All language subtitles for 光る君へ - E35 中宮の涙 - [1440-FHD@AFS.NV7-h264_qvbr230_u p7][字]
Afrikaans
Akan
Albanian
Amharic
Arabic
Armenian
Azerbaijani
Basque
Belarusian
Bemba
Bengali
Bihari
Bosnian
Breton
Bulgarian
Cambodian
Catalan
Cebuano
Cherokee
Chichewa
Chinese (Simplified)
Chinese (Traditional)
Corsican
Croatian
Czech
Danish
Dutch
Esperanto
Estonian
Ewe
Faroese
Filipino
Finnish
French
Frisian
Ga
Galician
Georgian
German
Greek
Guarani
Gujarati
Haitian Creole
Hausa
Hawaiian
Hebrew
Hindi
Hmong
Hungarian
Icelandic
Igbo
Indonesian
Interlingua
Irish
Italian
Japanese
Javanese
Kannada
Kazakh
Kinyarwanda
Kirundi
Kongo
Korean
Krio (Sierra Leone)
Kurdish
Kurdish (Soranî)
Kyrgyz
Laothian
Latin
Latvian
Lingala
Lithuanian
Lozi
Luganda
Luo
Luxembourgish
Macedonian
Malagasy
Malay
Malayalam
Maltese
Maori
Marathi
Mauritian Creole
Moldavian
Mongolian
Myanmar (Burmese)
Montenegrin
Nepali
Nigerian Pidgin
Northern Sotho
Norwegian
Norwegian (Nynorsk)
Occitan
Oriya
Oromo
Pashto
Persian
Polish
Portuguese (Brazil)
Portuguese (Portugal)
Punjabi
Quechua
Romanian
Romansh
Runyakitara
Russian
Samoan
Scots Gaelic
Serbian
Serbo-Croatian
Sesotho
Setswana
Seychellois Creole
Shona
Sindhi
Sinhalese
Slovak
Slovenian
Somali
Spanish
Spanish (Latin American)
Sundanese
Swahili
Swedish
Tajik
Tamil
Tatar
Telugu
Thai
Tigrinya
Tonga
Tshiluba
Tumbuka
Turkish
Turkmen
Twi
Uighur
Ukrainian
Urdu
Uzbek
Vietnamese
Welsh
Wolof
Xhosa
Yiddish
Yoruba
Zulu
Would you like to inspect the original subtitles? These are the user uploaded subtitles that are being translated:
1
00:00:03,103 --> 00:00:07,875
道長は 中宮 彰子の懐妊祈願のため➡
2
00:00:07,875 --> 00:00:11,578
京をたって 金峯山へと向かった。
3
00:00:28,195 --> 00:02:28,181
♬~
4
00:02:28,181 --> 00:02:31,218
♬~
5
00:02:31,218 --> 00:03:13,026
♬~
6
00:03:22,869 --> 00:03:26,873
(平 致頼)僧も含めまして 供の数は20。
7
00:03:29,543 --> 00:03:34,214
(藤原伊周)左大臣の供にしては少ないな。
8
00:03:34,214 --> 00:03:38,085
己の身が万全だと油断しておるのか。
9
00:03:38,085 --> 00:03:40,720
我らは これより 出立いたします。
10
00:03:40,720 --> 00:03:45,225
11日に落ち合おう。
(一同)はっ。
11
00:04:05,846 --> 00:04:08,749
何も聞くな。
12
00:04:08,749 --> 00:04:11,518
(藤原隆家)聞く前に言うな。
13
00:04:11,518 --> 00:04:14,421
何しに来た。
14
00:04:14,421 --> 00:04:18,024
よい酒をもらったゆえ
一献どうかと思ったのだ。
15
00:04:18,024 --> 00:04:22,529
酒は飲まぬ。
えっ いつから?
16
00:04:22,529 --> 00:04:28,335
皇后様が身まかられてから
飲んではおらぬ。
17
00:04:28,335 --> 00:04:31,705
そうだったかのう…。
18
00:04:31,705 --> 00:04:37,511
帰れ。 一人で考えたい。
19
00:04:44,217 --> 00:06:13,206
♬~
20
00:06:34,527 --> 00:06:37,230
(ため息)
21
00:06:41,201 --> 00:06:44,537
(藤原頼通)いかがされました?
22
00:06:44,537 --> 00:06:48,408
(藤原道長)もうよい。
23
00:06:48,408 --> 00:06:53,213
お疲れとは存じますが
道のりは まだ長うございます。
24
00:06:53,213 --> 00:06:56,549
精をつけませんと。
25
00:06:56,549 --> 00:07:00,820
(源 俊賢)明日は 雨があがりそうですな。
ハハハ。
26
00:07:00,820 --> 00:07:04,124
ようございましたね。
27
00:07:05,692 --> 00:07:10,297
左大臣様 もう少し召し上がられませ。
28
00:07:10,297 --> 00:07:13,833
体が もちませぬゆえ。
29
00:07:13,833 --> 00:07:15,769
(頼通)無理強いをなさいますな。
30
00:07:15,769 --> 00:07:20,707
いざとなれば
父上は 私が背負って山を登ります。
31
00:07:20,707 --> 00:07:25,445
はあ… なんとすばらしき お心構え!
32
00:07:25,445 --> 00:07:28,848
頼通様は ご聡明で お姿もよく➡
33
00:07:28,848 --> 00:07:32,185
その上 豪胆であられます。 ハハハハ…。
34
00:07:32,185 --> 00:07:37,057
あまり褒めると図に乗るゆえ
その辺にしておけ。
35
00:07:37,057 --> 00:07:40,860
図に乗ったことなぞ ありませぬ。
36
00:07:40,860 --> 00:07:45,532
どこへ行く?
かわやへ。
37
00:07:45,532 --> 00:07:47,467
(ため息)
38
00:07:47,467 --> 00:07:53,206
(俊賢)
頼通様は 見事なご嫡男になられましたな。
39
00:07:53,206 --> 00:07:57,210
明子のところの頼宗も
なかなかの しっかり者に育っております。
40
00:07:57,210 --> 00:08:01,014
どうぞご安心くださいませ。
41
00:08:05,785 --> 00:08:12,492
明子は 私の心を分かっておらぬ。
え?
42
00:08:12,492 --> 00:08:17,364
地位が高くなることだけが
人の幸せではない。
43
00:08:17,364 --> 00:08:24,504
されど明子は
頼通と頼宗を競い合わせようとする。
44
00:08:24,504 --> 00:08:31,277
お前からも 張り合うなと
明子に言うてくれ。
45
00:08:31,277 --> 00:08:33,847
は…。
46
00:08:33,847 --> 00:08:42,522
♬~
47
00:08:42,522 --> 00:08:48,194
(一条天皇)白い夕顔の咲く家の女は
なぜ死ななければならなかったのだ?
48
00:08:48,194 --> 00:08:51,531
(まひろ)生き霊の仕業にございます。
49
00:08:51,531 --> 00:08:55,835
光る君の夢に現れた女が 取りついたのか。
50
00:08:57,404 --> 00:09:07,414
誰かが その心持ちの苦しさゆえに
生き霊となったのやもしれませぬ。
51
00:09:16,489 --> 00:09:21,161
左大臣の心持ちは どうなのであろう。
52
00:09:21,161 --> 00:09:28,034
御嶽詣までして 中宮の懐妊を願う
左大臣の思いとは…。
53
00:09:28,034 --> 00:09:35,708
それは… 親心でございましょう。
54
00:09:35,708 --> 00:09:38,011
親心…。
55
00:09:39,846 --> 00:09:47,720
左大臣様が願われるのは
中宮様の女としての幸せだと存じます。
56
00:09:47,720 --> 00:09:52,192
御嶽詣は 命懸けの難行であるぞ。
そのようなことで…。
57
00:09:52,192 --> 00:09:57,897
そのようなことに命を懸けるのが
人の親にございます。
58
00:09:59,532 --> 00:10:05,872
朕も3人の子の親ゆえ
子を思う心は分かる。
59
00:10:05,872 --> 00:10:08,174
されど…。
60
00:10:09,742 --> 00:10:12,745
こたびのことは…。
61
00:10:32,899 --> 00:11:25,552
♬~
62
00:11:25,552 --> 00:11:28,254
(俊賢)あっ!
63
00:11:30,890 --> 00:11:32,825
手を!
64
00:11:32,825 --> 00:12:09,128
♬~
65
00:12:13,199 --> 00:12:16,869
(読経)
66
00:12:16,869 --> 00:12:19,205
京をたって 9日目。
67
00:12:19,205 --> 00:12:25,545
道長一行は
金峯山寺の山上本堂にたどりついた。
68
00:12:25,545 --> 00:12:41,094
(読経)
69
00:12:41,094 --> 00:12:45,932
金峯山寺で
さまざまな仏事を催した道長は➡
70
00:12:45,932 --> 00:12:54,907
最後に 山上本堂の蔵王権現に
自ら書き写した経典をささげた。
71
00:12:54,907 --> 00:13:04,917
(読経)
72
00:13:25,538 --> 00:13:27,473
一行がやって来ました。
73
00:13:27,473 --> 00:13:30,209
間もなく ここを通ります。
74
00:13:30,209 --> 00:13:32,545
必ず射止めよ。
75
00:13:32,545 --> 00:13:34,480
お任せください。
76
00:13:34,480 --> 00:13:39,218
(伊周)首尾よくゆけば
お前を 検非違使に推挙いたそう。
77
00:13:39,218 --> 00:13:41,554
はっ!➡
78
00:13:41,554 --> 00:13:45,224
矢を射かけたら 杣道伝いに里へ逃げよ。➡
79
00:13:45,224 --> 00:13:48,895
決して捕らえられてはならぬぞ!
(一同)はっ。
80
00:13:48,895 --> 00:14:16,055
♬~
81
00:14:16,055 --> 00:14:18,357
(隆家)急がれよ!
82
00:14:28,201 --> 00:14:30,536
(俊賢)隆家殿!
83
00:14:30,536 --> 00:14:32,872
手前で 大きな石が落ちてまいりました。➡
84
00:14:32,872 --> 00:14:35,341
この辺りで
落石が近く起きるかもしれませぬ。➡
85
00:14:35,341 --> 00:14:38,144
急ぎ通り抜けることを
お勧めいたしまする。
86
00:14:39,879 --> 00:14:41,914
そなたも 御嶽詣か?
87
00:14:41,914 --> 00:14:46,552
ええ。 私も 中宮様のご懐妊を
祈願せねばと思い立ちまして。
88
00:14:46,552 --> 00:14:52,058
よく知らせてくれた。 急ぎましょう。
うむ。さっ!
89
00:14:52,058 --> 00:14:54,560
どうぞ。
90
00:15:01,167 --> 00:15:03,870
どうぞご無事で!
91
00:15:07,840 --> 00:15:14,714
(伊周)
お前は なぜ 俺の邪魔ばかりするのだ。
92
00:15:14,714 --> 00:15:21,187
あの時も 俺が止めるのを聞かず➡
93
00:15:21,187 --> 00:15:26,058
お前は 花山院の御車を射た。
94
00:15:26,058 --> 00:15:29,529
よせ。
95
00:15:29,529 --> 00:15:32,031
(花山院)矢が… 矢が!
96
00:15:32,031 --> 00:15:37,203
あれから何もかもが狂い始めたのだ。➡
97
00:15:37,203 --> 00:15:42,074
されど お前のことを恨んだ覚えはない。➡
98
00:15:42,074 --> 00:15:44,777
だが 今…。
99
00:15:49,549 --> 00:15:55,421
ここまで邪魔をされると…➡
100
00:15:55,421 --> 00:15:59,125
お前に問いたくなる。
101
00:16:03,496 --> 00:16:10,169
隆家 お前は 俺の敵か?
102
00:16:10,169 --> 00:16:15,975
兄上を大切に思うゆえ 阻んだまで。
103
00:16:15,975 --> 00:16:19,178
左大臣を亡き者にしたところで
何も変わらぬ。
104
00:16:19,178 --> 00:16:25,852
おとなしく 定めを受け入れて
穏やかに生きるのが兄上のためだ。
105
00:16:25,852 --> 00:16:29,188
道雅も蔵人になったばかりではないか。
106
00:16:29,188 --> 00:16:40,533
俺が 花山院の御車を射たことで
兄上の行く末を阻んだことは➡
107
00:16:40,533 --> 00:16:43,436
昔も今も すまなかったと思っている。
108
00:16:43,436 --> 00:16:55,882
それゆえに 憎まれても
兄上を止めねばならぬと思ったのだ。
109
00:16:55,882 --> 00:16:58,584
これが 俺にできる…。
110
00:17:02,154 --> 00:17:05,491
あの過ちの わびなのだ。
111
00:17:05,491 --> 00:17:23,509
♬~
112
00:17:23,509 --> 00:17:31,517
フッ… 帰ろう。
113
00:17:36,522 --> 00:17:44,196
道長なぞ… 狙ったつもりはない。
114
00:17:44,196 --> 00:17:51,070
ハハハハハハ…。
115
00:17:51,070 --> 00:17:54,073
うつけ者め。
116
00:17:59,745 --> 00:18:02,748
はあ…。
117
00:18:10,156 --> 00:18:13,826
無事 都に戻りましてございます。
118
00:18:13,826 --> 00:18:17,129
(藤原彰子)おつつがなく 何より。
119
00:18:22,168 --> 00:18:26,038
これは 金峯山寺の護符にございます。
120
00:18:26,038 --> 00:18:30,042
中宮様をお守りくださいましょう。
121
00:18:36,515 --> 00:18:39,819
(彰子)ありがたく存じます。
122
00:18:42,855 --> 00:18:47,526
(足音)
123
00:18:47,526 --> 00:18:50,563
(敦康親王)
左大臣 どこに行っておったのだ?
124
00:18:50,563 --> 00:18:52,698
御嶽詣に行っておりました。
125
00:18:52,698 --> 00:18:56,202
(敦康親王)何? それ。
126
00:18:56,202 --> 00:19:01,807
金峯山は 我が国有数の
霊験あらたかなお山にございます。
127
00:19:01,807 --> 00:19:11,517
我が国の安寧 帝 敦康親王様
中宮様のお幸せを祈願してまいりました。
128
00:19:11,517 --> 00:19:15,821
左大臣が留守の間
私が 中宮様をお守りいたしたぞ。
129
00:19:15,821 --> 00:19:19,158
おっ さようでございますか。
130
00:19:19,158 --> 00:19:24,864
さすが 親王様にございます。
うん。
131
00:19:37,843 --> 00:19:42,148
(足音)
132
00:19:54,193 --> 00:20:03,202
お帰りなさいませ。 よくぞご無事で…。
うん。
133
00:20:03,202 --> 00:20:06,706
物語の続きは どうなっておる?
134
00:20:06,706 --> 00:20:13,879
昨晩 一つの巻を書き上げました。
おお 見せよ。
135
00:20:13,879 --> 00:20:17,583
お疲れでございましょう?
136
00:20:21,754 --> 00:20:25,758
見せよ。
はっ。
137
00:21:04,864 --> 00:21:11,737
小鳥を追いかけていた頃のお前は
このように けなげでは なかったが…。
138
00:21:11,737 --> 00:21:18,410
うそはつくし 作り話はするし。
139
00:21:18,410 --> 00:21:22,715
とんだ跳ね返り者であった。
140
00:21:30,556 --> 00:21:36,896
心の声 「こうして お会いしても
またお会いできるとは限りません。➡
141
00:21:36,896 --> 00:21:42,234
夢の中に このまま消えてしまう
我が身でありたいと➡
142
00:21:42,234 --> 00:21:49,575
むせび泣いている光る君のお姿も
さすがに いじらしく➡
143
00:21:49,575 --> 00:21:56,081
世の語り草として
人は伝えるのではないでしょうか。➡
144
00:21:56,081 --> 00:22:03,189
類いなくつらい この身を
醒めない夢の中のこととしても と➡
145
00:22:03,189 --> 00:22:13,499
藤壺の宮が思い乱れている様も
まことに もっともで 恐れ多いことです」。
146
00:22:15,534 --> 00:22:20,873
心の声 「三月になられると
はっきりと分かるようになり➡
147
00:22:20,873 --> 00:22:25,544
女房たちが お見受けして
気にしているので➡
148
00:22:25,544 --> 00:22:32,251
宮は 嘆かわしい宿世のほどを
情けなく思われました」。
149
00:22:41,560 --> 00:22:47,566
この不義の話は
どういう心づもりで書いたのだ?
150
00:22:51,237 --> 00:22:55,241
我が身に起きたことにございます。
151
00:22:58,110 --> 00:23:05,818
我が身に起きたことは 全て
物語の種にございますれば。
152
00:23:08,721 --> 00:23:12,191
ふ~ん…。
153
00:23:12,191 --> 00:23:16,195
恐ろしいことを申すのだな。
154
00:23:19,865 --> 00:23:25,871
お前は 不義の子を産んだのか?
155
00:23:28,207 --> 00:23:36,916
一たび物語になってしまえば
我が身に起きたことなぞ 霧のかなた…。
156
00:23:39,818 --> 00:23:46,892
まことのことか どうかも
分からなくなってしまうのでございます。
157
00:23:46,892 --> 00:24:03,842
♬~
158
00:24:03,842 --> 00:24:06,178
すぐに写させよう。
159
00:24:06,178 --> 00:24:08,847
預かってゆく。
160
00:24:08,847 --> 00:24:33,539
♬~
161
00:24:36,542 --> 00:24:47,252
この年の10月 あかねの思い人 敦道親王が
27歳で世を去った。
162
00:25:09,441 --> 00:25:18,517
(あかね)為尊親王様も 敦道親王様も➡
163
00:25:18,517 --> 00:25:29,862
私がお慕いした方は
皆 私を置いて 旅立ってしまわれます。
164
00:25:29,862 --> 00:25:39,204
まるで 私が お命を奪っているみたい。
165
00:25:39,204 --> 00:25:45,544
為尊親王様も 敦道親王様も➡
166
00:25:45,544 --> 00:25:52,418
短いご生涯ながら
あかね様とお過ごしになった日々を➡
167
00:25:52,418 --> 00:25:59,725
何よりも いとおしくお思いであったと
存じます。
168
00:26:02,494 --> 00:26:06,198
もう触れられないなんて…。
169
00:26:09,368 --> 00:26:24,183
「ものをのみ 乱れてぞ思ふ たれかには➡
170
00:26:24,183 --> 00:26:32,057
今はなげかん むばたまの筋」。
171
00:26:32,057 --> 00:26:39,731
どんなに あの世から
私を見守ってくださろうと➡
172
00:26:39,731 --> 00:26:45,737
二度と
お顔を見ることもできないなんて…。
173
00:26:51,410 --> 00:27:01,720
親王様とは
心を開いて 歌を詠み合ったものだわ。
174
00:27:08,160 --> 00:27:18,170
あかね様 亡き親王様との日々を
書き残されてはいかがでしょう。
175
00:27:18,170 --> 00:27:20,105
え?
176
00:27:20,105 --> 00:27:26,879
かつて 書くことで 己の悲しみを救ったと
おっしゃった人がいました。
177
00:27:26,879 --> 00:27:31,717
親王様との日々を お書きになることで➡
178
00:27:31,717 --> 00:27:39,424
親王様のお姿を
後々まで残せるのではないでしょうか。
179
00:27:41,393 --> 00:27:46,865
(藤原惟規)はあ… はあ… はあ… はあ…。
180
00:27:46,865 --> 00:27:49,168
待て!
181
00:27:50,736 --> 00:27:53,739
いたぞ!
待て!
182
00:27:57,876 --> 00:28:00,579
(斎院の中将)惟規様…。
183
00:28:14,826 --> 00:28:17,529
何をしておる!
184
00:28:21,500 --> 00:28:25,504
中将の君!
惟規様!
185
00:28:28,173 --> 00:28:31,843
斎院の塀を越えたっていうの?
そうだよ。
186
00:28:31,843 --> 00:28:34,746
男が足を踏み入れてはならない
斎院の女房に?
187
00:28:34,746 --> 00:28:40,752
禁忌を犯すからこそ 燃えたつんでしょ。
なんてこと…。
188
00:28:42,487 --> 00:28:45,857
姉上だって そうだったもんね。
189
00:28:45,857 --> 00:28:51,029
私は 禁忌を犯してなんかいません。
身分の壁を超えようとしたくせに。
190
00:28:51,029 --> 00:28:54,533
そんな昔のこと もう忘れたわ。
昔のことなのかな~。
191
00:28:54,533 --> 00:28:56,868
浮かれるんじゃありません。
192
00:28:56,868 --> 00:29:01,707
それで どうやって解き放たれたの?
193
00:29:01,707 --> 00:29:08,146
それがさ 捕まった時
とっさに歌を詠んだんだ。
194
00:29:08,146 --> 00:29:12,651
「神垣は 木の丸殿に あらねども➡
195
00:29:12,651 --> 00:29:18,457
名のりをせねば 人とがめけり」って。
196
00:29:18,457 --> 00:29:23,362
そしたら 斎院の選子内親王様が
俺の歌を見て➡
197
00:29:23,362 --> 00:29:28,133
よい歌だから 許してやれって
仰せくださったんだよ。
198
00:29:28,133 --> 00:29:30,836
そんな よい歌とも 思えないけれど。
199
00:29:30,836 --> 00:29:36,008
天智天皇の引き歌ゆえ
内親王様のお心をつかんだのかもな。
200
00:29:36,008 --> 00:29:39,511
俺も なかなかのもんだよ。
何が なかなかなのよ。
201
00:29:39,511 --> 00:29:43,015
姉上の弟ゆえ 歌がうまいんだ。
202
00:29:43,015 --> 00:29:47,853
もう斎院には 近づかないことね。
そうはいかないよ。
203
00:29:47,853 --> 00:29:50,188
俺のことを待っている女子が
いるのだから。
204
00:29:50,188 --> 00:29:54,059
そういうことをやっていると
罰が当たって早死にするわよ➡
205
00:29:54,059 --> 00:29:57,696
あなたも あなたの思い人も。
206
00:29:57,696 --> 00:30:00,599
あっ 仕事に戻らないと。
仕事中だったの?
207
00:30:00,599 --> 00:30:03,335
これから宿直なんだよ。 では。
208
00:30:03,335 --> 00:30:06,238
父上に
心配かけるようなことだけはしないでよ。
209
00:30:06,238 --> 00:30:09,875
分かってるって。 じゃあ。
210
00:30:09,875 --> 00:30:12,878
(ため息)
211
00:30:42,574 --> 00:30:44,576
あっ…。
212
00:30:48,447 --> 00:30:54,920
あれ? この人 あの…➡
213
00:30:54,920 --> 00:30:58,790
うわさの あの…。
214
00:30:58,790 --> 00:31:02,194
帝が 夢中になられる物語を書く
女房がおると➡
215
00:31:02,194 --> 00:31:06,198
うわさになっておるのだが そなたか?
216
00:31:08,066 --> 00:31:10,068
(左衛門の内侍)邪魔をしては駄目よ。
217
00:31:10,068 --> 00:31:14,539
このお方は
私たちとは比べ物にならない➡
218
00:31:14,539 --> 00:31:17,209
尊いお仕事を
任されておられるのですから。
219
00:31:17,209 --> 00:31:21,880
そのような…。
夜遅くまで ご苦労さまです。
220
00:31:21,880 --> 00:31:29,187
さっ 私たちは まるで尊くないことを
楽しみに参りましょ。ああ…。
221
00:31:34,459 --> 00:31:41,066
(宰相の君)「女が賢ぶって嫉妬し
何かと厄介な間柄になってしまうと➡
222
00:31:41,066 --> 00:31:43,568
こちらの気持ちとしても➡
223
00:31:43,568 --> 00:31:47,739
少し違うところが出て来るのではないかと
遠慮し➡
224
00:31:47,739 --> 00:31:50,075
相手も恨みがちになって➡
225
00:31:50,075 --> 00:31:54,746
思いがけないことなどが
おのずから出てくるものですが➡
226
00:31:54,746 --> 00:32:00,085
姫君は なんと可愛らしい
遊び相手なのでしょう。➡
227
00:32:00,085 --> 00:32:06,191
おのれの娘でも このぐらいになると
気安くふるまい➡
228
00:32:06,191 --> 00:32:11,530
心おきなく寝起きするなどは
とても出来ないものですが➡
229
00:32:11,530 --> 00:32:19,404
これは 本当に変わった秘蔵の娘だと
君は思うのでした」。
230
00:32:19,404 --> 00:32:22,707
(大納言の君)
でも 無理に連れ去っていくところは➡
231
00:32:22,707 --> 00:32:24,643
何だか ちょっと…。
232
00:32:24,643 --> 00:32:28,046
(小少将の君)
でも 実の父親が薄情ですゆえ➡
233
00:32:28,046 --> 00:32:31,550
光る君の所へ行った方が
よかったのではございません?
234
00:32:31,550 --> 00:32:34,052
それでも強引ですわよね。
235
00:32:34,052 --> 00:32:36,721
まことの思い人は 藤壺ですもの。➡
236
00:32:36,721 --> 00:32:40,592
この子は
光る君のおもちゃのようなものですわ。
237
00:32:40,592 --> 00:32:42,594
(馬中将の君)
藤壺の所に 再び忍んでいき➡
238
00:32:42,594 --> 00:32:46,064
子までなしながら その一方で➡
239
00:32:46,064 --> 00:32:52,571
幼子を引き取って育てようと考える
光る君は 無分別の極みでございますわ。
240
00:32:52,571 --> 00:32:56,775
(一同)無分別。
241
00:33:01,379 --> 00:33:05,851
(宮の宣旨)
中宮様。 敦康様は 物忌みのため➡
242
00:33:05,851 --> 00:33:08,887
今日は
お越しになれないとのことでございます。
243
00:33:08,887 --> 00:33:12,190
そうか…。
244
00:33:12,190 --> 00:33:17,028
(宮の宣旨)さあ 方々
お装束の手入れをする刻限ですよ。
245
00:33:17,028 --> 00:33:19,831
(一同)はい。
246
00:33:26,538 --> 00:33:35,247
光る君に引き取られて 育てられる娘は
私のようであった。
247
00:33:36,882 --> 00:33:41,586
私も幼き頃に入内して ここで育ったゆえ。
248
00:33:43,221 --> 00:33:46,224
そうでございますか…。
249
00:33:47,893 --> 00:33:53,565
この娘は このあと どうなるのだ?
250
00:33:53,565 --> 00:33:57,269
今 考えているところでございます。
251
00:34:00,839 --> 00:34:06,845
中宮様は どうなればよいと
お思いでございますか?
252
00:34:12,183 --> 00:34:18,189
光る君の妻になるのがよい。
253
00:34:21,860 --> 00:34:25,163
妻になる…。
254
00:34:26,731 --> 00:34:29,601
なれぬであろうか?
255
00:34:29,601 --> 00:34:33,805
藤式部 なれるようにしておくれ。
256
00:34:36,875 --> 00:34:39,878
中宮様。
257
00:34:41,546 --> 00:34:46,885
帝に まことの妻になりたいと➡
258
00:34:46,885 --> 00:34:50,889
仰せになったら
よろしいのではないでしょうか?
259
00:34:52,557 --> 00:34:56,861
帝をお慕いしておられましょう?
260
00:34:58,897 --> 00:35:01,666
そのような…➡
261
00:35:01,666 --> 00:35:05,837
そのようなことをするなど 私ではない。
262
00:35:05,837 --> 00:35:15,146
ならば 中宮様らしい中宮様とは
どのようなお方でございましょうか。
263
00:35:18,416 --> 00:35:22,287
私の存じ上げる中宮様は➡
264
00:35:22,287 --> 00:35:30,528
青い空が お好きで
冬の冷たい気配が お好きでございます。
265
00:35:30,528 --> 00:35:37,836
左大臣様の願われることも ご苦労も
よく知っておられます。
266
00:35:39,537 --> 00:35:46,845
敦康親王様にとっては
唯一無二の女人であられます。
267
00:35:48,546 --> 00:35:55,253
いろいろなことに ときめくお心も
お持ちでございます。
268
00:35:58,890 --> 00:36:08,600
その息づくお心の内を
帝にお伝えなされませ。
269
00:36:20,845 --> 00:36:25,150
(宮の宣旨)お上のお渡りでございます。
270
00:36:45,070 --> 00:36:47,939
敦康に会いに来たが おらぬゆえ…。
271
00:36:47,939 --> 00:36:52,711
お上!
ん?
272
00:36:52,711 --> 00:36:56,214
お慕いしております!
273
00:36:56,214 --> 00:37:20,171
♬~
274
00:37:20,171 --> 00:37:23,074
また来る…。
275
00:37:23,074 --> 00:38:02,147
♬~
276
00:38:02,147 --> 00:38:07,852
では 来年の元日は 朝拝をいたします。
277
00:38:10,488 --> 00:38:14,793
よきに計らえ。
はっ。
278
00:38:27,505 --> 00:38:29,841
左大臣。
はっ。
279
00:38:29,841 --> 00:38:34,145
御嶽詣の御利益はあったのか?
280
00:38:35,713 --> 00:38:39,851
まだ分かりませぬ。
281
00:38:39,851 --> 00:38:43,521
今宵 藤壺に参る。➡
282
00:38:43,521 --> 00:38:46,224
その旨 伝えよ。
283
00:38:48,193 --> 00:39:46,885
♬~
284
00:40:10,208 --> 00:40:16,914
(一条天皇)いくつになった?
二十歳にございます。
285
00:40:18,883 --> 00:40:24,589
(一条天皇)いつの間にか
大人になっておったのだな。
286
00:40:26,557 --> 00:40:29,861
ずっと大人でございました。
287
00:40:40,905 --> 00:40:44,208
そうか…。
288
00:40:52,517 --> 00:41:00,825
さみしい思いをさせてしまって
すまなかったのう…。
289
00:41:25,416 --> 00:41:34,559
♬~
290
00:41:34,559 --> 00:41:37,862
お前の手柄なのか?
291
00:41:40,231 --> 00:41:43,568
私は 何もしておりませぬ。
292
00:41:43,568 --> 00:41:50,875
帝のお心をつかまれたのは
中宮様ご自身にございます。
293
00:41:54,579 --> 00:42:01,185
きっと金峯山の霊験にございましょう。
294
00:42:01,185 --> 00:42:04,489
どちらでもよいが…。
295
00:42:06,524 --> 00:42:13,831
ああ よかった…。
296
00:42:30,214 --> 00:42:33,551
何もかも…。
無礼講ゆえ…。
297
00:42:33,551 --> 00:42:37,355
50個なのだよ。
若紫はおいでかな?
298
00:42:37,355 --> 00:42:39,424
それを学びたい。 ないしょで。
299
00:42:39,424 --> 00:42:45,096
藤式部の物語の力が
中宮様を変えたのだと 殿から聞いておる。
300
00:42:45,096 --> 00:42:48,566
中宮様のご出産の記録を
作ってもらいたい。
301
00:42:48,566 --> 00:42:51,469
その物語を 私も読みとうございます。
302
00:42:51,469 --> 00:42:55,173
光る君のような殿御はおられませぬ。
27284