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(凛(りん))私は…
(士郎(しろう))あっ
(凛)私はアーチャーの敵(かたき)を討つ
あんなんでも あいつは
あいつは私の相棒だったから
俺もだ 自分で戦うと決めたんだ
最後まで それを守らなくちゃ
あいつに何て文句言われるか 分からないだろ
それに聖杯(せいはい)は放っておけない
あんなものは壊したほうがいい
あっ
(セイバー)承知しています
万人の願いを くみ取りながら
たった1つの願いしか 受けつけない奇跡など
初めから あってはならなかった
セイバー
(セイバー) ですが 凛のほうこそ いいのですか?
聖杯を得るのは 遠坂(とおさか)家の悲願では?
(凛)そうだけど
そんな猿の手みたいな兵器 いらないわよ
初めから かなえたい望みが あったわけじゃないし
壊すのなら それはそれでスッキリするわ
あ…
(凛) 私は ご褒美のためじゃなくて 勝つために
遠坂の娘として胸を張るために 聖杯戦争を始めたんだし
そっか 遠坂らしいな
何よ 私らしいって
わりと本末転倒なんですけど これ
よし!
し… シロウ?
な… なに?
いや 飯を作ろうと思って
2人とも腹減ってるだろ
“急(せ)いては事を…”って言うし
まずは腹をいっぱいにして 俺たちにできることを考えよう
(セイバー)ええ そうですね
いつもどおり 夕食を迎えましょう
私たちには そのほうが合っている
(凛)そうね
じゃあ 私も手伝おっかな
フフッ
♪〜
〜♪
(セイバー) 柳洞寺(りゅうどうじ)に聖杯があると?
(凛) ええ 市内で 聖杯の降霊ができる土地は3か所
私の家と綺礼(きれい)の教会
そして 円蔵山(えんぞうざん)の柳洞寺
それぞれに使い魔を放ったんだけど 柳洞寺のヤツが潰された
あの金ピカ 柳洞寺に 陣取ってると見て間違いないわ
だとしたら 一成(いっせい)たちが危険じゃないか
(凛)ここ見て
(士郎)全員 救急搬送された
そう 邪魔者は事前に追い出した ってことでしょ
きっと慎二(しんじ)の仕業ね
神経質な あいつらしい手だけど 今回は助かったわ
ハア…
ですが 柳洞寺となると やっかいですね
対霊結界… サーヴァントは 山門からでしか侵入できない
(凛) 逆に言えば 位置が特定できて助かるわ
まず 聖杯の召喚を止めることが 先決だもの
セイバーには山門 表側で あいつの足止めをしてもらって
私たちは その隙に裏手から 山を登って聖杯を壊す
(士郎)待った 聖杯を壊すのは
セイバーじゃないと できないんじゃないのか?
そうね
私たちに 呼び出された聖杯を 壊すことはできない
けど その前に 聖杯の器を壊すことはできる
要は 聖杯が起動する前に 停止させるってこと
どういう意味だ?
(凛)今までの話を総合すると
聖杯は イリヤスフィールの心臓でしょ
けど 聖杯は あの子の体 魔術回路とセットだと思う
あいつはイリヤスフィールが 聖杯になることを嫌がって
核になる心臓だけ引き抜いた
とするとね 聖杯として機能させるためには
もう 一度 魔術師の体に 埋め込まないといけない
私たちが ここにいる以上 あいつが聖杯の基盤に選ぶのは
ハッ 慎二ってことか
けど 慎二には その…
血が絶えたといっても 間桐(まとう)には魔術回路の跡がある
イリヤスフィールの心臓なら
閉じた回路だって 力ずくで開かれるわ
ん… となると まず 慎二を捜さないと いけないのか
では 私は2人が聖杯を止めるまで
アーチャーを引きつけていれば いいのですね
ええ 私たちも聖杯を止めしだい すぐに駆けつけるから
いや それは むちゃだ
セイバーじゃ あいつには かなわない
その根拠を言ってください シロウ!
あっ!
あ… いや 剣士としての能力は 比べるまでもないんだけど
どんなに優れた兵士でも 戦争そのものには勝てないだろ
あいつは そういう類いの英霊だ
対抗するには 同じ戦争じゃないと飲み込まれる
(セイバー) つまり シロウは 私と彼とでは相性が悪いと?
うん
だから 遠坂 何の策もなしで セイバーとあいつは戦わせられない
せめて突破口ぐらいないと
(凛) 士郎の言ったとおり あいつの宝具は戦争そのもので
おまけに 対英霊に特化した サーヴァントでもある
倒せるとしたら それはもう あいつと同じだけの武器庫を…
あっ!
何だよ いきなり黙り込んで
そっか
だから 目の敵にしてたんだ
そうよね 自分の宝具を持たない英霊なら
原典になる武器さえ 存在しないんだから
いける… うん いける!
あ… でも待って ってことは 要するに
言いたいことがあるなら言えよ
何かアイデアがあるんだろう
な… ないわよ!
こんなところで 言えるわけないでしょ バカ!
(士郎)あ…
凛?
(凛) とりあえず さっきの案でいいでしょ
決行は夜明け前だから
それまで各自 自分の部屋で 十分に休みを取っておくように
(凛) それと セイバーには話があるから
(戸が閉まる音)
(凛)ホントにいいのね セイバー
(セイバー)はい それが最適かと
感謝します 凛
そのほうが私も安心して戦える
ん?
(ノック)
(凛)で 何よ
何って
遠坂 もしかして 今 すごく不機嫌か?
(凛)ううん
別に そういうわけじゃないわ
(士郎)ん… じゃあ 何なんだよ
もしかして熱でもあるのか
ないわよ!
ああもう いいから入ったら?
またバカな話なんでしょ どうせ
(振り子が揺れる音)
遠坂 さっきセイバーと…
なに
いや いい
それより怒らないで聞いてくれ あいつの相手は…
あなたがするって言うんでしょ
(士郎)あ…
何だ やっぱり気付いてたんだ
ギルガメッシュの宝具の天敵は アーチャーの魔術なんだって
あっ そうなのか?
ちょ… あのね
あなた 気付いてなかったのに
そんな ふざけたこと 口走ったわけ?
いや 俺たちの中なら
いちばん俺に 可能性があるんじゃないかって
ふ〜ん それは間違いじゃないわ
ギルガメッシュを 最強たらしめているのは
圧倒的な宝具の数と
その中に含まれる 英霊殺しの原典よ
けど アーチャーには 死因になった宝具はないし
何より 魔力が続くかぎり 相手と同じ兵力を用意できる
うん
あいつは あなたたちのことを 偽物だって言ってたけど
それは 敵として 脅威を感じていたからでしょうね
英霊エミヤに対してだけは
互角の戦いを せざるを えないんだから
けど 無理がある
あんな次から次に宝具を出されたら 投影も間に合わないし
魔力も持たない
あなたの魔術が 今までと同じならね
アーチャーの宝具が何だったか 覚えてるでしょ
あの魔術…
固有結界さえ 使いこなせるようになれば
ギルガメッシュに対抗できる
むちゃだ 俺に そんな魔力はないんだ
方法は いくつか考えられるんだけどね
率直に言うと 魔力の蓄えのある
魔術師同士をつないで やりくりする方法よ
(士郎)う〜ん
俺と遠坂の間にパスを通して 魔力の融通をする?
そう
士郎に固有結界を使うための 魔力量が足りなくても 私にはある
あなたには私の魔力を使って ギルガメッシュと戦ってもらう
あとはパスの通し方だけど
遠坂?
(深呼吸)
あなたに私の魔術刻印を移植する
でも それ…
魔術刻印って魔術師の生きた証し そのものだろう?
そうよ
本来 無形である魔術を
その代の当主が 一生かけて形にしたもの
魔術師の家に 代々 受け継がれてきた遺産
(士郎)そんな大切なものを
(凛) いいのよ いちばん大事な戦いなんだから
いちばん大事なものを 賭けなくちゃね
ん…
なんでジロジロ こっち見るのよ
いや ちょっと見とれてた
今更だけど そういう遠坂だから 俺は好きになったんだなって
(凛) うっ! ちょ… すす 好きって
今は そういう話をしてる場合じゃない
けど 聞いてあげるぐらいなら かまわないというか
ああ 分かってる
時間もないし さあ 早く移植を始めよう
具体的には どうすればいいんだ 遠坂?
え…
(士郎)あ…
じゃあ とりあえず服を脱ぎなさい
え?
う〜ん
どした?
そこ 変な誤解しない!
単に服を脱げって 言っただけでしょ!
わ… 私だって脱ぐんだから 公平だし!
ん? 遠坂も脱ぐ?
だ… だから曲解しない!
服を脱ぐのは 体温を伝えやすくするためで
それ以上の意味は ないんだから!
いい? 魔術刻印の移植には 高度な共感状態になる必要があるの
ああ… なるほど
えっと 上だけで いいんだよな?
あ… 当たり前でしょ〜!
始めるわ
Gib dem wandernden Vogel das Trinkwasser,
der vom langen Weg kommt Benutz den Vogelrahmen
in dem der Schlussel night angewendet wird
Ich spinne den Regenbogen in neuem Selbst.
Heites Wetter, Regen,
Wind, Schnee, Krieg, Ende, ununterbrochen
Nimm an, ohne ander Meinung zu sein ohne zu fallen
Es nimmt an, ohne zu furchten, ohne zu Zwei feln
(士郎)う… あっ!
(凛) Sieg im Freund, der auf eine Reise Entfernt geht.
(士郎)あっ!
遠坂!
成功したのか?
(凛)ん…
遠坂?
(凛)もちろん成功したわよ
申し分ないぐらい ばっちり
後遺症なんて出ないぐらい きっかり
そういうのが 得意だった綺礼だって
“我が弟子ながら良くやった” って褒めるぐらい完璧に
(士郎)あっ!
これが…
(凛) ええ 私から移植した魔術刻印よ
固有結界を作る魔力は これでクリアしたんだから あとは
俺の問題だな
ありがとう 遠坂
(凛)ん…
で どうして そんなに怒ってるんだ?
(凛)見たでしょ?
へ?
ちょ… 待った 何かしたのか 俺?
(凛) だから 見たでしょ このケダモノ
何だか知らないけど 誤解だ
俺 ずっと目をつぶっていたし
見たものといえば 魔術回路っぽいイメージと…
あっ!
(凛)フン
あれだ 遠坂 変な夢見てただろ?
どこかの学校の校庭で バカみたいに高跳びしてるヤツを
ずっと日が暮れるまで 見ていたよな
(凛)うっ
あれって 一体…
うわっ
って何すんだよ いきなり!
(凛)うるさい うるさい…
うるさい うるさ〜い!
まっ 枕を手荒に扱うなってば!
う… うるさい ケダモノ!
人の秘密をのぞき見ておいて 何 ふんぞり返ってるのよ!
はあ? 秘密って あんなのがか?
うっ
フン いいわよ
いつか こっちも恥ずかしい記憶を のぞき返してやるんだから
そのときは 絶対に容赦しないからね!
(士郎)あ…
何をしてるんだ セイバー
(セイバー) いろいろ ありましたから
ずっと覚えていられるように 心に焼き付けておきたかった
そっか
うん できれば ずっと覚えていてくれ
(セイバー)ええ 必ず
それと あなたに礼を言わなければ
ありがとう シロウ
随分と時間が かかってしまいましたが
あなたは私に 行き先を教えてくれた
セイバー?
すみません 訳の分からないことを言って
でも 言葉として 伝えておきたかった
1つの夢が終わったのです
私は あなたに何も示すことが できませんでしたが
あなたは 私に十分すぎる答えをくれた
夢って それはセイバーの?
どうでしょう
もし そうだとしても
それは もう私とは関係のない 見知らぬ少女の話です
(セイバー) かつて 夢を見た
ん…
では 私からもお願いします
あなたたちは私が守る
ですから必ず 2人で この家に戻ってください
ああ 必ず戻るよ ここに
(士郎) 決着をつけにいこう セイバー
(ギルガメッシュ) 呪いを吐き出すがいい 聖杯よ
この時代の人間どもが
自らの願いの重みに 耐えられるかどうか
裁定のときと いこうではないか
♪〜
〜♪
(凛) 今すぐ あんたの聖杯を止めてやるわ
(セイバー) キャスターが消えた今
あなたが とどまっているはずがない!
(士郎) 俺の技量じゃ ヤツの宝具は切り払えない
(ギルガメッシュ) 薄汚い 贋作者(がんさくしゃ)
その身をもって 真偽の違いを知るがいい
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