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覚えているか キンブリー
初めて会った時のことを
あの時とは逆だな
私を見下ろすな
キンブリー てめぇ
なんで なんでウィンリィがここにいる
せっかくスカーを追い詰めたのに
人質に取られちまったじゃねぇか
どきなさい
バカ野郎
やめろ 紅蓮の錬金術師
ウィンリィの姿が目に入らねぇのか
邪魔をしないでいただきたい
待ちなさい スカー
キンブリーさん
建物に近づいては危険です
撤収
吹雪が来るぞ
急げ
迫真の演技だったな
演技なんかじゃねぇよ
こんな三文芝居を打たなきゃならなかった
自分のふがいなさに
マジではらわたが煮えくり返る
なんで 父さんと母さんを殺したの
何を言っても言い訳にしかならん
オレがロックベルという医者夫婦を殺したのは事実だ
この手で
娘よ お前にはオレを裁く資格がある
腕 このままだと失血死しちゃう
ウィンリィ
分かってる
でも 父さんと母さんも多分こうしただろうから
父さんと母さんが生かした命だもの
何か意味があるんだと思う
オレを許すというのか
勘違いしないで
理不尽を許してはいないのよ
ウィンリィ
大丈夫 泣かないよ
次に泣く時はうれし泣きだって 約束したから
おい スカー
ウィンリィはこう言うけどな
オレはてめぇを殴り倒して
ロックベル家の墓の前に
引きずり出してやりてぇぐらいだ
本部に連絡しますか
ああ
マイルズといったか
一つ聞いていいか
なんだ
オレのことを同族と言ったな
そうだ 祖父の代までイシュヴァール人だった
こんな会い方はしたくなかったな
赤い目の同胞よ
なぜアメストリス国軍に加担する
この国の内側から
イシュヴァール人に対する人々の意識を変えるためだ
そうやすやすと人の心が変わるとは思えん
いつまで掛かるか分からん
だが 混血の私だからこそできることがある
この身はアメストリス国軍に投じられた
イシュヴァールの一石
小さな波紋が
やがて大きな波となるときが来るかもしれん
そしてそのことに気づかせてくれたのは
皮肉なことに生っ粋のアメストリス人だった
オレはあの内乱で生まれた憎しみという名の膿だ
貴様のようなヤツがいてくれてよかった
少佐
本部か こちらマイルズ
エリアDのビルでスカーを捕らえた
キンブリーに伝えてくれ
貴様にどんな事情があるにせよ
見逃すわけにはいかない
しかるべき裁きを受けろ
待ってくれ
誰だ
メイ
マルコーさん
その男を連れていかないでくれ
これはまずいですね キンブリーさん
雲が速い
こりゃ荒れてきますよ
急ぎなさい
研究書の解読
アメストリスの錬金術とシンの錬丹術との融合を試みた
画期的な研究なんです
しかし 肝心な所が
古代イシュヴァール語で書かれている
これが読めるのはスカーしかいない
だから
錬丹術の娘だな
お前を砦に連れてくるよう命令を受けている
えっ わ 私ですか
安心しろ 手厚く迎えろとのことだ
さて スカーが捕まるわけにもいかず
マルコーがここにいることも知られてはまずいとなると
いっそみんなまとめて
ブリッグズ砦に匿うのがいいかもしれんな
ちょっと待てよ なんだよそれ
こいつも連れてくってのかよ
研究書の解読に必要なんだろ
こんなヤツの力を借りるなんて
とっととキンブリーに引き渡して
国土錬成陣
そしてこの国の成り立ち
アームストロング少将から聞いているぞ
アメストリス全土を巻き込んで
何かが起ころうとしている
研究書の解読は
何にも増して重要なのではないか
ロックベルのお嬢さんが
人質にされていることは聞いている
今ならキンブリーに泥をかぶせて
彼女を匿うこともできる
スカーよ
我々に協力するなら裁きは後に延ばそう
どうだ
ほかに選択の余地はないのだろう
協力を約束する
偽りないか
イシュヴァールの血に懸けて
赤い目の同胞よ
そういうわけだ
すまない お嬢さん
この者の裁きはしばらく待ってくれ
はい
そういえばこいつらのことを忘れていたな
始末しろ
はっ
おい
ちょっと待ってよ 何も殺すこと
生かしておいて得がない やれ
いや 得とかじゃなくて
殺さずに済む方法はないの
ふん オレたちに情けをかけるってか
余計なお世話だ 何も知らん甘ちゃんが
どうせこんな体じゃあ 先は見えてる
殺すんなら殺せ
おじさんたち 家族とか大切な人はいないの
いるさ
だがこの体になった時我々は死んだことにされた
以来 会ってない
会いたいとは思わない
会いたくてもしょうがないだろ このナリじゃ
へえ じゃあもう元の体に戻りたいと思わないんだ
その体で満足しちゃってるんだね
んなわけあるか
戻りたいに決まってんだろうが
それが答えだろ
どうせとか しょうがないとか
枯れたこと言わないでよ
元の体に戻れる可能性を探りもしないでさ
ふん 貴様にオレたちの何が分かる
戻れる可能性なんか
僕は戻るよ
この先何年掛かろうと
諦めたりはしない
少佐
どうした
まずいです
吹雪になります
ここにある装備では雪中行軍は無理だ
このままでは砦に辿り着けなくなる
どうしよう
ここ鉱山の町だろ
地下坑道を行けばいいんじゃないのか
なっ なんだよ
いっ いや こんだけでかい鉱山なら
山一つ越えた所まで坑道がつながっていると
お 思う
それだ
ヨキさん
元炭鉱経営者をなめるなよ
行けます
山の向こうに坑道が出てます
よし
砦のブリッグズ兵に会ったら
これを渡すといい
中に事情が書いてあるから
匿ってくれるだろう
すまない
あと問題はお嬢さんだな
我々と行動を共にするのはいいとして
行方が知れなくなったとなると
真っ先にエルリック兄弟が疑われるんじゃないか
なんとかなりますよ
自慢じゃないが 口八丁手八丁なら
いや 猜疑心の強いキンブリーのことだ
半端なことをすれば余計に怪しまれる
あの 自分でこんなこと言うのもなんだけど
その
私がスカーに連れ去られるっていうのはどうかな
連れ去られるって
それはつまり あれか
こいつを解放して
そう スカーが私を抱えて逃げる
それをエドたちが必死で止めようとするってところを
追っ手に見せる みたいな
んな危ないことできるか
命握られてるのよ
それなら こっちも命懸けで逃げなきゃ逃げきれないよ
でも スカーと一緒なんて
そうだ お前が命懸ける必要はない
そうやっていつもいつも
あんたたちだけで全部抱え込まないでよ
早く決めろ
吹雪が迫ってきている
じきにここから一歩も出られなくなるぞ
キンブリー隊が見えました
ちくしょ
スカー 余計なことしやがったら
分かっている 約束は守ろう
オレたちも
オレたちも連れていってくれ
信用されてないのは分かる
だから 手かせはしたままで構わない
キンブリー様は仕事のできない部下に容赦がない
どのみち殺される
それに
オレたちも諦めたくない
信じていいんだね
君たちがもし私たちの邪魔をしたら
この国は滅ぶかもしれんのだよ
君たちの大切な人も含めてね
ちょっと待て なんだそれは
中央軍ではそんな話 聞かされてない
詳しく教えてくれ
どういうことだ
これでいいのか
ああ その方がそちらさんも安心だろ
スカー ひと芝居頼むぞ
分かっている
誓いは守れよ
イシュヴァールの血に懸けて
お嬢ちゃん 耳 ピアス
それ金属製だろ
外しとかないと凍傷になるよ
エド
これ 預かっといて
砦で待ってるから
キンブリー てめぇ
なんで ちゃんとウィンリィを見てなかった
ザンパノとジェルソが心配だな
スカーにやられたか
この吹雪で動けないでいるのか
動けないのはスカーも同じ
必ずこの町のどこかにいます
今のうちに 再捜索の手はずを整えましょう
まったく この吹雪には助けられたな
今のうちに砦に辿り着いてくれよ
マイルズ少佐
ブリッグズから通信です
マイルズだ
なんだと
じゃあ 君はあのロックベル夫妻の娘さんなのか
両親をご存じなんですか
イシュヴァールを経験した医者で
彼らの名前を知らぬ者はいないよ
我が身を顧みずに医者の本分を貫いたと
理不尽を許してはいないのよ
耐えねばならんのだよ
国軍のしたことを許せというのですか
耐えると許すは違う
世の理不尽を許してはいかん
人として憤らねばならん
だが 耐えねばならぬ
憎しみの連鎖は絶たねばならぬ
負の感情が集まれば
世界は負の流れになってしまう
逆に正の感情を集めて
世界を正の流れにすることもできる
そのために私は錬金術を学んでいるんだ
おっ ここだ ここだ
なんだ ここは
坑内係員詰め所だよ
ここなら
おっ あった
ほら 坑道の詳細な地図だ
複雑だな 何がなんだか分からん
こう こう こう抜ければいいんだよ
ほう あんたすごいな
へへへっ もっと褒めろ
この分なら
思ったより早く山の向こうへ抜けられそうだな
なあ マルコー先生よ
あの研究書に俺達が元の体に戻るヒントは
あるんだろうか
可能性はある
何せ私たちの知らない錬金術だからな
期待してるぜ 先生
ああ 早く家族に会いてぇなぁ
くふふっ あれだけ女房の尻に敷かれてたくせに
会いたいのは娘にだけじゃないのか
そういうお前こそ
酒癖が悪くて
息子に愛想つかされてたじゃないか
今更会わせる顔あるのか
言いやがる
どうかしたのかい メイちゃん
いえ
私も国の一族が待っているのに
いつ帰れるかと思うと
生きている人々を材料にする賢者の石
そんなものを求めるわけにはまいりません
石はなくても
作り方を知れば
皇帝陛下は躊躇なくそれを試すでしょう
大勢の人々を犠牲にして
不老不死 一体どうすれば
その答えも
もしかしたら研究書に載っているかもしれないよ
早く砦にたどりついてじっくり読み解こう
はい
砦が安全じゃなくなった
アームストロング少将が
セントラルに呼び出しをくらった
砦にも中央軍が大勢入ってきている
おそらくキンブリーの進言に違いない
砦にいた時
やけにこまめに電話を入れていたからな
待てよ 少将がいなくなったら
代わりにブラッドレイの息のかかった
指揮官が配置される
じゃあ ウィンリィたちは
匿うのが難しくなった
それどころか 下手をしたら敵の手中に
なんとかウィンリィたちに知らせないと
この吹雪の中 追いかけるのは不可能だ
だからってほうっておけるか
オレは行くぞ
素人が吹雪をなめるんじゃない
あっという間に体力を奪われ 凍え死ぬぞ
あるよ 方法
疲れを知らない体を持っていて
凍え死にもしない人間
こりゃ想像以上だ
えっと 目印目印っと
あった
真っ白で何も見えない
なんだ今の
僕の肉体
なんで
そもそも別々の肉体と魂を
一緒にしようってのが無理なんだよ
本来 魂が入ってはならない体
拒絶反応
僕の肉体が魂を引っ張ってる
しっかりしろ しっかりするんだ
急がなきゃ
アルフォンス·エルリック
エドワード·エルリック
そして
ヴァン·ホーエンハイム
イズミ·カーティスも可能性あり
あと一人
未知の世界への旅立ち
日本語字幕仕上げ:FAYFAY
それは新しいものを求める心
漫遊字幕組 http://popgo.net/bbs
人ならば心を止めることはできない
だが そこには必ず軋轢が生じる
次回 鋼の錬金術師
FULLMETAL ALCHEMIST
第四十話 フラスコの中の小人
正しい者が勝つのではない
壁を乗り越えた者が勝つのだ
Can't find what you're looking for?
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