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・~
(ナレーター)
この世に人間が現れる はるか前>
ドロドロと溶岩のように
漂い流れておりました>
4つの大陸ができました>
とうしょうしんしゅう
東勝神洲の一部に山がありました>
かかざん
何万年たったことでしょう>
不思議な石が生まれました>
まるで霊魂でも
宿っているかのようでした>
(叫び声)
・『モンキー・マジック』
・~
・~
さんぞうほうし
三蔵法師ら 主従4人>
出会った妖怪・魔物は数知れず>
苦難を求めての旅の心は・
てんじく
だいらいおんじ
常に 天竺は大雷音寺を
目指しております>
どこまで この主従に
試練を与えたもうのでしょうか>
ごくう
(悟空)
ごじょう
どうした? どうした? 悟浄
(悟浄)水… 水… 水が欲しい…
めえ
こんな所に お前
水があるわけねえだろう
わいはな 水がなかったら
生きていけへんのや
長いこと お世話になった
おおきに…
成仏しろよ!
ああ ちょっと待ってくれ!
ちょっと待ってくれ
しょうがねえな
よ~し ちょっと待ってろよ
(つばを吐く音)
な… 何すんねや・
背に腹は代えられねえよ
アアッ! やめ やめ やめ!
ちょっと粘っこいかな
ああ 汚いな…
どうだ 効いてきたか?
あかん まだ あかん…
(殴る音)
アアーッ!
人の急所に何すんねん お前は!
(泣き声)
ああ 出た出た は~い
(泣き声)
ここもか?
どうだ?
だいぶ気持ちようなってきたわ
ほな お先
・~
何や?
今時分から
寝てるっちゅうのも おかしいな
ちょっと… ええっ?
ねえ ちょっと 皆さん
ちょっと ちょっと おたく ねえ
あら… 死んどるがな
えらい けったいなとこ
来てもうたな
ちょっと
あの… 何でもいいですけどね
あの…
水 どっかにありませんかね?
ちょっと ねえ こら
死んでしもうとんのか
どうしようもないな
ねえ ちょっと
どっかに水ないですかね 水は
ああ 水が欲しいねんけどな 水…
なんや
井戸があるやないか 井戸が おい
早いこと言わな いかんがな
こういうことは
ああ もう 助かった
入っとる 入っとる
ああ 水や 水や 水や!
何や? おい ちょっと…
離せ 離せ!
(男性)毒が…
なに? えっ?
(男性)ど… 毒が…
毒? 毒が
この中に入っとんのか? ええ?
毒が…
(悟浄)毒が この中に…
誰が そんなことしよってん?
なあ 誰がそんなことしよってん?
せいりゅう
青竜将軍…
青竜将軍?
何のこっちゃ? それは
あら ちょっと…
死んでしまいよった
(読経)
アア…
(三蔵法師)
力を落とすことはありません
はっかい
悟空と八戒が
必ず水を探してきてくれます
ええ…
なんという情けない声を
出すのです? お前は
そやかて そんな…
(扉の開く音)
ほら 悟空が帰ってきましたよ
いや まあ お前のおかげでね
えらい目に遭った 俺は
200里向こうのよ 谷川で
これ くんできたんだぞ
まあいいや 飲めや
ありがたい
悟空 恩に着る おおきに
分かってる 俺 兄貴だもん
それぐらいのこと するよ
いただきます
はいはいはい 飲みなさい
いくぞ ほっ!
おお おお いい飲みっぷりだね
ええ? ハハハッ…
おい 休みながら飲めよ
誰も取りゃしねえから
まあ よく入るね おい
すごいね
だて
伊達に お前 大きくないね
ハァ~ッ… ああ もう ないか
おかわり
ばか
そんなもん あるか 馬鹿
それで 悟空
うん?
井戸の中に毒を投げ込んだ
青竜将軍とは何者ですか?
やつ
それは今 八戒の奴が
様子を見に行ってますけど…
まだ帰ってきませんか?
ええ
・(馬の鼻息)
何者でしょう?
・(馬の駆ける音)
・(盗賊)おい 豚 今度こそは…
おい あれ 八戒や
あっ…
(盗賊)どうだ? 気分は うん?
(盗賊)観念するんだな
ヘヘヘッ…
こら!
(蹴る音)
・~
八戒!
八戒 八戒!
(八戒)こっち おいで
こっち おいで さあさあ
ウワッ!
おい 八戒 どないしてん?
この野郎…
おい!
(八戒)あれ? どうしたの? これ
どうなってんの? これ… あれ?
情けねえな しっかりしろ お前
いや これは ひどいんでねえの
あいたた…
誰に やられてん?
青竜将軍だ あの野郎 くそ…
おい そんなに
そいつは手ごわい野郎か?
いやいや 妙な術 使いやがんだよ
目を じ~っと見つめられてたらよ
ぽ~っと いい気分になってな
そしたら お前 突然 御殿で・
そり遊びしてるんだもの
女の子たちと
楽しかったでございます
そしたら これだ
あいた… あいたた…
しっかりしろ この腰抜け!
腰抜けなんて
言わないでくれよ 兄貴
俺だって 本当に 腰抜け…
腰が抜けてる 抜けてる
抜けてる 本当に 抜けてる
・~
将軍 股裂きの刑を
行おうとしましたところへ
おかしな奴らが
飛び込んでまいりまして
(青竜将軍)何者だ?
(盗賊)はっ!
豚の化け物の仲間かと思います
・~
八戒の野郎 あの豚 遅いねえ
急ぎましょう
一刻も早く天竺へまいらねば
はい さあ
(白馬のいななき)
あれは・
ちきしょう…
悟空!
これは 青竜将軍とやらの仕業に
違いねえや
(悟浄)待て待て 待て待て
火やったら わしに任せとけ
さっき飲んだ水がな
体中に充満しとるから
それで なんとかしたる 見とれよ
(水を噴く音)
・~
よいしょ
ああ もう なんちゅうこっちゃ
こんな道のないとこ 何のために
通らなならんのや ほんまに
文句を言うな
俺たちは お師匠さまの弟子だぞ
お師匠さまが
右へ行きたいと言えば 右へ行く
左へ行きたいと言えば 左へ行く
なっ? 言うとおりにしなくちゃ
いけねえんだから
ねっ? お師匠さま
私は無用な争いを好まぬだけです
それにしても あの八戒の あほは
何をもたついとんねん ほんまに
お~い!
・(八戒)お~い!
悟空 馬を頼みます
はい…
しかし まあ やっかいな馬だね
あいてて…
まあ あれは
本を正せば天の竜じゃねえか
こんなときはさ 羽か何か生やして
こう 馬鳥か何かになって
ぱ~っと飛ばないもんかね あれ
駄目だろうな
悟空 この下に村里が見えます
あそこで休みましょう
・~
やけに静かな村だね ここは
八戒は大丈夫でしょうか
だいぶ遅れているようですが
いやぁ 奴だったらね
心配いりませんよ
女の匂いさえすりゃ
100里先からだって・
すっ飛んでくんだから
・(男性)くそばばあ 出てけ!
(男性)出てけ このくそばばあ!
お前の息子なんか
死んだに決まってんだろう!
しほう
(子方の母親)何言ってんだい!
(男性)出てけ!
(母親)今に見ろ
今に息子が帰ってきたら…
(男性)お前の息子なんか
とっくに くたばってんだ
何すんだい!
(男性)なんてことすんだ この!
アアッ!
(男性)アッ!
乱暴は やめろ!
おやめなさい!
お年寄りに何をするのです?
よその人は黙っててくれ!
(男性)今日という今日は
もう勘弁できねえ!
めでてえ婚礼の席に来て
呪いの言葉を吐くなんて 許せねえ
やっちまえ!
(男性)くそばばあめ!
馬鹿野郎 やめろっつってるのが
分かんねえのかよ
なんということです… 大勢で
かよわいお年寄りをいじめるとは
この村には
人の道というものは ないのですか
何をおっしゃいます・
訳を知らないお人は
黙ってておくんなせえ
このばばあが かよわいだと?
おい みんな 聞いたか?
このばばあが かよわいだと
フン… 冗談じゃねえや
この穀つぶしめ!
(殴る音)
アアッ!
(笑い声)
強いね まあ 本当に
ほ~ら こんな ばばあでさぁ
1人で住んでるから 哀れに思って
村の者が食い物を運ぶ
水を運ぶ 油を分けてやる
なんだい あれっぽっち!
それなのに このばばあと来たら
恩に感じるどころか
人の幸せを
妬んでばかりいやがるんです
うち
仲良く暮らしてる親子の家に・
火をつけたことだって
あるんですよ!
何言ってんだ
あれは勝手に燃えたんだよ!
分かりました
皆さん
どうぞ お引き取りください
どうか 今日のところは
僧侶の私に免じて お許しください
(男性)お坊さまが
ああ おっしゃってるんだ
どうする?
(男性)お坊さま
なんとか性根を入れ替えるよう
言ってやってくだせえ
あいて… まったく 顔を見るのも
けったくそ悪いや このくそばばあ
年寄りは いたわるもんじゃい
ああ もう 相手にすんな ほら
あいてて…
ヘヘヘヘッ…
また やってやっかんな
・(男性)くそ!
ヘヘヘヘッ…
お前 どこから来た?
私は
とう
ちょうあん
唐の国の都 長安からまいりました
これより天竺を目指して
旅を続けている者です
なに? 唐の都 長安からと?
おい おばあ
お師匠さまに気安う触るな
うるさい
(悟浄)あいた!
(笑い声)
何が おかしいんや? お前は
そなた
長安から来たと言いやったな?
誠か? なあ 誠か?
しほう
子方… 子方ではないか!
ああ 子方じゃ!
子方が帰ってきた!
子方 子方…
(泣き声)
私は子方という名ではありません
げんじょう
玄奘三蔵という者です
いいや 子方じゃ
子方に違いないわ
この顔 この声
幼いころの面影が残っておる
ハハハッ…
ほ~れ 見ろ
ほれ 見ろ見ろ見ろ!
ハハッ! 子方が帰ってきた!
お前らが とっくに死んだと
言うとった子方が・
帰ってきたんじゃ ハハハッ…
お前らの言うことが正しかったか
わしの言うことが正しかったか
これで はっきりとした ハハッ…
さあさあ さあさあ
子方 みんなに言うてやれ
唐の都 長安で行いを修めて
立派なお坊さまになって
帰ってきたと
ほれほれ みんなに言うてやれ!
ばばあ!
いいかげんにしろよ 本当に
なに寝ぼけたことばっかり
言ってんだよ
このお方はな お前みたいな
薄汚ねえ ばばあの息子じゃないの
顔つきが違うでしょう
気品があるんだもの
何を言ってるんだ 薄汚い猿めが!
猿だってよ…
ほらほら これは
わしの息子じゃ わしの子方じゃ
さあ みんなに言うてやれ
子方じゃと名乗ってやれ
さあさあ さあさあ ほらほら
いいえ 私は あなたの息子では…
そう
なぜ… なぜじゃ?
母を見忘れたのか?
20年も待ち焦がれて
そなたを迎えの旅に出た この母を
忘れたというのか・
ああ 情けない…
なあなあなあ よう見ろや
りかそう
李家荘の村から
1000里の旅をして・
そなたを迎えに出た この母じゃ!
いいえ 私は あなたの息子の
子方ではありません
ほ~れ 見ろ 旅のお坊さまは
違うと言ってなさるでねえか
そうだ お前の息子はな
長安に着く前に
野たれ死にしたに決まってらぁ!
今まで手紙1本… いや
うわさ
風の噂すら ねえってことはな
死んだってことだよ!
(男性たち)そうだ そうだ!
違う… 違う! 違う違う違う
子方は生きている!
何やら訳がおありとは存じますが
私は あなたの息子
子方どのではございません
そういうことなんでございます
さあ お師匠さま まいりましょう
これはね
たち
性質の悪い たかりだよ フン…
さあ 行こうか よし
ばばあ 悪かったな
村の方たちも大変でございますね
本当に お大事に
(悟浄)村の人たち
私たちのあとからですね
八戒という 豚みたいな男が
追ってきますけども
我々は西のほうへ向かったと
そういうふうに・
ちょっと 伝えてもらえますか
お願いいたします どうも
し… 子方! 子方や!
ばばあが…
なにが息子が帰ってくるもんか
ざまあみろってんだ!
(男性)
お前の息子は野たれ死にじゃ!
(笑い声)
20年前に家を出た息子を捜しに
長安まで行くつもりだったと
いうのですか?
(男性)へい ばあさまの話じゃ
そういうことのようで
それが7つのときだそうです
7つ? 僅か7つの子が・
そんな遠くから長安まで
1人旅に出たのですか?
そりゃもう
大変 賢い子だったといいます
それが10年 15年たっても
音沙汰がない
それで たまりかねて ばあさま
迎えの旅に出たのだそうで
そうですか…
へい
そんじゃ
・~
しかしね お師匠さま
聞いてみりゃ哀れな話ですね
不幸な我が身を思えば
人の幸福が妬ましくもなろう
あっ!
何事ですか?
ちょっと あれ見て お師匠さん
(悟浄)身投げや!
悟空 早く!
はい!
よっ!
危ない 危ない 危ない! 危ねえ!
何すんじゃ 離せ!
危ねえから よせよ おい!
離せ!
暴れんな!
何すんのじゃ!
痛い痛い!
暴れるな この野郎 ばばあ!
下ろせ 下ろせ 下ろさんか!
お前なんか
死なねえよ 何やったって
痛い痛い痛い! ちょっと待て!
下ろせ 下ろさんか!
何するんじゃ・
あなたこそ どういうつもりですか
我が腹
痛めた息子に行かれるのなら・
死んだほうが ましじゃ!
私は子方どのではありません
ああ もういいわ いいわ いいわ!
どうか
早まったことをしないでください
息子さんが亡くなったと
決まったわけではありません
どこかで きっと生きています
今日まで待ったのですから
もうしばらく
辛抱しては いかがですか
いいや 子方はおらぬ!
今 目の前にいる そなたが
子方でないのなら・
この世に子方はおらぬ!
ああ 死にたい…
頼む お願いじゃ!
死なせてくれ 死なせてくれ!
(泣き声)
お師匠さま?
ちょっと な… 何してんですか?
母上 悪うございました
は… 「母上」・
お懐かしゅうございます
子方は帰ってまいりました
今日までの不孝の数々
どうか お許しくださいませ
やはり… やはり そなたは子方…
はい
やはり… やはり…
子方 会いたかった!
(泣き声)
いまだに幼顔が残っている
利発だった あの顔が残っている
ああ 子方 子方…
会いたかった 子方
(泣き声)
母上…
おい 悟空 どうなっとんねん これ
俺は知らねえよ
聞いたか 今の あれ ええ?
聞いた聞いた 聞いた聞いた
「お母たま 今日までの不孝を
お許しください」
「子方」
うわぁ!
気持ちわるっ! もう
そうか そうか
みかど
そなた 唐の帝の お言いつけで・
天竺までの旅の途中か
はい
何ゆえ
便りひとつ くれなんだのじゃ?
学問に追われておりました
申し訳ございません
あの… 子方さん ちょっと…
何ですか?
用があるなら そこで言いなさい
ああ… あの…
お母さまにね 聞こえちゃうと・
ちょっと
まずい話なんで… こっちね…
今 来るから
来た来た来た
あのね これ
一体 どういうことなんですか?
私が去れば あの老婆は
命を絶つかもしれません
私が
あの老婆の息子 子方になることで
あの者の心が休まるなら…
ちょっと待ってくださいよ
そんなね 息子になるっちゅうのは
簡単なこと言わはりますけどね
天竺のほうは どうなるんですか?
我々は 大体・
天竺に ありがたいお経を
取りに行くために・
こんなとこまで わざわざ苦労して
やって来たんじゃないですか
そうだよね
もちろん 天竺にはまいります
ただ 私は
あの老婆が哀れでならないのです
帰らぬ息子を待ち続けて・
あの者の心は
冷え冷えとなってしまった
いずれ あの者も死を迎えます
そのとき せめて安らかな気持ちで
成仏させてあげたい
これが仏の道です
しゅじょうさいど
衆生済度のために
天竺へ赴くことも仏の道なら
道端で枯れかかった野の花に
1杯の水をかけてやることも・
また 仏の道です
冗談じゃありませんよ 本当に
我々はね 1日も早く天竺へ行って
いちもくさん
一目散に長安へ戻らなきゃ
こんな旅 元取れねえよ
こんなとこで道草なんか食ってさ
右に同じですな
それにね
うそ
坊さんが嘘をつくってのは・
どういうことなんですか?
「坊主が上手に 全く上手に
嘘ついた」なんていう早口言葉
ないんだからね
お黙りなさい
それより 八戒が あまりにも遅い
手分けして捜してくるんです
ああ やっぱり なんだよな
たまには1人っちゅうのも
気楽でいいな 本当にな
あれ?
(盗賊)おう また出会ったな
(八戒)本当に お前らもしつこいな
俺 何にも持ってねえぞ 本当に
(盗賊)お前と一緒にいた
旅の坊主に用があるんだよ
(八戒)ああ お師匠さまか
お師匠さまだったら・
ず~っと先に行っちゃって
ここには もういねえもん
(盗賊)おう 捕まえろ!
(八戒)なに? なに?
ヤーッ!
・~
アア…
アハハッ…
食べて 食べて いいの 好きにして
好きにして 好きにして
食べて ねっ? 食べて
はい もっと もっと強く
強くいっちゃって大丈夫だよ
押さえて 押さえて
もうちょい押さえて
お~い 八戒!
どこにいるんだよ おい!
しょうがねえな
八戒 八戒 八戒!
ああ もう… よし
(口笛)
うん? 異様な におい
豚の におい 八戒の においだ
・~
せいりゅうどう
「青竜洞」か…
・(豚の鳴き声)
うん?
おい お前 八戒か? おい!
いつ見ても 醜い格好だね お前
おい ほら 食え
うめえ うめえ うめえ
(豚の鳴き声)
まね
(豚の鳴き真似)
ウワッ!
この!
たた… 助けてくれ!
待て待て 待て待て
俺の聞くことに ちゃんと答えたら
命だけは助けてやらぁ いいか?
そこにいる豚な
あれは俺の仲間の八戒か? うん?
ああ…
あれ どうやりゃ元に戻るんだよ?
青竜将軍の呪いが解けねば駄目だ
なに?
将軍は幻術を使うんだよ
術をかけられたら
もう 将軍の思うがままだ
貴様が何者だろうと
将軍の幻術は破れぬわい
それじゃ
その青竜将軍というのは妖怪か?
いや 人間だ
なに? 人間だって?
ああ
ここから1000里ほど離れた
李家荘という村の出でな
神童と うたわれていたそうだ
それが子方といって 7つのときに
志を立てて長安に向かったが・
途中で
せいりゅうき
青竜鬼という妖怪に捕らえられて
命を失うところを
妖怪に見込まれて
妖術の修行を積んで
青竜将軍になったんだ
本当かよ? おい!
ああ 嘘じゃねえよ!
では その青竜将軍とやらが
あの老婆の誠の息子
子方なのですね?
ええ 間違いありませんよ
それ あのばばあが知りよったら
さぞかし がっかりしよるやろうな
ねえ どうでしょうかね この際ね
あのばばあを青竜将軍のとこへ
送り届けたら どうです?
なりませぬ!
どうして?
息子であることには
間違いないんですよ
なりませぬ!
・(母親)子方や どこにおる?
はい ただいま
いいですね 決して このことを
口に出してはいけませんよ
ちょっと お師匠さん お師匠さん
ちょっと ちょっと待ってよ
冗談じゃねえよ 本当に!
おい 八戒は?
あのまま豚にしときゃいいよ
もともと豚だったんだから
まあな
それより いつまで
ここにいるつもりなんだ? おい
俺 もう いらいらして…
叫ばせてくれ おい
言えや ほんなら
やい ばばあ!
その お師匠さんはな…
…だぞ! ああ すっきりした
子方や 茶を入れた
さあさあ 飲んでおくれ
はい
いただきます
ああ おいしい
そうか そうか ハハッ…
・~
おい 悟空
えっ?
あれで ええのかいな ほんまに
見てられんがな
ま~ったく
当てつけがましいんだからよ
放っとけ 放っとけ
あれがな いつもの
お師匠さまの やり方なんだよ
当てつけがましいし
煙いし もう…
・~
おい 悟空
うん?
てつど
わし ちょっと手伝うてくるわ
そう言うんじゃねえかと思った 俺
まあまあ ええやないか
ちょっとやから
そう 勝手にすりゃいいじゃないの
木に気をつけてね うん
そう やってらっしゃいよ
お師匠さま
あの… ちょっとだけ手伝いますわ
すまないね 悟浄
いいえ
もう お師匠さまのためならね
私は もう 死んでもええと
思うてますから ええ
(口笛)
・~
…たく 悟浄も悟浄なら
お師匠さまも お師匠さまだ
ああ もう! 駄目 駄目
そんなこと やってたら!
日が暮れちゃうよ
ちょっと貸しなよ もう
お師匠さん
こういうのは腰入れてね
こう 入れたときは出して
上げるとき 前出すね
ほっ! これで…
あっ ちょっと かかっちゃった 今
でね こういう単純作業は
大体 歌 歌ってやるの 分かる?
♪ アー イヤー
♪ 今年は豊年だよ
どうした どうした
めんごいね めんごい フフフッ…
いやぁ どうも ありがとうね
(女性)ねえ 八戒さん
ねえ お願い
何がお願いって 困っちゃったな…
満足ですよ 非常に満足だ
くすぐったいよ くすぐったい
チューして
チューして チューして
かわいい かわいい こっち…
どこに どこに…
ほら チューしてごらん
チューしてごらん
ねえ 悟空 それはね
それは言わんほうがええって
いやいやいや 俺は言うぞ
いや 言うって それは殺生やで
悟浄
本当のこと言って 何が悪いんだ?
いや それは そうなんやけど…
じゃ 言うわ
我慢ならねえんだ 俺は!
そういうことで そんなこと
言うたら 世の中 どうなんねん?
世の中は世の中だよ お前
おお 弟子の衆か
子方は何をしております?
あのな ちょっと ひと言
言っておきてえことあんだよ
おい ちょっと もう…
いいから!
あのお師匠さまはな
あんたの息子じゃねえ
何を言うんじゃ
あんたの息子は・
ここから北へ150里 行ったな
青竜洞ってとこに住んでんだ
おい ばあさん 青竜将軍って
いう名前 知ってるだろう?
おい 悟空
もう それ以上は ええやないか
もう いいから
言いだしたんじゃ しょうがねえよ
知ってるだろう?
知っておる
人間の姿をした魔物じゃ
そう それが あんたの息子だ
子方の成れの果てだよ
なんじゃと・
嘘だと思うならよ
連れてってやろうか
青竜洞の前でよ
「子方」って叫んでみろよ
懐かしい息子が
現れるって寸法だよ
この この!
(殴る音)
いて
何すんだよ 痛えな!
よくも そんなでたらめが
言えたもんじゃ!
青竜将軍が子方じゃと?
そんなことがあるか 嘘つき猿め!
(殴る音)
あいた! 何やの・
私 何も言うてませんがな
止めに入ってるほうですがな
子方は ここにおる
わしに孝養を尽くしておるわ!
子方! 子方は おらぬか!
ちょっと待て…
子方 来ておくれ 子方!
ばあさん 呼ぶな 呼ぶなって!
はい 母上
(母親)おお 子方か
この者たちを追いやっておくれ
悟空たちが何か言いましたか?
そ… そなたのことを
子方では ないと言うのじゃ
えっ? 悟空!
この嘘つき猿めが!
そのようなことはございません
確かに
7つの折 李家荘を旅立って・
長安に
向かいました子方でございます
(せきこみ)
さあ 母上
子方に違いありません
そうじゃ…
・~
はちりだい
おう あれが八里台だ
4~5年は来てねえな
(盗賊)そろそろ よさそうだな
将軍に知らせるか
(盗賊たち)よし
・~
将軍 八里台の村が手ごろです
くり
去年は 栗の収穫も良かったようで
よし…
手勢を集めろ
(盗賊)はっ!
お~い 逃げるんだ!
(男性)みんな 逃げるんだぞ!
お~い みんな 逃げるんだ!
早く逃げるんだ!
青竜将軍だ 青竜将軍が来たぞ!
早く逃げろ! 逃げろ 逃げろ!
悟空 えらいこっちゃ!
お~い 悟空!
悟空 えらいこっちゃ!
おい 青竜将軍がやって来よるぞ!
青竜将軍が・
来やがったか…
(男性)お~い 早く逃げろ!
(騒ぎ声)
・(子供)おばば おばば!
おばば
山に逃げないと殺されちゃうよ
(女性)何やってんだよ!
早く逃げるんだよ! ほら 早く!
お師匠さま どないしましょう?
逃げましょう 母上 この分だと
賊は 老人だとて容赦はしますまい
子方 そなた 早くお逃げ
母上!
年寄りがいては足手まとい
そなたまで巻き添えを食う
いいから 早くお逃げ!
なりませぬ
子方は どこまでも母上と…
子方 わしは もうよい
20年も待った そなたに
会えたのじゃ
賊の手にかかって殺されても
もはや思い残すことはない
また もし 運よく生き長らえれば
こうして また
そなたと一緒に暮らせるのじゃ
さあさあ いいから 早くお逃げ
早く!
母上!
お師匠さま ばあさんが
そういうふうに言ってんだから
いいじゃないですか
行きましょう ほら ねっ?
悟空! なんということを…
仮にも私の母上ですよ!
たまらねえな もう
いつまで親子ごっこ やってりゃ
気が済むんだ?
悟空 母上を背負いなさい
また背負うの?
子方 いけません
山は険しいのじゃ
年寄りを連れては
とても逃げられぬ
これまでも…
これまでも?
足の弱った年寄りは…
みな 残ったのじゃ…
(泣き声)
母上…
・~
はいよ
ええい めぼしい物は
みんな持ち去ったあとか!
(刺す音)
(男性)ウウッ…
・~
将軍 白馬を引いた坊主の
一行がおりますぜ
白馬?
うん いい馬だ
続け! ハッ!
(盗賊)オーッ!
(悟浄)おい 悟空 来よったぞ
よ~し こうなったら
しかたねえや 迎え撃つまでだ
ばあさん こっち こっち
こっち こっち…
(馬のいななき)
てめえが青竜将軍かよ
(青竜)おう
その白馬 置いていけ
なにぃ?
ほう… 手向かう気か 面白い
フフフフッ…
・~
・~
おい! 悟浄 どうした?
あかん… あいつの目 見てたら
なんや おかしなってきた…
悟浄! おい!
おい 悟浄
お前 何してんだよ 馬鹿野郎!
悟空
その者の目を見てはなりませぬ!
(骨の折れる音)
ハハハッ…
やい 術かけてみやがれ!
・~
ヤーッ!
(石を殴る音)
坊主を捕らえい!
なにが 「捕らえ」だ この野郎!
何をするのです・
猿め 目隠しを取れ
何言ってんだ? この石頭
この野郎!
さもないと 坊主の命はないぞ
うん? あっ!
フフフフッ…
目を開けろ
・~
ンッ!
あっ!
俺の術の力を養うには・
3年に1度
人の生き血をすすらねばならぬ
それも 徳の高い坊主の血とあれば
この上のものはないわ
子方!
いけませぬ 母上!
(青竜)何者だ・ ばばあ
よう聞け 子方
わしは そなたの母じゃ!
母上!
長安に上る身が
このような者に成り下がって…
お前は わしを忘れたのか!
わしに母なぞ ないわ!
(母親)この愚か者!
あやかしの術を
かけるなら かけてみよ!
わしには そなたと同じ血が
流れているのじゃ
わしに術をかけるのは
己に術をかけるのと同じことじゃ
・~
おお やはり!
これが証拠じゃ
そなたが2つの折に
炉に落ちてできた やけどの跡
わしが ふた晩 そなたを抱いて
看病した そのやけどの跡じゃ
ええい 知らぬわ!
この親不孝者が!
これでは
世間さまに申し訳が立たぬ
せっかん
このわしが折檻してやる!
母上!
(殴る音)
死ぬがよい 子方 死ぬがよい!
わしも
そなたを ひとりで死なせはせぬ
わしも死ぬ!
(殴る音)
子方 子方!
(泣き声)
あっ!
えっ?
あれ?
あっ 元に戻った 二枚目に戻った
(泣き声)
おふくろ…
(母親)子方…
母上!
(母親)子方じゃ 子方じゃ!
これが誠の子方!
わし ようやく子方に会えたぞ
長安に上るつもりが
このようなことに…
子方!
(青竜)母上!
(泣き声)
あなたの心が通じましたね
ヘヘヘッ…
おっ母っていうのは いいもんだな
・~
母親を背負って 1000里向こうの
李家荘まで行くんですね
おい お母はんのこと大切にせえよ
・~
いいなぁ… なっ?
おいらは おふくろさんいねえから
ひがんじゃうよ まったく
羨ましいよ!
仮の息子に成り済まし・
孝養を尽くした三蔵は・
再び 悟空・悟浄を従えて
せいてん
西天の地へと旅立ちます>
いかが相なりましたやら>
お~い 待ってくれ!
置いてきぼりにしないでくれ!
旅は まだ 大方を残しております>
一行を待ち構えておりますやら>
・『ガンダーラ』
・ そこに行けば
・ どんな夢も かなうというよ
・ 誰もみな行きたがるが
はる
・ 遥かな世界
・ その国の名は ガンダーラ
どこ
・ 何処かにある ユートピア
・ どうしたら行けるのだろう
・ 教えて欲しい
・ In Gandhara, Gandhara
・ They say it was in India
・ Gandhara, Gandhara
・ 愛の国 Gandhara
・ Gandhara, Gandhara
・ They say it was in India
・ Gandhara, Gandhara
・ 愛の国 Gandhara
食い尽くしていくバッタの大群>
人々を豚に変えていく>
消えた幻の湖」に ご期待ください>
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