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白崎:もう やめます。
羽山さんの恋人
《羽山:あれ以来 涼二の役に
うまく感情を乗せられない》
《もう最終話の撮影も 始まってるのに…》
《明野:今日の撮影 台詞飛んだみたいだけど
調子悪い? 大丈夫?》
(三原)あれ 羽山 久しぶりじゃん。
どうも。 好きなとこ座って。
いつものでいい? あぁ。
あの ボサッとした… 白崎くんだっけ?
元気?
あぁ。 俺のこと 全然
覚えてないんだもんなぁ。
偶然 この店に来たとはいえ…。
三原:いらっしゃい。 何にします?
ウーロン茶で。 あれ?
どっかで会ったことある? え… いや…。
うち初めてだよね? はい。
ふぅん…
大学時代 何度か 映研の作品も手伝ったのにさ。
ありがとう。
で? なんかあった?
ん? 開店前に来るなんて
なんか悩みでもあんのかなって。
いや 別に…。
まっ あったとしても 慰めないけどね。
フッ… はいはい。
自分を励ますことをできるのは 自分だけでしょ。
俺は そう思ってる。
名言 似合わないよ。
うるさい。
しようがないから 話だけは聞いてあげてもいいよ。
なんか
芝居が楽しめなくて…。
珍しい。 何? スランプってやつ?
ん…。
ちょっと 大学時代のお前からは 想像できないね。
あぁ 全然 地元 帰ってないなぁ。
久しぶりに 地元のうまい飯 食いたいかも。
~
おじゃまします。 どうも。
~
《懐かしいな》
《映研の知り合いに頼まれて
初めて芝居をして…》
《大きなスクリーンに 自分の姿が映し出された》
《白崎くんと出会ったのも この場所だ》
~
変わってないな。
懐かしい…。
《お互い 好きなのに 一線を越えていない二人。
拓海は 思いが溢れて 涼二に懇願する》
「涼二さん。 最後に一回でいいから
寝てほしい」。
《涼二と 拓海は 互いの思いを 確認し合うかのように
唇を重ね… そして 二人は初めて結ばれる》
《羽山さんへの気持ちを 断ち切ったのに
ベッドシーンをやるなんて…。
現実と真逆…。
どうすりゃいいんだ》
(玄関チャイム)
あっ 羽山さ…。
(ノック)
(山瀬)由岐 いるんだろ。
山瀬さん? (ノック)
(山瀬)由岐! (ノック)
(玄関チャイム)
(山瀬)由岐! (玄関チャイム)
(山瀬)よっ。 なんで…。今日 撮影 休みじゃん。
そういうことじゃ…。 飯でも食おうよ。
とりあえず上がっていい?
もう上がってるし。
ウソだよな?
それ 本気で言ってる?
(洋平)ごめん。 悪かった。
許せるわけないだろ!
《俺って こんなに下手だったのか》
はい お茶。
サンキュ。
どうしたの? 突然。
いいじゃん。 俺たち 恋人同士だし。
一瞬だけだろ。 拓海と 大和が つきあうの。
まぁ 結局 涼二さんのとこ 行っちゃうんだもんなぁ。
そういえば 佐久間さんから聞いたけど
羽山さん 今日 地元 帰ってんだって?
えっ? なんで? さぁ。
気分転換とかじゃない?
昨日の撮影でも セリフ飛んで NG出してたし。
珍しいよなぁ。 例の好きな人と 関係してんのかな。
えっ。
佐久間:アイツ ずっと 忘れられない子がいるんだよ
誰なんだろう。 やっぱ うわさになった
あの女優かな。
知らない そんなの。
何怒ってんの?
怒ってねえし!
おもろ。
俺にとって麻奈美は
初恋だったんだ。
お前にとっては 大勢の中の一人でも…。
俺にとっては たった一人の…。
泣き芝居も 全然 ダメだな。
《このころ 映画や ドラマを 浴びるように見て
夢中で芝居のことを勉強した》
《ってか なんで 俺
そんなに 夢中になったんだっけ…》
ウソだよな?
それ 本気で言ってる?
(洋平)ごめん。 悪かった。
許せるわけないだろ!
お前にとっては 大勢の中の一人でも
俺にとっては たった一人の…。
(関水)はい カット! オッケー!
すげぇよかったよ!
ありがと。 やっぱ羽山に頼んで よかったわ。
次のシーンも よろしくな。
うん。 じゃあ 次 シーン13 いくよ。
(一同)は~い。 シーン13は…
《あぁ そうか》
《初めての芝居は 楽しかったんだ》
《みんなで作品を作り上げるのも おもしろかったし…》
《現実の自分を忘れて 別の人間になれるのが
心地よかった》
《俺だけど 俺じゃなくて…。
感情のままに笑ったり 泣いたり 怒ったり…》
俺 気持ち 伝えるよ。
やっぱり アイツが好きだ
《そうだ。 芝居って楽しいものなんだ》
《俺… 好きだな
芝居が》
こんな所にあるんだ。
あぁ。
あっ 今? そう。 うっす。
あぁ こんばんは。 わっす。
遅いぞ 2人とも。 ごめんごめん。
何飲む? 俺 生で。 生。
生。 白崎くんは? 由岐。
あ… なんでも大丈夫です。 じゃあ お任せで。
(山瀬)俺 結構 羽山さんの作品 見てんだよな。
絶対 俺のほうが見てる。 デビュー作 見た?
メチャクチャ モテる イケメンの役。 もちろん。
でも あれは 内面の揺れを描いてないし
羽山麻水のよさを 生かしてるとは思えません。
研修医のやつも よかったよな。 はい。
見た? もちろん見ました!
患者が死んで 涙流すシーン。 そう。
本当に芝居うまいと思った。 羽山さんは
繊細な芝居が ホントにいい。 でも それでいて華もあるし…。
白崎くん 羽山のいいところ 何個でも言えそうだね。
えっ? リアル涼二と 拓海じゃん。
確かに。 2人
本当に つきあってたりして。
つきあってねえし。
ってか なんで そんな 俺と 羽山さんのこと
気にすんの?
なんでだろ。 あっ まさか
白崎くんのこと好きとか? いや ないない ないない。
じゃあ 羽山さんのこと 好きなんじゃねぇの?
羽山さんねぇ…。
なくはない。
(白崎/佐久間)はぁ!?
自分を励ますことを できるのは 自分だけでしょ。
俺は そう思ってる
確かになぁ。
~
《明野さん 心配かけて すみませんでした。
もう大丈夫です》
はやっ。
《明野:さすがウチの優良商品! 最後まで頑張ろう!》
《大丈夫 楽しめる。
白崎くんのことは もう 芝居に引きずらない。
最後まで 俺は 涼二でいるだけだ》
佐久間さん 最終回の台本 どうでした?
あぁ 2人が結ばれたと思ったら また ひと波乱あって
おもしろかった。
いいラストですよね。
《もうすぐ 拓海とも
涼二さんとも お別れなんだ》
《撮影が終われば きっと羽山さんと会うことも
なくなってしまう》
もう やめます。
羽山さんの恋人
《断ち切ったと思ってたのに
どうして羽山さんのことばかり 考えちゃうんだろう》
《やっぱり 俺
この気持ちを諦めるなんて…》
(ドアの開く音)
(佐久間)おつかれ。 ういっす。
羽山さん!?
えっ。 俺が羽山に声かけたの。
4人で飲むなんて初めてじゃん。
あ… 佐久間だけじゃなかったんだ。
うん。 まぁ 座って座って。
何飲む? じゃあ 同じので。
同じの 了解!
こんばんは。 こんばんは。
~
おい… 由岐
飲みすぎだって お前…。 いいんです やめてください。
いいから。
それにしても もう少しで終わっちゃうなんて
寂しいね。 あぁ。
寂しいです 本当に…。
っていうか…。
おい…。 気持ち悪い…。
(ざわめき)
立てる? 立ててます。 立ててないよ。
立ってます。 まっすぐ立って。
(佐久間)大丈夫? 白崎くん。
(山瀬)大丈夫かよ。 ちゃんと歩けって。
大丈夫です。 行くよ。
大丈夫だから もう一軒 行きましょう。
早く うち帰れって。 嫌です!
あぁ じゃあ 恋人役の羽山
悪いけど 家まで 送ってってあげてくんない?
えっ。
(佐久間)なぁ 羽山のこと好きって マジなの?
好きっていうか… ほら 芝居 うまい人 見ると
ヤリて~って思うじゃないすか。
それだけです。 はぁ?
意味わかんねえ。 なんだそれ。
だと思った。 へぇ。
芝居 うまい人とか…。
あっ じゃあさ 俺と ヤリたいって
思ったことある? えっ。
いや…。 じゃあ 俺の演技は
下手だってこと? 言ってないし。
いいよいいよ わかってますよ。
ちょっと待ってて。 お水 持ってくるから。
大丈夫? 飲める?
ありがとうございます。 うん。
前にも ありましたよね こんなこと。
でも もう 終わっちゃいますね このドラマ。
そうだね。
あっ。
じゃあ 俺 そろそろ行くね。
えっ でも…。
タクシー拾うから大丈夫。
気にしないで。
また 現場で。
はっ 羽山さん!
こっ こんなこと言うの あれですけど…。
自分が 恋人ごっこ やめるって言ったくせに
こんなこと言うの おかしいのは わかってます。
俺と 寝てほしいんです。
抱いてくれませんか
俺のこと。
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