するよ 水越麻也子さん。
知ってる…!
えっ?
どうして あなたが ここに?
♬~
♬~
用意しておいたよ 卒業証書。
君は どれだけ 僕を傷つけたら 気が済むんだ!
この人 結婚してるのよ! 絶対 認めませんから!
ふざけないで! (玲子)やめなよ! 2人とも。
(野村健吾) いけない事 考えてるんだ。
女 なめんじゃないわよ。 結婚式 挙げようよ。
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