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♬~
♬~
♬~
♬~
♬~
(女性)キャーッ! (男性)助けてくれ!
(男性)うわーっ!
(女性)キャーッ!
(不破) 有り金 残らず かっさらえ!➡
面見たやつは 一人も生かしておくんじゃねえ!
(男性)うわーっ!
(店主)あっ! な… 何者じゃ➡
誰か!
≪(手代たち)旦那様!
か… 金なら みんなやる 無益な殺生は やめてくれ
(不破)押し込んだら皆殺し それが俺たちの定法だ
(店主)お冴 逃げろ!
(女性)ああっ! お冴 逃げて! (お冴)おとっつぁん おっかさん…
(店主)お冴 逃げろ! (女性)ああっ!
(不破)おい!➡
娘が逃げた 外だ 追え! (浪人)何!
(女性)キャーッ!
(不破)くそ 捜せ! 捜すんだ! (浪人)へい!
≪(浪人)おい いたか! ≪(浪人)いねえ!
≪(浪人)あの尼 くそ どこ行きやがった
≪(浪人)おい こっちだ 来い! ≪(浪人)へい!
≪(浪人)おい 向こうだ!
≪(大五郎)♬ 一条 戻り橋
♬ 二条の きぐすり屋
♬ 三条 酒屋に 四条の芝居
♬ 五条橋 弁慶に 六条の本願寺
♬ 七条 米相場に
♬ 八条の大百姓 大百姓…
(お冴)お願いでございます! 助けて 助けてくださいまし!
≪(浪人)いたぞ! あそこだ!
(不破)娘 両親以下一家ことごとく 死に絶えたというのに➡
一人だけ生き残っては 心苦しかろう
後を追わせてやるぜ
(不破)面見られたからには 貴様も 生かしておくわけにはいかん
やれ!
♬~
♬~
(お冴)あの浪人は 両親の敵 斬って… 斬ってくださいまし!
(万然)金を払えば 頼みを聞いてくださるというのか
(万然)約束をたがえぬ保証は?
≪ けんけん ぱー! けんけん ぱー!➡
けんけん ぱー!
子供が証人といわれるか
≪ けんけん ぱー!
(万然)ここに 100両ござる
このお冴さんを 守ってくだされ
私を守るより 両親の敵を討ってくださいまし
和尚様からも お願いを
仏に仕える身としては 人を殺せとは頼みにくい
が… 守るためには 攻めねばならぬこともござろう➡
この一件 ただの物取りとは思われぬ➡
同じ絹問屋が 続けて 3軒も襲われてはのう
この辺りは 絹の産地ゆえ 問屋の数も多い
それが 相次いで 押し込みの皆殺しに遭い➡
残るは 1軒になってしもうた
(一刀)その1軒とは?
(万然)屋号は 上田屋 あるじの名は 吉兵衛殿
♬~
(弥市)いらっしゃいませ あるじの吉兵衛殿は?
(吉兵衛)はい 手前でございますが
今朝方 同業の井草屋が 盗賊に襲われたこと➡
知っていような
(吉兵衛)もちろん存じております
主人以下 皆殺しにされ➡
娘さんのお冴さんは 行方が知れないそうで
その娘 わしが かくまっている
100両で引き取らんか?
(吉兵衛)あなた様は お冴さんを 手前に売りつけるつもりで?
みなしごになった 哀れな娘でございます
よろしゅうございます 引き取らせていただきます
弥市 (弥市)はい
それで お冴さんの居所は?
井草屋の菩提寺
弥市 (弥市)はい
代官所へ (弥市)はい
(下山)江戸の岡っ引き 心の字洗蔵というのは お前か
(洗蔵)へい よろしくお願いいたしやす
(下山)拙者は 当代官所目付け 下山源之進だ
女すりを追って この秩父へ来たそうだな
七変化のお葉という➡
幻の女すりとうたわれるほどの したたか者で➡
江戸の十手者も まだ 正体をつかんじゃおりません
(下山)その女が 当地へ来たことは 確かなのか?
へい すり仲間をたたいて 吐かせたところじゃ➡
お葉は ここの祭りで 荒稼ぎをして➡
そのまま 長えわらじを履くってんで➡
ここで ふん縛らなきゃ 当分 機会がござんせん
(下山) お前の用向きは よく分かった
だがな 当代官所の手の者は➡
目下 相次ぐ強盗の詮議に 追われている
(洗蔵)うわさは 伺いやした 絹問屋が 3軒も襲われたとか
うむ まあ そういう次第でな➡
女すりの捕り物に 人手を割くわけにはゆかんのだ
半六 半六!
(半六)へい へいへい…
(下山)この下っ引きを 案内に付けてやる
半六 心得ているな (半六)へい そりゃもう
音に聞こえた 江戸の洗蔵親分の お手伝い もう このとおり➡
は… 張り切ってまさあ! ≪(弥市)ごめんくださいまし➡
あっ 下山様
主人の吉兵衛が これを
(洗蔵)主人 吉兵衛ってのは?
へい ただ一軒 まだ強盗に 襲われてねえ 絹問屋なんで
よし 分かった すぐに参る
(半六)御苦労さん
(洗蔵)代官所の役人を 手紙一本で呼び出す➡
大した権勢じゃねえか (半六)ああ それはそれ➡
やまぶき色の何とやらってね ヘヘッ
江戸だって同じでござんしょう ヘヘッ
フッ 違えねえ
どの道 おいらは 強盗の詮議に来たわけじゃなし➡
さあ 案内頼むぜ (半六)おっと 合点➡
祭りは たけなわでござんすぜ
(お囃子)
♬~
ごちそうさま
(お囃子)
♬~
大五郎ちゃん お祭り 行ってみたい?
うん
連れてってあげたいけど 私 出られないの
1人で行っちゃ駄目よ 危ないから
黙って待っている子であった>
祭りばやしの音は➡
やはり この子を じっとさせては おかないのだ>
(男性) さあ どうだい どうだい えっ?
(はと笛)
(男性)どうだ 面白いだろう うん? ほら 吹いてごらん
(男の子)ねえ はと笛買って
(女性)まあ この子ったら 見るもの みんな欲しがって
(男性)ヘヘヘ… ええ 3文いただきやす➡
へい ありがとうございます (女性)これでいいわね
(男性)おう 坊や 銭がねえんなら 帰んな うん?
祭りとは 一体 何であったろうか>
普通の身の上でないことを➡
いやおうなく 思い知らされる子であった>
(お葉)あっ! (男性)おっと 危ない➡
大丈夫かね? (お葉)すいません
(留吉)あっ! びっくりした (お葉)ほくろ お前もやったのかい
(留吉)ヘヘヘ… あっしも ちょっとしたもんでしょ
(留吉) あら さすがは 七変化の姉御
心の字洗蔵が 江戸から追ってくる
早いとこ 稼ぎまくんなくちゃ
違えねえ 何てったって 江戸いちばんの十手者だもんな
(お葉) でも 私の面は割れちゃいないんだ
さっ 幕を張んな (留吉)へい
ばか! 周りを見張んだよ (留吉)すんません
さあ 出来た (留吉)さすが 早えや
これから先は 私が一人で抜くよ
(留吉)そ… そりゃ殺生だ あっしも抜かせておくんなさいよ
ちょいと稼いだあとは 気が緩むもんだ➡
お前は 受けと幕に回っとくれ
しかしね 短え間に稼ぐには やっぱり2人で手っとり早く ね?
お前が それほどの腕かい
いいから 言うとおりにおし (留吉)へい…
間違っても きょろつくんじゃないよ (留吉)あ… 姉御➡
ちょっと待っておくんなさいよ あっしも その 化粧直しが…
(お葉)あっ! どうも
(侍)あっ おっと 無礼者! (お葉)失礼いたしました
どこ 行っちゃったんだ
(女性)嫌! 何すんのやめて!
(留吉)どうも すいやせん
ちっ! あのばか!
(侍)うん? あっ あ… ない!➡
あっ! あの女だ! すりだ!
すりだぞ! すりだ! すりだ!➡
すりだ! (男性)捕まえろ!
(侍)おーい すりだ すりだ… (洗蔵)待った 待った待った➡
そのすりは? (侍)お… 女だ 確かにこっち来た
(洗蔵)いや こっちは来ねえ あっちだ! (半六)お… 親分!
(半六)ちょっとどいて どいてくれ ちきしょう どこ行っちまったんだ
心の字洗蔵…
坊や いい子だから ちょいと預かっておくれ
これ あげるから 頼んだよ うん
(半六)おっ あれ? 親分
(男性)おう 3文だ➡
細けえ銭はねえのかい? うん?➡
しょうがねえな 待ってなよ (はと笛)
(侍)おい どうした
(はと笛)
坊主 どうして そんな大きな銭 持ってんだ
旦那 あの財布は? (侍)おっ わ… わしんじゃ!
お葉のやつ 子供を受けに使いやがった
坊主 出せ! (洗蔵)坊主 その財布はな➡
このお侍さんのだ さあ 返しな
(侍)さあ 返せ! (半六)何だ このガキ この➡
あっ 痛! 痛… 痛て! 痛いよ 痛たた!
待った!
(半六)ほらよ ほらほら (洗蔵)さあ 坊主➡
さあ その財布出すんだ えっ! こら 言うこと聞かねえか ほら
これでもまだ 財布を離さねえ ただ者じゃねえぜ この子は
(万然)ここは寺社領じゃ 代官所の役人が 何しに来られた
絹問屋 上田屋吉兵衛より➡
同業の井草屋の娘 お冴につき 身柄保護の願いが出された
よって 我ら立ち会いの上 お冴を上田屋に引き渡す
(万然)身柄保護とは それはまた どういうことじゃ
同業のよしみで お冴さんを 引き取ろうということですよ
みなしごを放っとくわけには まいりませんからな
それにしては 捕り方まで引き連れて➡
ちと ものものしすぎるのう
(下山)娘は 押し込みの一味に 命を狙われているに相違ない➡
そのための備えだ
今日からは この上田屋が お冴さんの親代わり
このとおり 代官所からの 差し紙もございますからな
なるほど しかし お冴さんが ここにいることが➡
どうして 分かったのかのう
(吉兵衛)浪人が知らせたんですよ 100両でね
浪人が…
その浪人とは?
(万然)わしらが依頼した 拝一刀に相違ない
どうしましょう➡
和尚様 私は 上田屋に 行かなければならないのですか?
相手は 代官所の差し紙を 持っている 嫌とは言えまい
(お冴)でも 強盗を操っているのは 上田屋かもしれない➡
和尚様は そう おっしゃったじゃありませんか
うむ… 拝一刀は それを承知の上で➡
あんたの居所を上田屋に知らせた
どういうつもりかのう
お金で雇われるような人は 所詮 お金で裏切るのでしょう
あんな見知らぬ浪人を 頼りにしたのは➡
とんだ間違いだった
(万然)いやいや あの浪人は 一旦 仕事を引き受けた以上➡
裏切るような人物とは 見えなんだ
でも 現に こうして… (万然)お冴さん➡
あんたは 拝一刀に こう言うたな
自分の命を守ってもらうよりは 二親のあだを討ってほしいと
(お冴)はい 言いました
その言葉に偽りがなければ➡
どうじゃ 自分をおとりにしてみんか?➡
命懸けの仕事を 人に頼んだからには➡
こっちも 命懸けになることが必要じゃ➡
違うかな?
分かりました
私 上田屋に参ります
(万然)うむ わしも一緒に行こう
拝一刀を見込んだ この目を 信じたいからのう
♬~
♬~
(洗蔵)なあ 坊主 財布を お前に預けていったのは➡
どんな姉ちゃんだったか そいつを おいらに教えてくれたら➡
すぐに この縄を解いてやるぜ➡
その上 あめでも笛でも 好きなものを買ってやるぜ
(半六)おい 小僧! へえ 強情なガキですぜ➡
さっきから ひと言も 口を利きやがらねえ
並の子供じゃねえことは 確かだ お葉の身内かもしれねえな
(半六)あっ なるほどね
子供を受けに使うとは これは うめえ手かも
(洗蔵)よし この子に本縄をかけろ
ほ… 本縄って こんな ちびにですか?
容赦はいらねえ ぎりぎりに縛り上げるんだ
(男性)おいおい… 見ろよ! (半六)おい そこ空けろ空けろ…➡
寄ってくんじゃない 寄ってくんじゃない
(男性)あの子供 まだ3つぐらいだ (男性)何をしたっていうんだ
(男性)でもまあ 悪びれない子だぜ
その信義は 必ず貫く>
見てきた子であった>
(半六)ほら 行くんだよ
(半六)どけどけ 邪魔だ邪魔だ ほらほら… 行け
洗蔵のやつ あんな子供に本縄なんかかけて➡
どうするつもりなんだい (留吉)ヘッ➡
姉御が 捕まんねえんで 八つ当たりしてるんですぜ きっと
まさか あれほど 筋金入りの十手者が
ヘヘッ 焼きが回ったんでさ
七変化のお葉を お縄にしてえ一心でよ
あの子を おとりに➡
私をつり出す魂胆 そうとしか思えないね
(留吉)おっと その手には 乗らねえでおくんなさいよ 姉御
さあさあ 早いとこ ずらかりやしょうぜ
でも そうしたら あの子はどうなんのか➡
私は それが心配なんだよ (留吉)ほらほら➡
そんな仏心 起こしっこなしだよ
あのガキがどうなろうと こちとら 知ったこっちゃねえんだから
ささ… 行きやしょう
あ痛っ! (お葉)なんて言いぐさだい
本はといえば お前の どじから起こったんだよ
(留吉)姉御 姉御! ちょ… 待っとくんなさいよ
(お囃子)
♬~
(洗蔵) ちょっと すまねえ 皆の衆➡
せっかくの祭りの最中 すまねえが➡
しばらく この舞台 貸してくんねえ➡
おいら 江戸の十手者で 心の字洗蔵➡
七変化のお葉という女すりを追って この祭りへ やって来たんだ
お葉はな 幻の女すりと うたわれるほどの したたか者で➡
俺たち十手者には まだ 面は割れていなかったが➡
この祭りで とうとう 尻尾を出しやがった
それが この子よ
(洗蔵) この子はな すりとった財布の➡
受けをやってたんだ➡
だが お葉のことについちゃ ひとっ言も口を割らねえ➡
どうしても割らねえ
だから おいら 代官所に申し出て➡
この子を たたきにかけてもらう
まだ子供じゃねえか! (半六)静かに聞け!➡
黙って聞くんだよ! (洗蔵)御定書の七十九条には➡
子供でも たたきは行うと 書いてあるんだ!➡
この子が口を割らねえ以上 おいらは容赦はしねえぜ!
き… 汚えぞ! ガキに 憂さ晴らししようってのかい
(男性たち)そうだ そうだ! (男性)そんなガキに➡
善悪の区別が分かるかよ!
そうじゃねえ! おいらは お葉の心に呼びかけてえのよ
(洗蔵)聞いてるか お葉!➡
おいらは 人間は生まれたときは みんな 真っさらでよ➡
悪は 一人もいねえと思ってる➡
だから 人間は憎まねえ 犯した罪を憎むんだ
すりとはいえ 名人と うたわれるほどの➡
お前には 生まれたまんまの 真っさらな気持ちが➡
まだ 残ってるはずだ 俺は そいつを信じてる➡
だが もしも お前が この子を救わなかったら➡
俺は 初めて お前という人間を憎むぜ
この子の仕置きはな 明朝 八つ➡
場所は 代官所の門前だ
(下山)どけ どけどけ! (捕り方)どけどけ!
(下山)それ!
付け回っているようだが 何か用か
絹問屋押し込みの嫌疑だ 神妙に同道しろ!
そういう口実で わしを始末する魂胆か
鉄砲隊 撃て!
鉄砲! 早くせい!
♬~
(水音)
(下山)鉄砲隊 急げ! 撃て!
(銃声)
(吉兵衛)それじゃ 生きているんですか? 拝一刀は
うむ 下流の岸に泳ぎ着いたのを 目撃した百姓がいる
これで あの男は➡
私たちのつながりを はっきり知ったことになる➡
どうしますかな 下山さん
あくまでも 絹問屋押し込み犯人で 追求すればよい
ただし お代官様には 相当な貢ぎ物をな
またですか?
(下山)ところで 井草屋の娘の始末は?
(吉兵衛)お冴には 万然和尚が付いてますよ
うかつに手出しはできませんよ (下山)では どうする
(吉兵衛)まあ 時と場所を選びましょう
私に いい考えがあります
(弥市)いかがでございますか➡
この上田屋を 御自分の家と お思いになって➡
さあさあ どうぞ
自分の家と思うには 般若湯がいるのう ハハハ…
これは 恐れ入りました では 早速
和尚様 このお食事 もしや毒でも
(万然)いやいや このうちの中で 殺すことはあるまい
世間の疑惑を招くからのう
お役人まで共謀となれば 私は どの道 助からないのでは
(万然) 逃げ場がないことは確かじゃ
むしろ ここが いちばん安全かもしれぬ
来てくれるでしょうか? あの人は
「子貸し 腕貸しつかまつる」
わしはな あの のぼりゆえに 拝一刀を信じたのじゃ
(お冴)あの のぼりが どうして
あれはな 親子ともども➡
六道四生順逆の境を歩むという 旗印じゃ
他人は裏切ることはできても 親子の間は 決して裏切らぬ
親も 子の手前 決して 人を裏切らぬという印じゃ
(万然)さあさあ… 食おう食おう
敵の腹中に入らば 毒もまた うましじゃ
(半六)へえ なんて度胸のいいガキなんだ➡
あしたの朝 たたきにかけられるってのに➡
ちっとも おびえちゃいませんぜ
(洗蔵)すりの仲間で育ったせいか
いや そうじゃねえ
この子は もっと すさまじい 修羅場をくぐり抜けてるようだ
♬~
ごちそうさま
(捕り方)用意はいいか? 急げ! (捕り方たち)はっ
(下山)洗蔵 洗蔵は おらんか! ≪(洗蔵)へい あっしに何か
(下山)このとおり 今夜は 当代官所を挙げて➡
強盗の探索に 繰り出すことになった
江戸いちばんの腕を 貸してもらいたい
(洗蔵) 何か 手がかりがありますんで
首領とおぼしき浪人者が 近くに潜んでいることが確実だ
(洗蔵)その浪人ってえのは?
人相書きだ
(洗蔵)「姓名 拝一刀」 えっ? (下山)知っているのか?
いや うわさだけは
あっしの知るかぎりじゃ 刺客一筋
押し込み強盗を働くような 人物とは思えませんがね
働いたのだ それが (洗蔵)証拠は ありますんで?
(下山)証拠なぞ どうにでもなる (洗蔵)何ですって
当代官所の目星に狂いはない
岡っ引きは 指図どおりに動けばよいのだ
子供のたたきについては➡
お前の希望どおり 執り行うように計らった
とやかく申さず 手を貸してもらおう
刺客 拝一刀
異名 子連れ狼
♬~
(洗蔵)ああ ここが 押し込みに遭った家でござんすね
(下山)見張りを置いてあるゆえ ここには潜むまい
やっぱりそうか
これだけの家に見張りは 2~3人
それも 殺しの跡を嫌って ろくに見回りもしねえ
度胸と心得のある者には 絶好の隠れがだろうぜ
なぜ 1人で入ってきた 聞きてえことがあってよ
刺客 拝一刀 異名は 子連れ狼だな?
その子は どこにいる
お前の方が よく知っているはずだ
そうか それで分かった あの子が 物おじしねえ訳が
親と子が 一つ ろう屋に入るのもよかろう
御用だ 神妙にしろい
1つ聞く
お前は わしを 押し込み強盗と信じているのか?
代官所の役人は なぜ わしを強盗に仕立てたいか➡
その理由も読めんのか
お前は 子供を たたきにかける資格はないな
≪(下山)洗蔵! 奥に誰かいるのか
いや 誰もおりやせん
(洗蔵)念のため 見回ったんですがね➡
旦那のおっしゃるとおり 人の気配もござんせん
(下山)よし 行こうか (捕り方たち)はっ
(半六)あっ はあ へい
(吉兵衛)ええ あの大沼の先にな ごく近しい親戚がありましてな➡
しばらく かくまってもらうよう わしから よく頼んであげますよ
あそこなら 押し込みの一味に 気付かれる懸念はありません➡
安心して 御とう留になれますよ
和尚様 (万然)うむ 来る
拝一刀は きっと来る
さあさあ 押し込みに気付かれると まずい
ねっ 急ぎましょう 急ぎましょう なっ?
(弥市)さあさあ 参りましょう さあ行こう
♬~
(吉兵衛) ああ 御苦労さん 御苦労さん➡
先生 お願いしますよ
父と母を斬った浪人です!
そうか とうとう 正体を現したか
(弥市)さあさあ
(吉兵衛)この沼に落ちたやつはね 決して 浮かび上がらないんだよ
和尚様 あの人は とうとう
(箱車を押す音)
おお
やっぱり 私の目に狂いはなかった
♬~
敵の顔ぶれが そろったようだな
(下山)召し捕れ! (捕り方たち)はっ
(下山)召し捕れ! 急げ
いかなる刺客といえども これでは手が出せまい
拝一刀は 代官所に任せておいて こっちは手はずどおり
(下山)うわっ!
い… 急いで急いで (弥市)はい
♬~
♬~
(吉兵衛)もっと早く こがないかい
(弥市)ううっ
(不破)手遅れだな 拝一刀 娘の命は
♬~
♬~
(万然)拝殿 かたじけない
よくぞ わしらの頼みを貫いてくださった
ありがとうございます
「幼年の者ながら その罪 軽からず」➡
「依って 御定書七十九条により 三重たたきに処す」
(男性)やめてください
(男性)あんまりだよ
(留吉)あ… 姉御 おい かわいそうじゃねえか➡
やめろよ! (男性)死んじゃいますよ
やるんだ
(お葉)お待ちくださいまし! (留吉)姉御!
私が 七変化のお葉です
(お葉)どうか この子を
この子には 何の関わりもないんです
(洗蔵)そうか お前が 七変化のお葉か
(洗蔵)坊主 さあ もういい 立ちな
(洗蔵)なあ 坊主 このお姉ちゃんが➡
お前に 財布を預けたんだな?
違う (洗蔵)何!➡
そうじゃねえってのか? (お葉)坊や なぜ そんな
違う (洗蔵)坊主➡
うそをつくと たたきにかけるぞ
このお姉ちゃんから 財布を預かったんだな?
違う
もういいんだよ 坊や 私から預かったと言っとくれ
違う (お葉)なぜ 私をかばうんだよ
そうだと言っとくれったら
違う
よーし もう こうなりゃ 何が何でも 言わしてみせるぜ
(半六)ちょ… ちょっと 待ってください 当のお葉が➡
名乗って出たからには もう 勘弁してやってください
いや! お葉は 面も割れてなきゃ 手証も挙がってねえ
ましてや すりの現場を 押さえたわけじゃねえ
この坊主が 違うって言うかぎり 縄はかけらんねえ
どけ! (お葉)あっ や… やめて!
♬~
どうだ このお姉ちゃんだな?
違う
やめて やめて! 私が 確かに お葉です➡
やめて も… もうやめてください
証拠は
(半六)あれっ あれっ? これ 親分の!➡
こいつ… こいつ!
(洗蔵)分かった お前は確かに お葉だ➡
さあ坊主 もう こうなったら➡
お前が いくら かばい立てしても無駄だぜ
違う
まだ言うか
やめて!
坊や お前は こんなに打たれても➡
預かったこと 裏切るまいとしてるんだね
悪かった 私が悪かった
(お葉のおえつ)
負けたぜ 坊主
坊や➡
私は もう一生 人様のものに 手はかけないよ➡
ありがとう
ありがとうね
(洗蔵)さあ もういい➡
坊主 行きな (半六)よかった よかった➡
気をつけていくんだよ
♬~
(洗蔵)さすがだぜ 子連れ狼
四生順逆の道を歩む 子連れ狼>
決して人を裏切らず➡
子は その親に倣って信義を守る>
おおかみの子>
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