All language subtitles for 光る君へ - E26 いけにえの姫 - [1440-FHD@KTGMC-slw.NV7-h264_qvbr 280_u p7][字]
Afrikaans
Akan
Albanian
Amharic
Arabic
Armenian
Azerbaijani
Basque
Belarusian
Bemba
Bengali
Bihari
Bosnian
Breton
Bulgarian
Cambodian
Catalan
Cebuano
Cherokee
Chichewa
Chinese (Simplified)
Chinese (Traditional)
Corsican
Croatian
Czech
Danish
Dutch
Esperanto
Estonian
Ewe
Faroese
Filipino
Finnish
French
Frisian
Ga
Galician
Georgian
German
Greek
Guarani
Gujarati
Haitian Creole
Hausa
Hawaiian
Hebrew
Hindi
Hmong
Hungarian
Icelandic
Igbo
Indonesian
Interlingua
Irish
Italian
Japanese
Javanese
Kannada
Kazakh
Kinyarwanda
Kirundi
Kongo
Korean
Krio (Sierra Leone)
Kurdish
Kurdish (Soranî)
Kyrgyz
Laothian
Latin
Latvian
Lingala
Lithuanian
Lozi
Luganda
Luo
Luxembourgish
Macedonian
Malagasy
Malay
Malayalam
Maltese
Maori
Marathi
Mauritian Creole
Moldavian
Mongolian
Myanmar (Burmese)
Montenegrin
Nepali
Nigerian Pidgin
Northern Sotho
Norwegian
Norwegian (Nynorsk)
Occitan
Oriya
Oromo
Pashto
Persian
Polish
Portuguese (Brazil)
Portuguese (Portugal)
Punjabi
Quechua
Romanian
Romansh
Runyakitara
Russian
Samoan
Scots Gaelic
Serbian
Serbo-Croatian
Sesotho
Setswana
Seychellois Creole
Shona
Sindhi
Sinhalese
Slovak
Slovenian
Somali
Spanish
Spanish (Latin American)
Sundanese
Swahili
Swedish
Tajik
Tamil
Tatar
Telugu
Thai
Tigrinya
Tonga
Tshiluba
Tumbuka
Turkish
Turkmen
Twi
Uighur
Ukrainian
Urdu
Uzbek
Vietnamese
Welsh
Wolof
Xhosa
Yiddish
Yoruba
Zulu
Would you like to inspect the original subtitles? These are the user uploaded subtitles that are being translated:
1
00:00:02,936 --> 00:00:09,810
長徳4年10月
日食と地震が 同日に都を襲った。
2
00:00:09,810 --> 00:00:11,812
(いと)こちらへ。
3
00:00:17,284 --> 00:00:20,587
(いと)お方様…。
(まひろ)あっ…。
4
00:00:23,790 --> 00:00:25,826
二階棚は そちらに。
はっ。
5
00:00:25,826 --> 00:00:28,829
鏡台は その横です。
はっ。
6
00:00:33,500 --> 00:00:37,137
(いと)
宣孝様が こんなにも裕福なお方とは➡
7
00:00:37,137 --> 00:00:40,173
存じませんでした。
そうね…。
8
00:00:40,173 --> 00:00:44,011
不吉な大水も 日食も 地震も
吹き飛ばす頼もしさですわ。
9
00:00:44,011 --> 00:00:46,446
福丸は ぐらりと揺れた途端に➡
10
00:00:46,446 --> 00:00:48,982
私を ほっぽり出して
逃げてゆきましたけど➡
11
00:00:48,982 --> 00:00:51,818
宣孝様は お方様をかばわれて➡
12
00:00:51,818 --> 00:00:57,624
覆いかぶさっておられて 胸打たれました。
そうね…。
13
00:00:57,624 --> 00:01:00,928
(きぬ)福丸さんが来られましたよ。
(福丸)どうも。
14
00:01:00,928 --> 00:01:05,399
もう! どこ行ってたのよ!
まあ まあ まあ…。
15
00:01:05,399 --> 00:01:08,302
(藤原宣孝)おお だいぶ進んでおるな。
16
00:01:08,302 --> 00:01:10,604
おう 頼んだぞ。
へい。
17
00:01:10,604 --> 00:01:12,539
お帰りなさいませ。
18
00:01:12,539 --> 00:01:16,476
まひろ。 今日は 取って置きの贈り物を
持ってまいった。
19
00:01:16,476 --> 00:01:21,114
毎度の贈り物は もう…。
わしがしたいのだ。 断るな。
20
00:01:21,114 --> 00:01:24,818
(笑い声)
21
00:01:30,290 --> 00:01:37,631
このような よく映る鏡で 自分の顔を
まじまじと見たことはありませぬ。
22
00:01:37,631 --> 00:01:39,566
うれしゅうございます。
23
00:01:39,566 --> 00:01:47,307
我ながら かわいいであろう。
まあ 思ったとおりでございます。
24
00:01:47,307 --> 00:01:50,811
おっ 自信はあったのだな。
また そのようなお戯れを。
25
00:01:50,811 --> 00:01:54,615
ならば もっと戯れよう。
26
00:01:58,552 --> 00:02:00,487
まひろ…。
27
00:02:00,487 --> 00:02:02,456
あっ!
アハハ!
28
00:02:02,456 --> 00:04:01,074
♬~
29
00:04:01,074 --> 00:04:03,910
♬~
30
00:04:03,910 --> 00:04:46,920
♬~
31
00:04:53,260 --> 00:04:55,629
(藤原行成)安倍晴明らによる➡
32
00:04:55,629 --> 00:04:59,933
日食と地震についての
「天文密奏」にございます。
33
00:05:01,434 --> 00:05:06,740
「天文密奏」とは
異常な天文現象が起きた時➡
34
00:05:06,740 --> 00:05:12,546
その占いの結果を
内密に天皇に知らせることを言う。
35
00:05:12,546 --> 00:05:18,451
天皇以外の者が読むことは
許されなかった。
36
00:05:18,451 --> 00:05:21,755
(一条天皇)朕のせいなのか…。
37
00:05:25,125 --> 00:05:28,929
(恒方)
水にのまれ また建物の下敷きとなり➡
38
00:05:28,929 --> 00:05:33,233
命を落とした者の数は
100を超えております。
39
00:05:35,802 --> 00:05:41,408
(藤原道長)人夫を増やして
まずは 堤を急ぎ築き直せと➡
40
00:05:41,408 --> 00:05:44,945
山城守と検非違使に伝えよ。
はっ!
41
00:05:44,945 --> 00:05:51,284
(雷雨の音)
42
00:05:51,284 --> 00:05:53,620
(安倍晴明)お出まし恐縮にございます。
43
00:05:53,620 --> 00:05:56,523
この天変地異は いつまで続くのだ。
44
00:05:56,523 --> 00:05:58,959
お前の見立てを聞かせてくれ。
45
00:05:58,959 --> 00:06:04,231
(晴明)帝のお心の乱れがおさまれば
天変地異はおさまります。
46
00:06:04,231 --> 00:06:11,004
中宮様のもとに 昼間からお渡りになり
政をおろそかになさっていることは➡
47
00:06:11,004 --> 00:06:13,907
先日 おいさめいたした。
48
00:06:13,907 --> 00:06:16,943
天地の気の流れを変え➡
49
00:06:16,943 --> 00:06:22,616
帝のお心を 正しきところに
お戻しするしかございませぬな。
50
00:06:22,616 --> 00:06:24,618
いかがすればよい。
51
00:06:24,618 --> 00:06:29,923
左大臣様が
よきものをお持ちと申しました。
52
00:06:29,923 --> 00:06:32,259
よきものとは➡
53
00:06:32,259 --> 00:06:38,932
左大臣様の一の姫 彰子様にございます。
54
00:06:38,932 --> 00:06:45,272
出家とは
片足を あの世に踏み入れること。
55
00:06:45,272 --> 00:06:51,945
もはや 后たりえぬ中宮様によって
帝は 乱心あそばされたのです。
56
00:06:51,945 --> 00:06:54,981
今こそ 穢れなき姫君を!
57
00:06:54,981 --> 00:06:58,285
義子様も 元子様も おられるではないか。
58
00:06:58,285 --> 00:07:04,291
お二人の女御様と そのお父上には
何のお力もございませぬ。
59
00:07:06,026 --> 00:07:09,896
左大臣様の姫君であらねば。
60
00:07:09,896 --> 00:07:14,567
(雷雨の音)
61
00:07:14,567 --> 00:07:16,903
できぬ。
62
00:07:16,903 --> 00:07:20,240
私には見えます。
63
00:07:20,240 --> 00:07:23,910
彰子様は 朝廷の
この先を背負って立つお方。
64
00:07:23,910 --> 00:07:26,212
そのような娘ではない!
65
00:07:29,249 --> 00:07:33,253
引っ込み思案で 口数も少なく…。
66
00:07:34,921 --> 00:07:36,856
何より まだ子供だ。
67
00:07:36,856 --> 00:07:44,931
恐れながら 入内は
彰子様が背負われた宿命にございます。
68
00:07:44,931 --> 00:07:51,805
(雷雨の音)
69
00:07:51,805 --> 00:07:57,510
(藤原詮子)お前も そろそろ
そのくらいのことをしたら?
70
00:07:57,510 --> 00:08:00,880
女院様まで なんということを!
71
00:08:00,880 --> 00:08:04,184
身を切れということよ。
72
00:08:05,752 --> 00:08:10,890
お前は いつも
きれいなところにいるもの。
73
00:08:10,890 --> 00:08:16,062
今の地位とて あくせくと策を弄して
手に入れたものではない。
74
00:08:16,062 --> 00:08:18,898
運がよかったのでしょ。
75
00:08:18,898 --> 00:08:22,569
何もかも うまくいき過ぎていたのよ。
76
00:08:22,569 --> 00:08:26,906
身を切る覚悟は 常にございます。
77
00:08:26,906 --> 00:08:28,842
されど 彰子は まだ子供。
78
00:08:28,842 --> 00:08:34,581
子供であろうとも
それが使命であれば やり抜くでしょう。
79
00:08:34,581 --> 00:08:37,584
むごいことを仰せられますな。
80
00:08:39,252 --> 00:08:46,760
それそれ。 そういう 娘をかばう
よき父親の顔をして➡
81
00:08:46,760 --> 00:08:51,264
お前は 苦手な宮中の力争いから
逃げている。
82
00:08:53,933 --> 00:09:02,208
私は 父に裏切られ 帝の寵愛を失い
息子を中宮に奪われ➡
83
00:09:02,208 --> 00:09:08,081
兄上に内裏を追われ
失い尽くしながら生きてきた。
84
00:09:08,081 --> 00:09:15,789
それを思えば 道長も ついに
血を流す時が来たということよ。
85
00:09:19,559 --> 00:09:25,865
朝廷の混乱と天変地異がおさまるなら
彰子をお出しなさい。
86
00:09:29,235 --> 00:09:39,245
姉上が そのように私を見ておられたとは
知りませんでした。
87
00:09:42,782 --> 00:09:48,488
大好きな弟ゆえ よく見ておっただけよ。
88
00:09:53,927 --> 00:09:56,830
(田鶴)父上!
89
00:09:56,830 --> 00:10:00,834
(源 倫子)申し訳ございませぬ。
田鶴が聞かなくて。
90
00:10:02,602 --> 00:10:06,406
父上 今日 迦陵頻の舞を習いました。
91
00:10:06,406 --> 00:10:08,475
ほう そうか。
92
00:10:08,475 --> 00:10:10,610
ご覧ください。
93
00:10:10,610 --> 00:10:12,545
いんじゃ…。
94
00:10:12,545 --> 00:10:17,484
〽 ち~ち~ら~ろ~ろ~
95
00:10:17,484 --> 00:10:24,624
ハハ… 今度 ゆっくり見るゆえ。
96
00:10:24,624 --> 00:10:29,929
田鶴。 父上はお疲れです。
またにしなさい。
97
00:10:31,965 --> 00:10:38,671
彰子 そなたは 何をしておったのか?
98
00:10:40,640 --> 00:10:44,511
姉上は 何にもしてません。
これ!
99
00:10:44,511 --> 00:10:46,813
父上のお邪魔をしてはいけませんよ。
100
00:10:46,813 --> 00:10:49,315
あちらに参りましょう。
101
00:10:50,984 --> 00:10:53,319
ご無礼をいたしました。
102
00:10:53,319 --> 00:11:09,802
♬~
103
00:11:09,802 --> 00:11:13,273
お痩せになられましたね。
104
00:11:13,273 --> 00:11:20,146
大水 日食 地震以来 お仕事が
忙しすぎるのでございましょう。
105
00:11:20,146 --> 00:11:22,282
心配でございます。
106
00:11:22,282 --> 00:11:25,952
肩を おもみいたします。
よい。
107
00:11:25,952 --> 00:11:28,288
それより 相談がある。
108
00:11:28,288 --> 00:11:32,959
相談? いつも お胸の内を
お明かしくださらぬ殿が➡
109
00:11:32,959 --> 00:11:36,296
私に相談とは うれしゅうございます。
110
00:11:36,296 --> 00:11:39,599
うれしい話ではない。
え?
111
00:11:46,639 --> 00:11:53,313
彰子を入内させようと思うのだ。
112
00:11:53,313 --> 00:11:58,184
続く天変地異を鎮め
世の安寧を保つためには➡
113
00:11:58,184 --> 00:12:01,588
彰子の入内しかない。
114
00:12:01,588 --> 00:12:04,257
お気は確かでございますか?
115
00:12:04,257 --> 00:12:07,927
入内して幸せな姫なぞおらぬと
いつも仰せでしたのに。
116
00:12:07,927 --> 00:12:09,862
今も そう思っておる。 されど…。
117
00:12:09,862 --> 00:12:15,602
嫌でございます。
あの子には 優しい婿をもらい➡
118
00:12:15,602 --> 00:12:18,638
穏やかに この屋敷で暮らしてもらいたい
と思っております。
119
00:12:18,638 --> 00:12:20,773
俺も同じ思いであった。
120
00:12:20,773 --> 00:12:26,279
されど 今は
入内もやむなしと思っておる。
121
00:12:26,279 --> 00:12:28,948
よくお考えください。
122
00:12:28,948 --> 00:12:31,985
中宮様は 出家してもなお➡
123
00:12:31,985 --> 00:12:36,122
帝を思いのままに操られる
したたかなお方。
124
00:12:36,122 --> 00:12:38,057
そんな負けの見えている勝負などに…。
125
00:12:38,057 --> 00:12:40,260
勝負ではない!
126
00:12:42,895 --> 00:12:45,598
これは いけにえだ。
127
00:12:48,635 --> 00:12:59,946
手塩にかけた尊い娘ならばこそ
値打ちがある。
128
00:13:05,918 --> 00:13:11,090
これ以上
帝のわがままを許すわけにはいかぬ。
129
00:13:11,090 --> 00:13:15,762
何もしなければ 朝廷は力を失っていく。
130
00:13:15,762 --> 00:13:18,598
朝廷がどうなろうと
あの子に関わりはありませぬ。
131
00:13:18,598 --> 00:13:26,306
そうはゆかぬ。
私は左大臣で 彰子は左大臣の娘なのだ。
132
00:13:28,274 --> 00:13:30,209
不承知にございます。
133
00:13:30,209 --> 00:13:36,416
そなたが不承知でも やらねばならぬ。
134
00:13:36,416 --> 00:13:39,619
相談ではございませんでしたの?
135
00:13:46,092 --> 00:13:48,895
許せ。
136
00:13:51,297 --> 00:14:00,106
殿 どうしても彰子を
いけにえになさるのなら➡
137
00:14:00,106 --> 00:14:04,110
私を殺してからにしてくださいませ。
138
00:14:05,812 --> 00:14:12,819
私が生きている限り
彰子を政の道具になどさせませぬ!
139
00:14:21,594 --> 00:14:28,267
(藤原穆子)そういえば あなたも
さきの帝に入内する話があったわね。
140
00:14:28,267 --> 00:14:34,073
入内せず 殿の妻になれて
心からよかったと 私は思っております。
141
00:14:34,073 --> 00:14:37,944
それゆえ彰子にも
そのような幸せを与えてやりたいのです。
142
00:14:37,944 --> 00:14:40,279
(穆子)そうね…。
143
00:14:40,279 --> 00:14:47,954
そうだけど 入内したら 不幸せになると
決まったものでもないわよ。
144
00:14:47,954 --> 00:14:50,857
帝は 政も おろそかになられるほど➡
145
00:14:50,857 --> 00:14:54,827
中宮様の色香に
骨抜きにされてるのでおられますよ。
146
00:14:54,827 --> 00:14:59,132
ひょっこり
中宮様が亡くなったりしたら?
147
00:14:59,132 --> 00:15:01,734
母上!
148
00:15:01,734 --> 00:15:07,240
何がどうなるかは
やってみなければ分からないわよ。
149
00:15:07,240 --> 00:15:14,580
それに 中宮様は
帝より 4つもお年が上でしょ。
150
00:15:14,580 --> 00:15:19,585
今は 首ったけでも
そのうち お飽きになるんじゃない?
151
00:15:22,922 --> 00:15:26,592
年が明けたら 改元いたそうと思うのだが。
152
00:15:26,592 --> 00:15:30,463
(藤原実資)
長保がよろしかろうと存じます。
153
00:15:30,463 --> 00:15:33,933
うむ 長保か…。
154
00:15:33,933 --> 00:15:37,603
(実資)
左大臣様の世は 長く保たれましょう。
155
00:15:37,603 --> 00:15:39,539
帝の御代であろう。
156
00:15:39,539 --> 00:15:45,478
帝は 傾国の中宮に
お心を たぶらかされておられますゆえ➡
157
00:15:45,478 --> 00:15:47,947
このままでは…。
158
00:15:47,947 --> 00:15:49,882
そうなのであるが…。
159
00:15:49,882 --> 00:15:56,122
もし 左大臣様の姫君が入内されれば
後宮の内もまとまり➡
160
00:15:56,122 --> 00:16:02,562
帝のご運も上向いて 御代も
長く保たれるのではございませぬか。
161
00:16:02,562 --> 00:16:08,234
中納言殿は まことに そう思われるのか?
162
00:16:08,234 --> 00:16:11,237
もちろんにございまする!
163
00:16:19,579 --> 00:16:22,915
入内…。
164
00:16:22,915 --> 00:16:25,818
ないな…。
165
00:16:25,818 --> 00:16:27,787
ないない。
166
00:16:27,787 --> 00:16:29,789
(オウム)ナイナイ…。
167
00:16:31,591 --> 00:16:34,093
ないない…。
168
00:16:34,093 --> 00:16:37,597
(田鶴)妍子!
いきますよ…。
169
00:16:37,597 --> 00:16:41,100
それ!
(藤原妍子)いくぞ…。
170
00:16:41,100 --> 00:16:43,302
(田鶴)あっ!
171
00:16:45,605 --> 00:16:47,940
はい。
172
00:16:47,940 --> 00:16:54,113
母上。 姉上は ぼんやり者ゆえ
婿も来ないのですね。
173
00:16:54,113 --> 00:16:57,617
田鶴!
姉上を そのように言うてはなりませぬ。
174
00:16:57,617 --> 00:17:01,220
琴だって 少しも覚えてなくて…。
175
00:17:01,220 --> 00:17:03,155
お師匠さんが怒ってました。
176
00:17:03,155 --> 00:17:07,994
田鶴は この家を継ぎ
父上の跡を継ぐ大切な嫡男。
177
00:17:07,994 --> 00:17:12,565
姉上は 帝のお后となるような
尊い姫なのですよ!
178
00:17:12,565 --> 00:17:15,902
あら…。
あら…。
179
00:17:15,902 --> 00:17:18,905
これ!
これ!
180
00:17:21,240 --> 00:17:27,580
母上は 父上とけんかしているのですか?
していませんよ。
181
00:17:27,580 --> 00:17:32,919
いつもプンプンしてるから。
していません!
182
00:17:32,919 --> 00:17:35,221
(田鶴)していません!
183
00:17:36,789 --> 00:17:44,096
父は
そなたを帝の后にしたいと考えておる。
184
00:17:45,932 --> 00:17:49,802
驚かぬのか?
185
00:17:49,802 --> 00:17:53,806
(藤原彰子)仰せのままに。
186
00:17:53,806 --> 00:18:03,115
母上は かたく不承知なのだが
お前は まことによいのか?
187
00:18:05,217 --> 00:18:08,554
仰せのままに。
188
00:18:08,554 --> 00:18:15,061
内裏に上がれば 母上や田鶴らとも
気軽に会うことはできなくなる。
189
00:18:15,061 --> 00:18:25,571
されど この国の 全ての女子の上に
立つことは 晴れがましきことでもある。
190
00:18:25,571 --> 00:18:29,575
父の言っていることが分かるか?
191
00:18:31,744 --> 00:18:36,248
仰せのままに。
分かるかと聞いておるのだ。
192
00:18:45,257 --> 00:18:51,964
ああ 今日は もうよい。 また話そう。
193
00:18:55,601 --> 00:19:02,875
心の声 あのように何も分からぬ娘を
入内させられるのか…。
194
00:19:02,875 --> 00:19:25,164
♬~
195
00:19:29,568 --> 00:19:32,271
(くしゃみ)
196
00:19:35,908 --> 00:19:40,613
ああ すまぬ。
197
00:19:42,782 --> 00:19:45,918
気持ちよく寝てしまった。
198
00:19:45,918 --> 00:19:49,622
お風邪を召されますよ。
199
00:19:54,593 --> 00:19:56,529
ああ…。
200
00:19:56,529 --> 00:20:00,266
こうしておれば 風邪など ひかぬ。
201
00:20:00,266 --> 00:20:02,268
フフ…。
202
00:20:10,910 --> 00:20:13,913
静か…。
203
00:20:37,636 --> 00:20:44,944
朕が 政をおろそかにしたせいで
多くの民が命を失った。
204
00:20:46,645 --> 00:20:49,949
このままでよいとは思えぬ。
205
00:20:51,984 --> 00:21:00,593
責めを負って譲位し
中宮と静かに暮らしたい。
206
00:21:00,593 --> 00:21:05,464
(行成)
恐れながら たとえ ご譲位なさろうとも➡
207
00:21:05,464 --> 00:21:09,301
今のまま 中宮様をご寵愛あそばせば➡
208
00:21:09,301 --> 00:21:16,142
中宮様のお立場も
脩子内親王様のお立場も危うくなります。
209
00:21:16,142 --> 00:21:18,144
なんと…。
210
00:21:18,144 --> 00:21:25,284
ご譲位ではなく ご在位のまま
政に専念なさるお姿を➡
211
00:21:25,284 --> 00:21:29,155
皆にお見せくださいませ。
212
00:21:29,155 --> 00:21:33,793
更に お上に皇子なくば➡
213
00:21:33,793 --> 00:21:39,298
東宮様の皇子 敦明様が
次の東宮となられましょう。
214
00:21:39,298 --> 00:21:47,640
さすれば お上の御父上であらせられる
円融院の御筋は途絶えます。➡
215
00:21:47,640 --> 00:21:52,344
女院様とて それはお望みになりますまい。
216
00:21:55,514 --> 00:21:58,818
その方の考えは分かった。
217
00:22:03,589 --> 00:22:06,492
譲位はせぬ。
218
00:22:06,492 --> 00:22:16,502
されど… 我が皇子は
中宮が産むことを 朕は望む。
219
00:22:19,138 --> 00:22:21,407
お言いつけどおり➡
220
00:22:21,407 --> 00:22:25,945
円融院の御筋は絶えてはならぬ
ということを お伝えいたしました。
221
00:22:25,945 --> 00:22:31,817
その点は お心に届いたと存じますが
中宮様へのご執着は なかなか…。
222
00:22:31,817 --> 00:22:36,288
いや 一歩 進んだ。
223
00:22:36,288 --> 00:22:39,191
行成のおかげだ。
224
00:22:39,191 --> 00:22:43,162
公卿たちは
左大臣様の姫様が入内と聞けば➡
225
00:22:43,162 --> 00:22:45,631
皆 喜びましょう。
226
00:22:45,631 --> 00:22:49,501
公になされば 内裏の気配も変わります。
227
00:22:49,501 --> 00:22:52,204
まだ公にするには早い。
228
00:22:54,306 --> 00:23:02,915
この件 これからも
行成の力添えが欠かせぬのだ。
229
00:23:02,915 --> 00:23:06,919
頼んだぞ。
はっ。
230
00:23:08,587 --> 00:23:14,293
年が明け 元号は 長保となった。
231
00:23:15,928 --> 00:23:26,238
一条天皇は この正月 事もあろうに
中宮を秘密裏に 内裏に呼び寄せた。
232
00:23:27,940 --> 00:23:31,410
(晴明)中宮様は この正月に➡
233
00:23:31,410 --> 00:23:36,248
ご懐妊あそばされたようにございます。
なんと…。
234
00:23:36,248 --> 00:23:39,118
(晴明)内裏での逢瀬のせいでございます。
235
00:23:39,118 --> 00:23:46,625
今年の11月ごろ 皇子が生まれましょう。
皇子なのか…。
236
00:23:46,625 --> 00:23:50,296
(晴明)呪詛いたしますか?
237
00:23:50,296 --> 00:23:53,299
父上のようなことはしたくない。
238
00:23:54,967 --> 00:24:00,239
よう申されました。
今 私を試したのか。
239
00:24:00,239 --> 00:24:03,943
呪詛せよとお命じあれば いたしました。
240
00:24:07,112 --> 00:24:12,818
彰子は入内して 幸せになれるであろうか。
241
00:24:12,818 --> 00:24:18,257
私の使命は 一国の命運を見定めること。
242
00:24:18,257 --> 00:24:23,562
人一人の幸せなぞは
あずかり知らぬことでございます。
243
00:24:34,606 --> 00:24:42,948
分かった。
中宮様が 子をお産みになる月に➡
244
00:24:42,948 --> 00:24:46,251
彰子の入内をぶつけよう。
245
00:24:49,288 --> 00:24:54,593
よい日取りを出してくれ。
はは。
246
00:24:58,297 --> 00:25:06,905
11月1日を 彰子の入内の日と決めた。
247
00:25:06,905 --> 00:25:11,377
中宮様のお加減がお悪いとの
うわさでございますが➡
248
00:25:11,377 --> 00:25:15,247
まさか ご懐妊ではありません…。
ご懐妊であろうとも➡
249
00:25:15,247 --> 00:25:17,916
入内は決行する。
250
00:25:17,916 --> 00:25:24,256
ご懐妊ならば
そのお子を呪詛し奉ってくださいませ。
251
00:25:24,256 --> 00:25:29,128
呪詛は 殿のご一家の
得手でございましょう?
252
00:25:29,128 --> 00:25:38,604
そのようなことはせずとも
彰子が 内裏も 帝も お清めいたす。
253
00:25:38,604 --> 00:25:42,274
いけにえとして。
そうだ。
254
00:25:42,274 --> 00:25:45,177
殿の栄華のためではなく➡
255
00:25:45,177 --> 00:25:48,947
帝と内裏を
清めるためなのでございますね。
256
00:25:48,947 --> 00:25:51,250
そうだ。
257
00:25:54,620 --> 00:25:57,322
分かりました。
258
00:26:04,897 --> 00:26:08,233
私も 肝を据えます。
259
00:26:08,233 --> 00:26:11,236
中宮様の邪気を払いのけ➡
260
00:26:11,236 --> 00:26:15,107
内裏に 彰子のあでやかな後宮を
作りましょう。
261
00:26:15,107 --> 00:26:21,814
気弱なあの子が 力強き后となれるよう
私も命を懸けまする。
262
00:26:23,782 --> 00:26:32,458
道長は ついに 彰子の入内を
正式に 一条天皇に申し入れた。
263
00:26:32,458 --> 00:26:51,810
♬~
264
00:26:51,810 --> 00:27:01,453
鴨川の堤の決壊に始まる天災の数々は
我が政の未熟さゆえであった。
265
00:27:01,453 --> 00:27:06,225
左大臣には 大層 苦労をかけた。
とんでもないことにございます。
266
00:27:06,225 --> 00:27:10,896
左大臣の務めを
果たしただけにございます。
267
00:27:10,896 --> 00:27:15,567
そなたの働きに報いて➡
268
00:27:15,567 --> 00:27:18,871
娘の入内を許す。
269
00:27:20,906 --> 00:27:23,208
ははっ。
270
00:27:24,776 --> 00:27:28,247
我が舅として 末永くよろしく頼む。
271
00:27:28,247 --> 00:27:32,918
もったいなきお言葉 痛み入りまする。
272
00:27:32,918 --> 00:27:46,465
♬~
273
00:27:46,465 --> 00:27:56,141
道長は 裳着の儀を盛大に執り行うことで
彰子の入内を公のものとした。
274
00:27:56,141 --> 00:28:43,922
♬~
275
00:28:43,922 --> 00:28:48,226
(一同)おめでとうございます。
276
00:28:53,265 --> 00:28:57,135
裳着の儀も滞りなく済んだ。
277
00:28:57,135 --> 00:29:04,209
これも神仏の守護 そして 皆のおかげだ。
278
00:29:04,209 --> 00:29:08,213
厚く礼を申す。
279
00:29:14,553 --> 00:29:19,891
(源 俊賢)
いや~ 見事な裳着の儀でありました。
280
00:29:19,891 --> 00:29:23,762
(藤原斉信)しかし
一番 ボ~ッとしていた道長が左大臣で➡
281
00:29:23,762 --> 00:29:27,232
俺たちは いまだ参議。
分からぬものだな。
282
00:29:27,232 --> 00:29:29,568
(藤原公任)人の世とは そういうものだ。
283
00:29:29,568 --> 00:29:32,904
そのうちに
帝の父になられるやもしれませぬし。
284
00:29:32,904 --> 00:29:34,840
うん それを口にするな。
285
00:29:34,840 --> 00:29:37,376
中宮側に 邪魔立てされるやもしれぬ。
286
00:29:37,376 --> 00:29:40,245
んん…。
(笑い声)
287
00:29:40,245 --> 00:29:43,915
左大臣は 己のために生きておらぬ。
288
00:29:43,915 --> 00:29:48,587
そこが 俺たちとは違うところだ。 ハハ…。
289
00:29:48,587 --> 00:29:51,256
道長には かなわぬ。
290
00:29:51,256 --> 00:29:56,595
まことに そう思います。
そう思います。
291
00:29:56,595 --> 00:29:58,797
(あくび)
292
00:30:01,266 --> 00:30:05,137
(藤原伊周)
左大臣の娘が 裳着を行ったようだ。
293
00:30:05,137 --> 00:30:09,608
まだ子供ゆえ 入内してきても
恐れることはないと思うが。
294
00:30:09,608 --> 00:30:12,277
(藤原定子)恐れてなどおりませぬ。
295
00:30:12,277 --> 00:30:16,948
帝の御心は 揺るがぬと
信じておりますゆえ。
296
00:30:16,948 --> 00:30:19,851
裳着に参列した者の話では➡
297
00:30:19,851 --> 00:30:23,722
左大臣の娘は
ろくに 挨拶もできぬ うつけだそうだ。
298
00:30:23,722 --> 00:30:27,959
兄上 そのようなことを
仰せになってはなりませぬ。
299
00:30:27,959 --> 00:30:30,862
入内を受け入れられるのは➡
300
00:30:30,862 --> 00:30:37,636
内裏の安寧をはかろうとなさる
帝のご覚悟の表れなのだと思います。
301
00:30:37,636 --> 00:30:43,308
ほう~…。
随分と中宮様らしくなられましたな。
302
00:30:43,308 --> 00:30:45,644
なあ 少納言。
303
00:30:45,644 --> 00:30:52,317
(ききょう)唐の国では 皇帝は太陽
皇后は月といわれておりますが➡
304
00:30:52,317 --> 00:30:58,457
私にとって 中宮様は 太陽でございます。
305
00:30:58,457 --> 00:31:03,962
軽々しくお近づきになりますと
やけどされますわよ。
306
00:31:06,932 --> 00:31:14,673
(笑い声)
307
00:31:14,673 --> 00:31:18,543
(いと)どうぞ。
はい どうぞ。
308
00:31:18,543 --> 00:31:23,482
腹減った~。
腹減ったよな。
309
00:31:23,482 --> 00:31:27,619
ありがとうございます!
ありがとう!
310
00:31:27,619 --> 00:31:29,554
血が出ているではないの。
311
00:31:29,554 --> 00:31:31,790
洗ってあげる。 おいで。
いい!
312
00:31:31,790 --> 00:31:33,825
駄目。
313
00:31:33,825 --> 00:31:38,296
傷に泥が入ったら 大変なのだから。
314
00:31:38,296 --> 00:31:40,999
何事だ?
315
00:31:43,969 --> 00:31:47,639
こら! お礼くらい言わぬか!
316
00:31:47,639 --> 00:31:52,444
大水と地震から生き残った子供たちに
食べ物を与えておりました。
317
00:31:52,444 --> 00:31:54,379
汚らわしい。
318
00:31:54,379 --> 00:31:57,816
ああ… あの子らには 親がおりませぬ。
319
00:31:57,816 --> 00:32:01,586
誰かが食べさせてやらねば
間違いなく飢えて死にます。
320
00:32:01,586 --> 00:32:04,389
それも致し方ない。
子供の命とは そういうものだ。
321
00:32:04,389 --> 00:32:08,927
ああ 今日の土産は 丹波のくりだ。
うまいぞ!
322
00:32:08,927 --> 00:32:11,763
ありがとうございます。 皆 喜びます。
323
00:32:11,763 --> 00:32:13,965
皆は よい。 お前に持ってきたのだ。
324
00:32:17,269 --> 00:32:19,938
おお そうであった。
325
00:32:19,938 --> 00:32:22,407
この前 そなたの文を ある所で見せたら➡
326
00:32:22,407 --> 00:32:27,112
その女が見事な歌だと
ひどく感じ入っておった。
327
00:32:27,112 --> 00:32:30,982
ある所で 誰にお見せになったのですか?
328
00:32:30,982 --> 00:32:32,984
ある女だ。
ある女…。
329
00:32:32,984 --> 00:32:36,822
よいではないか。 男か女かと聞かれれば➡
330
00:32:36,822 --> 00:32:39,624
女だというだけの女だ。
さあ 食え。 うまいぞ!
331
00:32:39,624 --> 00:32:44,429
2人だけの秘密を
見知らぬお方に見られてしまったのは➡
332
00:32:44,429 --> 00:32:47,132
とんでもない恥辱でございます。
333
00:32:47,132 --> 00:32:51,636
見せられたお方とて いい気分は
しなかったに 違いございません。
334
00:32:51,636 --> 00:32:55,140
そういうことを
殿は お考えにならないのでしょうか?
335
00:32:55,140 --> 00:32:59,311
お考えにはならないよ。
よいではないか。 褒めておったのだから。
336
00:32:59,311 --> 00:33:04,916
よくはございませぬ。
お考えが 浅すぎます。
337
00:33:04,916 --> 00:33:11,790
わしは お前のような 学に優れた女を
妻にしたことを 皆に自慢したいのだ。
338
00:33:11,790 --> 00:33:15,260
ゆえに お前の文を持ち歩いて
あちこちで見せておる。
339
00:33:15,260 --> 00:33:18,263
それほど自慢されて 本望であろう!
340
00:33:22,133 --> 00:33:29,608
殿に送った文 全てお返しくださいませ。
え?
341
00:33:29,608 --> 00:33:34,479
そうでなければ お別れいたします。
342
00:33:34,479 --> 00:33:39,284
何を言っておるのか分からぬ。
今日は もうお帰りくださいませ。
343
00:33:39,284 --> 00:33:42,120
まあまあ まあまあ…
怒った顔もかわいいぞ。
344
00:33:42,120 --> 00:33:44,956
おやめください!
345
00:33:44,956 --> 00:33:51,630
難しい女だ。
せっかく褒めておるのに。
346
00:33:51,630 --> 00:33:53,965
またな。
347
00:33:53,965 --> 00:33:57,302
「また」と言う時は➡
348
00:33:57,302 --> 00:34:01,907
これまでに送った文を
全てお持ちくださいませ。
349
00:34:01,907 --> 00:34:07,212
そうでなければ お目にはかかりませぬ。
350
00:34:32,270 --> 00:34:34,940
お方様 私がいたします。
351
00:34:34,940 --> 00:34:40,946
いいのよ。 きぬは 厨の方を頼むわ。
はい。
352
00:34:51,389 --> 00:34:54,960
(藤原惟規)どう?
353
00:34:54,960 --> 00:34:59,631
「どう?」って 惟規の方こそ どうなの?
354
00:34:59,631 --> 00:35:05,437
まだまだ官職は得られそうもないよ。
思っていたとおり。
355
00:35:05,437 --> 00:35:12,210
父上が 戻られる前には 頼むわよ。
うん。
356
00:35:12,210 --> 00:35:17,115
そういうとこ素直なのに
やることをやらないのだから 惟規は。
357
00:35:17,115 --> 00:35:22,253
あのさ 男のそういう痛いとこ
つかない方がいいよ。
358
00:35:22,253 --> 00:35:27,926
宣孝様は いつもプンッとしてる私がよい
と仰せだけれど。
359
00:35:27,926 --> 00:35:31,262
自信満々だな。
360
00:35:31,262 --> 00:35:36,568
そうでもないわ。
このところ 放っておかれているの。
361
00:35:38,603 --> 00:35:45,276
それ 新しい女が出来たからだよ。
え?
362
00:35:45,276 --> 00:35:47,946
清水の市で見たんだ。
363
00:35:47,946 --> 00:35:52,283
姉上より ずっとず~っと若い女に
絹の反物 買ってやってた。
364
00:35:52,283 --> 00:35:54,219
にやけた顔して。
365
00:35:54,219 --> 00:35:59,424
あ… 私だって
宣孝様より ずっとず~っと若いのに➡
366
00:35:59,424 --> 00:36:05,563
私よりも ずっとず~っと若い女なの?
うん。
367
00:36:05,563 --> 00:36:09,067
お盛んねえ~…。
怒らないんだ。
368
00:36:09,067 --> 00:36:11,002
怒っているわよ。
369
00:36:11,002 --> 00:36:18,510
でも 惟規に聞いたとは言えないから
今回は 黙っておくわ。
370
00:36:21,246 --> 00:36:25,116
あ~ 家はいいなあ…。
371
00:36:25,116 --> 00:36:28,920
帰るよ。
今来たばかりじゃないの。
372
00:36:28,920 --> 00:36:31,823
姉上がつつがないなら いいんだよ。
373
00:36:31,823 --> 00:36:35,093
宣孝様のこと
一度 ひっぱたいてやりなよ。
374
00:36:35,093 --> 00:36:39,898
それでも あのお方は
姉上のこと手放さないから。
375
00:37:02,187 --> 00:37:08,727
それから 許す 許さない
別れる 別れないと➡
376
00:37:08,727 --> 00:37:12,597
文のやり取りが繰り返され…。
377
00:37:12,597 --> 00:37:19,104
(宣孝)これを見た途端
まひろに似合うと思うてな。
378
00:37:22,574 --> 00:37:27,245
清水の市で見つけたのだ。
清水の市…。
379
00:37:27,245 --> 00:37:30,248
あの市には よい反物が出るのだ。
380
00:37:32,117 --> 00:37:38,590
若い女子に反物を買われたついでに
私にも。
381
00:37:38,590 --> 00:37:41,493
ありがとうございます。
382
00:37:41,493 --> 00:37:44,262
多淫は 体によろしくないそうですよ。
383
00:37:44,262 --> 00:37:47,765
かわいくないのう… 誰に聞いたのだ。
384
00:37:47,765 --> 00:37:51,269
誰でも よろしいでしょう。
385
00:37:51,269 --> 00:37:56,407
あの宋の薬師に聞いたのか。
ええ。
386
00:37:56,407 --> 00:37:58,343
あの男とも 怪しげであったのう。
387
00:37:58,343 --> 00:38:00,278
嫌らしい勘ぐりを
なさらないでください。
388
00:38:00,278 --> 00:38:04,883
まあまあ… そう絡むな。
389
00:38:04,883 --> 00:38:07,886
わしが悪かった。
390
00:38:10,555 --> 00:38:14,058
うん せっかく久しぶりに来たのだ。
391
00:38:14,058 --> 00:38:16,961
ああ… もっと甘えてこぬか。
392
00:38:16,961 --> 00:38:21,766
私は 殿に甘えたことはございません。
393
00:38:25,236 --> 00:38:29,240
お前の
そういう かわいげのないところに➡
394
00:38:29,240 --> 00:38:32,744
左大臣様も 嫌気がさしたのではないか?
395
00:38:34,579 --> 00:38:37,582
分かるな~。
396
00:38:48,927 --> 00:38:54,933
これ以後 宣孝の足は遠のいた。
397
00:39:00,538 --> 00:39:05,877
(いと)お方様
ちょっと よろしゅうございますか?
398
00:39:05,877 --> 00:39:08,179
ん?
399
00:39:12,750 --> 00:39:20,892
殿様に おわびの文をお出しになったら
いかがでございましょう。
400
00:39:20,892 --> 00:39:24,229
悪いのは あちらだけど。
401
00:39:24,229 --> 00:39:28,566
ご自分をお通しになるのも
ご立派ですけれど➡
402
00:39:28,566 --> 00:39:34,239
殿様のお気持ちも
少しは思いやってさしあげないと。
403
00:39:34,239 --> 00:39:37,242
どう思いやれっていうの?
404
00:39:39,110 --> 00:39:46,251
お方様は 賢くていらっしゃいますので
おっしゃることは正しいのですけれど➡
405
00:39:46,251 --> 00:39:50,255
殿様にも
逃げ場をつくってさしあげないと。
406
00:39:51,923 --> 00:39:54,826
なぜ?
407
00:39:54,826 --> 00:40:01,599
夫婦とは
そういうものだからでございますよ。
408
00:40:01,599 --> 00:40:10,308
思いを頂くばかり 己を貫くばかりでは
誰とも寄り添えませぬ。
409
00:40:14,178 --> 00:40:20,285
己を曲げて 誰かと寄り添う…。
410
00:40:20,285 --> 00:40:24,622
それが
いとおしいということでございましょう。
411
00:40:24,622 --> 00:40:38,169
♬~
412
00:40:38,169 --> 00:40:43,308
(宣孝)「大したこともできない
人数にも入らない私が➡
413
00:40:43,308 --> 00:40:48,313
あなたに腹を立てたところで
かいがありませんね」。
414
00:40:56,321 --> 00:40:58,990
(いと 乙丸 きぬ 福丸)石山寺!?
415
00:40:58,990 --> 00:41:00,959
みんなで行きましょう。
416
00:41:00,959 --> 00:41:03,828
殿様がお見えになったら
どういたしますの?
417
00:41:03,828 --> 00:41:06,798
お見えになったら
その時は その時のことです。
418
00:41:06,798 --> 00:41:08,800
あらま…。
419
00:41:08,800 --> 00:41:12,637
石山寺 行ってみとうございます。
(乙丸)おお…。
420
00:41:12,637 --> 00:41:14,839
行こうよ いと。
421
00:41:16,474 --> 00:41:21,679
行って 殿が また来てくださるよう
お願いするから。
422
00:41:25,783 --> 00:41:39,097
(誦経)
423
00:41:52,877 --> 00:41:54,879
(物音)
424
00:42:12,930 --> 00:42:30,281
♬~
425
00:42:30,281 --> 00:42:32,283
よい子を産めよ。
痛っ。
426
00:42:32,283 --> 00:42:35,620
この子は 私 一人で育てます。
今度こそ 皇子が生まれる。
427
00:42:35,620 --> 00:42:39,123
子を産むことなぞ許されぬ身…。
皇子か…。
428
00:42:39,123 --> 00:42:41,959
これで 左大臣も
俺たちを むげにはできまい。
429
00:42:41,959 --> 00:42:43,895
いやいや…。
海を見たか?
430
00:42:43,895 --> 00:42:45,830
宋の言葉を習いました。
431
00:42:45,830 --> 00:42:47,832
もう!
(鳴き声)
432
00:42:47,832 --> 00:42:50,134
下から上へ。
433
00:42:51,969 --> 00:42:55,273
俺のそばで生きることを考えぬか?
40083