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(和宮)はよ 体きれいにして 上さんとこ 連れてっとくれやすか。
(瀧山)おんな…。
ま どんな気張っても➡
子はできひんけどなぁ。
♬~
⚟失礼つかまつります。
(家茂)瀧山。 和宮様をかたった女の間者にございます。
女! 直れ!
女の 間者。
事と次第によっては 成敗せねばなりませぬと心得ます!
しかし いささか妙ではないか。
和宮様を称しての間者なら せめて男子にせぬか。➡
かように あっさり捕まる まぬけな間者…。
し… しかし! (くしゃみ)
どうぞ。
ふん。 京の夜は冷えるし どういうことあらへん。
そうですか。 しかし 大事ござりませぬか?
は? 湯殿では 恥ずかしい思いをなさったのでは?
は。 江戸の地下もんなんて 虫けらと おんなじやないの。➡
虫けらに 裸見られても 痛うも かゆうもあらへん。
その物言い。
あなた様は よほど高貴なお方におわしますね。➡
いかなる事情で ここに?
おい! 気を失ったふりをしても無駄だぞ!
女! 女! 瀧山。
(土御門) 致し方なかったんでございます!➡
ほんもんの和宮さんが 首をくくってしまわはったんですから!
首を。 江戸に下るんは➡
どうしても お嫌やったようで。
さような事情なら 常ならば帝にお伺いを立て➡
別の男子をと なさいませんか?
そんなことしたら 岩倉の思うつぼです!岩倉?
薩摩と組んでる岩倉ちゅう いやらしい公家がいてるんです!
そこに同じ年頃の宮さんがいたはって。
あの そもそも あの方は誰なんです。
ほんもんの和宮さんの姉なんです。
あの子は 生まれつき 左手がなかったもんで➡
人前に出さんと育てさせたんです。
そんな身の上なんで いんようになっても いぶかる者も ほとんどあらしませんし。
あの ひょっとして。
同行して頂くために 男のなりをしたはりますけど➡
宮さんのお母君の 観行院さんにございます。➡
私は 姉宮さんの乳母をしておりました➡
土御門にございます。 はぁ。
(土御門)さぁ どうしはります!? 私らをお手討ちにしはりますか!?➡
帝に ようも徳川をたばかったと 訴えはりますか!?
どっちにしても 公武合体なんて ご破談になると思いますけどねぇ!
口を慎まれよ! (家茂)瀧山。
では 宮様が女性であること これを固く秘すこととします。
♬~
おやすみなさいませ。 和宮様。
♬~
(観行院) お目覚めになってよろしうございます。
宮さんのおかげで 万事うまくいきましたえ。
うん。
はい。
(天璋院)宮様は偽者で女。➡
だが このまま行くと? は。
面倒なことに 帝は この事情 ご存じないらしく。
ようやくなった公武合体を➡
水の泡とするわけにはいかぬ ということか。
しかし いくら秘したところで お姿 お声から➡
宮様が女性と気付くものも 出るのではあるまいか。ええ。
ですので 今は とにかく➡
「宮様が女であること」を隠し通すことに 力を尽くそうかと!
上様のおなーりー。 (鈴の音)
御台様は? ご病気か?
(仲野)まことに高貴なご身分の方は そうそう人前にお姿を現さぬそうですよ。
では あの几帳もか?
(仲野)はい。 お姿を人目にさらしてはならぬそうです。
⚟(笑い声)
(絵島)何や 江戸くさいなあ。 (笑い声)
ごきげんよう。 待てい!➡
恐れ多くも上様の御前に出るかもしれぬ 大奥で はだしとは何事か!
はぁ?
我らが 下沓を履くんは 帝のお許しを賜った時だけ。
東の代官にまみえるほどのことで とてもお許しなど。
東の代官!? 上様のことを東の代官だと!?
み… 帝から見たら代官やおへんか。
しかも異人一つ打ち払えへん腰抜け。
おのれ! ⚟皆の者 静まれいっ!
(仲野)瀧山様。
何や。
絵島殿 この者たちの短慮 それがしからも お詫び申し上げる!
瀧山様! どうか どうかお許し願いたい!
ほれ そなたらも! は。
まぁ これからは 分をわきまえとくれやっしゃ。
(笑い声)
瀧山様 いくら何でも度を越しておりまする!
何故 我らが これほどの非礼に耐えねばならぬのです!
すまぬ!
すまぬ! このとおりじゃ!
この度のご婚儀は 徳川から頼み込んでのこと。
どうか この国のために堪えてほしい!
頼む!
すまぬ!
(仲野)驚きました! 瀧山様は お芝居もお上手なのですね!
頭などは いくらでも下げるが…。
あちらも もう少しわきまえて下さるとなぁ…。
(中澤)御所のうらなりどもに けんかを売るなと言われるのですか。
向こうも 帝に黙ってやっていること お互いのために仲よくやるのが一番だと➡
やんわり諭してほしいと 瀧山からな。
⚟宮様のお見えにございます。
(天璋院) ようこそいらっしゃいました 宮様。➡
どうぞお座り下さいませ。
(土御門)宮さんに どこへ座れと。
中澤! 敷物を! はっ!
あんたらの気持ちは よう分かったわ!
まこと面目ない! 天璋院様 さような。
こちらこそ面倒なお願いをし。
あの ふだんのご様子から見て➡
宮様が これはお好みだな というものはございますか?
あ お食事かも。
まずいだの 味が濃いだの 文句ばかり言うておらぬか?
しかし そう仰せの割には 皆様 きっちり お代わりまでなさるのですよ。
お食事。
(和宮)何やな これ。
(家茂) 南蛮由来のカステラという菓子です。➡
卵と砂糖がたっぷりで 滋養もありますし 大層おいしうございます。
ささ どうぞ召し上がって。
いらんわ。 真っ黄っきで 薄気味悪い。
そうおっしゃらず。 義父からの詫びゆえ お一口だけでも。
ふん 一口だけやで。
いかがです?
こんなん 花びら餅に比べたら あじないわ。
花びら餅?
甘う炊いた牛蒡と白みそのあんを 求肥で包んだあるんや。
お正月のお菓子で。
まぁ ご… 牛蒡を? みそのあんで!? まあぁ。
(和宮) 何や あんた 甘いもん そんな好きなん。
はい。 昔から甘い物ばかり食べ 虫歯になると よう乳母に叱られまして。
ふーん。 こっちは さほど甘いもんなんか 食べられへんかったしな。
虫歯にならへんでよかったわ。
宮様が甘い物すら お口にできぬとは。
こちらが いかに朝廷を粗略にして 参ったかの証左にございます!➡
何とぞ…。 いちいち嫌みを真に受けんといてくれる?
せっかくのカステラが まずなるわ。
まずくなる?
では おいしいということにございますね?
お気に召して頂けたと。
そこそこ。 そこそこや!
はい! でも うれしうございます!
残りは 皆様で ぜひ ご賞味下さいませ!
♬~
お母さん お母さん これ ほんまに美味やから➡
はよ召し上がっとくれやす! 土御門も! はい。
うん! な! おいしおすやろ?
和宮さんに…➡
ほんもんの宮さんに 食べさせてあげたかった。
薩摩の久光が 朝廷よりの勅使として江戸に来る!?
(板倉)はい。 表向きは勅書を運ぶ 勅使の警護役という体でございますが➡
まことのところは 薩摩から朝廷に➡
幕政の改革を命ずる勅書を出せと 働きかけたようです。
薩摩が勅書の体で こちらに求めてくる中身とは何なのだ。
安政の大獄で罰せられたものたちの復権。 および…➡
一橋慶喜公を将軍後見職につけよとの話に ござりまする。
慶喜公を 私の後見に。
要するに 水戸や薩摩は 将軍家から 力を剥ぎ取ってしまいたいのです。
分かった。
では せめて先手を打とう。
(家茂)勅使殿におかれては 江戸への長旅 まことにご苦労に存じます。
島津大隅守も 警護役大儀であった。
(家茂) さて これなる勅書を拝見する前に➡
私から帝に 一つ お伺いしたき儀がござります。
してそれは。
公武合体をより確かなものとするため➡
一橋慶喜公を 私の後見として据えたく存じますが➡
いかがなものでござりましょうや?
それで 幕府は朝廷の命には逆らえぬ という態をお避けになったわけですか。
所詮 小手先のこと。 実際 起こることは同じですし。
けれど これは そう悪いことばかりでは ないと思うのです。
慶喜公は英明で 朝廷や薩摩などの覚えも めでたいわけにございますし。➡
公を通せば幕府の考えも伝わりやすくなる 側面もあるのではないかと。
そう願いたいですがね。
<こうして 慶喜公は 歴史の表舞台に躍り出てきたのである>
(笑い声)
あ~ もう笑いが止まらへんわ!
そらもう幕府は 何の力もないちゅうことですがな!
(絵島)ほんまに! 朝廷に言われたら 何一つ逆らえませんいうことやな。
(笑い声) ほな もう京に引きあげたらあかんの?➡
ほれ 徳川に もう力もないんやったら 公武合体なんか無用やないの?
お母さん それは。 (土御門)それはあきまへん!
京に戻ったら どう気張っても こんなお手当 もらえまへんし➡
貧乏暮らしに逆戻りです!
それに 何や 志士とかいう輩が うろつき回ってて➡
えらい物騒なことになってまんのやろ!? (土御門 絵島)なあ!
そんな。 そんな恐ろしいとこに 和宮さんは お一人でいたはるいうこと!?
か… 観行院さん。 お声が高おす。
(絵島)そうです。 それは決して言うたらあかんやつです。
なぁ 帰れへんの?
あの子は あんたみたいな 肝の据わった子と違うんよ。➡
知ってるやろ。 優しうて こまやかな。 私が守ってあげへんと。
お母さん。 このお輿入れは政ですから。
こちらの気持ちだけでは どうにもならへんのです。 どうか。
あ ちょっと… 観行院さん。 ちょっと。 ちょっと。
♬~
回想 この宮さんは生まれてなかったと 帝には申し上げ奉ります。
けど 経子。 そんなことしたら 帝からの養い金も頂けんようになるで。
もう一人 もう一人 必ず 健やかな宮さんを産みますから!
あんな あんな子…。
(赤ん坊の泣き声)
帝も お喜びあそばされて。➡
ほんに宮さんは ええ子 この家の光やわ。
♬~
(家茂)大事のぅございますか?
あぁ。 今日は何。
今日は ご一緒に これをと。
(和宮)これ 花びら餅? 御膳所に伝えて作らせてみたのです。
あんた ほんま甘いもん好きやなぁ。 ふふ。
宮様もお嫌いではない口と お見受けいたしましたけど。
そうそう この味。
あの 宮様。
もし それほどに京に戻りたいのなら 何か手だてを考えましょうか?➡
先ほども 夢に見てらっしゃったのでは?
違う! あれは!
とにかく! とにかく それほど戻りたいいうわけやないの。
変に気回さんといて。
そうですか。
あ… けど ひとつ お願いはあるんや。
琉金は お好きで。 あ… はい。
どうぞ。 この琉金は観行院様のものですから。
え 私の?
(家茂)慣れぬ江戸暮らしをさせている 母上様への せめてものお慰みにと➡
和宮様から承ったものにございます。
わざわざ言わんでもええのに。
なあ お母さん。 きれいやろ。
ええ。
⚟(土御門)あの 天璋院さんが こないだのお詫びをじかに言いたいて。
もう ええけどな。
先日は 心配りが行き届かず ご不快な思いをさせてしまいましたこと➡
心よりお詫び申し上げます。
もう よろしおす。 くどいわ。
(天璋院)そうは参りませぬ。
天璋院 同じく 輿入れした身の上といたしましては➡
何としても 宮様のご無聊をお慰めいたしたく。
本日は かようなものを。
中澤。 (中澤)は。
(鳴き声)
愛らしうございましょう。
あの 義父上。
金魚。
中澤! (中澤)はい!
出直してまいります!
なんと 間の悪い。
(観行院の笑い声)
おかしおすなぁ なぁ お母さん。
<そんな頃 ある一つの事件が起こった>
なんと あの島津様のご一行 生麦村ってとこで➡
エゲレス人を斬り殺したってよ!
何でも そのエゲレス人 殿様に道 譲らなかったって話さね。
礼儀知らずの異人を斬り殺したんかね!
薩摩の侍は! やるねぇ!
そうなんだよ やりやがったよ アンチクショー。 さぁさぁ…。
(勝)皆 浮かれてますが こりゃ恐ろしい話でございますよ。➡
私がエゲレスなら 途方もない額の金を吹っかける。➡
もしくは 戦を仕掛けて ガバッとなんてことも考えますよ。
もし 薩摩がエゲレスと戦などしたら。➡
実際に異国の力を目の当たりにすれば➡
一転 開国派に などということはあろうか。 勝。
いや いくら何でも そんなに ころりとは。
(勝)とも言い切れませぬか。
いや 実は この間 攘夷論者の坂本って浪士が➡
私を斬りにやって参りましてね。
西洋は 蒸気で動く船も車なんてのも作れる➡
船からドカンと江戸市中に撃ち込める 大砲だってあるなんてな話をしたら➡
すっかり開国派になって 帰っていきましたよ。
そういうこともあるのか。
私が上洛…?
(慶喜)はい。 あまたの兵を引き連れ 華麗に上洛し➡
帝に拝謁して頂きたく。➡
もう話はついておりますので。
一体 どのような経緯で さようなことに。
攘夷を決行するとの約束で 和宮様を降嫁させたのに➡
幕府は一向に攘夷を行う気配がないと 帝は お怒りで。
今更 攘夷など。
異国に向かって約束を違え 再び国を閉ざせば➡
それこそ攻め取られる。➡
まずは後見役として 公の口から そこを帝にお伝えしてくれぬか?
私が朝廷側の機嫌を損ねるわけには 参らぬではないですか。
は?
少しはお考え下さいませ。
私は 水戸 薩摩 そして 朝廷側の 攘夷の期待を背負って復権した身。
今ここで 彼らの機嫌を損ねたら それこそ公武合体など露と消えましょう。
故に ここは ひとつ 上様に華麗にご上洛願いたく。
そこに どれほどの意味が。
要するに 帝のご機嫌取りにございますよ。
何より大事にございましょう。 ご機嫌取り。
(和宮)ひどい男やなぁ。 その慶喜いうんは。
要は 己は泥かぶりたないから 上さんを上洛さして➡
ごまかしたろいう話やんか。 それ。
けれど こうなった以上 帝とお話しできる よい機会と捉えようかと。
よい機会?帝とも膝を突き合わせ お話しすれば➡
攘夷派から開国派へと なって頂けるのではないか と。
上さんに そんなことできんの?
分かりません。 けれど やってみる値打ちは。
あ そうでした。 宮様のお名前を教えて頂けますか?
私の? 何で?
この折に 帝には宮様のことを お話ししようと思っております。
え?
このままでは 何か起こった際 宮様は どこの誰とも分からぬ➡
ただの和宮様の偽者と されてしまいます。
でも 帝から 妹宮であられることの証しを頂ければ➡
その扱いは丁重なものとなると 思うのです。
何で 私のために そんなことまでしてくれんの?
宮様が 私のもとにいらしてくれたからです。➡
宮様が来てくれたおかげで 徳川は なんとか公武合体の体裁を保てている。
大事な かけがえのないお人だからです。
私は別に 徳川のために来たんやないんや。
存じております。
ご実家のために 弟宮様の身代わりに。
ほんもんの和宮さんな ほんまは 今も生きてるんよ。
存じて…。
え!
私は… ただ 母を独り占めしたくて ここに来たんや。
私は 手ぇがなかったから 生まれへんかったことにされて➡
人目につかへんよう育てられたんや。
(和宮)それでも ちっちゃいうちは 母も部屋に来てくれて➡
かわいがってくれてな。➡
でも それは 弟が和宮が生まれるまでやった。➡
母は健やかな弟に夢中になってな。
しばらくして その弟に 徳川への降嫁の話が出てきたんや。
回想 いややあ! いややあ! (観行院)和宮さん こらえて! こらえて!
何なん あれ。 公武合体とやらで➡
徳川に婿入りする話が 出てるんやそうです。
へぇ。 嫌やったら 断ったらええんと違うの?
ぎょうさん お金がもらえるそうで。
ほんで 観行院さんが 自分が男のなりしてでも➡
ついていくし言うて なだめたはって。
お母さんが? ついていく?
(観行院)和宮さん! アホなこと考えんといて!
⚟ほな 私が代わりに行くわ。
私が代わりに徳川に行くし➡
和宮さんは ご自害しはったいうことにして➡
出家したらどや?
けど けど あんた 女の身で お婿さんなんて すぐに知られますがな。
女のお婿さんを迎えたなんて 徳川には大恥。
受け入れるしかなくなるはずや。➡
それに気付いたかて 和宮さんは もうこの世にいてへん人➡
どうにもならへんやろ。
宮さんも ほんまは死にたくなんかないやろ。
♬~
決まりや。 ほしたら お母さん。
土御門だけでは心もとないし➡
男のふりをして 私についてきてほしいんよ。
え?江戸に下る途中で 私が替え玉やて知られたら➡
和宮さんも どうなるか分からへんで。
分かりました。
和宮さんのためやったら。
(和宮) これで お母さんは私だけのもんやって。
ほんで こういうことになったわけや。
(和宮)な… 何で泣くん。
さような思いまでなさり まことに よくぞ ここにいらして。
あんた 話聞いてた? 私のしょうもないたくらみのせいで➡
あんたは さんざんな目に遭うてる いうことなんやで。
でも そのしょうもないたくらみのおかげで➡
和宮様は亡くなられずに 済んでいるではないですか!➡
私は 人を死のふちに 追いやらずに済んだのですよ!
お気付きになりませんか?➡
宮様は知らぬうちに 多くの者を救ってらっしゃるんですよ?
そんなふうに考えるん 上さんくらいやで。
私だけではないと思います。
宮様。 江戸への道中で➡
何か お気付きになったことは ございませんか?
何か? て…➡
思てたより ずっとずっと ええ旅やったわ。
(和宮)宿の者たちは 土地の大層ええ料理を出してくれて…。
(和宮)布団は暖こうて 柔らこうて➡
きれいなお花が生けてあって。➡
えらい心尽くしされてるなって。
それは 民にとっても宮様が光だからです。
は?
日々を暮らす民にとっては はた迷惑でしかない戦。
公武合体は これを避けるためのものです。
そのために 住み慣れた京を離れ 江戸へ下って下さる勇気ある宮様。
これが光でなくて何でしょう。
(家茂)そのお方が そこにいらっしゃる ただそれだけで➡
図らずも 救われる人間が 山のようにいる。
そのようなお方を 世の光と呼ぶのだと 私は思います。
あんたは ほんま いちいち真面目で肩凝るわ。
すみません。
ほんま もうやめて。
♬~
さてさて。 今日も上様お一人の総触れですか。
まぁまぁ そのうち上様もあきれて 我らを選んで下さるかもしれぬぞ。
おい。
(鈴の音) 上様のおなーりー。
♬~
♬~
ほっと一息にございます。
和宮様が総触れに出られるようになって 京の面々とのいさかいも減りまして。
しかし 一体 上様は どのように 宮様をお口説きになられたのでしょう。
あの方は 人に心を寄せるに 天賦の才をお持ちだからな。
♬~
(天璋院)言いかえれば それは 相手の懐に深く潜り込む才。
ひょっとすると 帝の御心も つかんでまいられるやもしれぬ。
♬~
<文久三年。 家茂公は3,000人の供を連れて 上洛をなされた。➡
家光公以来 実に229年ぶりのことである>
将軍さん 女なんやろ。 どんななりで来はるんやろ。
ゴテゴテに着飾った江戸風。
こび売って 十二ひとえでも 着てきはるかもしれへんなあ。
どっちにしても 笑たりましょ。 (笑い声)
♬~
内大臣兼右近衛大将源家第十四代 徳川家茂にございまする。
本日は かように参内がかないましたこと 恐悦至極に存じまする。
(孝明帝)そちは 確か 女であったなあ。
はい。 しかしながら 女の身で女の装束で➡
まさかの折 いかにして 帝をお守りすることがかないましょう。➡
右近衛大将 家茂。➡
命ある限り 帝をこの日の本 神州をお守り奉るべく➡
江戸より参上いたしました!
♬~
そろそろ 京に着かはった頃かいな。 なあ。
(物が割れる音)
次の上さんは あのすかんタコで ええと思てる?
家茂。なぜ 突然 あなたが 開国に異を唱えるのです!
いやぁ。 しかし…。
薩摩の芋の下に徳川が列するなど!
大切な方たちをこうもお守りできず。
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