All language subtitles for 光る君へ - E22 越前の出会い - [1440-FHD@KTGMC-slw.NV7-h264_qvbr 280_u p7][字]
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1
00:00:04,605 --> 00:00:10,277
(宋人たちのどなり声)
2
00:00:10,277 --> 00:00:12,279
(藤原為時 宋語で)
3
00:00:25,292 --> 00:00:29,296
(朱仁聡 宋語で)
4
00:00:34,968 --> 00:00:52,986
(宋語)
5
00:00:52,986 --> 00:00:57,858
(三国若麻呂)私は この客館の通事
三国若麻呂にございます。
6
00:00:57,858 --> 00:01:02,095
おお…。
こちら 宋の商人 朱仁聡にございます。➡
7
00:01:02,095 --> 00:01:06,266
皆が 大変お世話になっていますと
礼を申しております。
8
00:01:06,266 --> 00:01:08,268
ああ…。
9
00:01:12,606 --> 00:01:15,642
今宵は あちらでお休みいただきます。
10
00:01:15,642 --> 00:01:19,446
急なことで すまぬのう。
いえいえ。
11
00:01:23,617 --> 00:01:25,619
(オウム)ニーハオ。
12
00:01:27,487 --> 00:01:29,489
(羊の鳴き声)
13
00:01:29,489 --> 00:01:35,629
(まひろ)朱様は 堂々となさっていて
礼儀正しく よいお方に見えました。
14
00:01:35,629 --> 00:01:41,501
長となる者は そういうものだ。
まことに。
15
00:01:41,501 --> 00:01:45,973
ただ 分からぬところもあるなあ。
16
00:01:45,973 --> 00:01:49,309
何故 帰国せぬのだろうか。
17
00:01:49,309 --> 00:01:52,312
朱は こう申した。
18
00:02:09,930 --> 00:02:15,802
さきの国守様は
何をしておられたのでしょう。
19
00:02:15,802 --> 00:02:21,541
国府に入ったら すぐに調べさせよう。
20
00:02:21,541 --> 00:02:25,479
望郷の念に駆られておる者も おるはずだ。
21
00:02:25,479 --> 00:02:27,481
先ほどのけんかも➡
22
00:02:27,481 --> 00:02:32,185
帰りたい者と帰りたくない者が
争っておったように聞こえた。
23
00:02:32,185 --> 00:02:34,154
お分かりになったのですか?
24
00:02:34,154 --> 00:02:38,291
ああ よくは分からぬ。 何となくだ。
25
00:02:38,291 --> 00:02:43,630
父上が 宋の言葉をお話しになるの
初めて見ました。
26
00:02:43,630 --> 00:02:45,565
話すというほど話せぬ。
27
00:02:45,565 --> 00:02:51,304
でも 宋に渡ろうとなさったのですよね。
28
00:02:51,304 --> 00:02:54,975
そのようなことを なぜ…。
29
00:02:54,975 --> 00:02:57,878
宣孝殿か。
30
00:02:57,878 --> 00:03:03,583
はい。
父上は 博学で 物静かなだけではなく➡
31
00:03:03,583 --> 00:03:07,454
破天荒なこともやってのけるのだと。
32
00:03:07,454 --> 00:03:12,292
余計なことを…。
フフフ。
33
00:03:12,292 --> 00:05:57,824
♬~
34
00:05:57,824 --> 00:06:03,230
(三国)得体の知れないところはありますが
悪い者たちではありませぬ。➡
35
00:06:03,230 --> 00:06:06,566
宋人は 戦を嫌いますゆえ。
36
00:06:06,566 --> 00:06:11,738
(為時)戦を嫌うのか。
(三国)はい 唐の世とは違います。➡
37
00:06:11,738 --> 00:06:15,909
戦で 領地を広げることはしないと
聞きました。
38
00:06:15,909 --> 00:06:18,812
そなたは 何故 宋語ができるのだ?
39
00:06:18,812 --> 00:06:22,782
(三国)修行のために宋に渡られた
坊様の下人として➡
40
00:06:22,782 --> 00:06:24,918
彼の国へ行っておりました。
41
00:06:24,918 --> 00:06:27,621
そうか…。
42
00:06:29,789 --> 00:06:35,795
彼らは まことに商人なのであろうか?
43
00:06:37,931 --> 00:06:44,804
船のこぎ手以外は 商人です。
44
00:06:44,804 --> 00:06:49,276
そうか。
これからも あれこれと教えてくれ。
45
00:06:49,276 --> 00:06:54,581
恐れ多いお言葉にございます。
何なりと。
46
00:07:08,561 --> 00:07:15,902
(乙丸)海というものは
近江の湖と同じように見えます。
47
00:07:15,902 --> 00:07:18,938
この海の向こうは 宋の国よ。
48
00:07:18,938 --> 00:07:21,741
近江の湖とは違う。
49
00:07:29,916 --> 00:07:32,919
(乙丸)戻りましょう 姫様。
50
00:07:48,601 --> 00:07:51,905
ごきげんよろしゅう。
51
00:07:54,274 --> 00:07:56,576
帰りましょう。
52
00:08:00,080 --> 00:08:05,085
私の名前は まひろ。
53
00:08:06,853 --> 00:08:10,557
まひろ。
54
00:08:10,557 --> 00:08:33,246
♬~
55
00:08:33,246 --> 00:08:35,582
シュウメイ…。
56
00:08:35,582 --> 00:08:38,485
あなたの名前は シュウメイ?
57
00:08:38,485 --> 00:08:41,254
(周明)ヂョウ ミン。
ああ…。
58
00:08:41,254 --> 00:08:44,157
ジョー ミン。
59
00:08:44,157 --> 00:08:46,126
ヂョウ ミン。
60
00:08:46,126 --> 00:08:49,596
ヂョウ ミン。
61
00:08:49,596 --> 00:08:53,400
難しいのね 宋の言葉って。
62
00:08:53,400 --> 00:08:55,402
あ…。
63
00:09:02,108 --> 00:09:06,413
朱仁聡という人は…。
64
00:09:09,215 --> 00:09:21,227
♬~
65
00:09:21,227 --> 00:09:27,534
(宋語)
66
00:09:31,571 --> 00:09:33,573
ザイジィエン。
67
00:09:48,121 --> 00:09:53,927
まことに商いをしに来ただけなのか…。
68
00:09:56,596 --> 00:09:58,531
どこに行っておったのだ?
69
00:09:58,531 --> 00:10:01,267
浜辺にございます。
70
00:10:01,267 --> 00:10:03,937
父上。
71
00:10:03,937 --> 00:10:09,109
ザイジィエンとは…
どういう意味にございますか?
72
00:10:09,109 --> 00:10:13,947
また会おうという意味だ。
また会おう…。
73
00:10:13,947 --> 00:10:20,286
国守様 よろしゅうございますか?
入れ。
74
00:10:20,286 --> 00:10:23,957
(三国)明日 国府におたちになる
国守様のために➡
75
00:10:23,957 --> 00:10:28,661
うたげを催したいと
朱殿からのお誘いにございます。
76
00:10:44,277 --> 00:11:14,274
♬~
77
00:11:15,942 --> 00:11:29,289
(宋語)
78
00:11:29,289 --> 00:11:31,791
我らの国の料理です。➡
79
00:11:31,791 --> 00:11:34,294
国守様のために作らせました。➡
80
00:11:34,294 --> 00:11:37,297
国守様の前途をことほいで。
81
00:11:37,297 --> 00:11:39,632
チン。
チン。
82
00:11:39,632 --> 00:11:41,634
チン。
83
00:11:47,974 --> 00:11:53,980
(笑い声)
84
00:11:58,985 --> 00:12:01,588
(宋語)
85
00:12:01,588 --> 00:12:06,459
(三国)羊の肉にございます。
羊!?
86
00:12:06,459 --> 00:12:12,599
あの庭にいた
茶色の あれでございます。➡
87
00:12:12,599 --> 00:12:18,304
羊を1匹潰すのは
宋の国では 最高のもてなしです。
88
00:12:24,611 --> 00:12:28,615
チン。
ああ。 どうぞ。
89
00:12:36,623 --> 00:12:38,625
(為時)ん…。
90
00:12:41,961 --> 00:12:44,664
頂きます。
91
00:12:56,976 --> 00:13:01,247
まあ…➡
92
00:13:01,247 --> 00:13:03,182
おいしい。
93
00:13:03,182 --> 00:13:07,920
(笑い声)
94
00:13:07,920 --> 00:13:12,258
(宋語)
95
00:13:12,258 --> 00:13:14,193
シェシェ。シェシェ。
シェシェ。
96
00:13:14,193 --> 00:13:17,897
食べてくれて ありがとうと
言っております。
97
00:13:35,281 --> 00:13:41,621
(宋語)
98
00:13:41,621 --> 00:13:46,492
すばらしい漢詩を作られたと
感心しております。
99
00:13:46,492 --> 00:13:49,495
(宋語)
100
00:13:49,495 --> 00:13:52,632
シェシェ。
101
00:13:52,632 --> 00:13:55,335
シェシェ。
102
00:13:58,304 --> 00:14:01,307
はあ…。
103
00:14:08,114 --> 00:14:11,117
ごちそうさまでした。
104
00:14:12,819 --> 00:14:17,523
宋の方々は にぎやかね。
105
00:14:19,258 --> 00:14:24,130
正直 羊は
あんまり おいしくなかったけど…。
106
00:14:24,130 --> 00:14:27,133
シェシェ。
107
00:14:29,268 --> 00:14:34,273
シェシェは
ありがとうという意味ではないの?
108
00:14:37,944 --> 00:14:40,246
シェシェ。
フッ…。
109
00:14:41,814 --> 00:14:46,953
ああ… もう飲めぬ…。
110
00:14:46,953 --> 00:14:50,623
では そろそろ おいとまいたしましょう。
ああ。
111
00:14:50,623 --> 00:14:54,327
ああ…。 参りましょう。
112
00:15:14,580 --> 00:15:22,455
翌日 松原客館を出た為時らは
越前国府に到着した。
113
00:15:22,455 --> 00:15:42,608
♬~
114
00:15:42,608 --> 00:15:47,947
(源 光雅)遠路はるばる越前へ
ようこそお越しくださいました。➡
115
00:15:47,947 --> 00:15:53,419
越前介 源 光雅にございます。
116
00:15:53,419 --> 00:15:59,625
(大野国勝)大掾 大野国勝にございます。
117
00:15:59,625 --> 00:16:04,463
(光雅)京の都と違い
初めは 何かとご不便がおありでしょう。
118
00:16:04,463 --> 00:16:11,237
我らに 何なりと
お尋ね お申しつけくださいませ。
119
00:16:11,237 --> 00:16:16,576
従五位下 藤原朝臣為時である。
120
00:16:16,576 --> 00:16:21,747
身に余る大任であるが
誠心誠意 努める所存➡
121
00:16:21,747 --> 00:16:27,620
諸事よしなに頼むぞ。
(一同)ははっ!
122
00:16:27,620 --> 00:16:36,262
早速だが 道中 敦賀にて
宋人たちの様子は見てきた。
123
00:16:36,262 --> 00:16:38,931
船の修理は どうなっておる?
124
00:16:38,931 --> 00:16:44,804
予定より遅れてはおりますが
粛々と進めておりまする。
125
00:16:44,804 --> 00:16:48,274
事の子細を 早速に知らせよ。
126
00:16:48,274 --> 00:16:53,145
いずれは赴いて
この目で 船の様子も見たい。
127
00:16:53,145 --> 00:16:56,616
(光雅)ご着任早々 そのような。
128
00:16:56,616 --> 00:17:01,220
宋人のことは
こちらで よしなにやっておきますので。
129
00:17:01,220 --> 00:17:04,123
(為時)いや…。
130
00:17:04,123 --> 00:17:10,563
左大臣様より 宋人の扱いを任されて
私は 越前に参った。
131
00:17:10,563 --> 00:17:15,568
我が国が
信用を落とすようなことはできぬ。
132
00:17:19,272 --> 00:17:25,478
はっ。 では 船の子細は 後ほど…。
133
00:17:30,249 --> 00:17:34,921
姫様 こちらで お過ごしいただきます。
134
00:17:34,921 --> 00:17:49,468
♬~
135
00:17:49,468 --> 00:17:52,471
これにて。
136
00:17:52,471 --> 00:18:16,228
♬~
137
00:18:16,228 --> 00:18:22,902
心の声
「かきくもり 夕立つ波の 荒ければ➡
138
00:18:22,902 --> 00:18:28,608
浮きたる船ぞ しづ心なき」。
139
00:18:35,915 --> 00:18:38,918
もうよい。 下がれ。
140
00:19:04,877 --> 00:19:12,551
どうぞ 越前のことは
我ら越前の者に お任せくださいませ。
141
00:19:12,551 --> 00:19:17,223
国守様は
それを ただ お認めいただければ➡
142
00:19:17,223 --> 00:19:24,230
懐を お肥やしになって
都にお戻りになれましょう。
143
00:19:33,239 --> 00:19:36,909
そなたは私を愚弄する気か。
144
00:19:36,909 --> 00:19:40,613
めっそうもないことにございます。
145
00:19:43,783 --> 00:19:46,085
下がれ。
146
00:19:52,925 --> 00:19:55,628
ははっ。
147
00:20:10,476 --> 00:20:12,778
次の者。
148
00:20:15,614 --> 00:20:18,651
吉野瀬川の橋がきしんでおるんで
お願いします。➡
149
00:20:18,651 --> 00:20:22,288
ああ それと 芹川と船津の者たちが➡
150
00:20:22,288 --> 00:20:27,159
田の水の取り合いで
大げんかになっておりますので お裁きを。
151
00:20:27,159 --> 00:20:34,166
それらの者は 来ておるのか?
後ろの方におるやもしれませんけれど…。
152
00:20:35,835 --> 00:20:40,639
ああ… 本日は
いつもより 随分と人が多いので➡
153
00:20:40,639 --> 00:20:42,975
まだ外におるのでございましょう。
154
00:20:42,975 --> 00:20:48,681
ああ… 分かった。
橋のことは 急ぎ取り計らう。
155
00:20:50,850 --> 00:20:54,320
介はおらぬか? 源 光雅殿。
156
00:20:54,320 --> 00:20:58,190
うちの方では 米が不作でございます。
157
00:20:58,190 --> 00:21:04,497
別の品を 代わりにお納めしても
よろしゅうございましょうか?
158
00:21:06,265 --> 00:21:11,604
浜に流れ着いたものを
独り占めした者がおり…。
159
00:21:11,604 --> 00:21:17,910
妻が キツネに化かされて
毎晩いなくなるのです。
160
00:21:27,953 --> 00:21:30,656
次の者。
161
00:21:36,629 --> 00:21:39,965
あれは 嫌がらせでございましょうか?
162
00:21:39,965 --> 00:21:42,868
恐らく そうであろう。➡
163
00:21:42,868 --> 00:21:49,175
この先 あの光雅は やっかいだのう…。
164
00:21:59,985 --> 00:22:02,888
恐れることはありませぬ。
165
00:22:02,888 --> 00:22:08,260
父上は 父上のお考えどおり
政をなさいませ。
166
00:22:08,260 --> 00:22:12,565
私が おそばにおりますゆえ。
167
00:22:20,606 --> 00:22:24,276
うむ… ここが よう分からぬ。
168
00:22:24,276 --> 00:22:27,613
もう少し詳しく記せと言ってきてくれ。
169
00:22:27,613 --> 00:22:30,316
詳しく…。
170
00:22:39,959 --> 00:22:42,628
失礼いたします。
171
00:22:42,628 --> 00:22:45,297
ああ…。
172
00:22:45,297 --> 00:22:48,968
朱殿より お願いがあって
参上いたしました。
173
00:22:48,968 --> 00:22:50,903
何であろうか?
174
00:22:50,903 --> 00:22:55,307
朱殿は 朝廷に 品物を献上いたしたいと
申しております。➡
175
00:22:55,307 --> 00:22:58,310
お取り次ぎいただきたく
お願いいたします。
176
00:22:58,310 --> 00:23:01,914
何故 朝廷に貢ぎ物を…。
177
00:23:01,914 --> 00:23:03,849
(三国)松原客館にて➡
178
00:23:03,849 --> 00:23:07,586
大変よくしていただいている
お礼にございます。
179
00:23:07,586 --> 00:23:13,292
ああ… それは どうしたものかな…。
180
00:23:24,136 --> 00:23:31,610
(宋語)
181
00:23:31,610 --> 00:23:35,281
どうしても 献上したいそうで。
182
00:23:35,281 --> 00:23:41,420
うむ。 では 都の左大臣様に文を書いて
お伺いしてみるゆえ➡
183
00:23:41,420 --> 00:23:45,291
しばし待たれよ。
184
00:23:45,291 --> 00:23:47,960
うっ…。
185
00:23:47,960 --> 00:23:50,296
いかがされました?
186
00:23:50,296 --> 00:23:52,298
国守様。
187
00:23:56,635 --> 00:23:58,570
(宋語)
188
00:23:58,570 --> 00:24:01,073
宋の薬師を呼びますので。
189
00:24:01,073 --> 00:24:04,877
(為時)
ああ いやいや 大したことはないゆえ…。
190
00:24:15,587 --> 00:24:20,893
(三国)参上しました。
どうぞ。
191
00:24:31,937 --> 00:24:34,239
さあ。
192
00:24:45,951 --> 00:24:51,657
この人が 薬師?
(三国)そうです。
193
00:24:53,292 --> 00:25:00,899
ん? 何か?
いえ お願いします。
194
00:25:00,899 --> 00:25:03,802
(宋語)
195
00:25:03,802 --> 00:25:06,805
拝見します。
196
00:25:13,912 --> 00:25:16,582
(宋語)
197
00:25:16,582 --> 00:25:20,252
舌を出してください。
198
00:25:20,252 --> 00:25:39,538
♬~
199
00:25:41,940 --> 00:25:44,276
(宋語)
200
00:25:44,276 --> 00:25:50,282
うつ伏せになってください。
お召し物は 脱ぎます。
201
00:26:00,225 --> 00:26:03,128
な… 何でございますか? それは…。
202
00:26:03,128 --> 00:26:06,899
(三国)
宋のはりです。 これで 何でも治します。
203
00:26:06,899 --> 00:26:09,601
ふ~ん…。
204
00:26:12,371 --> 00:26:15,240
え… えっ それ!?
205
00:26:15,240 --> 00:26:17,176
(宋語)
206
00:26:17,176 --> 00:26:19,912
(三国)大丈夫です。
207
00:26:19,912 --> 00:26:36,462
♬~
208
00:26:36,462 --> 00:26:45,471
(叫び声)
209
00:26:47,139 --> 00:26:51,844
よくなったやもしれぬ。
(三国)ああ…。
210
00:27:01,520 --> 00:27:06,425
(宋語)
211
00:27:06,425 --> 00:27:10,729
(三国)心が張り詰め 頭が凝っている。
212
00:27:12,564 --> 00:27:24,910
(宋語)
213
00:27:24,910 --> 00:27:28,580
(三国)
私は 5日に一度 彼にかかっている。➡
214
00:27:28,580 --> 00:27:33,252
だから 息災なのです。
(為時)ああ…。
215
00:27:33,252 --> 00:27:37,589
これが 宋の医学なのか…。
216
00:27:37,589 --> 00:27:42,261
(宋語)
(三国)お大事に。
217
00:27:42,261 --> 00:27:48,934
ありがとうございました。
まことに かたじけない。 礼を言う。
218
00:27:48,934 --> 00:27:53,605
(宋語)
219
00:27:53,605 --> 00:27:59,611
(三国)貢ぎ物の件
よろしくお頼みいたします。
220
00:28:07,553 --> 00:28:09,888
(藤原実資)これが 献上品なのか…。
221
00:28:09,888 --> 00:28:11,823
ニーハオ。
222
00:28:11,823 --> 00:28:14,560
(実資)ニーハオ?
223
00:28:14,560 --> 00:28:18,230
オウムとは 奇妙な鳴き声だ。
224
00:28:18,230 --> 00:28:21,733
(藤原公任)オウムは 人の言葉を
まねできるといいます。
225
00:28:21,733 --> 00:28:26,538
宋の言葉やもしれません。
宋の言葉な…。
226
00:28:28,907 --> 00:28:35,080
宋人は この献上品と共に
何か頼み事をしてきたのですか?
227
00:28:35,080 --> 00:28:37,282
さあな。
228
00:28:39,585 --> 00:28:46,458
ただ置いて帰るとは 不可解でありますな。
229
00:28:46,458 --> 00:28:51,196
(実資)不可解… 不可解 不可解。
230
00:28:51,196 --> 00:28:54,199
不可解 不可解。
231
00:29:02,808 --> 00:29:08,213
「無事に朝廷に貢ぎ物を届けられた。➡
232
00:29:08,213 --> 00:29:13,552
深く感謝する」だそうだ。
233
00:29:13,552 --> 00:29:18,890
いつもの通事は
いかがされたのでしょう?
234
00:29:18,890 --> 00:29:21,893
そうだな…。
(国勝)ご無礼。
235
00:29:25,564 --> 00:29:30,569
松原客館の通事 三国若麻呂が
殺されました。
236
00:29:35,741 --> 00:29:38,243
ん。
はっ。
237
00:29:44,916 --> 00:29:47,219
来い!
238
00:29:49,588 --> 00:29:51,623
なぜ 朱を。
239
00:29:51,623 --> 00:29:53,759
あやつが 咎人にございます。
240
00:29:53,759 --> 00:29:57,596
今朝 2人が 口論していたことなど
あらゆる証拠が そろっております。
241
00:29:57,596 --> 00:29:59,931
あの者の話は 私が聴く。
242
00:29:59,931 --> 00:30:03,602
通事がおりませんので
やっかいにございますが。
筆談をする。
243
00:30:03,602 --> 00:30:07,472
国守様は 咎人などに
お近づきになってはなりませぬ。➡
244
00:30:07,472 --> 00:30:09,775
こちらで調べますゆえ。
245
00:30:13,945 --> 00:30:18,817
信じられぬ あの朱が…。
246
00:30:18,817 --> 00:30:24,289
もし間違いであれば
国の信用に関わる 一大事じゃ。
247
00:30:24,289 --> 00:30:28,126
異国人のことですゆえ
裁きは難しゅうございます。
248
00:30:28,126 --> 00:30:31,163
このことは
左大臣様にお伝えになった方が➡
249
00:30:31,163 --> 00:30:34,900
よろしいのではないでしょうか。
ああ。
250
00:30:34,900 --> 00:30:37,636
あっ…。
251
00:30:37,636 --> 00:30:40,305
文は 私が書きます。
252
00:30:40,305 --> 00:30:42,974
父上を あちらの館へ。
253
00:30:42,974 --> 00:31:05,597
♬~
254
00:31:05,597 --> 00:31:13,472
うむ… この件 我が国の法で
異国の者を裁けるのであろうか…。
255
00:31:13,472 --> 00:31:17,943
これを機に 宋国に追い返すのが
よろしいかと存じます。
256
00:31:17,943 --> 00:31:23,281
(藤原斉信)藤原為時は 優秀だから
越前守に替わったのでしょう。➡
257
00:31:23,281 --> 00:31:25,784
為時に任せておけば
よいのではありませぬか。
258
00:31:25,784 --> 00:31:28,286
(源 俊賢)式部省に属していた男が➡
259
00:31:28,286 --> 00:31:32,157
殺人の裁きができるとも思いませぬ。
(藤原道綱)だよね。
260
00:31:32,157 --> 00:31:35,961
されど 殺人を見逃すのも
どうでありましょうか。
261
00:31:35,961 --> 00:31:41,299
殺されたのは 我が国の者にございます。
だよね。
262
00:31:41,299 --> 00:31:45,003
左大臣殿は いかがお考えか?
263
00:31:46,972 --> 00:31:52,778
(藤原道長)明法博士に調べさせた上で
お上にお伺いいたす。
264
00:31:52,778 --> 00:32:01,586
陣定で諮れと仰せになれば
いま一度 議論いたそう。
265
00:32:13,932 --> 00:32:15,934
(ため息)
266
00:32:32,284 --> 00:32:36,955
お前の父も 左大臣であったな。
267
00:32:36,955 --> 00:32:39,958
あちらで遊びましょう。
268
00:32:44,830 --> 00:32:51,503
(源 明子)父が左大臣だった頃のことは
私は 幼くて覚えておりませぬ。➡
269
00:32:51,503 --> 00:32:55,340
ただ 父が失脚しなければ➡
270
00:32:55,340 --> 00:32:59,978
兄が左大臣であったやもしれぬと
思ったことはございます。➡
271
00:32:59,978 --> 00:33:02,881
されど このごろ思います。
272
00:33:02,881 --> 00:33:07,586
兄には 左大臣は務まるまいと。
273
00:33:07,586 --> 00:33:12,591
俺とて 務まってはおらぬ。
274
00:33:15,260 --> 00:33:22,968
俺の決断が 国の決断かと思うと…。
275
00:33:25,904 --> 00:33:34,613
殿に務まらねば 誰も務まりませぬ。
276
00:33:34,613 --> 00:33:38,950
近頃 口が うまくなったな。
277
00:33:38,950 --> 00:33:43,622
私は変わったのでございます。
278
00:33:43,622 --> 00:33:50,962
敵である藤原の殿を
心からお慕いしてしまった。
279
00:33:50,962 --> 00:33:56,268
それが私の ただ一つの
もくろみ違いでございました。
280
00:33:58,837 --> 00:34:08,914
ほう…。 もくろみどおりであれば…➡
281
00:34:08,914 --> 00:34:13,251
俺は生きてはいなかったのだな。
282
00:34:13,251 --> 00:34:17,122
されど 殿は生きておいでです。
283
00:34:17,122 --> 00:34:30,135
こうなったら 殿のお悩みも お苦しみも
全て 私が忘れさせてさしあげます。
284
00:34:34,539 --> 00:34:38,243
私が全て。
285
00:34:45,951 --> 00:34:49,287
殿にも いつか➡
286
00:34:49,287 --> 00:34:56,995
明子なしには生きられぬと
言わせてみせます。
287
00:35:07,772 --> 00:35:10,575
道長。
実資に代わって➡
288
00:35:10,575 --> 00:35:14,446
今は 公任が 検非違使別当になっている。
289
00:35:14,446 --> 00:35:18,450
大宰府に向かっているはずの伊周が
都に戻ったらしい。
290
00:35:18,450 --> 00:35:20,585
何だと!?
291
00:35:20,585 --> 00:35:23,622
多分 病の母親に会いに来たのだろう。
292
00:35:23,622 --> 00:35:29,928
どうする?
ああ…。
293
00:35:29,928 --> 00:35:32,263
左大臣に聞くなどせずに➡
294
00:35:32,263 --> 00:35:36,935
とっとと高階明順の屋敷をあらためれば
よいのだが…。
295
00:35:36,935 --> 00:35:39,637
俺って 優しいからな。
296
00:35:41,606 --> 00:35:48,480
お前は 行かないな。
うん 公任に任せる。
297
00:35:48,480 --> 00:35:52,951
苦手だな… こういうの。
298
00:35:52,951 --> 00:35:55,253
(藤原伊周)母上…。
299
00:35:57,622 --> 00:35:59,958
ここから先は通れぬ。
300
00:35:59,958 --> 00:36:03,561
速やかに大宰府に向かえ。
301
00:36:03,561 --> 00:36:08,233
(伊周)ここまで来たのだ…。➡
302
00:36:08,233 --> 00:36:12,904
せめて 顔だけでも見させてくれ。
303
00:36:12,904 --> 00:36:18,576
母は 俺に会いたがっておる。
304
00:36:18,576 --> 00:36:20,578
ならぬ。
305
00:36:25,250 --> 00:36:27,552
頼む…。
306
00:36:31,589 --> 00:36:33,892
(ため息)
307
00:36:39,464 --> 00:36:42,267
分かった。
308
00:36:44,602 --> 00:36:47,272
別れを告げてまいれ。
309
00:36:47,272 --> 00:36:49,274
すまぬ…。
310
00:36:55,613 --> 00:37:02,620
(ききょう)
ただいま 御母君 お隠れになりました。
311
00:37:35,920 --> 00:38:30,108
♬~
312
00:38:30,108 --> 00:38:38,583
この度は なんとお悔やみ申すべきか
言の葉も浮かびませぬ。
313
00:38:38,583 --> 00:38:41,920
(藤原定子)
喪に服しておる この身をいとわず➡
314
00:38:41,920 --> 00:38:46,591
左大臣殿 御自らお越しとは
痛み入ります。
315
00:38:46,591 --> 00:38:51,930
⚟亡き義姉上には
幼き頃からお世話になりましたゆえ。
316
00:38:51,930 --> 00:38:57,735
帝の御心に背き続けた兄の所業
許してください。
317
00:38:57,735 --> 00:38:59,671
はっ。
318
00:38:59,671 --> 00:39:06,211
道長殿 近くへ来ていただけませぬか。
319
00:39:06,211 --> 00:39:10,515
中宮様…。
(定子)お願いします。
320
00:39:36,574 --> 00:39:41,579
帝のお子を みごもっております。
321
00:39:46,584 --> 00:39:55,894
父も母も逝き 兄も弟も遠く
高階に力はなく…。
322
00:39:57,929 --> 00:40:05,603
帝のお子を この先
どうやって生み育てていけばよいのか➡
323
00:40:05,603 --> 00:40:08,273
途方に暮れております。
324
00:40:08,273 --> 00:40:16,781
左大臣殿 どうか… どうか この子を➡
325
00:40:16,781 --> 00:40:19,817
あなたの力で守ってください。➡
326
00:40:19,817 --> 00:40:22,954
私は どうなってもよいのです。
327
00:40:22,954 --> 00:40:27,258
されど この子だけは…。
328
00:40:35,967 --> 00:40:37,902
(一条天皇)なんと…。
329
00:40:37,902 --> 00:40:42,206
間もなく ご誕生だそうにございます。
330
00:40:44,642 --> 00:40:46,577
今から高階の屋敷に行く。
331
00:40:46,577 --> 00:40:50,982
お上! なりませぬ。
332
00:40:50,982 --> 00:40:56,854
勅命に背き 自ら髪を下ろされた中宮様を
お上がお訪ねになれば➡
333
00:40:56,854 --> 00:41:00,591
朝廷のけじめは つきませぬ。
ならば 中宮を内裏に呼び戻す。
334
00:41:00,591 --> 00:41:04,929
朝廷の安定を 第一にお考えくださいませ。
335
00:41:04,929 --> 00:41:08,933
我が子まで宿している中宮に
朕は 生涯 会えぬのか!
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00:41:13,604 --> 00:41:19,911
生涯 会えぬのか。
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00:41:24,115 --> 00:41:30,621
遠くから お見守りいただくことしか
できませぬ。
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00:41:38,963 --> 00:41:43,301
(為時)越前のことは
越前で なんとかせよと…。➡
339
00:41:43,301 --> 00:41:45,636
左大臣様の仰せだ。
340
00:41:45,636 --> 00:41:52,310
左大臣様としたことが
随分と頼りないものでございますね。
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00:41:52,310 --> 00:41:56,014
そのようなことを申すな。
342
00:41:57,982 --> 00:42:02,387
こらこら こらこら…。
待たんか! おい! 待て!
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00:42:02,387 --> 00:42:05,256
こらこら こらこら…。
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00:42:05,256 --> 00:42:07,558
話があって来た。
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00:42:09,127 --> 00:42:13,831
待て。
(2人)はっ。
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00:42:15,600 --> 00:42:18,603
朱様は 通事を殺していない。
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00:42:20,271 --> 00:42:22,573
証人だ。
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00:42:30,615 --> 00:42:33,418
あなたは 宋人なの? 日本人なの?
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00:42:33,418 --> 00:42:36,954
指の間に刺すと 熱が下がる。
こんなとこ 痛そう。
350
00:42:36,954 --> 00:42:39,624
頭を冷やせ。
よい女でございました。
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00:42:39,624 --> 00:42:43,494
えっ! 道長を捨てるって どんな女なの?
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00:42:43,494 --> 00:42:45,496
好きにせい。
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00:42:45,496 --> 00:42:47,799
うわ~! 今朝 採れた ウニですの。
354
00:42:47,799 --> 00:42:51,302
分からな過ぎる…。
私のことなど 忘れたのかと思っておった。
355
00:42:51,302 --> 00:42:55,306
今 左大臣と言ったか?
帝の次に偉い人。
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