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♪~
うぉ… ヤバい なんかもう
変な汗 かいてきた~!
<「絶メシ」。
それは…>
<失ってしまうには あまりにも惜しい
歴史が積み重ねた その味と 味わい。
これは 平日に くたびれたサラリーマンが
そんな 絶メシに出会う
週末1泊2日の物語。
それでは 案内を開始します>
ただいま~。
どうしたの? う~ん…。
なんか 寝ちゃってたみたい。
大丈夫?
う~ん… 全然 そういうのじゃないから。
ジムの体験教室 行ったら ヘトヘトになっちゃってさ~。
そういうこと… あぁ。
はぁ~ ごめん。
晩ごはん まだだ。 急いで なんか作るね。
あっ 待って!
そういうことなら 俺が作るよ。
え~ ホントに?
いや 簡単なものならできるから。 リクエストは?
じゃあさ~ どうせ2人だし
今日は軽く ラーメンにでもしよっか。
インスタントの もらったやつあるから 戸棚の中。
わかった。 了解。
よろしく~。
《妻が 動けないときには 料理も作る》
《それが できる夫としての あるべき姿なはず。
しかし ここは うまくやらないとな。
なんか ずいぶんと 心配されてるみたいだし。
大丈夫 たかがラーメン。
普通にやれば 大きく失敗することは…》
《ピ~ンチ!》
<目的地まで 96キロ 1時間36分くらいかかります>
<週末 私は ちょっとした旅に出る。
1人だけの時間を満喫できる
私の 小さな大冒険。
ルールは3つ。 その1…。
期間は 金曜日の帰宅後から
妻の教室が終わる 土曜日の夕方までの 1泊2日。
その2 誰も誘わない。
誰も 巻き込まない。
その3…。
高速代 ガソリン代 食費
いろいろ含め 小遣いの範囲内に収める>
< そのために 必要不可欠なのは
車中泊…>
まさか 外国のとは思わなかったな~。
♪~
((加熱を始めます。
♪~
♪~
ねぇねぇ… 待って 待って。
2人分でしょ? うん。
水 少なくない? あ~ そっか そっか…。
うん 入れすぎ。
っていうかさ 2人分 作るには その鍋 小さすぎるでしょ。
あっ… だよね! うん。
大きめの鍋は ここね。
箸 出しといて。 はい))
《ふだんなら もっと やれたはずなのに…。
この視線が プレッシャーだったんだよな~》
おっ ヤバっ!
なんかもう 変な汗 かいてきた。
小さいぞ~! 俺!
♪~
《勢いで来てしまった 湘南 茅ヶ崎》
♪~
《茅ヶ崎といえば 有名人が多い町》
《海よ俺の海よ… か。
やっぱり 海の男は 言うこともでかいな。
よし 俺の海を探しに…》
さて いただきに行きますか!
よし。
♪~
食べたい。 はい。
あげません。 う~ん…。 ウソ!
♪~
《入れないな…》
(一同)イェーイ!
おぉっ! (一同)イェーイ!
(一同)乾杯!
♪~
《アウェーだな…》
♪~
《この町に 俺の海はないのか…》
《えっ 待って ウソ… あの感じ?》
♪~
《ここも 茅ヶ崎だよな?
この 申し訳なさそうな たたずまい。
これは まるで今の…》
俺だ。
《ここが… 俺の…》
《海だ!》
(一同)ウェーイ! いただきます。
どんどん飲んで。
恵美ちゃん 飲んでいいかな? だめに決まってるでしょ~。
《アウェーだ!》
そうだね~ まだ仕事中だもんね。
いらっしゃい。 あっ え~っと…。
お好きな席 どうぞ。
あっ はい。
お一人様で~す!
《時 すでに遅し》
《座ってしまった》
はい ありがとね。 ごちそうさまです!
ごちそうさまで~す。 ありがとう またな~。
ヘーイ。 ホイ。
ごちそうさまで~す。 はい いってらっしゃい。
はい じゃあね。 《アウェーだ…》
メニューが決まったら いつでも おっしゃってください。
はい。 フフッ…。
《この空気感 長居も居たたまれない。
揚げ物は さておいて ラーメン 定食。
早くできそうなのは… と》
あっ そうだ。 お客さん
定食のご飯は 言ってもらえれば
おにぎりにも 変更できますんで。
おにぎりに? ここに書いてある中から
お好きな具と 加えて トッピングが選べます。
《わからない。 なんだ?
ご飯を おにぎりにって…。
しかも 具にトッピング?》
オススメは さばしそ。
さばの具に しそのトッピングね。 うまいっすよ~。
あっ はい…。
《なんだ? 定食にすることも
まだ ご飯を おにぎりにすることも
伝えてないのに》 あっ そうだ!
《また きた!》
定食のおにぎりは 追加できるんで言ってくださいね。
はい。
《だめだ どんどんと 向こうの波に巻き込まれてる。
のまれるな 民生! お前が食べたいものは 何だ?》
すみません。 はい。
レバニラ定食 1つ お願いします。 はい レバニラね。
ご飯は どうします? じゃあ おにぎりに。
はい おにぎり変更ね。 具は 何にします?
あっ じゃあ さばで。 はい さば!
トッピングは? えっ あっ… じゃあ しそで。
はい さばしそ いただきました~。 はい。
追加は? 追加?
じゃあ たらこで。 はい たらこ。
恵美ちゃん たらこね。 は~い。 はい。
はい お待たせ。
はい レバニラ定食に さばしそ たらこのおにぎりね。
じゃあ ごゆっくり。 ありがとうございます。
《なんだか 思っていた感じの レバニラとは違うな…。
大きなレバーが 炒め物の上に そのまま のってる。
なんだか 本格的だ》
いただきます。
《うわっ! この味噌汁 濃い!
だけど 体にしみていく感じで
おいしい。 食欲が湧いてくる》
《では このレバーに いってみますか》
《う~ん 意外!
プリプリしてて 全然 臭みがない。
っていうか 普通のお店で頼む レバーよりも食べやすくて
味も しっかりしてる》
《中華料理屋のように本格的。
なのに 定食屋のように 小鉢も充実している。
いったい この店は なんだ?》
《ではでは さばしそ いきますか》
《んっ さばの塩気と しその香りが よく合う。
ご飯に効いてる塩気も いい あんばいだ》
どう? さばしそ。 間違いないでしょ?
はい。
さっきは ごり押しして ごめんね。
やっぱり お客さんには 自信あるもの食べてほしいからさ。
いえいえ おいしいです すごく。
でしょ? レバニラも臭み なくない?
うちの仕込みは 特別だから。
ホント ビックリしました。 うん ハハッ…。
で 小鉢 どうだった?
おいしかったです。 味噌汁 濃いめでしょ?
はい。 うちね サーフィンして
海から上がってくる お客さんも多いからさ。
《そうか! 動き回って 汗 かいたあとだから
いい あんばいなんだ》
もう まだ途中でしょ。 ゆっくり食べてもらってよ。
ねぇ~。
いや~ フラっと 来てくれる お客さんって
反応 気になるからさ~。
すみません まだ オープンして間もないんです。
そうなんですか? ええ。
去年 閉まっちゃった この店 引き継いで
リニューアルしたとこなんですよ。
以前のレシピも ほとんど 残ってないから
料理も まだ手探りで。
この人 もとは ただの美容師なんです。
美容師さん?
ええ。 この店ね うちのカミさんが
二代目として やってたんですよ。
でも3年前 突然 病気で亡くなっちゃってね。
50年も続いてた この店が なくなっちゃうの
さみしくてさ~。 俺も この店 好きだったしね。
((豪さん。
あっ 恵美ちゃん。
ちゃんと食べてないんでしょ?
はい。 ありがとう))
でも もともと この店で カミさんと働いてた恵美ちゃんが
形を変えたら やれるんじゃないかって
背中 押してくれてさ。
((しらすの次は 何にしようかね?
梅が いいんじゃない? あっ 梅 うん。
さっぱりしたものでね。 はい 梅ね。
梅))
(恵美)定食はできないけど
おにぎりの店だったら できるんじゃないかって。
(豪)それで まずは おにぎり屋として
再スタートしたって感じ。
だから おにぎりが あんなに…。
もちろん 最初は不安でしたよ。
美容師だから 当然 料理は専門じゃないしね。
あっ 気づきました? 外の看板。
看板? うん。
書いてあったラーメンと 定食の文字 一回 消してるんですよ。
当時 おにぎりしか できなかったら。
でもね 徐々にでも カミさんが 切り盛りした頃のメニューを
復活させたいと 思ってるんですよ。
まだ どれくらいかかるか わかんないけど。
そうなんですね。
あっ! そうだ お客さん
ちょっと ちょっと…。
これ カミさんが 当時 書いたメニュー そのまんま。
へぇ~ こんなに! そうなんすよ。
だから大変なんすよ~ ホントに…。
あっ ありますね レバー。
そう!
これはね 復活できたメニューの 一つなんですよ。
そうだったんだ。 そう。
しかもこれは レシピが残ってて
自分でも かなり 再現度が 高いと思ってるんですよ。
ねぇ 恵美ちゃん。 いや~ まだまだ。
えっ?
あの人なら きっと そう言う気がする。
あぁ そっか~。
そういえば たま~に 俺が 家で料理 作ったときも
カミさんの見る目 厳しかったもんな。
でしょ?
今でも どっかで 見てくれてる気がするんですよ。
でも その ありがたみが わかるようになったの
最近ですけどね。
そっか~ そうなんですよね。
あっ… あれ?
お茶出すの 忘れてた。
あっ。 恵美ちゃん。 あっ はいはい。
どんどん飲んでくださいね。 なんせ うちは 味が濃いから。
はい でも とってもおいしいです。
どうぞ。 はい。 どうぞ どうぞ。
じゃあ ごゆっくり。 はい。
《これまでの味と これからの味が
同居しているんだ》
♪~
《やっぱり うまい! どちらも うまい!》
はぁ~。
ごちそうさまでした。
いい食べっぷりだったよ。
お客さん 名前は?
須田です… 須田民生です。
じゃあ 民生くん… だね。
はい。
民生くん… また来てね。
あっ…。
《亡き妻の思いをつなぐ 湘南の地元食堂 ますや。
ここは 一度 絶えてしまった味を
復活させた 絶品メシ。
絶メシ フォーエバー!》
(バイブ音)
えっ? (バイブ音)
もしもし どうしたの?
なんだか 今頃になって 筋肉痛 出ちゃってさ~。
今日 買い物 行けそうになくって。
あ~ なるほど。
だから… なんか お弁当 頼んでもいい?
あっ でも だったら作るよ また。
今度 あの 失敗しないから。 えっ いいよ お弁当で。
でも 作るよ あの 作りたくなったから。
いいって! 無理しなくて。 ちょっと今度は
絶対 失敗しないで作るから。 え~ なんか 怪しい。
<今週も お疲れさまでした>
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