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(セイバー) アーチャー あなたは まさか
(アーチャー) いつか言っていたな セイバー
俺には 英雄としての誇りがないのかと
当然だよ
俺に残ったものは バカげた後悔だけだった
俺はね セイバー
英雄になど ならなければ よかったんだ
ハッ
(アーチャー) どいているがいい 騎士王
マスターが いない身で 無茶をすれば すぐに消えるぞ
もはや衛宮士郎(えみやしろう)に マスターとしての資格はない
肩入れしたところで 君の望みには届かない
私は彼を守り 剣となると誓った
契約がなかろうと この誓約に変わりはありません
(アーチャー)そうか
ならば
♪〜
〜♪
(セイバーの荒い息)
くっ
では 偽りの主(あるじ)ともども ここで消えろ
(士郎)うおおおお!
ほう あと しばらくは すくんでいるものと思ったが
うるさい 相手を間違えるな
(アーチャー) 人まねも そこまでいけば本物だ
だが お前の体は その魔術行使に耐えられるかな
(士郎)うっ!
(アーチャー) 分不相応の魔術は身を滅ぼす
う…
(アーチャー) それとも まさか本気で
自分が大成するとでも 思っていたのか?
愚直に努力さえしていれば 理想の姿に手が届くと?
ああ!
(凛(りん))アーチャー
それが衛宮士郎の限界だ
無理を積み重ねてきたお前には ふさわしい幕切れだろう
(凛)告げる
汝(なんじ)の身は我が下に 我が命運は汝の剣に
聖杯(せいはい)のよるべに従い この意 この理(ことわり)に従うのなら
ちっ
(凛)我に従え
ならば この命運 汝が剣に預けよう!
セイバーの名に懸け 誓いを受ける
あなたを我が主として認めよう 凛
(アーチャー)どうする セイバー
凛と契約した以上
君は本当に衛宮士郎とは 無関係になったわけだが
(セイバー) 言ったはずです アーチャー
シロウとの誓いは なくならないと
あなたこそ どうするのです
今の私を相手にして 勝機があるとは思わないでしょう
ふん たかだか魔力が戻った程度で よくも そこまで強気になる
(セイバー) ここまでです アーチャー
先ほど 私の身を案じていましたが それは あなたにも言えることだ
この世にとどまるための 依(よ)り代(しろ)もいない
魔力の供給も ままならない 今のあなたに何ができる
(アーチャー)ふん
アーチャーのサーヴァントには 単独行動の技能が与えられていてな
マスターを失ったとしても 2日は存命できよう
それだけあれば あの小僧をしとめるには十分だ
バカな まだ そんなことを言うのですか
あなたの望みは聖杯ではなく シロウを殺すことだとでも
アーチャー あなたの望みは間違っている
(アーチャー) ふん 間違っているか
それは こちらのセリフだ セイバー
君こそ いつまで 間違った望みを抱いている
何も残せなかったのではない
全てをやり切ったゆえの終わりだと 考えることは できないのか
俺はアーチャーだ
元より剣で戦う者じゃない
まあ もっとも
その弓すら 借り物の贋作(がんさく)だがな
神髄を見せると言っている
それが俺にできる お前への最大の返礼だ
I am the bone of my sword.
やめろ アーチャー
私は あなたとは…
(アーチャー) Unknown to Death. Nor known to Life.
セイバー いつか お前を解き放つ者が現れる
だが 今の俺の目的は 衛宮士郎を殺すことだけだ
それを阻むのなら この世界は お前が相手でも容赦はせん
Unlimited—
blade works.
(凛)固有結界?
心象世界を具現化して 現実を侵食する大禁呪(だいきんじゅ)
つまり あんたは 剣士でもなければ弓兵(きゅうへい)でもなくて
(アーチャー) そう 生前 英霊となる前は 魔術師だったということだ
では アーチャー あなたの宝具(ほうぐ)は
(アーチャー) ふん 私は聖剣も魔剣も 持っていなかったからな
俺が持ちうるのは この世界だけだ
宝具が英霊のシンボルだと いうのなら
この固有結界こそが俺の宝具
武器であるのならば
オリジナルを見るだけで複製し 貯蔵する
それが俺の英霊としての能力だ
これが… こんな荒野が
あなたの行きついた先だと いうのですか アーチャー
(アーチャー) ふん 言ってくれるな
試すか セイバー
お前の聖剣 確実に複製してみせよう
(セイバー)私の聖剣だと?
(アーチャー) ああ こちらも 自滅を前提にした投影だが
真に迫ることはできる
相打ち程度には もっていけるだろう
だが 聖剣同士が衝突したとき
果たして周りの人間は 生きていられるものかな?
あいつ
(アーチャー) かわすのもいいが その場合 背後の男は諦めろ
く…
シロウ?
(士郎) 今まで さんざん まねしてきた その道理
法則に間違いがないのなら
トレース
オン
速く
うまく
より強く
俺には あの構造が見えている
ふざけてんじゃ
ねえ!
(凛)ちょっ アーチャー あんた
(士郎)遠坂(とおさか)!
あ… え?
(セイバー) どこに行く気です アーチャー
(アーチャー) なに 仕切り直しだよ
俺は今ので魔力切れだ
万全になったお前の相手は していられない
これは あくまで保険だ
マスターの命が惜しければ ここで手を引け セイバー
俺の目的は そこの小僧の…
郊外の森だ
なに?
(士郎) そこに誰もいなくなった城がある
(セイバー)シロウ?
俺に文句があるんだろう いいぜ 聞いてやる
言いたいことが あるのは こっちだって同じなんだ
ふん 確かに あの城なら邪魔は入るまい
いい覚悟じゃないか 衛宮士郎
(士郎) うるさい 遠坂に手を出してみろ
お前を殺してやる
(アーチャー) 1日は安全を保障してやる
だが 急げよ
マスターがいない今 この身は2日と持たぬだろう
その前にお前を殺せないとあらば
腹いせに人質を バラしかねないからな
く…
シロウ
無茶をして いくら あなたでも
アーチャーと同じ投影をするのは 早すぎます
ごめんな セイバー 遠坂 とられちまった
(セイバー) それより 今は あなたのほうが危ない
凛のことは私に任せて シロウは家で休息をとるべきです
(ランサー) 事は済んだみたいだな 坊主
くっ
いや 違うんだ セイバー
あいつは 俺たちの手助けをしてくれた
は?
ランサーがシロウに 協力したというのですか?
(士郎)ああ そうだ
できれば 今は戦わないでくれ
(セイバー)なぜです ランサー
あなたがシロウたちに協力するなど 何か企みがあるのですか
(ランサー)あ?
んなもの 有るに決まってんじゃねえか
見返りがなきゃ よその手助けなんてするか
なるほど
得るものは得たということか
ならば 去れ
私も今は あなたとは戦わない
(ランサー) おい 首尾よくいった ってわけじゃ なさそうだな
何が起きたんだ 坊主
遠坂が アーチャーに連れていかれた
(凛) この丘が あいつの世界
他人のために戦い続けた男が 手に入れた歩みの果て
この風景を抱いたまま
あいつは満足だと 笑って死んだらしい
バカじゃないの 本気で
そう ともかく それが無性に頭に来た
頑張って 頑張って 凡人のくせに努力して
血を流しながら 成しえた奇跡があった
なら 幸せにならないと ウソだ
多くの人間を幸福にしたのなら
そいつらが束になって かかってきても 負けないぐらい
幸せにならないと いけないはずだ
けど そんな報酬は 与えられなかった
代わりに与えられたのは
死んだあとも守護者として 使役される運命だけ
どうして そんなことに 気が付かなかったんだろう
サーヴァントは あらゆる時代から呼び出される
現在と過去
そして まだ見ぬ未来からですら 英霊となるものなら呼び出せる
かつて自分が生きていた時代
生きていた街に呼び出される サーヴァントが
いないとは かぎらない
それを思うと悔しくなる
だって どちらも救われない
かつての自分を見る側も いつかの自分を見る側も
変わり果てた その在り方に 胸を痛めるだけなんだから
誰かのためになろうとする 大バカの結末を
私は もう知っている
そいつは進んで その“後”を差し出した
死んだあとも人々を救えるのなら それは願ってもないことだと
生前は力がなくて 救えなかったけれど
英霊としてなら あらゆる悲劇を打破できると信じて
死後の安らぎを売り渡した
もっと多くの何万人という命が 救えると信じきって
けど そんな希望も裏切られた
言えることは1つだけ
そいつは ずっと いろいろなものに裏切られてきて
最後の最後に 唯一 信じた理想にさえ裏切られた
あ… うん?
どういうつもりよ アーチャー
(アーチャー)ふん
ふん 私が いなくたって 士郎なら勝手に来るわよ
そんなこと あなたなら分かるでしょうに
そうだな
だが そこにお前が いては 都合が悪い
(凛) そう どうあっても 士郎を殺すっていうのね あなた
(アーチャー) ああ あのような甘い男は 今のうちに消えたほうがいい
ふん 士郎が甘いってことは 言われなくても分かってるけど
それでも私は あいつの 甘いところが愛しいって思う
あいつは ああでなくちゃいけないって
ああいうヤツが いてもいいんだって救われてる
けど あんたは どうなの
そこまでやっておいて
身勝手な理想論を振りかざすのは 間違ってるって思ったわけ?
何度も何度も 他人のために戦って
何度も何度も 裏切られて
何度も何度も つまらない後始末をさせられて
それで… それで人間ってものに 愛想が尽きたっていうの?
アーチャー!
(アーチャー)ふん
(凛)体は剣(つるぎ)で出来ている
それが英霊になったあと あんたに与えられた呪文なんでしょ
何よ それ 呪いにも程がある
あんたの人生 何ひとつだって 納得できない
あんたのバカな生き方も 正さなかったあんたの周りにも
もう どうしようもないくらい
納得できない
(慎二(しんじ))へえ
驚きだね 遠坂
半信半疑だったけど ホントに こんなとこにいたんだ
フフフッ
(凛)慎二
(アーチャー) 来客か 邪魔は入らんというから 来たのだがな
(慎二) おっと 物騒なまねは なしだぜ アーチャー
こっちは お前に用はないんだ
なに 言っとくけど お前なんて 相手になるわけないんだぜ
ハハハッ
ブルってんだろ アーチャー
そいつはバーサーカーだって 難なく始末したサーヴァントなんだ
お前が怖気(おじけ)づくのも とうぜ…
(アーチャー) 凛が欲しいのか 間桐(まとう)慎二
(慎二) え? ああ 当然じゃないか
(アーチャー) ならば 事が済むまで待て
衛宮士郎を始末したあとなら くれてやる
それが聞けないのなら サーヴァントともども消えてもらう
(ギルガメッシュ)ほう
待てよ ギルガメッシュ
いいじゃん くれるってんだから もらっておこう
衛宮を始末するまで
遠坂は 僕たちが守ってやろうじゃないか
となると これは もう僕のだろ?
なら 何をしても かまわないと思わない?
傷をつけるな というのが 衛宮士郎との契約だが
それは夜明けとともに消える
刻限が きたのなら 後は好きにするがいい
ハハハッ
(慎二の笑い声)
聞いたかよ 遠坂
お前のサーヴァント マスターを売っぱらうってさ!
(ギルガメッシュ)フェイカー
ん…
(セイバー)目が覚めましたか
シロウ
(士郎) ああ 疲れも取れたし 頭痛も消えた
魔力は さすがに消耗してるけど
魔術回路が焼き切れたってわけじゃ ないみたいだ
(セイバー) シロウ 凛は私のマスターです
彼女を救い出すのは私の役目だ
アーチャーは私が止めますから シロウは…
(士郎)逆だ セイバー
アーチャーとは俺がやる
それはダメだ シロウ
アーチャーは あなたの…
分かってる
あいつが何者なのかは 多分 出会ったときから分かってた
だからこそ あいつがしたことは認めない
あいつとだけは 俺が 決着をつけなくちゃいけないんだ
頼む
アーチャーとは俺がやる
そのとき どうなっても 手を出さないでいてほしい
あなたが そう望むのなら 私は それに従いましょう
この身は あなたの盾になると誓ったのです
その行く末を最後まで見届けます
ありがとう セイバー
あっ
案外 暇なんだな あんた
(ランサー) ちょいと気が変わってな
お嬢ちゃんのピンチなんだろ?
なら もう少し付き合わせろ
このままじゃ寝覚めが悪い
シロウと凛は どんな魔術を使って 彼を味方に引き入れたのです?
(士郎)フッ
♪〜
〜♪
(救急隊員)深山町(みやまちょう) 柳洞寺(りゅうどうじ)
意識不明が53人 全員が男性
血圧低下と呼吸困難
ほかの こん睡事件と同一症状です
新都(しんと)の総合病院に31人 中央病院に15人
残りは市民病院にお願いします
フッ
(ランサー) 俺のマスターは表に出てこないのが 信条だったんじゃなかったか?
(士郎) あのペンダントが 2つあるはずがない
(セイバー) その理想が なぜ自分を否定するのです
(凛) 私 先にリタイアする
(アーチャー) どうあれ 貴様に未来はない
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