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・~
(ナレーター)
この世に人間が現れる はるか前>
ドロドロと溶岩のように
漂い流れておりました>
4つの大陸ができました>
とうしょうしんしゅう
東勝神洲の一部に山がありました>
かかざん
何万年たったことでしょう>
不思議な石が生まれました>
まるで霊魂でも
宿っているかのようでした>
(叫び声)
・『モンキー・マジック』
・~
・~
・~
そそり立つ西域の難所であります>
3日たっても 5日たっても
一向に衰えを見せません>
・(白馬のいななき)
さんぞうほうし
雪崩に のまれて 谷底へ転落し・
そのまま行方不明となりました>
小さな洞窟に避難したものの・
飢え死にするか 凍え死ぬか
2つに1つの極限状態であります>
ごじょう
(悟浄)アア… さむっ…
ア~ッ… おい あかんわ
もう これ とてもやないけど
やみそうもないぞ
ごくう
(悟空)
お師匠さん 眠ったら駄目ですよ
眠ったら おしまいですよ!
お師匠さま!
はっかい
(八戒)何か食いてえ
(悟浄)それを言うなって
食糧は 3日前から
底ついとんのやないか
死にたくねえ 俺
悟空 なんとかならんのか?
何しろってんだよ?
にょいぼう
如意棒の力で
吹雪をさっと消すとか
それが できるぐらいなら
とっくに やってらぁ!
兄貴
うん?
お願いがあんだけど…
何だ?
兄貴の術でよ
熱いスープ出してちょうだいよ
べろの やけどするような
熱いスープ飲みてえ
スープは できねえよ
じゃ 何が できんの?
氷いちご
カハーッ!
とにかく 如意棒はよ
もう かじかんじゃって
元気が出ねえんだ
氷点下では性能ゼロやな
なあ 兄貴
うん?
こすってみたら
元気出るんでないべか?
こすって…
(殴る音)
ほら ほら
ギョーザ
シューマイ
焼き鳥
わしら
もう ここで死んでしまうのかな?
縁起でもないこと言うな
ハァ… あかん もう なんや
目が かすんできよったわ
おい どこ行くんだよ?
小便や
おいおいおい
如意棒 どうすんだよ?
分かってるやないか
小便たたきや 行ってくるわ
(三蔵法師)悟空…
何です?
長い間 苦労をかけましたね
私は
いい弟子を持って 幸せでした
ここで死ぬのは残念ですが
これも運命というものでしょう
何言ってるんだよ お師匠さん
私の代わりに
てんじく
天竺まで行ってください
ありがたいお経を
とう
唐の国の悩める人々のために…
冗談じゃねえよ
そんな弱気で どうすんです?
もうちょっとの辛抱だ
吹雪だって やみますよ
それに
もん
食べ物だって きっと見つかる
悟空が ついてるじゃないですか
お師匠さん
駄目だよ お師匠さん!
おい! お師匠さん!
ア~ッ… 凍ってしまう
(たたく音)
(悟浄)寒い!
骨まで凍ってしもうて もう
ブルブルブル… ブルブルブル…
(鶏の鳴き声)
トートトトトト…
(かむ音)
あいたたた!
な… 何をさらすんじゃ お前は!
(八戒)黙れ ローストチキン この野郎!
なにがロースト… ちょっと待て!
おい 悟空 何や? こいつ
おい やめねえかよ!
何だよ? 兄貴
俺のごちそう 横取りするのか?
ごちそう?
この鶏
俺が先に見っけたんだかんな
鶏?
お前 気ぃくるうたんか? おい
(八戒)あら?
この鶏 悟浄か何かに化けやがって
悟浄って
俺は初めから悟浄やないか
(八戒)この…
おい 八戒
少し頭冷やせ! もう
八戒…
悟浄…
そして 悟空
私を食べるのです
私を食べて 生き延びるのです
(悟浄)なんですって?
お師匠さん…
驚くことは ありません
しゃか
お釈迦さまは 飢えている虎に
自分の体をお与えになりました
弟子のお前たちが
私を食べるのに遠慮は要りません
(八戒)ほ… 本当ですか?
その代わり 天竺へ行って…
はい
お経を…
はい はい
それじゃ
お言葉に甘えて いただきま…
アーッ…
ばかやろう
馬鹿野郎!
なんてことしやがんだ この野郎!
(悟浄)なんちゅう ばち当たりじゃ
お前は!
この野郎!
(殴る音)
(うなされ声)
状況は ますます悪い
前途は絶望的
このままやと全滅や
お師匠さんによ
何か食わせなかったら
本当に死んじまうぞ
食い物なんか どこにあるのよ?
何だよ? その目つきは
なんか ぐさっと来るなぁ
嫌な予感するなぁ
八戒ちゃん 俺たちは兄弟分だよな
そう 兄弟分 仲良し3人組 ねっ?
仲良し3人組だよな?
うんうん
兄弟のためだったらよ 八戒
命を投げ出すぐらい
どうってことないよね?
ねっ? ねっ? 八戒ちゃん
いや それは答えにくいな
今の状況としては かなり
難しいんじゃねえのかい? それは
誰かが犠牲になるんだ
誰かが食糧になって
みんなを助けるんだよ
「誰かが」って 誰がよ?
それが問題だな
志願者いる? うん?
やつ
「私 食べられたい」と心底思う奴
うん? 手ぇ挙げて
い… いる いる…
めえ
八戒 お前は やっぱり
(悟浄)お前は…
(八戒)アーッ… 違う 違うって!
違うべよ 違うべよ!
違うべよ! お師匠さまよ
お師匠さまは さっきから・
「食え食え
食え食え」っつってっぺよ
お師匠さまは別だ
なんで?
お師匠さまは
もうすぐ くたばっちまうんだよ
くたばっちまったら あんた
くたばった順番から いただくのが
順序っていうもんでしょうが
みんなで
お師匠さま いただきましょうよ
早く いただきましょう
(殴る音)
お前は底抜け豚か
ちょうちん豚!
お前な 何のために
この旅をしてんのか忘れたのか?
ふ~ん?
ええ? 「ふ~ん」じゃねえよ
忘れたのか?
何だったっけか?
このお師匠さまを
だいらいおんじ
無事に天竺の大雷音寺へ・
届けるのが
目的じゃねえか 馬鹿野郎!
途中で食ってしもうたら
元も子もないやろう
かんぜおんぼさつ
観世音菩薩さまに
どういうふうに報告するの?
「とっても おいしかったです」って
言うのか? 馬鹿
じゃあよ
4引く1は 3っていうことに
なるわけでしょう
結論出すぞ
いちばん働きの鈍い奴が食われる
(手をたたく音)
八戒!
なな… なんでよ・
なんで… なんでよ なんでよ・
ねえ なんでよ? なんでよ?
お前なんか 何だよ?
口ばっかり達者で
何の役にも立たねえんじゃねえか
ばかかっぱ
この馬鹿河童!
お前ら お前ら!
いや
よく話し合え 冷静に話し合え
俺は
どっちでもいいんだから なっ?
お前が… お前が…
(悟浄)お前が よう言うわ
体が衰弱してるんだから
お前 俺…
おい 悟空さん
うん?
あんた 何してはんの?
(八戒)ちょっと起きろ ほれ
(悟浄)あんた 何してはんの?
いや 今ちょっと睡魔が…
なんで兄貴だけ抜けるの? うん?
(悟浄)あんた 何してんの?
分かんない…
お前ら 分かんねえのか・
お師匠さまには 俺の術が
必要なんだよ いつも 術が
俺が いなかったら お師匠さまは
旅が続けられないんだよ 馬鹿野郎
ああ そう
ほしたら そこでね ここでね
どうぞ 術を使ってくださいよ
食い物を出してくださいよ
吹雪を止めてくださいよ
お願いしますよ あなた ねえ?
今は できねえけど
俺が食われちゃったら・
この旅 どうなるんだ?
主役を失うんだよ
お前ら どうするんだ? これから
なら ちょぼちょぼやないか
役に立つ 立たんっちゅうことは
こらぁ主観の相違なの
そういうことでね
こういうことを決めんといて
じゃあよ
どど… どうやって決めっぺよ?
「決めっぺよ」って まあ そうやな
私の考えれることっちゅうのはね
やっぱし
いちばん おいしそうなね
筋肉が もりもりしてね
河童のスープって
うまいんだってなぁ
栄養満点だし お皿もついてるしな
(悟浄)あほ抜かせ! このぼけ!
猿の脳みそも うまいんだってな
すこ~んと 頭 穴開けて・
こうやって ぐりぐりぐりと出して
べろって食っちゃうんだってね
馬鹿野郎!
動物愛護協会が黙ってねえぞ お前
よし くじ引きだ
くじ引き?
これなら 公平で文句あるめえ
(毛を抜く音)
クッ…
1本だけ 毛先を丸めといた
そいつが当たりだ
さあ 引け
・~
ハッ…
ご… 悟浄から先に引いてごらん
(悟浄)俺は あとでええ…
なに そう言わずに引けよ お前
遠慮するな ほら
馬鹿! 馬鹿!
(悟浄)なにが馬鹿や!
俺から引く! 俺から引くからな!
早く引き出せ お前
あっ… あっあっあっ… あーっ…
丸まっちょんで!
当たりや
八戒… 悪かったな
(八戒)冗談だべ? これ まさか
本気じゃねえんだべ? 冗談っしょ
しゃれや冗談で
こんなことが言えるか
ああ 何だよ 悟浄
そんな おっかねえ顔して
まさか本気なのかよ? お前も
ルールは ルールやないか
お前の恩は一生忘れんからな
山を無事に下りたら
お前の銅像 建てたる
実物大だ お前な
実物大の銅像なんか・
要らねえ 要らねえ 要らねえ!
おい この際 役目だ
ち
立派に おっ死んでくれよ
アア…
いて
あっ 痛え 痛え 腹痛え
あっ 死にそうに腹痛え
死にそう? 手間省けて好都合やな
ああ 早く ほれ 死ね
お前ら
言っとくけどな 言っとくけどな
俺 食ったらな お前 何ちゅうか
肝臓ジストマが うじょうじょ湧いて
サナダムシが出て お前
下痢はするし ひどいもんだよ
この際 我慢するよ サナダムシだって
デザートで もらっちゃうから
(泣き声)
そうかよ
じゃ 食えよ!
食ったらいいべ
けつからか 耳からか
どっからでもいいから
食ったらいいべよ
何ぐずぐずしてんだ?
この馬鹿野郎 こら!
いや お前
そんなこと言うても・
そりゃ無理やろう
(八戒)何が無理なのよ
だって 豚の生け作りってのは
食えねえよ お前
生け作り食えなかったら
じゃ 殺せよ
いや そら あかんて
(八戒)何が あかんのだ?
無二の親友をこの手で
お前 殺せる? 馬鹿野郎
じゃ…
じゃ どうすんだよ? ええ?
すまねえけどな
自分で おっ死んでちょうだい
どうやって?
(悟浄)どうやってって…
そら まあ 首をつるとかな
そこの岩で 頭 が~んと打つとか
何かあるやろう
俺 痛いのとか 苦しいの
大っ嫌いだ 大っ嫌い 大っ嫌い 俺
ダダこねるなよ お前も
そうだ
吹雪の中で凍え死ぬのがいい
雪の中に うずもれて
清く美しく死にたい
なんや?
ほな 表行くっちゅうのか?
うん 安楽死
(悟浄)風邪ひくぞ
もう この際 我慢するよ 俺は
いや
お前を疑う気は ないのやけどもな
逃げよう思うても無理やからな
(八戒)なに?
そんな気は さらさらねえべ
この おたんこ河童が この
念のためだから あの…
綱だけは つけさせてもらうよ
うん? なんで?
お前 親友を信じられないの?
そうじゃねえけどよ せっかくよ
食糧が出来上がったとこ お前
風で ぷっと飛ばされてみろ
ほら 元も子もねえから
綱で
ぐっと やらさせてもらうけど
綱? やばいな それ
・~
八戒 お前は英雄じゃ
お釈迦さまの生まれ変わりじゃ
(八戒)味は保証しねえよ
ああ
死んだらな
綱引っ張って合図しろよ
分かった
おい お師匠さまにはな
いちばん軟らけえ ももから
食べさせっからな
ここか?
よろしく言ってくれな
てんぽうげんすい
ちょごのう
天蓬元帥 猪悟能 八戒は
人民のために雄々しく死んだとな
ああ 言うともさ!
(悟浄)達者でな
(八戒)さようなら
・~
違うの 違うの 違うの
熊手 忘れたの
ずうたい
(悟浄)八戒の図体やと
3人で1週間は食えるな
冷凍豚は硬いやろうな
引っ張れ
えっ?
綱引っ張れよ
えっ? まだ早いやないか
俺たちは間違ってたよ
あんないい奴 殺すなんて…
そやけど くじ引きで…
どけ!
悟空 悟空! 全滅するぞ!
うるさい!
お師匠さんの役目は
どうすんのや?
天竺の ありがたいお経は
どないすんのや?
食いたかったら この俺を食え!
あっ!
逃げよった
八戒! 八戒!
八戒!
は…
うん?
八戒! しっかりしろ 八戒!
悟浄! 手伝え!
おい 悟空 これ いのししやぞ
八戒だよ
えっ?
あいつは 俺たちのために
わざわざ こんな姿に…
うたご
八戒 疑うたりして悪かったな
・~
八戒とは関係ございません>
行き倒れとなった・
正真正銘の
はぐれ いのししであります>
悟りの境地に達しきれない八戒は
「食われちゃ たまらん」と
必死の逃亡を企てましたが・
何しろ 一寸先も見えない猛吹雪>
谷底へと転落いたします>
(悲鳴)
お師匠さん お師匠さん!
お師匠さん!
ほれ 食い物だよ!
食い物! ほれ! ほれ!
ほら おいで
はい 食べな ほら 口開けて
たくさん食べるんだよ ええ?
・~
ああ 食うた食うた ああ 食った
これでよ なんとかよ
生き延びられるだろうよ
友情とは ありがたいもんやなぁ
なむあみだぶつ
ああ 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏
悟空
うん?
八戒は どこにいますか?
うん… それが その…
お師匠さん まあ そういうことは
あんまり
詳しい聞かんほうがいいですね
お前たち
何か隠しているようですね
もしかすると 私が食べたのは…
当たりです
八戒は
身を捨てて 俺たちを救ったんだ
なんということ!
(泣き声)
お師匠さん
しっかりしてよ ねっ?
離しなさい 汚らわしい!
いや 実はね これは くじ引きの
結果 こうなったんですよ
もしかしたら
私が食べられたかもしれんし
悟空が食べられたかも…
いや 俺は… うん そうそう
かわいそうな八戒 許しておくれ
私は自分の弟子を食べてしまった
恐ろしいことをしてしまった
いや 違うんですって
自分のために
食べたんやないですよ お師匠さま
天下万民のために
食べたんですよ ねえ?
黙りなさい!
みほとけ
御仏の戒律を破った僧に・
人を救う資格が
あるわけは ありません
私も 谷へ身を投げ出して死にます
ああ ちょっと!
お師匠さま!
離しなさい!
ちょっと 待ちなさいよ
離しなさい!
八戒の志を無にするんですか?
八戒… かわいそうな八戒
泣かないでよ もう
八戒のことを食べた我々はね
もっと つらいんですよ!
(泣き声)
・~
(泣き声)
忘れましょうよ お師匠さま
このうえは 1日も早く 天竺に
向かって 役目果たしましょう
ぼだい
ねっ? それが八戒の菩提を
弔うことになるんですから
アアーッ!
アア 八戒が… 八戒の声が!
そんな あほな
アアッ…
八戒が! 八戒が私の中にいる!
は… 八戒が泣き叫んでる
ぼ… 菩薩さま!
お師匠さん
ちょっと しっかりしてくださいよ
こんなとこで倒れて…
(指を鳴らす音)
お師匠さん…
おい こら幻覚症状やぞ
罪の意識に心が乱れてんのや
チッ…
しょうがねえな もう 本当に
あれ? ちょっと…
ちょっと 娘さん すいません
あのね 実は あの… 病人が
出まして 困っとるんですけども
どこぞに病人を・
休ませていただくようなとこ
ありませんでしょうかね?
(女性)さあ…
人里までは3里ほどありますけど
3里・
私が案内してあげましょうか?
(悟浄)お願いできますか?
この方なんですけども
ちょっとお願いします
(女性)お坊さま お坊さま
ちょっと 娘さん
こっち いらっしゃい
怖がることないっしょ うん?
かわいがってあげちゃうから
この… ほれ!
逃げることねえべよ
待ちなさいってば
お師匠さん やめなさい
俺だって我慢してんだからさ
ほ
色っぽいこと 惚れちまったんだべ
(悲鳴)
あま
色っぽい女っ子だこと
ちょっと! もう ちょっと 悟空!
ああ もう…
(女性)助けて!
やめなさい! やめなさい!
ウン ウン… うめえべ これ
おい 悟浄!
塩ねえべな これ 塩 塩
大丈夫か?
どうなってんだ? あれは
もう これはな
やっぱり 悟空 たたりやな
(悟浄)何ぞ供養しな いかん
霊を慰めな いかんのや
ご親戚の方から どうぞ
八戒 迷わず成仏してくれよ
おい 八戒 お前な
お師匠さんに乗り移って
悪さしたら いかんぞ
わしに乗り移ったら
ええじゃないか そういうことは
何のことです?
えっ? いや 冗談です
しかし 驚いたな お師匠さんが
いきなり女に抱きついて
「チュチュチュ」っつったのは
やっぱり男やな ああいうとこは
誰が そんなことをしたのだ?
いや お師匠さんが…
無礼な! 冗談を言うにも程がある
あれ?
覚えてないの? あんな激しいこと
ちょっと 悟空
もういいやないか しーっ…
お師匠さん 下りましょう
ねっ? 行きましょう
かしゃく
良心の呵責に
さいなまれる三蔵法師は・
悟空と悟浄に
なだめすかされながら・
ある町へ たどりつき
一夜の宿を取りました>
・(鐘の音)
オッ?
あるんでねえの ほれ ほれ 本当
・~
ンーッ!
ウン ウン! うまいでねえの これ
・~
ちょっと
これは 辛口のほうがいいべ
けど まあいいだろう
・(鶏の鳴き声)
・(男性)大変だ!
・(男性)巾着を盗まれた!
・ 役人を呼べ!
・(亭主)
皆さん 落ち着いてください
・(女中)旦那さま
台所も荒らされています!
うるせえな 静かにしろ!
(亭主)あの… お客さま
・ 何だよ? 朝っぱらから
お騒がせして 相すみません
ゆうべ 泥棒が入ったらしいんです
何か盗まれた物は ございませんか
泥棒・
おい 悟浄 お前 ちょっと起きろ
泥棒が入ったんだってよ!
泥棒?
ネックレス 大丈夫だな
お師匠さま!
ちょっと お師匠さん
起きてくださいってば!
泥棒! あっ…
悟浄!
・(悟浄)うわ… 酒くさいな
・ お師匠さん
・ ちょっと お師匠さん
お客さま 開けさせてもらいますよ
・ あっ ちょっと待ってくれよ!
(男性)泥棒め!
出てこい!
(男性)縛り首だぞ!
おい! どないすんねん? おい
ちょっと待て そこ開けるなよ
・(戸をたたく音)
・ 開けんか! 早く開けろ!
エイッ! エイッ エイッ!
エイッ! エイッ!
エイッ!
(男性)刀 返せ!
おいおい おいおい
俺たちをよ 何の証拠があって
泥棒呼ばわりするんだ?
どついたろうか ほんまに…
・(女中)旦那さま! ありました!
(亭主)えっ・
何やってんだ? この野郎 本当に
(女中)あそこ! あそこ!
う~ん… こりゃ 一体
どうなっちゃってるんだろう?
お師匠さま
しっかりしてね 頼むで
頭痛い…
完全な二日酔いだよ これ
水… 水…
はいはい… ちょっと待ってね
おい 悟空よ これな
もしかしたら夢遊病かもしれんぞ
どんな おできだよ? そりゃ
何を言うてんねん
夢遊病っちゅうのはな
夜になると 取りつかれたように・
外へ ふらふら~っと
飛び出していってな
墓場へ行ったかと思うと
そとば
卒塔婆をなでたり
えっ?
怪力で石灯籠を持ち上げたりな
しかも 本人は何も気づいてない
供養が足らなかったかなぁ…
八戒の肉に あたったんかも
しれんぞ
よせよ お前
ウッ… ウッ…
私が何かしましたか?
お師匠さまね
こんな大きな とっくりをね
ぜ~んぶ空にして…
あーっ…
ウッ…
気持ち悪いの・
ちょっと 駄目! そこに出したら
布団に出したら駄目!
この中に…
(吐く音)
奇跡的に一命を取り留めた八戒が
師匠と仲間を裏切った罪の意識に
とらわれながら・
足取りも重く
山を下りてまいります>
よいしょ
ウワッ…
何だ? こりゃ
うん? 何か書いてあんな
何だ? これ
よいしょ え~…
「天蓬元帥 猪八戒
じんちゅうれっし
尽忠烈士記念碑」と
記念碑なわけだな これな
猪八戒?
うん?
誰だよ? こんな いたずらしたの
まるで 俺が
おっ死んじゃったみてえでねえか
あら…
俺 頭おかしくなってんだべかな
ほら 軽い音するもんな
・(白馬のいななき)
・~
そうか お前 生きてたの?
良かったなぁ お互いに運が強くて
良かった
(泣き声)
だけどな 悲しい知らせがあんのよ
お師匠さんもな
悟空も それから 悟浄も
吹雪ん中で お前
死んじゃったのよ
(泣き声)
・(鐘の音)
・~
・~
ここには 女は いねえのかよ 女は
本当に
(女性)ここにいますよ
何を言ってんだ この くそばばあ
さっきの若い女
どうしたんだよ? あれ
しゅんらん
春蘭ちゃんなら
下で いい男と踊りまくってますよ
あんたとは
比べ物にならない いい男
この… 俺 猛烈に頭来たわ 本当に
一体 俺を
誰さまだと思ってんだ? この野郎
いいか?
あした この町をたってだな
天竺へ行き
ありがたいお経をいただいて・
天下万民の悩みを救うという
偉い使者なんだよ 俺
おやおや 春蘭ちゃんのお客さまも
天竺行くって言ってましたよ
生意気な お前
どんな野郎なんだ? その野郎
どんな野郎だよ? それ
だから いい男
八戒という若いお坊さま
八戒?
♪『モンキー・マジック』
♪~
♪~
♪~
とうへんぼく
(八戒)やい こら! 唐変木!
やめろ こら!
ええい!
(破壊音)
(破壊音)
(八戒)
かた
ふて
俺さまの名前を騙る太え奴は
どこのどいつだ・
面見せろ!
(春蘭)邪魔しないでよ!
ハハハッ…
てめえこそ誰だべ? この ああ?
断りもなく踏み込んできやがって
このおたんこ豚!
上等だ! この野郎
やったろうじゃねえか この野郎
何だべ?
ハッ…
何だ? この ああ?
お化け~っ!
(春蘭)なにが化け物よ
(女性)自分のほうが よっぽど
化け物じゃない
(女性)そうよ
(春蘭)さあ 口直しに
じゃんじゃん踊りましょう
どら
・(銅鑼の音)
♪~
踊りましょう
ここは どこです?
えっ?
わ… 私は なぜ こんな所に…
八戒さま
八戒などではない!
何言ってるのよ?
離しなさい!
♪~
ハァ… 恐ろしいもの見ちゃった
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏
本当に もう おっかなかった
おっかねえよ 恐ろしい
お師匠さん 治らねえのかなぁ
(悲鳴)
(悟浄)ゆ… 幽霊や!
(八戒)幽霊 嫌い!
成仏してくれ 八戒 頼む!
堪忍せえよ 八戒
ウワーッ!
アア…
お前らこそ成仏してくれよな!
俺を責めないでくれ!
責めないで…
(泣き声)
ハッ… ア~アアアア~!
あっ! 豚が雲に乗りそうだ
(口笛)
・~
ま… 待てい!
嫌だー!
雲をかすみと逃げ出しますが・
何せ 手入れが
行き届いておりませんので・
いや 故障続出>
(異常音)
オッ… アアッ…
(異常音)
ウワッ!
ウワーッ!
落ちるぅ~! アーッ!
アーッ! 落ちるぅ~!
・~
(加速音)
・~
(加速音)
(加速音)
(異常音)
(異常音)
(破裂音)
あっ…
・~
おお おお おっかねえ!
お師匠さま苦しめねえって
約束しろい!
兄貴! 迷わず成仏してくれろ!
馬鹿! 俺たちは生きてんだよ!
なんだって・
あっ! ブレーキ利かねえ!
(激突音)
あっ!
オオッ・
オッ…
南無阿弥陀仏
おい… おい!
ウワッ!
ごめんね 裏切ったりして
輪っか外して
逃げたりして ごめんね
なんやと?
お前 じゃ…
あっ! こいつ 生きてるよ おい
(悟浄)おい!
さあ!
さあ 食べてちょうだい
耳からでも 足からでも
それから ハツからでも
軟骨からでも タンからでも
何でもいいから 食べて
おい それじゃ
お前 俺たちが食ったのはよ…
ほんま物の いのししや
どうりで うまいと思ったよな
そうか あの慰霊碑は
兄貴たちが建てたの?
悪かったよ
どんなに ひもじくてもな
仲間を食うなんて
もう とんでもねえ了見だ
今考えただけで ぞ~っとするよ
ほんじゃ もう絶対に食わない?
食いません
絶対に?
(悟浄)食わへん言うたら食わへん
良かった!
(悟浄)そやけど
あの吹雪の中を よう助かったな
むちゃくちゃ
無茶苦茶によ もう走ったわけよ
そしたらよ 崖から足踏み外してよ
もう真っ逆さまに
どぼ~んだもんな
川か?
(八戒)温泉よ
もう それこそよ
お前 ごぼごぼ お湯湧いてて
気持ちいいったらないのよ またな
お師匠さん 風邪ひいちゃうよ!
もう貸して
離しなさい!
私の中には悪魔がいるのです
八戒は生きてたんだから
そんなに悩むことないじゃないの
いいえ 仏に仕える身でありながら
酒を飲み
肉を食らい 女と戯れるとは
恥ずかしくて
穴があったら入りたい
あれはね 夢遊病なの
お師匠さんのせいじゃないの
修行が足りぬ証拠です
抑えきれない煩悩が
ああいう形で現れたのだ
煩悩 結構 大いに結構
坊主だって 人の子じゃねえか
万民の心が分からずして
万民は救えねえと思うよ
ええい!
フゥ…
悟空!
おいらなんか もう煩悩だらけだよ
煩悩が 着物を着て
歩いてるようなもんだよ
(笑い声)
いかさまなんかして
八戒 食おうとしたんだ
(くしゃみ)
(笑い声)
オーッ!
かくも厳しく つらいもの>
打ち勝つことができるでしょうか>
・『ガンダーラ』
・ そこに行けば
・ どんな夢も かなうというよ
・ 誰もみな行きたがるが
はる
・ 遥かな世界
・ その国の名は ガンダーラ
どこ
・ 何処かにある ユートピア
・ どうしたら行けるのだろう
・ 教えて欲しい
・ In Gandhara, Gandhara
・ They say it was in India
・ Gandhara, Gandhara
・ 愛の国 Gandhara
・ Gandhara, Gandhara
・ They say it was in India
・ Gandhara, Gandhara
・ 愛の国 Gandhara
ここまで来れば 見事なもの>
とんきょう
数えに数えて1万匹目>
早い話が 王位乗っ取りのダシ>
これが ちょっと変わってる>
すいれん
いざ出陣!」に ご期待ください>
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