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[隠密御庭番衆崩壊…]
[その時が 刻一刻と 葵屋に忍び寄る]
[そのころ]
うおおおお…!
《下段》 (清十郎)フッ。
ぐあっ…。 刀を振りかぶったからとて➡
斬撃がくるとは限らないぜ。➡
読みのはやさに頼り過ぎなんだよ お前は。
ぐっ… うう…。
奥義伝授の前に 力試しして正解だったな。
まさか お前の腕が こんなに鈍ってるとは➡
予想外だったぜ。
時間がない…。 こうしている間にも➡
志々雄の手が 伸びてるかもしれないんだ。
こんなことより 早く 奥義を…。
《帯から さやを外しての抜刀…》
《これは 飛天御剣流 二段抜刀術 双龍閃…》
あっ…。 《一撃目が さや!?》
《しまった… これは さや打ちから剣撃につなげる➡
もう一つの二段抜刀術!》
《双龍閃・雷!》
ぐっ… ぐう…。
飛天御剣流 最強の奥義を➡
鈍った腕で会得できるとでも 思ったのか… このバカ弟子が!
まずは この俺から 一本取ってみろ。
奥義の伝授は それからだ。
ほら どうした。
わざわざ 峰打ちにしてやったんだ。➡
さっさと立て。
ハァ ハァ… くっ!
ん? フッ…。
《腕の方とは違い 眼光は まったく鈍ってない》➡
《お前に 飛天御剣流を 教えたころのままだな…》
それでこそ いじめがい…➡
もとい 鍛えがいがあるってもんだ。
はっ? (清十郎)何でもねえ。➡
ほれ さっさと かかってきな。 時間がねえんだろ。➡
ぐずぐずしてると 大切な仲間が手遅れになるぜ。
♬~
(蒼紫)梟爪衆?
(方治)わが兵隊の中で 夜目が効く者をえりすぐり➡
鍛え上げた 夜襲専用の隠密部隊だよ。➡
元 御庭番衆の 京都拠点といっても➡
今は ただの料亭。 いわば ネズミの巣みたいなもの。
十本刀を繰り出すまでもない。
ネズミ狩りには 梟でも余るくらいだ。➡
フフフフ…。
(梟爪衆)ジジイ以外に用はない。 他の者は殺せ。 いいな?
(一同)了解。 (梟爪衆)よし 散れ。
(柏崎)何じゃ 貴様ら。
(梟爪衆)あっ!?
何じゃと聞いておるんじゃ。
(梟爪衆)くっ…。
(柏崎)質問に…➡
答えんかっ!
ひょっ!? (梟爪衆)くそ…。
(白尉)おっと。 (梟爪衆)あっ!?
呼んでも お仲間は みんな寝てるぜ。
(柏崎)志々雄の手の者だと 見当はつくが➡
まず 何を目的にして いかな いきさつで➡
この葵屋を狙ったか…。
(お増)どうです? 私たちも鬼じゃないから➡
素直に話せば すぐ帰しますよ。
ペッ。 (お増)キャッ!
(白尉)野郎! (柏崎)黙して語らず。
フッ。 (柏崎)隠密の男としては➡
賢い方じゃな じゃが…。
お近。 ろうそくと五寸くぎを持ってこい。
(2人)えっ。
隠密御庭番衆で最も恐れられた このわしに逆らうのは➡
愚の骨頂じゃ。
あ…。
(方治)遅い。 梟爪衆は何をやってるんだ。
ん? (部下)方治さま!
(梟爪衆)あ… あああ…。➡
う… ううう… ああ…。
(方治)「午の刻 阿の処にて待つ」➡
「一人で来たれし 翁」?➡
まさか… 梟爪衆が全滅?
俺宛てだ。
拷問するつもりが 逆に されて帰ってくるとはな。➡
御庭番衆 翁は 俺の師でもある 先代御頭と➡
唯一 対等に戦えたほどの手だれ。
(蒼紫)《やはり この俺自身が 戦う他に道はないか…》
(柏崎) 《言うたはずじゃぞ 蒼紫》➡
《お前が もし 御庭番衆の誇りを失い➡
真の修羅となるなら…》➡
《わしが お前をつぶす!》
(操)ハァ ハァ ハァ…。
(操)《嘘!》➡
《般若君たちが死んだなんて 絶対 嘘!》
《嘘じゃないわ。 私も聞いた》
《4人の御庭番衆は 四乃森 蒼紫をかばって➡
死んでいったのよ…》 《だって あの般若君だよ!?》
《式尉のおっさんだって いるのに…》
(弥彦)《般若の実力は 俺だって この目で見てる》
《けど 相手が ガトリングガンじゃ仕方ねえよ》
(弥彦)《本当に あの4人は死んだんだ…》
《蒼紫は 御庭番衆の最強を 証明するため 剣心を狙ってる》➡
《剣心も それは重々承知だ…》
《けど それが こんなふうに 裏目に出るなんて…》
(足音)
《操ちゃん!》
《信じない! みんなが死んだなんて!》
《爺や! 爺やの情報網なら 嘘か本当か 調べられるはず!》
爺や! (お増)操ちゃん!
あれ? 爺やは?
あ… ああ 翁なら 今ちょっと…。
あ… その床 どうしたの?
(お増)あ… ええっと これは翁が寝ぼけて その…➡
「せくしいこまんどぉ」を かまして…。
って ああ 操ちゃん!
(お増)操ちゃん…。 (操)答えて お増さん。➡
爺やは いったい どこへ 何しに行ったの?
爺やが 現役時代の忍装束と武器を 持ち出すなんて➡
絶対に ただ事じゃないわ!
(操)阿の処! あそこで 爺やと 蒼紫さまが戦っているのね!
(戸の開く音) (操)《止めなきゃ!》➡
《2人が本気で戦って ともに 無事で済むはずがない!》➡
《何が何でも止めなきゃ!》
(黒尉)これで いいのかな…。
どうせ…。
(お増)どうせ 今から行っても もう間に合わない。
けど それでも あの子には➡
できるだけのことは やらせてあげなきゃ。➡
一番 親しい人か 一番 いとしい人か➡
どちらか一人を 必ず失ってしまうんだから…。
(蒼紫)京都の御庭番衆 阿の処。
覚悟はよいな。
ああ。
かつての同志を倒す覚悟は すでに できている。
(柏崎)《小太刀二刀流…》
先代御頭の技を 独りで会得したか。➡
さすがは 天才と呼ばれる男じゃ。➡
じゃが いかなる天才も ゆがんでしまえば➡
ただただ 人に害をなすだけ。
つぶさせてもらうぞ。
ゆくぞ 蒼紫!
(蒼紫)《腕に何か 仕込んでいるのか…》
(柏崎)ぬぅんっ!
トンファー。
わしが先代御頭と ただ一人 互角に戦えた話は知っておろう。➡
刀では斬れぬ この鋼のトンファーが その答え。➡
小太刀二刀流は このわしには通じん!
くっ…。
ほう… よく耐えたのう。 ぬっ?
ハァー…。
「流水の動き」
(柏崎)《緩急自在の動きで 相手の視覚を惑わす…》➡
《お前の得意技だったな。 じゃが…》➡
《どんな動きをとろうと 攻撃に移る その一瞬を➡
捕らえ損ねる このわしだと思うか?》
(柏崎)そこじゃあ!!
むっ…。
はあっ!➡
小太刀二刀流 陰陽交叉。
(蒼紫)通じないのは 先代御頭の小太刀二刀流だろ。
ぬっ…。 (蒼紫)鋼だろうが➡
かつての同志だろうが そして 緋村 抜刀斎だろうが➡
俺の小太刀二刀流に 斬れぬものは… ない。
(志々雄)葵屋襲撃 失敗か。
(方治)申し訳ありません。 全て 私の見識の甘さ故…。
かくなる上は この十本刀 百識の方治➡
自ら出張る所存…。
その必要はねえよ。
すでに 四乃森 蒼紫が 向かってんだろ?
(方治)しかし…。 (志々雄)あの男に➡
余計な横やりは無用だぜ。➡
おのれの命が惜しいならな。➡
方治。 お前 地獄ってやつを 信じるクチか?
はっ? 地獄… ですか?
ああ。 (方治)いいえ。➡
善人も悪人も しょせん 同じ肉の塊。➡
死ねば 等しく腐って 土に返るだけです。
お前らしい 合理的な考え方だな。
けど 実を言うと 俺は地獄を信じてんだ。
(方治)はっ…。
あ…。
(志々雄)伝説となった人斬り 緋村 抜刀斎に➡
その抜刀斎を斬ることが全てと 言い切った 四乃森 蒼紫。➡
さらに その蒼紫を倒すため➡
好々爺の仮面を脱いだ 翁とかいう老兵。➡
そして 自分たちの悪行を 隠蔽するため➡
俺を炎にくるんだ 明治政府の連中…。
こんな 血で血を洗う 修羅どもがうごめく この現世は➡
すでに地獄だと思わないか?
(方治)くっ… あ…。
どうやら お前は いまいち 覚悟が足りないようだな。
それじゃあ この地獄で生き抜くのは➡
不可能だぜ…。➡
方治。 お前には洗礼がいるな。
し… 志々雄さま…。
ひっ… ひいぃ…。
あ… ああ…。
(方治)あ… ああ… あ…➡
うあっ… あああ… あひいぃ…。
(志々雄)うるせえよ。 (方治)ああっ… あ…。
(方治)《何だ これは…》➡
《これが 人の体温か!? いったい これは…》
(志々雄)10年前に負った 全身やけどのとき➡
俺の体の汗をかく組織は ほぼ全滅しちまってな。➡
以来 発汗による体温の調節が できなくなり➡
俺の体は 医者に言わせれば➡
生きてるはずのない高熱を 宿すようになった。➡
いわば 地獄の業火の残り火だ。➡
残り火は 腕だけじゃない。 足 腹 胸➡
俺の全身を くまなく焼き続けている。➡
当然 ここもな。➡
そして この冷めない炎熱が 声となって➡
ある日 俺に真実を語り始めた。➡
人の本性は修羅。➡
そして この現世は地獄。➡
緋村 抜刀斎は その本性を否定し➡
理性に 必死に しがみつこうとしている。➡
維新政府は 過去の悪行を隠蔽し➡
この明治日本こそ 理想の国だと欺こうとしている。➡
ともに小さく ともにもろい➡
炎熱が 脳で声を荒げる。➡
これでは駄目だ。➡
修羅だけが生きる資格を有す 強国…。➡
これこそ 地獄にふさわしい。
あ… ああ…。
また震えだしたな 方治。 俺が怖いのか?
いいえ 逆です! これは歓喜の震え…。
維新政府に仕えていた官僚時代➡
会うやつ全てが この国を任せるに値しない➡
矮小な愚物ばかりで…。➡
絶望のあまり 野に下り さすらうこと はや3年…。
しかし 今! 私の想像では はかりきれない➡
大器のお方に巡り会え そして そのお方と共に➡
新しい日本を築けることが 私は うれしいのです!
志々雄さま! どうか… どうか その理想のために➡
方治を使い尽くしてください!
地獄の果てまで お供させていただきます!
覚悟は決まったな。 頼りにしてるぜ 方治。
(方治)はっ! (由美)また 一人➡
忠実な修羅の誕生ね。
(宗次郎)志々雄さんは ずるいなぁ。
人の運命を あんな簡単に変えちゃうんだから。
(由美)あら 何か不満?
いえ 全然。➡
ああ 修羅といえば…。
(衝撃音)
(柏崎)ぬぅん!➡
むっ… ふっ!
(柏崎)せいっ!
のわっ…。
強い…。
ハァ ハァ…。
(柏崎)《わしが知っている蒼紫とは 比べものにならん》➡
《情を捨て 修羅と化したことで➡
おのれの潜在する力を 完全に引き出しおったか…》
抜刀斎の行方を話せ 翁。
さすれば ここで終わりにしてやる。
なめられたもんじゃ…。
ハァ ハァ ハァ…。
(操)《間に合って!》
(柏崎)老兵といえども この隠密御庭番衆 翁➡
貴様と違い 敵に同志を売るなど 断じてせん!
そうか。 ならば お前をここで倒し➡
葵屋へ行き 残りの4人に問うまで。
(柏崎)そうはさせん!➡
蒼紫よ…。
(柏崎)《お前の強さは すでに 先代御頭を➡
はるかに しのいでおる。 しかし だからこそ➡
今 ここで この命にかえても わしは お前を倒さねばならん》➡
《緋村君のため➡
そして 志々雄という悪鬼から この日本を守るため!》
ぬおおおっ!
(蒼紫)無駄だ。 トンファー1本だけのお前には➡
もはや 勝ち目はない。
フンッ。
(柏崎)かかったな 蒼紫。➡
たとえ トンファー1本でも この密着状態からの➡
渾身の一撃ならば 話は別!
円殺轟鉤棍!
(柏崎)《どうじゃ… ん?》➡
《小太刀の逆手!》➡
《まずい… この構えは 奥義 回天剣…》
(柏崎)あっ!? (蒼紫)小太刀二刀流➡
回天剣舞六連。
ハァ ハァ ハァ…。
ハァ… 間に合っ…。
ぐおおお…。
終わりだ。
♬~
♬~
蒼紫さま!!
(蒼紫)うせろ。 二度と 俺の前に姿を現すな。
♬~
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