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1
00:00:23,107 --> 00:00:26,557
♪天命最高♪
誰が誰に請い願おうと 春秋時代はただ天地の号令に従うのみ
2
00:00:28,978 --> 00:00:33,336
天命 一体誰が 運命の流れを捻じ曲げられようか
3
00:00:35,771 --> 00:00:40,578
誰がいようがいまいが この乱世を定めるのは結局は人間
4
00:00:42,431 --> 00:00:46,706
一体誰が 歴史を書き換えているのか
5
00:00:48,777 --> 00:00:54,052
喜ぶな 「始祖」と呼ばれたからとて思い上がるな
6
00:00:55,763 --> 00:01:00,847
「万歳」の叫びも永遠の治世も
すべてはお前の望み通りに作られるだろう
7
00:01:02,564 --> 00:01:07,639
だが来世では 誰が「高祖」になろうと知ったことか
8
00:01:08,818 --> 00:01:15,677
賭けに出るのはよせ 天命こそ最高(絶対)なのだから
9
00:01:42,320 --> 00:01:46,240
我は斉墨の巨子、人呼んで剣聖・曹秋道である
10
00:01:47,320 --> 00:01:49,040
俺は経済界のジャイアントだ
11
00:01:49,160 --> 00:01:51,280
人呼んで武聖の「ウルセーゾ」だ
12
00:01:53,160 --> 00:01:55,280
貴殿は曹秋道の名をご存じないのか?
13
00:01:55,360 --> 00:01:56,480
知らねえな
14
00:01:56,680 --> 00:02:00,240
先日、市で少年たちが立ち回るのを見かけた
15
00:02:00,360 --> 00:02:02,800
その一人が公子盤という名であった
16
00:02:02,920 --> 00:02:04,880
彼が繰り出したのは墨子剣法
17
00:02:04,920 --> 00:02:08,360
だから、何で俺が墨子剣法を知ってるのか聞きに来たんだろ?
18
00:02:08,720 --> 00:02:10,760
それにしても、いきなり仕掛けてくることはないだろ
19
00:02:10,920 --> 00:02:12,920
非礼を許されたい
20
00:02:13,040 --> 00:02:14,680
貴殿が振るったその剣筋…
21
00:02:14,800 --> 00:02:17,880
我が師兄、元宗師兄のものであった
22
00:02:21,800 --> 00:02:24,320
元宗のじいさんを知ってるのか?
23
00:02:24,360 --> 00:02:26,400
我らは同門の仲なのだ
24
00:02:28,000 --> 00:02:31,200
して、元師兄は息災か?
25
00:02:31,640 --> 00:02:33,200
ああ、絶好調だよ
26
00:02:37,800 --> 00:02:41,520
元師兄が亡くなっただと?一体なぜ…
27
00:02:41,880 --> 00:02:44,480
話せば長くなる
28
00:02:44,560 --> 00:02:46,880
最初からきっちり説明してやろうか?
29
00:02:50,080 --> 00:02:52,120
元師兄は剣法を教えたほかに
30
00:02:52,160 --> 00:02:53,880
何かそなたに託さなかったか?
31
00:02:54,760 --> 00:02:56,600
何も
32
00:02:56,720 --> 00:02:59,520
例えば「巨子令(きょしれい)」とか
33
00:02:59,680 --> 00:03:02,200
巨子令って何だよ、おじさん
34
00:03:02,440 --> 00:03:04,840
巨子令とは墨者ギルドの証
35
00:03:04,920 --> 00:03:08,000
すべての墨者にとって至高の宝だ
36
00:03:08,080 --> 00:03:10,880
だが凡人にとっては、ただの鉄屑にすぎん
37
00:03:12,040 --> 00:03:15,760
重ねて問う。元師兄は本当に何も渡さなかったのか?
38
00:03:16,000 --> 00:03:18,240
本当にねえよ、おじさん
39
00:03:18,440 --> 00:03:21,680
では、この剣は…
40
00:03:22,920 --> 00:03:26,000
この剣は、亡くなった元宗さんを弔うためのもんだ
41
00:03:26,040 --> 00:03:28,760
無駄にするなって、俺に託してくれたんだよ
42
00:03:28,840 --> 00:03:30,440
だから護身用に使わせてもらってる
43
00:03:30,480 --> 00:03:32,320
元兄上とは、単なる行きずりの仲だったというのか
44
00:03:32,440 --> 00:03:36,880
巨子令の行方も知らぬとは。では、失礼する
45
00:03:38,040 --> 00:03:39,560
おじさん
46
00:03:40,680 --> 00:03:42,560
全く、変な奴だな
47
00:03:42,680 --> 00:03:45,320
兄弟子が死んだっていうのに、無関心すぎだろ
48
00:03:45,440 --> 00:03:50,400
墓の場所も聞かずに、巨子令のことしか頭にないのかよ
49
00:03:52,240 --> 00:03:56,960
信用できねえな、やっぱり俺が持っておこう
50
00:04:03,240 --> 00:04:06,480
巨子令は、墨者たちの運命を左右すると聞く
51
00:04:06,560 --> 00:04:07,720
今や墨者の中には
52
00:04:07,840 --> 00:04:10,400
大金を積んででも、それを手に入れたい者がおる
53
00:04:10,880 --> 00:04:14,160
だが、広い世のどこから探せばよいのだ?
54
00:04:14,200 --> 00:04:16,320
密偵の報告によれば、巨子令は今
55
00:04:16,360 --> 00:04:19,040
烏氏牧場におる者の手にある可能性が高い
56
00:04:19,160 --> 00:04:21,640
項少龍という男だ
57
00:04:21,840 --> 00:04:22,920
もしそれが事実であれば
58
00:04:23,000 --> 00:04:25,560
何としても巨子令を盗み出すのだ
59
00:04:25,640 --> 00:04:26,560
分かったな?
60
00:04:26,600 --> 00:04:27,840
善柔様、承知いたしました
61
00:04:29,600 --> 00:04:33,520
項少龍が、それほどまでに欲のない男だとは信じがたい
62
00:04:33,720 --> 00:04:37,280
栄華富貴や、絶世の美女を前にしても
63
00:04:37,360 --> 00:04:39,120
まったく心が動かぬとはな
64
00:04:40,000 --> 00:04:42,720
人間には皆、相応の「値打ち」があるはずだ
65
00:04:42,800 --> 00:04:44,800
項少龍とて例外ではない
66
00:04:45,720 --> 00:04:48,040
項少龍に出会う前まで
67
00:04:48,160 --> 00:04:50,280
私は侯爵様のお言葉を
68
00:04:50,360 --> 00:04:52,760
露ほども疑っておりませんでした
69
00:04:52,800 --> 00:04:54,920
しかし 項少龍に出会ってから
70
00:04:55,040 --> 00:04:56,560
私はようやく悟りました
71
00:04:56,600 --> 00:04:59,360
この世に例外のないことなどないと
72
00:05:04,720 --> 00:05:08,640
夫人は項少龍に かなりの好感を抱いているようですな
73
00:05:08,720 --> 00:05:10,120
道理で 項少龍が
74
00:05:10,160 --> 00:05:12,800
お宅の坊ちゃんの師匠になるわけだ
75
00:05:13,160 --> 00:05:15,600
私はただ こう考えたのです
76
00:05:15,720 --> 00:05:19,960
並大抵の誘惑で動じぬ男なら
77
00:05:20,040 --> 00:05:22,120
情に訴えるほかないと
78
00:05:22,200 --> 00:05:25,440
互いに親交を深めた後であれば
79
00:05:25,480 --> 00:05:28,120
話もスムーズに進むはずです
80
00:05:28,720 --> 00:05:32,120
情に訴えるのは 決して悪いことではない
81
00:05:32,200 --> 00:05:36,120
だが 夫人が情を動かすどころか
82
00:05:36,240 --> 00:05:38,920
逆に本気になってしまわぬか心配でな
83
00:05:39,040 --> 00:05:42,160
それほど私を信じられぬのであれば
84
00:05:42,280 --> 00:05:46,840
なぜあの日 私に色仕掛けを命じたのですか
85
00:05:46,960 --> 00:05:49,440
夫人を信じぬはずがなかろう
86
00:05:49,520 --> 00:05:52,040
だが いかなる男とて愛する女が
87
00:05:52,080 --> 00:05:53,880
他の男の懐に飛び込むのを見るのは
88
00:05:54,000 --> 00:05:58,040
実に堪え難いものなのだ
89
00:06:02,560 --> 00:06:04,960
まさか 項少龍と出会ったことで
90
00:06:05,040 --> 00:06:07,080
この私を疎ましく思うようになったか?
91
00:06:07,200 --> 00:06:10,160
少し体が優れぬだけです
92
00:06:10,200 --> 00:06:13,680
閣下はいつから そんなに疑り深くなったのですか
93
00:06:15,680 --> 00:06:19,920
ならばよい 夫人はよく分かっているはずだ
94
00:06:20,120 --> 00:06:24,120
私を裏切る者に 碌な末路はないということを
95
00:06:44,400 --> 00:06:46,240
だからスタミナ不足だって言うんだよ
96
00:06:46,360 --> 00:06:50,680
すぐ手を止めるな!もっと気合入れて叩け、声出せ!
97
00:06:50,720 --> 00:06:52,920
趙徳の野郎をぶちのめすつもりでいけ
98
00:06:53,720 --> 00:06:57,440
師匠、盤児はもう朝からずっとサンドバッグを叩いています
99
00:06:57,560 --> 00:06:59,600
いつになったら他の技を教えてくれるんだ?
100
00:06:59,680 --> 00:07:03,120
まったく無知だな。サンドバッグを叩くのは「練気」なんだ。
101
00:07:03,200 --> 00:07:07,440
練気ってのは内功心法の一種なんだよ。
102
00:07:07,480 --> 00:07:10,360
お前はいつも外で喧嘩ばかりして、トラブルを起こして。
103
00:07:10,400 --> 00:07:11,120
色が黒いからって、
104
00:07:11,160 --> 00:07:13,680
ボコられて青アザができてもバレないとでも思ってるのか?
105
00:07:13,800 --> 00:07:17,080
盤児は最近、外で揉め事を起こすことも減りました
106
00:07:17,280 --> 00:07:22,640
よし、これからは「売られた喧嘩は買うが、自分からは売らない」だ
107
00:07:22,920 --> 00:07:25,520
こらガキ、誰が手を止めていいと言った?
108
00:07:25,760 --> 00:07:28,760
少しは向上心を持て。もっとサンドバッグを叩くんだ
109
00:07:28,840 --> 00:07:30,960
さもなきゃ外を50周走って、腕立て伏せでもするか
110
00:07:31,000 --> 00:07:33,000
それも嫌なら、部屋にこもって山水画でも描いてろ
111
00:07:33,080 --> 00:07:36,320
お前が素直になれば、母親も喜ぶぞ
112
00:07:37,400 --> 00:07:40,120
師匠、母上のことをずいぶんと気にかけていますね
113
00:07:40,160 --> 00:07:42,560
余計なお世話だ。さっさとサンドバッグに戻れ
114
00:07:44,320 --> 00:07:47,480
師匠と母上が清い関係だってことは分かってる
115
00:07:47,640 --> 00:07:50,960
正直、時々こう思ってしまう……
116
00:07:51,040 --> 00:07:55,120
しのごの言うな。つべこべ言わずにサンドバッグを叩け
117
00:07:55,200 --> 00:07:58,560
分かってる、無理なことくらい
118
00:07:58,680 --> 00:08:01,480
母上はあんなに悪名高いんだから
119
00:08:01,520 --> 00:08:03,400
お前は母親のことを何も分かっちゃいない
120
00:08:03,480 --> 00:08:06,040
ああなったのには、それなりの事情があるんだ
121
00:08:06,120 --> 00:08:07,720
まぁ、理由なんてどうでもいい。
122
00:08:07,840 --> 00:08:09,080
大事なのは、お前がしっかり分かっていることだ。
123
00:08:09,120 --> 00:08:10,960
母親がお前を 心から愛しているってことをな
124
00:08:11,000 --> 00:08:15,280
じゃなきゃ、お前のこれまでの所業に誰が耐えられる?
125
00:08:18,240 --> 00:08:22,360
でも、お前が母親を大事に思っているのも知ってるよ
126
00:08:22,440 --> 00:08:25,680
こんな説教くさい話はもうやめだ
127
00:08:25,760 --> 00:08:27,200
年寄りみたいで自分でも嫌になる
128
00:08:27,280 --> 00:08:29,560
今日はこれくらいにしといてやるよ
129
00:08:29,640 --> 00:08:30,760
師匠、これでもまだ言い足りないんですか?
130
00:08:30,840 --> 00:08:34,120
口答えするな、このガキ。さっさとサンドバッグを叩いてこい
131
00:08:38,120 --> 00:08:42,240
イチ、ニ、サン、サン、ニ、イチ、イチ、ニ、サン、シ、ゴ、ロク、シチ
132
00:08:42,280 --> 00:08:46,920
ニ、サン、シ、シ、サン、ニ、シ、ゴ、ロク、シチ、ハチ、キュウ、ジュウ
133
00:08:47,000 --> 00:08:48,600
イチ、ニ、サン、サン、ニ、イチ
134
00:08:48,640 --> 00:08:49,800
なぜ、あなたがここに?
135
00:08:49,880 --> 00:08:51,920
まさか俺がここにいるとは思わなかっただろ?
136
00:08:51,960 --> 00:08:53,840
まだ答えてもらっていません なぜここにいるのですか?
137
00:08:53,920 --> 00:08:57,760
昨日、君の花を踏み潰しちゃったからさ
138
00:08:57,880 --> 00:09:01,360
だから今日は、花の植え替えを手伝いに来たんだ
139
00:09:01,480 --> 00:09:03,600
このような力仕事は下人に任せればよいものを
140
00:09:03,640 --> 00:09:04,640
あなたの手を煩わせるまでもありません
141
00:09:04,680 --> 00:09:08,080
そんな細かいこと気にすんなよ
142
00:09:08,160 --> 00:09:10,800
それに、花をダメにしたのは確かに俺なんだし
143
00:09:10,840 --> 00:09:14,560
「男なら、自分のしたことには責任を取る」だろ?
144
00:09:14,640 --> 00:09:15,800
それに、君が言った通り
145
00:09:15,880 --> 00:09:18,880
こういう力仕事こそ、男がやるべきことなんだ
146
00:09:18,960 --> 00:09:19,960
つべこべ言わないの、ウサちゃん
147
00:09:20,000 --> 00:09:23,040
花はこうやって植えればいいのか? どうだい?
148
00:09:23,080 --> 00:09:24,680
ウサちゃん……?
149
00:09:24,880 --> 00:09:28,080
そういえば、まだ君の名前を聞いてなかったな
150
00:09:28,120 --> 00:09:31,160
昨日、庭で楽しそうにウサギを捕まえてるのを見たから
151
00:09:31,240 --> 00:09:33,240
勝手に「ウサちゃん」ってあだ名をつけたんだ
152
00:09:33,280 --> 00:09:35,160
まさか「ブタ」だの「イヌ」だのとは呼べないだろ?
153
00:09:35,240 --> 00:09:37,520
それに「ウサちゃん」って、響きが可愛いじゃないか
154
00:09:37,600 --> 00:09:40,440
私が「ウサちゃん」なら、あなたのことは何と?
155
00:09:42,480 --> 00:09:46,160
俺は肌が黒いから、牛にそっくりだろ
156
00:09:46,240 --> 00:09:47,480
「デカ牛」とでも呼んでくれ
157
00:09:47,520 --> 00:09:49,560
自分のことをそんな風に呼ぶ人がどこにいますか?
158
00:09:49,680 --> 00:09:51,440
そうそう、もっと笑って……
159
00:09:51,520 --> 00:09:53,880
「一日一笑、世界をハッピーに」ってね
160
00:09:53,920 --> 00:09:54,880
そう、笑って
161
00:09:55,000 --> 00:09:56,640
妙なことをおっしゃいますね
162
00:09:56,760 --> 00:09:59,800
妙じゃない、これは「アバンギャルド」って言うんだ
163
00:09:59,880 --> 00:10:01,440
さぞかし、あなた様にとっては
164
00:10:01,520 --> 00:10:03,920
空前絶後のことなのでしょう
165
00:10:04,000 --> 00:10:06,320
これほど自画自賛なさる方は初めて見ました
166
00:10:06,360 --> 00:10:10,120
自分が育てた花が、香らないなんて言わないだろ?
167
00:10:10,320 --> 00:10:13,880
植え付けには細やかな気遣いが肝心、私に。
168
00:10:13,920 --> 00:10:17,800
こうやって植えて、根っこが露出しててもいいのか?
169
00:10:17,880 --> 00:10:20,160
根をさらしていては、すぐに枯れてしまいます
170
00:10:20,200 --> 00:10:20,960
じゃあ、どうすれば?
171
00:10:21,040 --> 00:10:22,040
もっと深く埋めるのです
172
00:10:22,120 --> 00:10:24,200
深く? ちょっと見てくれ
173
00:10:24,560 --> 00:10:26,280
あなたたち……
174
00:10:26,320 --> 00:10:27,880
夫人…… 公……
175
00:10:29,000 --> 00:10:31,720
彼女に花の植え方を教わってたんだ
176
00:10:31,800 --> 00:10:33,560
早く中へ戻って、仕事をなさい
177
00:10:33,680 --> 00:10:35,360
はい、夫人
178
00:10:36,040 --> 00:10:38,480
少龍がこれほど花に興じるとは意外でしたわ
179
00:10:38,560 --> 00:10:40,600
私と共に、湖への舟遊びはいかがかしら?
180
00:10:40,680 --> 00:10:42,560
舟遊び? いいね
181
00:11:07,960 --> 00:11:09,920
今日は随分と機嫌が良さそうだ
182
00:11:10,000 --> 00:11:13,360
普段、私は大きく立派な楼船ばかりに乗っておりますが
183
00:11:13,440 --> 00:11:15,960
今日こうして竹の筏に揺られ
184
00:11:16,040 --> 00:11:19,400
やっと舟遊びの真の愉しみを知った気がします
185
00:11:19,520 --> 00:11:21,200
初めて乗るのか?
186
00:11:21,280 --> 00:11:24,200
十数年前、一度だけ乗ったことがございます
187
00:11:24,400 --> 00:11:26,880
趙括将軍と
188
00:11:26,960 --> 00:11:30,680
盤も一緒でした。当時はまだ一歳で
189
00:11:30,760 --> 00:11:32,680
盤児も連れてくればよかったな
190
00:11:32,800 --> 00:11:36,280
だけど あれにとって
191
00:11:36,360 --> 00:11:39,320
母親の私なんて 取るに足らない存在です
192
00:11:40,480 --> 00:11:43,960
正直なところ 盤児だって
193
00:11:44,040 --> 00:11:46,520
あんたを 相当困らせてるだろ?
194
00:11:46,680 --> 00:11:52,280
親子の仲は “コミュニケーション”次第なんだ
195
00:11:52,360 --> 00:11:53,280
コミュニケーション?
196
00:11:53,360 --> 00:11:57,600
コミュニケーション…… 意味が分かるか?
197
00:11:58,600 --> 00:12:02,000
要するに 子供がまともに育つかどうかは
198
00:12:02,080 --> 00:12:05,040
“コミュニケーション”と思いやりに かかってるんだ
199
00:12:05,960 --> 00:12:07,240
本当は……
200
00:12:07,320 --> 00:12:10,480
もっと盤児と 話す時間を作るべきだよ
201
00:12:10,560 --> 00:12:13,400
それか もっと愛情を持って接するとか
202
00:12:13,480 --> 00:12:14,760
“ボディーランゲージ”を駆使して
203
00:12:14,840 --> 00:12:17,160
子供への愛を 表現するんだ
204
00:12:17,200 --> 00:12:19,400
それだけで 十分伝わるはずだよ
205
00:12:19,560 --> 00:12:23,400
少龍 あなたは父でも夫でもないのに
206
00:12:23,520 --> 00:12:26,520
実に理路整然と 説教をするのね
207
00:12:26,560 --> 00:12:28,640
よしてくれよ
208
00:12:28,840 --> 00:12:31,480
今日 誘ってくれたのは 舟遊びや
209
00:12:31,560 --> 00:12:33,840
子育ての心得を話すためだけじゃないだろ?
210
00:12:33,960 --> 00:12:37,640
何かあるはずだ 言ってくれ
211
00:12:37,880 --> 00:12:42,000
少龍 一刻も早く邯鄲を離れてください
212
00:12:42,360 --> 00:12:43,840
趙穆に言わされたのか?
213
00:12:44,560 --> 00:12:46,560
私自身の意志よ
214
00:12:46,640 --> 00:12:48,600
あなたはこの場所に ふさわしくないわ
215
00:12:48,720 --> 00:12:52,280
悪党に命を狙われ 怯えて過ごすより
216
00:12:52,320 --> 00:12:54,400
早く立ち去るべきですわ
217
00:12:55,320 --> 00:12:58,960
俺だって離れたいさ 帰りたくないわけがない
218
00:12:59,040 --> 00:13:02,960
だけど まだやり残したことがあるんだ
219
00:13:03,040 --> 00:13:04,720
俺は行くわけにはいかない
220
00:13:04,840 --> 00:13:08,400
秦の質子(人質)を助け出す件ですか?
221
00:13:11,040 --> 00:13:14,360
頼まれちまってね、やらないわけにもいかないんだ
222
00:13:14,440 --> 00:13:17,560
でも、やり遂げたところで戻れるわけじゃないしな
223
00:13:17,720 --> 00:13:20,200
私と趙穆の関係を利用しようというのですか?
224
00:13:20,320 --> 00:13:23,920
秦の質子がどこに囚われているか探り出すために
225
00:13:24,640 --> 00:13:28,520
まあな。でも、君とはそこまで親しくないし
226
00:13:28,560 --> 00:13:31,240
迷惑をかけるのも悪いと思ってさ
227
00:13:32,040 --> 00:13:35,680
では、雅に一体何を言いたいのですか?
228
00:13:37,000 --> 00:13:42,160
趙穆の元を離れてほしいんだ
229
00:13:42,200 --> 00:13:45,720
趙穆から離れる……雅にそんなことが?
230
00:13:45,760 --> 00:13:46,520
どうしてできないんだ?
231
00:13:46,600 --> 00:13:48,480
今すぐ消えちまえば、あいつだって見つけられないはずだ
232
00:13:48,560 --> 00:13:50,120
あいつは「天網(スカイネット)」か何かか?
233
00:13:50,200 --> 00:13:51,560
あの方の権力は絶大です
234
00:13:51,640 --> 00:13:55,120
地の果てまで逃げようと、必ず見つけ出されるでしょう
235
00:13:55,360 --> 00:13:56,680
趙穆の目に映る私は……
236
00:13:56,760 --> 00:14:01,160
ただの玩具、あるいは道具にすぎません
237
00:14:02,000 --> 00:14:04,560
よし……湿っぽい話はやめようぜ
238
00:14:04,600 --> 00:14:06,880
もっと楽しい遊びを教えてやるよ
239
00:14:06,960 --> 00:14:08,640
「十五・二十」っていうんだ
240
00:14:08,840 --> 00:14:11,520
どんな遊び? まずは手を出して
241
00:14:12,120 --> 00:14:14,560
こうすれば「十」だ
242
00:14:14,680 --> 00:14:18,080
俺が「十」と言って、数が合えば当たりだ
243
00:14:18,160 --> 00:14:18,920
外れたら……
244
00:14:18,960 --> 00:14:21,440
例えば俺が「十」と言って、お前が手を隠したら負けだ
245
00:14:21,520 --> 00:14:23,600
本当にわかったか? ええ、わかったわ
246
00:14:23,680 --> 00:14:26,880
負けたら水に飛び込むんだぞ
247
00:14:28,960 --> 00:14:30,160
その言い方からすると
248
00:14:30,280 --> 00:14:32,840
雅夫人は、朱姫母子の行方について――
249
00:14:32,880 --> 00:14:34,960
本当に何も知らないようですな
250
00:14:35,000 --> 00:14:37,520
あの女から 情報を引き出せると思ったが
251
00:14:37,600 --> 00:14:39,120
結局は 骨折り損だったな
252
00:14:39,160 --> 00:14:41,360
あの淫婦に 見透かされたに違いないわ
253
00:14:41,560 --> 00:14:43,680
お嬢さん “雅夫人”と呼んでくれないかな
254
00:14:43,760 --> 00:14:46,440
いちいち“淫婦”だなんて
255
00:14:46,520 --> 00:14:48,560
相手に対して失礼だよ
256
00:14:48,800 --> 00:14:53,120
項兄、雅夫人は何か隠しているのでは?
257
00:14:53,200 --> 00:14:54,320
まさか
258
00:14:54,400 --> 00:14:56,640
俺は友達なんだ、騙す理由がないだろ?
259
00:14:56,720 --> 00:14:58,480
彼女が信じられようと関係ないわ
260
00:14:58,520 --> 00:15:00,280
あなた自身が信用できないのよ
261
00:15:00,360 --> 00:15:01,040
見てなさいよ
262
00:15:01,080 --> 00:15:03,200
あの淫婦に すっかり骨抜きにされて
263
00:15:03,280 --> 00:15:06,400
芳よ、少龍は人質救出のために
264
00:15:06,480 --> 00:15:07,760
心血を注いでくれているのだ
265
00:15:07,880 --> 00:15:10,400
困らせるのではない
266
00:15:11,280 --> 00:15:15,160
少龍に任せれば、間違いはないはずだ
267
00:15:18,320 --> 00:15:20,080
それで、調査のほうはどうだ?
268
00:15:20,120 --> 00:15:22,760
逆賊・趙穆は、十数軒の別邸を所有しており
269
00:15:22,840 --> 00:15:24,960
我らで手分けして 密かに探らせましたが
270
00:15:25,040 --> 00:15:27,640
怪しい点は 何もありませんでした
271
00:15:28,440 --> 00:15:31,080
趙穆と連晋のほうは?
272
00:15:31,160 --> 00:15:32,760
数日間 監視を続けておりますが
273
00:15:32,880 --> 00:15:34,680
侯府を 出入りする以外
274
00:15:34,720 --> 00:15:36,280
どこへも行く様子がありません
275
00:15:36,880 --> 00:15:40,480
おかしいな、人質を助けに来ると分かってるはずなのに
276
00:15:40,560 --> 00:15:43,080
監禁場所の様子すら 見に行かないなんて
277
00:15:43,160 --> 00:15:44,680
あり得るか?
278
00:15:45,120 --> 00:15:46,880
もしかすると 奴らは――
279
00:15:46,920 --> 00:15:48,920
質子の幽閉場所は十分に安全だ
280
00:15:49,000 --> 00:15:51,120
頻繁に見回る必要もない
281
00:15:51,160 --> 00:15:53,400
あんたのベッドの下が一番安全だよ
282
00:15:54,440 --> 00:15:57,320
まだ一箇所 調べていない所がある
283
00:16:14,120 --> 00:16:15,480
どうしてこうなった?
284
00:16:15,520 --> 00:16:18,960
殺虫剤のCMに出てきそうな光景だな
285
00:16:28,560 --> 00:16:30,200
お湯の用意が整いました
286
00:16:30,280 --> 00:16:31,880
奥様、どうぞ湯浴みとお召し替えを
287
00:16:32,320 --> 00:16:35,320
下がりなさい、供はいりません
288
00:17:10,000 --> 00:17:11,480
危害は加えない
289
00:17:11,560 --> 00:17:15,800
騒がないなら手を離す、いいな?
290
00:17:19,200 --> 00:17:20,520
一体 誰の差し金でここへ来た?
291
00:17:20,600 --> 00:17:22,040
侯様…
292
00:17:30,920 --> 00:17:33,520
奥方、私が来たぞ
293
00:17:33,640 --> 00:17:35,880
お意地悪な、こんなに遅いなんて
294
00:17:35,960 --> 00:17:38,120
こうして来たではないか
295
00:17:38,200 --> 00:17:40,560
そう焦らないでください
296
00:17:40,680 --> 00:17:44,000
湯を浴びて着替えたら、たっぷりお仕えします
297
00:17:44,040 --> 00:17:45,560
私は一刻も早く抱きたいのだ
298
00:17:45,640 --> 00:17:47,720
まずは睦み合おうではないか
299
00:17:47,800 --> 00:17:50,320
二人で仲良く湯浴みといこう
300
00:17:50,720 --> 00:17:53,760
少しの間も待てないのですか?
301
00:17:54,880 --> 00:17:58,000
あなたの約束を信じて
302
00:17:58,120 --> 00:18:00,760
十数年も待ち続けた私に対して
303
00:18:00,920 --> 00:18:04,120
朱姫、そなたが天下一の美女なのが悪い
304
00:18:04,320 --> 00:18:09,200
秦へ返すなど、私にできると思うか?
305
00:18:12,960 --> 00:18:15,760
少龍、君の話では相当危なかったようね
306
00:18:15,800 --> 00:18:17,320
ああ、あの女が機転を利かせてくれたおかげさ
307
00:18:17,400 --> 00:18:19,680
じゃなきゃ今頃、趙穆に首を飛ばされてたよ
308
00:18:19,760 --> 00:18:22,200
だが、なぜその女子は君を助けたのだ?
309
00:18:22,320 --> 00:18:26,480
さあな、彼女も案外 義理堅いのかもよ
310
00:18:26,520 --> 00:18:28,920
これぞ「義をなす者は卑俗な者に多し」か
311
00:18:29,000 --> 00:18:31,000
歓楽街は「義理固いトリ」ばかりだしな
312
00:18:31,040 --> 00:18:32,480
また何をデタラメを
313
00:18:32,560 --> 00:18:34,720
鶏が歓楽街におるのか? 鶏は農場におるものだ
314
00:18:37,800 --> 00:18:40,760
堡主、この指輪をお返しします
315
00:18:44,880 --> 00:18:49,200
呂丞相から託された件だが
316
00:18:49,320 --> 00:18:52,320
いつになったら完遂できるのやら
317
00:18:56,600 --> 00:18:57,920
少龍
318
00:18:58,000 --> 00:19:00,840
先ほどおぬしを救った女が
319
00:19:00,920 --> 00:19:02,760
朱姫だとは考えられぬか?
320
00:19:02,800 --> 00:19:05,840
そうだ、なぜ気づかなかったんだ
321
00:19:06,000 --> 00:19:08,440
堡主、彼女の写真…
322
00:19:08,800 --> 00:19:10,760
いや、肖像画はあるか?
323
00:19:10,920 --> 00:19:12,120
ある
324
00:19:15,040 --> 00:19:16,840
これ、誰だ?
325
00:19:16,920 --> 00:19:20,280
この画は、以前私が咸陽へ赴いた際
326
00:19:20,360 --> 00:19:22,320
呂丞相から直々に授かったものだ
327
00:19:22,400 --> 00:19:23,800
丞相が仰るには
328
00:19:23,920 --> 00:19:26,960
かつて王子・異人と共に邯郸を脱し
329
00:19:27,000 --> 00:19:28,240
咸陽へ戻られた際
330
00:19:28,280 --> 00:19:31,080
記憶を頼りに絵師に描かせたそうだ
331
00:19:31,160 --> 00:19:33,160
記憶を頼りに?
332
00:19:33,240 --> 00:19:36,120
これじゃ十数年前の朱姫じゃないか
333
00:19:36,200 --> 00:19:37,120
判別なんて無理だろ
334
00:19:37,200 --> 00:19:39,960
項殿、趙穆の屋敷で見かけた女は
335
00:19:40,040 --> 00:19:41,960
この者であったか?
336
00:19:42,000 --> 00:19:45,320
知るかよ。女の10年は別人並みに変わるんだぞ
337
00:19:45,480 --> 00:19:48,880
今となっては…彼女だと言い張っても通るだろうがな
338
00:19:49,000 --> 00:19:51,920
いいではないか、また言い訳ができるぞ
339
00:19:52,000 --> 00:19:53,920
公私混同して あの雅夫人に会いに行ったんでしょ
340
00:19:54,000 --> 00:19:55,680
公私混同だって?
341
00:19:55,760 --> 00:19:58,640
俺は自分のやるべきことをやってるだけだ
342
00:19:58,760 --> 00:20:03,880
暇を持て余して影口を叩く どっかの誰かさんよりマシだろ
343
00:20:19,240 --> 00:20:22,320
この淫賊! よくも私を侮辱したわね
344
00:20:22,400 --> 00:20:23,920
私の実力を見せてやるわ
345
00:20:42,920 --> 00:20:46,320
随分と厳重ね。もしや人質はここに囚われているの?
346
00:20:46,960 --> 00:20:49,400
今度こそ あの淫賊をギャフンと言わせてやる
347
00:20:52,360 --> 00:20:53,800
お気をつけて、閣下
348
00:21:00,320 --> 00:21:02,440
匈奴の使節か
349
00:21:06,320 --> 00:21:07,640
芳兒
350
00:21:09,760 --> 00:21:11,680
どうしてここに?
351
00:21:11,920 --> 00:21:14,840
それはこちらのセリフだ
352
00:21:15,120 --> 00:21:17,000
まさか 私を尾行したのか?
353
00:21:17,080 --> 00:21:18,640
まさか、違います
354
00:21:19,520 --> 00:21:23,640
最近 夜郎の曲芸団が来たと聞いてね
355
00:21:23,680 --> 00:21:25,520
数日間 市場で芸を披露してるらしいの
356
00:21:25,600 --> 00:21:27,480
あなたを誘って 一緒に見に行こうと思って
357
00:21:27,520 --> 00:21:30,360
でも 忙しそうだから 邪魔しないでおく
358
00:21:30,480 --> 00:21:31,640
芳兒
359
00:21:31,720 --> 00:21:35,560
侯様から 匈奴の使節を屋敷へ案内しろと命じられたんだ
360
00:21:35,680 --> 00:21:36,960
だが 侯様は何も
361
00:21:37,000 --> 00:21:39,600
俺がずっと付き添って護衛しろとは言ってない
362
00:21:40,400 --> 00:21:43,840
よし、夜郎の曲芸に付き合うよ
363
00:21:45,520 --> 00:21:51,480
そう…
364
00:21:51,720 --> 00:21:53,640
もし重大な仕事があるのなら
365
00:21:53,680 --> 00:21:54,800
無理に付き合わなくていいのよ
366
00:21:54,880 --> 00:21:56,960
侯様に叱られたら大変だもの
367
00:21:57,080 --> 00:21:59,320
大丈夫さ、侯様は俺を信頼してる
368
00:21:59,400 --> 00:22:01,200
どんなことも 俺に任せてくれるんだから
369
00:22:01,280 --> 00:22:02,960
少し抜けるくらい 問題ないさ
370
00:22:04,600 --> 00:22:07,040
侯爵様は本当に どんな些細な事もあなたに?
371
00:22:07,160 --> 00:22:08,840
では 最近何か変わったことは?
372
00:22:08,960 --> 00:22:10,320
山ほどあるぞ
373
00:22:10,360 --> 00:22:13,080
今日は貴賓の送迎を任されているんだ
374
00:22:13,320 --> 00:22:15,440
まさか 毎日貴賓の送り迎えだけで
375
00:22:15,560 --> 00:22:16,760
他にやることはないの?
376
00:22:16,800 --> 00:22:19,360
そんなわけない あと二日もすれば…
377
00:22:19,440 --> 00:22:20,640
二日後に何があるの?
378
00:22:21,440 --> 00:22:23,000
いやはや 私はうかつだった
379
00:22:23,040 --> 00:22:25,160
雑技に付き添うと約束したのに
380
00:22:25,200 --> 00:22:26,640
ついつい話が逸れてしまった
381
00:22:26,680 --> 00:22:28,560
余計な話はやめて 見物しよう
382
00:22:33,680 --> 00:22:36,320
ほら…
383
00:22:36,480 --> 00:22:39,240
盤旦那 おひねり感謝します お気をつけて…
384
00:22:39,320 --> 00:22:41,440
もうよい
385
00:22:41,480 --> 00:22:43,520
この私には もう取らせる金はないぞ
386
00:22:43,600 --> 00:22:44,560
ありがとうございます
387
00:22:57,360 --> 00:23:00,120
逃がすか! こいつを懲らしめてやれ
388
00:23:33,800 --> 00:23:34,880
引きずり出せ
389
00:23:42,960 --> 00:23:44,640
あの項という男について
390
00:23:44,720 --> 00:23:46,480
凄まじい武芸でも学んだかと思えば
391
00:23:46,560 --> 00:23:49,120
まさか これほど脆いとはな
392
00:23:49,360 --> 00:23:51,800
嘉王子 あの日受けた屈辱の
393
00:23:51,840 --> 00:23:54,480
落とし前を 今日こそつけさせてください
394
00:23:54,600 --> 00:23:55,920
少原君 案ずるな
395
00:23:56,000 --> 00:23:58,360
今日 皆の目の前で
396
00:23:58,440 --> 00:24:01,680
十回地面に頭を叩きつけ 謝罪させてやる
397
00:24:01,760 --> 00:24:02,760
それだけではない
398
00:24:02,840 --> 00:24:07,280
衆人の前で 私の股をくぐらせてやる
399
00:24:07,320 --> 00:24:08,720
趙徳のクソ野郎
400
00:24:08,800 --> 00:24:11,160
俺に勝てないからって、ケツ持ちを呼んだか
401
00:24:11,200 --> 00:24:13,720
股をくぐれだと? 寝言は寝て言え
402
00:24:16,480 --> 00:24:19,640
この王子自ら、今日は少原君の後ろ盾になってやろう
403
00:24:19,720 --> 00:24:22,160
さあ、他にどんな足掻きを見せるか
404
00:24:22,320 --> 00:24:25,120
貴様が股をくぐる無様な姿、ぜひ拝ませてもらおう
405
00:24:31,760 --> 00:24:33,560
股をくぐり終えたら――
406
00:24:33,720 --> 00:24:38,680
「おじい様」と三度唱えれば、命だけは助けてやる
407
00:24:39,040 --> 00:24:40,960
ほら、来い…
408
00:24:42,320 --> 00:24:45,040
ペッ、カメ野郎の「じじい」がお似合いだぜ
409
00:24:45,120 --> 00:24:48,560
おのれ、どこまでその強情な骨がもつかな
410
00:24:48,800 --> 00:24:50,360
離せ!
411
00:24:50,440 --> 00:24:51,800
カメの落とし子め、この雑種が
412
00:24:51,880 --> 00:24:53,400
カメの落とし子に雑種だと? 誰に向かって言っている!
413
00:24:53,480 --> 00:24:54,480
カメの落とし子、この雑種め!
414
00:24:57,320 --> 00:25:01,280
嘉王子、こいつは名ばかりの父親を後ろ盾にして
415
00:25:01,400 --> 00:25:03,880
あろうことか、貴方様さえ眼中にないのです
416
00:25:09,280 --> 00:25:10,760
趙徳、何をでたらめを!
417
00:25:10,840 --> 00:25:13,360
邯鄲中の者が皆知っておるぞ
418
00:25:13,480 --> 00:25:16,000
貴様の母親と巨鹿侯が、いかなる仲であるかをな
419
00:25:16,040 --> 00:25:17,040
まだ言うか!
420
00:25:17,120 --> 00:25:19,640
触れられたくないか? ならば尚更言ってやる
421
00:25:19,720 --> 00:25:21,520
貴様の母親は恥知らずな淫婦だ
422
00:25:21,600 --> 00:25:25,800
邯鄲中の男どもと関係を持っておる
423
00:25:25,840 --> 00:25:27,560
母上を侮辱することは許さん!
424
00:25:27,640 --> 00:25:29,960
許さぬと言われようが、何度でも言ってやる
425
00:25:30,080 --> 00:25:34,160
貴様の母親は誰にでも股を開く、あばずれの尻軽女だ!
426
00:25:34,200 --> 00:25:35,600
黙れ!
427
00:25:35,640 --> 00:25:37,040
恥知らずな母親がいれば――
428
00:25:37,080 --> 00:25:39,040
恥知らずな雑種が生まれるというわけだ
429
00:25:39,080 --> 00:25:41,240
まったく哀れな奴だ
430
00:25:41,320 --> 00:25:44,360
趙盤、この私がお前にチャンスをやろう
431
00:25:44,520 --> 00:25:47,400
お前の母親が淫らな女だと 皆の前で認めるんだ
432
00:25:47,440 --> 00:25:51,280
そうすれば放してやる 痛い目を見ずに済むぞ
433
00:25:51,400 --> 00:25:52,360
ぺっ、ふざけるな!
434
00:25:52,480 --> 00:25:54,160
強情な奴だ やれ!
435
00:26:03,440 --> 00:26:07,200
どうだ? 白状するか?
436
00:26:07,920 --> 00:26:10,520
淫らなのは 貴様の母親の方だ!
437
00:26:10,560 --> 00:26:12,200
貴様… もっと打て!
438
00:26:13,960 --> 00:26:16,960
趙盤、よく聞け
439
00:26:17,000 --> 00:26:20,760
名ばかりの父親が何人いようが 後ろ盾がどれだけあろうが
440
00:26:20,840 --> 00:26:23,480
お前など 最初から眼中にないわ
441
00:26:23,600 --> 00:26:25,880
お前と私では 背負っている宿命が違う
442
00:26:25,960 --> 00:26:29,400
私は今日こそ王子だが 明日は太子
443
00:26:29,520 --> 00:26:31,440
そして将来は この国の王となる
444
00:26:31,520 --> 00:26:35,560
私の一言で お前をいつでも死に追いやれるんだ
445
00:26:39,320 --> 00:26:40,640
いやぁ、知らなかったな
446
00:26:40,680 --> 00:26:42,600
花を育てるのも なかなか奥が深い
447
00:26:42,680 --> 00:26:44,640
自分が育てた花が 見事に咲き誇った時は
448
00:26:44,680 --> 00:26:46,080
最高に幸せな気分でしてよ?
449
00:26:46,160 --> 00:26:47,760
あちこち探し回ったわよ
450
00:26:47,840 --> 00:26:51,320
またここで 庭いじりの真似事をしてたの?
451
00:26:51,440 --> 00:26:52,440
奥様
452
00:26:52,680 --> 00:26:57,320
育てるのはガラじゃない 俺は”花を摘む”専門だ
453
00:26:57,400 --> 00:26:59,480
それなら 少し気をつけた方がいいわね
454
00:26:59,600 --> 00:27:01,720
雅夫人の屋敷に咲いている花は
455
00:27:01,760 --> 00:27:04,680
誰にでも摘めるような 安いものじゃないわ
456
00:27:04,720 --> 00:27:07,520
そうですか? ご安心を 勝手には摘みません
457
00:27:07,560 --> 00:27:09,200
奥様におねだりして プレゼントしてもらいますから
458
00:27:09,240 --> 00:27:12,600
大変です… 奥様、若様が事件です!
459
00:27:15,240 --> 00:27:16,600
出ていけ
460
00:27:17,920 --> 00:27:20,480
盤や、また喧嘩をしたのですか
461
00:27:20,560 --> 00:27:22,840
見て、こんなにひどい怪我をして
462
00:27:23,200 --> 00:27:26,800
見せてみろ…動くな
463
00:27:29,080 --> 00:27:31,640
大したことない、三、四針縫えば大丈夫だ
464
00:27:31,760 --> 00:27:33,600
針と糸を持ってこい、縫ってやる
465
00:27:33,760 --> 00:27:35,320
だからサンドバッグで練習しろと言ったんだ
466
00:27:35,360 --> 00:27:38,040
いつも騒ぎばかり起こして、何度言えばわかるんだ
467
00:27:41,160 --> 00:27:43,760
何だよ、あんたが武芸を教えないから
468
00:27:43,800 --> 00:27:45,600
俺がこんな無様な目に遭うんだろ?
469
00:27:45,880 --> 00:27:48,840
盤や、過ちを悔い改めようともせず
470
00:27:48,920 --> 00:27:51,520
責任を他人に押し付けるなんて
471
00:27:51,560 --> 00:27:54,160
師匠の注いでくれた心血を無駄にする気ですか
472
00:27:54,280 --> 00:27:56,760
最近は成長したと思っていたのに
473
00:27:56,800 --> 00:28:00,280
相変わらず自分を律することもできないとは
474
00:28:02,720 --> 00:28:06,080
俺が自分勝手?ならあんたはどうなんだ
475
00:28:06,160 --> 00:28:08,680
あんたも俺と大して変わらないだろ
476
00:28:09,720 --> 00:28:13,000
自分の行いも正せないくせに、俺を叱る資格があるのか
477
00:28:13,080 --> 00:28:14,320
言い過ぎだ
478
00:28:14,360 --> 00:28:15,880
待ちなさい!
479
00:28:18,840 --> 00:28:23,400
好きなだけ罵ればいいさ、どうせ俺なんて…
480
00:28:24,880 --> 00:28:25,960
盤や
481
00:28:27,200 --> 00:28:29,280
盤や…
482
00:28:38,400 --> 00:28:40,320
先生、盤の具合はどうですか?
483
00:28:42,120 --> 00:28:46,160
公子の負った傷は、今回かなり重いものです
484
00:28:46,240 --> 00:28:49,760
幸い、肋骨や内臓までは達しておりませぬが
485
00:28:50,960 --> 00:28:52,760
薬を服用し
486
00:28:52,800 --> 00:28:58,560
しばらく静養すれば、障りはないでしょう
487
00:28:59,080 --> 00:29:01,120
まだ熱があります
488
00:29:01,240 --> 00:29:03,240
公子の傷はまだ癒えておりませぬから
489
00:29:03,320 --> 00:29:09,120
体内の正気と邪気が相食み、熱が生じております
490
00:29:09,240 --> 00:29:13,600
奥方様、さほどご心配なさいますな
491
00:29:13,840 --> 00:29:17,200
若君が冷えぬようお気をつけくだされば
492
00:29:17,280 --> 00:29:20,880
おのずと快方に向かうでしょう
493
00:29:21,080 --> 00:29:24,280
まずは薬の処方箋を書いてまいります
494
00:29:24,360 --> 00:29:28,680
煎じ薬を飲めば、熱も引くはずです
495
00:29:28,880 --> 00:29:30,160
これにて失礼いたします
496
00:29:32,320 --> 00:29:34,840
先生について薬をもらってきて―― はい
497
00:29:40,720 --> 00:29:42,160
そんなに心配するなよ
498
00:29:42,240 --> 00:29:45,120
あいつは体格もいいし、休めばすぐ良くなるさ
499
00:29:45,480 --> 00:29:47,400
盤児の言う通りね
500
00:29:47,480 --> 00:29:50,040
母親である私の行いが正しくなかったのだわ
501
00:29:50,120 --> 00:29:52,120
あの子を責める資格なんて、私にはない
502
00:29:52,360 --> 00:29:53,760
何度も言わせるなよ
503
00:29:53,840 --> 00:29:57,880
「子供の出来不出来は、親の愛とケア次第」だって
504
00:29:57,920 --> 00:30:01,280
お互いに無関心じゃ、うまくいくはずがないだろ
505
00:30:01,360 --> 00:30:03,000
叔母…
506
00:30:03,200 --> 00:30:06,880
ともかく、若君は必ず回復されます
507
00:30:07,040 --> 00:30:09,720
奥方様、あまりご自分を責めないでください
508
00:30:10,000 --> 00:30:13,680
奥方様、夕餉の支度が整いましたが、いかが…
509
00:30:13,720 --> 00:30:15,760
何か食べに行こうぜ
510
00:30:15,880 --> 00:30:21,000
あなたたちは行きなさい、私は盤児に付き添っているわ
511
00:30:21,120 --> 00:30:24,480
分かった、飯は残しておくからな。行こう
512
00:30:43,760 --> 00:30:45,000
叔母上
513
00:30:46,240 --> 00:30:48,040
公主様、まだお休みではないのですか?
514
00:30:58,360 --> 00:31:01,400
叔母様が何も召し上がらないなんて、いけませんわ
515
00:31:01,480 --> 00:31:03,600
盤児の熱がまだ引かないのよ
516
00:31:03,720 --> 00:31:08,040
母として、食事が喉を通るはずがないわ
517
00:31:08,160 --> 00:31:10,800
そうは言っても、叔母様もご自愛ください
518
00:31:10,840 --> 00:31:13,720
叔母様まで病に伏してしまったら、どうするのですか
519
00:31:15,800 --> 00:31:21,040
料理はここに置いておいて。お腹が空けば勝手に食べるわ
520
00:31:22,800 --> 00:31:26,760
盤児の熱が下がるまでは安心できないの
521
00:31:29,520 --> 00:31:31,240
公主、もう付き添わなくてよいのですよ
522
00:31:31,320 --> 00:31:34,120
夜も更けました、お休みになさい
523
00:31:37,640 --> 00:31:41,760
高麗人参の茶です。叔母様、忘れずに飲んでくださいね
524
00:32:44,600 --> 00:32:48,840
趙徳、黙れ!
525
00:32:48,920 --> 00:32:52,280
二度と母上を侮辱することは許さぬ
526
00:32:53,080 --> 00:33:01,520
母上は淫婦などではない。これ以上侮辱するな
527
00:33:10,600 --> 00:33:15,320
私のために…あんなに殴られたのね
528
00:33:16,400 --> 00:33:22,280
私が至らないばかりに、お前に辛い思いをさせてしまった
529
00:33:23,280 --> 00:33:27,600
私だって、淫婦などと呼ばれたくはなかった
530
00:33:29,000 --> 00:33:31,480
抗えぬ運命だったのよ
531
00:33:32,760 --> 00:33:37,360
お前の父上が亡くなってから、私は…
532
00:33:45,720 --> 00:33:51,000
私のせいで、お前は他人の前で
533
00:33:51,080 --> 00:33:53,240
顔を上げて歩けなくなってしまった
534
00:33:55,440 --> 00:33:59,400
お前が不甲斐ないと言ってきたけれど
535
00:33:59,760 --> 00:34:02,640
本当に不甲斐ないのは私の方ね
536
00:34:06,000 --> 00:34:14,680
盤児、いい?母さんはお前を責めたかったわけじゃないの
537
00:34:15,640 --> 00:34:21,800
あんなに打ちのめされたお前を見て、胸が張り裂けそうだった
538
00:34:25,920 --> 00:34:28,880
盤児、分かっている?
539
00:34:31,280 --> 00:34:34,920
母さんが一番大切に思っているのは、お前なのよ
540
00:34:41,920 --> 00:34:45,760
ずっと、伝える機会がなかったけれど
541
00:35:51,640 --> 00:35:54,400
叔母様、大豆をすり潰して汁物にするなんて、よくご存知でしたね
542
00:35:54,560 --> 00:35:58,400
私を、ただ座って食事を待つだけの女だと思わないで
543
00:35:58,480 --> 00:36:01,840
簡単な料理くらい、お手のものよ
544
00:36:01,920 --> 00:36:03,320
大豆をすり潰したこの汁物は
545
00:36:03,400 --> 00:36:06,200
盤児の体と骨には、とても良いのですよ
546
00:36:06,280 --> 00:36:08,680
盤従兄様が、叔母様の手料理だと知ったら
547
00:36:08,760 --> 00:36:10,120
きっとお喜びになりますわ
548
00:36:11,120 --> 00:36:12,800
盤児
549
00:36:13,440 --> 00:36:15,680
お体の傷は まだ癒えきっておりません
550
00:36:15,760 --> 00:36:17,200
もうお出かけするつもり?
551
00:36:17,280 --> 00:36:18,560
ええ 盤兄様
552
00:36:18,600 --> 00:36:20,440
屋敷でゆっくり静養なさってください
553
00:36:20,560 --> 00:36:22,440
誰が外出すると言った?
554
00:36:22,480 --> 00:36:24,200
何日も大人しくしていただろう
555
00:36:24,280 --> 00:36:27,800
今日は気分がいいから 稽古をしたいのだ
556
00:36:27,880 --> 00:36:31,160
師匠曰く 鍛錬に励めば気が巡り
557
00:36:31,200 --> 00:36:33,320
傷も早く完治すると
558
00:36:35,720 --> 00:36:38,240
安心して 今回のことで身に染みた
559
00:36:38,320 --> 00:36:41,720
俺も二度と 無用な騒ぎは起こさない
560
00:36:44,160 --> 00:36:46,600
盤兄様 叔母様がどれほど案じておられるか
561
00:36:46,640 --> 00:36:48,440
今朝も早くから 自ら厨房に立たれたのです
562
00:36:48,520 --> 00:36:52,120
稽古をするなら 朝餉を済ませてからに
563
00:36:52,200 --> 00:36:54,080
叔母様の真心に応えなければ
564
00:36:55,040 --> 00:36:57,440
分かった 腹も減ったしな
565
00:36:57,520 --> 00:36:59,120
朝餉の後にするとしよう
566
00:36:59,320 --> 00:37:03,720
それに 今日の朝餉は公主様の送別も兼ねてます
567
00:37:03,800 --> 00:37:06,440
公主様は明日 宮中へ戻られるのです
568
00:37:06,520 --> 00:37:09,040
公主が? もう帰るのか
569
00:37:09,120 --> 00:37:11,520
お屋敷にいらした間
570
00:37:11,600 --> 00:37:13,240
全くお相手もしなかったくせに
571
00:37:13,280 --> 00:37:17,080
お帰りとなると 名残惜しそうにして
572
00:37:18,040 --> 00:37:20,480
公主様 朝餉の後に
573
00:37:20,560 --> 00:37:22,920
市場を案内しましょう
574
00:37:23,040 --> 00:37:25,320
最近 夜郎から曲芸の一座が来ているのです
575
00:37:25,360 --> 00:37:26,880
素晴らしい芸を披露するそうですよ
576
00:37:26,960 --> 00:37:28,640
きっと公主様も 初めて目にするはずです
577
00:37:28,720 --> 00:37:29,920
本当? ぜひお願い
578
00:37:29,960 --> 00:37:33,320
なりませぬ 公主様は高貴な身の上
579
00:37:33,400 --> 00:37:36,320
人前に姿をさらし あちこち歩き回るなど…
580
00:37:36,480 --> 00:37:38,280
もし外で何事かあれば…
581
00:37:38,360 --> 00:37:41,520
母は大王様に どう申し開きをすればよいのです
582
00:37:56,920 --> 00:37:59,680
そんな高い所に登って 何してるんだ?
583
00:38:04,320 --> 00:38:05,320
大牛兄さん
584
00:38:05,360 --> 00:38:08,680
大丈夫か? ほら
585
00:38:10,440 --> 00:38:13,760
何で登ったんだ? 上に何か見たいもんでもあった?
586
00:38:13,840 --> 00:38:15,720
それとも 逃げようとしたのか?
587
00:38:17,280 --> 00:38:20,240
どうした? また奥様に怒られたのか?
588
00:38:20,320 --> 00:38:23,400
兄さんに言ってみろ 力になってやるから
589
00:38:25,040 --> 00:38:30,080
怖がるな ほら…座ってゆっくり話せよ
590
00:38:33,000 --> 00:38:36,280
座れよ 一体何があったんだ?
591
00:38:37,440 --> 00:38:39,160
明日 宮中へ戻らねばなりません
592
00:38:39,240 --> 00:38:40,400
宮中に?
593
00:38:40,480 --> 00:38:43,360
戻ってしまえば もうあなたには会えないでしょう
594
00:38:43,440 --> 00:38:45,240
おどろいたな もっと大それたことかと思ったぜ
595
00:38:45,320 --> 00:38:46,600
ただ宮中に戻るだけだろ
596
00:38:46,640 --> 00:38:49,320
また遊びたくなったら いつでも出てくりゃいい
597
00:38:49,440 --> 00:38:50,600
あなたには分かっていない
598
00:38:50,680 --> 00:38:54,000
戻れば 私は籠の鳥と同じなのです
599
00:38:54,080 --> 00:38:55,400
そんなにヤバい所なのか?
600
00:38:55,480 --> 00:38:57,960
侍女になるだけで 奴隷じゃあるまいし
601
00:38:58,160 --> 00:39:00,400
ご存知ですか? 生まれてから今日まで
602
00:39:00,480 --> 00:39:02,360
王宮の外へ出たのは 今回が初めてなのです
603
00:39:02,440 --> 00:39:06,400
初めてだって? よし、ついて来い
604
00:39:06,520 --> 00:39:08,200
どこへ?
605
00:39:08,320 --> 00:39:10,080
奥様に「有給」…いや「休暇」を頼んでやる
606
00:39:10,200 --> 00:39:12,400
お暇など…無理です
607
00:39:12,480 --> 00:39:13,440
何でだよ?
608
00:39:13,480 --> 00:39:14,920
安心しろ パーッと遊びに連れてってやるから
609
00:39:14,960 --> 00:39:16,240
明日 送っていけばいいだろう
610
00:39:16,320 --> 00:39:17,880
奥様に置き手紙を書いておく
611
00:39:17,960 --> 00:39:19,320
怒られやしないよ さあ
612
00:39:19,360 --> 00:39:21,960
奥様は出かけられたようです
613
00:39:22,040 --> 00:39:24,280
出かけた?好都合だ 事後報告といこう
614
00:39:24,320 --> 00:39:27,200
書き置きすればいい 字は書けるだろ?
615
00:39:27,240 --> 00:39:29,920
俺が言う通りに書いて 伝えてくれ
616
00:39:29,960 --> 00:39:32,280
奥様も怒らないさ 来いよ…大丈夫だ…
617
00:40:03,360 --> 00:40:05,680
夕焼けが本当に綺麗ですね
618
00:40:05,720 --> 00:40:08,760
明日の日没後には 宮中へ戻らねばなりません
619
00:40:10,880 --> 00:40:12,440
帰りたくないのか?
620
00:40:12,480 --> 00:40:14,560
雅夫人に頼んでみようか
621
00:40:14,640 --> 00:40:16,240
お前を屋敷に置いてくれるように
622
00:40:16,320 --> 00:40:19,840
おそらく奥様でも それは決められませぬ
623
00:40:19,920 --> 00:40:23,240
なら奥様に頼んで 自由の身にしてもらおう
624
00:40:23,320 --> 00:40:24,160
自由の身に…?
625
00:40:24,280 --> 00:40:26,560
そうだ 束縛されずに自由に生きるんだ
626
00:40:26,600 --> 00:40:27,600
王宮に縛られることもない
627
00:40:27,680 --> 00:40:29,480
外の世界を見に行けばいい
628
00:40:29,520 --> 00:40:30,880
大牛兄さんは 本当に小兔を…
629
00:40:30,960 --> 00:40:32,800
外の世界へ 連れ出してくれるのですか?
630
00:40:32,920 --> 00:40:35,920
もちろんさ 大牛が小兔に嘘をつくかよ
631
00:40:35,960 --> 00:40:38,080
大牛兄さん… 本当にお優しいのですね
632
00:40:38,160 --> 00:40:39,880
「シンデレラ」の話を聞いたことあるか?
633
00:40:39,960 --> 00:40:41,000
シンデレラ?
634
00:40:41,280 --> 00:40:43,120
聞いたことないよな
635
00:40:43,160 --> 00:40:44,640
大牛兄さん それはどなたですか?
636
00:40:44,760 --> 00:40:47,080
なぜそんな妙な名なのですか?
637
00:40:48,520 --> 00:40:52,040
その女の子はだな…
638
00:41:00,840 --> 00:41:03,200
最後には王子が このガラスの靴を頼りに…
639
00:41:03,280 --> 00:41:06,760
公主と再会して、めでたく結ばれたのさ
640
00:41:06,880 --> 00:41:09,320
つまり、この話が教えてくれるのは
641
00:41:09,360 --> 00:41:11,680
「継続は力なり」、根気さえあれば道は開けるってことさ
642
00:41:11,760 --> 00:41:13,400
君もあのシンデレラと同じだよ
643
00:41:13,440 --> 00:41:16,120
いつか理想の白馬の王子様が迎えに来てくれる
644
00:41:16,200 --> 00:41:17,480
兔でもなれますか?
645
00:41:17,560 --> 00:41:18,480
兔だけじゃないさ
646
00:41:18,560 --> 00:41:20,480
大兔、中兔、どんな兔だっていいのさ
647
00:41:20,560 --> 00:41:24,040
手元に刺繍の靴があるんだ
648
00:41:24,080 --> 00:41:26,080
ガラスの靴はないけど、とりあえずこれで代用だ
649
00:41:28,120 --> 00:41:30,360
いつこの靴を買われたのですか?
650
00:41:30,400 --> 00:41:31,440
全く気づきませんでした
651
00:41:31,520 --> 00:41:34,200
先に教えちゃったら、サプライズにならないだろ?
652
00:41:56,120 --> 00:41:57,960
なんて綺麗な刺繍の靴……
653
00:41:58,000 --> 00:42:01,440
叔母様、今日のことは大牛兄さんとは無関係です
654
00:42:01,520 --> 00:42:02,560
どうか彼を責めないでください
655
00:42:02,600 --> 00:42:05,280
お前の私事に口を出すつもりはないけれど
656
00:42:05,400 --> 00:42:09,320
今日の振る舞いは、あまりにわがままが過ぎます
657
00:42:09,400 --> 00:42:11,400
万一、外で不測の事態でも起きたら
658
00:42:11,440 --> 00:42:14,520
私は王様にどう申し開きをすればよいのですか?
659
00:42:14,760 --> 00:42:16,440
大牛兄さんがそばにいてくれれば
660
00:42:16,480 --> 00:42:18,160
決して危ないことにはなりません
661
00:42:18,400 --> 00:42:21,120
それに、明日は宮中に戻らねばなりません
662
00:42:21,160 --> 00:42:23,600
こんな機会は、もう二度とないのです
663
00:42:24,160 --> 00:42:26,400
私が案じているのは、まさにそのことです
664
00:42:26,520 --> 00:42:29,160
明日戻ると分かっているのなら
665
00:42:29,280 --> 00:42:31,920
これ以上、深入りしてはなりません
666
00:42:32,000 --> 00:42:36,240
さもなくば、傷つくのは公主ご自身なのですから
667
00:42:36,520 --> 00:42:39,480
倩児と大牛兄さんは、ただの友人です
668
00:42:41,480 --> 00:42:43,400
では「兔」については?
669
00:42:44,160 --> 00:42:45,680
小兎
670
00:42:45,800 --> 00:42:47,160
考えてごらんなさい
671
00:42:47,240 --> 00:42:51,360
もし牛兄さんに 正体が公主だと知れたら
672
00:42:51,440 --> 00:42:52,840
彼はどう思うかしら?
673
00:42:52,960 --> 00:42:55,120
叔母上 彼には決して言わないでください
674
00:42:55,160 --> 00:42:56,520
牛兄さんの目には
675
00:42:56,600 --> 00:42:59,000
宮中の者は皆 わがままな王女に映っています
676
00:42:59,080 --> 00:43:00,840
もし騙していたと知られたら
677
00:43:00,920 --> 00:43:02,680
二度と友達でいてはくれません
678
00:43:02,760 --> 00:43:05,200
それほど彼を大切に思っているの?
679
00:43:05,280 --> 00:43:06,800
牛兄さんは良い人です
680
00:43:06,880 --> 00:43:09,600
侍女の私を 決して蔑んだりしませんでした
681
00:43:09,680 --> 00:43:12,680
それに宮中に閉じ込められた私には
682
00:43:12,800 --> 00:43:15,000
友を作る機会さえなかった
683
00:43:15,040 --> 00:43:17,840
この絆まで失いたくないのです
56450