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・~
・~
・~
・~
・~
・~
・~
・~
あさお
(朝夫)イヤッホ~!
ワ~オ~ッ!
それいけ! ホッホ~!
それいけ!
いくぞ! ホイッ!
そこだ!
そっちだ!
とらへいた
(虎平太)こらー!
何すんだ・ この野郎ども こら!
・~
・~
ほら いけ!
(男の子)待って!
・ イヤッホ~! ホッホ~!
イヤッホ~!
・~
あっ!
かずお
何してんだよ?
(和夫)朝夫さ!
よ~し 行くぞ
アアッ…
ハァハァ… よいしょ
そ~れ! こっちだ こっちだ!
ここだ ここだ
あっ! あった あった!
(子供たち)どこどこ?
ほら ここ ここ
あっ ホントだ ホントだ!
踏むな踏むな よ~し よしよし…
出して出して よし
OK OK
いいぞ いいぞ…
よし…
(せきこみ)
よっ…
(せきこみ)
さくぞう
作蔵さ…
(作蔵)働け
もん
まあ めっけ物だ この巣は
やっと見つけただ
よいしょ
10段は あるずら
よいしょ よいしょ…
(笑い声)
来い!
よ~し 掘るぞ!
(男の子)うん よっしゃ!
ンンッ!
ほら 出てきた 出てきた 出てきた
そっと そっと…
よいしょ よいしょ…
よしよし… よ~し よしよし…
よいしょ… ほらよ
ほら… ほら…
1段…
うわぁ すげえ すげえ…
2段…
おお よしよし
3段…
入ってるなぁ これは
入ってる入ってる
4段
よしよし… 街に売りに行くぞ
5段…
・~
・~
・~
・~
・~
・~
・~
・~
・~
・~
・~
・~
はるこ
(春子)よっ… フフッ…
ほら ほら…
(笑い声)
和夫!
(和夫)なに?
(和夫)うわぁ! いちご
はい
♪(ハミング)
♪~
父ちゃん ゴハンにしよう
ああ
みちこ
道子 和夫 ゴハンだよ!
(道子・和夫)は~い
♪~
和夫!
(舌打ち)
ねげ
じゃ また あした お願えします
(まき)ああ
どうも ありがとう
つかごし
(塚越)フッ… ハハハッ…
父ちゃん!
和夫は?
また逃げたな
日曜ぐらい 遊ばせてやるだ
何でも 父ちゃんの
思いどおりにいくもんじゃねえぞ
母ちゃんも言ってたわ
「どこ行ったって・
1日 その顔
見ているよりはマシずら」って
さあ 引け!
早く ホテル回らなきゃ
足りねえら 残飯
ンッ!
いなぎ
父ちゃん 稲城先生だわ
東京からのお帰りだ
しんご
(慎吾)
作蔵君 開拓の諸君は元気かね?
へい おかげさまで
うむ… 行って
・(足音)
どうしただ? それ
くれただい 朝夫さが
「たまにゃ
人間らしい物を食え」だって
(和夫)履いてみ
これもか?
うん 俺は来月 買ってもらうだ
良かったなぁ 道… 街へ行くに
ボロ靴 履かねえで済んでな
(道子)父ちゃん ほら!
よいち
父ちゃん どじょう汁 食わねえか
(与一)うむ…
リウマチに効くかもしれねえよ
よし
どっこいしょ…
うん…
おう
ウワッ!
うん?
作蔵さ 何すんだよ・
この!
(たたく音)
この野郎!
こんちくしょう!
アアッ…
やめろ 父ちゃん!
この!
こじきじゃねえぞ
(ハンマーの音)
帰れや いいから
めえ
おやじ
変わっているからな
お前んとこの親父は
ああならねば
やってこれなかったんだもん
戦争に負けて
急に海軍なくなっちまって…
兵曹長になるまで
毎日毎日 苦労して
やっと これからって
いうとこだっちゅうわ
そんな苦労は誰だってしてらぁ
もうこ
俺んとこの親父だって
蒙古の開拓から引き揚げて…
昔の次・三男は
どこだって同じよ みんな
おにさく
「鬼作 鬼作」なんて言われるのは
情味がねえからずら
だから おっ母さまだって
とうとう おん出ちまって
だけど うちの父ちゃんは・
その日暮らしの日雇い根性じゃ
ねえもん!
ああ?
ハハッ! 100まで キリキリやるだが
食う物も ろくすっぽ食わねえで
人間 ただ
働きゃいいってもんじゃねえら!
パッパと お金 使うことが
いいことじゃねえもん
父ちゃんの いいとこなんか
朝夫さには分からねえわ!
ケッ!
だったら いいよ
もん
もう お前んとこの者には
かまわねえからな!
でも…
和夫は 朝夫さのこと好きだしな
おらだって好きだし
ひとの子 連れ回して
遊んでくれるような・
わけ
若え あにっこなんか
1人もいねえもんな ここにゃ
だから 朝夫さには・
気ぃ悪くして
もらいたくねえだわ おらも
なあ また 和夫 連れ回してやって
父ちゃんにも よく言っとくから
どけ!
よっ! よっ!
・~
・(はしゃぎ声)
・ ほら 和夫 おいで
・~
和夫 早く着るだえ
夏の風邪はバカがひくだから
はい
(和夫・道子)父ちゃん!
♪ ラララ ララララ
ランラララ ラララ
♪ ラララ ララララ ランラララ ラララ
ラララ ララララ ラララララ
♪ ランララ ラララララ
♪ ラ~ラ~ ラ~ラ~
和夫 タオル
♪ ラララ ララララ
ランラララ ラララ
・(笑い声)
・~
(せきこみ)
・~
もういいわね 父ちゃん
燃さねえでも
ああ…
・~
・~
・(女子生徒)「お母さんに聞くと
『麦わらの先を細かく割って・
ラッパの形にしてごらん』と
教えてくれました」
・「そのとおりにしてみると
大きなシャボン玉ができました」
・「僕の顔が映りました」
何の用だ?
(八重子)何べん手紙書いても
返事くれないから来たんだよ
今日こそ
和夫と道子 連れてくからね
母ちゃん 和夫たちは ここで
飛び回ってるほうが幸せだよ
お前には分かんないよ
やっぱ
子供は設備のいい学校に通わせて
ちゃんと教育しなきゃダメだよ
こんなとこに置いといたら
後れてくばかりで どうなるだか
十分だ 山の学校で
今どき 机もない子供なんて…
本だって
ロクに買ってやれないだろうし
親なら 子供の
将来のことも考えなくちゃね
今更 利いたふうなこと言うな
お前が捨てた子たちじゃねえか
捨てた? あんたが意地張って
渡さなかっただけじゃないか
てめえみてえな女に
母親面されてたまるか!
分かってんだろう
そんなことぐれえ
胸に手ぇ当てて よく考えてみろ
そんなふうにさせたのは
誰なのよ?
豚で失敗したとき 塚越んとこに
金借りにやらせたのは・
一体 どこの誰よ?
牛や豚っていうと
目の色 変えるくせに
あんたにゃ 女の気持ちってものが
分かんないんだから
ああ! イヤだ イヤだ
私はね
ここを出てって 生き返ったよ
野郎!
アマ
この女! てめえ!
この野郎! この野郎!
(たたく音)
出ていけ! 出てけ ちくしょう!
この野郎…
ンッ! ンッ!
(たたく音)
アアッ…
やめろ 父ちゃん!
こんちくしょう!
アッ…
出てくぞ おらも!
変わらんわ あんた…
変わらんわ!
どこ行くだ? 母ちゃん
帰る
道子たち もうすぐ帰るから
待ってやって
お前が いちばん かわいそうだ…
(泣き声)
学校行って 道たち 連れておいで
お前も おいで いいから
(泣き声)
♪(祭り囃子)
(子供たち)
ワッショイ! ワッショイ!
・♪~
・(八重子)稲城先生
(八重子)お久しぶりでございます
やあ…
どうも
そのうち また お伺いしますから
よろしくお願いします
いやいや…
さあ… では
・♪~
(はしゃぎ声)
和夫!
母ちゃん!
(和夫)春姉!
(笑い声)
和夫も道子も置いてけばいい
街の学校へ行ったほうが
将来のためだよ
うち
それより 母ちゃん
帰らねえか? もう一度 家に
なあ? そうしろ 喜ぶもの みんな
ホントは父ちゃんだって
籍 抜いてもらおうと思ってんだよ
さっきの稲城先生に頼んで
どうして?
戻らんわ 前には
昨日 見て分かったけど
あんな人じゃなかった 昔は
パリから香水 買ってきてくれてね
練習航海で
フランス行ったときにさ
帰りに シケで軍艦が揺れて
瓶が壊れちまって
母ちゃん つけずじまいだったけど
(笑い声)
3日間 軍艦が
女のような匂いがしたってさ
(笑い声)
よこすか
横須賀の
ビリヤードにいたときだわ
玉突きなんかやったの? 父ちゃん
元気な顔して 上陸の度だった
へえ… 初めて聞いた そんなこと
何も話さねえもんな 父ちゃん
開拓 始めたときだって
まだ夢があったわ
これから土を耕して 牛飼って
楽しく平和に暮らそうって
やり直そうって…
母ちゃんだって
一生懸命やったんだよ
だけど そんなに甘くなかった
貧乏は人を変えるからね
・~
でも きっと抜け出すえ 父ちゃん
今でも夢持ってるよ
仕事は何よりも好きだし
みんなが言ってるだもの
「あんなに働く人は
見たことがねえ」って
貧乏なんか
きっと追ん出すわ 父ちゃん
まあ いいわ
もう
帰れる体でもないしな 母ちゃん
・♪~
根ぇ生やすだわ 父ちゃん
ねじり
根尻で立派に やってくだわ
・♪~
ンンッ!
ンンッ!
よっ!
(2人)ンンッ!
よいしょ!
ンンッ!
ンンッ ウウッ…
ンンッ!
ほら もうひと息だ 春
ンンッ!
ぐんぞう
あっ こんちは
(軍蔵の妻)どこ行くだい? 今日は
ガレ場のヒュッテだんね
ふ~ん ほうかい
♪(ギターの演奏)
♪~
♪~
朝夫さ
♪~
♪~
どうしたの?
♪~
春…
うん?
本気で考えたことあるか?
自分の将来のこと
なんで?
ホントに幸せか? いま
(笑い声)
本気で聞いてるだぞ!
(舌打ち)
俺は石工だから
今のまんま やってきゃいいが
この切り株だらけの荒れ地
作蔵さは
一体 どうするつもりだ?
せいぜい 豚や トウモロコシぐれえずら
アテになるのは
フッ… そんな物 アテにしてたら
やってけねえわ
豚がいいってとき 豚飼い始めりゃ
肝心の売るときにゃ
値段が下がるだし
「果樹だ 生糸だ」って
騒いでるときに・
木や桑 植えりゃ
3年は死ぬ思いするだしなぁ
じゃ どうするんだい?
牧場にするだわ
高地は酪農より道がねえだし
25年やってきたから
あと5年だわ
父ちゃん 最初っから
「開拓30年」って言ってただから
そんなこと言ってるうちに みんな
流されていくんじゃねえのか?
今だって 乳価ひとつ
自分じゃ決められんからな
(笑い声)
何するだ・
(笑い声)
春!
アアッ…
朝夫さ… 朝夫さ!
・~
春! 春!
春!
ああ!
・~
春…
俺は…
俺は お前が大事だ
だから 将来のことが気になって
さっき…
朝夫さ…
・~
幸せにするぞ
きっと
・~
お前が好いたふうに…
緑の牧場にするだわ
・~
・~
ンンッ!
・~
春!
・~
何だ? これ
あのな これを持ってな
ごみ
五味先生んとこへ行ってこい
うん
・~
五味先生!
・~
たきみがおか
(五味)これ どこで見つけた?
滝見ヶ丘です
じょうもん
縄文前期… 7000年前の物だ
大手柄だぞ 春ちゃん!
父ちゃんが見つけただ!
・~
・~
・~
(教師)あったぞ!
(歓声)
・~
この土器 いつごろの物ですか?
1万年前だね
しかし
この一帯の歴史は もっと古いんだ
遠く 原始のころから
人間の住みよい環境だったんだな
(田口)ちょっと すいません
土器を発見したとき
どう思われました?
うん?
簡単に ひと言でいいんですが
ルーブルなんかのより…
このほうがいいな
はぁ?
あの…
「ルーブル」っていいますと?
パリにあるだ
ああ…
こら 大した物だ
・~
作蔵さ! 作蔵さ!
クロが死ぬぞ!
作蔵さ 鼓腸症だわ
生のジャガイモ 相当 食ってるぞ
すぐ獣医 呼ばなきゃ
春! 隣町へ行って呼んでこい
(牛のうなり声)
(すみ)借金して
やっと買った牛だっちゅうに…
来ねえかい? 医者 来ねえかい?
死なれりゃ
3年 逆戻りだわな 作蔵さ
(直二郎)運だわ こりゃ
(虎平太)来たじゃねえか?
(直二郎)うん?
(牛のうなり声)
(すみ)どうした? 医者
いねえわ 休みで
家族連れで 温泉へ行ってるだとよ
(与一)なんだ…
やるだかい?
何するんだい?
(虎平太)
ろっ骨の下に急所があるだ
ガス針 刺して ガス抜けば
早きゃ助かるだが…
へえ もう4時間も たってるでな
頑張るだぞ クロ!
(刺す音)
(ガスの抜ける音)
クロ!
(牛のうなり声)
(和夫)クロ!
クロ!
クロ!
(泣き声)
クロ! クロ!
クロ!
(泣き声)
(和夫)クロ! クロ!
(泣き声)
ためじ
まさはる
(為次)お~い 軍蔵 政春!
(政春)おう 何だ?
(軍蔵)為さ どうしただよ?
(為次)アポロ観光がな
この辺の土地を全部 買うだと
150億っちゅうだわ 予算が
(軍蔵)全部?
ああ
(軍蔵)誰から聞いただ?
はくりゅう
まちげ
白竜荘の塚越さんの話だで
間違えねえわ
あれでも
「アポロ」の並び重役だでな
(男性)おう
(鈴の音)
あっ ありがとう
(飯沼)本県は風光明美な
大自然に恵まれております
しかし そのまま放置しておいては
宝の持ち腐れです
自然は全ての人々に解放してこそ
その存在価値が出てきます
え~ 私たちは 都会生活で
自然を全く失ってしまった人々
さまざまな公害で
苦しんでいる勤労者
一般大衆に その疲れきった心を
癒やす憩いの場所を・
提供しなくてはなりません
これは
本県の義務であるというのが・
私どもの観光開発論の
根底をなすものです
そのためには どうしても・
このビーナスラインを
完成させる必要があるのです
(正木)ちょっと待ってください
うつくしがみね
これは美ヶ峰の高層湿原地帯です
もし
道路が ここを通ることになると・
ここの
植物群落は死に絶えてしまう
この問題は どうなんです?
ここの植物の種類の多いことは
日本一で 800種類を超えます
地域面積に対して 種間雑種の
多いことでは世界一です
また ここのブナ林も
地球上に生物が誕生して以来・
ずっと
そのままの歴史を維持している・
文字どおりの原生林です
みずばしょう
おぜ
水芭蕉も群生地としては
尾瀬などより大きく
もちろん 日本一です
それを この開発計画は
無視しようとしています
(五味)そうです
自然は そのままにしておいてこそ
価値がある
もし 少しでも人間が手を加えれば
自然は衰えてしまう
人間も自然の一部です
自然が人間に従属するなどという
思い上がりは捨てるべきでしょう
自然が破壊されるということは
人類の滅亡を意味します
ここは
古代遺跡の宝庫でもあるのです
ところが このプランによると・
これを全く無視して
破壊しようとしておる
ハハッ…
滅亡とか破壊とは大げさですなぁ
(笑い声)
え~… 実施にあたりましては
高層湿原地帯や古代遺跡には・
十分な保護を加え…
(五味)信用できませんな
とがくしさんろく
現に 戸隠山麓の
あのバードライン あれは何ですか
(五味)野鳥の宝庫に道を造って
樹木を枯らし 鳥たちを追い払って
なにが 「バードライン」です?
その愚を
今度は美ヶ峰で行おうとしておる
今日の新聞によると
100社に及ぶ観光会社が・
各地を
買いあさっているとあります
あと数年で 自然はシロアリに
食い尽くされたようになる
そうならんように
業者から守っているのが・
私どもの観光開発局です
守っている? とんでもない
本質的には あなた方も観光会社も
変わりありませんよ
そりゃ
学者らしくもない暴言ですな
これからの あたな方の仕事は
既に造ってしまったビーナスラインなどを
つぶして 自然を元に戻すことです
わしらの開拓を ビーナス・レジャーランドに
しようっちゅうのは・
どういうお考えですか?
(飯沼)はぁ?
さっきから聞いてると・
なんだか 都会に
住んでる人たちのことばっか・
心配しておるようですけんど
一体 わしらのことは?
(男性)そうだ そうだ!
え~ 人間と自然 開拓村と
高層湿原地帯・古代遺跡の問題は・
一緒に善処しようと研究中です
まだ よく分からねえんだが
善処っちゅうのは・
ビーナス・ランド中止っちゅうふうに
持ってってもらえるこんですかい
その点につきましてはですね…
え~ その点につきましては
県といたしましては…
いや 今までの説明で
お分かりのように…
はっきり言えよ!
(男性)そこが聞きてえだよ!
いやいや まあ 結局 条件が
悪すぎるんですわ ここら辺りは
ムリして
牛なんか入れようとすりゃね
作蔵さんのようなことになるしな
しかし 25年前に
県や役場は何ちゅうたですか?
これからは農業立国だ 日本は
平和なスイスになるっちゅうて
だから アポロ観光が
スイスにするっちゅうだよ
(為次の妻)
はした金で おらたち放り出して
なにが 「日本のスイス」だい!
言いてえのは そこだ! 塚越さん
ガレ畑に イモ植えての百姓でもよ
ふるさと
ここは 第二の故郷だ
俺たちにとっちゃ
そうだ!
こんな いいとこはねえわ
ダマされねえぞ 俺は!
(ひで)おらだって!
(ひで)おら…
まんもう
おら 戦争中
満蒙の開拓団に追いやられて
亭主と子供3人 亡くして
やっと この開拓に落ち着いただ
もう 今度はダマされねえぞ!
(ひで)おら 死んだって この開拓
離れねえだ! 離れねえだ!
まあまあ いいがな ハハハッ…
アポロ観光も
鬼ではねえだで ハハハッ…
補償の金額も十分に検討して・
みんなに よくなるっちゅうことで
考えるから
じゃ 今夜は これくらいで
(ざわめき)
まあまあ 悪いようにはせんから
まあ 任せとけ 任せとけ
悪いようにはせんって
任せとけ 任せとけ ハハハッ…
(女性)あっ… 稲城先生だ
へえ… どういうことですかね?
あんたが こんな所に
現れるっちゅうは ええ? ハハ…
じゃ みんな そういうことで
みんなも よく考えてくれや なあ
どうぞ
あの男に頼るか わしを信じるか
みんなの意見を聞きに来たよ
今ここで くじけると・
君たち25年の苦労は
根絶やしになる
しかし やる気のない人間は
どのみちダメなんだから
今すぐ アポロ観光の目腐れ金を
もらって 出ていったほうがいい
遠慮することはないよ
気の毒だったね ええ?
元気かい? お父さん
はい
そう
わしの借金なんか 心配いらんよ
新しい牛を入れるんなら
頭金の面倒ぐらい見るって・
お父さんに言いなさい
はい
ほかの人たちも そうだ
本気で やる気なら 今までどおり
いくらでも面倒みるからな わしは
(為次)みんな 聞いたかや?
勝利 間違いなしだわ
これで 稲城先生を中心に みんな
まとまっていけばよ なっ?
(男性たち)そうだ そうだ!
お疲れさんでござんした
おい みんな!
ちょ… ちょっと待ってくれよ
話があるで!
稲城さを頼るのは
やめようじゃねえか
これは俺たちだけのことだからな
それは そういうことでもあるだが
違いますらい!
いや そうだわ!
稲城さんとこは・
農地改革で素っ裸になってから
あれこれ やってよ
この間も 国有林の払い下げで
うめえ汁 吸ったことぐれえ・
みんなも知ってるじゃねえか!
朝夫!
(政春)でも 今では
おらたちの ためになる人だからな
いいっちゅうこんだ!
(音吉)だから 危ねえだよ!
(真二郎)そうだわ
昔は 軍部と結託して
今は表に出ねえだが
財界と政界との間を
うまく立ち回って・
かねもう
あこぎな金儲けを
してるっていうだわ
今度だって アポロの動きをつかんで
慌てて 東京から帰ってきたずら
(軍蔵の妻)偉そうに言ったって・
おらたちだけで何ができるだ?
借金だらけでよ
お前の家だって そうじゃねえか
こん中で 稲城先生に
借りのねえ者は1人もいねえずら
みんな合わせりゃ何千万に
なるだか このバチ当たりめ!
この野郎… 金借りて何が悪い?
俺は てめえみたいに
稲城に尻尾 振っちゃいねえぞ!
もう ええわ…
(与一)何言うだ 朝!
話があるだ こいつと!
帰るだ 帰るだ 帰るだよ!
もう ええわ 話なら
春子と ゆっくりやれや ハハッ…
この野郎!
待て! 朝夫! 朝夫!
ああ… 痛いんだよ…
朝夫
稲城先生の悪口は言うな
どうして?
どんなことがあっても言うな
言うことを聞かなきゃ出てけ
他人じゃねえんだぞ
(すみ)父ちゃん…
「他人じゃねえ」って
どういう意味だい?
俺の妹が昔 稲城先生の屋敷に
奉公に上がってるとき…
お前を生んだだわ
じゃ 俺は…
稲城先生の死んだ兄さんの子よ
どこにいるだい? おらのおっ母
すさき
死んだだわ 洲崎で
どこよ? 洲崎っちゅうは
ふかがわ
(与一)東京の深川にあっただ
そういう女郎町が
・(読経)
(読経)
(読経)
けいす
(磬子の音)
(読経)
(綾)朝夫… 朝夫
お前も お香を上げておくれ
13回忌だからな 大旦那さまの
どうして俺が焼香するんだ?
ひいき
お前が ご贔屓だったからな
旦那さまは
覚えてるだろうが 小学校のとき
いろいろ買っていただいたことを
(読経)
(読経)
(磬子の音)
・(話し声)
(女中)どうした? 飲めや
こんにちは
あっ どうも あの… これ
(綾)さあ どうぞ
待ってますよ 慎吾さん
へい
・(女性)
ちょっと 開拓の朝夫 朝夫だよ
・ ほれ あれが例の…
(女性)例の?
(女性)大旦那さまの隠し子よ
大旦那さまの…
(軍蔵の妻)ホントかい?
・(軍蔵の妻)知らなかった
・(女性)そうかい
30万
すが
(慎吾)
菅の池のフロンティア牧場だ
しんしゅう
アメリカ式の牧場を
信州に移そうとして・
長い間 苦労したそうだ
やれば できる
頑張るんだね 君も
へい
(塚越)やあ…
どうも 突然に参上しまして
(慎吾)いや…
社長が どうでも今日は
ご回向に伺いたいっちゅうもんで
かみやま
きよかわ
(神山)アポロ観光の神山です
(清川)根尻出張所長の清川です
ふ~ん…
もり
あなたは以前 森県知事の
秘書課長をしておられた…
はっ…
私のことなぞ よく ご存じで…
アポロ観光が
折れてきたっちゅうよ
さっき来てただろう
塚越さんと社長たちが
うん…
意外に 稲城先生が本腰なんで
慌てたんだろうって
今度は先生 意地でも
開拓に肩入れ抜くらしいよ
良かったなぁ
25年
やってきたんだもんな みんな
朝夫さの言うとおり
変な所も少しあるけど
しん
心は悪い人ではねえずら 稲城先生
・(秘書)
朝夫君! 先生が お呼びだ すぐ
ああ…
実は 君を現場主任の資格で・
アポロ観光の根尻出張所に
迎えたいと言うんだ
開拓には 絶対に
手をつけんという条件だしな
いい話だと思うがね わしは
俺なんかを どうしてですか?
うむ… まあ この土地に詳しくて
気骨のある若者といえば
わしの見るかぎり 君以外にいない
君が あそこにいてくれれば
いろんな意味で わしも助かるしな
いや もっと先まで見ての話だ
君自身のためにね
いつまでも石工をしてても
しかたがないだろう
そろそろ 結婚のことも
考えなくてはならないだろうし
どうかね?
もし君が その気になってくれれば
死んだ兄に わしも顔が立つ
・(道子)父ちゃん!
・(和夫)父ちゃん!
(牛の鳴き声)
(道子)父ちゃん!
(笑い声)
(和夫)父ちゃん!
父ちゃん!
ほ~れ 新しい牛だぞ
うわぁ!
(和夫)大きいなぁ
春…
早かったな
ほら いい物があるぞ
ほれ 道
うわぁ… ありがとう
ほら お前も
(和夫)うわぁ…
いつ生まれるだ?
みつき
うん? あと三月だわ
ふ~ん…
父ちゃん
ああ
あ~ん…
道たちが大きくなるころは
いい牧場になってるぞ
ここいら辺は
ポプラが丘中に植わってさ
白い柵んとこで 牛が草 食うだ
(和夫)バターの絵みてえだな
(笑い声)
ジャージーも入れるだ
なっ?
うむ…
朝夫さ
うん?
おら 分からねえ
何が?
25年前
ここいら辺は原始林だった
父ちゃんたちは
毎日毎日 1本ずつ木を切って
1人 何百本って切って
やっと これまでにした
そこへ 広いアスファルトの
道なんか造られたら・
父ちゃんたちは25年間 何のために
生きてきたことになるだ?
うん…
お前の言うこと よ~く分かるよ
ホントんとこは
分からねえだ 朝夫さにゃ
なんだか
制服着てる朝夫さ見てると
心までアポロの
人間になってくような気がして…
バカ言うな 春!
俺がアポロ観光を辞めたら・
この辺りは
もっと ひでえことになるんだぞ
俺は つんぼ桟敷に
置かれている開拓のために・
できるかぎりのことを
やるつもりで・
アポロ観光に入ったんだから
だけど
反対するなら おらたちと一緒に・
同じ立場に立って
やってくれなきゃ…
なあ アポロなんか辞めてくれ
なっ? 朝夫さ
俺は俺のやり方で いくしかねえだ
作蔵さ
おら ホントに…
ホントに俺 春ちゃが好きだで
春!
くそ…
おい 待て!
ヤッ!
(殴る音)
この野郎!
作蔵!
ウウッ!
何するんだ・ この野郎
(測量技師)お前は誰だ?
ヤッ!
この!
(嘉市)お~い 大変だ!
アポロが測量を始めただぞ!
(男性たち)なに?
作蔵さが殺されちまうだぞ!
(虎平太)大変だ
乗れ乗れ! 早くしろ!
おらぁ!
やめろ やめろ!
(虎平太)作蔵さ!
父ちゃん やめろ!
春 どけ! どいてるだ
やめろったら やめろ!
(音吉)軍蔵 てめえたちゃ何だ・
(軍蔵)仕事して どこが悪いだ・
アポロから金つかまされただな
なんしん
日当は南信建設よ 文句あるか!
同じことだ この野郎!
ほそき
(細木)あそこだ!
(測量技師)細木さん
(細木)どうしたんだ?
(与一)よせ! よせ!
やめろ… 危ねえ…
この野郎…
(与一)よせ… ウワッ!
やめろ! 何するだ・
しっかりしろ! おじさん!
やめろ! やめろ おい!
なんだって測量するんだ・ おい!
やめろ よせ! よせ! やめねえか
野郎! てめえ!
やめろ!
待て!
やめてくれ!
ヤッ!
ンンッ!
なんだって測量するんだ・
やめろ… やめろって!
よせ! よせったら!
朝!
野郎 てめえ!
この!
・~
この野郎!
いて
この野郎!
いてて… いてて… 痛え痛え
・~
ウワッ…
・~
・~
アアッ…
(清川)
しかし あんた あのときはですな
開拓のことは 一切 任せろと
おっしゃったじゃないですか
塚越さん あんただって・
立ち会ったでしょうが
(塚越)まあまあ…
(慎吾)じゃ なぜ私に無断で
急に測量など始めたんですか?
(清川)
いや 私ども現場出張所としては・
工事のほうを
なんとか 1日でも早く…
(慎吾)だからといって
開拓を甘く見ては困る
今日が いい例だ
私だって あの開拓には今まで・
だて
伊達に金をつぎ込んできたんじゃ
ありませんからね
(神山)分かってます やはり
この地区で仕事をするためには・
結局 稲城さんの
お力に すがらんことにはね
(笑い声)
非常に
ざっくばらんな話で恐縮ですが
つまり
何億で手を打っていただけるか
お聞かせ願えませんか? それを
やまもと
そこで 元大臣だった山本君の・
副社長就任を
確約してもらえますかな?
そんなこと あんた…
(神山)いや まあ…
伺っておこう
(慎吾)今度の事件を
もし 警察が大きく扱えば・
当然 土地 取り上げの
反対運動が高まるだろうし
私だって こんなことに
長いこと関わりたくないし
返事は早めに願いましょうか
(清川)まあ ハハッ…
お手柔らかに頼みますわ 稲城さん
(笑い声)
(神山)それじゃ…
(神山)失礼します
(清川)どうも
・(ドアの開閉音)
バカなヤツだよ
少し おとなしくしてると すぐ
建設会社に測量なんかさせてな
(笑い声)
思うつぼでしょうが 稲城さんの
塚越君
(塚越)はぁ?
全ては国土開発のため
(塚越)はい
母ちゃん 開拓の人間
売り渡す手伝いしてるんだよ
恥ずかしくないの? それで
たった52戸だって・
生爪 剥がすようにして
働いてきたんじゃねえか
みんなで力 合わせて…
忘れただかい?
忘れるもんか
いちろう
一郎だって 街にいたら
助かったかもしれない
どこの家でも 何人 死んだか
あんなボロッ開拓
みんな 出てくがいいのさ
そんな勝手な…
これから本気で
やろうって者まで追い出すなんて
あの連中が本気だと? ハハハッ…
俺が さっき
稲城さんの事務所にいたら・
誰が やって来たと思う? ええ?
年中 土方に出てる為次たちだ
どうぞ この立ち退き話が
うまくいきますように・
一銭でも多く
補償金が取れますように・
よろしく
お願いしますっちゅうてな
ばくち
飯場酒と博打で
借金の上塗りよ 開拓は ハハッ…
今じゃ その日暮らしの
人間のクズの寄り集まりだ
あんた…
(塚越)ハハハッ…
まあ もうちっとマシな連中だって
内心は 「金・金・金」よ
半数以上は生活保護で…
おまけに へい
どいつもこいつも 500万近い借金
しょってるでねえか ハハハッ…
じゃ 母ちゃん どうしても
警察へは行ってくれんの?
俺は今晩 ここへ泊まるぞ
さあ 早く行ってやったらいいずら
ええ? そんな顔しとるんならよ
フフフッ…
まあ 10日もすりゃ戻ってくるずら
例の あの だんまりで
押し通すつもりだろうがな
ハハッ… さあさあ…
行ってくれんのか? 母ちゃん
は
さあ 早よう行ってやれ ええ?
早よう行ってやれ 早よう ハハ…
(笑い声)
(塚越)ほれ ハハハッ…
母ちゃん
もし 何もしてくれなきゃ
一生 軽蔑するえ!
ほら…
開拓には
絶対 手をつけんというから・
俺は あんたを信用したんだ
あんたにとって何なんだ? 俺は
何だと思ってるんだよ・ 俺を
死んだ女房には
男の子がいなかった
今から こしらえても
手に合う兵隊に育て上げるには・
遅まきすぎるだろう うん?
兵隊になると
思ってるだかい? この俺が
バカにしやがって…
・(与一)朝夫!
口を慎め!
先生は これまで お前のために
さんざ 気を遣ってくださっただぞ
(すみ)お前が高校へ行けたのは
誰のおかげだと思ってるだ?
そうだとも
(すみ)学費は みんな 先生が…
よしなさい! みんな過ぎたことだ
(綾)
与一さんたちも どうぞ こちらへ
さあ 朝夫さん お座り
君が わしの兵隊に
なりたくなければ しかたがない
兵隊…
いや 養子は わしが別に探す
しかし 君が 我が家の
血を受けてる唯一の人間だ
死んだ兄の代わりに わしが
君の世話をするのは わしの義務だ
よっ!
ンンッ!
父ちゃん!
・~
・~
・~
(泣き声)
・~
(テレビ音声)
(軍蔵の妻)なんだよ おらのだよ
(女性)おらのほうが先だってば!
おらのだってば!
(女性)おらのだってば!
なんだよ・
♪~
(美容指導員)
いかがですか? この口紅は
秋の流行色なんですけど
よくお似合いになりますよ
どうぞ
よくご覧になってくださいませ
♪~
(店員)このヒスイのほうが
よろしいと思いますが
ダイヤモンドで囲んでございます
いかかですか? 奥さま
(すみ)いいわ…
♪~
全部 買っただか? これ
(虎平太)何で買っただ? ツケでか
何で買おうと
お前さんの知ったことかね
おらたちの お足で買うだもの
お前ら そのツケで
土地 取り上げられるんだぞ
ほかにも そういう目に
遭った開拓は いっぺえあるだわ
どえらい補償金が出るって
デマ流されて
蓋開けてみたら
半分だったとこもあるわ!
いいじゃねえだか!
半分でも何でも
まとまったお足の顔 拝めりゃ
ほうだわ 亭主たちは まだいいわ
飲んで クダ巻けるで
おらたちは何の楽しみもなくて
今まで さんざ働いて…
クリームひとつ つけなんだしよ!
(泣き声)
♪~
(ため息)
朝夫さ!
(細木)何だ? お前
知らなかったっちゅうのか?
月賦屋のこと
知らなかったのか? 本当に
何すんだよ 貴様!
来てくれや 一緒に
稲城さんとこ行ってくれや 一緒に
今日の月賦 取り消さんと・
いられんようになるだぞ みんな
そんなこと俺に言ったって…
だって こんなときのために・
アポロに残ってたずら!
朝夫さの言うことなら 稲城さも…
ダメだ!
何もできなかったんだよ
俺なんかの力じゃ
やってみなきゃ
ムダだよ!
遅いわ もう!
ここはビーナスラインが
通るだけじゃねえや!
あの尾根も こっちの尾根も
みんな整地されて・
ビーナス・レジャーランドの
ビルが建つだわ!
ビルが建つのか? ここに
あの尾根の陰は駐車場で
その横から
一枚岩の下までがテニスコートで
やめろ!
そんなこと言って
ヤケ酒 飲んでるときじゃねえわ
来いや とにかく
うるせえ!
ひきょう
今更 卑怯だぞ
やっぱり稲城の血筋だわ
バカ野郎!
(たたく音)
(泣き声)
朝夫さは 弱い者の味方だった
だから おら 好きだった
今は逆だわ
ここにビルが建つころにゃ
稲城の跡 継ぐずら!
・(雷鳴)
・(悲鳴)
春!
うん?
(鈴の音)
為! 為 いねえか!
為!
為! この野郎…
ウウッ…
貴様…
アアッ! ウッ…
・~
アポロだ… アポロだ…
・~
・(雷鳴)
・~
(ブレーキ音)
(殴る音)
アアッ!
はい…
・(犬のほえる声)
(音吉)うん?
・(犬の鳴き声)
・~
・~
・~
・~
(まさ)お~い 大変だ!
お~い おひでばあさんが
首くくって死んでるだ!
・~
死ね死ね
どいつもこいつも
死ね死ね! 死ねー!
(虎平太)何するんだ…
俺の大事な魚を殺したのは
お前だな・
俺じゃねえ! 陰謀だ アポロの…
(嘉市)やめろ やめろ!
(政春)魚も殺された
ひでばあさんも死んだ
俺の豚も殺された
殺したのは お前たちだろう・
うちは朝夫が… 人間が
半殺しに遭っただぞ 豚が何だ!
(政春)
お前は何した? お前は殺してやる
どれもこれも 俺の魚みたいに
セメント漬けにしてやる!
やめろ!
やめねえか みんな やめろ!
いがみ合ってるときじゃねえや!
・~
分からねえか?
俺たちのケンカを…
喜んでるヤツが ほかにいるだ
今夜は みんなで…
おひでばあさまの
お通夜をしてやるだ
(ひで)[外:2A063EDC4770B3403F060B38166A0D4D]おら 戦争中
満蒙の開拓団に追いやられて・
亭主と子供3人 亡くして・
やっと この開拓に落ち着いただ[外:9FFA7E00CFC7E807A161ADA460B8060C]
[外:2A063EDC4770B3403F060B38166A0D4D]もう 今度はダマされねえぞ![外:9FFA7E00CFC7E807A161ADA460B8060C]
[外:2A063EDC4770B3403F060B38166A0D4D]おら 死んだって この開拓
離れねえだ! 離れねえだ![外:9FFA7E00CFC7E807A161ADA460B8060C]
しげる
・(和夫)茂!
茂!
うえだ
どこ行くだ?
(茂)上田だってよ
(茂)朝夫にい!
いねえだか?
アポロで忙しいずら
朝夫にい!
茂 元気でな!
(茂)あばな! 春ねえ あばな!
(和夫)あばな!
(茂)あばな!
・ あばな!
・(茂)あばな!
・ あばな!
それ
ここに詳しく書いてあるだ ほら
(笑い声)
お前んとこ1軒だけ残るだがえ?
ビーナスの真ん中によ ハハハッ…
ほ~れ見ろ 大体OKよ ハハッ…
よく精算してみたら どこの家も・
いずれ夜逃げっちゅうまで
行き詰まっていただ
お前んとこなんか ハハハッ…
痩せ我慢 張っとるだか
ゴネ得 狙っとるだか知らねえが
まあ お前の
したいようにすりゃいいずら
返事は今夜の12時までだ
それまで 特別に
事務所 開けといてやるからな
いいか? 今夜の12時だぞ
(塚越)[外:2A063EDC4770B3403F060B38166A0D4D]ハハハハッ![外:9FFA7E00CFC7E807A161ADA460B8060C]
(笑い声)
[外:2A063EDC4770B3403F060B38166A0D4D]いいか? 今夜の12時だぞ[外:9FFA7E00CFC7E807A161ADA460B8060C]
・(鈴の音)
・(鈴の音)
・(爆発音)
(爆発音)
(塚越)
[外:2A063EDC4770B3403F060B38166A0D4D]いいか? 今夜の12時だぞ[外:9FFA7E00CFC7E807A161ADA460B8060C]
[外:2A063EDC4770B3403F060B38166A0D4D]ハハハハッ![外:9FFA7E00CFC7E807A161ADA460B8060C]
(笑い声)
・(半鐘の音)
・(半鐘の音)
おらが犯人だと?
(刑事)お前を見たという人間が
ほかにも いっぱいいるんだぞ
作蔵さ…
作蔵さ
なんで あんなことをしてくれた…
これから もう一度・
まとまろうっちゅう
大事なときによ
虎さ…
(泣き声)
なんで あんな時間に
あんな所をウロウロしてただ?
よば
夜這いに
行く年でもあるまいに なっ?
ほうだわ!
(笑い声)
(笑い声)
ンンッ!
(男性)来たぞ ほら
(ざわめき)
・ 俺だー!
・(足音)
やったのは俺だ
朝! 何言うだ?
(すみ)気でも くるっただか?
くるっちゃいねえわ 俺だよ
俺がやっただわ
本人が言うんだから
これほど確かなことはねえずら!
じゃ アポロのお前が
なんで放火したんだ?
てめえらに…
てめえらに
俺の気持ちが分かってたまるか!
(刑事)こいつも連れてけ!
(手錠をかける音)
・~
かしわ
(三国)昨夜遅く 柏開拓村で起きた
アポロ観光現場事務所 全焼の火事は
警察の その後の調べで
放火と分かり
自首したアポロ観光現場主任と
開拓農民の2人を・
共に
警察に連行して 取り調べています
昨夜から地元の聞き込み捜査を
進めてきた警察当局は・
よしむら
柏開拓村 農業 吉村作蔵・57歳が
出火当時 現場近くにいて
挙動不審だった…
・(雨の音)
[外:2A063EDC4770B3403F060B38166A0D4D]でも
きっと抜け出すえ 父ちゃん[外:9FFA7E00CFC7E807A161ADA460B8060C]
[外:2A063EDC4770B3403F060B38166A0D4D]今でも夢持ってるよ[外:9FFA7E00CFC7E807A161ADA460B8060C]
[外:2A063EDC4770B3403F060B38166A0D4D]仕事は何よりも好きだし
みんなが言ってるだもの[外:9FFA7E00CFC7E807A161ADA460B8060C]
[外:2A063EDC4770B3403F060B38166A0D4D]「あんなに働く人は
見たことがねえ」って[外:9FFA7E00CFC7E807A161ADA460B8060C]
[外:2A063EDC4770B3403F060B38166A0D4D]貧乏なんか
きっと追ん出すわ 父ちゃん[外:9FFA7E00CFC7E807A161ADA460B8060C]
[外:2A063EDC4770B3403F060B38166A0D4D]どうしても
警察へは行ってくれんの?[外:9FFA7E00CFC7E807A161ADA460B8060C]
[外:2A063EDC4770B3403F060B38166A0D4D]母ちゃん[外:9FFA7E00CFC7E807A161ADA460B8060C]
[外:2A063EDC4770B3403F060B38166A0D4D]もし 何もしてくれなきゃ
一生 軽蔑するえ![外:9FFA7E00CFC7E807A161ADA460B8060C]
(テレビ音声)…突き合わせながら
本格的に取り調べていますが
まだ
詳しいことは分かっていません
さあ これで工事も
一気に はかどりますわ ハハハ…
朝夫さん どうなんの?
(塚越)うん?
まあ 漏電っちゅうことで・
稲城さんが
警察のほうを収めて釈放ずら
じゃ まあ 乾杯といきますかな
あっ そうだ
あんたも一緒に飲まんか?
まあ 飲め飲め
めでてえ日でねえか
飲め ほら
じゃ これで
社長さん ついでください
こりゃ…
さあ ついでくださいな
じゃ あんた
(塚越)ええっ?
そう…
ボロッ開拓のクズん中から
拾ってきた出来損ないには・
酌も できないってわけね
でもさ 人間のクズっていうのは
あんたたちのほうじゃないの?
ゆうべの放火だって どうせ
あんたたちの仕業でしょうよ
レジャーランドでも ビーナスラインでも何でも
勝手に造るがいいさ!
好きにおしよ!
ウワッ!
やあ…
待ってたよ
え~… 結局
平均400万しか出せなかったが
気の毒だよな
借金で ほとんど
帳消しになるんだから みんな
これは
わしが君に貸した借金の証文だ
積もり積もって140万
せんべつ
餞別代わりだ
これで少しは黒字になるだろう
え~っと… 7万8000円だ
しっかりやるんだね
紹介状を
書いてあげてもいいんだが
君みたいな人間なら どこへ行って
どんな環境に入ったって大丈夫
筋金が入ってるからね
わしは君が好きだよ
いや わしのような人間なら
みんな 君が好きだ
戦争も平和も…
長い間 一緒にやってきて…
フッ…
つまり 本当の戦友だものな
さあ しまいなさいよ
じゃ…
何だね?
ウッ…
ウウッ…
どうしたんだね?
ンンッ…
作蔵君 わしは君のことを…
アアッ…
ウワッ!
作蔵君! 君は何が欲しいんだ?
ンンッ! ンンッ!
(殴る音)
何やっとるんだ? 貴様は
警察を呼べ 警察を!
いや いいんだ いいんだ…
あんた…
ンンッ!
(慎吾)アアッ…
やめて! やめて やめて!
横須賀へ行って どうするんだね?
はぁ…
ひとまず 実家に落ち着いて
それから先は まあ なんとか…
・(牛屋)吉村さん 牛 持ってくぜ
・(牛の鳴き声)
五味先生 いろいろと どうも
春 元気でな
じゃ あんた 体 大事にね
気をつけて
姉ちゃん
何え?
呼んでるわ 道が
(泣き声)
分かってるえ 分かってるから…
横須賀へ行ったら 手紙くれや
(泣き声)
ねえ
仲良しだ 道と姉は…
仲良しだ
仲良しだ みんな
さあ…
(泣き声)
これから
どうするつもりずら? 作蔵さは
つるみ
鶴見に 父ちゃんの
海軍時代の知り合いがいるだわ
その鉄工所の
守衛にって言ってくれたもんで
いつかの話 どうしただ?
五味先生の所の留守番か?
うん
おらも勧めただ
五味先生は ビーナスラインの反対運動の
先頭を切らなきゃならねえし
手助けになると思っただけど…
てっぺいだけ
朝夫さは どうするつもりだ?
俺は鉄平岳の石切り場に行くが…
先のことだが 親父の借金返して
見通し立ったら なんとか
一緒にと思ってな 春たちと
(2人)ハァハァ ハァハァ…
アアッ…
(ため息)
・~
・~
・~
・~
春…
やっぱ
一緒に来ねえか? 作蔵さと
ムリすんな
おら いい このまま別れたって
なあ 春! 俺の親父たちと
作蔵さぐれえ 2人で頑張りゃ…
うれしいけんど ムリだわ
何言うだ 春!
5人や そこら たまには
水飲んだって生きていけらぁ
生きてける はずみがついたで
別れたっていい
春!
俺だって お前がいなきゃ…
・~
朝夫さは やってける
強いもん 朝夫さは
忘れねえわ
・~
・~
・~
・~
・~
・~
行こうか 父ちゃん
・~
行くだ! 父ちゃん
これからだな 父ちゃん
アア~ッ… うめえ
父ちゃん なに考えてるだ?
春…
お前は いい子だ
苦労かけたな
(ため息)
うん…
これ 長野行きじゃねえか
どうした? これ
朝夫さんとこ行け
行け 春
だけど 父ちゃん…
うん? 五味先生んとこ
置いてもらうつもりだ
一生 野菜作って暮らすだ
それが好きだで
(泣き声)
好きなことして生きるだぞ
一生懸命やってよ うん?
おら 見届けるだ
この土地が どうなるだか
ここに残るだ 石になっても
大丈夫だ 春
・(発車ベル)
さあ 行け!
・(発車ベル)
さあ 早く
・(警笛)
元気でな
・ 父ちゃん!
(爆発音)
(爆発音)
・~
・~
(爆発音)
・~
(爆発音)
・~
・~
・~
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