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・~
(ナレーター)
ぶんみょう
いまだ分明ならざるころ・
とうしょうしんしゅう
かかざん
東勝神洲は花果山の山頂
奇怪な石猿が誕生いたしました>
・『モンキー・マジック』
・~
・~
・~
・~
まんがん
てんじく
だいらいおんじ
万巻の経を求めて天竺・大雷音寺を
さんぞうほうし
目指す三蔵法師と その一行>
しゃくねつ
あるときは猛吹雪の冬山を越え・
また 次々に襲いかかる妖怪を
蹴散らしながら・
苦難の旅を続けてまいりましたが
どういうものか ここしばらくは・
平穏無事な毎日を
過ごしております>
(片眼妖怪)
ちょうちょう
くそ 蝶々なんか追っかけやがって
(片腕妖怪)
今に見てろ 恨みを晴らしてやる
りょううん
(凌雲)問題は あの猿だ
ごくう
悟空たちに さんざん
痛めつけられた妖怪たちです>
(片腕妖怪)
何か いい手は ねえかな?
(片眼妖怪)
つえ
う~ん あの猿の野郎 強えからな
(凌雲)俺に いい手がある
(凌雲)技と力じゃ勝ち目がないが
俺さまには いい考えがある
(片眼)ほう…
(片腕)いやに自信たっぷりだな
(凌雲)フフフッ…
どうだ 俺さまに任せるか?
(片腕)…で どうしてやる?
やつ
(片眼)奴らをぶっ殺せるのか?
(凌雲)ハハハハッ… 黙って見てろ
悟空の弱点は人情もろいことよ
俺さまの
頭のいいところを見せてやる
・~
はっかい
(八戒)あれ? 誰もいねえのかな?
どなたか いらっしゃいませんか?
・(八戒)いたら 返事してください
・(物音)
(八戒)兄貴 あっちだ
(八戒)おお!
なんと美しい!
私は旅の者です
てんぽうげんすい
ちょ
天蓬元帥 猪八戒 しかも独身です
うれしいでしょう? アハハッ…
・(男性)野郎!
なにもん
てめえら 何者だい・
どっからでもいいから
かかってきやがれ!
(殴る音)
せいちん
(清珍)しまった こいつは豚だ
(男性)猿じゃないのか?
(男性)いや 確かに猿を見たぞ
(清珍)あっちだ!
(男性たち)おう!
れいれい
(麗々)清珍さま!
(清珍)麗々 逃げなかったのか?
早く逃げろ!
(麗々)アアッ…
(悟空)よう
俺 ちょっと飯探してくっからよ
・(飛来音)
あっ!
(いななき)
何しやがんだ・ この野郎
(蹴る音)
やめろ! やめろ 足持つの
お前は引っ込んでろ!
ぎょくりゅう
(玉竜)あいて! ハァ…
(男性)この!
(蹴る音)
(男性)ウワッ!
(蹴る音)
いて
(男性)痛え!
(殴る音)
アアッ!
ハハハッ… ちょっと痛かったか
兄貴! 1人やったぞ おい ハハ…
よ~し 最後の手だ
(いななき)
・~
(殴る音)
(清珍)ヤーッ!
・~
ウッ…
どういうつもりなんだよ・
申し訳ない
何が申し訳ねえんだ・ この野郎
この村には 恐ろしい はやり病が
はやり病?
村人の半分は死に
半分は命からがら逃げ出しました
病気を治すには
猿を殺せば助かると…
ふざけんな この野郎!
誰が そんなこと言って…
ハァハァ…
てめえも病気か?
て… 寺へ…
うん? なに?
医者の所へ連れていってください
あの野郎 都合悪くなると
すぐ馬になっちまうんだから もう
ごじょう
八戒! 悟浄!
(悟浄)
…で そら どんな病気なの?
(麗々)突然 高熱が出て
ばたばたと倒れるんです
倒れたが最後
助かる者は1人もいませんでした
胸をかきむしりながら
うめき声を上げ
けいれん
やがて 痙攣を起こして
息を引き取っていくんです
(悟浄)なんで あんた逃げへんの?
(麗々)病人たちが 食べ物や
水を求めて泣き叫んでいるんです
この先のお寺に
30人ばかり収容されています
家族にも見放されて
死を待つだけの人々です
せやけど そこには
先生が いやはるんでしょう?
はい 旅の途中の
凌雲とおっしゃる先生が・
たったひとりで
病人の世話をしておられます
でも 凌雲先生も
もう手の施しようがないと…
・ お~い!
おい お前よ 話聞いたか? おい
(悟浄)今聞いたばっかしや
ああ えらいこっちゃな
腹立つじゃねえかよ お前
ばかやろう
猿殺しゃ病気治るなんて 馬鹿野郎
いや それは知らんぞ
何のこっちゃ? それ
あんた 知らないの? それ
知らない
いや いいんだ いいんだ…
言うてくれよ
(三蔵法師)娘さん 私を
そのお寺に連れていってください
ちょっと お師匠さま
何言ってるんですか?
はやり病いうたら うつるんですよ
命が何ぼあっても足りませんよ
そうそう そうだよ
病人を見捨てていくことは
できません
助からないのなら
せめて安らかな死を与えることが
私たちの務めなんです
さあ 案内してください
もう あの人は すぐに
ああいうことをする もう…
しょうがねえや 頑固者なんだから
それより 悟浄よ この村で
そんなに病気が はやってんのか?
それがな
今 あの娘さんから聞いたらな
恐ろしい病気が
まんえん
蔓延してるらしいで
どど… どんな病気だよ?
どんなふうにってね
例えば 人間どもが
ばたばたばた 倒れるやろう?
ほったら
その人間どもが みんな・
こう 胸をはだけたり
痙攣を起こしたりな
ぐわ~っと もだえて もう
むちゃくちゃ
無茶苦茶でござりまするわ もう
(八戒)ハァ…
ちょっと俺 調べてくらぁ
(悟浄・八戒)えっ?
(麗々)あのぅ…
大丈夫です
お坊さま…
・~
・(患者)苦しい…
・(患者)水が欲しい
(患者)苦しい…
薬を… 苦しい…
(患者)水を飲ませてくれ…
(うめき声)
清珍さま!
清珍さま!
(凌雲)そばへ寄ってはならん!
しっかりしてください 清珍さま
(清珍)麗々か…
(麗々)とうとう あなたまで…
アアッ… なぜ逃げなかったのだ?
あなたを残して
どこへ逃げろというのです?
麗々は
清珍さまなしでは生きられません
水を…
・~
・~
・~
清珍さま… 清珍さま
(麗々)清珍さま!
(凌雲)臨終じゃ
(泣き声)
そなたは?
げんじょう
旅の僧です 玄奘三蔵と申します
私に できることがあれば
何なりと申しつけてください
ぼだい
どうか 死者の菩提を
弔ってやってください
この人たちを助ける手だては
ないのですか?
・~
(においを嗅ぐ音)
悟浄 嫌な においがするな おい
(悟浄)あんまり
近づかんほうがええぞ なっ?
おい 悟浄
ちょっと お前 見てこい なっ?
俺が? いや 俺よりはな
お前のほうがええと思うんや
お前 行ってこい なっ?
(八戒)いや そういう役は・
かっぱ
やっぱり 河童がいいだろうがい
河童が行ってこい
いや 豚のぶんざいで
お前 何を言うてんねん
豚はデリケートなんだよ
こういうときは
なんで こういうことするんだよ
(悟浄)な… ちょっと!
なんで そういう…
(悟浄)ちょちょ… ちょっと待て…
ちょっと待て わしらが行かんでも
向こうから来てもらおうよ
あっ そうしよう
(悟浄)なっ? うん
(悟浄・八戒)お師匠さ~ん!
(八戒)あれ?
(八戒)あっ お師匠さん!
お前たちも手伝いなさい
(八戒)はい
あっ… いいえ やめときます
人の難儀を
助けようとは思わないのですか?
そんなん堪忍してくださいよ
病気が うつりますよ
私たちは 仏に仕える身です
病気など うつるはずがありません
お師匠さま
そういう考え方は甘いですよ
うつるもんは うつるんですから
病人の世話は私がします
お前たちは死者を葬るだけでよい
(舌打ち)
・~
ここでええやろう
この辺でええやろう なっ?
(八戒)
よいしょ ああ… ああ 疲れた
行こか
(八戒)ああ
よいしょ… よっ!
おい 八戒!
・(悟浄)何してんねん? お前
(八戒)ああ ああ はいはい
私も一緒に埋めてください
(八戒)もったいない そんな…
ねえ あなたはね
私が ちゃんと ついてるんだから
大丈夫よ ねっ?
・(悟浄)八戒!
・ 余計なこと言わんと
は
ここ掘れよ! 早よう
(舌打ち)
・ 何してんねん お前は!
・ 早よう来んかい!
(八戒)気ぃつかんな お前は本当に
早よう掘らんかい
(八戒)分かってる 分かってる
・~
よいしょ!
おい おい!
ちょっと こっち来い! こっちへ
兄貴 どこ行ってたの?
おい 悟空よ
わしら 墓掘り人夫させられてやな
まめ見てくれ これ ええ?
それがよ
まずいことになったんだよ
まずい?
今 天上界のな
薬事方 行って調べたんだ
そしたら この村に
はやってる伝染病ってのがな
なに?
あら? 名前 何つったっけな…
あっ 「豚ペスト」
(八戒)豚ペスト・
豚ペスト? 豚ペスト… 知らんな
「知らん」?
悟空 それ もしかして
ただの 「ペスト」ちゃうけ?
「ただペスト」だ!
「豚」なしの?
豚なし
はぁ… 「ベスト」!
ベストじゃねえよ
ベストはチョッキだ 馬鹿!
あっ そう
…で 俺な
何か妙薬はねえかと思って
方々 駆けずり回ったんだけどよ
解答ゼロ
はぁ…
あかん ペストやったら絶望的や
おい お師匠さまは?
お師匠さんは 寺ん中で看病しとる
なにぃ?
まずいや
・~
・~
・(うめき声)
あっ お師匠さん!
大変なことになりそうだ
すぐ ここを出ましょう ねっ?
そうは いきません
ここの病はね
ペ… ペストっつってね
一度かかったら
ち
必ず おっ死んじまうんだ なっ?
やはり ペストだったのか
あっ こりゃお役目ご苦労さんです
先生もよ すぐ
ここ出たほうがいいよ ええ?
…が しかし わしは病人を
見捨てることはできん 医者だ
ヘッ!
そんなん無駄な努力だ そんなもん
お師匠さん?
ちょっと お師匠さん!
お師匠さん まさか… よう!
こりゃいかん 発病したようだ
ええっ・
ヤブ医者! この野郎 治せよ
治せよ この野郎!
お師匠さん 俺たち
天竺 行かなきゃいけねえんだよ
こんなとこで ちょっかい出すから
もう… お師匠さん!
待てよ… ペストと分かれば
望み なきにしもあらずだ
なに? てめえ 今 何つった?
ペストなら治るかもしれん
この野郎 いいかげんなこと言うと
この野郎 ぶっ飛ばすぞ!
俺はな 天上界 地底界 海中界と・
薬を探し回ったけど
なかったんだよ
ばくれんどう
莫蓮洞へ行ってみたか?
莫蓮洞?
500年も前から 浮世を
離れた仙人たちが住んでいて
そこに
ペストの特効薬があると聞いた
それ どこにあるんだい?
ここから北へ80里 西へ90里
たんかいざん
丹塊山の麓と聞いた
こっから北へ80里の 西へ90里
丹塊山の麓だな?
さよう 行くのか?
めえ
当たり前じゃねえか
俺が帰ってくるまでに・
お師匠さまに
もしものことがあったら
てめえにも もしものことがあるぞ
・~
あれだな?
・~
(仙人)来た!
(仙人)アアッ…
(片眼)ポン!
(笑い声)
あのぅ… ちょっとお尋ねします
(片眼)ああ 何だ?
莫蓮洞の仙人さんってのは
皆さんですか?
(片腕)それが どうした?
ペストの妙薬が
欲しいんですけどね
(仙人)ロン!
(片眼)あっ なんだ それはないぞ
(片腕)それはないぞ おい
ねえ ちょっと お願いしますよ
おいらのお師匠さんが
死にそうなんだよ
仙人さま
お師匠さん助けてやってください
うるさい奴だな
ペストが どうしたって?
薬をくださいよ お願いします
(片眼)ここには ない
どこにあるんですか?
あんなものは どこにでもある
本当ですか?
おい 処方箋でも書いてやれや
(片眼)チッ… しょうがねえな
この忙しい最中に まったく
・~
ほら 持ってけ
ありがとうございます
これ 何て読むんですか?
そこまで面倒みれるか!
持ってって 誰かに読んでもらえ
はい ありがとうございます
このご恩は一生 忘れません
お楽しみんとこ すいませんでした
(笑い声)
聞いたか? おい
「ご恩は一生 忘れません」とよ
無学な猿め
(笑い声)
悟浄!
(八戒)あっ!
悟浄!
ちょっと これ読んでくれ これ
これだ!
(悟浄)何や? これ
ハァ… はい
へえ 「処方」って書いたるわ
うん 早く読め 早く
「処方 新鮮極上 猿の脳みそ」って
書いたるな
なに?
つまりやね
最も新しくて 最も上等な
「猿の」… ここが肝心やな
猿の脳みそが必要やてよ
うそ
嘘つけ 馬鹿野郎!
ペストに 猿の脳みそが
効くわけねえじゃねえか
そう書いたんねやないか!
(八戒)まあまあ 兄貴 まあ 兄貴
ちょっと 見せて見せて見せて
ほら どれ…
おお~… おお~…
読めねえんだろう 馬鹿 てめえは
この野郎
もう1回 読んでくれよ
もう1回か? 「新鮮極上 猿の」…
よう 娘さん
ちょっと これ読んでくれ
「処方 新鮮極上 猿の脳みそ」
お前 間違えて読むなよ
こっちは間違えられたって
分かんねえんだから
もう1回読んで ちゃんと!
「処方」
うん
「新鮮極上 猿の脳みそ」
豚の脳みそって書いてない?
(麗々)「猿」
河童の脳みそでしょう?
「猿」
悪い冗談だよ おい
ペストの特効薬が
猿の脳みそだなんて
(八戒)兄貴!
ペストには 猿の脳みそが
効くんだねえ 知らなかった
野郎!
てめえ そういうこと言うな!
(悟浄)ちょっと待てよ おい
この!
(唇を鳴らす音)
(悟浄)おい 八戒!
わしらの これと違うねん お前
あいつの ここが要る…
おう 何だ? てめえらの その目は
お前ら 俺の脳みそをよ… ええ・
脳みそ取ったら死んじゃうの?
アハハハッ…
ウウッ…
当たり前じゃねえか 馬鹿野郎!
そんなむごいこと
できるわけないやないか 悟空
何ちゅうたって
お前は兄貴分や なっ?
そうそうそう…
せやけどもやな
お師匠はんは死にかけてる
これで 猿の脳みそで
もし その命が助かんねやったら
ここが思案の しどころやな
(八戒)うん うん…
そんなことで思案するな!
兄貴 兄貴!
ブレーク ブレーク! ブレーク!
落ち着いて 落ち着いて
要するにだな 要するにだな
兄貴とお師匠さんは
どっちが偉いかっていうと…
お師匠さんだな
馬鹿が真面目に… この野郎!
てめえが そういうこと…
馬鹿野郎!
ブレーク! 分かった! 分かった
(八戒)痛い ここが…
この際
兄貴分を裏切るわけにいかん
お師匠はんの命は諦めよう
(八戒)そうしよう そうしよう…
自分の意思で お師匠さんは
寺ん中へ入ってったんだから
これは しょうがないよね
しょうがない…
てめえら
なに期待してんだ? この野郎
俺が 犠牲的精神でも
発揮すると思ってんのか・
大きな間違いだぞ!
アアッ… 兄貴 兄貴!
(股間を蹴る音)
アアッ!
ちょ… 悟空 ちょっと待った
ちょっと待った ちょっと待った
お前 よう考えてみいよ これな
猿の脳みそっていうてるけども
なにも お前の脳みそって
いうてるわけやないやないか
せやろう? 猿は
ほかにも何ぼでも いるやんけ
そうけ・
おう
猿だったら 俺だけじゃねえや
たくさんいるんだ!
兄貴 良かったな!
てめえに言ってねえ 馬鹿
悟空 行ってこい
行ってくらぁ!
兄貴! オオッ…
(口笛)
・~
ンンッ!
・~
取られちゃ かなわない」>
そん
脳裏をよぎったのは・
すいれんどう
生まれ故郷の水簾洞であります>
・~
みんな 元気か?
(猿たち)大王さま!
ハハハッ…
いやぁ 久しぶりだな 元気か?
(猿)はい
元気か?
(猿)はい!
お前んとこの息子 大きくなったか
なりました
いくつになった?
6歳になりました
そうか ヘヘヘヘッ…
ここも変わらんな おい ええ?
やり
槍の稽古してるか? 槍の稽古
(猿)はい! 毎日欠かさず
(家老猿)これはこれは 大王さま
じい 元気?
(家老猿)はい おかげさまにて
そうか もうおっ死んだかと思った
いやいや まだまだ
しぶといのね
(笑い声)
(隊長猿)
大王さま お久しぶりでございます
おう こりゃこりゃ… 誰だっけ?
こうさん
隊長の猴三と申します
アハハッ… そうか そうか
猴三 よろしくね
せいてんたいせい
この旗も懐かしいな 「斉天大聖」
たまには洗濯しろよ
(猿たち)はい!
ヘヘヘヘッ… よしよしよし
ハハッ… そうか そうか
うむ…
実は 頼みがあって やって来た
誰でもいい 俺に命をくれ
どうしても 猿の脳みそが要る
今 おいらのお師匠さまが
死にかけてるんだ
助けるためには 新鮮極上の
猿の脳みそが どうしても要るんだ
(猿)大王さまのためなら喜んで
(猿)いや 私が志願いたします
(猿)私の脳みそをお使いください
(隊長猿)お前たちは若すぎる!
(猿)隊長には 小さなお子さんが・
いらっしゃいます
(隊長猿)うるさい!
脳みそを取れば
お前ら 死ぬんだぞ
分かっております
(猿)どうか 私の脳みそを!
私は独り者です
誰にも迷惑はかかりません
(家老猿)静かにせい
この光栄は
家老猿たる私がお受けいたします
主人のために
命を投げ出すのは当然
御免!
待て! 早まるな
ありがとう
みんなの気持ちは よ~く分かった
今の話は みんな嘘だ
えっ?
だま
騙して すまなかった
久しく会わんのでな
みんなの忠誠心を試しただけだ
ハハハハッ…
余は大いに満足である
じい
はい
いつまでも元気でな
はい!
留守を頼んだぞ
(猿たち)はい
(猿たち)大王さま! 大王さま!
・~
さらば!
みんな 達者で暮らすんだぞ
(患者たちの うめき声)
お師匠さん
お師匠さん 生きてますか・
悟空…
ああ 良かった
あのね ものすごい特効薬が
見つかったんだよ ねっ?
だから お師匠さん
もう安心 大丈夫だよ なっ?
(凌雲)特効薬は どうした?
ぐずぐずしてると間に合わんぞ
もうちょっとの辛抱だからね
頑張ってよ! ねっ?
娘さん 看病 頼んだよ
はい
・~
・(八戒)兄貴! 兄貴!
おう おう…
あれ? 脳みそ どうした? 脳みそ
ここにあるよ
(悟浄)えっ?
それじゃ 兄貴…
おう 心配するな
もう 心の準備はできてるんだ
主人のために命を投げ出す…
これは
弟子として最高の光栄だからな
お前 それ 本気で言うてんのか?
ああ 本気だ
さあ 気が変わらないうちに
ばっさり やってくれ
兄貴 あの… 命なくなると
うまい物食えなく…
ぜいたく
贅沢言うんじゃねえ この野郎!
うるせえよ お前は
早く 俺の頭蓋骨へ穴開けて
中から 脳みそ全部 出すんだよ
それを使うんだよ!
余ったら この野郎
みそしる
味噌汁なんかに使うなよ
気持ち悪くなっちゃった ウッ…
早くやれってんだよ!
おい その石で 俺の頭 ぶち割れ!
分かった よう言うたな 悟空
今 迷うてる場合やないからな
お師匠さんのために
立派に死んでもらうぞ
・~
兄貴 何か言い残すことある?
そうだな
俺が死んだら 銅像 作ってくれよ
「斉天大聖 孫悟空
忠義のために死す」と彫って…
はい 銅像
(悟浄)分かった
ほんなら ぼちぼちいくぞ
ええな?
せ~の!
銅像はよ 純金で作ってくれよ
頼む
(悟浄)努力する 努力する
(八戒)いいか? せ~の!
お前ら! このこと お師匠さんに
言ったら承知しねえぞ!
分かった分かった
分かってるのか おい!
分かったよ 兄貴
早く早く いいか?
せ~の!
八戒
うん? なに?
お前ね 道端に落っこってる物
食べたりなんかしちゃ駄目だよ
下品だからね
フフッ… うん
じゃあね じゃあね
(八戒)はい いいか?
(悟浄)いくぞ
せ~の!
(悟浄)ンンッ… 駄目だ!
(八戒)なんだい
アアッ… もうあかん
(八戒)なに?
わしには できんわい
仮にもな 兄弟分のお前を
手をかけるわけにいかん ハァ…
馬鹿野郎 意気地なし
てめえら
お師匠さん死んでもいいのかよ・
すまん… 悪い 堪忍してくれ
八戒! てめえ やれ
よし… おれがやろう
(力み声)
あれ? クッ…
兄貴 俺には駄目だ できねえや
ハハッ…
このくらいのこと できねえのか
馬鹿野郎!
馬! 馬 どこだ・
チェッ… どいつも こいつも
だらしがねえんだから
よ~し 自爆してやらぁ
もん
てめえら 脳みそ入れる物持って
待ってろよ!
(口笛)
・~
斉天大聖 孫悟空の最期を
よ~く見とけよ
・~
兄貴! 達者でな!
・~
・~
男が死ぬってのは
こういうこったい
(落下音)
・~
(激突音)
(いななき)
兄貴!
(悟浄)お~い 悟空!
(八戒)おい 確か この辺だよな?
えらい地響きが しとったからな
(八戒)ああ
兄貴!
(悟浄)悟空!
あに… アアッ…
兄貴!
(悟浄)悟空!
・(玉竜)ちょっと… 手を…
ちょっと ちょっと
(八戒)あれ?
なんで
お前 こんなとこに いるの?
いや 僕 あの… つながれてたわけ
そしたら 空から 何か
真っ茶っちゃなものが降ってきて
大きな岩に 「がつ~ん」でしょう?
僕 びっくりしちゃって…
大きな岩?
(玉竜)ええ
ご… 悟空は どこやねん? 悟空
あら… それ
降ってきたのは悟空兄貴かな?
お前 はっきりしろよ おい
(玉竜)いや だって…
確か あっちのほうだ
(八戒)あっ! ありゃ兄貴だ
(悟浄)突き刺さっとるぞ
(玉竜)やっぱり
兄貴!
(悟浄)おい!
(玉竜)アアッ… お~い!
(八戒)兄貴!
(玉竜)大丈夫?
(悟浄)悟空!
ああ ああ 兄貴 内股なっちゃって
(玉竜)あ~あ…
悟浄 どうしよう?
(悟浄)「どうしよう」って お前
脳みそが必要なんやから
これ 取らなしゃあないやろう
(八戒)そりゃそうだな よし
(玉竜)力 ないからなぁ
(3人)せ~の… よっ!
せ~の… よっ!
せ~の!
(抜ける音)
(八戒)アアッ… よいしょ
(悟浄)大丈夫か?
(八戒)いいか?
ンンッ! ンンッ! ンンッ!
(骨の鳴る音)
よっ!
あれ? 全然 異常なしだ
(悟浄)完全な失敗やな
(玉竜)突っ張らかっちゃったよ
兄貴 大丈夫かい?
・~
(八戒)兄貴の頭は丈夫だなぁ
(悟浄)こら何ぞ ほかの手を
考えなあかんぞ
ああ…
そ
(剃る音)
(玉竜)もう少しだからね 兄貴
おう
我慢してね
ああ
これ我慢できないと
あと もっとひどいんだから
よいしょ… よ~し いいだろう
あ~あ…
なんだか おい 涼しいね
(八戒)やっぱり?
(悟浄)悟空
もう こうなったら しゃあない
お前の意思を尊重するぞ ええな
あ… ああ
(悟浄)ちょっと ここに…
脳みそんとこ 印打つわな
よっ…
八戒!
はい?
お前 目いっぱい やれ!
はい… 気が進まないなぁ
(玉竜)かわいそうにね
(八戒)うん
兄貴 本当にいいのかい?
ええい しつこいな 早くやれ!
・~
悟浄 本当に やっていいのかな?
いや もう
そら わしも分からんけどもやな
せやけど お師匠さんの
命救うためやから これ
しゃあないやないか やれや
そ… そうだな
お師匠さんのためだもんな 兄貴な
ハァ…
・(凌雲)早くしろ!
三蔵どのの臨終が迫っているぞ!
(八戒)ええっ・
八戒! 早くやんねえか お前
両方 死んじまったら
元も子もねえや
じゃ 兄貴 いくぞ!
ヤーッ!
(折れる音)
あら? 駄目だ こりゃ
おい 「サラブトンマ」! この野郎
(玉竜)えっ?
ほかに何かねえのか・ 探してこい
(八戒)ほら サラブトンマ
早く行ってこいよ ほら
ねえ こんな物で どうだろう?
トンマ!
お前 本当にいい物持ってきたな
兄貴 これなら大丈夫だ
(悟浄)八戒 いけ
アッ…
おい ちょっと お前 悟浄…
俺は こういうのは向かんのや
(八戒)俺は さっきやったんだから
俺は嫌や…
馬鹿野郎 やれよ!
そんなことで譲り合うな
早くやれ!
(悟浄)しゃあないな… じゃ 悟空
わしはな あんまり好きやないけど
やるぞ ええな?
(悟浄)覚悟決めたか?
(八戒)兄貴 達者でな
(悟浄)いくぞ!
(玉竜)さよなら
あら? これも あかん
(八戒)あ~あ…
何をしてんだ・
この馬鹿! 豚 河童 化け物!
じゃかましいわい! お前の頭
硬すぎやから こうなんねん
悔しかったら お前が やってみい
こら ほんまに
サラブトンマ!
へっ?
もうちょっと
強い物 持ってこい! 何か
はい
・~
・~
何をしておる・
三蔵どのの命を助けたくないのか
ウウッ…
そうだ! 悟浄
(悟浄)なんやねん…
あの… 耳の穴から
ストローで吸い出してみるか?
耳くそが出るだけやろう
(八戒)あっ そうか 弱ったな
トンマ ほかにないのか? お前
(玉竜)「ほかにないか」って
ある物は みんな
僕が持ってきたんだから
あるわけないじゃないの
(悟浄)お前は もう!
「お前は お前は」って…
あっ あったよ!
(悟浄・八戒)えっ?
(凌雲)しかたがない
わしが脳みそを取ってやろう
この刃先には
金剛石が仕込んである
この世に切れない物はない
ハァ… 助かったよ
おい ヤブ! あ~ 「先生」
威勢よく やってくれよ
よ~し
待て!
うわぁ… 切れそう
僕ちゃん とても見てられない
よ~し
お前らは悟空の墓でも掘っていろ
(八戒・悟浄・玉竜)はい! はい!
・~
(凌雲)悟空 わしを誰だと思う?
ばらきさん
いかにも わしは 婆羅木山の
こくりゅうじ
黒竜寺で 貴様にやられた・
大ねずみの成れの果てよ
よくも騙しやがったな!
愚かな猿め
てめえの脳みそが ペストに
効くと思うか? とんだ茶番よ
わしが欲しいのは
悟空 てめえの命よ!
冥土の土産に教えてやる
ペストをはやらせたのは
このねずみさまよ
ンンッ… ヤーッ!
ひきょう
卑怯な手 使いやがって!
ヤーッ!
・~
ハハッ…
・~
ハハハッ…
ヤーッ!
うん・
ヘヘヘヘッ…
よいしょ!
・~
(殴る音)
・~
悟空 長年の恨み思い知らせてやる
ヘッ! 上等じゃねえか
ンンッ!
ヤーッ!
オッ・
ヤーッ!
ンンッ!
・~
ヤーッ!
アアーッ!
・~
(倒れる音)
・~
斉天大聖 孫悟空
お礼参りに来たぞ!
(蹴る音)
(妖怪)アアッ!
・~
(殴る音)
ウウッ!
(突く音)
アアッ!
・~
(殴る音)
(突く音)
アアッ!
・~
行け!
(殴る音)
これは… どうしたというんです?
てんもうかいかい
ばらまいていた ねずみ妖怪が・
あえない最期を遂げるやいなや
さしもの重病人たちが・
みるみるうちに
元気を取り戻します>
・(女性)良かった
(女性)本当に 本当にね
墓に埋められていた死人たちまで
次々と この世に
よみがえってきたのであります>
・~
(八戒)兄貴 ひりひりするだろう?
アッ… いてっ…
(玉竜)動かないの 動かないの
「動かない」じゃねえよ!
吹くな 馬鹿野郎!
風邪ひくじゃねえか この野郎
(玉竜)
ちょっと そんな大きな声出して
えばれるような頭じゃ
ありませんよ これ
そうやねえ こんなもんで
人前に よう出られるなぁ
かわいそうやなぁ 不細工やなぁ
(笑い声)
(八戒)まるで河童みたい
(笑い声)
あほ!
とにかくな
てめえら 人の不幸を楽しんだんだ
このままじゃ済まねえぞ!
悟空
はぁ…
麗々さんから話は聞きました
私が助かった…
アア…
皆まで言わないでください ねっ?
もういいから お師匠さん ハハ…
(玉竜)ねえ ちょっと お師匠さん
お師匠さんの頭も
黒く塗りましょうか? 墨で
黒々として…
(笑い声)
(殴る音)
オッ…
ぼちぼち行くぞ!
(八戒)ほら 玉竜 早く馬に返れよ
何言ってんだよ もう疲れちゃった
ちょっと休ませてよ
お前が乗せな
お師匠さん 誰 乗せんねんな?
何言ってんの? 私がいなくたって
河童は いるし 豚は いるし
馬鹿言うなよ お前
えっ?
豚に乗ったお師匠さまなんか お前
想像してみろ
陳腐としか
言いようがねえじゃねえか
(八戒)兄貴 面白いや アハハッ…
そこへいくと お前
白馬に またがったお師匠さま
さしずめ ローン・レンジャーか
三蔵法師かってとこだよ お前!
今 ちょっと 何て言ってくれた?
「白馬」
白馬? 白馬… 白馬!
白馬ですよ
(八戒)代わりたいな おい
三蔵法師はじめ
村人たちの命も救われました>
いかなる試練が
待ち受けているのでしょうか>
・『SONGOKU』
・ おれは自由に生きる
ソンゴクウだよ 気楽なもんだよ
・ 世の中いろいろあるけれど
おれは関係ないね
・ もっと大きく心を広げて
この世は結構楽しい
・ ゼイ・コール・ミー
マジック・モンキー
・ ゼイ・コール・ミー
マジック・モンキー
・ 愉快なことさがしながら
生きてるおれだよ
・ マジック・モンキー
・『ホーリー&ブライト』
・ 遠い昔の話で 新しいこの星が
・ いま生まれてぼくらの胸
・ 清く照らしているよ
・ それはぼくらの心に
・ 新しい地平線を
・ サァめざせと教えながら
・ 強く輝いてるよ
・ 闇を照らしているよ
・ Shining holy and bright
・ けがれない光が
・ Oh so holy and bright
・ 君だって見えるよ
・ きらめくその星が
・ Holy, holy and bright
・ A star is shining
・ so holy and bright
・ Holy, holy and bright
・ Never let it go
・ out of your sight
・ Holy, holy and bright
・ A star is shining
・ so holy and bright
退治に向かった八戒・悟浄>
三蔵を形に入れる始末>
ミイラ」に ご期待ください>
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