All language subtitles for 光る君へ - E32 誰がために書く - [1440-FHD@KTGMC-slw.NV7-h264_qvbr 280_u p7][字]
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1
00:00:06,940 --> 00:00:11,778
一条天皇と亡き皇后 定子の遺児➡
2
00:00:11,778 --> 00:00:16,283
脩子内親王の裳着が行われた。
3
00:00:18,285 --> 00:00:23,624
一条天皇の亡き定子への執着は強く➡
4
00:00:23,624 --> 00:00:26,960
いまだ公卿に復帰していない伊周を➡
5
00:00:26,960 --> 00:00:33,667
大臣の下
大納言の上に座らせるよう命じた。
6
00:00:38,572 --> 00:00:41,308
(藤原伊周)譲られよ。
7
00:00:41,308 --> 00:00:44,611
(藤原道綱)えっ? ここに入るの?
8
00:01:04,932 --> 00:01:14,942
♬~
9
00:01:14,942 --> 00:01:18,612
帝のお出ましでございます。
10
00:01:18,612 --> 00:01:31,625
♬~
11
00:01:31,625 --> 00:01:35,429
一条天皇は 表向き➡
12
00:01:35,429 --> 00:01:41,635
伊周の昇殿は 脩子内親王の裳着に
参列させるためとしたが➡
13
00:01:41,635 --> 00:01:47,307
真の目的は 道長への牽制であった。
14
00:01:47,307 --> 00:04:01,241
♬~
15
00:04:01,241 --> 00:04:04,244
♬~
16
00:04:04,244 --> 00:04:45,051
♬~
17
00:04:46,820 --> 00:05:01,234
(ウグイスの鳴き声)
18
00:05:01,234 --> 00:05:05,071
(まひろ)暖かくなってきたわね。
19
00:05:05,071 --> 00:05:08,742
母上も 春がお好きだった。
20
00:05:08,742 --> 00:05:12,579
(いと)そうでございましたね。
21
00:05:12,579 --> 00:05:15,081
(物音)
(きぬ)ああ もう 我慢できない!
22
00:05:15,081 --> 00:05:17,584
(乙丸)俺が 何をしたっていうんだよ。
23
00:05:17,584 --> 00:05:21,087
(きぬ)それも分かっていないところが
嫌なのよ ケチ!
24
00:05:21,087 --> 00:05:23,123
あっ お方様…。
25
00:05:23,123 --> 00:05:26,126
情けない顔して どうしたの?
26
00:05:28,962 --> 00:05:31,398
この人 紅を買おうとしたら➡
27
00:05:31,398 --> 00:05:34,267
そんな余計なものを買うなと
言ったんですよ!
28
00:05:34,267 --> 00:05:39,139
私は 京に来てから 紅も おしろいも
一度も買っていないのに。
29
00:05:39,139 --> 00:05:42,142
だから もう 私 越前に帰ります!
30
00:05:42,142 --> 00:05:46,613
えっ… 乙丸 そうなの?
31
00:05:46,613 --> 00:05:48,949
私は…➡
32
00:05:48,949 --> 00:05:56,289
こいつが美しくなって
ほかの男の目に留まるのが怖いのです。
33
00:05:56,289 --> 00:06:02,095
こいつは
私だけの こいつでないと嫌なのです。
34
00:06:02,095 --> 00:06:05,098
だったら そう言えばいいじゃないか
うつけ!
35
00:06:05,098 --> 00:06:07,901
ごめんよ。
36
00:06:07,901 --> 00:06:10,904
もう…。
37
00:06:16,243 --> 00:06:21,114
お方様と亡き殿様も
よくけんかをなさいましたね。
38
00:06:21,114 --> 00:06:24,584
火取りの灰を投げつけたりなさって。
39
00:06:24,584 --> 00:06:26,920
そんなことあったかしら?
40
00:06:26,920 --> 00:06:32,926
亡き殿様とお方様の大げんかで
あれに過ぎるものはございませんでした。
41
00:06:36,596 --> 00:06:39,099
あ… せんだって➡
42
00:06:39,099 --> 00:06:42,969
左大臣様にお渡しになった物語は
どうなりましたの?
43
00:06:42,969 --> 00:06:45,872
あれから お返事はないわ。
44
00:06:45,872 --> 00:06:49,609
きっと
帝のお気に召さなかったのでしょう。
45
00:06:49,609 --> 00:06:52,279
そうでございますか…。
46
00:06:52,279 --> 00:06:54,614
よいお仕事になりそうでしたのに…。
47
00:06:54,614 --> 00:06:56,549
でも あれが きっかけで➡
48
00:06:56,549 --> 00:07:00,887
このごろ書きたいものが
どんどん わき上がってくるの。はあ…。
49
00:07:00,887 --> 00:07:06,226
帝のおためより何より
今は 私のために書いているの。
50
00:07:06,226 --> 00:07:12,899
それは つまり 日々の暮らしのためには
ならぬということでございますね。
51
00:07:12,899 --> 00:07:43,596
♬~
52
00:07:47,801 --> 00:07:51,638
脩子内親王の裳着から数日後➡
53
00:07:51,638 --> 00:08:00,447
道長は 土御門殿で 漢詩の会を催し
伊周と隆家を招いた。
54
00:08:12,559 --> 00:08:19,566
私のような者まで お招きくださり
ありがたき幸せに存じます。
55
00:08:25,905 --> 00:08:31,611
(藤原道長)楽しき時を過ごしてもらえれば
私もうれしい。
56
00:08:42,455 --> 00:08:48,461
儀同三司 藤原伊周殿。
57
00:08:50,930 --> 00:08:55,769
「春帰りて駐まらず 禁え難きを惜しみ…」。
58
00:08:55,769 --> 00:08:59,272
(伊周)「枝は 花を落とし➡
59
00:08:59,272 --> 00:09:06,546
峰は 視界を遮るように聳え
霞は 色を失う➡
60
00:09:06,546 --> 00:09:15,555
春の装いは もろくも崩れて
谷は静かに 鳥のさえずりも消える。➡
61
00:09:15,555 --> 00:09:22,228
年月は移ろい
わが年齢も次第に老けてゆく➡
62
00:09:22,228 --> 00:09:31,538
残りの人生
天子の恩顧を思う気持ちばかりが募る」。
63
00:09:37,577 --> 00:09:41,081
(藤原斉信)まことに
けなげな振る舞いであったな 伊周殿は。
64
00:09:41,081 --> 00:09:45,585
(藤原公任)いやいや
あれは 心の内とは裏腹であろう。
65
00:09:45,585 --> 00:09:50,256
そう思うか?
(藤原行成)はい…。
66
00:09:50,256 --> 00:09:53,927
うっかり だまされるところだった。
67
00:09:53,927 --> 00:09:58,264
それより 大したものだ 道長は。
まことに…。
68
00:09:58,264 --> 00:10:02,602
帝が 伊周殿に
お心を向け始めておいでだが➡
69
00:10:02,602 --> 00:10:06,940
私は 全く焦っておりませんよ
というふう?
70
00:10:06,940 --> 00:10:10,643
敵を広い心で受け止める器の大きさだ。
71
00:10:12,278 --> 00:10:17,150
(一条天皇)伊周を 陣定に参らせたい。➡
72
00:10:17,150 --> 00:10:21,621
そのように皆を説き伏せよ。
73
00:10:21,621 --> 00:10:26,493
恐れながら 難しいと存じます。
74
00:10:26,493 --> 00:10:29,796
陣定は
参議以上と定められておりますゆえ➡
75
00:10:29,796 --> 00:10:33,433
誰かが身まかるか 退かねばありえませぬ。
76
00:10:33,433 --> 00:10:37,136
そなたならば いかようにもなろう。
77
00:10:37,136 --> 00:10:40,173
難しいと存じます。
78
00:10:40,173 --> 00:10:43,910
朕の強い意向とすれば 皆も逆らえまい。
79
00:10:43,910 --> 00:10:48,648
されど それでは角が立つ。
異を唱える者も出よう。
80
00:10:48,648 --> 00:10:52,986
ゆえに そなたの裁量に委ねておる。
81
00:10:52,986 --> 00:10:57,657
朕のたっての願いだ。
82
00:10:57,657 --> 00:11:03,463
難しきことながら はかってみましょう。
83
00:11:03,463 --> 00:11:07,267
よしなに頼む。
お上。
84
00:11:07,267 --> 00:11:14,607
過日 差し上げた物語は
いかがでございましたか?
85
00:11:14,607 --> 00:11:21,281
ああ… 忘れておった。
86
00:11:21,281 --> 00:11:43,536
♬~
87
00:11:43,536 --> 00:11:46,839
帝に献上した あれは…。
88
00:11:49,309 --> 00:11:54,981
お心に かなわなかった。
89
00:11:54,981 --> 00:12:01,988
力及ばず 申し訳ございませぬ。
90
00:12:03,590 --> 00:12:08,928
落胆はせぬのか?
はい。
91
00:12:08,928 --> 00:12:14,601
帝にお読みいただくために
書き始めたものにございますが➡
92
00:12:14,601 --> 00:12:18,104
もはや それは
どうでもよくなりましたので➡
93
00:12:18,104 --> 00:12:20,940
落胆はいたしませぬ。
94
00:12:20,940 --> 00:12:25,812
今は 書きたいものを書こうと
思っております。
95
00:12:25,812 --> 00:12:29,616
その心をかきたててくださった
道長様には➡
96
00:12:29,616 --> 00:12:34,621
深く感謝いたしております。
97
00:12:38,958 --> 00:12:46,699
それが お前がお前であるための道か?
98
00:12:46,699 --> 00:12:50,203
さようでございます。
99
00:12:56,309 --> 00:13:02,915
心の声 「源氏の君は お上が 常に
おそばにお召しなさるので➡
100
00:13:02,915 --> 00:13:07,086
心安く里住まいもできません。➡
101
00:13:07,086 --> 00:13:16,396
心の中では ただ藤壺のお姿を
類いなきものなしと お思い申し上げ➡
102
00:13:16,396 --> 00:13:20,600
このような人こそ 妻にしたい。➡
103
00:13:20,600 --> 00:13:23,503
この人に似ている人など…」。
104
00:13:23,503 --> 00:13:28,474
♬~
105
00:13:28,474 --> 00:13:35,181
心の声
俺がほれた女は こういう女だったのか…。
106
00:13:41,621 --> 00:13:51,297
辞表を出した公任に 翻意を促すため
一条天皇は 公任を従二位に昇進させた。
107
00:13:51,297 --> 00:13:56,636
この辞表作戦を指南したのは 実資だった。
108
00:13:56,636 --> 00:14:00,373
実資様 この度は
まことに ありがとうございました。
109
00:14:00,373 --> 00:14:06,579
(藤原実資)フフフフ…。
辞表は うまく効いたようだな。
110
00:14:06,579 --> 00:14:10,750
ハハ…
実資様のお導きのおかげにございます。
111
00:14:10,750 --> 00:14:12,785
うむ。
112
00:14:12,785 --> 00:14:15,922
(斉信)ただの ごね得ではないか。
113
00:14:15,922 --> 00:14:21,260
帝のお心も たわいないものにおわすな。
114
00:14:21,260 --> 00:14:26,132
従二位 従二位 正二位。
115
00:14:26,132 --> 00:14:30,603
従二位 従二位…。
(公任 実資)正二位。
116
00:14:30,603 --> 00:14:35,408
従二位 従二位 正二位。
正二位。
117
00:14:40,613 --> 00:14:45,918
では 親王様
これは いかがでございますか?
118
00:15:04,237 --> 00:15:09,108
(藤原彰子)親王様 左大臣殿にお礼を。
119
00:15:09,108 --> 00:15:13,813
(敦康親王)うれしく思う!
恐れ入り奉ります。
120
00:15:15,581 --> 00:15:19,452
帝のお渡りにございます。
121
00:15:19,452 --> 00:15:21,454
お渡りのお触れはあったのか!?
122
00:15:21,454 --> 00:15:24,590
いいえ。
えっ。
123
00:15:24,590 --> 00:15:27,593
さあさあ 片づけよ 片づけよ。
124
00:15:30,463 --> 00:15:35,234
ここで お顔を拝せるとは。 ご機嫌麗しく。
うむ。
125
00:15:35,234 --> 00:15:40,940
お上 これを左大臣にもらいました。
よかったな。
126
00:15:40,940 --> 00:15:47,647
お上も ご一緒に遊びましょう!
お上。
127
00:15:52,552 --> 00:15:56,289
親王様 書のお稽古の刻限にございます。
128
00:15:56,289 --> 00:15:58,224
嫌だ。
129
00:15:58,224 --> 00:16:03,529
行っておいで。
はい…。
130
00:16:12,772 --> 00:16:15,575
これにて 御免を被ります。
131
00:16:15,575 --> 00:16:18,244
(一条天皇)待て。
はっ。
132
00:16:18,244 --> 00:16:21,581
読んだぞ。
あ…。
133
00:16:21,581 --> 00:16:28,287
あれは 朕への当てつけか?
そのようなことはございませぬ。
134
00:16:31,924 --> 00:16:34,827
(一条天皇)
ところで あれを書いたのは 誰なのだ?
135
00:16:34,827 --> 00:16:39,799
前越前守 藤原朝臣為時の娘
まひろにございます。
136
00:16:39,799 --> 00:16:43,636
以前 帝にお目通りがかなったと
伺っております。
137
00:16:43,636 --> 00:16:48,274
ああ あの女であるか。
はっ。
138
00:16:48,274 --> 00:16:55,047
唐の故事や仏の教え 我が国の歴史を
さりげなく取り入れておるところなぞ➡
139
00:16:55,047 --> 00:16:58,918
書き手の博学ぶりは 無双と思えた。
140
00:16:58,918 --> 00:17:03,756
その女に また会ってみたいものだ。
141
00:17:03,756 --> 00:17:06,659
すぐにも 藤壺に召し出します。
142
00:17:06,659 --> 00:17:15,434
会うなら 続きを読んでからとしよう。
続き… ですか?
143
00:17:15,434 --> 00:17:19,906
あれで終わりではなかろう。
144
00:17:19,906 --> 00:17:24,210
はっ。 承知つかまつりました。
145
00:17:30,249 --> 00:17:32,184
あっ あっ…。
146
00:17:32,184 --> 00:17:34,120
姫様!
147
00:17:34,120 --> 00:17:45,798
♬~
148
00:17:45,798 --> 00:17:51,270
中宮様の女房にならぬか?
は?
149
00:17:51,270 --> 00:17:55,141
この前 お気に召さなかったようだと
言った物語だが➡
150
00:17:55,141 --> 00:18:00,146
帝が 続きを読みたいと仰せになった。
151
00:18:03,716 --> 00:18:06,619
何だ その どうでもよい顔は。
152
00:18:06,619 --> 00:18:10,489
続きをお読みくださいますなら
この家で書いて お渡しいたします。
153
00:18:10,489 --> 00:18:12,425
それでは駄目なのだ。
154
00:18:12,425 --> 00:18:15,895
帝は 博学なお前にも興味をお持ちだ。
155
00:18:15,895 --> 00:18:18,798
中宮様のおそばにいてもらえれば➡
156
00:18:18,798 --> 00:18:23,803
帝が お前を目当てに
藤壺にお渡りになるやもしれぬ。
157
00:18:25,905 --> 00:18:29,241
おとりでございますか。
そうだ。
158
00:18:29,241 --> 00:18:33,579
まっ…。
娘と離れ難ければ 連れてまいれ。
159
00:18:33,579 --> 00:18:38,250
女童として召し抱える。
160
00:18:38,250 --> 00:18:40,953
考えてみてくれ。
161
00:18:46,592 --> 00:18:49,261
(源 倫子)まひろさん?➡
162
00:18:49,261 --> 00:18:52,598
殿が なぜ まひろさんを
ご存じなのですか?
163
00:18:52,598 --> 00:18:57,403
公任に聞いたのだ。
面白い物語を書く女子がおると。
164
00:18:57,403 --> 00:18:59,905
(倫子)へえ~…。
165
00:19:01,407 --> 00:19:07,880
帝は その女子が書いたものをお気に召し
続きをご所望だ。
166
00:19:07,880 --> 00:19:10,216
まあ…。
167
00:19:10,216 --> 00:19:20,226
藤壺に その女子を置いて 先を書かせれば
帝も 藤壺にお渡りになるやもしれぬ。
168
00:19:20,226 --> 00:19:24,730
名案ですわ 殿! さすが!
169
00:19:24,730 --> 00:19:33,906
そうか。 倫子が よいなら そういたそう。
170
00:19:33,906 --> 00:19:38,244
これが 最後の賭けだ。
はい。
171
00:19:38,244 --> 00:19:41,914
まひろさんのことは
昔から存じておりますし➡
172
00:19:41,914 --> 00:19:46,218
私も うれしゅうございます。
うむ。
173
00:19:50,589 --> 00:19:54,927
この先のことを考えますと➡
174
00:19:54,927 --> 00:20:01,801
私が 藤壺に上がり
働くしかないと思います。
175
00:20:01,801 --> 00:20:05,938
(藤原為時)わしとて まだまだ働ける。
176
00:20:05,938 --> 00:20:09,809
年寄り扱いするでない。
177
00:20:09,809 --> 00:20:17,116
されど 帝の覚えめでたく
その 誉れを持って藤壺に上がるのは➡
178
00:20:17,116 --> 00:20:20,152
悪いことではないぞ。
179
00:20:20,152 --> 00:20:23,856
女房たちも 一目置こう。
180
00:20:25,624 --> 00:20:31,497
ただ 賢子のことが…。
181
00:20:31,497 --> 00:20:35,301
賢子のことは 案ずるな。
182
00:20:35,301 --> 00:20:37,970
わしも いとも おるゆえ。
183
00:20:37,970 --> 00:20:44,643
左大臣様は 藤壺に連れてきてもよいと
仰せなのです。
184
00:20:44,643 --> 00:20:50,983
内裏は 華やかな所であるが
恐ろしき所でもある。
185
00:20:50,983 --> 00:20:55,654
お前ほどの才があれば
恐れることもあるまいが➡
186
00:20:55,654 --> 00:21:00,960
賢子のような幼子が暮らす所ではない。
187
00:21:02,461 --> 00:21:10,169
そうですね。
賢子は 父上に懐いておりますので➡
188
00:21:10,169 --> 00:21:14,039
私がいなくても 平気かもしれませぬ。
189
00:21:14,039 --> 00:21:16,275
任せておけ。
190
00:21:16,275 --> 00:21:22,281
母を誇りに思う娘に育てるゆえ。
191
00:21:41,300 --> 00:21:43,636
どうしたの?
192
00:21:43,636 --> 00:21:48,941
(賢子)母上は 私が嫌いなの?
193
00:21:52,645 --> 00:21:58,317
そんなことありませんよ。 大好きよ。
194
00:21:58,317 --> 00:22:04,590
大好きなら なぜ 内裏に行くの?
195
00:22:04,590 --> 00:22:08,093
賢子も一緒に内裏に行く?
196
00:22:09,762 --> 00:22:14,099
行かない。 じじが かわいそうだから。
197
00:22:14,099 --> 00:22:17,603
じじではありません。 おじじ様でしょ。
198
00:22:17,603 --> 00:22:19,905
行かない!
199
00:22:21,473 --> 00:22:24,944
お休みの日には 帰ってくるから。
200
00:22:24,944 --> 00:22:30,115
さみしかったら 月を見上げて。
母も同じ月を見ているから。
201
00:22:30,115 --> 00:22:32,618
行かない!
202
00:22:45,297 --> 00:23:00,579
♬~
203
00:23:00,579 --> 00:23:03,249
(倫子)中宮様。
204
00:23:03,249 --> 00:23:08,120
この度 新たにお仕えすることとなった
女房でございます。
205
00:23:08,120 --> 00:23:13,425
出仕は 来月からとさせますので
今日は ご挨拶に。
206
00:23:17,596 --> 00:23:24,470
前越前守 藤原朝臣為時の娘
まひろにございます。
207
00:23:24,470 --> 00:23:31,143
帝たってのお望みで この藤壺で
物語を書くこととなりました。
208
00:23:31,143 --> 00:23:34,146
お目をおかけくださいませ。
209
00:23:34,146 --> 00:23:38,284
帝のお望み?
210
00:23:38,284 --> 00:23:43,155
この者の書いた物語を
帝が 大層 お気に召されましたゆえ➡
211
00:23:43,155 --> 00:23:45,958
格別に取り立てました。
212
00:23:45,958 --> 00:23:52,965
帝と中宮様の御ために 一心に
お仕え申し上げる所存にございます。
213
00:24:13,919 --> 00:24:19,391
では 内裏の中は 衛門が案内いたせ。
(赤染衛門)はい。
214
00:24:19,391 --> 00:24:22,094
あとは頼んだぞ。
215
00:24:37,810 --> 00:24:42,281
(赤染衛門)帝のお目に留まるとは
ご立派になられましたね。
216
00:24:42,281 --> 00:24:44,616
いいえ…。
217
00:24:44,616 --> 00:24:47,286
なんとか 今の藤壺の➡
218
00:24:47,286 --> 00:24:54,159
どうにも行き詰まった気分が
改まると よろしいのですけれど…。
219
00:24:54,159 --> 00:24:58,464
参りましょう。
はい。
220
00:25:00,833 --> 00:25:05,070
まひろさん
お子さんが おありなんですって?
221
00:25:05,070 --> 00:25:09,241
はい。 7歳の娘がおります。
222
00:25:09,241 --> 00:25:13,579
ご夫君を亡くされて 大変でしたわね。
223
00:25:13,579 --> 00:25:18,884
まあ 夫は いても
大して当てになりませんけれど…。
224
00:25:21,453 --> 00:25:28,927
私の夫は あちこちに子を作り
それを 皆 私が育てておりました。
225
00:25:28,927 --> 00:25:35,100
そのうち 最初の子が大きくなって
下の子らの面倒を見てくれるようになり➡
226
00:25:35,100 --> 00:25:38,604
帰ってこない夫を待つのにも
飽きましたので➡
227
00:25:38,604 --> 00:25:40,539
土御門殿に上がったのです。
228
00:25:40,539 --> 00:25:45,277
あなた様が そのようなお方だとは…
存じませんでした。
229
00:25:45,277 --> 00:25:52,951
フフフ…。
人の運不運は どうにもなりませんわね。
230
00:25:52,951 --> 00:25:58,624
あんなに すばらしい 婿君と巡り会えた
土御門のお方様は➡
231
00:25:58,624 --> 00:26:02,227
類いまれなる ご運の持ち主。
232
00:26:02,227 --> 00:26:07,533
羨ましゅうございます。
まことに…。
233
00:26:09,902 --> 00:26:15,774
あの… 中宮様は
どういうお方なのでございましょう。
234
00:26:15,774 --> 00:26:20,913
それが 謎ですの。
え?
235
00:26:20,913 --> 00:26:23,749
お小さい頃から
おそばにおられましたのに?
236
00:26:23,749 --> 00:26:29,555
それでも分かりません。 奥ゆかしすぎて。
237
00:26:36,929 --> 00:26:43,135
道長のもとに
安倍晴明 危篤の知らせが来た。
238
00:26:44,670 --> 00:27:04,089
(須麻流の祈とう)
239
00:27:04,089 --> 00:27:08,227
(安倍晴明)
お顔を拝見してから死のうと思い➡
240
00:27:08,227 --> 00:27:11,897
お待ちしておりました。
241
00:27:11,897 --> 00:27:14,900
何を申しておる。
242
00:27:17,769 --> 00:27:21,473
思いの外 健やかそうではないか。
243
00:27:23,242 --> 00:27:29,248
私は 今宵 死にまする。
244
00:27:30,916 --> 00:27:36,221
ようやく光を手に入れられましたな。
245
00:27:38,590 --> 00:27:44,897
これで 中宮様も盤石でございます。
246
00:27:46,465 --> 00:27:56,608
いずれ あなた様の家からは
帝も皇后も関白も出られましょう。
247
00:27:56,608 --> 00:28:00,879
それほどまでに話さずともよい。
248
00:28:00,879 --> 00:28:07,653
お父上が なしえなかったことを
あなた様は 成し遂げられます。
249
00:28:07,653 --> 00:28:12,491
幾たびも言うたが
父のまねをする気はない。
250
00:28:12,491 --> 00:28:22,568
ただ一つ 光が強ければ
闇も濃くなります。
251
00:28:22,568 --> 00:28:26,572
そのことだけは お忘れなく。
252
00:28:29,441 --> 00:28:31,577
分かった。
253
00:28:31,577 --> 00:28:40,085
呪詛も 祈とうも
人の心のありようなのでございますよ。
254
00:28:40,085 --> 00:28:49,294
私が何もせずとも
人の心が勝手に震えるのでございます。
255
00:28:56,268 --> 00:29:00,572
何も恐れることはありませぬ。
256
00:29:02,874 --> 00:29:10,215
思いのままに おやりなさいませ。
257
00:29:10,215 --> 00:29:46,118
♬~
258
00:29:46,118 --> 00:29:52,791
長い間 世話になった。
259
00:29:52,791 --> 00:30:15,614
♬~
260
00:30:15,614 --> 00:30:24,623
その夜 自らの予言どおり
晴明は世を去った。
261
00:30:44,976 --> 00:30:53,685
一条天皇は 伊周を 再び
陣定に召し出す宣旨を下した。
262
00:30:55,987 --> 00:31:01,593
言葉もない。 全く言葉もない…。
263
00:31:01,593 --> 00:31:05,897
(藤原顕光)
左大臣殿は 何をしとったのだ!
264
00:31:07,466 --> 00:31:10,936
左大臣様を責めるのは どうなのですか?
265
00:31:10,936 --> 00:31:15,273
(顕光)帝を おいさめできるのは
左大臣殿しかおらぬ!
266
00:31:15,273 --> 00:31:18,276
右大臣様が おいさめしても
いいではありませんか!
267
00:31:18,276 --> 00:31:21,146
あ…。
268
00:31:21,146 --> 00:31:28,153
言葉もない! 不吉なことが
起きなければよろしいが…。
269
00:31:37,295 --> 00:31:42,968
その夜 皆既月食が起きた。
270
00:31:42,968 --> 00:31:48,640
闇を恐れ 内裏は静まり返った。
271
00:31:48,640 --> 00:32:15,801
♬~
272
00:32:15,801 --> 00:32:18,270
(悲鳴)
273
00:32:18,270 --> 00:32:24,776
月食が終わる頃
温明殿と綾綺殿の間から火の手が上がり➡
274
00:32:24,776 --> 00:32:27,813
瞬く間に 内裏に燃え広がった。
275
00:32:27,813 --> 00:32:51,503
(悲鳴)
276
00:33:01,246 --> 00:33:03,181
敦康は どこだ!
277
00:33:03,181 --> 00:33:05,917
ただいま お逃がしまいらせました。
278
00:33:05,917 --> 00:33:08,253
そなたは 何をしておる?
279
00:33:08,253 --> 00:33:12,958
お上は いかがなされたかと思いまして…。
280
00:33:14,593 --> 00:33:17,262
参れ。
281
00:33:17,262 --> 00:33:24,936
♬~
282
00:33:24,936 --> 00:33:27,606
あっ!
283
00:33:27,606 --> 00:33:30,508
大事ないか!
284
00:33:30,508 --> 00:33:50,295
♬~
285
00:33:50,295 --> 00:33:56,635
(居貞親王)昨夜の火事で 八咫鏡を
焼失したというのは まことなのか?
286
00:33:56,635 --> 00:34:01,606
残念ながら 賢所まで火が回り
間に合いませんでした。
287
00:34:01,606 --> 00:34:03,742
申し訳ございませぬ。
288
00:34:03,742 --> 00:34:07,245
叔父上が謝ることはない。
289
00:34:07,245 --> 00:34:09,915
これは たたりだ。
290
00:34:09,915 --> 00:34:13,585
伊周などを陣定に戻したりするゆえ…。
291
00:34:13,585 --> 00:34:16,488
叔父上も そう思うであろう。
292
00:34:16,488 --> 00:34:24,095
帝も 八咫鏡を焼失されて
傷ついておられます。
293
00:34:24,095 --> 00:34:27,933
もう これ以上
帝をお責めになりませぬよう。
294
00:34:27,933 --> 00:34:33,605
東宮が帝を責め奉るなど
あろうはずもない。
295
00:34:33,605 --> 00:34:41,479
されど 月食と同じ夜の火事
これが たたりでなくて 何であろうか。
296
00:34:41,479 --> 00:34:46,618
天が帝に玉座を降りろと言うておる。
297
00:34:46,618 --> 00:34:50,956
帝は まだお若く
ご退位は考えられませぬ。
298
00:34:50,956 --> 00:34:53,291
どうかな…。
299
00:34:53,291 --> 00:34:56,962
叔父上は
中宮が 皇子をもうけられるまで➡
300
00:34:56,962 --> 00:35:03,068
帝のご退位は避けたかろうが
こたびのことで よく分かった。
301
00:35:03,068 --> 00:35:11,876
間違いない。 帝の御代は 長くは続くまい。
302
00:35:18,249 --> 00:35:24,923
中宮様を 御自ら お助けくださった由
強きお心に 感服いたしました。
303
00:35:24,923 --> 00:35:28,593
中宮ゆえ 当然である。
304
00:35:28,593 --> 00:35:31,262
そなたのことは頼りにしておる。
305
00:35:31,262 --> 00:35:38,603
されど 中宮 中宮と申すのは疲れる。
306
00:35:38,603 --> 00:35:41,940
下がれ。
はっ。
307
00:35:41,940 --> 00:36:05,163
♬~
308
00:36:05,163 --> 00:36:10,735
誰も申さぬと存じますが
この火の回り具合からすると➡
309
00:36:10,735 --> 00:36:14,239
放火に違いございませぬ。
310
00:36:14,239 --> 00:36:19,577
火をつけた者が
内裏におるということでございます。
311
00:36:19,577 --> 00:36:21,513
こたびの火事は➡
312
00:36:21,513 --> 00:36:26,918
私を陣定に加えたことへの不満の表れだと
いわれております。➡
313
00:36:26,918 --> 00:36:37,095
たとえ そうであろうとも 火をつけるなぞ
お上のお命を危うくするのみ。➡
314
00:36:37,095 --> 00:36:39,998
そういう者を
お信じになってはなりませぬ。
315
00:36:39,998 --> 00:36:46,805
お上にとって 信ずるに足る者は
私だけにございます。
316
00:36:46,805 --> 00:36:51,276
月食を恐れ 皆 宿所に下がっており➡
317
00:36:51,276 --> 00:36:56,781
帝のおそばにも蔵人がおりませず
中宮様のおそばにも女房が…。
318
00:36:56,781 --> 00:37:00,585
もう その話はよい!
はっ。
319
00:37:03,555 --> 00:37:06,891
すまぬ。
320
00:37:06,891 --> 00:37:09,561
いいえ…。
321
00:37:09,561 --> 00:37:13,731
敦康親王様の別当として
申し上げねばと思いましたが➡
322
00:37:13,731 --> 00:37:17,368
差し出たことでございました。
(恒方)お… お待ちを…。
323
00:37:17,368 --> 00:37:19,904
(藤原隆家)
左大臣様! 私は 兄とは違います。
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00:37:19,904 --> 00:37:23,575
今 私が 左大臣様と話しておったのだ!
勝手に入ってくるなぞ無礼であろう!
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00:37:23,575 --> 00:37:27,245
そのことを どうしても
お話ししたかったのです。
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00:37:27,245 --> 00:37:32,383
兄は 家の再興に命を懸けておりますが
私は そうではありませぬ。
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00:37:32,383 --> 00:37:37,222
私の望みは
志高く政を行うことのみにございます。
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00:37:37,222 --> 00:37:39,257
(行成)そのようなことに だまされぬぞ
左大臣様は!
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00:37:39,257 --> 00:37:41,760
(隆家)あなたと話しているのではない。
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00:37:44,129 --> 00:37:49,767
伊周殿は 帝を籠絡し奉り
そなたは 左大臣様を懐柔する。
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00:37:49,767 --> 00:37:52,604
そういう たくらみであろう。
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00:37:52,604 --> 00:37:54,539
何だと?
333
00:37:54,539 --> 00:37:56,841
そこまでとせよ!
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00:38:01,212 --> 00:38:04,215
そなたは下がれ。
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00:38:14,759 --> 00:38:20,465
あのお人は
左大臣様のことが好きなんですかね。
336
00:38:31,209 --> 00:38:36,114
では 行ってまいります。
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00:38:36,114 --> 00:38:44,589
うむ。 帝にお認めいただき
中宮様にお仕えするお前は➡
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00:38:44,589 --> 00:38:48,259
我が家の誇りである。
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00:38:48,259 --> 00:38:51,162
(藤原惟規)大げさですねえ。➡
340
00:38:51,162 --> 00:38:54,933
俺 内記にいるから遊びに来なよ。
341
00:38:54,933 --> 00:39:01,206
中務省まで行ったりしても
いいのかしら?待ってるよ。
342
00:39:01,206 --> 00:39:06,911
父上 賢子をよろしくお願いいたします。
343
00:39:10,882 --> 00:39:12,917
頼みましたよ。
344
00:39:12,917 --> 00:39:16,421
お任せくださいませ!
345
00:39:26,431 --> 00:39:33,905
身の才のありったけを尽くして
すばらしい物語を書き➡
346
00:39:33,905 --> 00:39:39,577
帝と中宮様のお役に立てるよう
祈っておる。
347
00:39:39,577 --> 00:39:41,913
大げさだな…。
348
00:39:41,913 --> 00:39:45,617
精いっぱい務めてまいります。
349
00:39:48,253 --> 00:39:56,928
お前が… 女子であってよかった。
350
00:39:56,928 --> 00:40:24,622
♬~
351
00:40:24,622 --> 00:40:28,960
姫様…。
乙丸…。
352
00:40:28,960 --> 00:40:31,863
たまには帰ってくるから泣かないで。
353
00:40:31,863 --> 00:40:34,832
きぬを大事にね。
354
00:40:34,832 --> 00:42:01,853
♬~
355
00:42:01,853 --> 00:42:13,865
前越前守 藤原朝臣為時の娘
まひろにございます。
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00:42:30,281 --> 00:42:35,787
この屋敷を取り囲み 焼き払い奉ります。
やってみよ。
357
00:42:35,787 --> 00:42:38,823
えっ。
ちゃんと起きなければなりませんよ。
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00:42:38,823 --> 00:42:42,560
どうしたの?
見栄えはしても 鈍いのは困るな。
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00:42:42,560 --> 00:42:46,497
遊びに来ただけじゃない?
光る君と呼ばれました。
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00:42:46,497 --> 00:42:51,969
朕を難じておると思い 腹が立った。
帝がお読みになるもの 私も読みたい。
361
00:42:51,969 --> 00:42:55,273
今日より そなたを
藤式部と呼ぶことにいたす。
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