All language subtitles for べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~(48)蔦重栄華乃夢噺 - [1440-1920@KFMVFR.NV7-hevc10_q 230_u P7][字]

af Afrikaans
ak Akan
sq Albanian
am Amharic
ar Arabic
hy Armenian
az Azerbaijani
eu Basque
be Belarusian
bem Bemba
bn Bengali
bh Bihari
bs Bosnian
br Breton
bg Bulgarian
km Cambodian
ca Catalan
ceb Cebuano
chr Cherokee
ny Chichewa
zh-CN Chinese (Simplified)
zh-TW Chinese (Traditional)
co Corsican
hr Croatian
cs Czech
da Danish
nl Dutch
en English Download
eo Esperanto
et Estonian
ee Ewe
fo Faroese
tl Filipino
fi Finnish
fr French
fy Frisian
gaa Ga
gl Galician
ka Georgian
de German
el Greek
gn Guarani
gu Gujarati
ht Haitian Creole
ha Hausa
haw Hawaiian
iw Hebrew
hi Hindi
hmn Hmong
hu Hungarian
is Icelandic
ig Igbo
id Indonesian
ia Interlingua
ga Irish
it Italian
ja Japanese
jw Javanese
kn Kannada
kk Kazakh
rw Kinyarwanda
rn Kirundi
kg Kongo
ko Korean
kri Krio (Sierra Leone)
ku Kurdish
ckb Kurdish (Soranî)
ky Kyrgyz
lo Laothian
la Latin
lv Latvian
ln Lingala
lt Lithuanian
loz Lozi
lg Luganda
ach Luo
lb Luxembourgish
mk Macedonian
mg Malagasy
ms Malay
ml Malayalam
mt Maltese
mi Maori
mr Marathi
mfe Mauritian Creole
mo Moldavian
mn Mongolian
my Myanmar (Burmese)
sr-ME Montenegrin
ne Nepali
pcm Nigerian Pidgin
nso Northern Sotho
no Norwegian
nn Norwegian (Nynorsk)
oc Occitan
or Oriya
om Oromo
ps Pashto
fa Persian
pl Polish
pt-BR Portuguese (Brazil)
pt Portuguese (Portugal)
pa Punjabi
qu Quechua
ro Romanian
rm Romansh
nyn Runyakitara
ru Russian
sm Samoan
gd Scots Gaelic
sr Serbian
sh Serbo-Croatian
st Sesotho
tn Setswana
crs Seychellois Creole
sn Shona
sd Sindhi
si Sinhalese
sk Slovak
sl Slovenian
so Somali
es Spanish
es-419 Spanish (Latin American)
su Sundanese
sw Swahili
sv Swedish
tg Tajik
ta Tamil
tt Tatar
te Telugu
th Thai
ti Tigrinya
to Tonga
lua Tshiluba
tum Tumbuka
tr Turkish
tk Turkmen
tw Twi
ug Uighur
uk Ukrainian
ur Urdu
uz Uzbek
vi Vietnamese
cy Welsh
wo Wolof
xh Xhosa
yi Yiddish
yo Yoruba
zu Zulu

Original subtitles

(いななき)

(たたく音)

止まれ~!

用を足したい?

(たたく音) 定かではございませぬが 先ほどから。

起こせ! はっ!

♬~

(一橋治済)おい。

手が縛られて 用が足せぬ。

しかたねえな…。

♬~

おい! 逃げたぞ! 逃がすな!

おい 捜せ!

♬~

フフフフフフフフフフ…。

ハハハハハハ…。

待っておれよ…。

傀儡ども!

(雷鳴)

(蔦屋重三郎)お上手にございますね。

(斎藤十郎兵衛) 芝居は 好きで よう見ておったし➡

絵は習っておったからな。

しかし 写楽絵は今➡

かような段取りで作っておるのか。

へえ。

せっかく ここまで 顔を作り込んだもの➡

使い回さぬ手はございません。

顔を真似て描けば➡

それは 写楽絵となるのでございます。

(田沼意致)ご無礼仕ります!

ただいま 蜂須賀から知らせが参りまして➡

あの方が 道中 逃げ出したところ➡

雷に打たれ 命を落とされたと!

(雷鳴)

(意致)傍らには➡

変わった髷の男が たたずんでおったそうにございます。

皆がやって来ると 消えてしまったそうにございます。

なんとも奇妙な…。

天罰…。

あの…➡

戻ってくることがないなら➡

斎藤様が替え玉を続ける用ってなぁ ございますので?

それこそ 病で亡くなったとして 出ていく手も おありになるのでは?

出ていったとて➡

戻る先も ないからな。

既に 新しい十郎兵衛もおるし。

新しい十郎兵衛様?

蜂須賀のお家の方では 私が逐電したとして➡

既に 新しい十郎兵衛を 支度したのだ。

そちらは 騒ぎなどにはならず?

まったく。

悲しい話ではあるが➡

私など いてもいなくても➡

さして変わらぬ者であったということだ。

あ… この暮らしも 悪くないと思うておるのだぞ。

毎日 うまいものを食べ➡

ただ 遊んでおればよい➡

夢のような…。

楽を写す…。

(松平定信)名に 東 洲 斎を加えよ。

…ん?

いかがした?

ああ… お気になさらず。

(十郎兵衛)然様か。

へえ。

この 斎藤十郎兵衛様➡

実は ちょくちょく 江戸市中の流行り場に現れておりました。

こんな所や…。

おひさちゃん! こんな所。

さあさあ 買った 買った! こんな所にも。

そして 思わぬ形で関わることになった 写楽ブームだったのですが➡

コピペで作った全身図の写楽は 思ったほど流行らず。

寛政七年の正月を限りに 打ち切ることとなりました。

(鶴屋喜右衛門)ここにおる皆が皆 「写楽」ということですか?

へえ。 そりゃ もう いろんなお方に 手伝ってもらいましたんで。

うちわを描いたら お誘いが来るたぁ。

写楽絵 お上手だったもんで。

(大田南畝)蔦重! 今 世の中では 写楽は誰だという話になっておるのだ?

ああ… ここにいらっしゃる先生方は 大体 名があがってますよ。

(一同)おお~! (笑い声)

(喜多川歌麿) あっ! 春町先生だって話もありました。

(朋誠堂喜三二)ほんとかい? 春町が?

(歌麿)源内先生のように 春町先生が 実は生きててって。

(北尾政美)ほかにも 谷 文晁先生とか。

(唐来三和)千蔭先生の名もあったぜ!

越中守様じゃねえかって話も ありましたぜ。

そりゃ まぁ。

人というのは つくづく 思いがけぬことを考えるものであるな。

(北尾重政)蔦重。 写楽は歌だってなぁ言わねえのかい?

いっち骨を折ったのは歌じゃねえか。 確かに。

歌麿先生は どうだ? 世に知らせてえか?

う~ん… 俺の絵って言われても しっくりこねえし➡

皆が「写楽」➡

それがいい。

(笑い声) そうか。

んじゃ 皆様に ご相談なのでございますが➡

実は 陰で骨を折ってくださった お方がいんですよ。

斎藤十郎兵衛様ってお方なんですが…➡

写楽の名を ひっくり返してもらえますか?

(一同)うん?

らくしゃ さいしゅうとう。 さいしゅうとう。

さいしゅうとう➡

さい しゅう とう➡

さい とう じゅう➡

斎藤十!

(一同)おお~!

まぁ たまたまってか 俺も こないだ気付いたんですが。

たまたまってなぁ むしろ 天啓って気もするね。

ああ! でしょう?

なんで このお方も➡

後の世で写楽の一人って名があがるような 仕掛けができねえかって。

そりゃ また 戯けた遊びだねぇ!

(三和)その斎藤十郎兵衛様ってのは どこのお侍さんなんだ?

阿波蜂須賀家の能役者で。 役者?へえ。

(南畝)蜂須賀家の屋敷は…。

(てい)ありがとうございました。 へい。 また お願いします。

(みの吉)お気を付けて。 (歌麿)またな。

(てい)もう お帰りで? 仕事 溜まっちまっててさ。

歌さん。 この度は まことに お助けいただきありがとうございました。

こちらこそ ありがた山でした。

何か 許されてるみてえな気がしたんだ。

俺ゃ 望まれない子でね…。

けど 写楽の絵にゃあ みんなが溶け合ってんじゃねえですか。➡

重政先生や 政演さん➡

政美 一九 春朗➡

蔦重や 南畝先生➡

三和さん まぁさんの考え➡

源内先生だって。

俺も その一部ってえか…。

鬼の子も この世の仲間入りして いいんですよって言われてるみたいでさ。

まぁ とにかく➡

声かけてくれて ありがとう 義姉さん。

義兄さんにも そう言っといてよ。

♬~

歌が そんなことを?

(てい)はい。

あ~…。

(てい)随分 お飲みになったようで。

ああ いや…➡

昨夜は いい話だらけでよ。

南畝先生は 学問吟味に一番で合格だろ➡

政美は 津山松平家のお抱え➡

ああ 政演は 大繁盛だってよ 店が。

皆様 生きにくい中でも 道を見つけておられるのですね。

先が見えてねえのは 飯盛さんくらいだな…。

飯盛さん そういえば おいでにならずで。

写楽ん時に 市中に出てきたのがバレて 見張りが厳しくなっちまったんだよ。

そうなんですか…。

まぁ 俺と飯盛さんは励まねえとな。

あ~… ごちそうさん。

ちなみに この先 どのように お励みになろうと?

ああ それはな…➡

これから。

そうですか。 ああ。

あ…。

こちら どなたかが お忘れになったものかと。

「玉くしげ」。

(村田屋治郎兵衛)本居宣長って…。

確か 伊勢で医者か何か やってるんじゃなかったかい?

「源氏」の講釈か何かやってる。

すいませんね 遅れました。

おや どうしたんですか? 皆さん 難しそうな顔して。

鶴屋さん。 それ 鶴屋さんのですか?

ああ… 三和先生が南畝先生に 貸してくれって言ってたんで➡

南畝先生のじゃ?

あの 本居宣長って方は 何で 手鎖になんねえんですか?

え~と…。

ああ… ここ 見てくだせえ。

このお方 お上が勧める儒学を 屁だって言ってんですよ。

異国からの借りもんで➡

日の本にゃ合わねえって。

江戸の人じゃないから 捕まらないんじゃないですか?➡

市中では ごく小さくしか 扱っていないようですし。

小さくしか?

え? おいおい…➡

おめえ また ろくでもねえこと 考えてんじゃねえだろうな!

(松村屋弥兵衛)よしてくれよ!

仲間! 仲間なんだぞ 俺ら!

真面目な話 今度 何かやらかしたら➡

身上没収 商い召し上げだと思いますよ。

…ですよねぇ。

その「ですよね」は 違うだろう!

⚟(水野為長)ご無礼いたします。 (戸が開く音)

(為長)殿。 蔦屋から品が届いております。

⚟(いななき)

本屋め。

写楽をやりながら こちらも励んでおったようだな。

こちら 蔦屋よりの文でございます。

♬~

蔦屋さんいうんは 確か➡

江戸で ふざけたもんばっかり 出してはる…。

へえ。

かようなものを出しております。

此度 先生のご本を➡

江戸の方で 大きく売り広めたいと 考えておりまして。

あんさんと組んだら お白洲に呼ばれるって聞いたけど?

そりゃ 若気の至りってやつにございます。

先生。

近頃やりました 写楽。

ご存じでいらっしゃいますか?

なかなかの評判で。

合わんと思うんやなぁ 根っこんとこが。

写楽は お気に召しませんで?

この絵は 異国かぶれやろ。

一目で そこまで見抜かれて…。

ご慧眼 恐れ入ります。

持ち上げたかて あかんで。

江戸なんかで おおっぴらに 売り広めたら➡

どうなるか知れたもんやない。

せっかく積み上げてきた学問が殺される。

ここだけの話に しておいてほしいんですが➡

写楽ってなぁ 越中守様がやれとおっしゃったんですよ。

な… 何やて?

こちら 越中守様からの文にございます。

そこにございますでしょう?

儒学は否とするものであっても 和学は別。

和学は 田安が大事にしてきた 学問でもあるからと。

…ほう。

儒学は 「すべき」「なすべき」「こうあるべき」。

政には都合のいい うってつけの考えだ。

でも そりゃあ 異国からのもんで➡

もともと 日の本の考えは違った。

この国は イザナミとイザナギが産んだ国。

天照大御神が アメノウズメの 艶めかしい踊り見たさに➡

うっかり 顔を出しちまったような➡

すけべで おっちょこちょいで 祭りが大好きな神様が集う国。

すけべで おっちょこちょいは言い過ぎや。

その神様たちが起こす いちいちを 俺らのご先祖は受け止めた。

生まれくること 滅びゆくこと➡

喜び 悲しみ 善も 悪ですら➡

「もののあはれ」と とびきりでけえ器で。

その でけえ器を➡

私ゃ 江戸の皆に 知ってほしいのでございます。

こうして 蔦重は➡

本居宣長先生の記した本を➡

江戸で売り広める約束を 取り付けたのです。

いらっしゃいませ!

嬉しいねぇ。 こんなとこまで…。

地道に売り広めをしてきた甲斐が ございますね。

ああ。

それ 面白えですか?

でら 面白いがや!

けど ちょこっと 分からんところもあるわさ。

あんたさん 分かるきゃ?

この こんにゃく島って 名乗るとこだがや。

ああ! こん時 江戸じゃ➡

狂歌遊びする際 皆 変な狂名を名乗るのが 流行ってたんで➡

その家来も こんにゃく島って 名乗ったんでさ。

へえ~ 物知りだねぇ!

旦那さんらは江戸からきゃ? へえ。

江戸のもんらぁは せっかちなんきゃ?

何で そう思われてるんで?

黄表紙ってもんは つっと終わってまうがや。

まっと長~く楽しめるもん出しゃあって➡

蔦屋って本屋に言っときゃあよ。

へえ。 伝えときまさ。

というわけで 馬琴先生には➡

長えもんを お願いしたいんだ。

(曲亭馬琴)長えもん? 黄表紙なのにか?

うん。 何てぇかな…。

話の筋が うねるような。

(十返舎一九)ただでさえ面白くねえ 馬琴先生の話を 長くすんですか?

もういっぺん言ってみろ! いかに面白くない!?

そもそも お主ごときが…。 まぁ 面白えってのは➡

なにも 笑えるってことだけじゃねえだろ?

俺ゃ 馬琴先生の頭ん中にあんのは➡

芝居みてえな 長え話なんじゃねえかって思うんだ。

それを この短さにしようとすっから とっ散らかる。

うん…。

で 一九。

お前さんには 江戸に縛られねえ話を頼みてえ。

江戸に縛られない? 地本なのにですかい?

どこの生まれの お兄さん お姉さん➡

ガキ じいさん ばあさん➡

誰でも ひとしく笑えるような黄表紙を 頼みてえ。

そりゃ それで 難しくごぜえますね…。

(てい)ご無礼いたします。➡

旦那様。

長谷川様から お文が。 ああ…。

駕籠屋に何の御用で?

(長谷川平蔵宣以) 本好きの駕籠かきが多かろう?➡

どうにも あそこの女将は➡

本が好きなようでな。

へえ。

(平蔵)磯八と仙太が➡

俺に気を利かせて 見つけてきてくれたのだ。

おめえも気になっておるのではないかと 思うてな。

子にも恵まれ 幸せにしておるようだ。

(せきこみ)

お体もつれえってのに 私に 気 遣ってくださって➡

ありがた山でございます。

実は 岡場所に 大がかりな警動が入る。

その者らは皆 吉原に押し込まれる。

吉原は更に厳しくなるだろうが それでも➡

時には 蓮の花が咲く➡

泥沼であってほしい。

♬~

(笑い声)

♬~

女郎が いい思い出 いっぺえ持って➡

大門 出てけるとこにしたくてよ。

♬~

(大文字屋市兵衛)また 警動って…。

流れてきた女郎を 岡場所のやつらが 安売りするのは相変わらずで?

(丁子屋長十郎)相変わらずさ。

相変わらず あいつらは 茶屋も通さなきゃ 座敷も開かねえよ。

(りつ)食えない女芸者は色を売りだすし 料理屋も バタバタ潰れてさ。

(松葉屋半左衛門) もう 俺たちの方が やり方を変える➡

吉原の流儀を捨て 岡場所になる腹を くくるしかないのかねぇ。

町の「定書」を作るってなぁ どうです?

(駿河屋市右衛門)定書? へえ。

この町で商いすんなら守らなきゃいけねえ 「しきたり」を きちんと書いて➡

お上のお墨付きを もらうんです。

不粋極まりねえけど このままじゃ 吉原の流儀も廃れる。

流儀が廃れてよくなるってんなら 話は別ですが➡

女は安くなり 町もやってけねえってんなら➡

向こうの流儀に合わせる 義理もねえでしょう。

(ふじ)女たちの扱い まとめて引き上げられるかもねぇ。

女郎の扱いも 定書に書いちまえば。

うん…。

やるか。 (一同)おう!

蔦重たちは 八十一箇条にも及ぶ 事細かな町の定書を作り➡

御公儀お墨付きの いわゆる「新吉原町定書」が誕生。

ははっ!(扇屋宇右衛門)ははっ!

本業の方でも➡

馬琴先生の読本は話題を呼び➡

本居宣長先生の書物は➡

待ちかねていた知識層にバカ売れ。

蔦屋は ついに 硬軟両面で その存在感を示す本屋となりました。

どうぞ。

本居先生の先生であられる 賀茂真淵先生の…。

親父様方➡

「あはれなりけり」って つけときゃいいと思ってんでしょう?

⚟(歌麿)入ります。

おう 歌!よう。 来てるって聞いて。 ああ。

どうも。 うん。

女絵か?

ああ。 鶴屋さんと組んでるやつでさ。

さっき みんなで摺り出し見てて。

ちと 見せてくれよ。

ああ…。

おお…。

いいかい?

あ… へえ。

わあ! 品があるねぇ! うん!

(次郎兵衛)どれどれ?➡

へえ… 鶴屋さんがやると 女絵も こうなるんだねぇ。

歌…。 うちで 何か描いてくれよ。

何かって何だい?

「そう きたか」ってな女絵をよ。

(歌麿)おう。

向こうで相談しようぜ。

何やってんだい? 重三。

ヘヘ 何やってんだか…。

よいしょ。

(歌麿)蔦重? ハハ…。

ヘヘ… 何だ…。

(てい)脚気?

脚気と申しますのは その…。

医者は 治ることもあるって。

江戸から国元に戻ったお武家さんが 何だか 治っちまうこともあるって。

な? へえ。

(次郎兵衛)あ いっそのこと しばらく 江戸から出しちまうってのは どうだい?

ありがとう存じます。 相談してみます。

じゃ ここでいいよ。

江戸患いと呼ばれていた脚気は 当時 多くの人が死に至る病でした。

湯治ったって➡

この脚じゃ ろくに湯にも入れねえよ。

(てい)江戸の外で暮らせば 治るという話もございますし。

何で 江戸の外に行くと治んだよ…。

食べ物や水が違うのでは。

んじゃ たか。 よその料理 作ってくれよ。

あ…! (てい)「命に過ぎたる宝なし」と申します!

然様なことも分からぬとは 思いたくありませんが。

一儲けできると思うんだよな…➡

脚気で。

は?

いや もうすぐ死ぬやつが 必死で作ったってなりゃ➡

「ひとつ買っといてやるか」って なんじゃねえかって。

作る方も ここぞとばかりに➡

いいもん出してくんじゃ…。

おていさん…。 生き死にを商いに利用するなんて➡

罰当たりにも程がありますよ!

けど 食養生は ここで できるじゃねえですか。

あとは 横になってるくらいでしょ 養生って。

だったら 食養生して横になりながら 本 作ったって同じでしょ?

では 食事は残さず食べ 決して無理はせぬこと➡

夕刻以降の仕事は厳禁 酒や煙草も のまぬこと!

守れますか!?

へえ!

脚気?

そうなんだよ。

この分じゃ 年を越せるかどうかも分かんねえ。

…またまた。

(北尾政演)ヘヘ… ヘヘッ! 分かりました!

この世の名残に 吉原ってことですよね!➡

さあさあさあ! ヘヘヘ!

旦那様! あ…!

ああ 分かった 分かった! 大事にしねえと 蔦重!

そうだよ。 俺らと くっちゃべってる場合じゃねえだろ。

すみません。

あ… うっ…!

蔦重? 蔦重!

一つ 望みがありまして…。

望み?

死んだあと こう言われてえのでごぜえます…。

「あいつは 本を作り続けた➡

死の間際まで 書を以て世を耕し続けた」って…。

皆様…。

俺のわがままを 聞いちゃもらえねえですか?

…書くぞ! 俺は書くぞ!

「樺焼」を超える 黄表紙の名作で➡

お… お主の…➡

お主の花道を飾ってやる!

ひとつ 読本で…。

待っておれ!➡

黄表紙!

どうだろう まぁ…。

若いってな いいねぇ。

蔦重さんが やりてえもんってなぁ 何か ねえんですかい?

…おう。

おう!

何でも言え。 何だってやるぞ!

ありがた山にごぜえます。

♬~

京伝先生にゃ 諸国めぐりの話なんか 書いてもらえねえですか?

源内先生がやったような塩梅で いきましょうか。

背の高え人の国や 胸に穴があいた人の国や。

いや それよりも 人の気性によって 国が分かれてんのなんか どうだ?

愚直な人の国 頑固もんの国。

人の性分を書く時の山東京伝は 古今無双だからよ。

(鼻歌)

♬~

重政先生には 黄表紙全ての絵付けを頼みます。

全てかい!?

ハハハ… まぁ 始まりもこんなだったな。

いきなり訪ねてきて 120人の女郎の絵を描けって。

重政先生には 甘えちまうんですよ。

♬~

うん。 うん…。

(一同)うん…。

南畝先生には とびきり めでてえ狂歌集を お願えしてえんです。

日の本中から歌を集めるってのは どうだ?

日の本中に広がっている連もあるし。

んじゃあ それを 歳旦狂歌集にってなぁ どうです?

国をあげて めでてえ正月を呼び込む。

うむ! 脚気が いたたまれなくなって 逃げ出すようなな!

狂歌集の景色の絵 頼んでいいか?

音が聞こえてきそうな 波の絵とか。

(勝川春朗)音?

自然の音 人の音。

春朗は 音を頼りに描いてくと いいと思うぜ。

ざ~ん。

しゅ~。

ざ~ん。

まぁさんには 俺が黄表紙を描く 手伝いをしてほしいんでさ。

あ~!

(2人)「見立蓬莱」! (笑い声)

蔦重。

へえ。

どうです?

はあ あ~…。

驚き 桃の木 山椒の木!

あんだけ戯作出しても➡

ちっとも うまくなんねえやつってなぁ いんだな。

んじゃ まぁさん 書いてくだせえよ。

だめだよ。 ほら! 直すよ。

どこ 直しゃいいですか?

フフッ! どこって 見上げたもんだよ 屋根屋のふんどし。

頭からだよ!

(みの吉)あれ てれ隠しじゃなくて 本音だったんじゃねえですかね。

何がです?

死の間際まで 書を以て世を耕し続けたいっての。

じゃなきゃ できないですよね ここまで。

何だ この色っぺえ山姥は。

新しい女絵だよ。

次は 話の中の女を 生身のごとくに描いちゃどうかって。

山姥も 歌麿が描けば こうなるってか…。

(歌麿) こりゃ おっかさんがタネなんだよ。➡

で 金太郎が俺でさ。

おっかさんと こうしたかったってのを➡

二人に託して 描いてみようかと思って。

お前 大事ねえのか?

この先 見たかねえか?

この二人が このあと どうなってくのか。

見てえ。

なら 死ぬな。

合点承知。

じゃあ また来るよ。 おう。

♬~

蔦重は その年を 無事 越すことができました。

そして 明けて寛政九年。

(みの吉)さあさあ 今年も蔦屋は➡

数多の本を ご用意いたしました!➡

山東京伝 曲亭馬琴 十返舎一九➡

喜多川歌麿 北尾重政!

蔦屋重三郎 最後の商いに勤しんで…。 病気を餌に 本を売りまくり➡

弥生 卯月 皐月➡

そして…。 こっちにも くれ!

♬~

偉そうに商い語んのは 野暮だったかねぇ…。

(拍子木の音)

…どなた様で?

九郎助稲荷です。

メイワク火事の折には お助けいただき ありがた山にございました。

あ~。

こちらこそ ドブに放り込んじまって…。

何か 私に尋ねたいことはありますか?

火事の折のお礼に 一つだけ 何でも知りたいことにお答えしますよ。

ほんとですか?

…はい。

じゃあ…➡

100年後の髷って どうなってるんで?

…すいません。

もう答えちゃったんで➡

先ほど ほんとかと。

何てこったい!

俺ってやつは まったく!

では 今日の昼九つ 午の刻に迎えに来ますので。

お迎えって な… 何のですか?

蔦重さんを あの世にお連れするためのお迎えです。

ええっ!?

では 思い残しなきよう➡

皆様と きちんと お別れをなさってください。

ちと待ってくだせえ。 何の話し合いもなしに そんな…。

合図は 拍子木です。

おはようございます。 ああ…。

今日の昼九つちょうどに お迎えに来るんですか?

そう おっしゃるんです。

お稲荷さんから 迎えに来ると お告げがあったと。

分かりました。 皆さんに知らせるだけ知らせてきます。➡

なっ。 (一同)はい!

誰も来ねえなぁ…。

もう 死ぬとは 思われておらぬのかもしれませんね。

ああ…。

一応 二代目でも決めますか。

そうですね。

おていさんが やるかい?

私は 旦那様と そう年も違いませんし➡

みの吉に継いでもらい 嫁をとらせるのがよいかと。

あいつ 継いでくれっかな…。

念のため 聞いてみたところ まんざらでもないようでございました。

そう…。

あ…。

あの 仕事の頼み先のことなんだけど…。

こちらで よろしうございますか?

ああ… すごいねぇ この手のことは。

うん…。

こちらが 板木屋や摺師さんになります。

ああ…。

店は 大事なさそうだな。

あ…。

通夜のことなんだけど…。

寺に 今夜になるかもと ただいま知らせに行っております。

あの 西村屋さんは いかがなさいますか?

ああ… 角が立つとあれだから 一応 声はかけた方が。

かしこまりました。

ちなみに…。

こちらが戒名でございます。

戒名まで?

お気になさるかと。

あ…。

あの 墓石に入れる あれ… 文。

墓碑銘なら 飯盛さんにお願いしようと 考えております。

お礼も包めますし。

万端だねぇ…。

…万が一のことを ずっと考えておりましたので。

こんなもの 屑屋に出せるようになるのが 一番と思いつつ。

屑屋かぁ…。

懐かしいなぁ。

昔 寺で言ってたじゃねえですか。

屑屋に出せば 本も ただの屑だけど➡

読む人がいりゃあ 本。

本も本望 本屋も本懐って。

然様なこと 言いましたっけ?

覚えてねえんですか?

よく覚えてますね。

忘れるもんか。

♬~

陶朱公のように生きればいいって 言ったのは 覚えてるかい?

はい。

それは さすがに。

ちっとは そんなふうに生きられたかなぁ…。

無理か。

町を栄えさせ 築いた富を分け与えとは いかなかったもんな。

江戸は もちろん➡

今や 名も知らぬ町や村で➡

見知らぬ人たちが➡

黄表紙を手に取り➡

狂歌を楽しんでおられると聞きました。

それは➡

旦那様が築き上げ➡

分け与えた富では ございませんでしょうか。

その富は 腹を満たすことはできませぬ。

けれど➡

心を満たすことはできます。

心が満たされれば➡

人は優しくなれましょう。

目の前が明るくなりましょう。

次は 己が➡

誰かの心を満たそうと 思うかもしれませぬ。

然様な 「笑い」という名の富を➡

旦那様は➡

日の本中に振る舞ったのでは ございませんでしょうか。

雨の日も 風の日も➡

戯けきられたこと➡

日の本一のべらぼうにございました。

そっか…。

うん。

ああ…。

うん…。

あ… う…。

旦那様?

旦那様! 旦那様!

(宿屋飯盛)「喜多川柯理➡

通称 蔦屋重三郎。➡

吉原に生まれ➡

大門外で小さな本屋を始め➡

その後 日本橋に大店を出した」。

蔦屋さん! 蔦重!

「志高く 細かいことには こだわらず➡

信義をもって人と接した。➡

巧みな発想と商機を読む目に支えられた その商いは まるで陶朱公のごとく。➡

それは 彼にしかなせぬ業であった。➡

寛政九年五月六日➡

彼は 自分は今日の午の刻に死ぬだろうと 言ったそうだ」。

まだ午の刻ではないぞ!

(鐘の音)

あっ。

(鐘の音)

う…。

(鐘の音)

皆様…。 (鐘の音)

まこと…。 (鐘の音)

ありがた山の…➡

寒が…。 (鐘の音)

♬~

また…➡

またまた…➡

どうせ かついでんでしょ!? (鐘の音)

重三郎~! 重三郎…!

(鐘の音)

重三…。重三…。 重三!

重三!

ああ… 重三…。 (鐘の音)重三!

重三郎!

起きろ…。

この べらぼうが!

(泣き声)

(南畝)親が別れも言えぬなど…。

呼び戻すぞ。 へ?

蔦重!

俺たちは➡

屁だ~!

あ それ! へ! へ!

(一同)へ! へ! へ! へ!➡

へ! へ! へ!

義兄上様。 (一同)へ! へ! へ! へ!

(一同)へ! へ! へ! へ!

重三~!蔦重~! (一同)へ! へ! へ!戻ってこい!

戻ってこい!蔦重~! (一同)へ! へ!

戻ってこい! (一同)へ! へ! へ!

あ それ! (一同)へ! へ!

蔦重! (一同)へ! へ!

そ~れ! (一同)へ! へ! へ!

蔦屋さん! (一同)へ! へ! へ!

(一同)へ! へ! へ! へ! へ!

「午の刻と言ったそうだが」。

へ! へ! へ!

戻ってこい!蔦重~! (一同)へ! へ! へ! へ!

よっ!ふざけんなよ! (一同)へ! へ!

そ~れ!起きろ~! (一同)へ! へ! へ! へ!

蔦重~!蔦重! (一同)へ! へ! へ! へ!➡

へ! へ! へ! どうだ!?

重三…? (一同)へ! へ! へ!起きろ!

重三! (一同)へ! へ!

重三!

拍子木…➡

聞こえねえんだけど。

(一同)へ? (拍子木の音)

♬~

♬~

Can't find what you're looking for?
Get subtitles in any language from opensubtitles.com, and translate them here.