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(原田幸太郎)慰謝料は 50万から100万が せいぜいですね。
(妻)夫を寝取り その上 私に嫌がらせをしても→
それっぽっちなんですか? それっぽっちです。
それっぽっちのことに 時間とエネルギーを費やすより→
慰謝料はいらないと 太っ腹なところを 相手の女に見せたらいかがですか?
相手は心底 「負けた〜」と思いますよ。
そうですね。 やめて! その声 聞くのも不愉快なんだけど。
ならば 奥様 離婚されてはどうですか?
声も聞きたくない相手と一緒に暮らしても 意味はないでしょう。
そんな… ひとりになったら 生きていけません。
財産分与については お任せください。
奥様の生活が成り立つよう ご主人と ご相談しますので。
あなたは それでも弁護士さんなの?
クライアントの利益のために働くのが 弁護士です。
あなたは そもそも→
結婚という名の 曖昧なしあわせを 信じすぎておられる。
人間は しょせん ひとりです。
2人でいたほうがしあわせという つがいの幻想から解放されれば→
逆に お二人は 友人として 婚姻中より仲良くなれると思いますよ。
だって 元夫婦なんですから。
慰謝料を請求し 嫌々 結婚生活を続けるより→
建設的だと思います。
いいですね〜! 離婚されたら さっぱりしますよ。
これからが 本当の お二人の人生です。
あの… 先生も 離婚なさったこと おありなんですか?
いえ 結婚の経験はありません。 (今泉憲資)所長は独身主義ですので。
〈俺は 元検事だったが→
検察の在り方に いろいろ失望して 弁護士になった〉
〈冤罪事件で無罪を勝ち取ったら テレビから声がかかって→
ニュースショーの レギュラーコメンテーターになった〉
〈火曜日の朝は 5時起きだ〉
(梶原 拓)元検察官として この事件 どう思われますか?
民主政治の基本は 三権分立ですよ。
検察が 何か言われて揺らぐなんてことは あってはならないんです。
〈今では 半分 タレントみたいになっている〉
(司会)さあ いよいよ 次の1問で優勝が決まります。
(司会)現在 トップは 弁護士 原田幸太郎さん。
(ナレーション)この歴史用語は 何?
(司会)決めるか? 初優勝へ。 トップの原田さん どうぞ。
(司会)決めた〜! (拍手と歓声)
(司会)いった! 原田幸太郎さん!
(拍手と歓声)
〈討論番組にも しばしば呼ばれ→
街を歩けば 声をかけられるようになっていた〉
〈これが 面が割れるってことなんだ〉
(椋田)原田さんは独身でしょう。
ちょっと待って… 独身だから なんなんですか?
そういう既成の概念が この世を住みにくくしてるんですよ。
論点をずらしすぎですよ 椋田さん。
テーマは 少子化と教育なんですからね。
(司会)じゃ VTR。 (AD)VTR 12分です。
お手洗いに行きたい方は どうぞ。 5階と6階に分かれて ご案内します。
♬〜
ああっ…。
(AD)は… 原田さん! 大丈夫ですか!?
どこが痛いんですか!? 救急車を…!
(椋田)誰か 救急車 呼んで!
大丈夫ですか? 原田さん!
(救急車のサイレン)
(医師)足の血栓が 肺に飛んだと思われるんですが→
最近 ふくらはぎ ぶつけたりしませんでした?
蹴られたりも してませんか?
何事も理知的に解決するのが仕事なので 暴力を振るわれるような…。
〈嘘を言った〉
〈この前 女に蹴飛ばされた〉
(内藤つばさ)私たち 結婚しないの?
しないよ。 前にも言ったろ?
家に自分以外の誰かがいるの 駄目なんだ。
(つばさ)一緒にいたいと思わないんだ?
いたいよ。
時々 一緒にいたいだけでしょ?
うん。
♬〜
(蹴る音) イタッ…!
あっ… イッタ…! えーっ…。
〈あれのせいで 俺は 今 死にかけてんのか?〉
手術の承諾書です。 サインしてください!
お身内がいないので→
自分でサインしてもらわないと 手術できません。
なんでもいいので シュッと…!
シュッ…。 もう一枚!
シュッ…。 オッケーです!
(ペンの落ちる音)
あっ…。 (看護師)はい。
あっ…。
ああ スマホね。
先生に聞いて よければ持ってきます。 あっ…。
(看護師)ご家族の方 来られましたよ。
(妻)あなた…。
(娘)パパ! (息子)父さん!
〈昨日も来たな…〉
(妻)パパと 手 繋いであげて。
(看護師)特別に 3分だけですよ。 あっ…。
〈上っ面なメールばかりだ…〉
(男性の声)「一日も早いご回復を 心より お祈りしております」
(女性の声)「昨日は一日中気がかりで 心配で眠れませんでした」
〈嘘つけ…〉
(妻)あなた。 (息子)父さん。
(娘)パパ!
〈あっちは本物だ。 本当に心配してる〉
〈俺を心配する奴はいない〉
〈いる…? いるけど いないな〉
〈家族に囲まれたって 死ぬ時は ひとりだ〉
〈1週間で 足まで弱った〉
♬〜
〈人生は はかない〉
〈俺は 今まで 孤独とか不安とか 感じたことがなく生きてきた〉
〈でも 今 むちゃくちゃ感じてしまい どうしていいか わからない〉
♬〜
(ノック)
ᗒ(看護師)失礼しまーす。 (ドアの開く音)
(看護師)少し歩いたほうがいいですよ。
1階に コンビニあるし。 あっ…。
(エレベーターの到着音)
あっ…。
♬〜
どうも。
♬〜
(エレベーターの到着音)
🔊(音声案内)下に参ります。
(ドアの閉まる音)
お見舞いですか?
あっ… 失礼しました。
♬〜
着きましたよ。
(鈴木ネルラ)どうぞ。 はっ?
あげます。 あっ…。
あら…。
♬〜
「ネルラ」…。
美術の先生…。
(幸太郎の声)「先程エレベーターで お目にかかった者ですが→
袋にお金が入っておりましたので お返ししたいと思います」
「名刺の学校に お送りすればよいでしょうか?」
(携帯電話の着信音)
えっ…?
あっ…。
(ノック)
えっ!? えっ…。
えっ? えっ…?
ああ これ…。
すみませんでした。
あっ…!
僕の名刺も もらってください。 はっ…?
♬〜
どうもありがとうございます。
なんで 6階まで 上がってきておられたんですか?
6階で乗られたので…。
ああ… 6階でも→
名前がわからないと わからないでしょう? 病室まで…。
知ってました。
この前も テレビを 父と見てて→
途中で いらっしゃらなくなったので 驚きました。
ああ…。
お父様が 7階に入院されてるんですか?
先週 退院しました。
これは 先生へのお礼だったんですけど うまく渡せなくて…。
ああ…。
でも こういうのって 手術の前に渡さないと意味ないですよね。
そう… ですね。
でも 先に渡すと お礼じゃないような…。
じゃあ もういいんじゃないですか? 渡さなくても。
そうします。
お邪魔いたしました。
お大事に。
〈振り返れ〉
〈振り返れ!〉
〈振り返った…〉
♬〜
〈女神みたいだ…〉
(幸太郎の声) 「今日は あなたに会えて よい日でした」
♬〜
あっ…。
♬〜
(ノック)
(医師)原田さん いかがですか?
(ノック)
(看護師)原田さん お食事です。
(ノック) あっ…!
おはようございます。 お掃除です。
♬〜
(ノック)
なんだよ…。
(臼井義男)これでいい? あっ… 悪かったな。
全然! アメリカへの回答なんだけどさ 司法取引に応じるってことでいいかな?
思うようにやれよ。 いや でも 俺 新人だからさ…。
新人とか関係ないよ。 堂々としてれば大丈夫だ。
(ノック)
原田さん 2階の検査科へ行ってください。
はい…。 (臼井)車椅子 借りてくるか。
いいよ!
今日は 階段で 1階から8階まで2往復した。 (臼井)えっ?
足腰も復活だ。
明日は来なくていいからな。 (臼井)えっ…?
(看護師)行きましょうか。 はい。
(幸太郎の声)「明日 退院します」
あっ…。
♬〜
今日は どうされたんですか?
僕… また来てくれるんじゃないかと思って 期待してたんですよ。
馬鹿ですね…。
来ました お迎えに。
♬〜
あの…。
うち 行きませんか?
う… うち? うちとは…?
あっ… 僕のうちですか?
私のうちです。
えっ…?
あっ… 今 口が勝手に動きました。
あっ… ああ…。
♬〜
行きましょう。
♬〜
〈こうして なぜか 俺は結婚した〉
〈50年間 貫き続けた独身主義を捨てて…〉
(目覚まし時計のベル)
〈ネルラ… 名前も変だが 寝相も変だ〉
♬〜
〈しかし いい〉
♬〜
(ドアの開く音)
あっ… 寝てていいのに。
今日 テレビの日なんだ? うん。
車 来てるよ もう。
ねえ 足 どうしたの?
股関節が ちょっと…。
えっ… それ 俺のせい?
多分。
〈マジかよ…。 普通のことしかしてないけど〉
ベルリオーネっていう 18世紀の画家が 『股関節の女』という絵を描いてるの。
変なタイトルだね。
『donna alla moda』。 いい響きでしょ。
彼女は 股関節を開いて生きることを願って その絵を描いたのよ。
絵画におけるフェミニズムの原点とも いわれているの。
技術的には未熟だけど 意志のある絵で 私は好きなんだ。
そういう話 してると 誇り高くて素敵だな。
今夜 何食べたい?
うーん…。 あっ そう…。
〈そういうことを聞かれるのは あまり好きじゃない〉
ビーフシチューかな。
今日は みんなで食事する日だから。
あっ そうか…。
7時くらいになるかな。 そう言っとく。
〈家族で食事… そういうのも あまり好きじゃない〉
じゃあ 行ってくるね。 いってらっしゃーい。
♬〜
〈でも いい…〉
(中野美海)ねえねえ ねえねえ…。 ネルネル 結婚したんだって!
(生徒たち)えっ!? (美海)やばくない?
(山下朱音)クソ暗い家になるな。 (生徒たちの笑い声)
(与田星羅) ああいうのに沼る男もいるんじゃないの?
(門真カレン)ああ〜 エロい!
(朱音)エロいというより 変態同士の結婚だよ きっと。
(カレン)変態 やばい。 フフフ…。 「あなた おかえり」。
(美海)おはようございます。 おはようございます。
(星羅)先生 旦那さんと どこで知り合ったんですか?
今日は 自分の手をデッサンします。
(カレン)「プライベートなことは お答えできません」ってやつだよ。
全体の構図とかバランスはいいから 細部に注目してみて。
指先とか 関節のしわとか。
「神は細部に宿る」ともいうでしょ。
(朱音)変態っぽ…。 (生徒たちの笑い声)
芸術は しばしば 変態っぽいものなのです。
これからやること 芸術なんですか?
芸術の端っこに触れることです。
自分の手を見つめて どこを描くか決めて じっと見る。
♬〜
さて 改めて 上条さんの勾留から 長い長い年月が経ってしまったわけですが→
原田先生 この時の検察の対応について どう思われますか?
この冤罪事件は 客観的な証拠を無視して 自白に頼った結果です。
関係者の供述さえ 検察のストーリーに合わせにいってますよね。
最悪の例ですね。
お疲れさまでした。 お疲れさまでした。
(倉澤ちか)お疲れさまでした。 さすがでした。
また褒められちゃったよ プロデューサーに。
(梶原)お疲れさまでした。 お疲れさまでした。
(梶原)お疲れさまでした。
お祝い 何が欲しい? んっ?
隠したって駄目よ。 奥さんの家に入ったらしいじゃない。
えっ 知ってんの? ᗕお疲れさまでした。
お疲れさまでした。
みんな知ってるわよ。 みんな知ってんの!?
今までいた あのマンション どうしたの?
そのまま。 ひとりになりたい時には そっちに帰るから。
ᗕお疲れさまでした。 お疲れさまでした。
ひとりじゃなければ 生きられない人だったのに!
あなたを変えた人 どういう人なのかしら?
やだ… 原田幸太郎に 言語化できないこともあるんだ。
ねえ 『股関節の女』って絵を描いた イタリアの画家 知ってる?
うーん… フェミニズムの萌芽みたいな人?
知ってんだ… すごいね。 フフフフ…。
お祝いは 空気清浄機がいいな。
オッケー! 最高級の空気清浄機を 番組からプレゼントします。
ありがとう。
甘ったるい顔して… コメントまで甘くなったら クビだから。
あっ タクシー券 東京地裁ね。
事務所になってる…。 直して すぐ届けさせまーす。
よろしく〜。
…ったく なんで 私じゃなかったの?
〈このマンションは ネルラの父の持ち物で ネルラの家族が住んでいる〉
〈1階に 弟のレオ〉
♬〜
おかえりなさい。
〈2階に ネルラと僕〉
そのまま行こうかな。
♬〜
〈3階には 叔父の考〉
〈4階に 父親の寛が住んでいる〉
〈料理の腕を振るうのは いつも 叔父らしい〉
〈今日は ネルラの家族と 週に1度の食事の日だ〉
♬〜
お邪魔します。 ᗒ(鈴木 考)お疲れさま。
こんばんは。 (鈴木 寛)うん。
(考)今夜はビーフシチューだよ。 えっ?
あっ… すいません。
(鈴)
ねえ…。
♬〜
あっ… こんばんは。
アイドルの衣装 縫ってるんだってね。
(鈴木レオ)縫い子じゃないよ。 デザイナーでスタイリスト。
すごいね。 芸術的素養があるところは お姉さんと同じだ。
(考)ねえ… これ 家族で飲むには もったいなくない?
今日は 幸太郎くんが初日だから。 あっ… すいません。
ネルラを よろしく頼みます。
こちらこそ よろしくお願いいたします。
乾杯。 (レオ・考)乾杯。
ああ〜 美味しいですね。
〈俺は こういう付き合いが嫌で 結婚しなかったんだ〉
いただきます。 (考)はい。
♬〜
幸太郎くんのリクエストの ビーフシチューだよ 今日は。
いや もっとシャバシャバなのをイメージして つい 簡単に言ってしまったんですけど→
これは本格的ですね。 美味しいです。
(レオ)考ちゃんは ゴルフのティーチングプロだけど→
料理も本格的なんだよ。 ああ…。
姉さんが死んで この子を育てることになって→
それから 料理も裁縫も覚えたんですよ。
ほら 幼稚園のバッグとか オリジナルで縫わないといけなくて→
レオと相談しながらやってたら レオも裁縫に興味を持って…。
小学生になると ミシンもかけるようになって→
そして 自分の服とかも縫うようになったんだよ。
そして 気がついたら デザイナー。
渋谷でスカウトされて 芸能事務所の社長に→
「お宅のアイドルの衣装は駄目だ! 僕に任せろ!」って言って→
採用された話は 聞きました。
なんだ 知ってたんだ! はい。
僕のお母さんは 考ちゃんだから。 んっ?
(考)保育園でね レオが 「考ちゃん 考ちゃん」って呼ぶんだけど→
みんなには 「考ちゃん」が「母ちゃん」に聞こえるみたいで→
変な目で見られて なんか微妙だったなあ。
ハハハハ…。
(寛)復学はしないのか?
来週から 超特急の全国ツアーだから 大学なんか行ってる暇ないよ。
衣装のデザイナーも ついていくんですか? ツアーに。
他の人は知らないけど 僕は行くんです。
それなら もう 退学しろ。 学費が無駄だ。
(レオ)学費は自分で払ってるから いいだろ。
(寛)誰が払っても 行かないなら無駄だ。
大学 どこ? 東大。
卒業しといたほうがいいんじゃないの? (レオ)つまんないことしか言わないんだね。
つまんないことではないですよね? (寛)私は中卒だ。
官僚にでもなるのでなければ 東大を出る意味があるとも思えない。
(考)みんな レオのことを心配してるってことだよ。
わかってるよ。
んっ? あれ? これ レンコンですか?
シチューにレンコンが入ってるって 珍しいですね。
ネルラが レンコン 好きなんで。
(レオ)うちのシチューやカレーやハンバーグには 一年中 レンコンが入ってるんだよ→
お姉ちゃんのために。
レンコン 好きなんだ。
いろいろ聞いてみないと わからないもんですね。
レンコン 好きなのかあ。
幸太郎さんも好きよ。
フフッ…。
レンコンより好き。
あっ… ハハハハ…。
(考)あと頼むね。 (ネルラ・レオ)いってらっしゃい。
じゃあ 俺 これから仕事なんで。 えっ?
こんな時間から ゴルフのレッスンする人 いるんですか?
副総理のご指名なもんで。 うわっ…。
やはり ゴルフがうまくないと トランプチームと付き合いにくいのかな?
ですね…。
あっ… 『宮沢賢治全集』は 亡くなった奥様のですか?
ああ。
ネルラっていう名前は→
『銀河鉄道の夜』のカンパネルラから取ったって 聞きました。
レオは レオ・レオニという画家から取っている。
あっ… 絵本もありますね。
レオは 母親の顔を知らないから→
その絵本は 彼のために取ってあるんだけど 手にも取らない。
宮沢賢治 読んだことないので お借りしていいですか?
いいよ。
死んだカミさんは 宮沢賢治とレオ・レオニは 神様だと言っていた。
宇宙に汽車を走らせたり→
色彩や においまで描くことのできる 壮大な想像力の持ち主で→
ユーモアと正義の人でもあるんだそうだ。
ユーモアと正義の人? いいですね。
あんたは法律家だからな。
〈ネルラの父は 日本最大の缶詰メーカー カンツルの創業社長だった〉
お義父さんは 新しい仕事はされないんですか?
自分で作った会社を追われて だいぶ がっかりしたが まだ終われない。
そうだ… 今度 相談にのってほしいことがあるんだけど。
それは 弁護士としてですか?
金 取る気かよ。
そういう意味じゃないんです。 お役に立てば なんなりと。
だから 俺は 弁護士が嫌いなんだよ。
会社を追い出された時も 敵方の弁護士が 嫌な奴だった。
ああ…。
(ボタンを押す音)
仕事で いろんな家族を見てきたけど 君の家の結束は特別だね。
そういうの 好きじゃないでしょ?
そんなことないよ。
カンパネルラ…。 んっ?
(エレベーターの到着音) (ドアの開く音)
俺たち エレベーターの中で 出会ったんだよな。
なんで 会っちゃったんだろう?
運命の2人だからだろ。
うち 行きませんか?
僕のうちですか?
私のうちです。
〈退院した日 初めて この家に来た〉
叔父が焼いたクロワッサンです。
叔父さんが パンを焼くんですか?
ええ。 とても美味しいんです。 どうぞ。
じゃあ いただきます。
♬〜
あっ… 美味しいですね。
♬〜
あ… あの… ついてますよ。
えっ? やだ…。
まだ ついてますよ。
どっち? こっち。
あっ…。
♬〜
ハハッ…。 えらく こぼしてますね。
そうなんです 私…。
散らかして食べてこそ クロワッサンですから よろしいんじゃないでしょうか。
フフッ… ハハッ…。
♬〜
(ネルラの声) 初めて うちでクロワッサン食べた時→
私 本当は 幸太郎さんに抱きつきたかったの。
えっ…?
でも できなかったから クロワッサンを出したの。
それは 全然わからなかったな。
幸太郎さんは? 私に抱きつきたくなかったの?
いや… あの時点では なかったよ。
私は 病院の前から ずっと そう思ってた。
なかなかだね。
なかなか激しいの 私。
もっと激しくしてもいいよ。
シャバシャバのビーフシチューって どういうの?
今? えっ…。
給食にあるような感じの。
給食じゃ食べられない…。
んー…。
あっ 事務所の近くの定食屋にあるかも ビーフシチュー定食。
ビーフシチュー定食? 珍しい定食ね。
食べに行く? うん。
♬〜
おお… あっ…。
先生は結婚式しないんですか?
今泉くんの披露宴は盛大だったな。
最高裁の判事が ゾロッとそろって。
その節は 素晴らしいスピーチ ありがとうございました。
金屏風の前に並んで 恥をかく勇気は 俺にはないよ。
僕らのために みんなが集まってくれたんだなと思ったら→
嬉しかったですけど。 素直でいいね。
結婚して あれこれ変わる男いますけど 所長は何も変わりませんね。
結婚は 思っていたとおり 心地良いものではないよ。
一点突破の魅力があれば それで うっとうしさは 一瞬で消えるけど。
一点突破の魅力って なんですか?
んー…。
荒れたかかとに クリーム塗ってたりする時かな。
…シュールですね。
誰が見ても美しいところをめでるのは 夫婦じゃないだろ。
全然わからないです。 (臼井)私もわからないです。
貧しい部下たちだ。
では 私は 妻と待ち合わせがあるので。 お疲れさまでした。
♬〜
(店員)はい ビーフシチュー お待たせしました。
美味しそう。 美味しそう。
(生徒たち)先生 さようなら。
♬〜
(携帯電話の着信音)
はい。
美味しそうです。 (店員)ごゆっくり どうぞ。
ありがとうございます。 ここ めちゃくちゃうまいんだよ。
(女性)へえ〜 楽しみ!
(男性)今日 仕事 頑張ったから…。
あっ すいません。
ごちそうさまでした。 いつもありがとうございます。
(呼び出し音)
📞(アナウンス)留守番電話サービスセンターに 接続します。
(携帯電話の振動音)
はい。
📞うちの奥さん 待ち合わせに来ない。
📞電話も出ない。 メールも既読にならないんだけど…。
交通事故で 身元不明の40代の女性いないか 警察に問い合わせてもらえないかな?
学校は 定時に出てるんだよ。
はい わかりました。
待ち合わせに来ないぐらいで 騒ぎすぎですよ。
万が一のこともありますから 調べてみましょう。
そっか… ありがとう。
マスター ごめん。
♬〜
♬〜
♬〜
♬〜
ᗕ(ドアの開閉音)
(ドアの開く音)
定食屋 行ったけど いなかった。
1時間は いたよ。
ごめんなさい。
♬〜
何があったの?
困ってること あるんじゃないの?
…ある。 でも 今は言えない。
言ったほうがいいよ。
俺 弁護士だし 元検事だし→
その… 男女のもめごとぐらい 仕事柄 簡単にさばけるから。
♬〜
お風呂 入ってくる。
♬〜
♬〜
♬〜
(電話)
はい 原田こうたろう法律事務所の今泉です。
ええ…。
(今泉)わかりました。 今すぐ 誰か参ります。
あっ 原田で…。
原田が参ります。 はい。
はい 承知いたしました。 はい。
磯村大臣の馬鹿息子→
昨夜 泥酔して 裸で六本木通りを疾走 警官に止められて暴れまくり→
公務執行妨害及び公然わいせつ罪で 逮捕されたそうです。
まもなく釈放なので 迎えに行ってほしいと 大臣から。
磯村大臣の息子って 役者やってる人? (今泉)そうです。
警察には 原田幸太郎弁護士が行くと 話は通っているそうです。
段取りがいいな。 (今泉)僕も行きます。
いや 臼井がいい。 相手はガキだ。
今泉くんだと 張り合うから。
(臼井)じゃあ…。 (今泉)いや ちょっと…。
外に マスコミが まあまあいますけど 無視してください。
(磯村 正)土下座しなくていいの?
今回のことは 公務執行妨害及び 公然わいせつ罪ではありますが→
外の記者に対して 漠然と謝ることではありません。
謝れば その写真が記事になり また拡散されて 事が大きくなるだけです。
何も言わずに 直行です。
チョッコー。 そうです。
(記者)磯村さん! (記者)磯村さん!
(記者)磯村さん 何か言うことはないんですか!
(記者)磯村さん コメント お願いします!
(記者)磯村さん!
♬〜
この度は 申し訳ありませんでした!
(記者)公然わいせつ 認めるんですね!
(記者)今のお気持ちは? (記者)ファンの皆さんにひと言 お願いします。
ファンの方々 そして 関係者の方々 自分の軽率な行動…。
あとは頼んだ。 (臼井)えっ?
出して! 出して!
(記者)原田さん! (記者)磯村さん どんな様子でしたか?
(記者)磯村さん どのような様子でしたか?
(記者)なんかコメントありませんか? (記者)ひと言 お願いします。
(記者)原田さん ひと言 お願いします! (記者)原田さん!
♬〜
ᗕ私に何か?
私は ネルラの夫です。
知っています。
ゆうべ ネルラと会ってましたよね?
昨日 なぜ 奥さんと会っていたのか お話しします。
ただいま。 おかえりなさい。
♬〜
(黒川竜司)警視庁捜査一課の黒川です。
(黒川)昨日 原田ネルラさんに→
15年前の再捜査が決定したことを 告げました。
2010年8月13日 港区内の倉庫で 男性が死亡しました。
(黒川)死んでいたのは 布勢夕人 当時30歳。
第一発見者は 布勢の婚約者であった→
鈴木ネルラです。
どうしたの? いや…。
♬〜
(黒川の声)当初は 現場の状況から→
布勢は 階段から誤って転落し 死亡したと思われていました。
しかし 司法解剖の結果→
被害者の頭部から 不可解な傷が2カ所 発見されたんです。
その傷は 階段を転落し 打ち付けたとは 到底 考えられないような傷でした。
まるで 鈍器で殴られたような…。
それは 階段から転落して死んだのではなく→
殺されたということですか?
我々は 幾度も ネルラさんに事情聴取を行いました。
が 自分は やっていないの 一点張りでした。
結局 犯人は特定できず 事故として処理されました。
♬〜
再捜査を願い出たのは あなたですか?
そうです。
ネルラを疑っているのですね。
そうです。
♬〜
立ち入ったことをお聞きしますが 原田さんは→
15年前の事件のことは 何もご存じなく 結婚されたんですよね?
そうです。
なぜ 奥さんは そのことを あなたに言わなかったんですかね。
♬〜
ご飯にするね。
ああ…。
(黒川)事件性が疑われながらも 当時 事故として処理された本件は→
殺人の可能性がある。
(たたく音)
第一発見者の鈴木ネルラ→
この女が なんらかの形で 関与していることは間違いない。
再捜査を始めます。
でも 証拠が これだけだと どうなんでしょうか?
当時 自分は 捜査の過程を見ていたが 調べが尽くされたとは思っていない。
たとえ そうだったとしても 再捜査の根拠は乏しくないですか?
嫌なら やめてくれてもいい。
15年間 この事件が ずっと自分の頭の中にあった。
きっと何かあるからだ。
この世には 裁かれなければならない人間がいるんです。
Sono innocente…。
♬〜
♬〜
(黒川の声) 死んでいたのは 布勢夕人 当時30歳。
第一発見者は 鈴木ネルラです。
♬〜
♬〜
(黒川の声)自分は やっていないの 一点張りでした。
♬〜
(幸太郎の声)ネルラを疑っているのですね。
(黒川の声)そうです。
♬〜
(黒川の声)原田さんは→
15年前の事件のことは 何もご存じなく 結婚されたんですよね?
なぜ 奥さんは そのことを あなたに言わなかったんですかね。
♬〜
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