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♬~
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♬~
♬~
♬~
あれは 確か 城代家老の腹心だったな
やっぱし やつらも子連れ狼を
くそ! やつらに味方させて たまるもんか
だけど 子連れ狼は わしらの側に付いてくれるかな?
いやあ 城のやつらが ちゃんと 500両払ったとなると➡
わしらの はした金ではな (男性)そこを頼むんだよ➡
分かってくれるさ おい 合図の絵は持ってきたろうな
うん ゆうべ 一晩掛かりで描いた絵だ
(男性)ここに 70両ごぜえます
わしらに集められんのは これが 精いっぱいでございます
あなた様が 500両でなければ➡
刺客を引き受けられないって いうことは よく知っておりますだ
お願えでごぜえます
黒部十六ケ村の百姓を 助けると思って➡
お引き受けくだせえませ!
(一刀)これだけあれば 当座は しのげように
(男性) 当座では 駄目でごぜえます!➡
あの 井出南州が 生きているかぎり➡
この黒部十六ケ村の 百姓の苦しみは➡
いつ果てるともしれません (男性)お願いでございます!
これで その井出南州を 斬ってくださいまし!
井出南州は 黒部藩の軍学指南➡
技と知恵にかけては 誰も かなう者はありません!
あなた様に 斬っていただくしかありません!
わしらが ここへ参りましたのは➡
よくよくのことと お思いくださいませ
お願いでございます
まげて この金で 刺客を お引き受けくださいませ!
(男性)拝様 まさか 城代家老に頼まれて…
(男性)それじゃ 名主代表の 小郡甚左衛門様を斬ってくれとの
(男性)拝様! あなた様は 重い年貢に苦しむ百姓と➡
その百姓から年貢を取り立てて のうのうと暮らしてる侍と➡
どっちの味方をなさる おつもりですか!
これは わしらにとっちゃ➡
血のにじむような お金でございますだ
あ… あなた様が お引き受けくだされなけりゃ➡
わしら 黒部十六ケ村の百姓は 死ぬしかございません!
同じ死ぬならと➡
みんなで必死にかき集めた 70両が これでございます
井出南州は 城代家老も意のままにし➡
黒部藩を自由に操っております お願いでございます➡
どうか あの井出南州を 斬ってくださいまし!
(男性たち)お願えでごぜえます お願えでごぜえます…
(男性)拝様! 引き受けては くださらねえですか!
(男性)我々を 見捨てるというんですか!
私は 1殺 500両と決めている
(男性)では これだけでは どうあっても
額は少なくても この金には➡
黒部十六ケ村の百姓の思いが こもっておりますだ
(男性)それでは 城代家老の➡
いや 井出南州の味方を するっちゅうんですね!
それは 城で話を聞いてからのことだ
(男性)拝様! 待ってください! (男性)しばらく しばらくお待ちを
(男性)金に 金に代わるものを ただいま!
(男性)お座りくださいませ あとしばらく しばらく何とぞ
おい (男性)うん
(男性)お美代! ここにいたのか➡
そうか 身を清めてたんだな
(お美代)じゃあ やっぱり
頼む 黒部十六ケ村の命が お前に懸かってるんだ➡
つらいだろうが いいな?
ここまで来たんです 覚悟はできてます
♬~
(男性)早く 来い!
あの このお金で足りねえとこは 何とぞ この娘で
黒部十六ケ村から えりすぐった娘でございます
よろしく お願えいたします
♬~
美代と申します
いくつになる
18になります
まだ 18か
拝様! もう 18になりました
お助けくださいませ
何百人という百姓を お助けくださいませ
どうか この私を 自由になさってください
そして 黒部十六ケ村の百姓のために➡
お願いします!
思い違いをいたすな たとえ お前を抱いたとて➡
私は 引き受ける気はない
人間と金とは 一緒にはできん
では どうあっても
待ってください! 今 出ないでくださいまし
男と女が 2人っきりでいて➡
誰が 男の方が断わったと 思いましょう お願いでございます
このまま ここで しばらく お過ごしくださいませ
せめて 私が 体を投げ出したと思われる間だけ
そうでなければ 責められるのは この私でございます
(すすり泣き)
(和助)どけどけ… どいてくれよ! (男性)和助!
(男性)我慢してくれよ 和助! 分かってくれよ 和助!
(男性)今 出ていったら 何もかも ぶち壊しだ
こらえてくれよ! (和助)うるせえや!
(和助)俺の留守の間に お美代を連れ出しやがって!
お美代!
聞き分けのねえ! お美代は 人助けのために行ってるんだ!
(和助)離せ! (男性)分かってくれ 和助➡
お美代には 黒部十六ケ村の 百姓の命が懸かって…
やかましい! お美代は 俺の女房になる女なんだい
俺の女なんだい!
(男性)頼む 和助 こらえてくれ (和助)お美代! お美代!
(和助)ちくしょう! 浪人め よくも 俺のお美代を手ごめに➡
くそ 殺してやる!
殺してやる (お美代)やめて! 和助!
離せ! (お美代)違うのよ 拝様は何も
てめえ この浪人に情が移ったのかい
ばいた! 殺してやる!
(お美代)キャーッ!
和助… うう… (和助)さあ 次は てめえだ➡
ぶち殺してやる! 離せ
(男性たち)和助!
(男性)やめないか 和助 (和助)離せ!
(男性)血迷ったか お前 (和助)離せ! この やせ浪人➡
ぶっ殺しやるんだ 離せよ!
(男性)お… お美代! おい しっかりしろ➡
どうしたんだい 和助! (お美代)許して 私…
拝様 お引き受けくださいますね! (和助)離せ!
(男性) 金と お美代の体を差し上げた以上
くそ! みんなして お美代を売り物にしやがって!➡
殺してやる 殺してやる! (お美代)和助さん
金は中にある
(男性)な… 何だって! (男性)それじゃあ
お美代の体には 手も付けねえで
お美代! 本当か?
気の毒なことをした
お美代 すまねえ (お美代)和助さん…
勘弁してくれ お前一人だけは 死なせやしねえ
(和助)うっ! (男性)和助!
何をするんだ
に… 逃げるべ 関わり合いになるど 早く
和助さん…
許してくれ お美代 うっ!
和助さん 殺して 一思いに
拝様
お願いでございます 2人 2人一緒に…
頼む
お美代と一緒に 一思いに
早く 早く 楽にして
和助さん… (和助)お美代
(和助)早く 早く 楽にしてくれ
♬~
(佐竹) よく 武士と武士の約束を守られた
かたじけなく存ずる 手前 これより城へ はせ戻り➡
このことを 御家老様に申し上げる
では 城で お待ち申しております
さぞ 御家老はじめ 井出南州殿も お待ちかねであろう
御免!
♬~
♬~
♬~
♬~
♬~
あいろか
あまり 暴れるでないぞ (大五郎)うん
♬~
一揆か
♬~
♬~
♬~
♬~
♬~
(猿渡)来たか ついに子連れ狼が 我が領内に入ったか
(猿渡) 南州 一体 どうするつもりじゃ
(井出)フフフッ 落ち着きなさい 御家老
百姓どもが 昨夜 急に立ち上がったのは➡
恐らく 我らが 子連れ狼を呼んだと知ってのこと
これもまた 軍略の一つ
急いで立ったがために 百姓どもの準備は整わず➡
一揆は 昨夜のうちに 壊滅したではござらぬか
(猿渡)それはいい しかし 刺客 子連れ狼が 我が藩へ入った
よいか やつは 諸国を流れ歩く 宿無し犬
どこで 我が藩に一揆があったと 話すやもしれん
そういうことにでもなれば やがて 幕府の耳に届く
そんなことにでもなったら➡
格好の取り潰し理由を 与えることになるのではないか
どうして やつが我が藩へ入る前に 斬らなかったのじゃ!
これもまた軍略
我が藩は 山に囲まれた小藩
子連れ狼は いわば もう 袋のねずみ
(猿渡)しかし やつは 並外れた手だれと聞く
やつを倒すために 何人の藩士が やられるかもしれん
そういうことにでもなったら➡
殿から 城を預かっておる 城代家老の面目 丸潰れじゃ!
≪(佐竹)畏れながら➡
子連れ狼を呼ぶべく 使者として立ったのは➡
拙者でござる 私が命に代えて 子連れ狼を
フフフッ お主に 子連れ狼が倒せるかな?
(猿渡) じゃが どうすればいいのじゃ➡
やつを倒すために 殿から預かった藩士を➡
失うわけにはいかん
御家老 こんなときのためにこそ➡
別式女どもを 育ててきたのでござる
(井出)よいか 子連れ狼を 我が藩の外へ➡
一歩たりとも 出すでないぞ (女性たち)はっ!
(井出)よし では必殺の陣形を
(おりん)しばらく (井出)何じゃ
(おりん)私どもが出る前に 考えがございます
しばらく 私に 時を下さいませ
子連れ狼を ほふる手だてが あるというのか
はい 毒をもって毒を制す
やつが 子連れなればこそ できる手だてがございます
(お幸)坊…➡
坊 許して
(お幸)母ちゃん きっと そばに行くからね
坊 いいかい 忘れるんじゃないぞ
お前を殺したのは 城の侍だ お前だけじゃない➡
父ちゃんも 村の人たちも みんな 城の侍に殺されたんだ!
≪(おりん) 殺したのは 子連れ狼だわ
(お幸)おりんちゃん
「ちゃん」なんて言わない あんたも 城の侍と一緒になって
お幸ちゃん 誤解しちゃいけないわ
確かに 一揆を鎮圧したのは 侍よ
だけど なぜ 一揆が急に起こったと思う?
それも ゆうべ急に (お幸)それは…
あんたも知ってるはずよ 子連れ狼って刺客が➡
百姓の味方に なってくれなかったからよ
それで 急に 一揆が起こったんだわ
(お幸)そういえば ゆうべの集まりで➡
子連れ狼って男が お城の味方に付いたって聞いた
お幸ちゃん
お美代ちゃんと 和助さんを 殺したのも その子連れ狼よ➡
知ってるわね お幸ちゃん➡
お美代ちゃんと 私たち3人は 幼なじみだった
この辺の畑や 川の辺りで よく遊び回ってた
(お幸)その中から あんた一人だけが お城に上がった
(おりん) そのかわり 女の幸せは捨てたわ
お美代ちゃんは 和助さんと 祝言を挙げるばかりだったし…
あんただって あんなに かわいい坊やを産んで…
(お幸)その坊や 誰が殺した!
お幸ちゃん 子連れ狼が➡
なぜ そんな名前で呼ばれてるか 知ってる?➡
あんたが亡くした坊やと 同じぐらいの男の子を➡
連れてるからよ➡
とても かわいい わんぱくな子だそうよ
子供の話は もう言わないで 坊…
♬~
坊…
(お幸)坊や
坊や!
大五郎 もういいのか?
坊や もうしばらく こうしてておくれ
坊や まるで おばさんの子供みたいだよ
坊や 坊や 坊や!
行くぞ
子連れ狼
♬~
道草を食ってる暇はない
坊や
ありがとう
坊や おばさんの気持ち 分かってくれたのね
坊や 坊や 坊や…
我ら親子は 先を急いでいる お放しくださらんか
大五郎 来るんだ
お待ち!
この子 返さない! 子連れ狼だろ
そうだとしたら?
あんたが 百姓の味方を してくれなかったから➡
私の坊やは 殺されたんだ!
そのかわり この子を
近づくんじゃないよ! この子の命ないよ
ざまあ見ろ 子連れ狼 子供取られちゃ 何もできまい
そうさ あんたにだって➡
坊やを殺された 私の気持ちが分かるだろう!
この子を どうしようというのだ
この子と一緒に 私も死ぬんだ
私の坊やの道連れにしてやる
さんずの川を渡るとき さみしくないようにね
動くな! 動いたら この子を殺してやる
そうさ 目の前で 自分の子供を 殺されたときの気持ち➡
私は知ってる
せめて お前には見えない所で 一緒に死んでもらうさ
文句はないだろう! 裏切り者!
≪(お幸) 来るんじゃないよ! 本当に殺すよ
お前の父ちゃんが悪いんだ
何で 人の顔 じっと見てんだい あっち向け!
あっち向け!
そうかい
子連れ狼の子供だけあって 度胸は据わってる
お前を殺す女の顔を よく覚えとくんだよ
♬~
♬~
あっ! ああっ!
坊や! 坊や…
あんた
助けてくれて 礼を言う
もし あのまま 私と一緒に その子が 火の中で!
そなたの母心に賭けてみた それだけのことだ
鬼! その子が死んだら どうするんだ!
鬼! けだもの!
我ら親子 既に 冥府魔道を歩んでいる
(馬のいななき)
(お幸)ああっ!
一揆の残党が迷惑をかけている さあ 御案内いたそう
♬~
申し訳ございません
こざかしいことを申し お許しください
(井出)よし 八門遁甲の陣だ
はっ!
(井出) まず 誘い込んだら 陣を塞ぐ➡
同時に 弐門が仕掛ける
(弐番)えい! (井出)参が仕掛ける
(参番)えい! (井出)壱門も追い立てる
(壱番)えい! (井出)四五六七が 順次に掛かる
(別式女たちの掛け声)
(井出) 敵の逃れる道は 八門あるのみだ➡
追われ追われて この八門に さしかかったときこそ➡
敵の息の根を止める 絶好の機会
えい! えい!
(井出)最強の敵を倒すには この手しかない➡
よいか 狩人となって 相手を追い詰めるのだ➡
八門遁甲の陣 忘れるでないぞ
待たれい 既に 一揆は終わっている
この上 わしに何を
これ以上 藩士を失っては わしは 殿に対して…
騒ぎめさるな そのための別式女 八門遁甲の陣でござる
(門の開く音)
拝一刀殿でござりまするな
私は 城代家老 猿渡玄蕃の 代理の者でござりまする
御承知のように 昨夜 一揆が起こり➡
私ども これを鎮圧いたしました➡
あなた様に しとめていただくはずの➡
一揆の扇動者 黒部十六ケ村の名主代表➡
小郡甚左衛門も死にました 従いまして➡
あなた様にお頼みすることも なくなりました
どうぞ お引き取りを
しかし お約束の半金 250両は これに
それにしては 殺気があるな
(壱番)オホホ… 私としたことが 御無礼を
昨夜 百姓を殺し過ぎましたゆえ 血の臭い 死臭などが まだ体に
別式女 女武芸者とでもいうのか
いかにも 私は 当藩 召し抱えの別式女
武芸指南 ならびに 警固見回りを相務めおりまする
どうぞ お受け取りを
(壱番)ああーっ!
《一揆騒動のことを 外部に漏らさぬため➡
不要となった刺客の口を塞ぐは 常とう手段》
《しかし なぜ 城の者が討って出ないのか》
大五郎 しっかり つかまっておれよ
うん
♬~
♬~
♬~
♬~
(六番)さ… さすがは 子連れ狼
だが 我らが張り巡らせた 八門遁甲の陣から➡
抜け出すことはできぬ
八門遁甲の陣
黒部藩 8人の別式女が組んだ 八門遁甲の陣
抜… 抜けることは 抜け出すことは…
8か所に兵を潜ませ 敵を追い立て 兵を分散させ➡
次第に疲れさせたうえで 息の根を絶つ
♬~
♬~
孔明軍学 八門遁甲の陣か
となると 残りは 2人
(七番)そなたが ここまで来たということは➡
同門の敵にもなったか
(おりん)そればかりではない 私にとっては➡
お美代 お幸の敵もある
逆恨みとでも 言いたいような顔だな
お前が あの2人の敵を討つというのか
問答無用 (七番)覚悟しや!
(七番)ええい!
(七番)ああーっ!
♬~
大五郎 しっかり つかまっておれよ
わあっ
抜かったな 子連れ狼
八門遁甲の陣など どうでもよかったのだ
全ては 貴様の駆使する 恐るべき殺人技を➡
封じるために仕組んだ兵法
別式女どもも 所詮 貴様には かなわぬことを見越してな
八門遁甲の陣に気を取られ過ぎ➡
最後の陣を 切り抜けたと思った貴様の➡
その気の緩みが つけめだったのだ
フフフ… 9門目があったとはのう
わしは 黒部藩軍学指南 井出南州
後始末を考えぬでは 刺客を雇うことはできぬ
童には ふびんなれど 死んでもらおう
♬~
冥府魔道の世界へ踏み込んだ➡
この父と子の旅は➡
その行き着く果ては 果たして どこなのであろうか>
♬~
お家断絶の目に遭った お市は➡
敵を討つため 出女に身を落として その機会を狙っていた>
庭一面に咲き誇った その日➡
菊見に現れた敵 玄蕃に➡
正体を見破られたお市は 返り討ちに遭い➡
最後の息で 一刀に刺客を依頼する>
一刀の胴太貫が光った 次回…>
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