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(健太)あっ。 えっ? どういうことですか?
(清水)生きのいい 新人が いるって いうからさ➡
試しに 作ってもらったんだよ。 (健太)えっ?
(清水)どう? 自分のと 比べて。
(健太)いや。 (清水)まあ 倉田君のはさ➡
一目で 内容が 想像できるよね。 (健太)ああ。 ええ。
でもさ 書店に 2つ 並んでるとするよ。➡
そしたら こっち 手に取ると 思わない?
(健太)あっ いや。 あの。 僕は。 あの。
(健太)トラベル ミステリーらしく 旅情を 感じさせる➡
背景に しましたし 作品の スピード感は➡
列車の疾走感で 伝えました。
あっ。 亀戸警部の あの 少し 影のある存在を イメージして➡
色調も…。 (清水)倉田君。 倉田君。➡
それ 全て 僕が 言ったまんまだよね。
(清水)相手の意見も くんだ上で 自分なりの何かを➡
プラスするっていうのが プロの仕事ってもんじゃないの?
おっしゃるとおりです。
(清水)まっ 今回は こっちの 新人君で いきますから。➡
お疲れさまでした。
♬~
(清水)何? あっ。 これ。 失礼します。
失礼しました。
<僕は 臆病者だ>
<自分の力で 勝負することから 逃げてばかり いる>
<言いたいことを 言わず> すいません。
<相手の顔色を うかがって>
<とにかく 周りに 迷惑を 掛けないように 生きてきた>
ごめんなさい。 <争い事が 嫌いだから>
<いや。 違う> ああー。
<本当は 争い事に関わるのが 怖いからだ>
(女性)降ります。
<人当たりがよく➡
思いやりがあるなんて 言われることもある>
<だけど 言ったもん勝ち やったもん勝ちの➡
今の世の中では 損をするだけだ>
<そして 案の定 今日も 仕事を失った>
<そんな 歯がゆい思いが ちょうど あったからだと思う>
<その日 僕は うっかり 出してしまったんだ>
<ありもしない 勇気を>
(男性)ちょっと。
(一同)痛っ。 何…。 何だよ?
じゅ… 順番 守ってください。 危ないじゃないですか。
ご… ごめんなさい。 (男性)そうだ。 順番 守れよ。
(一同)危ねえだろ。 ケガするでしょ。 そうだよ。➡
ぶつかったら 謝んなさいよ。 (明日香)すいません。➡
ごめんなさい。 すいません。 すいません。 ハァー。
(明日香)謝るか 逃げるか➡
どちらかしか ないと 思うんですけど。
(発車のベル) ハァー。
(発車のベル)
(発車のベル) [マイク](アナウンス)ドアが 閉まります。
あっ。 [マイク](アナウンス)ご注意ください。
(明日香)すいません。 ごめんなさい。
(明日香)あなたが取った 行動は とても 立派だったと思います。
いえ。
(明日香)それだけです。 えっ?
勘違いしないでくださいね。 あっ。 はあ。
ハァー。
[マイク](運転手)ドア 閉まります。 ≪(ドアの閉まる音)
[マイク](運転手)はい。 発車しま…。 ≪(ドアの開く音)
♬~
(男性)すいません。 降ります。
すいません。
♬~
(チャイム)
[マイク](アナウンス)バス停に 停車するまで そのままで お待ちください。
♬~
≪(ブザー音) ≪(ドアの開く音)
[マイク](運転手)毎度 ご乗車 ありがとうございました。
♬~
[マイク](運転手) 他 いらっしゃいますか?
[マイク](運転手)ドア 閉まります。
≪(ブザー音) ≪(ドアの閉まる音)
あっ。
ああー。
≪(ブレーキ音)
≪(ドアの開く音)
♬~
あっ!?
♬~
≪(従業員)いらっしゃいませ。 あっ。
(従業員)はい。 どうも。
あれ? ああ。 忘れちゃいました。
(従業員)アハハ。 そうですか。
痛て。 危ねえ。 足 つりそう。 ああー。
ハァー。 ハァー。 よいしょ。
≪(足音)
≪(門の開く音)
あっ!
♬~
(ドアの開く音)
♬~
(七菜)何やってんの? 何だ。 痛っ。 七菜かよ。
(七菜)「何だよ」って 何よ?
(七菜)っていうか パンツ 見たでしょ?
はっ? 見てねえよ。 (七菜)もう どいて。 邪魔。
はい…。 (七菜)ただいま。
(珪子)おかえり。 七菜。 遅かったわね。
(七菜)万里江と お茶してた。 (珪子)そう。
ただいま。 (珪子)おかえり。
(七菜)おなか すいた。 (珪子)ねえ?➡
ご飯の用意 するから ちょっと 代わって。
(七菜)えー? また?
(珪子)面倒だったら 足で 踏んでればいいから。
(太一)七菜。 頼むよ。 (七菜)もう 分かったよ。➡
しょうがないなぁ。 (珪子)甘えた声 出して。
(太一)七菜ちゃん。 腰だけで いいからさ。
(七菜)甘えた声 出して。 (太一)フフフ。 はいよ。
(七菜)うわっ。 硬っ。 (太一)うーん。➡
通勤時間 倍になっただろ。
(珪子)ねえねえ。 健太。 うん?
どうだった? 仕事。 ああ。 あっ いや。
次に 期待しますみたいな。 (珪子)そう。
(七菜)また ボツ? ねえ? ヤバくない? 仕事。
就活中の 学生に 言われたくないよ。
(珪子)頑張ってね。 (七菜)ねえ? お兄ちゃん。➡
どうしたの? ここ。 (珪子)あら。 ホント。➡
ケガしてるじゃない。 痛い 痛い。
いや。 これ さっき 駅で ちょっと もめて。
(七菜)もしかして ケンカ? (珪子)えっ?
(七菜)って お兄ちゃんが そんなこと するわけないか。
うるせえな。 順番 守んないやつがいたから➡
注意しただけだよ。 (七菜)へえー。 結構 やるじゃん。
まあな。 (珪子)そういうこと してれば➡
きっと いいこと あるわよ。 神様は ちゃんと➡
見ててくれるんだから。 (太一)でも 気を付けろよ。➡
余計なこと すると ろくなことになんないぞ。
余計なことって 何だよ?
(太一)今どき 何されるか 分かんないんだから。
(珪子)そうね。 いきなり 刺されちゃったりしたら 大変よね。
(太一)とにかく 余計なことに 首を突っ込まないのが 一番だ。➡
うん。
風呂 入る。 (珪子)えー? もう 茶わん蒸し➡
入れちゃったわよ。 食べてきたから いいよ。
(七菜)えー? じゃあ 私 2個 食べる。
(珪子)追いだき 41℃にしといてね。➡
いつも 熱過ぎるから。 (太一)うーん。➡
もっと 上。 (七菜)えっ?
<余計なことに 首を突っ込まないのが 一番だ>
<親父は 昔から ああだ>
<あれは 小学校の 夏休みだった>
<いつも 土日返上で 働いていた 銀行員の親父が➡
僕のためだけに 1日 休みをつくり➡
釣りに 連れてってくれた>
<最高に 楽しい時間だった。 親父も うれしそうだった>
<でも そのとき…>
<2人組の男が やって来て 僕らの隣で 釣りを始めた>
<2人は 場所を 横取りしようと 僕らを 脅してきた>
<楽しい気分が 一瞬で しぼみ➡
僕は 怖くて 震えながら 親父に 助けを求めた>
(健太)《お父さん》
(太一)《行こう》 (健太)《えっ?》
<僕は 悔しかった>
<何で お父さんは 何も言わずに 引き下がるんだろう?>
<でも あのときの僕が➡
今の僕を見たら どう思うだろう?>
<結局 僕は 親父と同じような 人間になってしまったんだ>
<争い事に関わるのが 怖い人間に>
♬~
(七菜)お兄ちゃん。 早く 起きて。
おおー。 (七菜)「おおー」じゃないよ。
もう 大変なんだから 早く 来て。➡
早くね。
どうしたんだよ? (太一)健太。
えっ? (太一)お前 これ 知らないよな?
♬~
<これが➡
あいつと うちの家族の 戦いの始まりだった>
花 大丈夫だったの?
(珪子)うん。 大丈夫。 抜いてあるだけだったから。
(珪子)どしたの? ううん。 いってきます。
(珪子)いってらっしゃい。 気を付けてね。
うん。
(太一)妻がね 何年もかけて 大事に 育ててきたのに➡
それを 全部 根こそぎだよ。 (高橋)マジっすか?➡
ヤバいっすね それ。 (太一)まったく 誰が やったんだか。
(若葉)高橋。 部長に お茶。 (高橋)あっ はい。
(太一)ああ。 いい いい いい。 ≪(摂子)高橋君。➡
棚卸しの準備は? (高橋)あっ。➡
おはようございます。 西沢さん。 だいたいは 終わってます。
(摂子)リストは? (高橋)まだです。
(摂子)棚卸し あさってだよ。 よろしくね。
(高橋)あっ すみません。 急ぎます。 (若葉)普通に 言え。
(高橋)はい。 (摂子)若葉ちゃん。 また➡
数字 間違ってた。 (若葉)はーい。
(摂子)倉田部長。 おはようございます。
(太一)あっ。 おはよう。 (摂子)あのう。 昨日 お渡しした➡
試算表 確認していただけました?
(太一)あっ。 あれね。 あっ。 今 ちょうど➡
見ようって 思ってたんだよ。 うん。 ああ。 うん。 面目ない。
≪(真瀬)おいおい おいおい おい。➡
倉田さんよ どういうことだよ? これ。
(太一)おはようございます。 真瀬部長。 どうされましたか?
(真瀬)どうされましたも こうされましたも ないよ。
(真瀬)JP電子さんとの ゴルフコンペの 景品代。
5万で 請求したのに 何で 3万までしか 認めないんだよ?
(太一)それは。 あの。 規定どおりに。
(真瀬)JPさんとは 大口の取引が 決まったばかりなんだよ。
感謝の気持ちを 上乗せするのが 当然でしょうが。
(太一)そ… そういうことでしたら 事前に 相談していただかないと。
(真瀬)そんなこと 言われなくったって 分かってよ。
うちみたいな 中小は➡
社員同士の あうんの呼吸で 回ってんだからさ。➡
これだから 銀行から来た お偉いさんは 困るよな。
(一同)ハハハ。
とにかく あと 2万 上乗せしてくださいよ。
(太一)はい。 分かりました。 あの。
配慮が 足りずに 申し訳ございませんでした。
(真瀬)チッ チッ チッ…。➡
ハァー。
倉田部長の家に 嫌がらせしたの 真瀬部長じゃないですか?
さっきの話 聞いてたんですか?
見てますよ こっち。
ああ。 あっ。 はい。
(川辺)今週 いっぱいで できるか?
大丈夫です。 抱えてる仕事 これしか ありませんから。
(川辺)あれ? 高栄館の表紙は?
あの。 別のデザイナーに 頼むって。
(川辺)悪いな。 一緒に 事務所 立ち上げたのに 俺だけ 抜けて。
やめてくださいよ。 いつも 仕事 回してもらって➡
川辺さんには ホントに 感謝してるんです。
これも 絶対 結果 出しますから。 (川辺)そっか。
はい。 (川辺)頼むな。
はい。
アッハハ。 ウフフ。 うん。
あっ。 どうも。
あの。
えっ? 昨日 ここで。
ああ。 ああ。
(明日香)すいません! この人 ストーカーです!
いや。 違…。 違います 違います。
(明日香)んじゃあ 昨日の あの男が➡
家の花壇の花を 抜いたってことですか?
たぶん。 いや。 ちゃんと まいたはずだったんですけどね。
(明日香)あの男 年齢は 30代 後半ぐらいでしたよね。➡
ニット帽で 一見 怪しげでしたけど。➡
かばんは ヴィトンだし 時計は フランク ミュラーで➡
わりと 品のある ファッションだったんですよね。
よく 見てますね。 注意されたぐらいで 家まで➡
後を つけてくるような人には 見えなかったんだけどな。
でも 実際 僕 あいつに 追い回されてんですよ。
それで ただ 逃げるっていうのも どうかと 思いますけど。
あっ。 失敬。 あっ。 いや。
あのう。 あいつ もう 気が済みましたよね?
(明日香)うん? いや。 だから あの。
また うちに 来たりしないですよね?
気になるなら 調べましょうか?
あなた もしかして 探偵さんとか?
(明日香)あっ。 失礼 失礼。 あっ。
ああ。 違うか。 そっか。 すいません。
あのう。 倉田です。
(明日香)神取 明日香と申します。 ああ。 神取 明日香さん。
プロレスラーみたい。 (明日香)おととしまで リングに。
えっ? (明日香)んなわけ ないでしょうが。
すいません。 雑誌の記者 やってます。
もしかして それって 記事に するってことですか?
ちょっとした トラブルを きっかけに➡
謎のストーカーに 狙われることになる。
これは 誰にでも 起こり得る 出来事です。
多くの読者の 共感を得ると 思います。
あの。 ちょっと 待ってくださいよ。 (明日香)もちろん➡
犯人を 捕まえるために 協力もします。
それなりの謝礼も。 お断りしますよ!
ああ。 すいません。
大きな声 出しちゃって。 まっ 仕方ないか。
じゃあ 私は これで。
ああ。 あの。 いいですよ お金は。
もう 会わない人に 借りなんて つくれませんよ。➡
さよなら。
♬~
(珪子)えっ?
(珪子)お父さん。 お父さん!
(七菜)ねえ? どうする? 警察に 電話する?
(太一)警察って ちょっと 大げさじゃないか?
(珪子)えっ? もしかして 指紋が 付いてるかもしれないから➡
触らない方が いいのかしら?
(太一)フフッ。 どこに 付くんだよ? 指紋なんて。
(珪子)葉っぱ? (太一)葉っぱ?➡
結構 ざらざらして…。 (七菜)ねえ? もう 指紋とか➡
どうでもいいけどさ 同じこと 2回もするとか 気持ち悪くない?
(珪子)よっぽど うちに 恨みが あるのかしら?
それとも ゼラニウムが 嫌いなのかしら?
そんなわけ ないでしょ。 (太一)でも➡
ご近所の目も あることだし➡
あんまり 大ごとにしない方が いいんじゃないのか?
(珪子)うーん。 それも そうね。 (太一)うん。
おはようございます。
≪(明日香)いいですね。 シェアオフィスって。
えっ!? (明日香)固定デスクで➡
月 2万8,000円。 法人登録も できるのは 助かりますよね。
何なんですか? (明日香)じゃあ お邪魔しました。➡
これ よかったら お一つ どうぞ。
いや。 いらないですよ。 (明日香)えー?
いや。 っていうか 何で ここに?
(明日香)何だか あれから 気になってきちゃったんですよね。
えっ? 事件のこと。
ああ。 (明日香)だって➡
やっぱり おかしいですよ。 何で わざわざ➡
倉田さんの 家の近くまで 追い回してきたんだろ?
それは➡
ねちっこい 性格だったからじゃ ないっすかね。
(明日香)うん。 じゃあ ニット帽の男が 異様に➡
ねちっこい 性格だったと 仮定しましょう。
はい。 でも➡
花壇の花が 抜かれたのは 夜中ですよね?
うん。 たぶん そうだと思います。
ってことは 倉田家の皆さんが 寝静まるまで➡
彼は 家の近くで 待っていた。
あしたも 仕事があるのに 夜は そこそこ 寒いのに➡
終電 なくなっちゃうかも しれないのに➡
ひたすら 花を 引っこ抜く チャンスを 待ち続けた。
って いくら ねちっこい 性格だからって➡
いい大人が そんな 面倒なこと します?
あのう。 実は けさ また 花壇が 荒らされてたんです。
また!? 駅で 注意されたぐらいで そこまで やるかな?
ですよね? (明日香)ニット帽の男は➡
家の近くで まいたんですよね? まあ たぶん。 はい。
だとしたら 犯人は➡
ニット帽の男では ないかもしれないですよね?
えっ? じゃあ 誰が? (明日香)例えば➡
ご近所トラブルとか ありますか? いやー。
母が うまく やってると 思いますけどね。
(中嶋)民子さんの その お茶わん すてき。
(民子)えー? (松原)エリート商社マンの➡
奥さまは 作るものも 気品が あるわよね。
(民子)そんな。 珪子さん。 これ すごく いいじゃない。
(珪子)いえ。 私なんて まだまだ。
≪(波戸)すいません。 遅くなりました。
(一同)ああ。 先生。 こんにちは。 (波戸)こんにちは。➡
ああ。 もう ご覧になっていましたか。➡
下村さんの作品は 繊細な 筆遣いが 素晴らしいですね。
(民子)ああ。 (波戸)薬の使い方も 上手ですよ。
(民子)ありがとうございます。
(波戸)でも 僕は この お茶わんも すごく 好きですね。
(民子)ほら。 (珪子)えっ?
(波戸)倉田さんは 素晴らしい 素質を持ってると 思いますよ。
そんな。 (明日香)他に ご家族は?
両親と 妹と 4人暮らしです。
(明日香)じゃあ 妹さんかもしれないですね。
(万里江)もう それ 絶対 辻本の仕業でしょ。
(七菜)何で? (万里江)あいつ 高校時代➡
別れた 彼女に ストーカーしてたらしいよ。
嘘。 (万里江)ホント。➡
もう 超しつこくって。➡
で その元カノ 結局 引っ越しちゃったんだって。
辻本君が? (万里江)そう。
あっ。
辻本君。 (万里江)七菜。 見ちゃ 駄目。
(明日香)ストーカー被害の 原因の ほとんどは➡
恋愛トラブルです。 妹さんに 心当たりがないか➡
一応 聞いてみてください。 はあ。
(明日香)ちなみに お父さまに お仕事上の トラブルとかは?
親父は 余計なことに 首を突っ込まない タイプなんで。
では 倉田さん ご自身は いかがですか?
仕事のことで 恨まれることは ないと 思いますけどね。
恋愛トラブルは? そうだな。
(明日香)なさそうですね。 ほっといてくださいよ。
じゃあ 何か ありましたら いつでも 連絡してくださいね。
何なんだ? あの人。
(摂子)倉田部長。 ご相談したいことが。
(太一)うん? (摂子)真瀬部長が 回してきた➡
旅費の伝票なんですけど。 どうも 裏ありみたいなんです。
裏? (摂子)チバ電子さんっていう➡
取引先 あるじゃないですか。 秋田に 工場がある会社。
(太一)ああ。 名前は 知ってる。 (摂子)その秋田の工場へ➡
出張するために 真瀬部長に 交通費 出してますよね?
(太一)ああ。 もちろん。 (摂子)チバ電子さんからも➡
出てるらしいんです。 (太一)えっ?
(摂子)伝票に 不備があって チバ電子さんの➡
経理担当者に 問い合わせたんです。➡
そしたら たまたま 真瀬部長の➡
秋田までの 交通費を チバ電子さんが➡
現金で 渡してるって 話が出て。
(太一)それじゃ うちから 払ってる分と 合わせて➡
真瀬さんは 交通費の 二重取りをしてるってことか。➡
参ったな。 真瀬さんか。
≪(社員)おうおう。 おかえりなさい。
≪(社員)ただ今 戻りました。 ≪(社員)どうでした? 部長。➡
春日製作所との 契約は。 (真瀬)何とか こっちの言い値で➡
ねじ込んできた。 (一同)おおー。
(真瀬)力業だよ。 (太一)真瀬さんの 営業成績➡
抜群ですし。 いやー。 少しぐらいの 役得ならば。
(摂子)少しじゃありませんよ。 去年だけでも 15往復。➡
80万円近く 支払ってます。 (太一)えっ? こんなに?
倉田部長。 こういうのを はっきりと ただすのが➡
私たちの 仕事なんじゃないんですか?
ああ。 おっしゃるとおりです。 (摂子)では お願いします。
(太一)はい。 あっ。 いや。 あのう。 その前に。 あの。➡
足立建機さんの 入金を 確認しないと…。
倉田総務部長。 (太一)分かりました。 行きます。
(摂子)よろしく お願いいたします。
(社員)ちょい ちょい ちょい…。 ≪(真瀬)はい。 OK。 はい。 はい。
(太一)あのう。 あのう。 真瀬部長。 お話が。
チバ電子さんの 交通費の件です。
(太一)去年 1年間 当該区間の 請求額は およそ 80万円。➡
それを うちと チバ電子さんの 両方から もらってる。
(真瀬)じゃあ その80万 返せとでも 言うのかよ?
(太一)あっ。 いや。 ちょっと 待ってください。➡
そういう言い方 されても。 あの。 (真瀬)倉田さん。➡
俺は この会社の業績が 悪かったころから➡
ずっと やってきたんだよ。➡
交通費も ろくに 出ないで 全部 自腹で 動いてきたんだよ。➡
そんなこと 言うんだったら➡
そのころに さかのぼって 全部 俺に 払ってくれんのかよ?
(太一)あっ いや。 そういうことでしたら きちんと➡
請求していただかないと。 (真瀬)お前ら 銀行の連中は➡
みんな そうだよ!➡
何かというと 数字を盾に へ理屈ばかり 並べやがって。➡
仕事なんてな そう簡単に 割り切れるもんじゃないんだよ。
(太一)お話は 以上です。 失礼します。
(真瀬)おい。
♬~
(真瀬)社長に 全部 話すつもりか?
はい。 報告せざるを得ません。 それが 私の仕事ですから。
(蟹江)それ マイク? つくし? (明日香)人間です。
(蟹江)深いな。 あるいは 浅いな。➡
えっ? これが 何なの? (明日香)いや。 だから➡
ホームで 注意した あのニット帽の 男性ですよ。
(蟹江)ナスカちゃん。 (明日香)明日香です。
(蟹江)その ねたは さっき 駄目だって 言ったでしょうが。
分かってます。 分かってますけど。
何か 引っ掛かるんですよね。
(蟹江)そんなに いい男だった? (明日香)違いますよ。
(蟹江)じゃあ 俺は シルビアちゃんと➡
約束があるから いってくる。 あれ? これ 引くんだっけ?➡
押すんだっけ? あっ。 引くんだ。 こっちは 押すんだよ。➡
知ってんだ。
どっかで 見たことある気が するんだよな。
(太一)へえー。 アヒージョ? (珪子)お昼の番組で やってたの。➡
たこ焼き器で やると 簡単に おいしく できるんだって。
(七菜)へえー。 (珪子)どう?
(七菜)うん。 おいしい。 (珪子)うーん。
あのさ。 七菜って 彼氏とか いるの?
何よ? いきなり。 あっ いや。 あの。
ストーカー被害者の 9割は 女性で➡
原因の ほとんどが 恋愛トラブルなんだって。
(珪子)へえー。
あっ。 ほら。 だから。 あの。 花壇の花 抜かれてたの➡
もしかして 七菜の彼氏とか 関係ないのかなと思って。
何 言ってんのよ? 全然 ないって そんなの。
(健太・珪子)うん。 ああ。 (七菜)それよりさ➡
自分は どうなのよ? 彼女とか。
いないか。 おっしゃるとおり。
(七菜)じゃあ お母さんは? (珪子)うん?
(七菜)うっかり 浮気とかしてさ 恨まれてない?
(太一のせき) (珪子)ウフフ。➡
いくら お母さんでも そこまで うっかりしてないわよ。
そっか。 (珪子)フフフ。
じゃあ お父さんは?
そんな度胸 ないか。 (太一)フッ。 面目ない。
(七菜)そうだね。 (珪子)ねえねえ。 他にもね➡
ブロッコリーとか ベーコンとか ちくわ あるけど やってみる?
(七菜)うん。
ハァー。 よし。 やるか。
♬~
ああー。 できた。
ああー。 (女性)おはようございます。
おはようございます。
ああ。
えっ?
♬~
(珪子)ゼラニウムは ポットで まとめて 買って➡
3,000円くらいですけど。 肥料とか 水道代とか 入れると。
(七菜)お母さん。 そういうのは だいたいで いいの。
(珪子)だって 悔しいじゃない。 一生懸命 育ててたのに。
(太一)うん。 (木下)では サドルと 合わせて➡
8,000円で よろしいでしょうか?
はい。 (珪子)えー?
あっ。 それで 大丈夫です。 (木下)はい。
すいません。 (太一)あの。 何か 対応は➡
していただけるんでしょうか? (木下)最近 この町内で➡
落書きや 器物の破損が 数件 起きてまして。➡
ちょうど パトロールを 強化してたところなんですよ。
はあ。 (木下)もしかすると➡
同じ犯人かもしれませんね。 (太一)そうだったんですか。
(木下)まあ とにかく 戸締まり。 これだけは くれぐれも➡
忘れないようにしてください。 (一同)はい。 分かりました。
(持川)この報告書なんですけどね。 証拠は あるんですか?
(太一)私自身が 昨日➡
チバ電子の 経理担当者に 確認をいたしました。
(持川)今 私から チバ電子の 社長さんに 確認しましたが➡
真瀬個人に 交通費を支払った 事実はないという 話でしたよ。
まさか…。 (持川)いや。 確かに➡
チバ電子さんは 真瀬の交通費を 負担していました。
あっ。 ああ。 でしたら。 (持川)ただし 真瀬が➡
直接 受け取ったわけでは ありません。➡
先方が うちの会社に 請求する 売値から➡
真瀬の交通費分を 差し引く形で➡
負担していたそうです。➡
つまり 真瀬は 交通費の 二重取りなんて していない。➡
チバ電子から 交通費を 負担してもらい➡
それを うちの会社から 真瀬に 支払っていただけです。
しかし 私が聞いたときには 先方の 経理担当者は…。
(持川)先方の 経理担当者は まだ 担当になったばっかりで➡
勘違いしていたようです。 というわけで➡
倉田部長が 上げてきた この報告書は 間違いです。
(太一)あっ。 申し訳ございませんでした。
(持川)いやいや いやいや いやいや。 いや。 ハハハ。
いや。 私は いいんです。 ただ 真瀬がねぇ。➡
いやー。 怒ってましたよ。 忙しいのに➡
ろくに 確認もしないで ぬれぎぬを 着せられたって。➡
わだかまりのないよう➡
きちんと 関係を 修復しておいてくださいよ。
いいですね? (太一)誠心誠意 善処いたします。
ああー。
(川辺)《それは 不採用だ》 《いやいや》
《ちょっと 待ってくださいよ。 ちゃんと 説明してくださいよ》
(川辺)《その パティスリー レーヌさんに 何枚も➡
いたずらファクスが 届いたらしい》
《いたずらファクス?》 (川辺)《デザイナーの➡
倉田 健太には 仕事を 発注するなって》
《えっ?》 (川辺)《レーヌさんから➡
クレームの電話 受けて お前は この仕事から 外すことになった》
《えっ? そんな》
[TEL]
もしもし? [TEL](珪子)あっ。 健太?
家の ポストにね 変なものが 入ってたのよ。
えっ?
[TEL](珪子)パティスリー レースさんってとこの デザイン画なんだけど。
いや。 レーヌだよ。
何かね 破いたのをね 張り合わせてるみたいなんだけど。
えっ?
♬~
誰かが ごみをあさって 電話したんだ。
[TEL](珪子)えっ? 何? パティスリー レースさんってとこの。
(真瀬)倉田さん。 ちょっと いいかな?➡
ハァー。➡
社長から 話は 聞いてるよね? (太一)あっ。 はい。
(真瀬)正直 相当 傷ついてんだよ 俺は。
(太一)あっ。 ご迷惑 お掛けいたしました。
(真瀬)はあ? それだけ?
せめて 土下座ぐらい してみせてくれないと➡
収まりが つかないんじゃないのかな?➡
どうなんだよ? 青葉銀行から来た 倉田さんよ!
♬~
≪(摂子)真瀬部長!➡
怒る相手が 違うんじゃありませんか?
(真瀬)フッ。 何 言ってんだ? お前。
(摂子)そもそも チバ電子さんの 経理担当者が➡
そういう話を したんですよ。 謝れと おっしゃるなら➡
その担当者の方に 言うべきでは ありませんか?➡
それに 倉田部長は 報告書を 上げる前に➡
事前確認しているはずです。 違うなら➡
どうして そのときに はっきり おっしゃらなかったんですか?
何か 言えない理由でも あったんですか?
(真瀬)ふざけたこと 言ってんじゃねえぞ。➡
そんな 理屈っぽいから 旦那にも 逃げられるんだよ。
ハハハ。 ハハハ。
(社員)危ねっ! (真瀬)何やってんだ!? お前!
やり方が 汚いんですよ! どうせ 裏から 手を回したんでしょ!
(太一)やめなさい。 西沢さん。 やめるんだ。
(摂子)私 許せないんですよ! こういう ずるい人!
(真瀬)放せ。 おら。 (社員)あっ。 すいません。
(真瀬)フフフ。 付き合いきれねえな。➡
ほら。 仕事だ。 (一同)はい。
(真瀬)仕事するぞ。 ほら。 (一同)はい。
(摂子)すいません。
あっ。 お騒がせしました。
(八木)今日は 忙しいのに 呼び出しちゃって 申し訳ない。
(太一)青葉銀行 人事部の 八木部長代理さまの➡
呼び出しとあらば いつでも はせ参じますよ。➡
お前は 同期の花だからな。 (八木)ああ。
(太一)で 俺の人事の話か? (八木)さすが 察しがいいね。
分かるよ。 もうすぐ 1年 たつから。
(八木)うん。 そろそろ 先方から➡
人事契約を 延長するかどうかの 通達が 来るんだ。➡
だから その前に 倉田本人の意思を➡
確かめておこうと 思ってな。 (太一)俺の意思?
(八木)うん。
戻りたいっつったって ポストなんか ないんだろ?
(八木)うーん。 まあ サラリーマン人生を 全うするんだったら➡
今の会社に 骨を うずめるってのが 一番の選択だな。
(太一)うん。 (八木)ところで➡
ナカノ電子部品は 出向した人間が みんな➡
1年で 返却されてるっていうのは 知ってるよね?
二代目社長は 癖があるし➡
営業部長は 妙に 銀行員のこと 嫌ってるしな。
(八木)だから 人事部は 倉田 太一に➡
白羽の矢を 立てたんだよ。
(太一)えっ? (八木)ああ。 つまり➡
我を張らずに 周りの人間と うまく やっていける➡
倉田だったら 鬼門の ナカノ電子部品へ 行っても➡
じゅうぶん やっていけると 判断したんだな。
フフフ。 おい。 (八木)あっ。
俺って ずいぶん 都合のいい 人間なんだな。
いや。 すまない。 うちと ナカノとの 関係もあるんだ。
だから 倉田には 何としてでも 踏みとどまってほしいんだよ。
できたら 俺も そうしたいと 思ってる。
(従業員)お待たせしました。 (八木)うん。➡
しかし お前 すっかり ひげが 様になってきたな。
ハハハ。 銀行に いたときには できなかったからな。
(八木)うん。 家族は 何にも 言わないのか?
(太一)うん。 定年間近の 父親のことなんて➡
誰も 興味 持たないよ。
(八木)元気か? 珪子ちゃんは。
(太一)ああ。 (八木)うん。
おい。 開けて。 ≪(七菜・珪子)お兄ちゃんだ。 えっ?
≪(七菜)ちょっと 待って。 開ける。 ≪(珪子)健太?
何で 今日に限って? 痛え。 (七菜)ごめん。
痛っ。 何? 何? (七菜)もう よかった。
何? どうしたの? (珪子)いいから。 上 来て。 上。
(七菜)早く。 何?
何? 何? 何? もう 真っ暗じゃん。
(七菜)あっ。 (珪子)キャー!
(七菜)さっきから 外に ずっと 変な人がいるの。
はっ? (七菜・珪子)ああ。 閉めて 閉めて。
(七菜)そうっと 見て。 えっ?
(七菜)1時間ぐらい ずっと いるんだけどさ。
(珪子)何か こっち 見てるみたいでしょ?
ちょっと 行ってくる。
(珪子)気を付けてね。 ちょっと 見てくるだけだから。
(七菜)頑張って。
鍵 締めといてよ。 (珪子・七菜)うん。
♬~
あいつだ。
♬~
≪(足音)
うわっ。 ああー。 ああー。 痛え。
あっ。 おおー。
≪(物音)
(猫の鳴き声) 何だ。 猫かよ。
うわっ!? ≪ああー。
うわっ。 ああ。 何だ。 親父か。
(太一)「何だよ」って お前。 お母さんに 聞いてきたんだよ。➡
おい。 怪しいやつってのは? 分かんない。
(太一)たまたま 公園で たばこ 吸ってただけじゃないの?
(七菜)そうかもしれないけど。 ねえ?
(珪子)一応 警察には 連絡しておいたわよ。
今夜は 俺も 外 見張るよ。 (珪子)大丈夫?➡
昨日も 徹夜したんじゃないの? 平気 平気。
(七菜)じゃあ 私も そろそろ 四次面接だし 今夜は 頑張るか。
(珪子)何 頑張んの? (七菜)メークの練習とか?
(蟹江)ナスカちゃん。 その後 どうなった?
(明日香)分かりません。 取材拒否 されてますから。
(蟹江)じゃあ 暇か。 たまには 一杯 飲んでくか?
(明日香)えっ? どの店ですか?
(明日香)ああ。 お疲れさまでした。 編集長。
(蟹江)うん うん うん うん。 パブ 空揚げ?➡
深いな。 あるいは 浅いな。 ああ。 シルビアちゃん。➡
シルビアちゃん。 (女性)あっ。 カニー。
(蟹江)呼び捨て すんな。 (女性)いらっしゃい。
(蟹江)バカ。 うっさい。 バカ。➡
いやー。 今日も きらっきら しちゃってんね。
≪いらっしゃいませ。
(蟹江)ねえねえ。 今週ね 皆勤賞なんだよ。
ありがとうございまーす。
(蟹江)ハァー。 気のない返事が 100点。
≪(足音)
何だよ? 親父。 まだ 起きてたのか。
(太一)ああ。 どうだ? 外は。 別に。
雨 降ってきたみたいだし 今日は もう いいんじゃないか?
あしたも 仕事だろう? まあ 大丈夫だよ。
うん。
なあ? 健太。 うん?
お前 仕事 楽しいか?
何だよ? 急に。
自分の 好きなことをやって 食っていけりゃ➡
そりゃ 最高だよな。
こんなときに 説教かよ?
いや。 俺はさ 根っからの サラリーマンだから➡
聞いてみたかっただけだ。
ああ。
頑張れよ。
♬~
≪(珪子)ああー! ああー!
(太一・健太)おお。 (太一)お母さんの声がした。
(七菜)えっ? 何?
(太一)大丈夫?➡
どうしたの? お母さん。 (健太・七菜)お母さん? 何?
(珪子)ああ。 ああ。
(七菜・珪子)うわー! キャー! (太一)おおー。 えっ? えっ?
☎
(太一)中 入ろう。 ねっ? ☎
☎
♬~
何だよ? これ。
♬~
<ささいなことを きっかけに➡
穏やかな日常が 一瞬のうちに 崩れ去ってしまうことがある>
≪(七菜)ねえ? 何か 変。
(珪子)ああ。 (太一)お水 飲みなさい。
(珪子)ありがと。 何? どうした?
(ファクスの作動音)
<臆病者の僕が➡
ありもしない 勇気を 出してしまった あの瞬間から➡
わが家は 全てが 変わってしまった>
<このとき 僕らは まだ 知らなかったんだ>
<この恐ろしい ゲームが 始まったばかりだということを>
(ファクスの作動音)
♬~
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