Afrikaans
Akan
Albanian
Amharic
Arabic
Armenian
Azerbaijani
Basque
Belarusian
Bemba
Bengali
Bihari
Bosnian
Breton
Bulgarian
Cambodian
Catalan
Cebuano
Cherokee
Chichewa
Chinese (Traditional)
Corsican
Croatian
Czech
Danish
Dutch
English
Esperanto
Estonian
Ewe
Faroese
Filipino
Finnish
French
Frisian
Ga
Galician
Georgian
German
Greek
Guarani
Gujarati
Haitian Creole
Hausa
Hawaiian
Hebrew
Hindi
Hmong
Hungarian
Icelandic
Igbo
Indonesian
Interlingua
Irish
Italian
Japanese
Javanese
Kannada
Kazakh
Kinyarwanda
Kirundi
Kongo
Korean
Krio (Sierra Leone)
Kurdish
Kurdish (Soranî)
Kyrgyz
Laothian
Latin
Latvian
Lingala
Lithuanian
Lozi
Luganda
Luo
Luxembourgish
Macedonian
Malagasy
Malay
Malayalam
Maltese
Maori
Marathi
Mauritian Creole
Moldavian
Mongolian
Myanmar (Burmese)
Montenegrin
Nepali
Nigerian Pidgin
Northern Sotho
Norwegian
Norwegian (Nynorsk)
Occitan
Oriya
Oromo
Pashto
Persian
Polish
Portuguese (Brazil)
Portuguese (Portugal)
Punjabi
Quechua
Romanian
Romansh
Runyakitara
Russian
Samoan
Scots Gaelic
Serbian
Serbo-Croatian
Sesotho
Setswana
Seychellois Creole
Shona
Sindhi
Sinhalese
Slovak
Slovenian
Somali
Spanish
Spanish (Latin American)
Sundanese
Swahili
Swedish
Tajik
Tamil
Tatar
Telugu
Thai
Tigrinya
Tonga
Tshiluba
Tumbuka
Turkish
Turkmen
Twi
Uighur
Ukrainian
Urdu
Uzbek
Vietnamese
Welsh
Wolof
Xhosa
Yiddish
Yoruba
Zulu
(幸)旦那さんのお守り…。
・~
旦那さん…?
(安七)ご寮さん! 旦那さんが…!→
旦那さんが 倒れはりました!
心の声 旦那さん…!
旦那さん?
どないしたんだす? 旦那さん?
(道善)あか~ん。
もう こと切れてしもた…。
えっ? (桔梗屋孫六)急なことやった…。→
あ… あの木ぃのとこで…→
ぎょうさん 血ぃ吐かはって…。
積聚が悪さして…→
滞った血が あふれたんや…。→
すまん…。
旦那さん…。
なあ… 起きとくなはれ。
旦那さん? (泣き声)
旦那さん! 旦那さん 旦那さん!
旦那さん… 旦那さん…。
<寛延三年四月 三十三歳の若さで→
智蔵は 一人 旅立っていったのです>
・~
(2人)いて参じます。
(豆吉)お早うお帰りやす。
(鉄助)ご寮さん よろしおますか? へえ。
二七日を済ましたとこで こないな話 しとうないんだすけど…→
呉服仲間の月行事さんが→
親旦那さんとこに お見えになったそうで。
月行事さんが…。
(周助)六代目の忌みが明けたら 誰に店継がせるか決めて→
寄り合いで諮るようにとの お達しだした。
(鉄助)五鈴屋の血筋を継ぐお方は 惣ぼんさん ただお一人だすけど→
行方も知れまへんしな。
子供のおらん家では 養子取って 跡継がせるて聞いてます。 へえ。
わては 鉄助どんに養子に入ってもろて→
七代目 継いでもらうのが 一番ええ思てますのやけど。
ご寮さん…。
それは でけしまへん。 えっ?
先代より年長の者は 養子になられへん決まりだす。
(せきばらい) そこで差し出がましいようだすけども→
周助どんを養子にされたら どないだすやろ?
六代目よりは 年も一つ下で→
周助どんなら奉公人たちも ついていくて思います。
めっそうもない! わては 五鈴屋の主に なれるような器やおまへん。
堪忍しとくれやす。 周助どん…。
七代目にふさわしいお方は→
ご寮さんのほかに いてまへん!
皆 そない思てます!
(せきばらい) けどな→
大坂には 女名前禁止のおきてが ありますのや。→
女子では 店主になられしまへん。
(周助) けど… 抜け道があるのやおまへんか?
親旦那さんから伺うたことがおます。
お子のない船場のご寮さんが 店主を務めはったことがあるて。
何ぞ 手だてがあるはずだす。
そのご寮さんは…→
婿を取らはった 家付き娘かもしれまへん。
それか 実家が大店で 後ろ盾になったか。
(周助)へえ…。
四十九日の忌明けまで まだ 間があります。
どないしたらええか よう考えてみまひょ。
・~
(すすり泣き)
・結 入るよ。
(はなをすする音)
おむすび 握ってもろたよ。
食べなあかん。
あんたが患うてしもたら どないするの?
(結)姉さんは… 悲しゅうないの?
えっ?
何で そない平気な顔してられるん?
結? 兄さんが のうなったのに→
うち 姉さんが泣いてるとこ いっぺんも見てへん。
みんなも おかしいわ。
喪も明けんうちから 何もなかったみたいに働いて→
何で そない 薄情なことができるん?
何言うてますのや!
五鈴屋を守るために 一所懸命 働いてくれてはるのやないの。
悪う言うことは許さへんよ! 五鈴屋 五鈴屋て→
商いのことばっかりや!
姉さんには心がないの?
お竹どんが案じますよって ちゃんと食べるんやで。
(ふすまを閉める音)
・(結のすすり泣き)
のけって…! (お梅)あんさん 誰だすのや!
だから…! (お梅)あかんて!
どないしたんだす? (お梅)ご寮さん うさんくさい男が!
うさんて お前! あ~ あのな…。
いたたたた! 足 踏んどる 足! 智やんのな 古いなじみや。
ひょっとして…。 のけ!
せや! 亀三や。
(ため息)
智やん… 遅なって堪忍やで。 旅回りに出ててな。
せやけど… なんぼなんでも早すぎるで。
急なことで どない言うたらええのか…。
お参りいただいて ありがとさんでございます。
そうか… ハハハハハ。
あれ ご寮さんに合わせた 着物やったんか。 フッ。→
桑の実色の着物に 黄檗の帯。
あんさんが着たら さぞ似合うやろな。
桑の実色に 黄檗…。
ほんで 江戸の話は どないなったんや? 江戸に店出すんやろ?
みつき前に会うた時 そない言うてたで。
店出して あんさんと江戸に行くんやて。
あ… 亀三さんに そないな話を?
うん。 江戸には 女名前禁止のおきてがないから言うてな。
えっ?
江戸に行ったら 女子かて店主になれる→
あんさんに思う存分 商いさせてやれるて。
もし 我が身に何かあっても もう誰の女房にも→
人形遣いにも ならんでもええんや。
智やん そない言うてたわ。
(泣き声)
旦那さん…。
旦那さん…。
旦那さん 旦那さん… 旦那さん…。
(泣き声)
(智蔵)幸… 幸。
何 泣いてますのや。
二人で一緒に 江戸に行くんやろ?
なあ? 幸。
旦那さん…。
(泣き声)
一緒に 江戸に行きまひょな。
・~
そうや…。
旦那さんと一緒に…→
江戸へ行くんや…。
江戸へ。
姉さん どこ行かはったんやろ?
(佐七)ただいま 江戸から戻りました。
賢吉っとん…?
へえ。 お久しゅうございます。
(佐七)ご寮さん…。
佐七っとん…。
まさか… こないなことに…。
お帰りやす。 遠いとこ ご苦労さんだした。
もうすぐ 旦那さんの四十九日でおます。
法要が済んだら 誰が五鈴屋を継ぐか 呉服仲間に諮らななりまへん。
五鈴屋の七代目…→
わてが継がせていただこう思てます。
(手代たち)えっ?
女名前では 店は継がれへん決まりだす。
けど 船場のご寮さんが 店主になったことがあるて聞いて→
今日 高島店の親旦那さんに 詳しいこと 伺うてきましたんや。
十年ほど前のことだす。
お子がなく 養子の当てもない店で→
足かけ三年に限って ご寮さんが店主を務めることが→
許されたそうでおます。
足かけ三年… 再来年の末まで二年半や。
それだけあったら 江戸に店出す道筋がつけられます。
ただ… 天満では 女名前で店継いだ ためしがおまへん。
お仲間にお許しを得るのは たやすいことではありまへん。
それでも…→
これまで 誰も おらなんだら→
わてが その初めの一人になろう思います。
子もなく残された女房たちが 後に続く道が 開けるように。
主をなくした店が 絶えることのないように。
・~
ご寮さん 奉公人一同 皆 力合わせて→
七代目をお支え申し上げます!
・~
おおきに。
・~
(有馬屋) ほんなら 七代目を→
女名前で継ぐ 言わはるんだすか?
足かけ三年に限って 中継ぎとして店預かることを→
お許しいただきとう存じます。
(入江屋)船場では そないな店があったかもしれんけどな→
ここは天満だす。 その理屈は通りまへん。
女名前なんぞ許したら お上から にらまれまっせ。
せやな。 迷惑なこっちゃ。
あんさんが五鈴屋の血筋や言うなら まだ分かりますで。
けど… 言うてはなんやけど 元は女衆だすやろ?
へえ。 六代目は 三人目のご亭主だしたなあ。
いっそ 四人目の婿取って 店主に据えたら どないだす?
何を…。 控えなはれ。 (旦那衆の笑い声)
商いを絶やすことなく あとに つないでいくための→
中継ぎでございます。
事情をお察しいただき お認めいただけまへんやろか。
事情は事情 決まりは決まりだす。
(松橋屋)ちょっと よろしおますか?
松橋屋さん どうぞ 何なりと。
皆さん 桔梗屋さんの件 もう忘れはったんだすか?
お子に先立たれたばっかりに 真澄屋はんに つけ込まれて→
えらい目に遭わはったやおまへんか。
五鈴屋さんの今の難儀は→
どこの店でも 誰の身の上にでも いつか 起きることかもしれまへんで。
五鈴屋を百年続く店にすることが お家さんの望みでおました。
百年のうちの三年だけ 中継ぎとして 五鈴屋の のれん守ること→
どうぞ お許しいただきとう存じます。
・~
(末七)ああ… もう戻らはってもええ頃だすけど。
(広七)あっ ご寮さんや!
よっしゃ 決まりや! アハハハ お帰りやす!
<八分に開いた扇子は 幸が七代目を継ぐことを→
呉服仲間が認めた しるしでした>
真澄屋はんの江戸店は 日本橋の どの辺りだす?
<江戸に出て一年 佐七と賢吉は→
古手商 近江屋の江戸店に身を寄せ→
出店に向けた下調べを続けていました>
日本橋には呉服屋が ずら~っと並んでます。
中には 年に銀一万二千貫の商いする 大店もありますよって。
あっ あっ…。 一万二千貫! 江戸の商いは桁違いだすな。
ああ… 真澄屋はんが 得意の策を弄しても 太刀打ちでけへんのかいな。
日本橋の辺りは避けて ほかの土地を探しまひょ。
人の流れがあって 近くに大きな呉服屋がない→
そないな場所に ええ出物があればええのやけど。
へえ。 江戸に戻って 五鈴屋にふさわしい店→
きっと見つけてまいります。
頼みましたで! (佐七 賢吉)へえ!
フフッ 賢吉っとんは 絵ぇ上手やね。
ただの覚書だすわ。
また 文で江戸の様子 知らせてや。 待ってますで。
へえ。
母さん…? えっ?
あ… 結。
何してるの?
勝手に入って堪忍。
兄さんに謝ってたんや。
うち 姉さんに ひどいこと言うてしもたて。
心がないなんて言うて…→
ホンマに ごめんなさい。
結…。
うちは… 何も分かってへんかった。
姉さんは 店を背負うてはるのやね。
荷の重さに耐えてはる。
そやから みんな 姉さんを慕うて ついていくんやわ。
この店で役に立ってへんのは…→
うちだけや。
甘えたの 泣きみそで…。
(すすり泣き)
もうええよ。
これ 母さんと おそろいの着物やね。
うん…。
母さん… よう言うてたわ。
木綿の着物は 夏は涼しいて 冬は暖かい→
汗も涙も 吸い取ってくれるて。
一つ 聞いてもええ?
何?
五鈴屋では 何で 木綿の反物は売らへんの?
呉服屋が売るもんは絹物。
木綿は 太物いうて 太物屋が売るもんて決まってますのや。
仕入れ先から何から違て 手ぇ出すことは許されへん決まり…。
江戸では… どないやろ?
絹も… 木綿も…。
<津門村の彦太夫が 五鈴屋を訪ねてきたのは→
七夕も近い 夏のことでした>
(彦太夫)ご寮さんの文にあったけど→
津門村の木綿で小風呂敷こしらえたいて あったけど 何に使うんや?
へえ。 秋に お上から 正式なお許しが下りたら→
七代目の披露目に配りたいて 思てるんだす。
えっ? 呉服屋が木綿て おかしいのとちゃうか?
女名前の中継ぎだすさかい 万事 控えめにしよう思て。
それに 津門村の木綿は やらこうて 丈夫で 上等だすよって。
この鈴柄 染めたら→
新しい門出を お家さんと母さん 二人に祝うてもらえる気ぃがしますのや。
なるほど。
…で 何反ほど要るんや?
並幅で三十反 ご用意いただけまへんやろか?
あ~ 三十か~。
手が足りんのなら うちが手伝いに行きます。
木綿のことやったら ちょっとは お役に立ちますよって。
お~ しっかり物言うようなって!
うちにおった頃は 泣きみそやった子が。 ハハハハハ!
(膝を打つ音) よっしゃ!
津門村の木綿三十反 必ず そろえますわ。
披露目に使てもらえるなら 村にとっても名誉なこっちゃ。 ハハハ!
おおきに よろしゅうお頼申します。
ホンマに ええ出来やな。
のれんと同じ色 きれいに染まってる。
姉さん… きれいや。
・~
(お竹)お家さんのかんざしも ようお似合いだす。
お家さんと母さん 二人の月命日に お披露目できるやなんて→
ありがたい巡り合わせや。
(お竹) 結さん それ ちょっと貸しとくれやす。
あっ へえ。
(お竹)鈴の紋は 五鈴屋の主の証しだす。
お竹どん…。
(すすり泣き)
お梅どん めでたい日やで 何を泣いてますのや。
(お梅)そやかて…。
うれしいて うれしいて。 (笑い声)
・~
七代目!
(一同)おめでとうさんでございます!
・~
お家さん… 旦那さん…。
ほな いて参じます。
(一同)お早うお帰りやす!
とんがらしの 根びきよ~。
とんがらしの 根びきよ~。
(鉄助)店構えが大きすぎたり 近くに大店があったり→
「これ!」いうのは なかなか見つからんもんだすな。
ご寮さん! 早飛脚だす! 江戸の佐七っとんから!
早飛脚? 貸し。
ああ…。
(孫六)浅草田原町の白雲屋…。
太物商いの店やな。
浅草寺さんの近くだす。
主夫婦が店畳んで ふるさとの伊勢に 帰らはることになって→
居抜きで売りたい言うて。
伊勢か… 確か白雲織いう木綿があったわ。
五鈴屋の初代は 伊勢のお人だす。 うん…。
江戸で伊勢にゆかりの店が見つかったんも 何かのご縁やないか思えて。
けど… 間口二間半は ちと小さいんやないか?
小さい方がよろしおますのや。 うん?
小さい店から始めて 子を育てるように 手ぇかけて 大事に育てていく。
それが 旦那さんの望みだすよって。
うっ…。 あっ…。
(孫六のすすり泣き) 親旦那さん。
わては江戸に出たら 絹だけやのうて 木綿も商いたいて思てますのや。
太物を? へえ。
木綿は面白いもんだす。 値ぇは手ごろで 手入れがしやすうて→
絹とは 違うよさがあります。
江戸なら 呉服と太物 どっちも扱えるのやないかて。
ほんなら お披露目で 木綿の小風呂敷配ったんは…。
太物商いの手始めのつもりで。
浜羽二重や五鈴帯は よう売れてますけど→
江戸へ出たら それだけでは足らへんように思います。
木綿が 活路を開くのやないかて。
なるほど…。
うん! これは ええ出物や!
ご寮さん とうとう時が来ましたな! へえ!
ほな 早速 江戸へ出て 店と その周り 確かめなあきまへん。
文のとおりで間違いないなら→
その場で買い上げの話 まとめてしまいとうおます。
この役目を…→
周助どんに お願いしたいのやけど。
行ってもらえますやろか?
へえ! すぐに たたせていただきます。
ようやっと 周助どんの出番だすなあ!
大役やで。 せえだいお気張りやっしゃ!
へえ!
・~
ごめんやっしゃ~!
<周助の動きは素早く 大坂をたって ひとつき余りで→
白雲屋を金百五十両で買い上げたことを 知らせる 早飛脚が届いたのです>
路銀は なんぼほど要るやろ?
<幸も 五月の末には 江戸にたつことが決まり…>
(お勢) ご寮さん 江戸に行かはるんやてなあ。
へえ。 今月の末に天満をたちます。 (お勢)そう。
ほんなら 久々に… 運勢見てあげまひょか?
江戸での勝負… はい 吉と出るか!
懐かしおますなあ。
初めて 天満に来た日 ええ卦が出て ほっとしたこと覚えてます。
ああ… やっぱり やめときまひょ。
えっ? いや あの時の卦な ホンマは→
「柳が 水に もまれるがごとし」て 出てたんや。
その悪い卦を あんさんが 自力で ええ運勢に変えはったんやで。
あ… そうやったんだすか。 うん。
江戸でも一緒や。 どないな運勢かて→
ご寮さんなら 昌運に変えはるやろ。
(お勢)早太郎! なあ? フフフ。
(鳴き声)
天神さんに ようお願いしましたさかい これで安心や。
さあ 戻りまひょ。
姉さん。 何?
うち…→
姉さんと一緒に江戸に行きたい。 えっ?
江戸では 木綿も商うんやろ?
それやったら うちかて ちょっとは役に立てる思うわ。
お願いや… 江戸に連れてって。
何言うてるの。
うちを置いていかんといて。
もう離れ離れになるのは嫌や。
回想 (結)姉しゃ!→
嫌や! 離れるんは 嫌や!
まだ 西も東も分からへんのに…→
あんたを連れていかれへんよ。
江戸で商いのめどが立ったら きっと呼ぶよって。
それまで 天満で 店 守っててほしい。
はあ… 大きな なりして→
もう泣きみそではあかんよ。
お願いや。 きっと… きっと江戸に呼んでな。
・~
・(お竹)ご寮さん お茶 お持ちしました。
どないしたんだす? 閉めきって。 風 入れまひょな。
あっ ホタル飛んでますで。
お竹どん。 (お竹)へえ。
頼みたいことがあります。
わてと一緒に 江戸に行ってもらえまへんやろか。
このとおりだす。
女衆に頭下げるもんやありまへん。
苦労かけることは分かってるけど…→
お竹どんの助けがいりますのや。
女衆としてや ありまへん。
わての右腕になって 商い手伝うてもらいとうおます。
お竹どんの知恵と技と… その心根で→
五鈴屋の江戸店 一緒に作ってほしいんだす。
わてが… お役に立ちますやろか?
年も年やし…→
近頃は目ぇも薄なって 針の運びも 昔のようにはいきまへん。
けど…。
それでも ええて 言うていただけるのやったら…→
わては どこまでも お供して→
この寿命が尽きるまで→
ご寮さんのおそばで 働かせていただきとうございます。
お竹どん…。
どうぞ 江戸へお供させておくれやす。
おおきに。
ああ… はあ…。
一生 鍋の底 磨いて 暮らすだけや 思てましたのに。
フッ… ああ… この年になって→
こんな面白いことが あるやなんて。
フフフ…。 フッ… アハハハ!
(笑い声)
はあ…。
(治兵衛)明日は いよいよ出立だすなあ。 へえ。
はあ~…。
フフッ 昔 ここで 問屋は 何で お客に物を売らんのかて→
聞かれたことがおましたな。 フフッ。
その時 治兵衛さんから教わったんだす。 商いは 川の流れのようなもんやて。
(鳥の鳴き声)
あ… あれ ミサゴだすな。 へえ。
(鳴き声)
江戸に出たら ミサゴの目 持ちなはれや。
ミサゴの目?
高いとこから 川の流れを見るように→
世の中の大きなうねりを読む目だす。
いや… それだけでは足りまへん。
アリの目も いりますわ。
アリ?
地べた はう アリのように→
身の回りの小さなもんに 目を凝らすことだす。
アリの目と ミサゴの目…。
夕日は金色 川面は銀色や!
神さんがくれた 美しい色だすな。
ご寮さん…→
江戸の商いの川 金色と銀色に 染めてみなはれ。
へえ。
・~
お竹どんまで行ってしまうやなんて… あんまり さみしいわ。
(お竹)何べん おんなじこと言いますのや。 今生の別れやあるまいし。
けど… わての花嫁姿も見てもらえんうちに…。
あんたが嫁ぐの待ってたら いつまでたっても江戸へ出られへんわ。
ひどい…。
ほれ チャッチャとせな 間に合いまへんで!
なあ… わての嫁入りの時には きっと戻ってきてな。
へえへえ。 めでたい知らせ届くの 首長うして待ってます。
・~
(菊栄)これは お守り代わりや。→
幸は江戸で わては大坂で お互い 気張りまひょ。
へえ。
いつか一緒に 何ぞ面白いことをやりまひょな!
・~
江戸の様子 確かめたら わては すぐ帰ってきますよってな→
それまで 店 頼みましたで。
(手代たち)へえ!
待った 待った! ハァ…。
ああ よかった! 間に合うたわ。
亀三さん。 うん… ハァ… あんな…→
江戸で 何ぞ 困ったことあったら この人 訪ねてみなはれ。
きっと知恵貸してくれるはずや。
ありがとさんでございます。
ほな ぼちぼち。 へえ。
留守の間 よろしゅう頼んます。
(手代たち)へえ!
智やん… 門出やで。
打ちま~っしょ!
もひとつせ!
(一同)祝うて三度!
お気を付けて行っておいでやす。
旦那さん 一緒に江戸へ… 行きまひょな。
打ちま~っしょ! よいよい!
もひとつせ! よいよい!
祝うて三度! よよいのよい!
打ちま~っしょ! よいよい!
・~
何でお止めせなんだんや。
江戸て けったいなとこだすな。
大坂の比ではございませんよ。 南無三。
今は まず無事に江戸店 開くことだす。
小頭さん。 アハハ!
惣ぼんさんが江戸にいはって もし 五鈴屋を継ぎたい言わはったら…。
店主が女?
Can't find what you're looking for?
Get subtitles in any language from opensubtitles.com, and translate them here.