All language subtitles for 光る君へ - E23 雪の舞うころ - [1440-FHD@KTGMC-slw.NV7-h264_qvbr 280_u p7][字]
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1
00:00:02,202 --> 00:00:04,938
こらこら こらこら…。
2
00:00:04,938 --> 00:00:06,974
(周明)話があって来た。➡
3
00:00:06,974 --> 00:00:10,277
朱様は 通事を殺していない。
4
00:00:10,277 --> 00:00:12,279
証人だ。
5
00:00:14,615 --> 00:00:16,617
話せ。
6
00:00:21,288 --> 00:00:26,793
国府の偉いお人に 朱様が通事を殺したと
言えと脅かされました。➡
7
00:00:26,793 --> 00:00:29,630
言わねば 仕事を取り上げると。
8
00:00:29,630 --> 00:00:34,434
(藤原為時)
国府の偉い人とは 誰のことだ?
9
00:00:34,434 --> 00:00:36,503
(源 光雅)何事でございますか!➡
10
00:00:36,503 --> 00:00:39,273
このような卑しき者を招き入れるとは。
11
00:00:39,273 --> 00:00:42,276
このお方でございます。
12
00:00:43,977 --> 00:00:46,313
な… 何のことだ!
13
00:00:46,313 --> 00:00:50,817
人殺しを見たので訴え出たら
このお方が 米をくれて➡
14
00:00:50,817 --> 00:00:53,854
通事を殺したのは 宋人の長だと言えと。
15
00:00:53,854 --> 00:00:57,591
言わねば 仕事を取り上げると言いました。
(光雅)偽りを申すな。
16
00:00:57,591 --> 00:01:01,094
国守様 このような者の言うことを
お聞きになっては…。
17
00:01:01,094 --> 00:01:03,297
黙っておれ!
18
00:01:04,932 --> 00:01:11,238
お前は 通事を殺した者も
知っておるのか?
19
00:01:13,941 --> 00:01:16,643
それは 誰だ?
20
00:01:19,813 --> 00:01:23,617
(周明)俺に言ったことを もう一度 言え。
21
00:01:23,617 --> 00:01:28,322
武生の商人 早成でございます。
22
00:01:32,626 --> 00:04:17,924
♬~
23
00:04:17,924 --> 00:04:25,799
(早成)私は 宋と商いをしたかっただけで
殺すつもりはなかったのです。➡
24
00:04:25,799 --> 00:04:31,938
通事に砂金を渡して… 朱という男に
取り次いでくれと頼んだら…。
25
00:04:31,938 --> 00:04:35,609
(三国若麻呂)これっぽっちで?
26
00:04:35,609 --> 00:04:38,945
どれだけ出せばよい。
27
00:04:38,945 --> 00:04:43,617
(三国)砂金なら 5袋。
そのような…。
28
00:04:43,617 --> 00:04:46,953
嫌なら それまでだ。
29
00:04:46,953 --> 00:04:50,624
待ってくれ。
離せ。
30
00:04:50,624 --> 00:04:53,326
いや 待ってくれ。
はな…。
31
00:05:02,569 --> 00:05:05,605
おい… おい!
32
00:05:05,605 --> 00:05:09,109
まことでございます!
33
00:05:11,578 --> 00:05:19,452
そなたも この男と共に 宋と商いをして
懐を肥やそうとしておったのか。
34
00:05:19,452 --> 00:05:24,157
懐を肥やす気はございませぬ!
35
00:05:24,157 --> 00:05:30,163
越前においでになったばかりの国守様には
お分かりにならないのでございます。
36
00:05:32,265 --> 00:05:37,771
我らは この1年
ずっと宋人を見てまいりました。➡
37
00:05:37,771 --> 00:05:41,942
彼らは 膨大な数の財宝を
持ち込んでおり➡
38
00:05:41,942 --> 00:05:47,747
それを出し渋ることで
物欲のある公卿や朝廷をあおり➡
39
00:05:47,747 --> 00:05:56,289
国同士の商いの道を開かせようと
たくらんでいると 私は思っております。
40
00:05:56,289 --> 00:05:59,626
そもそも宋人は 日本を格下に見ており➡
41
00:05:59,626 --> 00:06:03,063
我々のことなぞ
取るに足らぬ国の田舎役人だと侮って➡
42
00:06:03,063 --> 00:06:07,234
松原客館で やりたい放題でございました。
43
00:06:07,234 --> 00:06:09,903
やりたい放題…。
44
00:06:09,903 --> 00:06:13,240
(光雅)
国守様は 都から来られたお役人ゆえ➡
45
00:06:13,240 --> 00:06:16,243
コロッと振る舞いを変えたのです。
46
00:06:19,579 --> 00:06:27,087
私が 偽りの証言を頼んだのは
この機会に朱の力を奪わねば➡
47
00:06:27,087 --> 00:06:30,957
したたかな宋に
越前はおろか 朝廷も振り回され➡
48
00:06:30,957 --> 00:06:33,760
害を被ると思ったのでございます。
49
00:06:33,760 --> 00:06:36,263
そんな話はいい。
50
00:06:39,099 --> 00:06:41,034
朱様は 無実です。➡
51
00:06:41,034 --> 00:06:43,837
早くお解き放ちを。
52
00:06:48,608 --> 00:06:55,282
介 その方の言うことは分かった。
53
00:06:55,282 --> 00:07:00,220
されど この一件において…➡
54
00:07:00,220 --> 00:07:02,555
朱に罪はない。➡
55
00:07:02,555 --> 00:07:05,558
朱を解き放て。
56
00:07:07,427 --> 00:07:14,901
左大臣様も かねて 越前のことは
越前で決めよと仰せになった。
57
00:07:14,901 --> 00:07:25,245
介らの意見は 改めて じっくりと聞く。
ははっ!
58
00:07:25,245 --> 00:07:33,954
その方 通事として 力を貸せ。
はっ。
59
00:07:47,934 --> 00:07:56,943
(朱仁聡の宋語)
60
00:07:56,943 --> 00:08:01,781
(周明)あなたのおかげで助かった。
深く感謝します。
61
00:08:01,781 --> 00:08:05,752
(宋語)
62
00:08:05,752 --> 00:08:11,458
あなたを信じて まことのことを話します。
63
00:08:11,458 --> 00:08:20,567
(宋語)
64
00:08:20,567 --> 00:08:24,437
私たちは 越前を足掛かりにして➡
65
00:08:24,437 --> 00:08:28,241
宋と日本の国同士の商いを図るように
命じられています。
66
00:08:28,241 --> 00:08:33,913
(宋語)
67
00:08:33,913 --> 00:08:37,917
果たさねば 国には戻れない。
68
00:08:39,586 --> 00:08:42,389
前の国守は 話も聞いてくれなかった。
69
00:08:42,389 --> 00:08:45,258
でも あなたは話を聞いてくれる。
70
00:08:45,258 --> 00:08:48,595
いや まだ聞くとは言っていない。
71
00:08:48,595 --> 00:08:53,266
(宋語)
72
00:08:53,266 --> 00:08:56,936
どうか どうか 力を貸してください。
73
00:08:56,936 --> 00:09:01,207
(宋語)
74
00:09:01,207 --> 00:09:04,210
あなたが頼りです。
75
00:09:09,549 --> 00:09:12,886
(光雅)やはり そうでございましたか。
76
00:09:12,886 --> 00:09:18,758
朱は 宋の朝廷の命を受けた者に
ございましょう。
77
00:09:18,758 --> 00:09:25,899
その方の越前を思う真情も分かった。
78
00:09:25,899 --> 00:09:33,573
されど 無実の宋人を
罪に陥れたことは許されぬ。
79
00:09:33,573 --> 00:09:39,913
こちらも筋を通さねば
宋人に立ち向かえぬゆえ。
80
00:09:39,913 --> 00:09:41,848
承知つかまつりました。
81
00:09:41,848 --> 00:09:50,156
年内は 国府に上がらず謹慎せよ。
ははっ。
82
00:09:53,259 --> 00:09:57,931
(まひろ)
あなたは 宋人なの? 日本人なの?
83
00:09:57,931 --> 00:09:59,966
(周明)宋人だ。
84
00:09:59,966 --> 00:10:03,470
なぜ この国の言葉が上手なの?
85
00:10:07,273 --> 00:10:10,176
生まれは 対馬だ。
86
00:10:10,176 --> 00:10:12,145
日本人ではないの?
87
00:10:12,145 --> 00:10:14,147
宋人だ。
88
00:10:16,616 --> 00:10:23,490
12の時 おやじは 口減らしのために
俺を海に捨てた。
89
00:10:23,490 --> 00:10:28,628
海に浮かんでいる俺を 宋の船が拾った。
90
00:10:28,628 --> 00:10:33,333
宋では 牛や馬のように働かされた。
91
00:10:34,968 --> 00:10:40,840
ある日 ここにいたら死ぬだけだと思って
逃げ出した。
92
00:10:40,840 --> 00:10:46,546
薬師の家に転がり込んで助けられ
見習いにしてもらった。
93
00:10:48,982 --> 00:10:50,917
賢かったのね。
94
00:10:50,917 --> 00:10:54,654
師は 初めて出会った いい人だった。
95
00:10:54,654 --> 00:10:57,657
朱様も また いい人だ。
96
00:11:00,159 --> 00:11:03,930
あなたは 苦しい目に遭って
大変だったけど➡
97
00:11:03,930 --> 00:11:10,270
宋の国は この国よりも
懐が深い国なのではないかしら。
98
00:11:10,270 --> 00:11:12,205
どうだろう。
99
00:11:12,205 --> 00:11:15,942
もっと宋の話を聞かせてほしい。
100
00:11:15,942 --> 00:11:20,113
松原客館には 宋から持ってきた
いろいろな品があるそうだけど➡
101
00:11:20,113 --> 00:11:23,416
書物もあるの? どんな書物?
102
00:11:23,416 --> 00:11:25,952
白楽天の珍しいものはある?
103
00:11:25,952 --> 00:11:32,825
書物のことは知らないが
陶磁器 香木 薬 織物 酒に食べ物。
104
00:11:32,825 --> 00:11:37,830
テンの毛皮もある。
テンの毛皮…。
105
00:11:39,499 --> 00:11:43,503
(宋語)
106
00:11:45,638 --> 00:11:47,974
何?
107
00:11:47,974 --> 00:11:51,644
俺を信じるなと言ったんだ。
なぜ?
108
00:11:51,644 --> 00:11:55,982
宋人は信じるなと
越前の役人が言っていたではないか。
109
00:11:55,982 --> 00:11:59,852
私は ずっと宋の国に憧れていたの。
110
00:11:59,852 --> 00:12:02,789
宋の国は 身分が低い者でも➡
111
00:12:02,789 --> 00:12:06,593
試験を受ければ
官職を得られるのでしょう?
112
00:12:06,593 --> 00:12:10,597
そういう国に
ずっと行ってみたいと思ってきたわ。
113
00:12:13,933 --> 00:12:19,806
宋の言葉を知りたいか?
え…?
114
00:12:19,806 --> 00:12:24,510
ウオジャオ ヂョウ ミン。
115
00:12:29,282 --> 00:12:34,988
私の名前は 周明です?
116
00:12:37,624 --> 00:12:41,294
ウオジャオ マヒロ?
117
00:12:41,294 --> 00:12:44,297
お前こそ 賢い。
118
00:12:44,297 --> 00:12:47,967
シェシェ。
(笑い声)
119
00:12:47,967 --> 00:12:55,642
ネイ ワィ。
中 外。
120
00:12:55,642 --> 00:12:59,979
ネイ ワィ。
121
00:12:59,979 --> 00:13:05,785
外は寒い。
ワィビィェン ヘンラン。
122
00:13:05,785 --> 00:13:09,255
ワィビィェン ヘンラン。
123
00:13:09,255 --> 00:13:14,594
ラン。ラン。
ラン。ラン。
124
00:13:14,594 --> 00:13:19,932
ワィビィェン ヘンラン。
ワィビィェン ヘンラン。
125
00:13:19,932 --> 00:13:22,235
(宋語で)
126
00:13:24,270 --> 00:13:28,941
ウォデェ゛ァフーチン シー
ユェチィェンデェ゛ァ グゥォショウ。
127
00:13:28,941 --> 00:13:32,278
ウォデェ゛ァフーチン シー ユェ…。
128
00:13:32,278 --> 00:13:37,150
シー。シー。
シー。シー。
129
00:13:37,150 --> 00:13:40,787
シー ユェチィェンデェ゛ァ。
シー ユェチィェンデェ゛ァ。
130
00:13:40,787 --> 00:13:43,823
グゥォショウ。グゥォショウ。
うん。 まあ いい。
131
00:13:43,823 --> 00:13:47,293
私は 国守の娘です。
132
00:13:47,293 --> 00:13:50,630
ウォシー
グゥォショウデェ゛ァニュェ゛ァー。
133
00:13:50,630 --> 00:13:54,500
ウォシー… ウォシー。
シー。
134
00:13:54,500 --> 00:13:59,338
ウォシー グゥォショウ…。
グゥォショウデェ゛ァニュェ゛ァー。
135
00:13:59,338 --> 00:14:01,908
グゥォショウデェ゛ァニュェ゛ァー…。
136
00:14:01,908 --> 00:14:05,778
(周明)まひろは 覚えが早い。 賢い。
137
00:14:05,778 --> 00:14:09,782
俺も忘れていた日本の言葉を
かなり思い出した。
138
00:14:09,782 --> 00:14:12,618
私のおかげね。
おかげではない。
139
00:14:12,618 --> 00:14:16,255
俺の心のことだ。
失礼しました。
140
00:14:16,255 --> 00:14:18,191
「失礼しました」は?
141
00:14:18,191 --> 00:14:20,760
シーリーラ。
シーリーラ?
142
00:14:20,760 --> 00:14:24,964
シーリーラ。シーリーラ。
うん。シーリーラ。
143
00:14:32,271 --> 00:14:34,207
風邪をひく。
144
00:14:34,207 --> 00:14:38,945
デェ゛ァフォンハン。デェ゛ァフォンハン。
うん。
145
00:14:38,945 --> 00:14:42,648
風邪をひいたら はりで治して。
146
00:14:45,818 --> 00:14:51,290
指の間に刺すと 熱が下がる。
えっ…。
147
00:14:51,290 --> 00:14:53,626
こんなとこ 痛そう。
148
00:14:53,626 --> 00:14:56,329
だから 風邪はひくな。
149
00:15:01,901 --> 00:15:05,571
あっ 雪…。
150
00:15:05,571 --> 00:15:35,568
♬~
151
00:15:35,568 --> 00:15:43,609
心の声
「ここにかく 日野の杉むら うずむ雪➡
152
00:15:43,609 --> 00:15:49,949
小しほの松に けふやまがえる」。
153
00:15:49,949 --> 00:16:23,583
♬~
154
00:16:23,583 --> 00:16:28,087
(一条天皇)行成 これを覚えておるか?➡
155
00:16:28,087 --> 00:16:31,757
中宮が そなたの文字を気に入って…➡
156
00:16:31,757 --> 00:16:36,596
朕と2人でよく見ておったゆえ
だいぶん傷んでおる。
157
00:16:36,596 --> 00:16:38,531
(藤原行成)中宮様が…。
158
00:16:38,531 --> 00:16:42,468
中宮の好きな歌は➡
159
00:16:42,468 --> 00:16:46,606
紀 貫之の➡
160
00:16:46,606 --> 00:17:02,889
「夢路にも 露やおくらむ 夜もすがら
かよへる袖の ひちて乾かぬ」である。
161
00:17:02,889 --> 00:17:10,363
あのころは このようなことになると
誰も思っておらなかった。
162
00:17:10,363 --> 00:17:20,106
お上と中宮様のお美しさを
私は 生涯 忘れませぬ。
163
00:17:20,106 --> 00:17:24,877
中宮は健やかに過ごしておるであろうか。
164
00:17:24,877 --> 00:17:28,581
そろそろ 子も生まれよう。
165
00:17:28,581 --> 00:17:32,919
高階に ひそかに行くことは
かなわぬであろうか。
166
00:17:32,919 --> 00:17:38,257
中宮様は 出家なされましてございます。
167
00:17:38,257 --> 00:17:41,561
そうではあるが…。
168
00:17:44,130 --> 00:17:47,934
(行成)帝のお心の痛みが
伝わってくるようで➡
169
00:17:47,934 --> 00:17:50,836
苦しくなりました。
170
00:17:50,836 --> 00:17:55,841
(藤原道長)頭を冷やせ。
は?
171
00:18:04,884 --> 00:18:08,888
帝の術中に ハマってはならぬ。
172
00:18:11,557 --> 00:18:17,897
聡明な帝は
行成の優しさを見抜いておられる。
173
00:18:17,897 --> 00:18:23,602
そして 同情を買い
利用しようとしておられる。
174
00:18:26,906 --> 00:18:33,779
帝のおそば近くに仕える蔵人頭は
もっと冷静であってもらいたい。
175
00:18:33,779 --> 00:18:39,085
はっ。 なんとも未熟でございました。
176
00:18:40,920 --> 00:18:45,624
頼んだぞ 行成。
承知いたしました。
177
00:18:49,261 --> 00:18:55,768
(源 倫子)義子様に続いて
この間 元子様も入内されましたけれど➡
178
00:18:55,768 --> 00:19:01,574
帝は 義子様にも元子様にも
お会いにさえならないのですってね。
179
00:19:01,574 --> 00:19:05,444
そんな うわさが もう聞こえているのか。
180
00:19:05,444 --> 00:19:11,050
中宮様をお忘れになれない
帝のお気持ちは分かりますけれど➡
181
00:19:11,050 --> 00:19:15,554
入内された女御様が
お気の毒でございますわね。
182
00:19:17,823 --> 00:19:20,760
全くだ。
183
00:19:20,760 --> 00:19:26,232
殿が 帝と女御様方を結び付けるべく➡
184
00:19:26,232 --> 00:19:32,104
何か 語らいの場でも
設けられたらよろしいのに。
185
00:19:32,104 --> 00:19:39,779
それは 会を催すということか?
ええ。
186
00:19:39,779 --> 00:19:45,584
あっ そうですわ。 ここで催しません?
187
00:19:45,584 --> 00:19:49,922
え?
ここには 女院様もおられるのですもの。
188
00:19:49,922 --> 00:19:52,391
帝もお出ましになりやすいでしょ。
189
00:19:52,391 --> 00:19:58,197
それがいいわ。 万事 お任せくださいませ。
190
00:19:58,197 --> 00:20:02,601
頼もしいのう。
フフフ… はい。
191
00:20:02,601 --> 00:20:07,773
まずは 入内されたばかりの
元子様からにいたしましょう。
192
00:20:07,773 --> 00:20:12,578
お二人 鉢合わせは まずいですものね。
フフフフフ…。
193
00:20:14,547 --> 00:20:19,385
(藤原顕光)こたびのお計らい
お礼の言葉とてござりませぬ。
194
00:20:19,385 --> 00:20:23,255
帝と女御様が お楽しみいただければ
何より。
195
00:20:23,255 --> 00:20:26,959
娘は 琴が得意でございますので➡
196
00:20:26,959 --> 00:20:31,430
帝とお手合わせできることを
喜んでおりました。
197
00:20:31,430 --> 00:20:40,439
まことに… まことに 左大臣殿と女院様の
ご親切 痛み入り たてまつ…。
198
00:20:40,439 --> 00:20:44,643
どうぞ こちらへ。
あっ。
199
00:20:46,979 --> 00:21:20,679
〽
200
00:21:30,523 --> 00:21:35,294
(藤原詮子)
帝の中宮への思いは 熱病のようね。➡
201
00:21:35,294 --> 00:21:41,967
私は 夫であった帝に
めでられたことがないゆえ➡
202
00:21:41,967 --> 00:21:49,642
あんなに激しく求め合う2人の気持ちが
全く分からないの。
203
00:21:49,642 --> 00:21:53,312
お前には分かる?
204
00:21:53,312 --> 00:21:56,315
分からないわよね。
205
00:22:00,119 --> 00:22:04,123
私にも妻が2人おりますが…。
206
00:22:07,259 --> 00:22:11,564
心は 違う女を求めております。
207
00:22:15,935 --> 00:22:18,838
己では どうすることもできませぬ。
208
00:22:18,838 --> 00:22:23,609
やっぱり! 誰かいると思っていたのよね。
209
00:22:23,609 --> 00:22:26,645
まあ されど
もう終わった話にございます。
210
00:22:26,645 --> 00:22:28,948
下々の女子でしょ。 捨てたの?
211
00:22:28,948 --> 00:22:31,283
捨てられました。
えっ!
212
00:22:31,283 --> 00:22:34,987
道長を捨てるって どんな女なの?
213
00:22:36,622 --> 00:22:38,958
よい女でございました。
214
00:22:38,958 --> 00:22:41,260
まあ…。
215
00:22:43,295 --> 00:22:45,998
どんなふうに よいの?
216
00:22:47,633 --> 00:22:53,439
夫をつなぎ止められなかった私には
ない輝きが その人にはあるのね。
217
00:22:53,439 --> 00:22:57,643
中宮も 帝を引き付け
さんざん振り回しているけれど➡
218
00:22:57,643 --> 00:22:59,578
私にはない。
219
00:22:59,578 --> 00:23:02,248
何なの?
220
00:23:02,248 --> 00:23:04,950
それって 一体 何なの?
221
00:23:07,586 --> 00:23:15,261
今宵は 帝が 元子様を
お召しになられるよう祈りましょう。
222
00:23:15,261 --> 00:23:20,933
あっ… その女のことは
倫子と明子は知っているの?
223
00:23:20,933 --> 00:23:24,803
倫子も明子も利口だから
気付いているかもしれないわね。
224
00:23:24,803 --> 00:23:26,805
では。
225
00:23:26,805 --> 00:23:29,108
何よ! 自分から言いだしておいて。
226
00:23:29,108 --> 00:23:31,910
もっと聞かせなさいよ!
227
00:23:45,557 --> 00:23:55,634
(藤原定子)「鶏のひなが
足が長い感じで 白くかわいらしくて➡
228
00:23:55,634 --> 00:24:00,239
着物を短く着たような恰好をして➡
229
00:24:00,239 --> 00:24:04,576
ぴよぴよと にぎやかに鳴いて➡
230
00:24:04,576 --> 00:24:13,585
人の後ろや先に立って ついて歩くのも
愛らしい。➡
231
00:24:13,585 --> 00:24:22,594
また親が ともに連れ立って走るのも
みな かわいらしい」。
232
00:24:25,597 --> 00:24:31,470
姿が見えるようね。 さすがである。
233
00:24:31,470 --> 00:24:33,939
(ききょう)お恥ずかしゅうございます。
234
00:24:33,939 --> 00:24:41,613
そなたが 御簾の下から差し入れてくれる
日々の この楽しみがなければ➡
235
00:24:41,613 --> 00:24:46,318
私は この子と共に 死んでいたであろう。
236
00:24:50,622 --> 00:24:54,626
少納言。
はい。
237
00:24:56,495 --> 00:24:58,797
ああ…。
238
00:25:02,234 --> 00:25:04,236
はい。
239
00:25:05,904 --> 00:25:08,607
ありがとう。
240
00:25:11,577 --> 00:25:17,883
この子が ここまで育ったのは
そなたのおかげである。
241
00:25:19,451 --> 00:25:21,920
もったいないお言葉…。
242
00:25:21,920 --> 00:25:28,927
そなたを見いだした母上にも
礼を言わねばならぬな。
243
00:25:30,596 --> 00:25:36,935
内裏の登華殿に お母上様に呼ばれて
初めて参りました日➡
244
00:25:36,935 --> 00:25:43,108
亡き関白様はじめ 皆様が
あまりにも キラキラと輝いておられて➡
245
00:25:43,108 --> 00:25:45,611
目がくらむほどにございました。
246
00:25:45,611 --> 00:25:51,617
(笑い声)
247
00:25:54,953 --> 00:26:03,762
懐かしいのう…。
はい。
248
00:26:03,762 --> 00:26:11,904
あのころが そなたの心の中で
生き生きと残っているのであれば➡
249
00:26:11,904 --> 00:26:15,207
私も うれしい。
250
00:26:17,576 --> 00:26:25,584
しっかりと残っております。 しっかりと。
251
00:26:31,590 --> 00:26:36,395
翌日 定子は 姫皇子を産んだ。
252
00:26:36,395 --> 00:26:41,600
(行成)今朝 姫皇子がご誕生になりました。
253
00:26:41,600 --> 00:26:46,605
中宮は 無事か!?
お健やかに おわしますそうで。
254
00:26:49,274 --> 00:26:51,577
よかった…。
255
00:26:53,612 --> 00:26:56,515
娘か…。
256
00:26:56,515 --> 00:26:59,518
中宮に会って ねぎらいたい。
257
00:27:10,095 --> 00:27:15,367
絹を たくさん送ってやれ。
今年は 寒いゆえ。
258
00:27:15,367 --> 00:27:17,569
承知いたしました。
259
00:27:22,908 --> 00:27:30,582
東宮 居貞親王は
道長の もう一人の姉の子である。
260
00:27:30,582 --> 00:27:33,886
左大臣様のお越しでございます。
261
00:27:35,921 --> 00:27:41,627
一条天皇より 4歳年長の東宮であった。
262
00:27:43,262 --> 00:27:49,134
東宮様には ご機嫌麗しゅう
この道長も あやかりとう存じます。
263
00:27:49,134 --> 00:27:51,136
(居貞親王)珍しいな 叔父上。
264
00:27:51,136 --> 00:27:54,773
私のことなど 忘れたのかと思っておった。
あっ…。
265
00:27:54,773 --> 00:27:58,944
このところ 雑事が多く
長く参上できずにおりました。
266
00:27:58,944 --> 00:28:01,547
お許しを。
267
00:28:01,547 --> 00:28:07,219
御息所様。 敦明様は
おいくつになられました?
268
00:28:07,219 --> 00:28:09,888
(藤原娍子)3歳にございます。
269
00:28:09,888 --> 00:28:14,560
(居貞)帝のお子は 女であったそうだな。
さようでございます。
270
00:28:14,560 --> 00:28:17,462
出家した尼が 子を産むとは
ゆゆしきことだ。
271
00:28:17,462 --> 00:28:21,733
されど 産養の支度にも
事欠くと聞くゆえ 祝いを送ってやれ。
272
00:28:21,733 --> 00:28:23,769
何でもよい。 叔父上に任せる。
273
00:28:23,769 --> 00:28:27,773
はっ 承知つかまつりました。
274
00:28:30,909 --> 00:28:33,579
(居貞)でかしたぞ 晴明。
275
00:28:33,579 --> 00:28:37,449
お前が言っておったように
姫皇子であったな。
(安倍晴明)はっ。
276
00:28:37,449 --> 00:28:39,918
帝に このまま皇子ができねば➡
277
00:28:39,918 --> 00:28:43,589
我が子 敦明が 東宮になることになる。
そう思うて よいな。
278
00:28:43,589 --> 00:28:50,462
恐れながら 帝に 皇子は
お生まれになりまする。
279
00:28:50,462 --> 00:28:53,098
新しき女御の子か。
280
00:28:53,098 --> 00:29:00,906
中宮様の皇子であろうと存じます。
なんと…。
281
00:29:08,213 --> 00:29:11,550
宣孝殿は 去年➡
282
00:29:11,550 --> 00:29:18,223
「年が明けたら 宋人を見に越前に行くか」
と文をよこしたが➡
283
00:29:18,223 --> 00:29:21,226
とうとう来なかったな。
284
00:29:21,226 --> 00:29:28,567
もう春でございますものね。
相変わらず いいかげんなやつだ。
285
00:29:28,567 --> 00:29:34,072
愉快で お気楽なところが
宣孝様のよいところでございます。
286
00:29:34,072 --> 00:29:38,243
まあ 最初から 来るまいとは
思っておったが。
287
00:29:38,243 --> 00:29:45,917
私も 決して お見えにはならないと
思っておりました。ハハハ…。
288
00:29:45,917 --> 00:29:48,820
宋語の勉強は 進んでいるのか?
289
00:29:48,820 --> 00:29:52,391
まだまだ父上には追いつきませぬが。
290
00:29:52,391 --> 00:29:55,927
楽しそうだな。
はい。
291
00:29:55,927 --> 00:30:00,098
宋語を学ぶのは 面白うございます。
292
00:30:00,098 --> 00:30:04,269
音を聞けば
おのずから漢文が浮かんできて…。
293
00:30:04,269 --> 00:30:10,409
うむ。 お前は 覚えがよいから
周明も教えがいがあろう。
294
00:30:10,409 --> 00:30:15,614
幼い頃 漢詩も 一度聞けば覚えてしまって
驚いたものだ。
295
00:30:15,614 --> 00:30:18,283
覚えておりませぬ。
296
00:30:18,283 --> 00:30:23,622
長い間 わしが官職を得られず➡
297
00:30:23,622 --> 00:30:27,959
そなたに
よい婿を取ってやれなかったこと➡
298
00:30:27,959 --> 00:30:35,300
すまないと思うておる。
どうなさったのですか? いきなり。
299
00:30:35,300 --> 00:30:39,137
周明は 骨のありそうな男だ。
300
00:30:39,137 --> 00:30:41,973
彼の人にとっても お前は救いであろう。
301
00:30:41,973 --> 00:30:46,311
私と周明は
そのような間柄ではありませぬ。
302
00:30:46,311 --> 00:30:48,246
そうか。
303
00:30:48,246 --> 00:30:52,651
うん それなら それでもよい。
304
00:30:52,651 --> 00:30:58,990
好きにせい。
それはございませぬ。
305
00:30:58,990 --> 00:31:03,829
明日から わしは 越前国内の巡察に出る。
306
00:31:03,829 --> 00:31:07,599
ならば 私もお供しとうございます。
307
00:31:07,599 --> 00:31:11,269
そなたは ここにおれ。
308
00:31:11,269 --> 00:31:18,143
雪も解けたゆえ 心配するな。
309
00:31:18,143 --> 00:31:41,433
♬~
310
00:31:47,639 --> 00:31:50,976
(周明)うん。
311
00:31:50,976 --> 00:31:54,312
つがいのカモメ…。
312
00:31:54,312 --> 00:31:57,015
フーフー ハイオウ。
313
00:31:58,984 --> 00:32:02,854
夫婦のカモメだ。
314
00:32:02,854 --> 00:32:05,857
フーフー。
315
00:32:10,595 --> 00:32:16,468
周明に妻はいないの?
いない。
316
00:32:16,468 --> 00:32:20,272
ほかの人たちには身寄りがあるでしょ?
317
00:32:20,272 --> 00:32:22,574
恋しくないのかしら。
318
00:32:26,144 --> 00:32:29,948
帰りたい人は帰るのがいいと思う。
319
00:32:29,948 --> 00:32:34,286
待っている人もいると思うし。
320
00:32:34,286 --> 00:32:37,189
俺に帰ってほしいのか?
321
00:32:37,189 --> 00:32:40,959
国守様の仕事の手伝いか?
322
00:32:40,959 --> 00:32:43,862
私が どうしたいかは関わりないわ。
323
00:32:43,862 --> 00:32:49,301
宋の人たちが どういうふうにしたいかが
大事だと思っただけ。
324
00:32:49,301 --> 00:32:57,642
父の力にも… なりたいけれど
それが全てではないわ。
325
00:32:57,642 --> 00:33:02,914
朱様が帰ると言わない限り
俺たちは帰らない。
326
00:33:02,914 --> 00:33:07,385
なぜ朝廷は
宋と じきじきの商いを嫌がるのだ。
327
00:33:07,385 --> 00:33:09,321
分からない。
328
00:33:09,321 --> 00:33:12,257
なぜ あの人は
そこまで かたくななのかしら…。
329
00:33:12,257 --> 00:33:16,394
あの人? あの人とは 誰だ?
330
00:33:16,394 --> 00:33:19,598
左大臣様。
331
00:33:19,598 --> 00:33:22,267
今 左大臣と言ったか?
332
00:33:22,267 --> 00:33:28,974
ええ。 帝の次に偉い人。
333
00:33:30,609 --> 00:33:32,544
「知り合い」は 何と言うの?
334
00:33:32,544 --> 00:33:34,479
シィァンシー。
335
00:33:34,479 --> 00:33:38,283
友は ポンヨウ。
336
00:33:38,283 --> 00:33:41,953
知り合いは シィァンシー。
337
00:33:41,953 --> 00:33:44,856
ポンヨウ シィァンシー…。
338
00:33:44,856 --> 00:33:46,858
シィァンシー…。
339
00:33:54,966 --> 00:33:57,435
ポンヨウ。
シィァンシー。
340
00:33:57,435 --> 00:34:02,240
(乙丸)姫様! 姫様! 姫様!
341
00:34:05,911 --> 00:34:08,580
(藤原宣孝)宋人を見に参った!
342
00:34:08,580 --> 00:34:11,483
本当にいらしたの?
誰?
343
00:34:11,483 --> 00:34:17,923
遠い親戚で 父の長年の友 藤原宣孝様。
344
00:34:17,923 --> 00:34:19,958
都から お見えになったみたい。
345
00:34:19,958 --> 00:34:23,595
私は周明 宋の薬師だ。
346
00:34:23,595 --> 00:34:27,766
父の病も あっという間に
治してくださった名医なの。
347
00:34:27,766 --> 00:34:31,970
そうか… それは 世話になったのう。
348
00:34:36,274 --> 00:34:39,277
え? どうして?
349
00:34:51,423 --> 00:34:53,925
ザイジィェン。
350
00:34:59,631 --> 00:35:02,901
越前は どうじゃ。
351
00:35:02,901 --> 00:35:08,573
国司の仕事ほど 楽で もうかる仕事はない
と仰せになっておりましたけれど➡
352
00:35:08,573 --> 00:35:11,076
とんでもない見込み違いでございました。
353
00:35:11,076 --> 00:35:14,112
私も 必死で 父の手助けをしております。
354
00:35:14,112 --> 00:35:18,383
それで 宋の言葉も学んだのか。
はい。ご苦労なことだな。
355
00:35:18,383 --> 00:35:21,286
羊も食べました。
羊…。
356
00:35:21,286 --> 00:35:24,189
おいしくはございませんでした。
357
00:35:24,189 --> 00:35:28,059
分からな過ぎる…。
お前に 何が起きておる。
358
00:35:28,059 --> 00:35:31,963
文を下されば
父も巡察の日取りを変えましたのに。
359
00:35:31,963 --> 00:35:35,266
昨年 年が明けたら 宋人を見物に行くと
文は出したぞ。
360
00:35:35,266 --> 00:35:39,270
父も私も 決してお見えにはならないと
思っておりました。
361
00:35:39,270 --> 00:35:42,407
来て悪かったか?
そのようなことは ございませぬ。
362
00:35:42,407 --> 00:35:47,946
されど 都でのお役目があるゆえ
そう気軽には越前においでになれまいと。
363
00:35:47,946 --> 00:35:51,282
物詣と偽って来た。
364
00:35:51,282 --> 00:35:55,286
越前のことが 内裏で しきりに
取り沙汰されておったので➡
365
00:35:55,286 --> 00:35:57,622
為時殿が 心配になってな。
366
00:35:57,622 --> 00:36:02,460
そのようなことが 内裏で明らかになれば
父まで おとがめを受けます。
367
00:36:02,460 --> 00:36:05,063
案ずるな。 明後日には たつ。
368
00:36:05,063 --> 00:36:08,366
長居して露見したら お前に叱られるゆえ。
369
00:36:08,366 --> 00:36:10,301
また そのような!
370
00:36:10,301 --> 00:36:14,172
そのプンとした顔が見たかった。
ハハハハハハ。
371
00:36:14,172 --> 00:36:18,376
これは 都で はやっておる 肌油じゃ。
372
00:36:18,376 --> 00:36:23,581
お前のプンとした顔が ますます生きるぞ。
ハハハハハ…。
373
00:36:23,581 --> 00:36:27,919
これは 為時殿に「玄怪録」。
374
00:36:27,919 --> 00:36:29,954
あっ 「玄怪録」?
375
00:36:29,954 --> 00:36:32,590
えっ!
376
00:36:32,590 --> 00:36:36,928
アハハ… 都の香りがいたします。
377
00:36:36,928 --> 00:36:39,230
アハハハハ…。 ほら。
378
00:36:42,801 --> 00:36:45,270
ウニでございます。
379
00:36:45,270 --> 00:36:48,940
越前のウニは
まことに おいしゅうございますよ。
380
00:36:48,940 --> 00:36:51,943
都の塩ウニとは違うが…。
381
00:37:02,220 --> 00:37:04,889
こうやって…。
382
00:37:04,889 --> 00:37:08,226
うわ~! 今朝 採れたウニですの。
383
00:37:08,226 --> 00:37:11,930
すっかり越前の女のようになっておるな。
フフフフフ…。
384
00:37:13,565 --> 00:37:17,068
私も頂きます。
385
00:37:25,176 --> 00:37:30,181
おお…。
(笑い声)
386
00:37:31,916 --> 00:37:35,220
こうやって…。
387
00:37:40,925 --> 00:37:43,261
頂きますの。
388
00:37:43,261 --> 00:37:45,964
ん~!
ハハハ…。
389
00:37:58,810 --> 00:38:05,216
おお! 磯の香りが すごいのう。
(笑い声)
390
00:38:05,216 --> 00:38:09,921
このようなウニは 帝も ご存じあるまい。
391
00:38:12,724 --> 00:38:14,726
う~ん。
392
00:38:16,895 --> 00:38:19,798
会う度に お前は わしを驚かせる。
393
00:38:19,798 --> 00:38:24,068
この生ウニには 私も 初め驚きました。
394
00:38:24,068 --> 00:38:26,571
そういうことを言ってるんではない。
は…?
395
00:38:26,571 --> 00:38:29,908
わしには 3人の妻と4人の子がおる。
396
00:38:29,908 --> 00:38:32,577
子らは もう一人前だ。
397
00:38:32,577 --> 00:38:39,884
官位も ほどほど上がり これで 人生も
どうやら 落ち着いたと思っておった。
398
00:38:42,253 --> 00:38:49,127
されど お前と会うと
違う世界が かいま見える。
399
00:38:49,127 --> 00:38:51,596
新たな望みが見える。
400
00:38:51,596 --> 00:38:53,898
未来が見える。
401
00:38:55,934 --> 00:38:59,270
まだまだ生きていたいと思ってしまう。
402
00:38:59,270 --> 00:39:02,540
まだまだ生きて
私を笑わせてくださいませ。
403
00:39:02,540 --> 00:39:05,877
怒らせて… であろう?
はあ…。
404
00:39:05,877 --> 00:39:09,747
どちらでも ようございますけれど➡
405
00:39:09,747 --> 00:39:15,220
父とて 国守を力の限り務めております。
406
00:39:15,220 --> 00:39:19,891
宣孝様の人生が 先に落ち着くことなど
ありえませぬ。
407
00:39:19,891 --> 00:39:31,903
♬~
408
00:39:31,903 --> 00:40:02,901
〽
409
00:40:52,216 --> 00:40:54,218
はっ。
410
00:41:38,963 --> 00:41:41,632
あっという間の2日間であった。
411
00:41:41,632 --> 00:41:45,436
父がいたならば
どんなにか喜んだことでございましょう。
412
00:41:45,436 --> 00:41:48,306
為時殿に よろしく伝えてくれ。
413
00:41:48,306 --> 00:41:51,976
道中の糧でございます。
おお… ハハハ。
414
00:41:51,976 --> 00:41:54,812
ウニを もっともっと食べたかったのう。
415
00:41:54,812 --> 00:41:56,748
食べ過ぎは いけません。
416
00:41:56,748 --> 00:42:00,585
過ぎたるは 及ばざるがごとしと
申しますでしょ。
417
00:42:00,585 --> 00:42:03,921
まひろ。
はい。
418
00:42:03,921 --> 00:42:08,259
あの宋人が好きなのか?
419
00:42:08,259 --> 00:42:12,096
あいつと宋の国などに行くなよ。
何のことでございますか?
420
00:42:12,096 --> 00:42:14,999
前に言うておったではないか。
宋の国に行ってみたいと。
421
00:42:14,999 --> 00:42:18,403
ああ… そんなこともございましたね。
422
00:42:18,403 --> 00:42:21,272
都に戻ってこい。
423
00:42:21,272 --> 00:42:24,609
わしの妻になれ。
424
00:42:24,609 --> 00:42:30,281
♬~
425
00:42:30,281 --> 00:42:33,184
なんと! うう…。
私も もう よい年ですし…。
426
00:42:33,184 --> 00:42:35,153
早く まひろと宋に行きたい。
427
00:42:35,153 --> 00:42:37,955
忘れえぬ人がいても よろしいのですか?
よい。
428
00:42:37,955 --> 00:42:41,292
中宮にも会わずに
このまま生き続けることはできませぬ。
429
00:42:41,292 --> 00:42:44,962
世に ためしなし!
殿らしいお考えだこと。
430
00:42:44,962 --> 00:42:47,632
朕が 愚かであった。
殺される…。
431
00:42:47,632 --> 00:42:51,135
(宋語)
宋の品が入ってこない。
432
00:42:51,135 --> 00:42:55,339
脅しか。
私は まだ何も分かっていないのやも…。
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