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♪〜
〜♪
(ギルガメッシュ) そこまでか
やはり偽物だったな
お前では何も救えない
あの みすぼらしいアーチャーも 言っていたな
お前の理想は借り物だと
自身から生み出したものが ひとつとしてない男が
何かを成そうなどと よくも思い上がれたものだ
正義の味方?
誰も傷つかない世界だと?
おかしなことを
人間とは犠牲がなくては 生を謳歌(おうか)できぬ獣の名だ
平等という飾りごとは
闇を直視できぬ弱者のざれ言
醜さを覆い隠すだけの 言い訳にすぎん
(士郎(しろう)) そう そのとおりだ
この思いは借り物
誰かを救う誰かの姿を見て
まねただけの飾り物だ
あのとき 自分の中は空っぽだった
誰もが平等に死んで 誰 一人 救えなかった
人間なんて そんなものだと諦めないと
とても生きては いられなかった
だから…
だからこそ その理想に憧れた
いけないのか
自分の気持ちではないから それは偽物なのか
偽物だから届いては いけないのか
違う それは きっと違うと思う
偽物でも かなえられない願いでもいい
全てを救うことは できないと
誰かが犠牲にならなければ 救いはないと分かってる
そんなものが 理想にすぎないと知ったうえで
なお理想を求め続けた
多くを救うために傷つけて
それでも 誰も傷つかない 幸福を求め続ける
その果てに ヤツは ここに たどりついた
お前が信じるもの お前が信じたもの
その正体が偽善だと男は言った
それでも そう言った男こそが
最後までその偽善を貫き通した
なら やっていける
借り物のまま 偽物のままでもかまわない
俺は それでいい
衛宮(えみや)士郎は最後まで この夢を張り続けられる
たとえ その先に
求めていた物が 何ひとつないとしても
なんだ
それだけのことじゃないか
出し惜しんだとはいえ エアの風圧に触れたはずだが
(士郎) そんなに山ほど持っておいて
今更 出し惜しむものがあるのかよ
あれは覇者にのみ許された剣だ
本来 貴様など エアを拝謁する権利すら持たん
あ…
(セイバー)ハッ!
おっ
フッ
(士郎)セイバー
無事ですか シロウ
あとは私が受け持ちます
いや セイバーは 遠坂(とおさか)を助けてやってくれ
ギルガメッシュは 俺 1人で何とかできる
な…
何を言うのです シロウ
魔術師ではサーヴァントに 太刀打ちできない
ああ だけど 俺と あいつだけは例外だ
信じろ
俺は きっと あいつに勝てる
ご武運を 凛(りん)は私が必ず
(士郎)セイバー
お前を救うことが 俺には できなかった
あ…
(士郎)あの聖杯(せいはい)は
お前が 望んでいるものじゃないと思う
だから よく見極めておくんだ
次は決して間違えないように
シロウ
(士郎)ごめん うまく言えない
俺は お前のマスターには ふさわしく なかったんだろう
だから…
そんなことはない
シロウは私のマスターだ
サーヴァントとして 責務を果たしてきます
話は また そのあとで
フフフフッ ハハハハッ
正気か? 貴様
セイバーを使わず 自分を捨て石にするだと?
たわけめ
自らを犠牲にする行為など 偽りにすぎぬ
それを いまだ悟れぬとは
筋金の入った偽善者よ
贋作(がんさく) 偽善者か
確かに 俺は偽物だからな
うん?
(士郎)勘違いしていた
俺の剣製っていうのは 剣を作ることじゃないんだ
俺にできることは ただ1つ
自分の心を 形にすることだけだった
体は剣(つるぎ)で出来ている
血潮は鉄で 心はガラス
幾たびの戦場を越えて不敗
ただ 一度の敗走もなく ただ 一度の勝利もなし
担い手は ここに独り
剣の丘で鉄をうつ
ならば 我が生涯に意味は いらず
この体は無限の剣で出来ていた!
そうだ 剣を作るんじゃない
俺は 無限に剣を内包した世界を作る
それだけが 衛宮士郎に許された魔術だった
(ギルガメッシュ) 固有結界か それで?
この みすぼらしい心象で 何が できる?
(士郎)くっ
ハッ
(士郎)驚くことじゃない
これらは全て偽物だ
だがな 偽物が本物に かなわないなんて道理はない
お前が本物だというのなら
ことごとくを凌駕(りょうが)して その存在をたたき落とそう
いくぞ 英雄王
武器の貯蔵は十分か?
フッ
思い上がったな 雑種
(セイバー)何だ あれは
召喚を間違えれば
サーヴァントは あそこまで変わるものなのか
く…
凛 どこにいるのですか
凛!
(凛:念話) セイバー
あっ
凛!
ダメ! セイバー!
あ… ですが
(凛:念話(ねんわ)) いいから ダメ
この泥も サーヴァントみたいなものよ
あなたが触れたら どうなるか分からないわ
分かりました
凛 では 早くこちらへ
そこから離れてさえしまえば あとは私が
(凛:念話) よね
オッケー 任せた
でも もし間に合わなかったら 間に合うほうをとって
だ… ダメだ 凛
そんなことに なるくらいなら 今すぐ助けます
このような呪い…
うっ
凛 令呪(れいじゅ)を
(凛:念話) 当然でしょ
聖杯を壊せる唯一の人材を
むざむざ死なせるわけには いかないもの
それに心配無用だってば
この程度 簡単に振り切って 逃げ出すから
セイバーは そこで 大船に乗ったつもりで
聖剣の準備をしてなさい
凛…
なんてね
まあ 言うは易(やす)しってやつだけど
慎二(しんじ)を返せば 見逃してくれるかな これ
ん? 何?
(セイバー)これは…
(凛)あっ
凛!
そんな…
なぜ 雑種ごときの剣が
(士郎)分からないか
千を越える宝具(ほうぐ)を持つ お前は
英霊の中でも 頂点に位置するものだろうよ
だがな お前は王であって 戦士じゃない
1つの宝具を極限まで 使いこなす道を選ばなかった
俺と同じ半端者だ
贋作を作る その頭蓋!
一片たりとも残しはせん!
(凛)うう…
(荒い息)
ひどい状況
一体 どこを進めば 外に出られるんだか
う…
あのバカ
遠慮なしで人の魔力 持ってくんだから
ん?
ここまでかな
けど このままじゃ終わらないわ
令呪をもって命ず
セイバー 今すぐ聖杯を破壊して!
何を バカな…
凛 早く脱出を!
ごめんね セイバー
言うこと 聞かないだろうから 無理やり聞かせる
あと あんたにも謝っとかないと
慎二 助けられなかった
(アーチャー) そのような泣き言 聞く耳 持たん
(凛)あ…
(アーチャー) 行け 凛!
急いで 凛!
(凛の荒い息)
セイバー!
最後の魔力 あなたに託す!
だから あんな聖杯
かけらも残さず
ふっとばしちゃえ!
ああ…
(セイバー)エクス—
カリバー!
すごい
契約は完了した
あなたたちの勝利だ 凛
(セイバー) 許されるなら
あなたたちの行く末を 最後まで見守りたかった
ですが それは私の役割ではない
シロウには 凛が ついていますから
くっ
うおおお!
ぐ… バカな
この我(オレ)が このような贋作に!
他のサーヴァントが相手なら
こんな世界を作ったところで 太刀打ちできないさ
無限の剣を持ったところで
究極の 一を持った相手には 対抗できない
だが お前が相手なら 先に剣を用意している俺が
1歩 先を行く!
(ギルガメッシュ)おのれ…
おのれ!
おのれ おのれ おのれ!
おのれ!
貴様ごときに 本気を出さねばならんとはな!
うおおおお!
ぐ…
あっ
ローアイアス
くっ
うおおおお!
認めよう
今は お前が強い!
(士郎)逃がすか!
(ギルガメッシュの荒い息)
(士郎)ぐ…
魔力切れとは くだらん末路だ
お前の勝ちだ
満足して死ね フェイカー
なに!
く… この我を取り込んだところで
あ…
(ギルガメッシュ)待て
(士郎)聖杯の孔(あな)?
うっ
(ギルガメッシュ) あの できそこないめ!
同じサーヴァントでは 核にならんとさえ 分からぬのか
くそ 道連れにする気か
(ギルガメッシュ) たわけ! 死ぬつもりなど毛頭ないわ!
踏みとどまれ 下郎(げろう)!
我が その場に戻るまでな!
く…
ふざけるな
こうなったら 腕をちぎってでも
(アーチャー)ふん
お前の勝手だが その前に右によけろ
あっ
貴様
アーチャー
あいつ かっこつけやがって
(凛)アーチャー!
(凛の荒い息)
アーチャー?
(アーチャー)残念だったな
そういう訳だ
今回の聖杯は諦めろ 凛
あ…
フッ
(凛)な… 何よ
こんなときだってのに 笑うこと ないじゃない
(アーチャー)いや 失礼
君の姿が あんまりにも あれなものでね
お互い よくもここまで ボロボロになったと あきれたのだ
アーチャー
もう1度 私と契約して
(アーチャー)それは できない
私にその権利はないだろう
それに もう目的がない
私の戦いは ここで終わりだ
けど… けど それじゃ
あんたは いつまでたっても 救われ…
あ…
参ったな
凛
私を頼む
知ってのとおり 頼りないヤツだからな
君が支えてやってくれ
(凛)アーチャー
うん 分かってる
私 頑張るから
あんたみたいに ひねくれたヤツに ならないように
頑張るから
きっと あいつが
自分を好きになれるように 頑張るから
だから あんたも…
答えは得た
大丈夫だよ 遠坂
俺も これから頑張っていくから
(凛)なんだ
結局 文句 言い損ねちゃったじゃない
帰ろう 遠坂
フフッ
♪〜
〜♪
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