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(水野)お嬢さんの病気は 脊髄小脳変性症だと思われます。
(水野)何らかの理由で 小脳が 萎縮し→
そこに存在する さまざまな神経細胞が→
しだいに失われていく というものです。→
つまり 壊れていくと 理解してください。
(受付)こちらが お薬になりますので。
(水野)わたしの知るかぎり→
完治した例は 一例もありません。
(ノック) どうぞ。
(潮香)失礼します。 (水野)どうしました?
申し訳ありません。
MRIの画像や 検査データを お借りできないでしょうか?
昔から 医者のはしごは したほうがいいと いいますし。
セカンドオピニオンですか? (潮香)はい。
できれば ほかの先生の診断や 意見も伺いたいと思いまして。
(水野)わたしも セカンドオピニオンには賛成です。→
もし 必要であれば 紹介状も お書きしますが。
(潮香)ありがとうございます。
ただ こうしてる間にも 病気は進行しています。
お嬢さんが 自由に動ける時間は 限られてます。
限られた時間を 有意義に過ごすためには→
まず お母さんが お嬢さんの病気を→
認めることが必要です。
娘が治らない病気ですだなんて 言われて→
そんなに簡単に納得したり 認めたりできないんです。
必ず薬は お嬢さんに 服用させてください。
(潮香)はい。
(亜也・早希・まり)いただきま~す。
(まり)亜也のお弁当って いっつも うまそうだよね。
(早希)だよね。 早希なんて また 夜の残りもんだよ。
(亜也)ウチのお母さん 保健師だからさ→
栄養のこととか うるさくって。 食事だけは 絶対 手抜かないの。
(早希)ふ~ん。 (まり)ふ~ん。 卵焼きとかさ…。
ありがとうございます。 (西野)頑張れよな。
はい。 (まり)けどさ 亜也に→
あんな パワーがあるなんて ねっ。
「わたしの父は お豆腐屋さんです」だっけ?
でも よかったよね。 合唱コンクールの曲も決まったし。
でも あと 問題は伴奏か。 ≪(美歩)これ かわいくない?
(圭子)うん かわいいね。 (美歩)これ かわいい。
(圭子)こういうのも 好きなんだけど。
(美歩)あっ これ よくない? (圭子)ねっ?→
うん ちょうどいい感じ。 (美歩)お花とか付いても→
いいなあと思って。 (圭子)うん いいねえ。
富田さん。 伴奏 どうしても ダメかな?
(圭子)えっ? 面倒くさいんだけど。
でも やっぱり 富田さんしか いないんだよね。 お願い。
(美歩)頭 下げれば いいってもんじゃないし。
(遥斗)富田 ピアノ うまいじゃん。 (圭子)別に うまくないけどさ。
(耕平)そういえば 中学の合唱コンクールんとき→
富田が伴奏してたよな? (遥斗)うん。 やってよ。
えっ? まあ 遥斗が言うなら しょうがないか。
サンキュー。
ありがとね。
≪(女)おいしかったねえ。 ≪(女)うーん とっても。→
おなか いっぱいになっちゃった。 (女)うん 食べ過ぎちゃったね。
(サイレン)
(まり)富田さんってさ 絶対 麻生君のこと 好きだよね?
(亜也)あっ うん。 (早希)早希も そう思う。→
あの二人 中学も一緒だしね。 (亜也)えっ そうなんだ?
≪(西野)集合! (一同)はい!
(西野)今度の日曜日 北高との練習試合が決まった。→
出場選手を発表する。 本田。
(香織)3年 オオサワ イマダ 本田。 2年 フナコシ。
1年 池内。 (亜也)えっ?
やったじゃん。 (早希)すごい すごい。
(香織)じゃ シュート練習やるよ。 (一同)はい!
池内。 頑張れよ。 (亜也)はい。
(武田)お前さ あの子のこと 選手として いいと思ってんの?
それとも 女の子として いいと思ってんの?
(祐二)バカ。
♪♪~
♪♪(テーマ ソング)
♪♪~
(耕平)こんなことまで 生物部の活動かよ。
(慶太)当たり前ですよ。→
僕たちが世話してあげなくちゃ 彼らは生きられませんから。
(西野)麻生。 お前 麻生圭輔の弟なんだってな?→
そういえば お前の兄貴も→
よくそうやって カメの世話してたよ。
(慶太)麻生君って お兄さんがいるんですね?
死んだんだよ 去年。
(佐々木)この血液検査のデータを 見るかぎり 貧血ではないですね。
でも 睡眠不足だったり ホルモンのバランスが崩れてるとか→
そういうことだって ありますよね?
(佐々木)いえ。 それらを示す所見は→
このデータには 見当たりません。
今度 娘 連れてきますので 診ていただけませんか?
(佐々木)常南大で 診てもらったんなら→
間違いないと思いますが。
でも…。 (佐々木)池内さん。
この病気を 画像で診断するのは それほど難しくないんですよ。
(瑞生)あっ 理加 変な顔。 (弘樹)え~ お父さんのほうが→
変な顔じゃん。 (瑞生)何だと。
≪(亜也)ただいまー! (瑞生)あ~ おかえり!
(弘樹)おかえり。 (理加)おかえり~!
(亜也)お母さん ただいま。 (潮香)あ~ おかえり。
(亜也)ああっ! これって この前の写真?
(瑞生)ああ。 (亜也)よく撮れてんね。
(瑞生)だろう? フフ。 (亜湖)それぐらいの写真なら→
誰でも撮れんじゃないの? (瑞生)亜湖もなぁ 幼いころは→
こんなに かわいかったのになぁ。 (弘樹)えっ 嘘 嘘。
ほらほら 七五三。 七五三だよ。 (亜湖)見なくていいよ もう。
(亜也)ジャン! わたしね 今度の日曜日→
練習試合に 出れることになったの。
(瑞生)おおっ でかした! (弘樹)すっげえ!
(瑞生)よーし。 今夜は ビールで乾杯だ!
(弘樹)俺も! (理加)理加も!
(瑞生)よーし! (潮香)お母さんも!
(亜也)え~ お母さんも? 珍しいね。
(潮香)だって うれしいじゃない。 (瑞生)ああ。
(潮香)飲もう 飲もう。 (瑞生)ああ 飲もう 飲もう…。→
あ~ よしよし。 (亜湖)ねえ。
(瑞生)はい ビール ビール ビール。 (亜湖)何か 焦げ臭いんだけど。
(瑞生)えっ? (潮香)えっ? あ~っ! あっ!
(瑞生)あ~ 俺の豆腐ステーキが! (亜也)あ~!
(潮香)あ~ ごめん。 (亜也)お母さん。→
もう 疲れてんじゃないの? 今日は わたしがやる。
ねえ いいから。 早く着替えてらっしゃい。
平気 平気。 あっ! (瑞生)あっ!
(亜也)あっ! あっ! (弘樹)ああ~ ああ~。
亜也 大丈夫? (亜也)うん わたし 大丈夫だけど。
潮香! お前。 お前… 心配する相手 違ってるぞ お前!
ああ 痛い。 ああ…。 (亜也)あ~ ごめん お父さん!
(瑞生)ダメ。 ちょっと こ… 氷 持ってきて。 氷 氷…。
(芳文)もうすぐ 実力テストが あるそうだな?
(遥斗)はい。 (佐知子)頑張らないとね。→
テストの結果しだいで 2年生からの特進クラスに→
行けるかどうか 決まるんでしょう?
(芳文)ちゃんとやれば 医学部に合格できる。
期待してるからな。
ごちそうさま。 (佐知子)もう食べないの?
何の薬?
ふらつきを抑えるんですって。
(亜也)検査結果 出たの? (潮香)うん。
(瑞生)おい。 薬とか検査って 何なんだよ?
(潮香)ほら 最近 亜也が→
体が ふらつくことが あるでしょう?→
念のために 検査してもらったの。 (瑞生)でっ どうだったんだよ?
自律神経のバランスが 崩れてるんですって。
自律神経?
うん。 思春期には よくあるんですって。
じゃ 心配はないんだな? (潮香)うん。
(亜也)ほらね。 何でもなかったでしょ。
ホントね。
ねっ 病院に予約 入れてあるから あの 傷の消毒→
部活 行く前に ちゃんと行ってね。
分かってます。 (理加)理加も欲しい。
薬だぞ。 アメじゃないんだぞ。 (理加)でも おいしそう。
うーん 苦ーい。
(谷口)はい もう大丈夫。 傷も そのうち きれいに治るから。
ありがとうございました。
(谷口)消毒薬だけ 出しとくからね。
はい。
(優花)ありがとう。 (亜也)一人で遊んでるの?
うん。 お父さんの お見舞いに 来たんだけど 今 検査中なの。
そっか。 じゃ 検査 終わるまで 一緒に遊ぼうっか?
うん!
(優花)それっ! (亜也)はい。 ほい!
痛い。 おねえちゃん 下手くそだね。
おねえちゃんも病気なの? (亜也)えっ どうして?
お父さん おねえちゃんみたいに ここ ケガしてたよ。
あっ そうなんだ。 (優花)水野先生!
お父さんの検査 終わったよ。
(優花)お父さんの検査 終わったって。
(亜也)よかったね。 (優花)おねえちゃん バイバイ!
(亜也)バイバイ。
お父さん。
≪(三沢)池内さん。 (潮香)はい。
(三沢)申し訳ないんだけど→
この間の乳幼児検診に来なかった 家庭の訪問指導→
今から お願いできます? (潮香)分かりました。
よろしく。
(潮香)子育てで 何か お困りのこと ありませんか?
(母親)別に。
(潮香)三人も いらっしゃると 大変でしょう?→
わたしも 子供 四人いるんで よく分かります。
(母親)まあ 楽じゃないけど。 (男の子)カーレース 行います。→
カーレース 行います。 カーッ! (おもちゃを投げる音)
もう お昼 食べた? (母親)これから作るところだから。
好きなもん 何かな? 朝 何食べたの?
(男の子)カップ麺。 (潮香)そう。
(母親)もう いいでしょう。
あの… 小さいお子さんの食事って 大変でしょう?→
栄養のバランスも 考えなきゃいけないし→
好き嫌いしないよう 工夫も必要だし。
でも 毎日の食事や 生活習慣って とっても大切なことなんですよ。
でも ウチの子たち 病気一つしたことないし→
元気だから。 (潮香)今 元気だからって→
これから先も ずっと元気なんて 保証ないんですよ!
何なのよ?
すいません。
♪♪~
どうしたの? 迷子になっちゃった?
どこ行くの?
麻生君?
おう。
(亜也)麻生君ちの犬? (遥斗)池内んちの犬?
(亜也)それじゃあ やっぱ 迷子か。
(遥斗)捨てられたんだろ。 首輪してないし。
(亜也)そっか。
♪♪~
遠慮しないで食えよ。
俺たち ずーっと こうやって 生きてきたんだからさ。
どういう意味?
人間と犬ってのは 5万年前から 一緒に生きてきたんだって。
そうなの?
人間が狩りをして生きてたころ→
猛獣が近づくと 犬が鳴いて 危険を知らせてくれたんだよ。
へえ~。
だから 人間は 安心して眠ることができた。→
そのかわり 人間は 犬に食べ物を与えた。
そうやって 持ちつ持たれつ 生きてきたってわけ。
ふーん そうなんだ。
♪♪~
(理加)ただいま~! (瑞生)おう おかえり。 遅かったな。
車 使いたいんだけど いい?
(瑞生)ああ いいけど 何かあったのか?
ほら あの 定期的に訪問指導してる→
橘さんって お年寄りのことで ちょっと。
(瑞生)ああ この間 遊びに来た あの 一人暮らしのおじいさん。
そうそう。 帰り遅くなるけど 子供たちのこと お願いね。
おう 分かった。 (潮香)あっ そうだ。
ねっ あの~ 亜也に 必ず 薬 のませてね。
ああ あの 自律神経の薬な。 (潮香)そう。
(瑞生)ああ。
♪♪~
≪(瑞生)入るぞ。→
亜也 薬。 (亜也)あっ 忘れてた。
ああ はい。 (亜湖)お母さん→
仕事で こんなに遅くなること なかったよね?
(瑞生)ああ。 (亜湖)不倫でもしてんじゃないの?
(ぶつかる音)
不倫? バカ言ってんじゃないよ お前は ホントに。
親を からかうのも いいかげんにしろ。
(亜湖)はーい。
(潮香)常南大学病院の 水野先生には→
完治しないと言われました。 でも 宮下先生なら→
何か新しい治療法や 完治したケースを→
ご存じなんじゃないかと 思いまして。
手術とか薬とか 何か方法ありますよね?
(宮下)わたしは 神経内科の医者になって以来→
この病気の研究を 続けてきました。
気が付いたら 40年余りが過ぎていました。
(潮香)はい。 (宮下)ですが→
いまだに 有効な治療法が 見つからないことに→
じくじたる思いを 抱いております。
海外では…。 あの 海外では→
何か いい治療法が あるんじゃないですか?
今のところ 海外も同じです。 むしろ 日本のほうが→
この病気の研究は 進んでいるでしょう。
先生。 あの子 助けてください。
お金なら いくら かかっても かまいません。
わたし どんなことでも しますから。
お母さん。 この病気は→
日常生活に支障を来す可能性は ありますが→
直ちに 命にかかわるという 病気ではありません。
だからって このままじゃ あの子は…。
こうしている今も 研究は 進められています。
新しい治療法や 薬の開発も→
徐々にではありますが 進んでいます。
ホントに何も…。 何も方法はないんですか?
まずは 投薬と リハビリを開始して→
この病気と どう うまく つきあっていくかということを→
考えていただいたほうが いいと思います。
希望を捨てずに お嬢さんを 支えていってあげてください。
先生。 あの子は…。 あの子は まだ 15歳なんです。
たった 15歳なんですよ。
常南大学病院の水野君は わたしの教え子の中でも→
最も優秀な 神経内科医の一人です。
♪♪~
[TEL](亜也)「お母さん。 お仕事 ご苦労さま。→
今日 病院 行ったよ。 あごの傷は もう心配ないって。→
傷あとも きれいに消えるって。 安心してね。→
それじゃ おやすみなさい」
♪♪~
≪(足音)
(瑞生)おう。 何だ 帰ってたのか。 橘のじいさん どうだった?
(瑞生)あっ もしかして また 入院か?
(瑞生)何なら 近いうち 見舞いにでも行ってやるか?→
ほら あの じいさん 将棋 好きだろ?→
退屈してるだろうから いっちょ もんでやるかな。 ハハ。
亜也の病気ってね 脊髄小脳変性症っていうの。
えっ? (潮香)脊髄小脳変性症。
何だよ その 舌かみそうな名前?
だんだん 体が動かなくなるって。 (瑞生)えっ?
あの… 橘のじいさんが?
亜也が。
えっ?
あの子 自律神経が 崩れてるんじゃないの。
な… 何なんだよ? その せき… 脊髄 何とかちゅうのは?
だんだん 自分の足で 立つことも難しくなって→
車椅子になって いつか 寝たきりになって。
そんなはずないだろ お前。
何 寝ぼけたこと 言ってんだよ お前。
文字 書くことも しゃべることも 難しくなるって。
何… 治るんだろ? なっ? 薬 のめば 治るんだよな?
そ… それじゃ 手術すれば 治るんだろ?
治療法ないって。
どこの ヤブ医者に診せたんだ お前は!?
ほかの医者に 診せてこいよ ちょっと!
いろんな先生に会ったの。
インターネットでも調べてみたの。
いろんな本も読んだの。
この病気の 第一人者の先生にも 会ってきたの。
でもね…。
でもね…。
今の医学では 治せないって。
(亜也)おはよう! (瑞生)おう おはよう。
おはよう。
今日の試合 頑張ってね。 (亜也)ありがとう。
今日は 家族全員で 応援に行くか。
ホントに? (潮香)賛成! ウフフ…。
(亜湖)バッカじゃないの。 たかが 練習試合で。 わたし パス。
(瑞生)ダメだ!
あっ いや。 ほら 全員そろって 応援に行くんだよ。
(亜湖)日曜日ぐらい 自由にさせてよ。
行くのよ。
(亜也)ナイスシュート! カモン!
(弘樹)亜也姉! 頑張れー!
(亜湖)ったく 何で わざわざ 家族そろって。
(耕平)あ~あ 休みの日まで 金魚と カメの世話かよ。
(慶太)当たり前ですよ 生物部員としては。
≪(歓声) (耕平)おっ 何かやってる?
(耕平)へえ。 池内って 結構 うまいじゃん。
よく 転ぶのにな。 (慶太)そうなんですか?
(祐二)ナイスシュート!
おかしいだろうよ。
ちゃんと 走ってんじゃねえかよ。
あんなに うめえじゃねえかよ。
何で 亜也が…。
亜也!
よーし! 亜也 いけー! ほら!
亜也!
バッカじゃない。 転んだぐらいで。
はい!
亜也!
(歓声)
よーし やった! でかした!
来たよ 来た!
よっしゃ! やっちまいな!
亜也! 頑張れよ!
(祐二)いい試合だったな。 きっと レギュラー間違いなしだ。
(亜也)そんなに 甘くはないと 思いますけど。
(祐二)まだ 持っててくれたんだ。
(亜也)((先輩。 あの… サインしてください))
(祐二)((はい))
俺 合格発表で 池内 見つけたとき ホント うれしかったんだよな。
えっ?
♪♪~
≪(子犬の鳴き声)
あっ いた。
(亜也)さっきね 河本先輩が→
「いい試合だったな」って 言ってくれたの。
それにね 東高に入ったことも うれしいって。
≪(遥斗)よかったじゃん。
何で いんの!? (遥斗)飯 やろうかと思って。
(亜也)それじゃ またね。
(遥斗)忘れ物。 (亜也)えっ?
(亜也)ああっ。 ついてきちゃったの?→
連れて帰ってあげたいけど きっと ダメだろうな。
(遥斗)何で?
ウチ 食べ物 扱ってるから 動物 飼っちゃいけないの。
ふーん。
(亜也)ヤダ 雨…。
(亜湖)お父さん! お父さん! 亜也姉が 男 連れてきた。
おっ 男? ≪(亜也)ただいま。
(亜湖)亜也姉の彼氏? (亜也)違うわよ。
(遥斗)あっ はじめまして。 麻生です。
あっそう…。 亜也の父です。
怖いんだけど。 (亜也)あっ ほら→
入試の日に 助けてくれた子。
ああ お前が あの 二人乗りの男か!?
えっ? (瑞生)んっ?
ダメに 決まってんじゃん。 (亜也)でも かわいそうじゃない。
(亜湖)しょうがないじゃん。→
ウチは 動物 飼っちゃ いけないんだし。 ねっ お父さん。
(亜也)でも 雨降ってるし 今夜だけでも。
(亜湖)しつこいんじゃない?
わたしだって 小学校んとき 野良猫 拾ってきたけど→
ダメだったじゃん。 (遥斗)あっ 何なら ウチで…。
いいわよ。 (亜湖・亜也)えっ?
今夜だけなんて言っても→
一晩 一緒にいたら もう 情が移っちゃって→
手放せるわけないんだから。
飼ってもいいの? (瑞生)まあ しょうがねえな うん。
何で そうなるわけ? (潮香)ちゃんと 世話しなさいよ。
ありがと。
(理加)理加も お世話する。 (亜也)ホントに? ありがと。
(遥斗)じゃあ 俺は これで。 全然 楽勝だったじゃん。
(潮香)ねえ? よかったら 食事してって。
いや…。
食っていけって 言ってるんだ!
怖いんだけど。
だから お前 ひじをついて食うな って言ってるだろ バカ!
(亜湖)きったないなあ! もう!
親に向かって 「きったない」とは 何なんだ お前は!
(亜湖)きたない。
(潮香)ごめんなさいね うるさくて。
いえ。 いつも こんな? (亜也)そう。
(理加)亜也姉ちゃん おしょうゆ取って。
うん。
(亜也)あれ?
あっ ああ。 はい どうぞ。
それって ギャグ? (亜也)アハハ…。
(瑞生)ああ そうだ。 あいつにも→
名前を付けてやんなきゃ まずいんじゃないのか?
そうね。 かわいい名前 付けてあげなきゃね。
(瑞生)ウチは 豆腐屋だから 「もめん」ってのは どうだ?
(亜湖)ありえない。 (弘樹)じゃあ 「あぶらあげ」?
(理加)「あつあげ」 (亜湖)それも ありえないから。
「がんも」 とか?
(亜也)それ かわいいかも。
ああ 「がんも」かあ。 ああ いいかもなあ。 うん。
じゃあ 決まり。 がんも! (瑞生)うん がんも。
がんもー。 (理加)がんもー。
(弘樹)がんも がんも。
(看護師)池内さん。 お入りください。
(瑞生)はい。
(瑞生)失礼します。
ありがとうございました。
お嬢さんは?
(瑞生)いや 今日は わたしたちだけで来ました。
どうぞ。
この病気について まだ ご理解いただけませんか?
理解はできました。
でも… 気持ちが ついていかないんです。
わたしは 保健師ですけれど→
何度 注意しても お酒や タバコを やめない人たち。
子供に ろくな食事を与えない親。
そういう 健康を省みない人たちを 指導してきました。
だから 自分の家族の 健康のことについては→
人一倍 気を遣って。
ウチは 共働きで 子供も多いですけれども→
どんなに忙しくても→
食事だけは 絶対に 手を抜かないようにって→
ずっと そうやってきたんです。
なのに…。
どうして… 亜也なんですか? 先生。
あのね 先生。
昨日 亜也 バスケットの試合に出たんです。
まだ 1年生なのに 先輩より うまいからって。
メチャクチャ 格好よかったっすよ。 足も速かったし。
ゴールだって 決めたんです。
まだ 15歳なんです。
まだ たったの15歳なんです あの子は。
まだまだ これから→
いろんなことが やれるはずなのに→
体が動かなくなるなんて そんなこと 信じられますか?
残念ながら 事実です。
そして この病気は→
少しずつですが 確実に進行します。
(一同)♪♪「流れる季節の真ん中で ふと 日の長さを感じます」→
♪♪「せわしく過ぎる 日々の中に…」 (まり)ストップ ストップ!→
恩田君 ちゃんと 歌ってないでしょ?
ああっ まだ覚えてないんだよね。 (西野)ほら 男子。 まじめにやれ。
(男子)はーい。
はーい。 じゃあ もう一回 いきまーす。
(耕平)はい!
(亜也たち)♪♪「流れる季節の 真ん中で…」
亜也…。
病気のこと知ったら あいつ どうなっちまうんだよ。
言えるはずないだろ。 そうだろ?
人間ってのは そんな 強いもんじゃねんだよ。
(瑞生)たった 15歳の亜也に そんなこと 言えねえよ。
お父さん。 つらいけど→
わたしたちが あの子の病気を認めて→
受け入れなくちゃ いけないのかも。
あの子のためにも。
(亜也たち)♪♪「新たな世界の 入り口に立ち」→
♪♪「気づいたことは 1人じゃないってこと」→
♪♪「瞳を閉じれば あなたが まぶたのうらに いることで」→
♪♪「どれほど 強くなれたでしょう あなたにとって 私も」→
♪♪「そうでありたい」
よく書けてますね。
これで あなたの症状が よく分かります。
これからも 続けてください。
えっ? これからも ですか?
(水野)薬も 今までどおり のんでください。
それから ふらつきなどを ある程度 コントロールするために→
簡単な リハビリを 始めてもらいます。
リハビリ…。
あっ お姉ちゃん。
あっ 優花ちゃん。 お父さんの お見舞い?
うん。 これ 持ってきたの。 (亜也)手伝ってあげる。
(優花)ありがと。
どんな病気でも 患者さん本人が 自分の病気を理解することが→
治療の第一歩なんです。
分かってます。 でも 告知は まだしないでください。
こっちだよ こっち。
(水野)お嬢さんは 非常に そうめいな女の子です。→
いつまでも 隠し通せないと思いますが。
お願いします。
もう少し…。 もう少しだけでいいんです。
♪♪~
どうぞ。 (亜也)失礼します。
(優花)お父さん この お姉ちゃんが 手伝ってくれたんだよ。
♪♪~
(優花)「あ」 「り」 「か」 「と」 「う」
亜也。 どこ行ってたのよ。 捜したじゃない。
(亜也)ごめん。
(潮香)薬 のんだり リハビリしたり 大変だと思うけど 頑張ろうね。
(亜也)うん。 (潮香)バスケの試合。 今度 いつ?
まだ 決まってない。 (潮香)また 応援に行くからね。
今日も これから部活でしょ?
あっ そうだ。
がんもの予防接種に 行かなきゃね。
ねえ お母さん。 (潮香)何?
わたしの病気って なあに?
(亜也)「お母さん。 わたしの心の中に→
いつも わたしを信じてくれている お母さんがいる」
♪♪『Only Human』
♪♪~
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