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(寺田)はぁ~…。
はぁ はぁ~… ダメじゃん ここ。
金になりそうなモノなんか 何一つないし
廃棄の手間と手数料で赤字だよ。
御子ちゃん?
御子ちゃん 御子ちゃん。
(八雲御子)分かってます…。
いや その 「めんどくさいなぁ」 みたいな態度はどうだろう。
そもそも 御子ちゃんの希望で ここの整理を始めたわけで…。
それが 「なんでも屋」 寺田リサイクルの仕事でしょ。
(寺田)金めのモノがないんじゃ 意味ないの。
「金になる仕事なら なんでもやりますよ」の
「なんでも屋」なんだから。 はぁ…。
ねえ そもそも なんで こんなことしてんの?
・~
やっぱ 人使い荒いんだよな。
・ ワン! ワン! ワン… (犬の鳴き声)
・~
(まくず) えっ… もしかして 見えてます?
マジか! やっと話せる~。
えっ えっ 私 話すのいつぶり?
さあ…。 1年ぶり?
ここ リフォームすんのに 業者が入ったんだけど
話しかけても ガン無視だったのよね。
オバケでも 幽霊でもいいけど 暇なのは マジ勘弁。
でも よかった~ 話し相手ができて~。
・ えっ? ちょっと~ 何?
死因は? ・(まくず)急性アル中。
・ クリスマスに ナンパしてきた男 何人かに
・ テキーラだか ウォッカだか 一気させられちゃってさ
・ トイレで吐きながらお陀仏。
・ 私の名前は まくず。 あんたは?
八雲御子。
・~
見える人って珍しくない? なんで なんで?
なんで見えんの?
ちょっと~ つまんないじゃ~ん。
何 人見知り? せっかく友達になれたのに。
友達じゃない。 聞こえてんじゃん!
なんか傷つく~。
・~
気になっちゃう感じ?
(まくず) ねえねえねえ なんで見えんの?
遺伝。 お母さんが そうだったから。
(まくず) へえ~。 どんな人? 仲いいの?
もう死んじゃった。
うちも ママは 早くに死んだ。
そのへんも似てるね うちら。 いい友達になれそう。
ねえ なんか 思い残すこととかないの?
みんな それがあって 成仏できないんだけど。
んん~… ない!
でも 成仏はしたいでしょ?
別に。
一つ 心残りがあるとすれば プレゼントかな。
人に クリスマスプレゼントを 送ったんだけど
リアクションを確認する前に 私 死んじゃったんだよね。
じゃあ それ 確認したら成仏できる?
(まくず) そんな気もするけど 別にいい。
相手 親だし。
親…。 父親。 仲悪かったんだわ。
でも 親子でしょ。
会っといた方がいいんじゃない。
あっ 御子って 親と仲よかったんでしょ。
だから 説教とかできるんだよ。
都合が悪くなると すぐ黙る…。
もういい。 つまんない。
親と仲よかったかなんて
自分でも分かんない。
死んじゃってるんだって知ったのも 最近だったし。
小さい頃 離れ離れになって
会いたくても会えなかったし…。
・(まくず)やっぱ 確認してきてもらおうかな。
・ せっかくあげたプレゼントだし 喜んでくれたかどうかくらい
・ 知りたい気もするし。 うん。
・(まくず) それに 友達の勧めだし?
友達じゃない!
(まくず・回想) 川沿いの道を曲がったら
3軒並んだ 古い長屋があるんだけど
そこのいちばん奥が実家。 しばらく帰ってないけど
かなりのボロだから びっくりしないでね
コンコンコン
あっ… すみませ~ん。
コンコンコン
(まくずの声) 引っ越しでもしたんじゃない?
まあ しかたないよ。
気にならないの? お父さんのこと。
(まくず)ありがと。 もう大丈夫。
そう…。
御子の家にはさ 何歳まで サンタさん来てた?
んん~ どうだったかな…。
うちは9歳。
・~
(まくずの母)ああ~ ついた
(保)じゃあ まくず ふぅ~ってして。 よし。
やった~! (まくず)うわぁ~!
(保)メリークリスマス! (まくず)メリークリスマス!
(まくずの母) よし じゃあ 食べよっか
(保)ちょっと その前に 写真撮る。 ねっ 写真撮るよ
(まくず)私 毎年 プレゼントをくれるサンタに
お礼の手紙を書いてたんだけど…。
・~
(まくず)ある日 それが なぜか 父親の机の中から出てきて…。
それで サンタなんかいないって 分かった。
それ以来 手紙も やめちゃった…。
お父さんは?
スマートに サンタ代わりが できるような父親だったら
もっと 仲よくできたのかもしれないけど。
次の年 初めて 父親と
2人だけのクリスマスになるなぁ って思ってたら…。
私 一生懸命 パーティーの準備してたのに…。
(まくず)まさかのすっぽかし。
父親は新聞記者で 休みなんて
あってないようなもんだったから。 サンタとは それきり。
(まくず)次の朝 お詫びのつもりか プレゼント買って帰って来たけど
すねて開けなかった。
それからは もう クリスマスなんて見て見ぬふり。
早く大人になりたかったし。
父親も 相変わらず それどころじゃない感じで。
でも 去年は送ったんでしょ? プレゼント。
一応ね 一応。
社会人だし 娘だし そんなもんでしょ。
(まくず)何?
明日 もっかい捜してみる。
(まくず)いいって言ってんじゃん。
私も 同じだったから。
・~
お母さんと離れて 私は おばあちゃんと2人暮らし。
おばあちゃんは優しかったけど
クリスマスとか 行事ごとになると ちょっと寂しくて。
でも 最後に ちょっとだけ会えたんだ。
お母さん!
(深月)御子 泣いちゃダメ
笑って
話ができて 本当にうれしかった。
(公比古)すげぇ金。 (雷土悟郎)おい!
急に のぞくなよ。 (公比古)汚ぇ金だろ どうせ。
きれいも汚いもないんだよ。
お金に罪はないの。 全部 きれいなの。
(公比古)へえ~… で 何に使うの。
何に使うのって これは 御子の金だよ。
あいつのために使うんだよ。 悟郎さん?
おう。 (公比古)へへっ 御子!
調子はどうよ? 部屋の。 んん~ 今度のは
ず~っと しゃべってる感じ。 (公比古)ああ~ 分かるわ~。
寂しいんだよ 部屋に ず~っと一人だから。
そんなん ほっときゃ 1か月もしないうちに
引っ越しだよ。 それは そうなんだけど…。
(公比古)幽霊に出てけってわけにも いかねぇもんなぁ?
いや 成仏させてしまおうかと。
(公比古)おう。 今 幽霊の父親を捜してて。
まくずは 死ぬ前に送った プレゼントが気になって
成仏できないでいる。 から…。
悟郎さん まくずの父親が どこに移ったのか
大家さんに確認してもらえない?
やめとけ 御子。
この間のチンピラもそうだけど
そもそも シカトしときゃいい話を お前
ほじくり返そうとしてんだろ。 だって あの子
ずっとしゃべってるし 四六時中うるさいんだもん…。
あっち側のヤツに関わり過ぎんな。
危ないから もう そのへんでやめとけ。
危ないって 何。
姉ちゃんみたいに 戻ってこられなくなるぞ。
深入りするな。 分かったな。
分かった。
うん。
私だけで なんとかする。
おい! (公比古)はははっ あぁ~あ。
・ キーン コーン カーン…(チャイム)
(はぐむ) おせっかいなんて珍しいじゃん。
だって 成仏してくれないと うるさいんだもん。
(はぐむ)ほっとけないだけだろ。
御子って そういうタイプだっけ? うるさい。
(はぐむ)でも お前 オバケの世話 焼いてる暇があったら
自分のことした方が いいんじゃねぇ?
自分のことって?
(はぐむ)亜樹人に言ったの? オバケが見えるって。
んん~ 微妙…。
言ったは言ったけど 信じてないかな?
これからも 亜樹人と一緒にいるつもりなら
隠し通すのは難しいだろ?
オバケの世話焼きを続ける気なら なおさら。
分かってるよ~。
言っちゃえよ。 全部さらけ出すのが
「愛」だろ 「愛」。
・~
シュー(スプレーの音)
(王)リーダー クリスマス チョット早くない?
(亜樹人)いいの。 日本じゃ ハロウイーンが終わったら
すぐクリスマスなの だから そういう商売をするの。 はい。
(王) ちなみに クリスマスのヨテイは?
僕? バイトですけど…。
・~(店内BGM)
(亜樹人)しかたないでしょ みんな 休みたいって言うんだから。
せめて 僕くらいは出勤しないと。
(王)カノジョ ガッカリするよ。
御子ちゃんは 彼女じゃありません。
(王)ダレかに とられちゃうカモね~。 イイのか?
ウィーン…(自動ドアの音) (亜樹人)いいわけないでしょ!
クリスマスなのに!
メリークリス… マス。
御子ちゃん…。 あっ ちょっ…。
あの… ちょっといい?
あっ い… いや あの~ まだ ちょっと…
僕 まだ休憩じゃないから。
リーダー 休憩 いいよ~。
あの… 御子ちゃん
もしかして また 危ないことしようとしてる?
あっ ううん。 あの… 危なくない。
けど 一人じゃ ちょっと大変で。
そっか…。 うん。
分かった 協力する。
どうして すぐ分かって
どうして すぐ協力してくれるの?
それは だって
御子ちゃんの力に なりたいから… だよ。 うん。
私が…
普通じゃなくても
力になりたいって そう思う?
あのときの話?
(梶)なるほどな。 床下収納に 純也の幽霊がいて
成仏させるために お前らが動いてると
はい
・~
御子ちゃんって 幽霊 見えるの?
・~
いや 見えない…。
・~
いや まあ そうだよね…。
なんか 変なこと聞いちゃって ごめんね。
ううん…。
父親の居場所が見つかったよ。
どこに引っ越したの? お父さん。
いや 引っ越しじゃなくって 正確には 入院。
1年ぐらい前に 大病が見つかったんだってさ。
どこの病院?
ここ…。
これで最後だからな。
成仏さしたら 向こうの人間には関わるなよ?
分かった…。
ありがとう。
はじめまして…
あの… まくずさんの友人の八雲御子です。
まくずの友達?
はい。
ご存じかどうか分かりませんが
まくずは もう亡くなって。
あっ はい。 あの… 知ってます。
あっ 亡くなってるの?
いや あの… 生前に
彼女に頼まれていたことなので…。
どのようなご用件でしょうか。
まくずさんから プレゼントが 届いてると思うんです
1年くらい前に。
プレゼント?
あっ そのころには
もう ここに入院してたから…。
受け取られてはいないんですか。
あの子とは しばらく 連絡も取れてなかったから…。
そうか… プレゼントか…。
行方不明だ まくずのプレゼント。
遺失物扱いに なってるんじゃないかな。
送り主にも 届け先にも 荷物がない状況でしょ?
だとしたら 遺失物として 警察に 預けられてるんじゃないかな。
詳しいね。 ふっ… あっ…。
いや あの~ うちのコンビニさ 宅配の受付もやってるから。
でも 警察にあったとしても
僕たちが受け取るのは 難しいと思うんだよね…。
警察か…。 うん。
あっ。
ザァー…(雨音)
(西前)悟郎ちゃん 本気で ここ買うの?
こんなシケた土地…。
本気も本気ですよ。
(西前) もっといい土地 紹介できるよ?
ここじゃ 駅もコンビニも遠いよ?
いや こんなシケた土地に
御子が生まれ育った家が あったんで…
また 帰してやりたいんですよね。
へえ~。
ほら いつまでも 事故物件
たらい回しにするわけにも いかないでしょ。
学校も出してやらないと。
あいつ 結構 いい絵 描くんですよ。
過保護だねぇ。
いやぁ 家族ですから。
(マナーモード)
はいはい?
警察?
いや まあ 知り合いは いないことはなくはないけど…。
ああ… 分かった。 聞いてみるよ。
御子ちゃん?
あいつ 最近 人使い荒いんですよね。
ふっ…。
・~
(銭亀) これだろ 「大野保」宛ての荷物。
すみません どうも… うちの姪っ子が
わがまま言いまして。 じゃあ 失礼しま~す。
(銭亀)高ぇぞ。
やっぱり タダってわけには…。 いかねぇよ。
それが たとえ遺失物であっても これは 立派な
業務上 横領なんだから。 ですよね…。
はい。
・~
中身 何なんだよ。 いや 何なんすかね。
姪っ子に頼まれただけなんで。
姪っ子 姪っ子って過保護だなぁ。
・~
聴いてください 1曲目 「ヘバ! GOODBYE」。
もう いいかげん 成仏しろよ。 やっぱ 見えるんでしょ? 幽霊。
話したかったな… まくずと。
御子ちゃんにしか できないことでしょ。
メリークリスマス。
(御子)
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