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(喜多川歌麿)やめろ! やめろって! おい! おきよは まだ生きてんだよ!
おい! おきよは まだ そこにいんだよ!
おい! やめ…! やめろ!
(蔦屋重三郎)お前は 鬼の子なんだ!
歌!
うう~! うう~! うう~…!
♬~
(物音)
(菊麿)蔦重さん。
刃のあるものは これで全てか?(菊麿)はい。
(つよ)来たよ~。 おお 来たか ババア。
旦那様。 待ってたぞ。
どうしたんだい? その顔!
歌が後追いしようとすんで 止めて。 したら…。
歌は?
飲み食いも ろくにしねえんだよ…。
おい。
歌。 ここに置いとくね。
気が向いたら 食べとくれよ。
♬~
(つよ)茶 いれてくるね。
おい。 何だよ 今の。
何か 思うとこが あったんじゃないのかい。
何かって何だよ。 分かるわけないだろ。
赤ん坊みたいなもんだよ。➡
泣けば 何かあったのか 笑えば 治ったのかって➡
今は そうやって凌いでいくしかないよ。➡
私 当分 こっちにいるから あんた 戻りなよ。
いい。 今日明日 代わってくれりゃ。
あんたより 私の方が役に立ちそうだしさ➡
向こうは あんたがいなくて てんてこまいしてるよ。
どうぞ。 あっしらも 目 離さないようにしますんで。
はあ…。
歌。 また来るな。
♬~
♬~
⚟(みの吉)この辺…。 おう。
(みの吉)お帰りなさいませ。 すまねえな 留守にしちまって。
旦那様…。(北尾政演)え…。 どうなさったんで?
まぁ ちょっとな。
(鶴屋喜右衛門)蔦屋さん。
おお 鶴屋さん!
いらっしゃい。 (てい)お帰りなさいませ。
おう。
これは?
(鶴屋)お奉行所と 例のことで すり合わせをしてきました。
ああ。 それより…➡
どうなさったんですか?
ちょっと。
蔦重たちは 奉行所と 水面下でやり取りを重ね…。
これよりは 奉行所の与力 同心とも…。
寛政二年十月➡
正式に 地本問屋の株仲間が発足。
(2人)ははっ。
地本の関係者から 月ごとに行事を選び➡
新しく出す本や絵の内容を「改」める。
自主検閲での発行を 許されることとなりました。
まぁ お分かりでしょうが こんなものは ザルです。
にもかかわらず…。
(吉兵衛)これは だめです。
は? 何で だめなんですか?
(吉兵衛)こりゃ いくら何でも。
好色本の類いは 出しちゃならないってなってますし。
こりゃ 好色を描くことで好色を戒める。
そう 但し書きしてあんじゃねえですか。
(新右衛門)初めてのことですし➡
奉行所も こちらが ちゃんと「改」めてるかどうか➡
抜き打ちで調べに来んじゃねえですか?
じゃあ 「教訓読本」って書いた袋入りにして➡
売るってんで どうです?
「教訓読本」って書いてありゃ 抜き打ちで調べたりしねえでしょ?
ああ…。 それだったら いいんじゃねえか?
頼む!
色を売るしかねえ女たちの 力になってやりてえんだよ。
分かりました。 ああ。
ありがた山。
(みの吉)お帰りなさいませ。 おう。
いらっしゃいませ。
お待たせしました。 いらっしゃいませ。
こちら どうでしょう?
ただいま。
(てい)お帰りなさいませ。 (つよ)お帰り~。おう。
何やってんだ?
歌が 栃木のご贔屓んとこ行くって 言いだしてさぁ。
あ? 頼まれてた肉筆の絵あったんだろ?
それを 向こうで描くって言いだして。
大事ねえのか? 向こうで後追いとか…。
だから ついてくんじゃないか!
よし じゃあ 俺も。
やめときなよ! あんたから 離れたいってのもあるみたいだよ。
え? 何で?
知らないよ。
あんたに相談したらって言ったら➡
「もう関わりないから」って。
ああ…。
(つよ)何か やらかしたんだね。
おていさん…。 やめときなって!
けど 歌麿と ちゃんと話さねえと…。
そりゃ 自分のためだろ?
歌のためじゃなくて➡
歌に 自分の気持ちを 分かってほしいだけだろ?➡
今は まだ そういうのは だめさ。
♬~
関わりねえって…。
何で あんなこと言っちまったんだ…。
そうして 年は明け 三月。
お待たせしました。 教訓読本「錦之裏」でございます。
おう ありがとう。
女将さん。いらっしゃいませ! こちら3冊です。
⚟ありがとうございました!
(鶴屋) このまま 何のお咎めもなさそうですね。
実んとこ 抜き打ちのお調べなんて あったんですかねぇ。
(鶴屋)さあ。 (政演)はあ…。
何だ? そんな案じてんのか?
(政演)そりゃ そうですよ。
そこここで 逃げ道は作っておきましたけど…。
売れ行きもいいぞ。
親父様たちも ありがてえって。
んじゃ 今日辺り 行くべえ獅子ですかね?
おう。ヘヘヘヘヘヘ! 鶴屋さんも どうです?
いえ 私は。 ⚟主は どこにおる!
⚟(みの吉)お呼びいたしますので…➡
お待ちください! お待ちください! (足音)
主 蔦屋重三郎であるな? はい。
山東京伝であるな? はい…。
山東京伝作 「錦之裏」「仕懸文庫」「娼妓絹䕻」➡
以上 「教訓読本」3作を絶版とする。
え…。 絶版…!?
蔦屋重三郎 および 作者 山東京伝こと伝蔵➡
奉行所にて詮議いたす。
連れていけ! (同心たち)はっ。
え…。
立て。 はっ。
はい…。
教訓読本3作を運び出せ! (一同)はっ!
かような大事になるとは 思わなかったのか?
(政演) に… に… 二度と書きませんので!
つ… 蔦重が…。
蔦重に 書けって…!
お前が 行事を抱き込んだらしいではないか。
どうにも 好色本だって言いやがるもんで。
どこから どう見ても 好色本であろう!
皆様 そう おっしゃいますが➡
私は そのつもりは まったく ございませんもので➡
ほとほと 困っておりまして。
(戸が開く音)
(初鹿野)この一件 御公儀を謀った 非常に由々しきものと見て➡
越中守様 直々に 見分なされることとなった。
♬~
(鶴屋)好色本を出してはならぬという 触れに反し➡
かつ それを「教訓読本」などと書いた 袋に入れたところも けしからぬと。
(ため息)
(てい)あの… かような折は 罰を受けるのでございましょうか?
黄表紙の折のように 絶版で済むということは…。
(奥村屋源六)2度目だからねえ。
過料 身代限り 江戸払い。
江戸にいられなくなるのでございますか?
(村田屋治郎兵衛) お上も 江戸一の人気の本屋を➡
潰したくはなかろうと考えてえけど…。
(須原屋市兵衛)まぁ 蔦重は 田沼様とは とりわけ親しかった➡
そういうことも あるからなぁ。
(松村屋弥兵衛)あのよ 仲間にも 累が及ぶなんてこた ないのかい?え?
やはり 元のとおり➡
新しい本や絵を出すな! …なんて 言われたりよぉ。
はあ…。 勘弁だよ。
まこと 申し訳ございません!
(松平定信)面を上げよ。➡
うぬが 蔦屋重三郎か。
へえ。
(定信) どれも これも 女遊びの指南書だが➡
これの どこが好色でないと?
跋文には 「遊びは身を滅ぼす」ことを 但し書きしております。
故に それは教訓の本 教訓読本にございます。
これを 好色本か教訓本か それを決めるのは うぬではなく➡
私だ。
(定信)心得違いを認め かようなものは 二度と出さぬと誓え。
越中守様は➡
透き通った美しい川と 濁った川➡
魚は どちらを好んで住むと思われますか?
(定信)魚の話などしておらぬ。
まぁ 然様なことは おっしゃらず。
雲の上のお方と お会いできるなんて めったねえわけでございますから。
魚は 濁りのある方を好む。
よく ご存じで。
しかし それは 何故にございましょう?
濁りのある方が 餌が豊かであるのだろう。
敵から 身を隠しやすいというのもあろうか。
流れが緩やかなら 過ごしやすくもあろうしな。
私ゃ 人も 魚と そう変わらねえと思うんでさ。
人ってなぁ どうも濁りを求めるところがありまして。
そこに行きゃ うまい飯が食えて 隠れて 面白え遊びができたりして➡
怠けてても怒られねえ。
んなとこに行きたがるってのが 人情ってんですかねぇ。
…然様なこと 百も承知だ。
そりゃ そうだ。
五つで「論語」をそらんじられた➡
世に稀な賢いお方に➡
ご無礼いたしました。
けど これは ご存じで?
近頃➡
「白河の清きに魚住みかねて➡
元の濁りの田沼恋しき」➡
…なんて詠む輩もいるんですよぉ。
私ゃね それはそれで けしからんと思うわけですよ。
多少 てめえらが窮屈だからって➡
越中守様は よき世にするために➡
懸命に きったねえドブ さらってくださってるわけでしょう?
そこで 私ゃ 本屋として➡
何かできることはねえかと 知恵を絞って➡
それでございます。
あくまで「教訓」ですよという体で 好色本を出す。
これを許す越中守様!
こりゃ もう 堅いふりして 実は分かってらっしゃる。
分かってなかったのは こっちってな具合に➡
評判になるわけですよ。
しがない本屋ではございますが➡
これからも 越中守様の評判を上げるべく➡
分に励みたいと思います。
(初鹿野)引っ立てい!
(一同)はっ!
私ゃねぇ➡
越中守様のためを申してんです!
分かってくださいますよねぇ!
(鶴屋)越中守様相手に…!?
(須原屋)盛大に戯けたってことですかい?
(長谷川平蔵宣以)ああ。おていさん! おていちゃん!
おていさん!おていちゃん! おていさん!
(村田屋)おていちゃん! 大丈夫かい!? (鶴屋)おていさん! おていさん!
(村田屋)おていちゃん!
うら! うら~!
私ゃ 越中守様のために…。
(殴る音) うっ…。
ご政道のために…。
黙れ! うっ!
(たたく音)
⚟(須原屋) 躾ってこたぁ ほぼ見せしめですな。
⚟(平蔵)ああ。 常ならば 詮議してから絶版であるし。
⚟(宿屋飯盛)近頃 その辺りが どうも…。
(たか)お嬢様。
飯盛さん…?
公事宿のお知り合いが多いってんで➡
呼んでこられたみたいですよ。
⚟(鐘の音)
⚟(鐘の音)
⚟(てい)ご無礼いたします。
気が付いたかい。
申し訳ございません。
私までもが お手を煩わせ…。
あの…➡
主人の命乞いなどしていただくことは…!
累が及ぶことを考えれば➡
命乞いはできませんよ。
皆… 店も家もあります。
愚にもつかぬことを申しました。
お許しを。
(鶴屋)訴え出られるとすれば➡
おていさんしかいません。
(飯盛)いえね 公事宿の連中が よく ぼやいてんですが➡
厳しいお裁きってなぁ➡
朱子学の説くところとは 矛盾してんだよなぁって。
では その矛盾をつけば…。
(平蔵)ただし うまくいくとは限らぬ。
かえって お怒りが増すこともありえるし➡
命乞いをした者も ただでは済まぬかもしれぬ。
♬~
…参ります。
座して死を待つだけなのであれば。
♬~
今日で もう10日だぜ…。
♬~
巻き込んじまって…➡
申し訳ねえ。
はあ… こんだけ長えってことは➡
何か 揉めてんだよ…。
大丈夫だ…。
(せきこみ)
大丈夫だ。 大丈夫…。
(柴野栗山)面を上げなされ。
栗山先生だ。
本日は お忙しい中 まことに ありがとう存じます。
蔦屋重三郎の妻 ていと申します。
(栗山)話されよ。
「子 曰く➡
之を導くに政を以てし➡
之を斉うるに刑を以てすれば➡
民免れて恥無し。➡
之を導くに徳を以てし➡
之を斉うるに礼を以てすれば➡
恥有りて且つ格る」。
「君子は中庸し 小人は中庸に反す。➡
小人が中庸に反するは 小人にして忌憚なきなり」。
その方の夫は 2度目の過ち。
許しても改めぬ者を 許し続ける意味が どこにある?
「義を見てせざるは➡
勇なきなり」。➡
夫は 女郎が身を売る揚代を➡
客に倹約しろと言われていると 嘆いておりました。
遊里での礼儀や 女郎の身の上 然様なことを伝えることで➡
女郎の身を案じ 礼儀を守る客を 増やしたかったのだと思います。
女郎は 親兄弟を助けるために売られてくる➡
孝の者。➡
不遇な孝の者を助くるは 正しきこと。➡
どうか➡
儒の道に損なわぬ お裁きを➡
願い出る次第にございます!
♬~
(初鹿野)面を上げよ。➡
山東京伝こと伝蔵。➡
みだらなる風俗を描き 市中の風紀を乱した罪により…。
♬~
(初鹿野) 伊勢屋吉兵衛 新右衛門 両名には…。
♬~
(初鹿野)面を上げよ。➡
蔦屋重三郎 みだらなる書物を発行し 風紀を乱した罪➡
および 数々のご政道批判につき➡
身上半減とす!
ああ…。
身上半減って…。
そりゃあ…➡
縦でございますか?
横でございますか?
はっ…。
身を真っ二つってことにございますよね。
蔦屋耕書堂 および その方の身代の半分 召し上げるということだ。
然様で!
いやぁ➡
こりゃあ 富士より高き ありがた山にございます!
(初鹿野)以後は 心を入れ替え➡
真に世のためとなる本を出すことを 望んでの沙汰である。
真に世のため…。
それが難しいんですよねぇ。
どうでしょう? 真に世のためとは何か➡
お奉行様 一度 膝を詰めて。
(足音) 叶うなら 越中守…。
(たたく音)
何で… え?
(たたく音)
己の 考えばかり!
皆様が どれほど…!
べらぼう!
すまねえ…。
(ていの泣き声)
この度は まことに ご心配をおかけしました。
おう 蔦重。 頭 下げるなら おていさんにだぞ。 うん?
おていさん 何か買ってもらいな。
(てい)はい。 既に考えてございます。
鶴屋さん 政演の様子は?
のぞきに行ったら 真面目に手鎖はめてましたよ。
(村田屋)けど あれ お奉行所が来る時以外は抜けんでしょ?
(鶴屋)これ以上 何かあってはと➡
厠に行く時にも外してないらしく。➡
蔦屋さん。
吉兵衛さんと新右衛門さんが 江戸払いになったことは ご存じで?
へえ。 まこと 申し訳ないことをしまして…。
(鶴屋)そちらへの詫銀 立て替えておきましたので➡
落ち着き次第 お返し願います。
はい。
まこと すいません。
ああ そうだ。
頼まれていた書物問屋の株な 一つ空いてたんで 押さえといたぞ。
さすがに 今は よした方が…。
買ってください。
え? 株は買ってください。
私への詫びとして 書物の株を頂きたく存じます。
(須原屋)んじゃ こっちも 落ち着き次第 頼むぜ。
へえ。
これから 金繰り 厳しくなりそうだなぁ。
身上半減だもんなぁ。 へえ。
けど 聞いたことないですけどね 身上半減って。
やはり そうですよね。
新しい刑罰なんですかねぇ。
板木や品 有り金 調度まで 半分 持ってかれちまうのかなぁ。
間違えて 借金も 半分 持ってってくんねえですかねぇ。
ヘヘヘ。
…え?
ほんと➡
ほんと そういうところですよ!
すいません。
そして 間もなく➡
「身上半減」が実行されることとなり…。
おい。 (一同)へい!
あっちも 運んで! はっ!
はあ…。
申し訳ございません。
無念で…。
思ったより こたえんな これ…。
へえ…。
わっ。 あらぁ うわうわうわ…。
半分って…。
品の方は どんな具合なんですか?
売れ筋の品や板ばっかり 持っていきやがって…。
とりあえず 店 閉めて 畳 入れるって具合かね?
(みの吉)そうですね。
(大田南畝)いやぁ ハハハハハハハ!➡
ほんとに半分だねぇ!
おう みの吉! アハハハ!
暖簾まで きっちり半分ですよ。 ハハハハ!
実に ふんどしの几帳面さが うかがえる。
おっ! 南畝先生 飯盛さんも お久しぶりで。
今日は? 蔦重!
見に来たのだ! 世にも珍しい 身上半減とは いかなるものか➡
見ておかねばと思うてな。
(笑い声) どうするんだろうなぁ。いや 面白え!
(笑い声)
(笑い声) 初めて見るぞ!
みの吉!
何か でけえ板 あと 筆と墨! はい。
何をなさるんです?
おていさん このまま 店 開けましょう。
このまま? 畳も 半分しかございませんが…。
半分でも 十分じゃねえですか。
どうせ 品も半分しかねえんだし。
♬~
「身上半減ノ店」。 そう。
身上半減 身上半減の店は 日の本で蔦屋だけ!
そう きたか!
ええ! おう!
「身上半減の蔦屋 江戸の名所となるよし。➡
京伝本➡
市中で更に売れているよし」。
(みの吉)身上半減!
身上半減になった蔦屋にございますよ!
身上半減でも生き残った 黄表紙 細見 富本本もございます!
こりゃあ 縁起がいいってもんだい!
皆様 どうですか? お一つ!
いいねぇ! ありがとうございます!
(水野為長)世にも稀な処分を受けた店を 一目見ておこうと人が集まり➡
そこで 残っておる品などを 売っておるようです。➡
京伝の名も 「手鎖にあった」ことで より広く知れ渡ったようで。➡
もう少し 重い刑でも よろしかったのでは…。
「過ぎたるは なお及ばざるが如し」。
あまりに厳しい処分は 正学たる朱子学との矛盾を生み➡
御公儀の威信を 損なうこととなりましょう。
然様な刑罰を与えられる者こそ 賢者に ふさわしくございますかと。
身上半減は 決して軽くはない。
その身に じわじわと効いてくるはずだ。
⚟殿。
直ちに お耳に入れたき儀があると 長谷川殿が参っております。
(定信)何だ? これは。 (平蔵)強盗が押し込み先に残していった➡
提灯にございます。
(定信)これは…!
ここのところ 葵小僧と名乗る者の一党が 市中を荒らし回っておりまして。
(定信)葵小僧?
(平蔵)先の上様のご落胤と名乗る 賊にございます。
(戸をたたく音)
⚟はい? 殿のお成りである。 開けよ。
⚟少々 お待ちを。
(平蔵) 上様と見紛うばかりの行列を仕立て➡
休ませてほしいと家の戸を開けさせ➡
強奪は もちろん 必ず その家の妻や娘を辱めていくそうです。
あまりに由々しき一件ゆえ あえて 言上に参じました!
直ちに賊どもを捕らえ➡
極刑に処せ!
はっ!
(平蔵)葵小僧!
火付盗賊改方 長谷川平蔵である!
神妙に縛につけ!
やれ!
かかれ~!
♬~
はっ!
長谷川様の手により 一味は お縄➡
葵小僧なる頭目は 獄門となりましたが…。
(本多忠籌)葵小僧率いる一味は ことごとく正業を失い➡
その果てに悪の道に墜ちた者どもであった 由にございます。➡
不景気により 雇い止めにあった者➡
悪所の取り壊しで 職からあぶれた者たちが➡
かような凶行に走ったのです。
倹約令や風紀の取締りは 切り上げられるべきかと存じます。
かような凶行に走るのは 暗愚な者だけである。
それを政のせいであるとするのは➡
あまりにも短慮!
長谷川殿。 確か 寄場は 既に いっぱいにござったな?
努めてはおりますが…。
(定信) では 帰農令をうまく使えばよかろう!
不景気で人があぶれる。
その中には 田畑を捨ててきた流れ者が大勢おる。
その者らを百姓に戻す さすれば 荒廃した田畑は よみがえり➡
あるべき世の形となる。
そこをねらった 鳴り物入りの仕組みではないか!
その仕組み 使いたいと申し出たのは たったの4人にございます。
…正しく伝わっておるのか?
戻ると申し出た者には➡
戻るための路銀 農具代 食糧までも 出してやると言うておるのだぞ!
それでも 田畑を耕し年貢を納め 土間の上で寝➡
娘を売らざるをえぬような暮らしには 戻りたくない➡
悪事を働こうと江戸にいたい。➡
越中守様 人は「正しく生きたい」とは 思わぬのでございます。
「楽しく生きたい」のでございます!
(松平信明)このままでは 田沼以下の政との誹りを受けかねませぬ。
うちから錦絵を出してほしい。
蔦重は おきよのことなんて何も知らねえだろ!
じゃあ もう描かないってことかい?
♬ え え え
率先垂範!
モテてえ欲 描きてえ欲。
俺はね。 なんと!
よっ! ♬ え え
たりらりら~ん。 な!
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