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(香織)ナイスシュート。 (亜也)どうも。
(亜也)((ねえ お母さん)) (潮香)((何?))
((わたしの病気って なあに?))
(潮香)((言ったでしょ? 思春期特有のもんだって。→
自律神経のバランスが 少し崩れてるって))
((よくなるのかなあ?))
((なる なる!)) (亜也)((治るんだよね?))
((何 言ってんのよ。 心配ないって。→
大丈夫 大丈夫))
池内! ボーッとしない! (亜也)はい。
(潮香)亜也には まだ 言わないほうが いいと思う。
病気のこと 知らせるの まだ 先にしたい。→
だって 高校1年生なんて 毎日が キラキラ輝いてて→
人生で いちばん いいときじゃない。→
今は まだ 周りのみんなと 同じ高校生活を→
思いっきり楽しましてあげたい。
(瑞生)うっとうしいぐらい 明るく いような。→
笑って 冗談かまして バカ言って。
あいつの いちばん いい時期が もっと 楽しくなるようにな。
うん。
♪♪(ピアノの前奏)
(一同)♪♪「流れる季節の真ん中で ふと日の長さを感じます」→
♪♪「せわしく過ぎる日々の中に…」
(潮香)だんだん 歩けなくなるとか→
寝たきりになるとか 治らないとか→
そういう言葉は あの子には まだ→
言わないでやって いただきたいんです。
(水野)いつまでも 隠し通せるものではありません。
(潮香)それでも もう少し→
もう少しだけ あの子に 希望 持たせてあげたいんです。
(水野)その場しのぎの 希望を持たせて 何になります?
亜也さんの体の機能は 今後 ますます…。
(潮香)分かってます。 そんなこと分かってます。
でも あの子 まだ 15歳なんです。
十分 自分の生き方を 考えられる年です。
亜也さんの人生にかかわる 大切なことです。
とにかく お願いします。
今は まだ 告知はしないでください。
(亜也)麻生君。→
これ聴いて ちゃんと歌詞を覚えてください。
(遥斗)了解しました。 クラス委員さん。
ちょっと まじめに。
(圭子)遥斗。 まだ MD使ってんの?
わたし もう iPod 買っちゃったよ。
物と 女の子は 末永く 大事にする男なんです。
ええ 嘘だあ。 ねえ この後 暇?
(亜也)《あれ?》
♪♪(テーマ ソング)
♪♪~
(瑞生)デパート連れてけだ? (亜湖)今度 マミと→
買い物に行くとき用の バッグとスカート欲しいの。
そんなもん あるもんで 大丈夫だろ お前。
しょぼいのしか ないんだもん。
あっ それと 美術で使う 絵の具のセット。
色いっぱい 入ってるやつね。 (理加)亜湖姉ちゃん。
お絵かき上手だもんねえ。 (亜湖)うーん ありがとう。
それも 今 使ってるもんで 十分だよ お前。
(亜湖)それが 嫌だから言ってんの。
お願い 今度の日曜日さ。
(瑞生)ダメです ピョン! アハハハ…。 (亜湖)きったないな もう!
(瑞生)とにかくな 日曜日は 予定でいっぱいなの。→
俺はな お前の買い物に つきあえるようなな→
暇な男じゃないんです。
(潮香)そうそう。 食事終わったら 散歩 行かなきゃね。 がんもの。
わたし 連れてく。
(弘樹)あっ 俺も行く。 (理加)理加も行く。
(瑞生)よしっ。 それじゃ あの 運動不足解消に→
みんなで ウオーキングにでも行くか? なっ。
お父さんと 一緒に ウオーキングなんて 死んでも同級生に見られたくない。
(瑞生)何を この バカ娘。 (亜湖)あっ! 痛いな もう!
ねえ 亜也。
これから散歩に行くときは 一人じゃなくて→
お父さんか お母さん 誘うのよ。
(瑞生)ああ そうだな。
ほら 痴漢にでも遭ったら 大変だからさ。 うん。
まあ 亜湖は 痴漢に遭っても 向こうが逃げるだろうけど。→
アッハハハ…。
(祐二)うーん これもいいし。 どうしよう 迷うなあ。
池内。 (亜也)えっ?
どっち好き?
ああ 先輩が 今 履いてるやつのほうが。
フフッ… そっか。→
すいません。 じゃあ これください。
(祐二)お待たせ。 (亜也)あっ。
池内のバッシュ 白だったよな? (亜也)はい。
えっ?
(祐二)これなら 俺のにも合うか。
(亜也)ありがとうございました。 これ。
(祐二)ホント? よかった。→
ボーッとしてたから 疲れてんのかと思って。
(亜也)あの… 緊張しちゃって。 (祐二)緊張?
(亜也)こうやって 先輩と二人で→
どっか 出かけんの 初めてじゃないですか。
そっか。 じゃあ これって 記念すべき 初デートってやつ?
なんつって。
≪(子供)待てよ! ≪(子供)待てよ 返せよ。
(子供)待てよ! (子供)返せ!
(子供)待て。
(祐二)池内。 危ないだろ! (子供たち)ごめんなさい。
大丈夫か?
(亜也)大丈夫です。 痛っ…。
(読経)
(親戚)いやあ お宅は まだ いいですよ。→
わたしの息子なんて アメリカの大学病院に行ったきり→
便りも よこさなくて。 (親戚)ウチなんて→
せっかく 苦労して 医者にしたと思ったら→
どこの誰だか 分からない娘 連れてきて→
「結婚する」なんて もう。 アハハハ…。
(親戚)あらあら アハハハ…。 (親戚)いやあ…。
(叔母)遥斗君。 東高に入ったんですってね。
お父さまも お母さまも これで 安心ねえ。
(俊夫)東高? 加藤って先生 まだいる?
(芳文)あっ 俊夫君もね 東高なんだ。
今は 東大の医学部だよね? (俊夫)はい。→
俺さ 文系に 行きたかったんだけど→
偏差値で どうしても加藤先生が 医学部受けろって言うもんだから。
アハハハ…。 (遥斗)バカなんですね。
はっ?
成績いいって理由だけで 医者になろうとするのって→
「僕は 何にも考えてないバカです」 って→
言ってるように聞こえますけど。 (芳文)遥斗。
(たたく音)
(遥斗)((そんな古いの 捨てちゃえば?))
(圭輔)((ヤダね)) (たたく音)
(遥斗)((そんなに 医者になりたいの?))
(圭輔)((うん。 やっぱ あれじゃん?→
生きてるからには 人の役に立ちたいじゃん))
((マジ 調子悪いなあ)) (遥斗)((だから 捨てちゃえば?))
((ヤダよ! 俺は 物にも人にも 末永ーく 優しい男なの。→
おいっ お前 どこが悪い? ここか? ここか? アハハハ…))
(芳文)遥斗。
戻りなさい。 子供じみた マネはするな。
(遥斗)俺 一度もないですから。 医者になりたいなんて思ったこと。
(芳文)おっ。 (亜也)あっ。
(芳文)ああ 申し訳ない。 お花 大丈夫だったかな?
ああ はい。 平気です。 ほら 大丈夫ですよ。
そうかい?
(奈緒子)麻生教授。 どうかなさいました?
(芳文)いや わたしが ボーッと 考えごとをしていてね→
この お嬢さんに すまないことをした。
あら。 あなた いつか ここで会ったわよね?
確か 遥斗君と一緒で。
えっ? 遥斗と?
麻生…。
(芳文)いやあ 君が 遥斗の クラスメートとはね。
(亜也)ホントに 麻生君のお父さんが この病院の お医者さんなんて→
わたし てっきり 冗談かと思ってました。
(芳文)冗談? あいつが?
(亜也)まじめな顔して しれーっと 嘘つくから→
わたし いつも 引っ掛かっちゃって。→
あっ ごめんなさい。 お父さんに。
(芳文)いや。 でも 愛想のないヤツで 困るでしょ?→
クラスでも 浮いてるんじゃないかな?
いえ。 人当たりは いいほうじゃないですか?
一度 ウチで ご飯を 食べたときも→
意外と 妹たちと なじんでましたし。
遥斗が 君の家で? (亜也)あの…。
いや あっ そう。 君の家で ごちそうになったの。
それは 世話になったね。 ありがとう。
で 今日は どうしたの?
あっ わたし ここの神経内科に 通ってるんです。
神経内科?
(亜也)自律神経の バランスが悪いとかで。
あっ でも 今日は ただの お見舞いです。
(優花)あっ お姉ちゃん。
(亜也)こんにちは。 (優花)ママ いつもの お姉ちゃん。
(祥子)あら あなたが?→
お世話になっています。 優花の母です。
初めまして 池内亜也です。 どうぞ これ。
(祥子)わざわざ ごめんなさいね。
(亜也)はい。 (優花)ありがとう。
(祥子)見て見て お父さん。 こんな きれいな→
お花もらっちゃった。
≪(看護師)田代さん。 検査の お時間ですよ。
(祥子)よいしょ。
(看護師)ご気分 いかがですか?
(祥子)ごめんなさいね。→
いつも 優花の お守りしてもらっちゃって。
いえ。
おいしいね。 (優花)うん おいしい。
(祥子)うん。
あの…。
優花ちゃんの お父さんって どんな病気なんですか?
あっ…。
パパね 難しい お病気なの。 えっと… せき… せき…。
(祥子)脊髄ね。→
人間の器官で 体をスムーズに動かす 命令を出しているのが→
小脳と脊髄って ところなんだって。
その機能が うまく働かなくて→
きちっとした命令が 筋肉に伝わらなくて→
思ったように 体を 動かせなくなるの。→
でもね こっちが話してることは きちんと分かるのよ。→
考えたりすることに 障害はないの。
優花が おっきくなったらね→
お医者さんになって 治してあげんの。
そうなんだよねえ。 (優花)うん。
早く 大きくなってね。 (優花)はーい。
あっ あの…。 (看護師)ああ。
水野先生に ちょっと お話がありまして。
今日 お休みなのよ。 困ったなあ。→
そういえばね…。
≪(店主)毎度 どうも。
♪♪~
(水野)池内さん。 どうしたの?
(亜也)あっ すいません。 看護師さんから聞いて。
先生が 毎日 ここで 定食 食べてるって。 休みの日も。
あっ そう。
≪(声援)
(水野)おっ やってる やってる。
あの… よく来るんですか? ここ。
(水野)休みの日に たまに 散歩しに来るんだ。→
なかなか 外出する機会がないから。
お医者さんって 忙しいから→
何か 運動不足に なっちゃいそうですね。
そうだね。 仕事 始めてからどうも。
≪(歓声)
≪(少年)すいませーん。
(少年)ナイスボール!
これでも 学生時代は 野球に夢中でさ→
でも 医者になってから どうも 体が なまっちゃって。
初めて一人で 担当した 患者の男の子が→
相当な 野球バカでさ。→
仕事が 山ほど残ってるのに→
よく キャッチボールに つきあわされたな。
そうですか。
今日は どうしたの?
僕に 話があるんじゃない?
あの…。
先生 あの…。 わたし…。
あの…。
≪(歓声)
そろそろ 帰ります。
早く帰んないと 親が 心配しちゃうから。
何かあったら 次の診察んときにでも。
はい。
♪♪~
(一同)♪♪「新たな世界の 入口に立ち」→
♪♪「気づいたことは 1人じゃないってこと」→
♪♪「瞳を閉じれば あなたが まぶたのうらに いることで…」
(生徒)どうしたの? (生徒)大丈夫か?
(圭子)すみません!
池内さんの指揮 合わせにくいんですけど。
あっ ごめんなさい。 (圭子)ちゃんとしてくんなきゃ。
(生徒たち)あーあ。
えっと じゃあ もう一回 今のところから。
(美歩)今のところって どこですか?
えっと 3ページの…。 (生徒)大丈夫かよ。
(まり)何やってんのよ。 あんたは もう…。
(早希)大丈夫?
(亜也)ごめんね。 (早希)ううん。→
あれ? そういえば 麻生君 いないねえ。
(生徒たち)えっ!? (まり)クラス委員が さぼり?
(生徒)何やってんだよ! (早希)本番 あしただよ。
(慶太)あの! 部室じゃないかな。 (生徒たち)何やってんだよ!
(遥斗)何?
(亜也)みんな練習してるよ。 何やってんの?
アクアリウムの観察記録。
すげえよな。
適度な生き物がいて 適度な水草があって→
バランスが取れた アクアリウムって それ自体で自活できる。→
こんなに ちっちゃくても 1つの生態系なんだよ。
ふーん。 そうなんだ。
あっ この間 麻生君のお父さんに 病院で会ったよ。
優しそうな人だね。
麻生君も 将来は お医者さんになんの?
俺 医者とか向いてないから。
大体さ 人が死のうが 生きようが どうでもいいじゃん。
適当に死んで 適当に生まれて→
そうやって 自然って バランスが取れてるんだし。
人間だって同じだよ。
別に 無理して 生き延びなくてもさ。
そうかな? (遥斗)うん そうだよ。
そうかな? そんなふうに 簡単に割り切れないと思うよ。
(遥斗)何が?
生きるとか 死ぬとか→
バランス取るとか そういう仕組みとか→
「はい そうですね 分かりました」って→
そんなふうに 簡単に 人は 割り切れないよ。
(遥斗)そういうのは 人間のエゴ。
エゴとか そういうんじゃなくって!
違う。 (遥斗)何が?
何がって…。
違うよ。 とにかく違う! (遥斗)だから 何が?
じゃあ 麻生君は 自分の大切な人が→
病気になったり 死んだりしても それで いいって言えんの?
何 ムキになってんの。 バカじゃない?
(理加)パパ! (瑞生)うん?
もうすぐ 終わるからね。 待っててね。
真っ黒くろすけ。 (瑞生)えっ?
あっ おっ!! ちょっ ちょっと!! おっ おいっ…!!→
何っ 潮香!!
おいっ!
(瑞生)何してるんだよ。
(潮香)あの子 このところ おかしいでしょ?→
何か 書いてないかと思って。
おかしかったでしょ! 昨日 ボーッとして。
もしかしたら あの子 もう…。
やめよう。 (潮香)いやっ!
落ち着けよ 潮香!
俺たちが 取り乱してどうするんだよ!
(マミ)すごいよ。→
やっぱ 亜湖りんって そういう 絵の才能あるんだって。
そんなこと ないって。
(マミ)そんなこと あるよ。 だって すごいじゃん。
(亜湖)そうかなあ。
ただいま。
おっ どうした どうした? 何か…。→
あっ ねえ 何か焦げ臭くない? (瑞生)おお 大丈夫だよ。→
それは もう平気だから。 おいっ 理加ちゃん。→
お絵かきしようね。
(亜湖)ねね… これ何だと思う? 実はね…。 見て!
ごめん 後にして。 (亜湖)いや 今 今。
忙しいから。
(瑞生)んっ? 何だ どうした?
別に。 (瑞生)うん…。
(潮香)分かりました。 ありがとうございました。
(弘樹)まだ 帰ってこないよ 亜也姉。
(瑞生)ちょっと 遅いんじゃないか?
(潮香)まりちゃんのウチは もう 帰ってるって。
ちょっと 俺 自転車で 学校まで行ってくる。
(潮香)そうね。 そうしたほうがいいわね。
あのさ。 正気なの? (瑞生)あっ?
過保護すぎるんだよ 二人とも。 まだ 8時前だよ。
あんたは 黙ってなさい。
わたし 何か 怒られるようなこと言ったっけ?
ねえ。 大体 どういうつもり? 家族のことも 考えもしないで→
いつも いつも 一人で 勝手なこと言って!
(瑞生)お母さん。 (亜湖)あーあ。
そんなに 優しくしてもらえるんなら→
わたしも病気になりたい。
亜湖。 何て言った 今。
わたしも病気になりたいって 言ったの!
亜湖っ!!
何でよ。 おかしいよ。 おかしいよ! この家!!
≪(戸を閉める音)
♪♪~
「脊髄小脳変性症」
(亜也)「脊髄小脳変性症とは 運動失調を 主な症状とする→
原因不明の 神経変性疾患の総称…。→
脊髄の神経細胞が破壊され 最終的に消えてしまう…」
(祥子)((小脳と脊髄って ところなんだって。→
その機能が うまく働かなくて→
きちっとした命令が 筋肉に伝わらなくて→
思ったように 体を 動かせなくなるの))
(亜也)「歩行時に ふらつきが 見られるようになり→
転びやすくなったりする 歩行失調。→
物を 取ろうとするときに→
物との距離感がつかめず うまく物が取れない。→
自分の足で立つことが 難しくなり 車椅子生活を余儀なくされ→
構音障害のために 話せなくなり 意思の疎通が難しくなる。→
この病気の原因は まだ はっきり分かっていない。→
現在では 進行を遅らせる以外に 治療法はない」
≪(遥斗)誰?
何してんだ? お前。
(遥斗)おい ちょっと 勝手に いじんなよ!
(遥斗)ちょっと 何してんの? こんな時間に。
(亜也)麻生君は?
俺は 昼間 死んでた魚が→
もしかしたら 白点病かもと思って。
もしそうだったら 処置しないと ほかの魚も 死んじゃうから。
(亜也)変なの。 (遥斗)はぁ?
麻生君は 人が死ぬのは どうでもいいのに→
魚は 気になるんだね。
うるせえよ。 (亜也)変なの。
♪♪~
(芳文)こんな遅くまで 何してた?
(遥斗)すいません。 友達と会っていて。
(芳文)あの子と 会ってたのか? 池内さんとかいう。
(芳文)夕飯まで ごちそうになったことも→
あるそうじゃないか。
(芳文)遥斗。
(芳文)お前 あの子と つきあってんのか?
そうじゃないですけど。 (芳文)そうか。
どういう意味ですか? (芳文)いや いい。
(瑞生)亜也! (潮香)亜也。→
もう 遅いから お母さんたち心配して…。
ごめんなさい。 合唱の練習があったから。
(瑞生)そかそか…。 いよいよ あした 本番だもんな。→
頑張れよ!
(潮香)お母さんたちも 応援に行くからね。→
ちょうど その後 診察だし 病院 送っていくから。
(瑞生)亜也の指揮 期待してるからな。 頑張れよ。
(弘樹)亜也姉。 頑張って。 (理加)頑張って。
うん ありがとね。
♪♪~
(一同)♪♪「この先も 隣で そっと微笑んで…」
(亜也)止めて。
ソプラノのピッチが低いです。 もっと高めに とってください。
あと 男子。 歌詞が ずれている人がいます。
ちゃんと そろえてください。 (男子たち)はい。
亜也 どうしたの? (早希)完全復活だね。
[マイク](アナウンス)「練習時間は終了です」
(西野)お前ら よく練習したな。 自信もって歌ってこい。
(一同)はい! (西野)よし 行こう!
(まり)ヤバイ 何か緊張してきた。
(耕平)ああ そういうこと言うなよ。→
こっちまで うつるだろ。
お前だって変だよ。
(遥斗)昨日 俺に 変って言ったじゃん。
でも お前のほうが変だよ。
いきなり泣くし いきなり復活するし→
お前って 変。
今日さ 答えが出んの。 聞かなきゃいけないこと。
逃げずに ちゃんと 聞こうと思って。→
でも もし それ聞いたら わたし 変わっちゃうかもしんない。
(亜也)今が最後なんだ。 この わたしで いられるのも。
(亜也)きっと 今が 最後なんだよね。
何それ。 クイズ?
そんなところ。 だからさ ちゃんと 歌ってよね。
口パクとかじゃ 許さないから。
(瑞生)ああ 早く 早く。→
保育所 寄っていかなきゃ いけねんだからさ。
(潮香)まだ平気。 亜也のクラス 8番目って言ってたし。
(瑞生)いや でも 早くしてくれよ。→
あいつの晴れの舞台 見損なったら お前…。
行こ 行こ。
先生…。
すいません 朝早くから。
今日の診察の前に ご両親と お話しがしたくて。
ああ 俺 先行ってるわ。
理加 保育所に 置いてこなきゃいけねえから。
(潮香)うん…。
(潮香)この前も 申し上げました。 主人も 告知には反対ですから。
この間の日曜日→
亜也さん 一人で わたしを訪ねてきました。
(潮香)えっ?
ご存じなかったですか? (潮香)ええ。
結局 何も聞かずに 帰っていきました。
もう 限界じゃないでしょうか?
亜也さん 今 一人で 苦しんでるんじゃないでしょうか?
亜也が 何か 気づき始めてるのは 分かってます。
でも… でも あの子 傷つけたくないんです。
それは 誰に対する 優しさですか?
優しさとか そんな。 そんなんじゃ…。
親なら誰だって。 先生には分かりません。→
先生 まだ お若いし お子さんも いらっしゃらないし。
「返してよ」って 言われたんです。
(潮香)えっ?
翔太君という患者がいました。
出会ったとき 彼は まだ 小学生でした。
(翔太)((先生。 早く 仕事おわせよ))
((おわせ? 終わらせろだあ? どの口で言ってんだ こいつ!→
んっ? ううん…)) (翔太)((早く))
(水野)初めて 一人で患者を任されて→
緊張していた 僕の気持ちなんて おかまいなし。
((行くよ))
(水野)患者というより 友達でした。
(水野)((よーし。 翔太 行くぞ))
(水野)同じく 進行性の病気でした。
彼の両親も 告知は しないでほしいと→
希望していました。→
まだ たった 10歳だから→
過酷な運命を知らせるには 幼すぎる。→
ギリギリまで 知らせないでほしいと。
告知をしたのは それから1年後です。
翔太は もう自分の足で 歩けなくなっていました。→
治らないと知ったとき あいつは わたしに言ったんです。
「先生 返してよ」って。
((先生…。 かえし… てよ…))
(水野)知ってたら もっと いっぱい いっぱい 走ったのに→
野球だって きっと 毎日 毎日 夜遅くなるまで 練習したのに→
「僕の時間を返してよ」って。
告知は しないでほしいと 言われたとき→
わたしは どこかで ほっとしてました。
翔太を傷つけたくなかった。
でも ホントは 自分が 傷つきたくなかったんです。
(水野)確かに わたしに 子供はいません。→
親御さんの気持ちは 分かりません。
でも 亜也さんに 悔いなく 生きてもらうために→
どうすればいいか それを 考えることはできます。
[マイク](アナウンス)「次は 1年A組です。 曲目は 『3月9日』です」
(拍手)
(水野)15歳だから。 まだ 15歳だから→
真実を 話さなければ いけないんじゃないでしょうか。→
まだまだ やれることが たくさんある。→
そういう時期だから→
話さなければ いけないんじゃないでしょうか。
(水野)大切な今を 亜也さんに 悔いなく 生きてもらうために。
♪♪(ピアノの前奏)
(一同)♪♪「流れる季節の真ん中で ふと日の長さを感じます」→
♪♪「せわしく過ぎる日々の中に 私とあなたで夢を描く」→
♪♪「3月の風に想いをのせて 桜のつぼみは春へとつづきます」
♪♪「溢れ出す光の粒が 少しずつ朝を暖めます」
(一同)♪♪「大きなあくびをした後に 少し照れてるあなたの横で」→
♪♪「新たな世界の入口に立ち」→
♪♪「気づいたことは 1人じゃないってこと」→
♪♪「瞳を閉じれば あなたが…」
俺は ただ… たださ。→
なるべく笑って 冗談かまして バカ言って→
あいつの いちばん いい時期が もっと 楽しくなるようにって→
そう思って…。
(一同)♪♪「この先も 隣で そっと微笑んで…」
だけど それが できねえんだ。
(瑞生)だって あいつに 隠しごとしてる間→
あいつの目 まともに見れねえんだ。
(一同)♪♪「どれほど強く なれたでしょう」
♪♪「あなたにとって私も そうでありたい」
(拍手)
♪♪~
(亜也)((じゃあ 麻生君は 自分の大切な人が→
病気になったり 死んだりしても それで いいって言えんの?→
人が死ぬのは どうでもいいのに 魚は 気になるんだね))
♪♪~
(水野)診察の前に 今日は 話したいことがあるんだ。
君の病気について→
今まで 詳しい説明は 避けてきたけど…。
脊髄小脳変性症ですか?
(亜也)先生。 わたしの病気って 脊髄小脳変性症なんですか?
そうだよ。
わたし 将来…。
将来 優花ちゃんの お父さんみたいになりますか?
教えてください 先生。
ずーっと先のことだけどね。 なると思う。
亜也…。→
今すぐどうこうとか いうことじゃなくて…。 亜也…。
ひとつ 聞いてもいいですか?
いいよ。
病気は…。
病気は… どうして わたしを選んだの?
♪♪『Only Human』
♪♪~
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