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・~
(ナレーター)
ぶんみょう
いまだ分明ならざるころ・
とうしょうしんしゅう
かかざん
東勝神洲は花果山の山頂
奇怪な石猿が誕生いたしました>
・『モンキー・マジック』
・~
・~
・~
・~
てんじく
さんぞうほうし
天竺への旅を続ける三蔵法師>
さまようこと10日余り>
はっかい
ごじょう
出かけた八戒・悟浄と はぐれて・
ごくう
悟空と2人きり とにかく
西へ西へと進んでまいりました>
(悟空)ああ 腹減ったよ…
お師匠さん お師匠さん!
腹減んないの?
やぼ
(三蔵法師)聞くだけ野暮です
どっかでさ
骨休めしたいね 骨休め
あら… 骨が休んでる
明日は我が身か…
・~
ハァ…
どこかに泉は ないでしょうか?
それは はかない望みだよ
この辺は 大体ね
慢性の水不足地域なんだから
ハァ… せめて
ほんの少しの雨が降ってくれれば
フン…
まあ それだって 望みはねえなぁ
待てよ… 「雨」
こいつは気がつかなかったよ
(殴る音)
(いななき)
ぎょくりゅう
(玉竜)ブルル… ブルル…
ああ びっくりしたなぁ 何か用?
用があるから呼んだんだよ
呼ばれたから出てきたんだよ
お前はね ひと言多いよ サラブトンマ
あいた… 何よ?
お前はよ
なに?
確か 竜の化身だったろう?
そう
だから 僕の名前も 「玉竜」
うんうん うんうん
僕が大空で わんわん泣くとね
涙が大雨になって
わんわん降ってくるの
ああ だったらな
今すぐ 天へ舞い上がってな
わんわん泣いてくんねえか?
い… 今すぐ?
お前 干ぼしになってからじゃ
遅いんだよ!
もん
だって ここんとこ全然 うまい物
食わせてくれてないじゃない
飛べるかなぁ
玉竜 私からもお願いします
なあ? お師匠さまも ああやって
「言っておらられる」んだから
フフッ…
なあ? やれや
本当に?
いけ!
やっちゃおうかな よ~し…
よし
それでは 請うご期待
わっ!
・~
(鳴き声)
飛んでいます! 飛んでいますね
♪ とんで とんで …ますね
うん?
(叫び声)
アアーッ!
(激突音)
ウッ… ああ いたたた…
アアッ… みっともない…
やはり無理でしたね…
そうでしたね
そうですね あれが限界ですね
ばか
なにが 「請うご期待」だよ 馬鹿
役立たず!
そんなに怒んなくたって
いいじゃないの
それよりね いい知らせがある
何だよ?
人家!
何だい? 「人家」って
ほら 「人家」
人が住む人家が あっち
本当ですか?
本当ですよ
だって 墜落するときに
僕は この目で見たんだから
お前 墜落するとき そんな
余裕なんか あるわけねえだろう・
いやいや 落ちながら
「ああ 人家だ 人家だ」って 人家
再び白馬の姿に戻した三蔵と悟空>
人家 目指して 山あいを進みます>
あっ…
お師匠さん あった! あれだよ
さあ… おい
お師匠さま 着きましたよ
ここまで来りゃ ひと安心だ
立派なお屋敷ですね
ああ これだったら お師匠さん
水どころかさ オードブルから
デザートまでフルコースですよ
お師匠さま
デザートは何にいたしますか?
お前 随分 長生きですよ
乗りが悪いね もう…
(門をたたく音)
こんちは~!
(門をたたく音)
ごめんくださいまし!
誰もいねえのかな?
・(からすの鳴き声)
(鳴き声)
悟空 ここは やめにしましょう
どうして?
何やら不吉な予感がします
あんなの ただのからすじゃねえか
焼き鳥にして
食っちゃえばいいんだよ
からすだけではありません
私には感じるのです
この辺り一帯に
漂っている邪悪な気配が
ハァ… そうかねえ?
おいらには 喉の渇きと
すきっ腹しか感じねえけどな
(鳴き声)
嫌~な鳴き方しやがるぜ
お師匠さん 大丈夫
おいら ついてんだから
さあ 行こう ねっ?
そんな心配いらないって
ねっ? 大丈夫?
(門の開く音)
たっ…
(悟空・三蔵)開きましたね…
ごめんください!
誰もいないようですね
はぁ…
・(物音)
危ない!
・(物音)
こうらん
(香蘭)
お父さま 今の音は何でしょう?
・~
お父さま あそこに人が!
ちん
(陳)あっ… 大丈夫ですか?
(香蘭)しっかり!
あっ 血が
あっ…
ありがとうございます
私は旅の僧です
少しばかりのお水を
分けていただこうと思い
入ってきたのですが
いきなり天井が崩れ落ちて…
そうですか
・(物音)
よっ!
お師匠さま けがは?
大丈夫です お前のほうは?
ああ おいらは このとおり
ぴんぴんしてますよ ハハッ…
あっ 申し遅れました
そん
あの… おいらは孫悟空
…で こちらは おいらの
お師匠さんで 三蔵法師です
あの… 私は陳です
これは娘の香蘭
はぁ… かわいい娘さんですね
よろしくね ねっ?
失礼ですが 奥さまは?
殺されました 盗賊の手にかかって
それはお気の毒に…
あれは
娘が まだ5歳のときですから
かれこれ13年になります
それ以来 ずっとお2人だけで?
はい
(香蘭)お待たせいたしました
どうぞ
香蘭さんとおっしゃいましたね
ご一緒に いかがですか?
(香蘭)いえ 私は…
(陳)娘の失礼をお許しください
めったに
他人の前へ出ないもんですから
恥ずかしがってるんです
さあさあ どうぞ
あっ どうも じゃ ハハッ…
どうも すみません
おう どうだい? サラブトンマ
ええ? ハハッ… 元気か?
お前 やっぱり こっちのほうが
いいね 身なりはね ヘヘッ…
あっ 大変だね 手伝おうか?
いえ 平気です 慣れてますから
ああ そう? フフッ…
ほらほら ほらほら
よたよたしてる
フフッ… すいません
いや いいの いいの
(水の音)
よいしょ… よいしょ
ついでに運んじゃおうか?
えっ でも お疲れですのに…
いやぁ 心配無用よ フフフッ…
ちょっと見てて
(毛を抜く音)
(息を吹く音)
生意気に 爪ようじなんか
くわえやがって お前は
ンッ! ンンッ!
ざっと こんなもんだ ナハハッ…
あっ…
・~
ないしょ
内緒にしといてください!
フフフフッ…
ふ~ん… あんた 海 知らないの?
ああ そう… 海ってね いいんだよ
波が ざば~んと押し寄せてきてね
たくさんあるんだよ
1つじゃねえんだ
太平洋 大西洋ね
それから 地中海なんてのも
きた
うみ
「北の湖」なんての…
いろんなのがあるんだよ ハハッ…
そうですか
そうだよ
世の中って広いんですね
そう あんた 旅したことないの?
はい 一度も… この谷から
一歩も出たことがないんです
あら かわゆいそうにねえ…
一度 旅しなさい ねっ?
あの… 町って どんな所ですか?
町ねえ う~ん…
ひと言で ちょっと言いにくい…
そうだ 百聞は一見にしかずだよ
あんたに町 見せてやろう ねっ?
じゃあね
両手 こうやって合わせて
そう
…で おいらの指を見るんだよ
だんだん眠くなるよ ほら
眠くなってきちゃうんだ この…
眠いんだなぁ 3 2 1…
ンンッ!
あなたの まぶたの裏に
町が見えてきましたね
さあ 今度は
きれいな川が流れていますね
せせらぎが聞こえるかな?
その岸辺を
若い男と女が歩いている
2人は
愛し愛されている恋人同士だ
あれ? 女のほうは あんただな
ははぁ… すると 男のほうは
あんたの描いている理想の男性だ
なんだよ おい
相手の男は 俺じゃねえじゃねえか
気に入らねえなぁ もう!
しょうがねえな
(手をたたく音)
エヘヘッ… どうだった? ええ?
よう
ウフフッ…
ありゃ? こりゃ あら こんな…
アハッ…
ちょっと刺激が強すぎたかな
ハハッ…
成人映画を見た心境だな ありゃ
さ
いつしか 八戒とも離れ離れになり
炎天下の荒野を
ただひとり さすらっております>
(悟浄)ハァ… ああ もうあかん
もうあかん もう…
この世の おしまいや
ハァ… 皿に ひびが入ってきて
そんなこんなしてるうちに
「べし~ん」と割れて
ほしたら
この世とも おさらばやな ハァ…
(悟浄)あっ…
何や? あれ
何や? これ
(水の音)
うん?
ありがたい! 水やないか ええ?
これこそ 天のお助け
みほとけ
御仏のお加護に違いない
ありがたい ありがたい
ハァ~ッ… ハァ…
ああ… ああ うまい!
うまい! ヘヘヘッ…
ハァ~ッ… アッ… あれ?
おかしいぞ 目が回ってきよったな
アアッ…
(咬竜)ハハハハッ…
かっぱ
(咬竜)おい 河童!
(悟浄)何や?
わな
まんまと罠にかかったな
(悟浄)なに?
その水には
しびれ薬が入っとるんだ
なに? しびれ薬? ちくしょう
うまい話には
気をつけろっちゅうけど
わしとしたことが 一生の不覚や…
めえ
(咬竜)いやさ お前たちみたいな
あほうが いるからな
俺たち奴隷商人も 楽に暮らせるよ
(悟浄)なにを?
・~
(呑竜)おい 旅商人
お前にもよ 食わしてやっからな
「あ~ん」…
食えって言ってんだろう?
しょうえい
(小英)お前たちの食い物を
食うくらいなら
死んだほうがましだ!
(つばを吐く音)
てめえ
ちょいと上玉だと思ってよ
こっちが下手に出てりゃ・
その気になりやがって!
(殴る音)
ほら 食え!
・(咬竜)兄貴!
また1匹捕まえたぜ
(呑竜)ほう…
ハハッ… なんだ 河童の化け物か
(咬竜)ないより ましだろう?
(笑い声)
(咬竜)野郎!
(呑竜)ほら こうだよ ほ~ら!
(八戒)痛い痛い 痛い痛い!
あいてて!
(悟浄)あいてて…
(八戒)馬鹿 この こんな狭いとこ
入ってきやがって あいた…
その声は… 八戒!
悟浄!
(悟浄)おお…
何してんねん お前 こんなとこで
(八戒)お前 なんで捕まったの?
俺か? 俺は お前
つぼ
道歩いとったら 壺があったんや
ほんで おかしいなと思うたけどな
中見たら 水入ってたから・
ああ こら おいしそうやと思うて
がぶがぶっと飲んだら
しびれ薬が入っとったんや
(笑い声)
お前 相変わらず意地汚いな
あほなこと言うな お前…
ほんで お前 どうしてん?
まんじゅうが
落ちてたんだよ 野っ原にな
「こりゃ何か 何か…」
「これは罠じゃないかな
罠じゃないかな」と思いながら
手が自然と行ってな
口ん中入っちゃって
しびれてやんの
(笑い声)
早速 いがみ合う始末です>
(咬竜)兄貴
(呑竜)ああ?
(咬竜)野郎ばっかり
かかりやがって 女がいねえ
あしたは女を引っ掛けに行こうか
(呑竜)そうだな
そうだ すぐ近くに上玉がいるぞ
すぐ近くに?
(呑竜)ああ
12~13年も前だったかな
俺が強盗をしてたころ・
ここから3里ばかり離れた館を
襲ったことがあるんだ
当時 娘は まだ5つぐれえだった
ヘヘヘッ…
今ごろは
いい年ごろになってるぜ おい
(笑い声)
(小英)そうか… きれいな奥さんを
なぶり殺したのは貴様か!
(呑竜)なんだと?
てめえ! てめえ
どうして それを知ってんだ・
旅回りの商人をやってるとな
いろんな情報が
耳に入ってくるんだ
フン…
それにしても あしたが楽しみだな
(咬竜)野郎!
一体 それは どういう意味だ・
この付近の
言い伝えを聞いたことがある
あの館に近づく者には
悪霊者の たたりがあるそうだ
(呑竜)てやんでえ 馬鹿野郎
お前たちには
どんな たたりがあるかな?
(咬竜)「たたり」だと?
(念波の発信音)
・~
・~
あいた!
陳さん…
悟空! 明朝早々 三蔵と共に
この館を去れい!
なんだって?
お前は
昼間 娘に余計な知恵をつけた
いや 俺はさ ただ 世間の広さを
教えてやっただけであって…
それが余計なことなのだ
明日中に
この館を去らないと殺すぞ
ちょっと… 冗談やめましょうよ
冗談じゃない!
今 その証拠を見せてやろう
(締めつける音)
アアッ! あいた…
貴様…
アアッ…
(うめき声)
なに… これ…
(たたきつける音)
ウワッ!
・~
ウワーッ!
(たたきつける音)
(たたきつける音)
アアッ…
あっ… 何の音でしょう?
悟空さんの部屋です
行ってみましょう
悟空!
悟空さん しっかりして 悟空さん
しっかりしなさい 悟空!
悟空!
ウウッ…
アッ… アア~ッ!
プハッ! ハァ…
おっちょちゃま…
あの野郎!
落ち着きなさい 悟空
一体 何があったんです?
「何があった」って…
いて
もう 目は くらむし 頭は痛えしよ
陳さんのおかげだよ!
えっ… お父さまの?
そうだよ!
お父さま!
お父さま!
(陳)ウン…
(陳)ああ 一体 どうしたんです?
こんな真夜中に
とぼけるな おい! さっきは
ひどい目に遭わせてくれたな
(陳)ひどい目?
(香蘭)お父さま
悟空さんは お父さまの術に
かけられたって おっしゃるのよ
術に?
そうだよ
あんた こんな格好してよ
俺を宙に浮かせたり 天井へ
頭ぶつけたりしたじゃねえか!
ちょ… ちょっと待ってください
私には一体 何が何やら さっぱり
第一 私には術なんか使えませんよ
何言ってるんだ 俺の部屋へ来て
俺と話も したじゃねえか!
ハハハッ…
そりゃ 何かの間違いですよ
私は
ずっと ここで寝てたんだから
この野郎
とぼけるのも いいかげんに…
悟空 おやめ!
お前をいたぶったのは
妖怪の仕業かもしれません
妖怪?
そういえば この館には
えたい
得体の知れない妖怪が・
うわさ
住み着いてるという噂を
耳にしたことがあります
(香蘭)でも 私たちでさえ
一度も遭ったことがないのに
なぜ悟空さんが?
多分
御仏に仕える身だからでしょう
妖怪にとって
仏法は目の敵なんです
それだけじゃねえようだな
あんたは 俺に
「娘に変な知恵をつけるな」って…
それも原因の…
悟空
・(からすの鳴き声)
さあ お馬さん おはよう
朝ご飯ですよ はい
よいしょ… よいしょ
はい 朝ご飯ですよ
おい あれだ あれ あれ
ねえ この館は 大体 いつごろ
建てられた物なんですか?
あいにくですが
私は何も知りません
はぁ… じゃ
何か手がかりになるような物は?
何ひとつ…
何も残っていませんでした
ふ~ん… そうですか
・(香蘭)助けて! 助けて!
(陳)香蘭!
香蘭!
香蘭さん!
香蘭!
香蘭さーん!
これは 香蘭の…
えっ?
香蘭! 香蘭!
あっ…
そうだ
(殴る音)
(白馬の鼻息)
(殴る音)
あれ?
おい
(いななき)
サラブトンマ お前 最近 ちょっと
すれてきたんじゃねえのか?
ええ? 変わらねえじゃねえか
よ~し…
(毛を抜く音)
(息を吹く音)
ヘヘヘヘッ…
珍しい物 食わせてやっからね
ホッ…
アッ… ア~ッ… アア
この野郎…
エイッ!
(破裂音)
ちょっと
人がお食事中に 邪魔しないでよ
てめえがな すらっとぼけてるから
いけねえんじゃねえか この野郎
僕は何もしないじゃないか…
アアッ!
(破裂音)
ウウッ…
お猿の馬鹿
この野郎!
下等動物にな 馬鹿って
言われる覚えはねえんだよ!
そんなこと言わなくたって
ご飯食べてるときに…
何言ってる
ばふん
馬糞の整理でもしとけ この野郎!
香蘭を知りませんか?
あっ そうそう それそれ… それ
香蘭さんは 人さらいが持ってった
えっ・
あっち
ああ 心配いりませんよ
必ず おいらが取り返してくるから
ねっ?
(口笛)
ンンッ!
(八戒)あっ 悟浄
(悟浄)おう
(八戒)口で縄を解こう なっ?
ちょっと やって ほら…
なんで俺が やらなあかんねん?
お前がやれよ
分かった じゃんけんで決めよう
(悟浄)じゃんけんか? よし
(2人)じゃんけん ンッ…
ああ 勝った勝った! ほら…
なんで?
(悟浄)馬鹿野郎!
なんで お前が 「勝った」やねん
お前 なに出したんや?
俺は… お前 何だよ?
(悟浄)俺はチョキや
俺 グーだもん
(悟浄)オッ…
ひきょう
人に先言わせて それは卑怯だぞ
(八戒)いや 分かったよ
じゃんけんぐらいで
そんな怒るなよ
同時にな 同時に口で言おうよ
(八戒)はいはい そうしましょう
ええな? 守れよ ちゃんと ええな
(2人)
じゃんけん パー! アアッ…
(呑竜)よいしょ ほら!
ヘヘッ… 上玉 上玉
・(香蘭)アアッ…
・(咬竜)ヘヘヘッ…
おい 旅商人! たたりどころかよ
このとおり お土産だ
・(笑い声)
(呑竜)よ~しと… まずは乾杯だ
(笑い声)
・~
(呑竜)そろそろ町に帰るか
(咬竜)
よし あっちの2人も連れてくぜ
(呑竜)よいしょ ウ~ン…
(咬竜)あいや・
(呑竜)どうした?
豚と河童が いねえや!
逃げやがったな!
・(八戒)逃げないよ
お前らが帰ってくるの待ってたの
(呑竜)なに?
(咬竜)兄貴!
(悟浄)
おい えらい歓待してくれたな
このお礼は たっぷり
させてもらうぞ 覚悟せい!
(呑竜)うるせえ! へぼ河童!
(悟浄)うん?
(咬竜)この豚 たたき斬ってやる!
(八戒)豚?
トリャ!
(悟浄・八戒)エイッ!
・~
(八戒)ほ~れ!
(悟浄)ヤーッ!
・~
危ない… 危ない危ない…
アアッ!
(悟浄)アアッ!
(八戒)悟浄 もう駄目だ これ
(悟浄)やっぱ強いわ… 相手 強い
いやぁ 強いわ
(悟浄)どうも すんません
はい どうぞ これ どうぞ…
(悟浄)どうぞ どうぞ
(八戒)ヤーッ!
(八戒)
豚を… この野郎! なめやがって
(八戒)うん?
・(飛行音)
(八戒)オッ!
(八戒)兄貴!
(悟浄)悟空!
(八戒)おお! ハハハハッ…
良かったなぁ お前
(悟浄)遅いやないか お前は!
ああ 悪かった
それで 香蘭さんは? ええ?
(八戒)あっち あっち
香蘭さん! ああ 良かった こりゃ
良かった 良かった
お前 誰だ?
きょ
許小英と申します
あちらの2人に
助けていただきました
ああ そうか そりゃ良かったな
ハハハハッ…
(八戒)
ああ 兄貴 兄貴 ちょっと見てくれ
戦った 戦った
やったね
いや 別に
どうってことは ないんだけどさ
すごいね おい
(笑い声)
(八戒)ほら! ほら!
香蘭!
お父さま!
(陳)お前 無事で良かったな
お… お前
私の妻を奪い殺した男だ!
ヘヘヘヘッ…
お前の女房はよ 色が白くて
そりゃいい女だったぜ
(陳)こいつ!
(香蘭)やめてください!
やめなさい!
(陳)離せ 離せ!
やめろっつうんだよ
殺してやる! 殺してやる!
そういうこと言うんじゃねえ!
馬鹿野郎 馬鹿!
八戒 悟浄!
(八戒)はい!
元気でしたか?
はい! お師匠さまも
おい 連れてけ なっ?
来い こら!
(蹴る音)
ほら!
(咬竜)触るんじゃねえや 馬鹿!
(呑竜)
押さなくていいだろう お前ら!
かどわかした憎い男を前にして・
噴き上がる殺意を
かろうじて抑えました>
(浮遊音)
(呑竜)あらら?
ハハッ… 鍵だ!
(呑竜)あら! か…
(呑竜)こっち来い こっち!
こっち こっち…
(鍵を取る音)
(咬竜)ハハッ… はい
俺のをやれって!
(咬竜)俺がつかんだんじゃねえか
いつも
自分のことばかり考えやがって
(鍵の開く音)
(戸の開く音)
・(戸の閉まる音)
(咬竜)アアッ!
・(笑い声)
(咬竜)ハァハァ…
・~
(刺さる音)
ウワッ!
(刺さる音)
アアッ… ウワッ!
アアーッ!
・~
・~
(呑竜)よし
おらぁ!
ンンッ! ンンッ… よ~し
・~
ンンッ…
・~
(呑竜)アアッ!
・~
陳さん 陳さん!
えらいこっですわ 起きてください
ウン… どうしました?
(悟浄)悪党どもが死んでますわ
死んでる・
(悟浄)ええ お師匠さんの話ではね
妖怪に殺されたんやないか
ちゅうんですよ
とにかく ちょっと来てください
お願いします
あれ? 陳さん
けがでも しはったんですか?
いやぁ 別に
(悟浄)これ 血でしょう?
さあ 行きましょう お願いします
(陳)はぁ…
・~
なきがら
悪党兄弟の亡骸をうずめ・
その墓前にお経を上げ
霊を弔ってやりました>
・~
(香蘭)お父さま
私たち ここを出ましょう
どうして引っ越せないの?
私 この館にいるのが怖い
怖い? 何が?
盗賊 人さらい 妖怪 何もかもです
お母さまだって
こんな所に来なければ…
香蘭 それを言うのは やめてくれ
私だって 好きで こんなとこへ
来たわけではないんだ
じゃ すぐに引っ越しを
(陳)それは できない
なぜ・
なぜ できないの? お父さま
♪ 香蘭ちゃんの部屋は どこかな
・(陳)訳は聞かないでくれ
・(香蘭)そう… 分かったわ
お父さまは 自分のことしか
考えないのね そうなのね?
馬鹿なこと言うな!
私が どんなに お前の幸せを…
だったら 私の言うことを聞いて!
もう言うな! 二度と
この話は持ち出さないでくれ
私だって もう大人です!
お父さまが嫌なら
私1人で出ていきます!
香蘭!
(殴る音)
・~
あっ 香蘭ちゃん… こ…
・~
いいぞ おいしいか?
(泣き声)
香蘭さん どうしたんです?
何かあったんですか?
(泣き声)
さあ 訳を話してごらん
(泣き声)
香蘭さん 何があったんですか?
アアッ!
もうちょっと 早く来りゃよかった
陳さん! 陳さん!
おかしいな… 陳さん!
陳さん… うん?
「みくらのりし」?
「さんぞうほうし」と読むんです
「人さらいの兄弟を
殺したのは私です」
お師匠さん こりゃ 「ものおき」だ
「書き置き」です!
あっ…
(陳)長い間 寂しかったろう
今すぐ行くからな
・~
あっ!
ンンッ!
ウッ!
・~
それじゃ お父さまが あの2人を
殺したというんですか?
多分 間違いない
私は 妻の命を奪い
お前をかどわかした・
あの2人を殺してやりたかった
(悟浄)「多分」っちゅうのは・
あんたも はっきり
覚えとらんっちゅうことですか?
そうです 私は何ひとつ覚えがない
しかし 前後の事情から考えると…
私は
夢遊病にかかってるんでしょう
いいえ 夢遊病ではありません
恐らく あなたの体には・
悪霊が取りついているんでしょう
悪霊・
あなたが
ひと度 よこしまな考えを抱くと
勝手に あなたの体を操り
血に飢えた欲望を
満たしているんです
ああ そりゃ お師匠さまの
言うとおりかもしれねえな
でなかったらさ あんな妙な術
使えるわけないもん 陳さんが
じゃ
やつ
その悪霊って どんな奴かね?
さあ それは私にも…
う~ん…
(小英)あの…
私が聞いた言い伝えによれば・
ようとうまおう
この館には 羊頭魔王という妖怪が
住み着いていたそうです
羊頭魔王?
はい
お師匠さま お知り合いですか?
何を言っているんです
(八戒)馬鹿
かーっ!
だいらいおんじ
もともとは 天竺 大雷音寺に
籍を置く高僧のひとりでしたが
にょらい
如来さまに反逆を起こし
仏門を去ったのです
以来 数百年 その行方は
不明とされていましたが
こんな所に潜んでいたのですね
今夜 悪魔ばらいをやりましょう
・~
・~
(読経)
(雷鳴)
(読経)
・(雷鳴)
(読経)
(読経)
(羊頭魔王)よせ 三蔵!
(魔王)そのような小細工で
俺を打ち負かすことはできぬ!
(読経)
よく聞け 三蔵
陳は
20年前に人殺しをしたんだぞ
でたらめ言うんじゃねえよ
この羊頭魔王!
(魔王)でたらめではない
ほ
陳は 坊主のくせに女に惚れたのだ
そこにいる小娘の母親にな
ところが その娘には
いいなずけ
両親が決めた許婚があった
陳は 邪魔になる その男の命を
奪ったのだ
ハハハハッ… どうだ? 三蔵
これでも
まだ 陳を助けたいと思うのか?
たとえ 罪を犯した身でも
悪霊の自由にはさせません
(読経)
ンンッ…
(読経)
(たたき落とす音)
・~
(地鳴り)
(読経)
(雷鳴)
(読経)
ウワッ…
(毛を抜く音)
(息を吹く音)
(読経)
(読経)
アアッ… やっちゃった
出たよ 出た! 出たよ!
(八戒)あら あららら…
来い!
(八戒)はいはい!
あれ?
(八戒)あれ 消えちまったな おい
不思議なこともあるもんやな
感心してる場合か お前
(探知機の音)
(八戒)悟浄 何してんだ? これ
(悟浄)いわゆる これが
「出入り口探知機」やな
(電子音)
(八戒)何の音だ? これ
(悟浄)空っぽや お前の頭
(八戒)はぁ…
♪(ファンファーレ)
ここだ!
ンンッ!
(八戒)あっ…
(八戒)悟浄… お前 いけ
(悟浄)お前 いけ
(八戒)お前や!
(悟浄)お前 いけ!
(八戒)アッ…
・~
おい あれが羊頭魔王だな?
(悟浄)ああ
(発射音)
(悟空たち)アアッ!
(信号音)
野郎!
(小魔王たち)ヤーッ!
(殴る音)
アアッ!
(突く音)
(突く音)
(殴る音)
・~
(悟浄・八戒)あれ?
おい 大丈夫か?
(信号音)
あっ!
・~
(叫び声)
・~
ヤーッ!
・~
ウワッ!
・~
(魔王)エイッ!
(小英)危ない!
(斬る音)
(小英)ウウッ!
ハッ…
あっ!
ヤッ!
(突く音)
ウワーッ!
(突く音)
ウワッ!
(突く音)
ウウッ…
(爆発音)
(香蘭)小英さま!
あっ… ああ 大丈夫 大丈夫
こんなのはね かすり傷に
毛が生えたようなもんだ ハハッ…
陳さん
あっ…
小英さん
命を助けてくれて ありがとう
あっ いいえ…
三蔵さん
私は 妻の許婚の男など
殺す気は毛頭なかった
しかし
闇討ちに遭って しかたがなく…
香蘭
それで 私はお尋ね者になって
人里離れた ここを
出るわけにいかなかったんだよ
陳さん そのお話は もう…
あなたは 十分に
お苦しみになったのですから
そうそう そうそう そういうこと
お師匠さんの言うとおりですよ
ねっ?
まあ いろいろあったけどさ
これからは もう
親子2人 仲良く…
あら?
2人じゃないかな 3人かな?
アハッ… アハッ!
ちきしょう うまくやってやがらぁ
はぁ?
おい 八戒 今 何言うたんや?
いや 別に
別にって 何か 「うまいこと」って
(八戒)あした 天気かな?
ああ あしたなぁ
(八戒)うん
おう
1日も早く
天竺にお着きになるよう・
お祈りしております
ありがとうございます
皆さんも お元気で
お水を
あっ どうも
さあ じゃ 行きましょうか ねっ?
じゃ どうも
傷 大事にね
(小英)はい
(八戒)じゃ さいなら
どうも
(八戒)兄貴 飯 どこで食う?
お前 それしか言うことねえのか
馬鹿 ええ? ほかのことも考え…
あっ…
香蘭さん 正夢になって良かったね
(笑い声)
それから お父さんを大切に
一日一善 ねっ?
じゃ… ハハッ…
・~
再び 長い旅の道へと
踏み出した三蔵法師と その一行>
いかなる危難が待ち受けますやら>
・ ゼイ・コール・ミー
マジック・モンキー
・ ゼイ・コール・ミー
マジック・モンキー
・ 愉快なことさがしながら
生きてるおれだよ
・ マジック・モンキー
・『ホーリー&ブライト』
・ 遠い昔の話で 新しいこの星が
・ いま生まれてぼくらの胸
・ 清く照らしているよ
・ それはぼくらの心に
・ 新しい地平線を
・ サァめざせと教えながら
・ 強く輝いてるよ
・ 闇を照らしているよ
・ Shining holy and bright
・ けがれない光が
・ Oh so holy and bright
・ 君だって見えるよ
・ きらめくその星が
・ Holy, holy and bright
・ A star is shining
・ so holy and bright
・ Holy, holy and bright
・ Never let it go
・ out of your sight
・ Holy, holy and bright
・ A star is shining
・ so holy and bright
まぶた閉じれば 夢また夢>
七転八倒の三蔵>
いかに退治したらよいものか>
博識・悟浄 知恵の見せどころ>
夢の世界へ潜入しましたが…>
ご期待ください>
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