All language subtitles for べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~(36)鸚鵡(おうむ)のけりは鴨(かも) - [1440-1920@KFMVFR.NV7-hevc10_q 230_u P7][字]

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Original subtitles

いらっしゃいませ いらっしゃいませ!

(村田屋治郎兵衛) 新作の黄表紙も大評判。➡

しかも まだ 昨年の「万石通」も売れ続けてるたぁ➡

天下の蔦屋 乗りに乗ってるな!

(蔦屋重三郎) いやぁ こりゃ ひとえに➡

先生方が 面白えもん あげてくださったおかげです。

(村田屋)しかし 思い切ったもんだ。

田沼落としはやめ 今度は 越中守様を皮肉るたぁ!

いやぁ それは 御公儀も こんな有様で大変ですね➡

気張ってくだせえって 後押ししてるだけです。

(奥村屋源六)まぁ 文武文武も 落ち着いてきてるみたいだしね。

ええ。 ありゃ 地道に 修行しろ 稽古しろって話ですから➡

そう長くは続かねえってことです。

すっとぼけやがって! 見越してやってんだろ。

(笑い声) 何だ その顔は!

蔦屋のくせに生意気だぞ。 いえ…。

(鶴屋喜右衛門) 蔦屋さん。➡

これ お奉行所から 何か言われてきてませんか?

鶴屋さん。

どうも 越中守様は 黄表紙好きらしいんですよ。

(一同)えっ!?

こりゃ 私たち 意外と➡

やりたい放題かもしれませんよ?

随分と調子に乗っている蔦重ですが 実は➡

越中守様は 幕府の立て直しのため➡

黄表紙を読む暇もないほどの 忙しさだったのです。

(松平定信)そなたほど 文武に優れておる者は またとない。

年など気にせず お役につくがよい。

しかし いまだ 至らぬところ多く!

(定信)ここのところ これぞと見込んだ者が➡

お役目を引き受けてくれぬことが 多くてな。

(水野為長)殿のお志が高いゆえ 皆様 物怖じしてしまうのかもしれませぬな。

何が高いものか。

私は ただ 奉公の心をもって 忠実にお役目をつとめる➡

至極当たり前のことを望んでおるだけだ。

どれ 報告を出せ。

はっ!

随分と溜めてしまったのう。

これは…。

(定信)そなたが 賂を 受け取っておるという報告があった。➡

範たるべき本多の者が なんたることか!

(本多忠籌)申し訳ございませぬ! 当家の家老が…!

家老に きつく言っておきますので!

次はないと思え。

…しかしながら➡

当家の家老が 何故に 賂に手を出したかは➡

一考に値しますかと。

単なる田沼病である。 考えるまでもない。

お役目を果たすためのかかりは 家禄から払う仕組みとなっております。

お役目にあずかれば 持ち出しが増え➡

実のところ 役付きになったとて 大したうまみがないのでございます。➡

田沼のもとで 皆が競って お役目につきたがったのは➡

賂をもらえる うまみがあったゆえ。

今 役目を辞退する者が多いのは➡

つまるところ それが理由と存じます。

では そなたは➡

賂を復活しろと? そんなことは…。

そもそも 知行家禄とは 奉公をなすためのもの。

もらうものは もらいたいが 奉公をなしたくないでは筋が通らぬ。

いや もはや 盗人ではないか! 分かって…。

持ち出しなどにとらわれず 御公儀への忠義 お役目を果たせる➡

そのことを無上の喜びとする!

それを喜びとできるのは 懐に余裕がある者だけかと!

故に倹約をせよと言うておる!➡

私の言うとおりにしておればよいのだ。

言うとおりにすれば うまく回るように 私は取り計らっておるのだ!

♬~

越中守様は 優れたお方でございます。

しかし その越中守様でも➡

思うがままに動きませぬもの➡

それが 世というものにございますかと。

「鸚鵡返文武二道」。

そこに描かれていたのは➡

越中守様が 大真面目に打ち出した 文武奨励の策が➡

ことごとく 空回りしていく様にございました。

♬~

これは もはや 謀反も同じである!

♬~

♬~

(ざわめき)

何だ? え?

(みの吉)旦那様。

おう。

おお…。

いかな御用にございましょうか?

「鸚鵡返文武二道」 「天下一面鏡梅鉢」 「文武二道万石通」の3作を➡

絶版とする!

絶版!?

あらためよ! (一同)はっ!

♬~

(つよ) 罰って これで終わるもんなんですか?

これ以上のお咎めとかって…。

鶴屋さん。

越中守様に会えませんかね?

こりゃ 直に訴える いい折だと思うんでさ。

俺らだって いい世にするために やってんだって➡

きちんと申し上げてみようかと。

ご老中といえば 田沼様のような方だと➡

お思いになってらっしゃるかも しれませんが➡

常のご老中とは 気軽に 町方に会ったりはしないんです。

けど 人と人ですよ? 腹割って話しゃ…。

(てい)旦那様が 身二つに割られるだけになりますかと。

今は 派手に動かないでください。 ほかの地本問屋も探られかねませんし。

…へえ。

そなたの江戸家老は➡

家老には向いておらぬのではないか?

戯作を書くのには 随分と長けておるようだが。

(定信)かように不埒なものを書く家老を 野放しとは!

これを 平沢が…。

筆を折る?

(朋誠堂喜三二)殿に怒られちまってさ。

黄表紙は言うまでもなく➡

遊び回っておったことが 嗅ぎつけられてなぁ。

お家の恥だ ご先祖に申し訳が立たぬって➡

顔 真っ赤にして 涙 浮かべて 怒られてさ。

けど なにも やめなくても。

名 変えて 続けりゃいいじゃねえですか。

フフフ…。

まぁ 遊びってのは➡

誰かを泣かせてまで やるこっちゃないしなぁ。

…分かりました。

春町先生の方は? お殿様は 戯作のこと ご存じですよね。

(恋川春町)うむ…。

当家は それが災いとなり➡

我が殿こそが恋川春町ではないかと➡

疑われてな。 え!?

(松平信義)恋川春町と申すは それがしではなく➡

家中の倉橋 格なる者にございます。➡

倉橋 此度のこと 心より悔やむあまり 病となり➡

隠居いたしましてございまする!

俺たちは 直参ではない。

故に これ以上のお咎めは なかろうということだ。

けど… 隠居されちまって 倉橋のお家は大事ねえんですか?

禄が減ったりはあろうが 殿も お気にかけてくださるし➡

まぁ これからは 戯作の方で もう少しな。

もちろん。

末永く お願いの介にございます!

ところで 南畝先生は無事かい?

既に目をつけられておったろ。

それが…。

旦那様 南畝先生から お文が。

え?

何だ? どうしたのだ?

東作さんが ご病気らしいです。

(平秩東作)うう…。

そうかぁ… 不埒さんってなぁ しぶといねぇ。

(大田南畝) おう! 皆 しぶとく戯けようとな。

戯けをせんとや生まれけん! …だ。

ハハ…。

(須原屋市兵衛) 今な 蔦重が 面白い狂歌本を作っててな。

東作さんも また一緒に戯けましょうよ。

♬~

ああ こりゃ➡

綺麗だ。

あ… じゃあ 源内さんに言っとくよ。

こないだ 来たのよ。

狂歌が流行る前に 江戸から去っちまったから➡

狂歌会 出てえって。

(南畝) 夢枕に立ったってことなのかねぇ➡

あれは。

世界の時計は進むのに➡

日の本は 100年前に逆戻りか。

ますます 取り残されてしまうな。➡

俺や田沼様がやってたことは 一体 何だったんだ!

平賀源内➡

それが言いたくて出てきたんだよ。

平秩東作が その波瀾万丈な人生を終えた頃➡

越中守様は 更にお忙しく 政に取り組み➡

倹約を推し進めていきました。

(定信)そのようなものは いらぬ。 もっと倹約せよ。

♬~

(徳川家斉)「子 曰わく 詩三百を誦し➡

之に授くるに政を以てして達せず➡

四方に使いして専対すること能わざれば」。

(走る足音)

ご講義中 ご無礼仕りまする!

蝦夷にて 戦が起こりましてございまする!

後の世に言われる クナシリメナシの戦い。

松前道廣が 即座に鎮めはしたのですが…。

(本多)そもそも 蝦夷の民が暴れたのは➡

松前家および その請負商人たちの 酷い扱いによるもの!

また 此度の鎮め方も残虐非道であり…。

蝦夷の民の恨みは ますます深いということだな。

然様にございます。 松前に支配を任せれば いずれまた同じことが起きまするかと…。

故に 蝦夷地を松前より取り上げるべきと。

(牧野貞長)しかし 天領となれば かかりも相当となりましょう。

金のことなど気にせず まずは 何をなすべきかを考えるべきであろう!

(牧野)不明でございました。 お許しを…。

(定信)これは もはや 国難にございます。

この上は 天領とするのが最上かと。

(徳川治保)しかし 蝦夷は遠い。➡

松前に命じ 手堅く備えさせる方が 確かではないか。➡

戦は得意なようであるし。

それは 蝦夷の民相手。

異国相手となれば 松前だけでは心もとなきことかと。

(徳川治貞)国を守るは 御公儀の何よりのつとめ➡

武家の本分でもあるな。

仰せのとおりにございます。

(徳川宗睦)しかし 此度 乱を速やかに鎮め 武士の本分を尽くしたと言えよう。

功を立てたにもかかわらず 所領を取り上げるとは➡

いかがなものかの。

此度 蝦夷の民が戦を仕掛けたのは 松前の政が酷かったから。

(一橋治済) しかし かかりは いかがするのじゃ?

蝦夷にて 交易や開墾などを行い かかりを賄おうと考えておりまする。

蝦夷には 金銀も多くあると申しますし➡

天領とすれば 幕府の御金蔵にも 大変よろしいかと。

(治済)ほほう… なるほどのう。➡

しかし わしは よいのじゃが➡

そなたは それでよいのか?

…と おっしゃられますと?

そなたこそが「田沼病」と 笑われはせぬかと案じておる。

…それがしが 田沼病?

先年もうけた 町方による 「勘定所御用達」であるか。

あれなどは 人を入れ替え 看板をかえただけで➡

中身は まるきり 田沼のやり方と同じそうではないか。

(治貞) 御用商人は 別に田沼の発明ではないし➡

清廉な商人を選ぶことに意味があるかと。

そうであったか。

しかし 財政を立て直すために 松前から蝦夷を取り上げる➡

それは紛れもなく 田沼の発明であろう?

田沼に限らず あの時分 そのような考えを持つ者は 数多おった。

(治済)しかし 民は そう思うかのう?

そなた➡

黄表紙を取り締まっておるようだが。

(松前道廣) では 上知とはなりませぬご様子で?

紀州の老いぼれが諫めておったが…。➡

あやつは 気位ばかりが高いゆえ➡

田沼より下と見られるのは 我慢がならぬはずじゃ。

ありがた山の昆布からす。

ハッ!

「悦贔屓蝦夷押領」。

それは 田沼様が立てた手柄を 越中守様が横取りするという➡

痛烈な皮肉が込められていたのでした。

恋川春町…➡

倉橋 格なる者を呼び出せ!

いっそ 呼び出しに応じて➡

春町先生の考えを 腹割って話すってなぁ ねえですか?

あちらは 将軍補佐➡

こちらは 吹けば飛ぶような 1万石の小名の家来ぞ。

けど 黄表紙好きだって話➡

嘘じゃねえかもしんねえでしょ?

許されんなら 共に参りますし。

…うまくいけばよいが うまくいかねば その場で お手討ち➡

小島松平家が お取り潰しともなりかねぬ。

それは 打てぬ博打だな…。

嘘八百並べ立て 這いつくばって 許しを乞うんですか?

春町先生に それができるとは 思えねえんですが…。

…あ~!

あ~…。 そこよな…。

いっそ まことに 病で死んじまうってなぁ ねえですか?

病で隠居で 建て前は ほんとだったってことにして➡

絵や戯作を生業として➡

別人で生きていくってなぁ…➡

いや ねえか。

いや!

いや それが最善かもしれぬ。

へ?

あ… 春町先生?

え?

おお… どこ行くんですか?

(信義)死んで別人となり 戯作者として生きていく…。

はい。

それがしが死んでしまえば 責める先が なくなる。

殿も これ以上 しつこく言われることも なくなりましょうし。

しかし… 然様なことができるのか?

人別や隠れ家など 蔦屋重三郎が万事 計らってくれると。

支度が調うまで 殿には しばし「病にて参上できず」と➡

頭を下げていただく労を お願いすることになりますが…。

…当家は たかが1万石。

何の目立ったところも 際立ったところもない家じゃ。

表立って言えぬが➡

恋川春町は 当家唯一の自慢。

私の密かな誇りであった。

殿…。

そなたの筆が 生き延びるのであれば➡

頭なぞ いくらでも下げようぞ。

♬~

ご温情➡

まこと ありがたく…!

倉橋が 麻疹に?

(信義)治りましたら 必ずや 申し開きに参らせますので➡

しばし お待ちを!

越中守様が 明日 ここに?

(信義) 麻疹も偽りであろうと言ってこられた。

それでは 殿が 越中守様を謀ったことに…。

倉橋! 今すぐ 逐電せよ!➡

後のことは 私が なんとかする。

♬~

まぁさんが国元へ戻る日は近づき➡

吉原では 蔦屋主催の大送別会が 開かれることとなりました。

よっ!よっ! ああ…!

姐さんには お世話になってよぉ…。

(次郎兵衛)あれ 誰なんだい?

筆下ろしのお相手らしいですよ。

えっ!

おおっ!

よいしょっと! (笑い声)

(北尾重政)喜三二先生。

あの➡

これに 名を入れてもらえますか?

(喜三二)名入れ? 思い出の品といいますか。

おお おお おお…。

お願いします。 何だ 何だ ハハハ!

(重政)こりゃ 喜三二の名での 最後の戯作じゃねえですか。

(りつ)ああ いいねえ!

私もお願いできますか? お~。(喜三二)ああ。

じゃあ 私は これに。

お~。

いらっしゃい! 安いよ!

(てい)春町先生?

もう よろしいのですか?

お体の具合がよくないと 伺っておりましたが。

…すっかりな。 心配をかけたな。

いえ。 では これから送別の会に?

(鐘の音)

いや 少し歩きに出ただけだ。

⚟豆腐~。

豆腐でも買って戻るとする。

お大事になさってくださいませ。

⚟豆腐~。 生揚げ~。

♬~ はっ!

♬~いいぞ いいぞ! 大文字屋!

大文字屋~! (笑い声)

(大文字屋市兵衛)親父 最後まで この時の話 してましたよ。

(勝川春章) だろうなぁ。 この序は ほんと見事でさ!

(丁子屋長十郎)ねえ 先生 次の俄➡

もういっぺん これやるってのは どうです?

どうだろう まぁ。

先生は お家があるから 難しいんですって。

(扇屋宇右衛門)いや~➡

こんな膝を打つような 吉原案内 なかったね! ええ?

先生 ここにひとつ 御名を頂戴。

(松葉屋半左衛門) 先生 もう一度 こんなの作ってよ。

親父様方 先生は もう筆を折るんです。

え~! え~!

もったいない。

あのように冴えたお筆を。

花魁?

おいら~ん!

ああ…!

(ふじ)もう 花魁じゃないですよ。

(いね)年季が明けて 手習の師匠と一緒になって➡

今 自らも 手習の女師匠さ。

おちよにございます。

私にも 御名をひとつ。

ああ おちよ… あ~ おちよ…。

ハハハハ!

よいしょ。 よし よし ちよか。 ああ…。

世話かけたねぇ あの時は。

いいえ。 今となっては 楽しい思い出で。

楽しかったよねぇ。

(南畝)んじゃ んじゃ 俺も ここに頼めます?➡

ここに! ここに!➡

朋誠堂喜三二って。

(喜三二)ああ 朋誠堂喜三二ね。 はいはい。 (南畝)そっけないね。

(笑い声)

(喜多川歌麿)俺は あえてのこれで。

おっ。

ああ! 春町の! うん うん うん!

あの時 大変だったねぇ。 (歌麿)けど 楽しかったですよねぇ。

(北尾政演)ヘヘヘ! じゃあ 俺は これに。

ヘヘ すいやせん。

これに 北里喜之介って 書いてもらっていいですか?

(喜三二)何だい? これ。

(政演)先生の次の号 北里喜之介ってなぁ どうかなって。

道楽息子の喜之介!

北に行かれるっていうし 北里喜之介 北の遊里に来たり! って➡

ウキウキして こんなもん書いちまってよぉ!

政演 よせって。 先生は もう…。

やります!

まぁさん まだ書けます!

いいんですか? お家は?

いてっ。 仕組んでんじゃないよ!

これ みんなで示し合わせてんだろ?

(笑い声)

まったく 面白えことばっかり 考えやがって もう!

すいません。 どうしても まぁさんに書いてもらいたくて。

は~あ!

まぁ 春町も続けるっていうし。 へえ。

あっ ところで 春町 今日どうした?

具合が悪いらしく まぁさんには改めてと。

え? 何だよ あいつ~。

では 新たな門出を祝して。 おっ!

はっ!

♬~

(駿河屋市右衛門) 重三郎 ちょいといいか?

へえ。

忘れねえうちに。

ああ… ありがた山です。

歌とは違って 見知りも多いお方だ。 気 配れよ。

もちろんでさ。

♬~

ふう…。

(せきばらい)

はあ… はあ… ふう…。

春町先生が?

ええ。 具合がよくなったから 歩きに出られたと➡

おっしゃっていたのですが…。

具合がよくなった?

(戸をたたく音)

⚟(喜三二)蔦重…!

(戸をたたく音)まぁさん? ⚟(喜三二)蔦重!へえ!

⚟(喜三二)蔦重! (戸をたたく音)

待ってくだせえ。

まぁさん!

どうしたんです!? 蔦重…。

さっき 家 戻ったらさ…。 へえ…。

春町んとこから知らせが来てて…。

ああ…。

春町が…➡

腹 切ったって…。

(泣き声)

(しず)こちらが辞世になります。➡

読んでやってください。

はい。

♬~

御新造様 こちら 触ってもよろしいですか?

(しず)はい。 ありがとうございます。

♬~

(春町)「蔦重 いきなり かような仕儀となり すまぬ。➡

実は 例の件が 抜き差しならぬことと なってしまってな。➡

殿は 逃げよと言ってくださったが➡

然様なことをすれば この先 何がどうなるか知れぬ。➡

小島松平 倉橋は無論➡

蔦屋にも ほかの皆にも 累が及ぶかもしれぬ」。

(てい)春町先生?

もう よろしいのですか?

お体の具合がよくないと 伺っておりましたが。

…すっかりな。

「それは できぬと思った」。

恩着せがましいか。

「もう 全てを円くおさむるには➡

このオチしかないかと」。

(歌麿)何で…➡

何で 本を描いただけで こんな…。

(重政)「鳧」は鴨。➡

鸚鵡のけりは 鴨でつけるっていう ひねりですかね。

ちょいと 何してんです 三和さん!

何してんです! 何してんです!

もう 何やってんです… これ 辞世ですよ!

腹壊した歌にしちまって…。

(唐来三和)だって…➡

こんなの やってられねえじゃねえかよ!➡

ふざけねえとよ!

あの…➡

春町先生の ここに➡

豆腐が ついてたんです。

あれって もしかして…。

ああ…!

うっ…。

あ…!

う…。

う… うっ…!

「豆腐の角に頭ぶつけて死んだ」ってことに したかったってことですかい?

何だって そんなこと…。

戯作者だから…。

真面目な…➡

クソ真面目な男だったじゃない…。

ふざけるのにも 真面目でさ。

恋川春町は 最後まで戯けねえとって 考えたんじゃねえかなぁ!

♬~

(泣き声と笑い声)

べらぼうでさぁ!

春町先生… おふざけが過ぎまさぁ。

♬~

亡くなった?

はい。

腹を切り かつ…➡

ハハハハハ!

豆腐の角に頭をぶつけて…。

豆腐?

御公儀を謀ったことに➡

倉橋 格としては 腹を切って詫びるべきと➡

恋川春町としては➡

死してなお 世を笑わすべきと 考えたのではないかと➡

板元の蔦屋重三郎は申しておりました。➡

一人の 至極真面目な男が➡

武家として 戯作者としての「分」を➡

それぞれ わきまえ まっとうしたのではないかと➡

越中守様にお伝えいただきたい。 そして➡

戯ければ 腹を切られねばならぬ世とは 一体 誰を幸せにするのか➡

学もない本屋風情には… 分かりかねると➡

そう申しておりました。

(本が落ちる音)

(虫の声)

うう…!

うう! うう! うう…!

うう…!

うう~…!

一つも戯けられねえ世に なっちまうんだよ!

倹約。 倹約が行き過ぎて。地獄になっちまうよ。

涙しっちゃいまして! これ 知ってますか?

今 流行っているのでござりんすよ。 申せ。

これからの黄表紙は お前の肩にかかってっから!

一切 書かねえっす! 政演!

お前も書いてみっか! はい。

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