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(竜鳥の鳴き声)
(尚文(なおふみ))あっ…
あっ?
何してるんだ? お前ら
(ラフタリア)ナオフミ様
(フィーロ)ご主人様
(メルティ)まったく いつまで寝てるのよ
(尚文) どうなってんだ?
(尚文)教皇との戦いの後に 意識を失った俺は―
ここ 王室御用達の 治療院に運び込まれ―
3日間 眠り続けていたらしい
ラフタリアの話では―
駆けつけた女王が 全力で俺を助けようとしてたとか
あーん
全治1か月か
傷のほうは治療魔法で あっという間だったのにな
(ラフタリア) これほどの呪いとなると
時間以外に治療する方法は ないみたいですね
(尚文)ラースシールド
ブラッドサクリファイス
強力なスキルだが―
敵と共に己の体もむしばむ もろ刃の技
3人にかかる呪いが軽く済んだのは フィトリアのおかげか
(足音) (尚文)あっ…
(影)包帯を替えに来た でごじゃる
ごじゃる?
治療は さっき終わったはずですが
(尚文)こいつらは 治療師じゃない
(尚文)“影”だな? (メルティ)えっ?
(ミレリア)目覚められたと聞き 急ぎ はせ参じました
あっ…
(ミレリア)大事なかったようで 安心しました
(メルティ)母上 いえ 陛下
(ミレリア)改めて ごあいさつを
私がメルロマルク女王
ミレリア=Q=メルロマルクです
ナオフミ様を助けていただき 本当にありがとうございました
いいえ 当然のことをしたまでです
イワタニ様は四聖(しせい)勇者の1人
あなたは波から世界を 救うお方なのですから
(尚文)そのわりには―
この国の連中は 随分 盾を嫌ってるようだがな
冤罪(えんざい)を吹っかけられる ずっと前から
(ラフタリア)ナオフミ様
(ミレリア)すべて お話しします
それは私が来たる波への 対策を話し合う―
世界会議に出席するため
メルロマルクを 離れていた時に起こりました
会議の末
大国がそれぞれ1回ずつ 四聖勇者を召喚し
波に協力して対処することが 決定されたのですが
その時には すでに メルロマルクただ一国で―
四聖勇者全員が 召喚されていたのです
このことに各国は激怒し
私は それを鎮めるために 奔走しました
全部 あのクズ王とビッチ王女が 勝手にやったってことなのか?
もちろん2人が 軽挙妄動に走らぬよう
誠に信の置ける領主の1人に
私が不在の間の一切を 任せていました
ですが…
陛下が不在の間に発生した
1度目の波で命を落とされて
その方がセーアエットの 領主様だったのです
(ラフタリア)あっ…
(尚文)セーアエット
そういうことか
(尚文)それよりメルティ (メルティ)えっ?
(尚文)お前 なんか しゃべり方 変だぞ
えっ!? しょうがないでしょ 陛下の前なんだから
(ミレリア)フフ…
私の知らないメルティの一面を 見られて うれしいかぎりです
今後ともイワタニ様には 仲良くしていただくのですよ
(メルティ)母上
(尚文)で?
なんで盾の俺だけが さげすまれるハメになったんだ?
オルトクレイは ある理由から
盾の勇者を憎んでいました
そこを三勇教につけいられ 利用されたのです
(尚文)俺より前の 勇者ってことだよな
完全に逆恨みというか とばっちりじゃないか
(ミレリア)そこへ マルティまでが加担し―
あなたをおとしめたのです
別の国に召喚されていたなら 随分 違っていたんだろうな
(ミレリア)ええ 例えば 亜人絶対主義のシルトヴェルト
かの国では盾の勇者は 崇拝される存在です
(尚文)ハッ… シルトヴェルトに 行くのもいいかもな
それをお止めする権利も 筋合いもありません
ですが―
イワタニ様の受けた屈辱は 私が全力で晴らし
汚名も必ずそそぐことを 約束します
そして これまでの波への対処と
三勇教を退けた功績をたたえ
我が国最高位である 勲章の叙勲と
報奨金として金貨500枚を お渡しいたします
(ラフタリア)ハッ… ナオフミ様
ん? それもらったら
フィーロ ご飯 いっぱい食べられる?
(メルティ)もちろんよ (フィーロ)やったあ
(ため息)
最後にイワタニ様にだけ お話ししたいことがあります
(メルティ)あっ…
ラフタリアさん フィーロちゃん
先にお部屋に戻りましょ
えっ… ええ
うん フィーロ おなかすいた
不服ですか?
どうせ何か たくらんでのことだろうからな
メルロマルクは もはや盾の勇者様に頼るほか
生き残る道はありません
(尚文)俺は この国に とどまるつもりはない
波が現れる所へ行って その都度 退ける
(尚文)それが元の世界に戻る 一番の近道だからな
(ミレリア)分かりました
ところでイワタニ様 体のお加減は?
このとおり 歩くことくらいはできる
それでは明日 王城まで ご足労いただけないでしょうか
城へ?
(ミレリア)イワタニ様の冤罪を 衆目のもとで晴らすためです
そしてオルトクレイと マルティの罪をとがめ…
(風の音)
(ミレリア)このことは まだ 私とイワタニ様しか知りません
イワタニ様が我が国に―
協力していただくか否かに かかわらず執行いたします
これがメルロマルクの…
いえ 女王たる 私のけじめです
(尚文)いいのか? あんたの夫と娘だろう
(ミレリア)致し方のないことです
彼らは それだけのことを してしまったのですから
すでに国民にも触れ回っています
“重大な発表があるから―”
“可能なかぎり 城下へ集まるように”とだけ
イワタニ様には―
明日だけは ぜひとも 立ち会っていただきたいのです
この程度で あなたの怒りが収まるとは―
もちろん思っておりませんが
どうか
(フィーロ)ほら
面白い
ご主人様に教えてもらったの
女王様とは 何をお話しされたのですか?
大した話じゃない
明日 俺の冤罪を晴らすから 城へ来てくれだとさ
ほ… 本当ですか?
お… おい
よかった
やっとナオフミ様は 何も間違ってなかったって
証明されるんですね
(メルティ)フフ… (フィーロ)ん?
本当によかった
(民衆の怒声)
ハッ…
(尚文)何だ? その目は
当然の報いだろ
お前たちは死んで当然のことを やったんだからな
ハッ! ハァ ハァ ハァ…
(ラフタリア)ナオフミ様?
どうかされたんですか?
いや 何でもない
でも…
(尚文)明日も早いんだ ちゃんと休んでおけ
(尚文)あんなヤツら どうなったって構わないのに
(マルド)なぜ我々は 城内に入れないのだ
(マルド)盾の勇者の従者だけとは どういうことだ
(リーシア)マ… マルドさん 落ち着いて
(マルド)ええい うるさい
ふええ~!
(ラフタリア)外… すごい人でしたね
(尚文)ああ (フィーロ)メルちゃんは?
お城に着くなり 騎士の皆さんと 先に行っちゃいましたからね
(尚文)たぶん 女王と一緒だろう
(樹(いつき))無事で何よりです
(錬(れん))あんなチート技を 使った後にしては元気そうだな
これでも中身は ガタガタなんだがな
(元康(もとやす))それよりも マインを知らないか?
あれっきり 全然 姿を見せないんだ
(錬)王女の仕事で 忙しいんじゃないのか?
教皇を倒した僕らへの サプライズでも用意してるとか?
あっ… そっか 絶対 それだ
(尚文のため息)
(大臣)四聖勇者様 ご入場ください
ようこそ お越しくださいました 四聖勇者の皆様
マインはどこだ?
王様もいませんね
2人をここへ
マイン
(マイン)モトヤス様 助けて
(錬)王にまで手かせを…
どういうことだ
(ミレリア)見てのとおり 彼らは罪人です
(3人)えっ!?
それでは始めましょうか
愚かな王配と 第1王女の弾劾裁判を
(ラフタリア)えっ?
(男性)裁判だって?
(男性)王様とお姫様のか?
(エルハルト) おもしれえことになってきたな あんちゃん
(マイン)ママ ひどいわ こんなのあんまりよ
(オルトクレイ)女王よ 何ゆえ このような暴挙に出るのだ
お前らしくもない
(ミレリア)この場は 四聖勇者 立ち会いのもと―
国の根幹を揺るがす 大罪を犯した者たちを―
女王である私自らが裁くために 設けたものです
(オルトクレイ)何を!?
まさか お前も盾の悪魔に 洗脳されて…
ぐあーっ
盾の勇者様に そのような能力はありません
少し考えれば分かることでしょう
(マイン)な… 何なの?
(ミレリア)裁判の公正を 期すため―
一時的に奴隷紋を刻みます
ママ? あっ…
(尚文)奴隷紋
実の娘になんてことをするんだ
(ミレリア)マルティには ひどい虚言癖がありますので
そんな! 私 素直で誠実な いい子でしょ?
ハッ…
やめて ママ!
ああっ…
(悲鳴)
(うめき声)
(ミレリア)改めて 裁判を執り行います
とはいえ あなたたちの 犯した罪は―
すでに言い逃れなど できぬほどに明白
そんなのやってみなきゃ 分からないじゃないか
ていうか 一体 どんな罪を 犯したっていうんだ
(尚文)ハァ… そこからか
このたびの一連の事件
偽りの聖武器を所持し
世界の救世主である四聖勇者の 抹殺をもくろんだ三勇教教皇は
その場で討ち取りました
三勇教残党の掃討も 目下 進めています
(元康)それが どうしたっていうんだ
(ミレリア)忌まわしいことに 王と第1王女も―
三勇教と結託していたのです
な… 何だって?
(ミレリア)これについて 何か反論は?
三勇教と結託なんて するわけ…
(悲鳴)
第1王女ともあろう者が 国家転覆をもくろむとは
(マイン)ち… 違うわ
ヤツらは盾どころか 三勇者まで殺そうとしたのよ
そのうえ 王家まで
そんな恐ろしいことに 私が関わるわけないじゃない
(元康)ほ… ほら やっぱりマインは悪くな…
(ミレリア)では王位継承権1位の メルティを暗殺し―
その罪を盾の勇者様に かぶせようとしたことは?
(マイン)だ… だから そんなのやってない…
ううっ…
お姉様
マ… マルティ それは本当か?
ち… 違う 違うのよ パパ 私は…
ああーっ
(ミレリア)あなたは 三勇教と共謀し―
メルティを亡き者にして 継承権1位の座につこうとした
そのために盾の勇者様を 誘拐犯にまで仕立て上げ―
メルティが逃げる野山に 火をも放った
違いますか?
(騎士団長)あっ…
(マイン)メルティは 私のかわいい妹よ
違うに決まってる… うわーっ
確かに
彼女は本気で第2王女を 殺そうとしているようだった
ええ それはこの目で見ました
そんな…
マルティ な… 何ということを…
(ミレリア)あなたもまた 三勇教と示し合わせ―
私が不在の間に 四聖勇者を一度に召喚した
あ… あの恐ろしい波に 対抗するには
勇者の力が どうしても必要だったのだ
それに盾は我が娘に対し 犯してはならぬ禁忌を…
(元康)そうだ 尚文はマインを襲ったんだぞ
(ミレリア)では マルティに聞きます
あなたは盾の勇者様に 襲われたのですか?
そ… そうよ
私は盾の悪魔に犯されそうに…
あっ… ああっ…
うわーっ
(3人)あっ…
ウ… ウソだ こんなの でたらめだ
(ミレリア)でしたら 槍(やり)の勇者様も―
マルティと 奴隷契約をされてみては?
(元康)あ… ああ 俺がマインの無実を証明してやる
(マイン)くっ…
よし マイン
君は あの夜 尚文に襲われて
俺の助けを求めに来た そうだよな?
そうよ 私はすごく怖くて モトヤス様に…
うわーっ
(男性)何だ ウソだったのか
(男性)考えてみりゃ そうか
(男性)そこまでして盾の勇者を
(尚文)そこからは ただただ不快な茶番が続いた
衆目の前で 俺の冤罪が晴れていく
だというのに 俺の心は ちっとも晴れた気がしなかった
この後の結末を 知っているからか
俺はそれを 待ち望んでいるのか
(ミレリア)これで お分かりになったでしょう
この者たちが 王族という身分でありながら
いかに卑しく汚い手を使い 何ら実績を示すこともなく
対立する者たちをおとしめ
己(おの)がためだけに 権力を手に入れようとしていたか
ち… 違う 私は…
うわーっ
(オルトクレイ)確かにわしは―
王族にあるまじきことを したかもしれん
だが それも皆 我が愛する 国のため 家族のために
そのために わしは 盾を排除しようとしたのだ
盾は悪魔だ
かつて我が家族が受けた災いを こたびも必ずもたらす
そんなことは断じて許さん
断じてな
(尚文)最後のチャンスを 棒に振ってまで―
そこまで盾の勇者が憎いのか
(ため息)
判決を言い渡します
オルトクレイ=メルロマルク32世
および マルティ・メルロマルクは
大逆罪 国家反逆共謀罪により その王位をはく奪
しかるのちに死刑に処す
なっ!?
(どよめき)
イ… イヤー!
(男性)死刑だって? (男性)マジかよ
(メルティ)陛下 それは あまりにも…
(男性)そうだ 死刑はあんまりだ
(女性)お姫様 かわいそう
(ミレリア)この2人は 民を守るべき立場にありながら
権力闘争に明け暮れ
あの波の後も 民を救済しようとしなかった
そのせいで どれだけの民が傷つき―
そして死んでいったことか
これは許されぬことです
あなたも その目で 見てきたはずです
多くの悲しみと怒りを
(メルティ)それは…
刑の執行は即日 今 この時
大罪人たちの最期を 我が国民に見せしめるのです
(民衆のざわめき)
(フィーロ)お祭り?
(尚文)夢で見たまんまだ
これより大罪人を斬首刑に処す
国を 国民をあざむいた者は 万死に値する
それが王族であったのなら なおさらのこと
それを今ここに示しましょう
(民衆の歓声)
(民衆の歓声)
(辺境の人)そうだ やっちまえ
(辺境の人)あんたたちのせいで 私の娘は…
(辺境の人)家を返せ 死んだ家族を返してくれ
イヤ イヤイヤ… イヤー!
(尚文)いいのか? これで
(マイン)助けて
助けて モトヤス様
モトヤス様
ハッ…
…フミ様
ハッ…
ナオフミ様 お願い
助けて
ナオフミ様
ナオフミ様!
(尚文)待て
(メルティ)あっ…
(尚文)そんなヤツらには 死刑なんて生ぬるい
死ねば そこで終わりだ
こんなヤツらが それで済んでいいのか?
奴隷紋も反応しなかった
散々 おとしめてきた相手に―
本気で命乞いをするような 面の皮の厚いヤツらだ
それだけ厚いと ギロチンの刃も通らないかもなあ
(笑い声)
ナオフミ様
ハァ…
だから俺から提案だ
王はこれからクズ
第1王女は ビッチと名前を改めろ
クズ!?
ビ… ビッチですって!?
これから一生 その名で生きていくんだ
それが嫌なら 死刑にでも何でもなればいい
ちなみにマルティには 冒険者として
マインという名もあるようです そちらは?
じゃあ ビッチの冒険者名は
アバズレだ
(民衆の笑い声)
(ミレリア)今回の事件において 一番の功労者である盾の勇者様から
最大級の温情がかけられました
よって以降は オルトクレイ王をクズ
マルティ王女をビッチ
冒険者名を アバズレと改名させます
そして事件最大の原因である 三勇教は これをもって廃止
メルロマルク国は新たに 四聖教を国教とします
(男性)四聖教?
(男性)四聖勇者を等しく あがめてくれるらしい
そりゃいい
三勇教にも盾教にも 敵対視されない
なるほどな
あいつが一番の 食わせ者だったのかもな
(元康)お… おい 尚文
どこへ行くんだ?
盛り上がりは最高潮ですよ
やはり我が国に協力いただくことは かなわないのでしょうか
これより皆様の活躍をたたえ―
叙勲と報奨金の授与を 行いたいと思います
(3人)おお
(ミレリア)せめて それだけでも…
(尚文)そんな物をもらっても うれしくも何ともない
だが協力はする
えっ?
(尚文)メルロマルクだけじゃない 世界中の国々とだ
俺たちは波から世界を救う 四聖勇者なんだろ?
お前
そのとおりです
ですが それでは こちらの気が済みません
他にお望みの物があれば 何でもご用意いたしましょう
考えておく
それじゃ 式典には 俺たちだけで行こうぜ
(樹)はい (錬)ああ
フッ…
(民衆の歓声)
(メルティ)お世話になりました
(フィーロ)メルちゃんも行こうよ
フィーロ わがまま言わないの
(フィーロ)ん~
ラフタリアさんもありがとう
私 必ずメルロマルクを
亜人さんたちも住みやすい国に 変えてみせるわ
(ラフタリア)はい メルティさんなら―
きっとできるって 信じてます
(尚文)ラフタリア フィーロ さっさと来い 置いてくぞ
(ラフタリア)あっ はい では (フィーロ)はーい
じゃあ またね メルちゃん
もう ナオフミのバカ
なんで あんなに薄情なの?
それに礼儀知らず
母上にもっと…
ハッ…
母上?
もしイワタニ様が
刑の執行を 止めなければ
私の命と引き換えに
2人の助命を 訴えるつもりでした
えっ?
イワタニ様には それをとうに
見抜かれていたのかも しれませんね
ナオフミ
(ラフタリア) メルティさん ナオフミ様には―
何も 言いませんでしたね
(尚文)まあ そんなもんだろ
ナオフミ様が
言わせる暇を あげないからですよ
知るか
もう… あっ…
(村人)聖人様
(村人)盾の勇者様
ナオフミ様 この方たちは…
(副団長) 盾の勇者殿に対し
捧げ 剣
あっ…
あいつら
(魔法屋) 頑張ってね
(薬草屋) これからも よろしく
(メルティ)ナオフミ
ナオフミ ありがとう
ここまで連れてきてくれて
ありがとう
父上と姉上を助けてくれて
ああ またな
うん
(尚文)最初に ここから出た時は―
信頼とカネ 名誉 勇者としての尊厳
すべてを失っていた
俺が盾の勇者になったせいで
けど それを すべて取り戻せたとも―
取り戻したいとも思わない
俺は盾の勇者になったおかげで
もっと大事なものを 手に入れたんだ
波が起これば―
この仲間たちと一緒に どこへだって行く
それが四聖勇者の…
盾の勇者の使命だから
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