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Original subtitles

・~

(ナレーター)

ぶんみょう

いまだ分明ならざるころ・

とうしょうしんしゅう

かかざん

東勝神洲は花果山の山頂

奇怪な石猿が誕生いたしました>

・『モンキー・マジック』

・~

・~

・~

・~

うんぽうざん

はくうんどう

2匹の兄弟妖怪が住んでおります>

妖怪と申しましても この2人・

兄弟仲良く 暮らしは真面目

悪いことなど 一切せずに・

平々凡々

おとなしく暮らしておりました>

こちゅうじ

さちゅうじ

(胡黜児)あっ こりゃ いかん

(胡黜児)このままだと 体に

火がついて燃え尽きてしまうぞ

かわいい弟よ

一体全体 どういうわけなんだ?

幼いころから

病ひとつ しなかったお前が・

580歳の この年になって

原因不明の高熱

お前 また

妙な物を拾って食べたんだろう?

(左黜児)

あん

違うんだ… 違うの 兄ちゃん

俺は 自分の病は

ちゃんと分かってるんだ

こいつはね…

くさつ

お医者さまでも草津の湯でも

絶対に治らねえってやつなんだよ

「お医者さまでも草津の湯でも」?

そ… それじゃ お前…

当たり… 俺 恋をしちまったんだ

生まれて初めて

しゃくねつ

燃えるような灼熱の恋をよ

(泣き声)

左黜児 しっかりしろ うん?

兄ちゃんに何でも話しすんだ

兄ちゃんが

きっと なんとかしてやるから

…で 相手は 誰なんだ?

(左黜児)人間

に… 人間・

(左黜児)そうだ 人間の女だ

左黜児 それは いかん

それだけは駄目だ なっ?

ほ

妖怪が人間の女に惚れて

ろくなことはない

第一な そんなことをしたら

せっかく・

真面目に暮らしてたことが

ふいになってしまうじゃないか

だって

好きになっちゃったんだから

しょうがねえじゃねえかよ!

(泣き声)

ねえ 兄ちゃん

俺ね その女を 取って食おうって

いうんじゃないんだよ

嫁さんにしようっつうんだよ

その女 必ず幸せにするから

必ず ねっ? ねっ?

(胡黜児)左黜児… かわいい弟よ

お前は それほどまでにか…

(左黜児)そうなんだよ

だから 兄ちゃん

なんとかしてよ なんとか

わ… 分かった分かった

落ち着け 左黜児

いいか 左黜児

人間の女っていうのはな

金があって

二枚目の男でさえあれば・

どんな女だって

簡単に惚れると聞いとるぞ

そりゃ 俺たち兄弟は・

大した妖怪じゃ

ないかも分からないが

人間に化ける術ぐらいは心得てる

金持ちの二枚目になって

近づけば…

そうは いかないんだよね

(胡黜児)どうして?

変な男が くっついてんの

(胡黜児)変な男?

もう 変な男なの!

誰だ?

(左黜児)亭主!

ハァ… そりゃ当たり前じゃないか

大抵 人間の女ってのは

亭主が くっついてるもんだよ

だま

そんなの うまく騙して

追い出しちゃえばいいじゃないか

それが できないから

こうやって悩んでんじゃない…

(泣き声)

左黜児 なっ?

詳しく 兄ちゃんに話してみろ

その亭主というのは

どんな男なんだ?

妖怪より

うわていく人間の男なんて・

いるはずないじゃないか

(左黜児)それが いるんだもん!

兄ちゃん 何も知らないから

そんなこと言えるんだよ

兄ちゃんなんかに

俺の気持ちなんか・

ばかやろう

分かってたまるか 馬鹿野郎!

(泣き声)

ハァ…

やつ

その亭主って どんな奴だい?

(読経)

こくほう

(国方)ハッ・

あっ! 来た!

(中国語)

来たー!

あいれん

愛蓮! 愛蓮ちゃん!

愛蓮ちゃん!

愛蓮ちゃん! 愛蓮ちゃん!

(愛蓮)

あなた どうなさったんです?

占いに また何か よい兆しでも?

そうなんじゃよ

とうとうお見えになるんじゃよ!

どなたが お見えになるんです?

さんぞうほうし

(国方)三蔵法師さまじゃ

かの有名な三蔵法師さまの

ご一行がお見えになるんじゃよ!

まあ どうしましょう?

…で いつ こちらへ?

(国方)わしの占いによるとな

あと3日… 3日ののちに

お見えになるというふうに・

け

卦に出とるんじゃよ

(愛蓮)あと3日・

そうなんじゃ! 愛蓮

早速 歓迎の準備をするんだぞ

それからな

村中にお触れを出すんだ

粗相があってはならんぞ

(愛蓮)はい

さかな

それからな 酒 肴を用意してな

器も特上の物を使うんじゃぞ

ハァ… 念願かなって

三蔵法師さまの尊いお説教を

聞くことができるんじゃ

ンン~ッ!

うんと めかしてな

身ぎれいにするんじゃぞ

はい あなた

(国方)お前は かわいいのぅ

ンン~ッ…

ああ こうしちゃおられん

ああ 忙しい忙しい

恋煩いの もとは この女>

人も羨む仲のよさでありました>

(中国語)

遅いな どこ行ってるか…

・~

あっ 来た!

うわぁ 来た! 来た来た 来た来た

(笑い声)

お待ちしてました

ごくう

(悟空)な… 何だ・ てめえは

り

(国方)私は 李国方と申しまして

この先の村に住む・

金持ちの庄屋でございます

李国方?

はっかい

(八戒)

へえ この顔で金持ちだってよ

ごじょう

(悟浄)その金持ちが

一体 わしらに何の用ですか?

あの… あなた方は・

かの有名な三蔵法師さまの

ご一行でございますな?

「かの有名」?

(国方)はい

犬 猿 きじのお供を連れて

はるばる どんぶらこ…

おい じゃ あの馬に乗ってんのは

ももたろう

桃太郎か? おい

これが犬に見えるか?

よく見てみろ 馬鹿野郎!

言ってくれ 兄貴!

こりゃ醜い豚じゃねえか 馬鹿!

何言ってんだよ? お前

ええかげんなこと言いやがって

お前 何も知らんねやろう・

(国方)いえいえいえ

(国方)あなたさまこそ

りゅうさが

けんれんたいしょう

さ

流沙河の主 捲簾大将 沙悟浄さま

そして

すいれんどう

あなたは花果山 水簾洞の王

せいてんたいせい

そん

斉天大聖 孫悟空さま

それに最後に控えしは 八戒さん

おい 俺は どうなんだよ?

(国方)はぁ?

あのね

名前の上に 何にも つかないの?

「いつも元気な」八戒さん!

(八戒)あら?

この野郎 殺してやる…

いいから いいから 八戒 やめろ

そういうことに頼るな お前も

…で 用は何なんだよ?

はい

皆さま方が いつお通りになるかと

今か今かと

待ち続けておったのでございます

「待ってた」?

はい

なんでだい?

ええ あの…

この野郎 てめえ

もしかしたら妖怪じゃねえのか?

あっ!

(国方)妖怪?

ほう… そういえば

どうも 人間離れしとるな

失礼な!

私は 三蔵さまのご高名を聞き及び

てんじく

天竺への旅のお疲れを・

せめて 2~3日たりとも

癒やしてさし上げようと

こうして

出向いてまいったのでございます

ンンッ…

そりゃまあ 私自身 非常に・

たち

有名人に弱いという性質では

ございますけれども

そいじゃ 俺たちのこと 何か

もてなしてくれるっていうの?

さようでございます

(八戒)おうおう… どんなふうに?

はい まず 酒!

(八戒)うん

肴! お風呂!

(八戒)うん うん

便所

(八戒)便所 どういう関係があんだ

ニラレバ炒め!

最後に… 女

(八戒)女?

お師匠さま

行きましょう 行きましょう

僕 この人 大好きになっちゃった

(三蔵法師)いけません!

私たちは仏門に帰依する身です

もてなしに

女性を使うなどとは何事です?

ご安心くださいませ 三蔵さま

女と申しても

私めの最愛の妻でございます

本日のために

習い覚えました舞の数々を・

是非とも

三蔵さまにお目にかけたいと

こう申しておるのでございます

奥さまが踊りを?

さようでございます 三蔵さま

私ども 夫婦ともども

尊き仏教の教えを学ばんものと・

長い間 精進を続けてまいりました

…が しかし

師と仰ぐ者のいない悲しさ

その真の心が分かりません

三蔵さま お願いでございます

哀れとおぼし召して

どうぞ お教えくだされませ

お願いでございます

分かりました

3日とは いかなくても・

1日2日 お宅へ

お邪魔させていただきましょう

(八戒)兄貴 やった~!

(国方)ありがとうございます!

さあさあ

どうぞ お降りくださりまして

ご案内申し上げます

ありがとうございます

さあ こちらでございます

酒 肴 お風呂 便所!

さあ こちらでございます

お気をつけて… はい どうぞ

おい

あれ ほんまに妖怪とちゃうのか?

いや においはねえし 妖気もねえ

一応 人間だ

まあ いいじゃないの

せっかく ごちそう

してくれるってんだからさ ヘヘ…

(悟空・八戒)

酒 肴 風呂! 便所か…

はぁ… あれが女の亭主か

よし 弟よ

今しばらくの辛抱だ 待っとれよ

ンンッ!

妖怪・胡黜児の言葉>

第2幕へと移ります>

♪(フラメンコ)

♪~

♪~

(拍手)

レディース・アンド

ジェントルメン!

さて

これよりご披露申し上げますのは

私 独学にて学び取りました

尊き仏教の教えの数々

ご高覧くださいまして ご意見

ちょうだいつかまつりますれば

ありがたき

おんれい

御礼申し上げる次第でございます

まずは

けごん

仏陀の生涯の説法より 『華厳』

(中国語)

(鳴り物の音)

♪(読経)

♪~

♪ はんにゃ はらみた

♪~

(国方・愛蓮)ハアッ! ハアッ!

♪~

おやめなさい!

はぁ?

こんなものが仏教の教えなどと

とんでもない間違いです

でも 三蔵さま…

お黙りなさい!

あなたたちの やっていることは・

仏教などとは

縁もゆかりもないことです

しゃか

かえって お釈迦さまの教えに…

悟空!

はい…

お釈迦さまの教えに 泥を

塗っていることと同じことです!

ハァ… 破廉恥な

悟空 悟浄 八戒 すぐに出発します

荷物をまとめなさい

(国方)いや あの あの… 三蔵さま

どうぞ お許しを お許しを!

いや 出発ったって お師匠さん

これから 夜になっちまうよ

(悟浄)せっかく

こう言うてくれてはるんですから

ひと晩ぐらい いいじゃないですか

(八戒)だって 料理だって・

こんなに残っちゃってんだから…

やめなさい 汚らわしい!

たとえ ひと晩たりとも

世話になるわけにはまいりません

(悟浄)ハァ…

あの… 踊りは良かったんですよ

うん 面白かったですよ

(八戒)どうも ごちそうさまでした

あんた 病院行ったほうがいいね

(泣き声)

ハァ… とうとう行ってしまわれた

一生懸命やったのに

なんて不幸なんでしょうね 私たち

しかし あれほどのお怒りじゃ

本当 よっぽど

どっか間違ってたんじゃろう

(愛蓮)それでも あなた

それなら どこが どう違うと・

ちゃ~んと

お教えくだされば よいものを

お恨みしますわ 三蔵法師さまを

(国方)愛蓮 それは いかんよ

全ては 私の不徳のいたすところ

じっと耐えて

生きていこうではないか

人生の並木道

あなた!

(国方)愛蓮!

好き!

(愛蓮)おお

・(せきばらい)

(胡黜児)そのまま そのまま

故あって 名は明かせぬが

怪しい者ではない

三蔵法師とは長年の友達じゃ

(愛蓮)…と申されますと?

実は わしはな

しゃくぶく

仏教の折伏のために生涯をささげ

こうして諸国を行脚してる者じゃ

(国方)折伏?

(胡黜児)さよう

めいしゅう

はじゃく

邪悪 煩悩 迷執を破折し

仏法をそしる者をくじく!

これが折伏じゃ

そのような偉い方が

なぜ こんな所に?

あんたが 奥さんか?

ええ…

ハァ… なるほど 美しい

妖怪好きのする顔じゃ

ようか… はぁ?

(胡黜児)えっ? アハハハッ…

まあ 悪いとは思ったんじゃが

先ほどからの

三蔵法師との やり取り

すっかり見せてもらったのじゃ

(国方)それでは 老師さまには・

三蔵法師さまと私の間を

とりなす すべを何か?

なんじ

うん… 李国方 汝は

これより三蔵法師のあとを追い

その… 弟子となれ

弟子・ そ… それじゃ

天竺に行けと申されますのか?

さよう… たとえ

独学で努力されたといっても

そなたの行った仏教のさまは

ありゃ何じゃ?

三蔵法師は・

尊き仏教の教えを馬鹿にされたと

思ったに相違ないぞ

三蔵の怒りを解くには 礼を尽くし

悪意のなかったことを伝え

弟子のひとりに加えてもらって・

真の仏教の悟りを開くために

修行を積むよりほかにあるまい

う~ん…

どうじゃ? 国方

やはり そなたには できぬ相談か

う~ん… 無理もないのぅ

天竺へ行くとなれば・

この美しい女房どのとも

当分 お別れじゃ

あなた…

まあ やめといたほうがいいのぅ

金もある 美しい妻もある

何不自由ない暮らしを捨ててまで

老師さま! 私 まいります

三蔵さまの弟子となって

真の仏教の教えを授かります!

あなた おやめくださいませ

私1人で寂しゅうございます

愛蓮 辛抱しておくれ

愛する夫が 尊い目的のために

旅立っていくのじゃ

笑って見送りなさい

(愛蓮)でも あなた

私 これから どうしたら…

うち

(国方)そなたには 家も財産もある

私が戻ってくるまで

しっかりと守っていておくれ

「花も嵐も踏み越えて・

行くが男の生きる道」と

いうではないか

(愛蓮)あなた!

(国方)愛蓮!

わな

妖怪の罠にかかった李国方は・

騙されたとも知らず・

勇んで 三蔵一行のあとを

追いかけてまいります>

ちょっと待ってくれ 待ってくれ!

弟子入り・ また そりゃ

どういう風の吹き回しなんだい?

(悟浄)昨日 あれだけ

お師匠さんのこと怒らせといて

そんな簡単に

許しが出ると思うてんのか?

(国方)いえ 分かっております

分かっております

ですから 私が

お弟子入りが かないました節には

粉骨砕身 努力をいたしまして…

駄目 駄目 駄目

お師匠さんの顔見てみろよ

あれが弟子入りを許す顔か?

(八戒)

そうだよ それに冗談じゃねえぞ

これ以上 弟子が増えてみろ

食い物が

なくなっちゃうじゃねえか

もん

(国方)食い物? ハハハハッ…

その点なら ご安心くださいまして

はい はい はい はい

はい このとおり

ハハハッ… はい このとおり!

(八戒)

ワオ! うまそうだな こりゃ おい

この野郎! 意地汚ねえな お前は

なんだよ

ウシッ ウシッ!

お師匠さん でも この人

これだけ熱心に

言ってるんだからさ

天竺 連れてってやっても

いいんじゃねえかな 一緒に

あほ!

お前ら 情けない

なんや 食べ物に・

目ぇくらみやがって

2人とも

お師匠さん しかしね

この人は なかなか・

ええ人のような

気がするんですよ

どういう意味だい?

それは

悟空 悟浄 八戒

お前たちだって

分かっているはずです

仏の教えは遊びではありません

甘い考えで弟子になっても

長続きするはずがないのです

とんでもございません

甘い考えなどと…

私は家を捨て 財宝を捨て

その上 最愛の妻とも別れて

こうして やってまいりました

三蔵さま

私の この目をご覧くださりませ

目が どうかしたのかい?

この目こそ 私の真の心を

映し出してる物でございます

三蔵さま

確かに 私の仏教の行いは

間違っていたかもしれません

ですからこそ 全てを捨てて・

私は こうして 弟子入りを

志願してるんでございます

真の仏の教えを

知りたいのでございます!

三蔵さま 何とぞ…

何とぞ お願い申し上げます

ねえ

どうでしょうかね? お師匠さん

ここまで言ってるんだからさ

まんざら

うそ

嘘じゃねえと思うんだけどね

(悟浄)

いやな わしらね この人の・

顔を見てるさかいに

いかんのやと思うねん

この人の顔を見てたらね

なんや 言うてることが・

全部 嘘に聞こえるわけや

あっ 本当だ

そいじゃさ いきなり弟子となると

抵抗があるんでしたら

しばらく 見習いということに

したら どうでしょうかね?

もし何かあったら

この悟空が責任持ちますから

なんで 馬鹿野郎 俺が

そんなことするんだよ 馬鹿野郎

(八戒)「馬鹿野郎 馬鹿野郎」…

いちばんの兄貴弟子に

そういうこと言っていいのかね?

嫌だよ 俺は そんなこと やんのよ

馬鹿野郎 こんな変な奴…

分かりました あなたが

それほどまでに言うのなら・

しばらく 私のもとで

修行を積むのもいいでしょう

ついておいでなさい

ハハッ… ありがとうございます

(八戒)良かった良かった

良かった!

(八戒)食べていいんだな?

良かったねえ!

ハハハハッ…

(左黜児)やったか? 兄ちゃん

お前の言ったとおりな

いくら でたらめでも・

ああ法術を振り回されたんじゃ

確かに 煩わしく近寄りがたい

ぎゃくて

だけどな 逆手に取って

罠をかけたら簡単だったよ

兄ちゃん ありがとう 恩に着るよ

(胡黜児)いいんだ いいんだよ

こうなったら 早速 出かけてって

あの美女を…

あの美女を この腕ん中に…

アッ…

ちょっと めまいがしてきた…

左黜児! 弟よ 大丈夫か?

お前 ここ数日

何にも食べてないんだろう?

いやいやいや

こうと決まったらね 兄ちゃん

俺は もう 勇気100倍なんだ!

そいじゃな 兄ちゃん ひげそりと

ローション ちょっと取ってくれる?

馬鹿! お前は その姿で

その女んとこ行こうとするのか?

いけないか?

(胡黜児)当たり前じゃないか

だから お前は

どっか抜けてるっていうんだよ

どうして?

(胡黜児)いいか? 左黜児

あの女は今 去ってった男への

思いで 心がいっぱいなんだ

そんなところへ

別の男が行ったからって

心が動くわけねえじゃねえか

アア~ッ! じゃ 兄ちゃんは

俺に一体 何しろっていうのよ・

ヘヘヘッ… 知れたことよ

あの亭主に化けるんだよ

(左黜児)亭主?

そうだよ そして

あの女と一夜の契りを結ぶんだ

そうすれば

あの女は もう 妖怪一族となり

我々の手から二度と逃げられん

なるほど! さすがは兄ちゃんだ

(胡黜児)ハハハハッ…

妖怪大学 トップで

卒業しただけのことはあるよ

馬鹿 中退だよ

あなた あなた…

(泣き声)

私を置いて

1人で天竺へ いらっしゃるなんて

ひどい…

しめしめ

かわいい弟よ 今がチャンスだぞ

(左黜児)

あんなに泣いちゃって かわいそう

馬鹿! お前が

そんなこと言って どうするんだ・

妖怪としての

自覚を持て 自覚を なっ?

分かったよ 兄ちゃん

(胡黜児)よ~し

じゃ 弟 いくぞ

(左黜児)うん

(2人)せ~の!

ああっ…

(左黜児)似てる?

見事だ 弟

こりゃ うまくいくぞ 頑張れよ

・(左黜児)愛蓮ちゃん

(愛蓮)あなた! どうして?

いやぁ 心配かけて悪かった

もう 何も悲しむことはないぞ

わわ… わ…

わた… 私は帰ってきましたぞ

(愛蓮)三蔵さまのもとへは・

いらっしゃらなくて

よろしいんですか?

いら… いらっしゃらなくても

よろしいのです

(愛蓮)まあ!

ハハハハッ… 実は ゆうべの話は

あれは嘘だったのじゃ

嘘?

(胡黜児)ああ

国方どのが そなたの愛を

確かめようと思って やったこと

そうであったな? 国方どの

(左黜児)ウウッ… あ… 愛蓮

そなたが

私を 真実 愛してくれてること…

わ… 分かって

あの… うれしく思うぞ

では あなた では もう離れ離れに

暮らすことは ないのですね?

あ… ああ そうです

うれしい!

(左黜児)アアッ…

うんうん…

おいしそう… およよ…

一方 こちらは本物のご亭主さま>

のんきな顔で 天竺 目指して

旅を始めておりました>

国方

何でございましょう? お師匠さま

疲れはせぬか?

なんで私が疲れましょうや

やっと念願かなってお弟子の1人に

加えていただいたんですもの

それよりも

お師匠さまこそ疲れませぬか?

なんでしたら

お肩でも もみましょうか?

私は大丈夫です

ねえ お師匠さま

何ですか?

いえ ちょっと

呼んでみたかっただけなんです

私は弟子 あなたはお師匠さま

もう一度 いいですか?

かまいませんよ

お師匠さま!

あの野郎 本当に もう

調子に乗りやがって もう!

わしらのこと

差し置きやがって ほんまに

おい 1発 痛めつけたろうか?

ぎょくりゅう

しかしさ 玉竜も玉竜じゃねえか

あんな野郎に懐きやがってさ

平気な顔で くつわ取られてんだぜ

おい 本当に いっちょうよ

やってやろうか 本当に! ええ?

でもよ

あいつの弁当 食っちゃったからな

今 やったら

お師匠はん 怒らはるで

何せ 気に入っとるからな

おい… そうでもねえぞ おい

なに? いいアイデアあるの?

いいか

あいつがよ てめえのほうからよ

もう 天竺行きは真っ平だと・

お弟子になんか

なっていたくありませんと・

言わせるようにしてやりゃ

いいんだよ

ほう…

追い出し工作っちゅうわけやな?

そうだ ちょっと耳貸せ

愛蓮のほうはといいますと…>

・~

愛蓮ちゃん いる?

・(愛蓮)うん いますわよ ここに

ククククッ… 兄ちゃん

いるって いるって いるって

良かったな 弟

(左黜児)ハァ… じゃ…

(胡黜児)頑張ってこいよ

愛蓮ちゃん

心の準備は できている?

・(愛蓮)はい 心も何も

準備は万端 整っております

シシシシッ…

兄ちゃん 心の準備は万端だって

(胡黜児)そうか

ばんばんばん… アッ…

心臓が おかしい

(胡黜児)弟 大丈夫か?

さあ

早く そばに行ってあげろ なっ?

頑張れよ

じゃ いざ

(胡黜児)よ~し

愛蓮ちゃん!

あなた!

シエ~ッ! 何だ? その格好は

あなた

いつものように やりましょう

いや 「いつものように」って?

(愛蓮)仏教のお勉強

私 毎晩の これが楽しくって・

あなたとお別れするのが

つらかったのよ

いくわよ~!

♪ のうまくさんだ

「いくわよ」って… 兄ちゃん

♪~

兄ちゃん どうすんだよ?

(胡黜児)しばらく辛抱してろ

今 亭主 追っかけてって

事情聞いてくるからな 待ってろよ

何か こう 合わせとけ

すぐ行ってくるから

・~

ウン…

ウ~ン… おしっこ

おしっこ おしっこ…

おしっこ… おしっこ… アアッ…

(たたく音)

(八戒)うん?

あっ…

・(胡黜児)国方 国方

国方 国方

(国方)ウ~ン…

(胡黜児)

汚ねえじゃねえか この野郎!

(国方)あっ 老師さま

ああ いや…

しばらくぶりであったのぅ

しばらくぶりって

昨日 別れたばっかりでしょう?

どうして ここへ?

(胡黜児)いやいや…

ちと この… 取り急いで

聞きたいことがあってのぅ

聞きたいこと?

(胡黜児)うむ…

そなた 毎晩 女房どのと・

勉強会などを

やっとったそうじゃが

それは どんなことを

どういうふうに やっとったんじゃ

勉強会?

(胡黜児)うむ…

アハハハッ… あれは駄目です

あれは いけません

あのために 三蔵さまを

怒らせてしまったんですから

あれは全部 でたらめなんです

本当の仏教修行のことを

伺いたかったら

私なんかよりも

三蔵さまのほうがいいです

三蔵さまを起こしましょう

(胡黜児)わしの聞きたいのはな…

三蔵さま! 三蔵さ…

(悟浄)ばあ!

(八戒)ヤァ…

ヘヘヘヘッ…

ギャ~ッ!

(いななき)

(玉竜)

ああ びっくりした びっくりした

ねえ ちょ… ちょっと!

真夜中に どうしたの うるさいな

(国方)いや 急に このご3方がね

ちろ

真っ白けになっちゃったんですよ

(玉竜)あら!

パイパン

(国方)白板になっちゃったの

うわぁ 悟空ちゃん 大丈夫?

(国方)いや ちょっと…

あなた どなたさまですか?

(玉竜)僕?

嫌だなぁ いつも 僕のこと

引っ張ってくれてるじゃない

馬の玉竜だよ

(国方)ああ!

あの…

私 今度 三蔵さまのお弟子に…

知ってる 知ってる

知ってる 知ってる 肉まんじゅう

(悟浄)

あかん こら 全然 驚きよらんわ

こいつの神経

どうかしちゃってんじゃねえのか

こら 完璧に失敗だよ

もう やめた やめた

お前が しょうもないこと・

言いだすさかい

こんなん なんねやないか!

あれ? ちょっと

ちょっと ちょっと 来て!

(玉竜)誰か倒れてる ほら!

(国方)老師さま! 老師さま!

(八戒)あれ? 誰? この人

(国方)折伏のお坊さまです

坊主・

あれ? 三蔵さまのお友達でしょう

(悟浄)全然 知らんがな こんな奴

(国方)そりゃ おかしいですね

この方が 私に 三蔵さまの

弟子になれ 弟子になれって・

おっしゃったんですよ

おい 悟空 これ 何ぞあるな

よ~し ちょっと締め上げてやるか

おい 玉竜

えっ?

よいしょ…

ンンッ!

(殴る音)

ウッ! ハッ…

♪ ぶっしゃり のうしゃり

(左黜児)ちょっと ちょっと

ねえ もう いいかげんにしてよ

ほっけ

ねはんぎょう

さあ 今度は法華と涅槃経!

あなたの番でしょう

お忘れになったの・

いや わ… 忘れはしませんけど

それより 早く寝ようよ

あなた! そのようなことだから・

三蔵法師さまに

お叱りを受けるんです

いきますわよ! いいですか

♪ ホッホッ ホホホッ

ぶっしゃり のうしゃり…

ふ~ん… そういうことだったのか

この野郎 妖怪のくせしてな

坊主に化けるとは ばち当たりだぞ

しかし 悟空 そういうことならば

早く助けに行ってあげないと・

国方の奥さんは

大変なことになりますよ

あの… あの…

どうか助けてやってくださいよ

お願いしますよ

う~ん… そうねえ…

でも 国方ちゃん 俺たちと一緒に

天竺へ行くんでしょう?

う~ん そうやなぁ

そういうことは まあ とにかく

奥さんとは会えんわけやからね

そんなに

惚れられてるんだったらさ

いっそ その妖怪の女房に

なったほうが幸せなんじゃないの

(国方)そそそ… そんな!

そうだよ そりゃ かわいそうだよ

悟空 こんなことになったのも

国方の心を信じなかった・

私の誤解がもとです

助けておあげなさい

そう 助けておあげなさい

助けておあげなさい

まあ 無意味だと思うよ

あんた 一緒に天竺行くんだからさ

(八戒)ねえ?

ねえ?

もうね

嫁はんなんか いんほうがね

かえって さばっとしてね

ええのとちゃうか?

やめてちょうだい!

もう 天竺なんか行きません!

本当・

本当です!

ああ… あのかわいい愛蓮ちゃんが

妖怪の女房になるなんて

ブルル…

もう 天竺なんか どうでもいい!

(悟空・八戒)よ~し 決まった!

きんとんうん

善は急げや! おい 悟空 [外:]斗雲

よし!

はい 国方さん 行きましょう

さあ 行きましょう

おい 早くしろよ!

(国方)はいはい はいはい

ほら 早く早く!

(八戒)あれ? この野郎

(国方)早く 急いで急いで

さあ 行こう 行こう…

(国方)はい 行こう

おいおい おい!

飛ぶわけねえだろう

そんな格好して乗ってたって

この野郎

定員オーバーだ 定員オーバー!

定員オーバー 定員オーバー

はい 定員オーバーですよ

おじさん おじさん!

おじさん 人間だろう?

これ乗れないよ

いやいや そんなこと言ったって

あいあい… 愛蓮ちゃんが あの…

おい 玉竜!

あっ いたいた… ちょっと来い!

何よ… 何よ?

お前

悪いけどな 2人 受け持ってくれ

嫌だよ

そんなときばっかし呼ぶんだもん

ぐずぐず ぐずぐず言うんじゃねえ

お前 こういうときしか・

価値がねえんだから!

…で 誰を乗せんの?

とりあえずな あ~…

八戒と それから このおじさん

嫌だよ そんな…

豚と重量級なんて嫌だよ

しょうがねえだろう

このおじさん 人間なんだから

雲に乗れねえんだからよ

だったら 悟空ちゃんが

抱いて乗ればいいじゃないの

国方ちゃんだって ねえ?

早く奥さんとこへ行きたいもん

そう 行きたいの 行きたいの…

(八戒)兄貴 乗っけてってやれよ

う~ん 分かったよ

じゃ しっかり つかまってろよ

抱きかかえるな 気持ち悪いから!

じゃ 玉竜

うん?

八戒と悟浄 頼むぞ

ブッ…

行くぞ!

(飛行音)

(八戒)あ~あ… 何してんだよ?

えっ? 何よ?

(八戒)早く馬になれよ!

ブルル…

悟空さん

もっと速く飛ばないのかえ?

ハイッ… ハイッ…

馬乗ってんじゃねえんだよ

あっ そうか…

・~

悟空さん 家 分かってる?

8丁目2番地

うるせえな!

はい…

・~

なんで俺だけ

自分の足で走るんだ・

さあ やってごらんなさい!

もう

やらないと ひっぱたくわよ!

ごにょもげ…

(愛蓮)「まかはんにゃ はらみ」!

まかはんにゃ はらみ…

(愛蓮)声が小さい!

・(国方)はんにゃ はらみた…

(愛蓮)まかはんにゃ はらみ…

・(読経)

愛蓮ちゃん!

(愛蓮)あなた…

国方さん! 妖怪 どうした?

うん?

そ… そっちが妖怪の国方だ!

(国方)いや…

ああ?

てめえが妖怪国方か・ この野郎

いや 私 人間国方

妖怪国方は あっち!

に… どっちなんだよ・ この野郎

(愛蓮)アアッ…

このや…

ちょっと

オオッ・ ちょっと しっかりしろ

おい お前のかみさんだろう 早く

愛蓮ちゃん!

愛蓮ちゃん頑張って どうしたの?

何をしてんだ? 妖怪は あっちだ

はいはいはい!

早く早く!

(悟浄)

おう 妖怪は? 妖怪… 向こう?

アアッ!

馬鹿野郎 妖怪は あいつだ!

おい 国方! 妖怪 どうした?

(左黜児)あっち あっち!

あれが妖怪だ!

(八戒)

この野郎 待ちやがれ この野郎!

ンンッ… ヤーッ!

(呪文)

貴様ら 人の恋路 邪魔しやがって

こうなったら

もう 破れかぶれだからな

どっからでも かかってこい!

偉そうな口 たたきやがって

いい度胸じゃねえか!

ちょっとよ 兄貴よ

妖怪ったって これ まだガキだぜ

ああ お尻の斑点も

まだ取れてへんのちゃうか?

う… うるさい そんなこと…

この野郎 覚悟しろ!

ヤーッ!

いてっ…

・~

ンンッ… もう!

馬鹿!

よいしょ!

(こぐ音)

ハァハァ… よいしょ よいしょ

よいしょ よいしょ

あんまり 気分 乗んねえな

(口笛)

ンッ!

・~

おい!

逃げるなら もっとスピード出せよ

俺が 追いかけられてるみてえじゃ

ねえか

・~

おい お前のはペダル式か

しょうがねえな もう…

ハンデレースだ

(殴る音)

アアーッ!

まあ 迫力のねえ追いかけっこ

行くか…

(悲鳴)

・~

(こぐ音)

よ~し…

ハァ… ざまあみろ

・~

この辺かな? よし

ヘヘヘヘッ…

ハァハァ ハァハァ…

愛蓮ちゃん ヒヒッ…

今ごろ どうしてっかなぁ

アアッ!

ンッ… 外れか

もらった! エイッ!

アアッ!

(こぐ音)

あの野郎

おりゃりゃ ンンッ!

ンンッ!

こっち来た こっち来た…

(わめき声)

アアッ!

もう いや… もう駄目だ アアッ…

よ~し

ンンッ…

ヤッ!

(突く音)

ああ… 当たり

アア~ッ!

(悲鳴)

・~

(激突音)

申し訳ありません

悪いこととは知りながら

恋に苦しむ弟の哀れな姿に つい…

おい お前も謝りなさい!

もう二度と

人間の女に手を出さないと

うん…

約束できますね?

はい 約束します

うん 偉い 偉いぞ お前

辛抱すんだぞ うん?

お前が どうしても

お嫁さんが欲しかったら

兄ちゃんが きっと

美しい妖怪の女 探し出すから

だからな 辛抱すんだぞ

分かったか?

(左黜児)うん…

兄ちゃん 分かった 辛抱する

(胡黜児)偉い偉い

悟空

はい

縄を解いてやりなさい

いいんですか?

いいんです

人を好きになってしまったことは

悪いこととは言えないでしょう

それよりも 弟を思う兄としての

優しさに打たれました

その心を

いつまでも忘れてはいけませんよ

(胡黜児)ありがとうございます

三蔵さま ありがとうございます

(国方)

三蔵さま 私めの わがままゆえに

いろいろと

ご迷惑をおかけしまして

申し訳ございませんでした

いいんですよ

それもこれも あなたが

仏教を敬う心から起きたことです

恥じることはありません

はい ありがとうございます

それから 誠に言いにくいことでは

ございまするが…

(せきばらい)

あの…

お… おで… お弟子の件で…

分かっています その件は

なかったことにしましょう

三蔵さま! ハハハッ…

いいですか 国方

はい

私が天竺へ行くのは

私1人のためではありません

世界中の人々のために行くのです

いわば 私は あなたたちの

代表として行くのですから

なにも 弟子になって

共に天竺へ行く必要はありません

愛蓮!

(愛蓮)あなた!

(国方・愛蓮)ありがとうございます

夫婦仲良く暮らすのですよ

はい

そのことが お釈迦さまの教えに

かなうことです

承知いたしましてございまする

さあ 悟空!

少し道草を食ってしまいました

急いで天竺へ行きますよ

よ~し 決まった!

(八戒)

さあ 玉竜! 出番だぞ おい

嫌だよ…

ほら 餌やるから

悟空の活躍で一件落着>

さや

元の鞘に納まった夫婦をあとに・

三蔵法師の一行は

更なる旅を続けます>

・ おれは自由に生きる

ソンゴクウだよ 気楽なもんだよ

・ 世の中いろいろあるけれど

おれは関係ないね

・ もっと大きく心を広げて

この世は結構楽しい

・ ゼイ・コール・ミー

マジック・モンキー

・ ゼイ・コール・ミー

マジック・モンキー

・ 愉快なことさがしながら

生きてるおれだよ

・ マジック・モンキー

・『ホーリー&ブライト』

・ 遠い昔の話で 新しいこの星が

・ いま生まれてぼくらの胸

・ 清く照らしているよ

・ それはぼくらの心に

・ 新しい地平線を

・ サァめざせと教えながら

・ 強く輝いてるよ

・ 闇を照らしているよ

・ Shining holy and bright

・ けがれない光が

・ Oh so holy and bright

・ 君だって見えるよ

・ きらめくその星が

・ Holy, holy and bright

・ A star is shining

・ so holy and bright

・ Holy, holy and bright

・ Never let it go

・ out of your sight

・ Holy, holy and bright

・ A star is shining

・ so holy and bright

たまさぶろう

まるで 玉三郎さんみたい

清らかに生きる その姿に・

心を揺り動かされる八戒>

この少女の目を治すんだ」>

手ごわいライバルが現れます>

意外にも…>

瞳の中の愛」に ご期待ください>

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