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Original subtitles

《(七五三木)もっと速く もっと正確に 丁寧に!》

《(一同)はい!》

《(七五三木)食材は 今 この瞬間にも鮮度が落ちてる》

《1秒たりともムダにしない!》 《(晃)はい!》

《(七五三木)もっと速く もっと正確に!》 《はい!》

《お願いします》

《森田君》 《はい》

《旨み 香り 温度 食感》

《どれも完璧》

《(七五三木)でも 君の料理にはパッションがない》

《パッション?》

《一皿にかける情熱》

《お客様への思い》

《食を通じて 人の心に訴えかける何かが決定的に足りない》

《まるで ロボットが作った料理みたい》

《君 この仕事 向いてないよ》

はあ はあ…

うっ! (祐樹)ん…

ごめんなさい

ごめんなさい…

(あくび)

(奈月)おはよう

おはよう 早いじゃん 怖い夢でも見た?

もしかして図星?

いや…

うん… 私もよく見るんだよね 怖い夢

うちの実家 定食屋だったんだけど

お母さんが倒れて 自分一人で店開ける夢とか よく見る

何か そういうときに限って お客さん たくさん来ちゃって

もう無理 助けて~って 叫んでるんだけど

目が覚めると ちょっと寂しいの

あれって何なんだろうね

何? 人のすっぴん ジロジロ見てんじゃねえよ

えっ 高い 高い高い これ ちょちょちょ 奈月 高い こんぐらいでやめとく?

な~にケチくさいこと言ってんの ガンッガン入れな

大丈夫かよ 金 いや 余裕っしょ SNSでいいオファー来たし

えっ いいオファーって?

何か カレー 一人分作って

依頼人が満足したら

この金額くれるって話

えっ? これマジ? マジ

何で こんなオファー 俺らに来たの? フォロワー少ねえのに

さあ? まあ 普段の私の行いが いいからじゃん?

何か言えよ

あっ ここじゃね?

うわっ でか~

晃 着いたよ

晃 コンロつけっぱなし!

(祐樹と奈月が笑う)

職業病だね

何じゃ この家 でかっ! あ~

いかにも お金持ちって感じ

何て読むの? これ

シチゴサン… キ? シチ…

(チャイム)

(百合)どうぞ ありがとうございます

ありがとうございま~す

アッツ! ちょっ アッツ!

あの 早速ですけど ご連絡いただいたお話って本当ですか?

もちろんです

えっと じゃあ え~っと シチゴサンキさんに

「七五三」に「木」と書いて 「しめき」と読みます あ…

失礼しました では 七五三木さんにカレーをお作りして

ご満足いただけたら あの金額をいただけるということで

はい でも 肝心のシェフがいらっしゃらないようですが

ああ えっと 外で待たせてます あいつ 挨拶とか苦手なんで

お手数ですが こちらに連れて来ていただけますか?

(ため息)

晃~ お客さんが顔見せろって

えっ? 晃~

おい 晃~

ええっ?

「お世話になりました」

シェフが消えました シェフが消えた?

ハハハ まあ その辺 プラプラしてると思いますけどね へへっ

携帯に連絡できないんですか?

ああ 電話 全然出ないんすよ あいつ 変なヤツでしょ?

申し訳ありません あとできちんと挨拶させますので

(七五三木)やっぱり逃げたのね

(百合)お母さん…

あの子は昔からそう

嫌なことがあると すぐ逃げ出す

知ってるんですか? 晃のこと

もちろん

森田晃は 私の弟子ですから

母は フレンチのシェフだったんです (祐樹・奈月)へえ~

へえ~ すごっ

あっ いたいた! ハハハハ! しけたツラしてんな こいつ

えっ っていうか このリストワール・セットってお店

どっかで聞いたことあるような…

フランスの専門誌で10年連続 三つ星を取ったレストランですから

えっ すごっ 晃 そんな立派な店にいたんだ

修業の途中で逃げちゃいましたけど

あの子が今 どんな料理を作ってるか 気になって オファーしたけど

やる気がないなら仕方ないわね

この話は 忘れてください

えっ?

わざわざお越しいただいたのに すみません

いえ こちらこそ いつか お母様のレストランにお伺いします

母はもう 厨房に立ってないんです

事故に遭って 左腕にマヒが残っちゃって→

思うように料理ができなくなって 引退したんです

そうですか

でも 職業病っていうのかな お店のこと忘れられないみたいで

味が落ちてないか 弟子達は元気にしてるか→

いつも心配ばかりしてます→

森田さんのことも ずっと気にかけてるんですよ→

自分のせいで 才能を潰してしまったかもしれないって

おい あ…

やっぱいねえわ う~ん

どうする? 料理担当の求人でも出すか

あ~

車 出して

えっ?

晃が戻るまで キャバクラで働く

何で?

何でって 逆に何で?

何で そこまで できるんだよ

う~ん

多分 楽しいから

好きなときに 好きなとこで暮らせるって 何か楽しいじゃん

自由って感じで

よし がっつり稼いでくるわ

気をつけて おい

じゃあね

(エンジンをかける)

お前 勝手にいなくなってんじゃねえよ

紙に書いた

聞いたよ

お前 レストランの修業から逃げ出したんだって?

で 何?

次は キッチンカーからも逃げるわけ?

なーんて

偉そうに説教できる人間じゃねえしな 俺も

えっ?

フラれんの怖くて ミエちゃんに告白できなかったし

誰? うん?

小学校のとき 好きだった女の子

アキちゃんからも ヨーコからも逃げちゃったし

あっ あと 運動会も よく仮病使って休んでたわ

今 ダッサ~って思っただろ

うん

そうだよ

ダサいんだよ 俺達 逃げてばっかでさ

でも そんなしょうもない野郎どもを 奈月は拾ってくれた

今も キッチンカー続けるために働いてくれてる

だから 俺はもう逃げたくないし

お前にも逃げてほしくない

よいしょ

晃 勝負しようぜ

は?

お前が勝ったら ナツキ食堂のシェフやめていい

その代わり もし 俺が勝ったら

三つ星おばさんに 超うまいカレー作れ

お前が最高のシェフだってこと 証明しろ

しゃっ!

よし!

しゃっ!

(ため息)

俺の負けだよ

インドでもどこでも 好きなとこ行け

あっ ただ

奈月には挨拶してからにしろよ

一応 世話になったんだから

ふざけてんじゃねえよ ボケ!

あいつさ お前が戻るまで私が稼ぐって…

ああっ! ああ! うわっ!

ちょちょ お前 もう今日あがりかよ

すっごいムカつく客いたから!

《ちょっと…》 《ちょっとやめてくださいよ》

《えっ ちょっといいじゃん》 《ちょっとやめてくださいよ!》

《おい 何してんだよ このクソ変態野郎が!》

《おい 触んじゃねえよ バ~カ!》

《あ…》 《出禁だ!》

えっ!? じゃあ 今日の売り上げ ゼロってこと?

むしろ赤字 クリーニング代 払ったし

いや マジか

どうすんだよ これから

何 ジロジロ見てんの?

金目鯛…

はあ?

金目鯛

トマト ニンニク しょうが タマネギ

えっ 祐樹 メモして メモ! 早く 早く早く早く!

ちょっ… お前 どうしたんだよ 急に

キンメ… 金目鯛 金目鯛…

今度は逃げない

お願いしやす!

明日 必ずお支払いしますので

いいよ

ありがとうございます!

晃~!

おい これでいけるか?

よし

《君 この仕事 向いてないよ》

《お前が最高のシェフだってこと》

《証明しろ》

よしっ

<伊東の海で取れる金目鯛>

<あらは じっくりと水から煮出し>

<旨みあふれる出汁をひく>

<金目鯛の身には塩を振り>

<水分と臭みを抜いて 旨みを閉じ込める>

<焼きは皮目から>

<返しは1回で 身崩れを防ぐ>

<フタはせずに 水分を飛ばせば>

<皮はパリッと 身はふっくらする>

<タマネギは粗みじん トマトは角切り>

<今日合わせるスパイスは>

<感覚で>

<出汁は少しずつ>

<香りが出るまで 手早く炒める>

う~ん!

<仕上げにピンクペッパー>

<辛みが控えめで かすかに甘いスパイシーな香りは>

<海の風味のアクセントに合う>

う~ん おいしい!

おい 晃

これ 三つ星じゃ足りねえわ ハハッ

何で これ こんなうめえんだよ うまっ!

うまっ う~ん!

ごちそうさまでした ごちそうさまでした

祐樹 そろそろお願い

おう!

こんにちは 何か ご用ですか?

七五三木さんのためにカレー作ったんです もう一度 チャンスください

そんな急に言われても困ります

お願いします! うちのシェフが どうしてもリベンジしたいって言ってるんです

お願いします!

お待たせしましたー はい どうぞ

ありがとうございます

あっ 祐樹 ちょっと こっち手伝って!

はい 了解!

じゃあ 俺はここで

お二人は あちらへ

よいしょ

お待たせしました

熱いので お気をつけて はい

新鮮な金目鯛を使った出汁カレー!

うちのシェフは変態なんで 同じカレーは二度と作りません!

ぜひ この機会に ご賞味くださ~い!

自分で行く

お願いします

森田君

はい

この料理は うちの店では出せない

(七五三木)これは 君と→

君の仲間にしか作れない 特別な料理

ちゃんと思いが伝わる

とってもおいしい

あれから ず~っと頑張ってたんだね

あ~

何か また料理したくなってきた

いいんじゃない?

親子で キッチンカー やっちゃう?

できんの? できるよ

皿洗いでしょ? お米ぐらいは炊ける

おっ どう? 儲かった?

う~ん 材料費払ったら ほとんど残んないかも

え? あのバカが キンメなんか使うからだろ

あれ? そういえば晃は?

えっ? さっきまで その辺いたけど

晃?

晃? おい 晃~ 帰るぞ

おい 晃~

あっ

おい 晃 そんなとこで何やってんだよ

祐樹 あ?

もう少し 寝かせてあげよう

どうせ 料理の夢でも見てんだろ

よいしょ

痛っ… 映画の撮影でカレー作ってほしいって

思い出の味は爽やか

思い出の味って 簡単に再現できるもんじゃねえと思うんだよな

晃にとっての大切な味をぶつけりゃいいんだよ プロ同士の真剣勝負だ

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