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5 年前 夫 と 離 婚 を して 以 来 私 は 一 人 息 子 の

大 地 と 二 人 き り の 生活 を 送 って いる

無 婚 を して 1 ヶ 月 が た った 頃 私 は

寂 し さ で 気 持 ち が 混 濁 して いた あ まり ある

日 の 夜 寝 て いる 大 地 に 迫 り 体 の

関 係 を 持 って しま った

その 夜 から 今年 で 5 年 が た った 今 では 私 た

ちは 当 時 あ った こと を な かった か の ように 振 る 舞 い 淡
々 と

生活 して いる。

だ が 私 た ちは ど こ か し ら 互 い を 意 識 し 合 う

気 まず い 間 柄 にな って いた。

そして 近 頃、 私 は 職 場 の 同 僚 で ある 男 性 から

お 付 き 合 い を した い と 告 白 さ れた。

私 は タ イ チ へ の 感 情 を 忘 れる き っ か け にな る か
もし れない と、

その 申 し 出 を 受 け 入 れる つ も り で いた。

ん?

ちょっと 聞 いて ほ しい っていう か 相 談 した い こと が ある の

うん、 何?

実 は 母 さん 職 場 の 人 に お 付 き 合 い して ほ しい って

言 わ れて る の それ って

どう いうこと?

母 さん、 恋 人 が でき る か もし れない。 俺、 嫌 だ よ。

大 地。

俺、 絶 対 嫌 だ よ。

俺、 だ って、 母 さん の こと が。

私 は、 その 日 以 来 落 ち 込 む 大 地 を 元 気 づ ける ため、

そして 私 自 身 の 気 持 ち の 生 産 の ため に と 大 地 と 親

子 水 い ら ず の 温 泉 旅 行 に 出 か ける こと に した

ありがとう。

ありがとうございました。

どう した ら いい の?

すごい 広 い ね こんな に 床 も な かった

すごい 床 も あ った ね

ここ

いい 景 色

音 が すご く 良 い ですね。

お 肌 ツ ル ツ ル にな っちゃ う の かな?

ど んな 感じ なんだ ろう ね? 匂

ってる の かな? 匂 ってる と いい ね。 なんか 効 き そう じゃ ん。
そうそう。 すごい 透 明 な の しか

入 って ない の。

露 天 風 呂 と 夜 の 風 呂 は?

あ った ね。 なんか。 ハ ン マ ー と なる 楽 し み だ し ね。

まだ まだ まだ まだ まだ まだ まだ まだ まだ まだ まだ まだ まだ
まだ まだ まだ まだ まだ まだ まだ まだ まだ

そう か も ね

あの

さ お 母 さん

さ その 前 に 言 って た

じゃ ん 男 の 人 と 付 き 合 ってる って

さ その ね え 付 き 合 ってる わ け じゃない よ 違う ただ

ちょっと お 付 き 合 い を ね 持 ち 込

ま れた という か あ、

まだ 付 き 合 ってる ん じゃない んだ うん、 全 然 付 き 合 って
ない んだ よ う ーん

そ っ か ね え お 母 さん の 気 持 ちは

どう? 好 き な の 探 して も?

まだ 全 然、 そんな、 本当 に そ ん なん じゃない から。

でも、 別 に 断 ってる わ け じゃない んです よ。

まあ。

ね え、 お 母 さん。

覚 えて る よね?

え?

その 5 年前 さ

僕 に さ

忘 れて る わ け じゃない よ

僕 は 全 然 忘 れて ない よ 忘

れて ない っていう か

あれ から ず っと 何 回 も 思 い 出 す っていう か

あの 時 の こと

それ が 僕 あれ が き っ か け って

わ け じゃない けど さ その

僕 ず っと

お 母 さん の こと さ その

すごい 好 き 好 き なんだ お 母 さん

ず っと さ 頭 の 中 に ず っと 残 って て

そう お 母 さん ず っと 前 に

僕 すごい 嫌 なんだ お 母 さん 大 事 お 母 さん

が 他 の 人 と 一 緒 に いる とか そう いう の 僕 我 慢 でき
ない んだ よ

でも お 母 さん

僕 あの 時 の こと ず っと 忘

れ ら んな く て

ご か げ さ ま

お 母 さん の 本当 は 5 年前 の こと を 忘 れ ら れ ず に いた
の。

うん。

捨 て た。

捨 て た っていう か、 お 母 さん も すごい 意

識 して る みたい だ った から。

そう なん じゃない かな?

ね え、 大 地。

うん?

母 さん、 こんな あ や ふ や な 気 持 ち の ま ま じゃ、 い け
ない と思 う の。

だから、

だけ でも いい から。

母 さん の こと、 抱 いて。

母。

ありがとうございました

そうだ ね 二

人 だけ の 旅 行

ね 乾 杯

大 地、 大 人 にな った ね。

な に、 いき な り?

どう し ちゃ った の?

なんか、 今 の 大 地、 す っ ご い 魅 力 的。

そう。

5 年前 は、 ただ、 曲 が さ せ た だけ か もし れない けど

今 の 大 地 だ った ら 一 人 の 男 と して

好 き にな れ そう

いい

よ 好 き にな って

どう した の よ って 言 う な ね え ね え

大 人 にな った タ イ プ を 見 せて

一 応

ここ どう して ほ しい の?

どう かな?

いや、 なんか、 帰 り た く ない な って 思 って。

どう して?

だ って、 母 さん、 東 京 帰 った ら 彼 氏 が でき ちゃ うん で
しょ?

もし もし、 広 瀬 さん?

うん、 そう。

あの ね、 こ ない だ の 話 なんです けど、

や っぱ り、 私、 お 受 け でき ません。

ご め んな さい。

うん。

私、 その 人 が いる の。

本当、 ご め んな さい。

これで いい? 大 地。

うん。

じゃあ、 帰 ろう。

うん。

私 と 太 一 が これ から 築 いて いく もの、 それ も

一 つ の 親 子 の 愛 の 形 で ある と 信 じ て 生 き て い

こう と思 う の です。